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E 4048:2008

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

2

4  設計指示

2

5  母材

2

6  継手に作用する荷重

3

6.1  一般

3

6.2  継手に作用する荷重の計算

3

6.3  許容引張せん断荷重

4

7  設計細目

7

附属書 A(参考)溶接の等級及び対象部位

10

 


 
E 4048:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄道

車輌工業会(JARI)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS E 4048:1994 は改正され,この規格に置き換えられ,また,JIS E 4049:1990 及び JIS E 

4050:1992 は廃止され,この規格及び JIS E 4047:2008 に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 E

4048

:2008

鉄道車両−旅客車用構体−

スポット溶接継手の設計方法

Rolling stock−Body structure for passenger cars−

Design method for spot-welded joints

序文

この規格は,1973 年に制定され,その後 3 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1994 年に

行われた。この規格の制定後の 1990 年に JIS E 4049,次いで,1992 年に JIS E 4050 が制定された。これ

ら三つの規格において共通する規定部分を統合したほうが規格を利用しやすいとの要請に対応するため,

スポット溶接以外の溶接方法については JIS E 4047:2008 に,スポット溶接についてはこの規格にそれぞれ

統合した。

なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,鉄道車両の旅客車用構体(以下,

“構体”という。

)に用いるスポット溶接継手(以下,

“継

手”という。

)の設計方法について規定する。ただし,シーム溶接及びロールスポット溶接に関する継手は

含まない。

なお,この規格は,必要に応じて次の部位などに適用することができる。

−  機関車用構体

−  床下機器用骨組み

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS E 4001  鉄道車両用語

JIS E 7106  鉄道車両−旅客車用構体−設計通則

JIS G 3101  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3106  溶接構造用圧延鋼材

JIS G 3125  高耐候性圧延鋼材

JIS G 3131  熱間圧延軟鋼板及び鋼帯

JIS G 3141  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 3350  一般構造用軽量形鋼

JIS G 4305  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS H 4000  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条



E 4048:2008

JIS H 4100  アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材

JIS Z 3001-1  溶接用語−第 1 部:一般

JIS Z 3001-2  溶接用語−第 2 部:溶接方法

JIS Z 3021  溶接記号

JIS Z 3140  スポット溶接部の検査方法

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 4001JIS Z 3001-1 及び JIS Z 3001-2 によるほか,次によ

る。

3.1

普通鋼材

構体に使用する材料のうち,ステンレス鋼材及びアルミニウム合金材を除いた鋼材。

3.2

溶接ピッチ

隣り合うスポット溶接中心間距離。

3.3

縁距離

スポット溶接中心から,板材端面又は曲げ材接線までの距離。

4

設計指示

図面への設計指示事項は,次による。

a)  継手の設計指示は,JIS Z 3021 の溶接記号を用いて図面に記入する。ただし,溶接記号による指示だ

けでは適切に表現できない場合には,略図,詳細図などを併用することが望ましい。

b)  必要な場合には,溶接作業方法,溶接前及び溶接後の処理方法,検査方法などを指示する。

c)  構体にかかわるスポット溶接の等級は,JIS Z 3140 に従い,重要度が高いほうから A 級,B 級及び C

級に区分する。さらに,表面平滑を要するスポット継手部はそれぞれ AF 級,BF 級及び CF 級に区分

する。

注記  各等級の対象部位は,附属書 に示す。強度評価結果によって,この区分と異なる等級(上

位の級)が必要な部位は,図面に注記することが望ましい。

5

母材

旅客車用構体におけるスポット溶接適用部に使用する母材は,

表 による。ただし,受渡当事者間の協

定で,これと異なる母材を使用することができる。


3

E 4048:2008

表 1−母材

構体材料の区分

JIS 番号

母材の種類の記号

JIS G 3101 

SS330 又は SS400

JIS G 3106 

SM400A,SM400B,SM490A,SM490B,SM490YA,SM490YB 又は SM520B

JIS G 3125 

SPA-H 又は SPA-C

JIS G 3131 

SPHC,SPHD 又は SPHE

JIS G 3141 

SPCC,SPCD 又は SPCE

普通鋼材

JIS G 3350 

SSC400

ステンレス鋼材

JIS G 4305 

SUS301L 又は SUS304

JIS H 4000 

A5005P,A5052P,A5083P 又は A7N01P

アルミニウム

合金材

JIS H 4100 

A5052S,A5083S,A6063S,A6N01S,A7003S 又は A7N01S

6

継手に作用する荷重

6.1

一般

継手に作用する静荷重及び動荷重は,JIS E 7106 に規定する荷重によって構体の継手に作用する荷重を

対象とする。

なお,複数の荷重によって構体の継手に複数の荷重が作用する場合は,それらの同時性を考慮して JIS 

E 7106 によって合成する。

6.2

継手に作用する荷重の計算

溶接 1 点に作用する引張せん断荷重の計算は,次による。

a)  継手にせん断荷重が作用する場合  式

(1)

によって計算する。

n

Q

R

=

 (1)

ここに,

R: 溶接 1 点に作用するせん断荷重(kN)

Q: 継手に作用するせん断荷重(kN)

n: 継手の溶接点の数

b)  継手にねじりモーメントが作用する場合  式

(2)

によって計算する(

図 参照)。この場合,溶接点は,

2 個以上とする。

dA

r

M

A

r

R

2

0

0

0

ò

=

 (2)

ここに,

R

0

: 最外端の溶接 1 点に作用するせん断荷重(kN)

r

0

: 溶接部の回転中心から最外端溶接点までの距離(mm)

r

: 溶接部の回転中心から各溶接点までの距離(mm)

A

0

: 最外端の溶接 1 点の断面積(mm

2

A

: 溶接部の回転中心から距離

r

での溶接 1 点の断面積(mm

2

M

: 継手に作用するねじりモーメント(kN・mm)



E 4048:2008

図 1−ねじりモーメントが作用する場合

6.3

許容引張せん断荷重

6.3.1

静的強度

疲労を考慮する必要がない荷重を受ける場合,継手の設計に用いる呼び板厚に対する許容引張せん断荷

重は,普通鋼材,ステンレス鋼材及びアルミニウム合金材ごとにそれぞれ

表 2,表 及び表 による。た

だし,各表に示す板厚は,溶接する 2 枚の板厚が異なる場合,薄い方の板厚とし,3 枚以上組み合わせた

場合,外側の板の薄い方の板厚とする。また,材質が異なる場合は,許容引張せん断荷重のうち小さい方

の値とする。さらに,板厚及び材質が異なる場合,すべての組合せのうち最も小さい値とする。

表 2−普通鋼材の許容引張せん断荷重

単位  kN

母材の引張強さ  270∼370 MPa

a)

板厚

(mm)

A 級

AF 級

B 級

BF 級

C 級

CF 級

0.6 0.96 0.89 0.67

0.8 1.50 1.35 1.06

1.0 2.09 1.87 1.47 
1.2 2.75 2.48 1.94

1.6 4.22 3.80 2.98 
2.0 5.90 5.30 4.12

2.3 7.25 6.50 5.05 
3.0 10.9

9.75  7.65

3.2 11.9  10.8

8.30

4.5

19.9 17.9 13.9

a)

  表 の普通鋼材のそれぞれの JIS における母材の引張強さの最小値が 370 MPa を超え 590 MPa

以下の場合には,それぞれの母材の引張強さの最小値×8/3 000 を

表 の値に乗じるものとす

る。590 MPa を超えるものについては 590 MPa とし,

表 の値に 1.6 を乗じるものとする。


5

E 4048:2008

表 3−ステンレス鋼材の許容引張せん断荷重

単位  kN

母材

SUS304

SUS301L

SUS301L-1/4H 
SUS301L-1/2H

SUS301L-3/4H

SUS301L-H

板厚

(mm)

A 級,AF 級,

B 級,BF 級

C 級

CF 級

A 級,AF 級,

B 級,BF 級

C 級

CF 級

A 級,AF 級,

B 級,BF 級

C 級

CF 級

0.4 0.54 0.49 0.74 0.66 0.93 0.84

0.5 0.74 0.66 1.03 0.93 1.33 1.19 
0.6 0.98 0.88 1.33 1.19 1.67 1.50

0.8 1.42 1.28 1.96 1.76 2.50 2.25

1.0 1.96 1.76 2.70 2.43 3.44 3.09 
1.2 2.55 2.30 3.48 3.13 4.42 3.97

1.5 3.48 3.13 4.76 4.28 6.05 5.45 
2.0 5.20 4.68 7.10 6.39 9.05 8.15

2.5 7.05 6.35 9.70 8.73 12.4 11.1 
3.0 9.10  8.19 12.6  11.3  16.0  14.4

3.5

11.9 10.7 15.6 14.0 19.8 17.8

4.0

13.7 12.3 18.8 16.9 24.0 21.6

4.5

16.2 14.5 22.2 19.9 28.2 25.4

5.0

18.7 16.8 25.7 23.1 32.7 29.4



E 4048:2008

表 4−アルミニウム合金材の許容引張せん断荷重

単位  kN

母材

A5005 A5052 A6063 A6N01

A5083,A7003,A7N01

板厚

(mm)

A 級

AF 級

B 級

BF 級

C 級

CF 級

A 級

AF 級

B 級

BF 級

C 級

CF 級

A 級

AF 級

B 級

BF 級

C 級

CF 級

A 級

AF 級

B 級

BF 級

C 級

CF 級

A 級

AF 級

B 級

BF 級

C 級

CF 級

0.8  0.26 0.22 0.13 0.43 0.35 0.21 0.30 0.25 0.15 0.39 0.32 0.19 0.66 0.54 0.33 
1.0  0.32 0.27 0.16 0.51 0.43 0.26 0.36 0.31 0.19 0.47 0.40 0.24 0.80 0.68 0.41

1.2  0.39 0.32 0.19 0.64 0.52 0.31 0.45 0.37 0.22 0.58 0.47 0.29 0.99 0.81 0.49 
1.6  0.53 0.43 0.26 0.86 0.69 0.42 0.61 0.49 0.29 0.78 0.63 0.38 1.34 1.07 0.65

2.0  0.66 0.54 0.33 1.07 0.87 0.53 0.76 0.61 0.37 0.98 0.79 0.48 1.67 1.35 0.82

2.5  0.82 0.67 0.40 1.33 1.08 0.65 0.94 0.76 0.46 1.22 0.98 0.60 2.08 1.68 1.02 
3.0  0.99 0.80 0.48 1.60 1.30 0.78 1.13 0.92 0.55 1.46 1.19 0.71 2.49 2.03 1.22

4.0  1.32 1.07 0.65 2.13 1.73 1.05 1.51 1.22 0.74 1.95 1.58 0.95 3.33 2.70 1.63 
5.0  1.65 1.33 0.81 2.67 2.16 1.31 1.88 1.52 0.92 2.43 1.97 1.19 4.16 3.37 2.04

6.0  1.98 1.60 0.97 3.20 2.59 1.57 2.26 1.83 1.11 2.92 2.36 1.43 5.00 4.04 2.45

6

E 4048

2008


7

E 4048:2008

6.3.2

疲労強度

疲労を考慮する必要がある動荷重を受ける場合,許容引張せん断荷重は,受渡当事者間の協定による。

7

設計細目

継手の設計細目は,

図 の記号を用いて次による。

t

1

t

2

P

min.

E

min.

薄い方の板厚(mm) 
厚い方の板厚(mm) 
  ただし t

1

t

2

  Tt

1

t

2

最小溶接ピッチ(mm) 
最小縁距離(mm)

図 2−スポット溶接の位置にかかわる記号

a)  図面に指示のない最小縁距離及び最小溶接ピッチは,表 5∼表 による。ただし,重ね合わせる板の

厚さが異なる場合は,薄板側の板厚を基準とする。

表 5−普通鋼材の最小縁距離及び最小溶接ピッチ

単位  mm

板厚

t

1

最小縁距離

E

min.

最小溶接ピッチ

P

min.

0.6 16

0.8 18 
1.0 20

1.2 22 
1.6

10

25

2.0 28 
2.3

11

30

3.0 35

3.2

13

36

4.5 16  42



E 4048:2008

表 6−ステンレス鋼材の最小縁距離及び最小溶接ピッチ

単位  mm

最小溶接ピッチ

P

min.

板厚

t

1

最小縁距離

E

min.

T<2.5 t

1

の場合

T≧2.5 t

1

の場合

0.4

3

9

11

0.5

4

10

13

0.6

4

12

15

0.8

5

14

18

1.0

6

17

21

1.2

7

19

24

1.5

8

22

28

2.0 10

27

34

2.5 12

32

40

3.0 14

36

46

3.5 15

40

51

4.0 17

44

56

4.5 18

48

60

5.0 20

52

65

表 7−アルミニウム合金材の最小縁距離及び最小溶接ピッチ

単位  mm

板厚

t

1

最小縁距離

E

min.

最小溶接ピッチ

P

min.

0.8 10

18

1.0 10

20

1.2 10

22

1.6 10

25

2.0 11

28

2.5 12

32

3.0 13

35

4.0 15

40

5.0 17

45

6.0 18

49

b)  採用すべき縁距離及び溶接ピッチは,表 5∼表 の最小値を下回らない範囲で受渡当事者間の協定に

よって決定する。

c)  重ね合わせる板の枚数は,普通鋼材及びアルミニウム合金材では 3 枚以内,ステンレス鋼材では 4 枚

以内とする。これらを超える組合せを用いる場合は,受渡当事者間の協定によって決定する。

d)  重ね合わせる板の厚さが異なる場合は,次による。ただし,これによりがたい場合は,受渡当事者間

の協定による。

1)  重ね合わせる板の合計の厚さと外側の板の厚さとの比は,図 に示すように,普通鋼材及びステン

レス鋼材では 5 以下,アルミニウム合金材では 4 以下とする。


9

E 4048:2008

Tn×t

1

T:重ね合わせる板の合計の厚さ

  t

1

:薄い方の板厚

n=5:普通鋼材及びステンレス鋼材 
n=4:アルミニウム合金材 
      ただし t

1

t

2

とする。

図 3−重ね板厚比(1

 
2)  板を 3 枚又は 4 枚重ね合わせる場合,最も厚い板の厚さと外側の薄い方の板の厚さとの比は,図 4

に示すように普通鋼材及びステンレス鋼材では 3 以下,アルミニウム合金材では 4 以下とする。ま

た,ステンレス鋼材の場合には,最も薄い板の厚さは,

図 に示すように,外側の薄い方の板の厚

さの 1/2 以上とする。

t

3

m×t

1

m=3:普通鋼材及びステンレス鋼材 
m=4:アルミニウム合金材

ただし t

1

t

2

t

3

とする。

1

3

2

1

t

t

×

ただし t

3

t

1

t

2

とする。

図 4−重ね板厚比(2

図 5−重ね板厚比(3

e)  その他  溶接ピッチは,同一設計では,なるべくそろ(揃)えることが望ましい。


10 
E 4048:2008

附属書 A

参考)

溶接の等級及び対象部位

序文

この附属書は,溶接の等級及び対象部位について記載するものであって,規定の一部ではない。

A.1  溶接の等級及び対象部位

構体に対するスポット溶接の等級及び対象部位は,通常,

表 A.1 による。必要に応じて,これと異なる

溶接等級を図面に指定することができる。

表 A.1−スポット溶接の等級及び対象部位

溶接の等級

普通鋼材

ステンレス

鋼材

アルミニウ

ム合金材

対象部位

a

)

b

)

完成した台枠,側構,妻構及び屋根構を構体に組み立てる最終溶接。

台枠骨組の主要部分の溶接。

側構骨組の組立及びこれらの主要部分(柱,長手方向部材など)と外
板との溶接。

妻構骨組の組立及びこれらの主要部分(柱,横手方向部材など)と外

板との溶接。

A 級及び

AF 級

その他指定された部分の溶接。

a

)

A 級及び

AF 級

外板と外板との溶接。

A 級及び

AF 級

床板(波形鋼板を含む。

)の溶接。

屋根構骨組の組立及びこれらの主要部分[た(垂)るき,縦けた(桁)
など]と屋根板との溶接。

外板と外板補強との溶接。

仕切類の組立及び溶接。

車体外部設備品の車体への溶接。

B 級及び

BF 級

B 級及び

BF 級

B 級及び

BF 級

その他比較的重要な部分の溶接。

電気機器ケース,防熱板などの溶接。

ねじの裏座類の溶接。

C 級及び

CF 級

C 級及び

CF 級

C 級及び

CF 級

その他 A 級,AF 級,B 級及び BF 級を除く一般部分の溶接。

a

)

  普通鋼材の場合,接合面の腐食が強度面に影響を及ぼす部位のため,通常,スポット溶接は用いない。

b

)

  アルミニウム合金材の場合,接合部位の強度を確保するため,通常,この部位にスポット溶接は用いない。