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E 4041

:2009

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義

3

4

  要求事項

5

4.1

  一般

5

4.2

  第三者機関所有の試験設備

6

4.3

  試験計画書

6

5

  試験の種類

7

5.1

  一般

7

5.2

  予備調整試験

7

5.3

  受入試験

8

5.4

  調査試験

9

6

  試験条件

9

6.1

  一般

9

6.2

  定置試験

9

6.3

  走行試験

9

7

  妥当性確認文書

10

8

  定置試験

10

8.1

  一般

10

8.1A

  外観検査(受渡試験)

10

8.2

  寸法試験

11

8.3

  車両限界試験

12

8.4

  つり上げ又は持ち上げ試験(任意の形式試験)

13

8.5

  質量測定

14

8.5A

  重心測定(任意の形式試験)

15

8.6

  防水・防じん(塵)試験

15

8.6A

  気密試験(受渡試験)

16

8.7

  電気絶縁特性試験(受渡試験)

17

8.7A

  配線検査(受渡試験)

18

8.8

  防護ボンディング及び帰線回路の試験(形式試験)

18

8.8A

  最低動作電圧・最低動作空気圧の試験(形式試験)

18

8.9

  空気システムの試験

18

8.10

  油圧システムの試験

19

8.11

  摩擦ブレーキシステムの試験

20


E 4041

:2009  目次

(2)

ページ

8.12

  留置ブレーキの試験(形式試験)

21

8.13

  補助電源装置の試験

22

8.14

  蓄電池充電試験

22

8.15

  補助システム及び制御システムの試験

23

8.16

  発電機又はトルクコンバータを組み合わせたエンジンユニットの試験

26

8.17

  走行駆動システムの試験

29

8.18

  運転及び保守のしやすさ(形式試験)

29

8.19

  騒音試験及び振動試験(任意の形式試験)

31

8.20

  安全性の確認を要するシステムの試験(受渡試験)

31

9

  走行試験

31

9.1

  一般

31

9.1A

  走行試験を行う前に確認すべき項目(受渡試験)

32

9.2

  力行性能(速度・引張力特性)

32

9.3

  走行性能(走行時間確認)(任意の形式試験)

32

9.4

  ブレーキ試験

34

9.5

  走行駆動システム及びブレーキ装置の温度上昇試験(形式試験)

37

9.6

  走行抵抗(任意の形式試験)

38

9.7

  車両の速度制御システム試験

38

9.8

  自動列車停止装置など(自動列車制御装置及び自動列車運転装置を含む)のシステム試験

39

9.9

  車両及び軌道の相互作用

39

9.10

  乗り心地快適性(任意の試験)

40

9.11

  動的車両限界(任意の試験)

41

9.12

  車輪のフランジ塗油器の動作(受渡試験)

41

9.13

  集電装置の試験(形式試験)

41

9.14

  空気力学的な影響(形式試験)

42

9.15

  電磁両立性(EMC)(任意の形式試験)

42

9.16

  電圧急変,電力中断及び短絡試験(任意の形式試験)

43

9.16A

    車両に搭載した主要電気品の保護機器及び内部過電圧(任意の形式試験)

45

9.17

  騒音試験(任意の試験)

46

9.18

  空気システム−空気圧縮機のデューティサイクル(形式試験)

46

9.19

  窓ふき器(形式試験)

46

9.20

  列車制御システム(形式試験)

47

附属書 A(参考)試験項目

48

附属書 JA(規定)車両の防水試験方法

54

附属書 JB(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

56


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄道

車輌工業会(JARI)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。これ

によって,JIS E 4041:1999 は改正され,JIS E 4022 及び JIS E 4042JIS E 4046 は,廃止・統合され,こ

の規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


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:2009

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白      紙


日本工業規格

JIS

 E

4041

:2009

鉄道車両−完成車両の試験通則

Rolling stock-Testing of rolling stock on completion of construction

and before entry into service

序文

この規格は,2006 年に第 2 版として発行された IEC 61133 を基に作成した日本工業規格であるが,日本

の実情に則して対応国際規格には規定されていない規定項目の追加などのため,技術的内容を変更して作

成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない又は変更している事

項であり,

附属書 JA は対応国際規格にはない事項である。変更の一覧表にその説明を付けて,附属書 JB

に示す。

1

適用範囲

この規格は,鉄道車両が完成してから営業投入までに,この規格又はその他の規定文書の要求事項を満

足していることを明らかにするための試験通則について規定する。

この規格は,すべての鉄道車両に対して,規格全体又は規格の一部分を適用する。ただし,工事用軌陸

車,軌道敷設機械車両,バラスト交換機械工事車両及び保守作業者輸送用車両のような特定の目的の車両

には適用しない。こうした特定の車両にも,この規格を準用する場合には,契約書で特別に規定する。

注記 1  車両の種類(例えば,旅客車,貨車,機関車,付随車など)によって,この規格で適用する

細分箇条が,異なる場合がある(

表 A.1 及び表 A.2 参照)。

注記 2  この規格は,車両にぎ(艤)装する前の機器又は装置の試験は規定しない。

この規格は,次のような装置に適用してもよい。

a)

車両搭載の補助電源用発電装置。

b)

無軌条電車又はこれに類似する車両で,電気式又はエンジンによる走行駆動システムを装備している

車両。

c)

電気式又はエンジンによる走行駆動システムを装備していない付随車両などの制御用品及び補助用品。

d)

車輪とレールとの間の粘着によらないで,案内・支持される車両で,電気式又はエンジンによって走

行駆動される車両。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61133:2006, Railway applications – Rolling stock – Testing of rolling stock on completion of

construction and before entry into service (MOD)

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを

示す。


2

E 4041

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2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0920

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

注記  対応国際規格 IEC 60529:2001,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)(IDT)

JIS E 4001

  鉄道車両用語

JIS E 4011

  鉄道車両の質量測定方法

JIS E 4014:2007

  鉄道車両−絶縁抵抗試験方法及び耐電圧試験方法

JIS E 4016

  鉄道車両の照度−基準及び測定方法

JIS E 4021

  鉄道車両−車内騒音の測定方法

注記  対応国際規格 ISO 3381, Railway applications−Acoustics−Measurement of noise inside railbound

vehicles (MOD)

JIS E 4025

  鉄道車両−車外騒音の測定方法

注記  対応国際規格 ISO 3095, Railway applications−Acoustics−Measurement of noise emitted by

railbound vehicles (MOD)

JIS E 5004-1

  鉄道車両−電気品−第 1 部:一般使用条件及び一般規則

注記  対応国際規格 IEC 60077-1, Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 1:

General service conditions and general rules (MOD)

JIS E 5004-2

  鉄道車両−電気品−第 2 部:開閉機器・制御機器及びヒューズの一般規則

注記  対応国際規格 IEC 60077-2, Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 2:

Electrotechnical components−General rules (MOD)

JIS E 5004-3

  鉄道車両−電気品−第 3 部:直流遮断器

注記  対応国際規格 IEC 60077-3, Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 3:

Electrotechnical components−Rules for d.c. circuit-breakers (MOD)

JIS E 5004-4

  鉄道車両−電気品−第 4 部:交流遮断器

注記  対応国際規格 IEC 60077-4, Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 4:

Electrotechnical components−Rules for AC circuit-breakers (MOD)

JIS E 5004-5

  鉄道車両−電気品−第 5 部:高圧ヒューズ

注記  対応国際規格 IEC 60077-5, Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Part 5:

Electrotechnical components−Rules for HV fuses (MOD)

JIS E 5006

  鉄道車両−電子機器

注記  対応国際規格 IEC 60571:1998, Electronic equipment used on rail vehicles (MOD)

JIS E 5007

  鉄道車両−主変圧器及びリアクトル

注記  対応国際規格 IEC 60310, Railway applications−Traction transformers and inductors on board

rolling stock (MOD)

JIS E 5008

  鉄道車両−電力変換装置

注記  対応国際規格 IEC 61287-1, Railway applications−Power convertors installed on board rolling

stock−Part 1: Characteristics and test methods (MOD)

JIS E 5011-1

  鉄道車両−電力変換装置及び交流電動機の組合せ試験−第 1 部:インバータ方式


3

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注記  対応国際規格 IEC 61377-1:2006, Railway applications−Rolling stock−Part 1: Combined testing

of inverter-fed alternating current motors and their control system (MOD)

JIS E 5011-2

  鉄道車両−電力変換装置及び交流電動機の組合せ試験−第 2 部:コンバータ・インバー

タ方式(中間直流リンクあり)

注記  対応国際規格 IEC 61377-3:2002, Railway applications−Rolling stock−Part 3: Combined testing

of alternating current motors, fed by an indirect convertor, and their control system (MOD)

JIS E 5051

  鉄道車両−電気的危険性に関する防護通則

注記  対応国際規格 IEC 61991, Railway applications−Rolling stock−Protective provisions against

electrical hazards (MOD)

JIS E 6101

  鉄道車両−直流主電動機−試験方法

注記  対応国際規格 IEC 60349-1, Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road

vehicles−Part 1: Machines other than electronic convertor-fed alternating current motors (MOD)

JIS E 6102

  鉄道車両用交流主電動機

注記  対応国際規格 IEC 60349-2, Electric traction−Rotating electrical machines for rail and road

vehicles−Part 2: Electronic convertor-fed alternating current motors (MOD)

JIS E 6302:2004

  鉄道車両用パンタグラフ

注記  対 応 国 際 規 格 IEC 60494-1:2002, Railway applications − Rolling stock − Pantographs −

Characteristics and tests−Part 1: Pantographs for mainline vehicles (MOD)  及び IEC 60494-2:2002,

Railway applications−Rolling stock−Pantographs−Characteristics and tests−Part 2: Pantographs

for metros and light rail vehicles (MOD)

JIS E 6401

  鉄道車両用抵抗器

注記  対応国際規格 IEC 60322, Railway applications−Electric equipment for rolling stock−Rules for

power resistors of open construction (MOD)

JIS Q 17025

  試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項

注記  対応国際規格 ISO/IEC 17025, General requirements for the competence of testing and calibration

laboratories (IDT)

IEC 61377-2:2002, Railway applications

−Rolling stock−Combined testing−Part 2: Chopper-fed direct

current traction motors and their control

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 4001 によるほか,次による。

注記  鉄道の地上設備に関係する主な用語及び定義は,JIS E 2001IEC 62128-1 及び IEC 62128-2 

よる。

3.1

製造業者(manufacturer)

車両システムの供給に対して技術的責任をもつ組織。ただし,車両の契約が車体,台車,装置など複数

に分割される場合は,製造業者も複数になる場合がある。

3.1A

支給品(free issue materials)

車両に用いる用品などのうち,発注者又は使用者が別契約で調達して製造業者に無償供給する品物。交


4

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付材ともいう。

注記  車両完成後の当該支給品に関係する試験については,6.1 参照。

3.2

製造業者の工場(manufacturer’s works)

車両(車体,台車,装置など)の組立を完成させ,かつ,一般的には定置試験を行う場所。

3.3

発注者(purchaser)

車両を製造業者に発注し,かつ,所有するとともに,製造業者に対して直接の交渉責任をもつ組織。た

だし,主契約者又はコンサルタント会社が発注者の役割をもつことがある。

3.4

供給者(supplier)

製造業者に対して,個々の機器又は装置などを供給する責務を負う組織。

3.5

供給者の工場(supplier’s works)

個々の機器又は装置などを製造する場所。

3.6

契約(contract)

発注者の技術仕様書,製造業者の技術的対応,会議議事録及びその他の正式な契約文書からなる製造業

者と発注者間(以下,受渡当事者間という。

)で協定した技術仕様書のすべての構成要件。

3.7

使用者(user)

車両を使用する予定の組織。使用者は,車両を運用する事業体であり,発注者である場合もある。また,

例えば,リース契約を通して発注者に代わって車両を使用する別の事業体の場合もある。

3.8

鉄道の地上設備管理者(infrastructure controller)

軌道,信号,通信,建築構造物などの鉄道の運用に関係する地上設備を管理する組織。

3.9

形式試験(type test)

完成車両(単体又は複数の機器及びシステムを含む。

)が,要求仕様及び関係する規格を満足している設

計であることを示すために行う試験。

3.10

受渡試験(routine test)

製造中又は製造後のすべての車両(単体又は複数の機器及びシステムを含む。

)が,指定の合否判定基準

を満足していることを確認するために行う試験。

3.11

安全にかかわる事項(safety related)

注記  この用語は,まだ国内ではなじみがないので定義しない。

3.12

任意の試験(voluntary test)

受渡当事者間で協定して試験計画書に追加する必す(須)でない形式試験又は受渡試験。


5

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3.13

妥当性確認文書(validation documentation)

製品,製造手順又はその運用が,仕様書及びその他の規定文書に対して適合していることを確認した証

拠を示す記録。

注記  “妥当性確認”の意味については,4.3 の注記 参照。

3.14

試験計画書(test plan)

製造業者が,品質計画書に記載して試験を行う事項に関する計画書。これには,実施する試験に関する

すべての補足資料を含む。この規格に基づいて,試験計画書には,すべての付帯する試験仕様書を含める

ようにする。

3.15

品質計画書(quality plan)

特定のプロジェクト,製品,プロセス又は契約に対して,品質を確保するための活動として,誰の指示

で,どの時期に関連する資源を適用するかの手順及び規定を示した計画書。

3.16

外部承認機関(approval authority)

発注者(3.3 参照)以外で,この規格が規定する範囲内で,車両に対して必要とする試験の実施を要求す

る権利をもつ組織。製造業者は,この組織からの要求に対して,仕様を満足していることを実証しなけれ

ばならない。

このような組織は,国によって異なるが,当該国又は国際的な公的機関,当該国の安全管理当局,鉄道

の地上設備管理者及び/又は認証機関である場合もある。

3.16A

軌陸車(rail/road vehicle)

鉄道の軌道及び道路の双方を走行できる構造の車両。

4

要求事項

4.1

一般

製造業者は,製品の品質に影響するすべての管理活動を行い,製品が指定の適用規格又はその他の規定

文書を満足していることを確認する。

この目的のために,製造業者は,自己の責任において,あらゆる段階(例えば,原材料,供給,製造,

完成品又は梱包など。

)における管理を行うために必要なすべての手段をとる。また,必要に応じて製造業

者は,品質システム及び試験結果についての情報を提供できるようにする。

製造業者は,適切な品質システムを確立し,それを維持しなければならない。これには製造作業標準,

試験仕様書,試験成績書,試験用計測器及び計測装置の校正,文書管理,不適合製品の管理,作業者のト

レーニングなどを含み,最終検査及び最終試験の実施までを網羅し,さらに必要に応じて監査できる手順

を含める。

注記  製造業者は,JIS Q 9001 による品質システムを適用することを推奨する。

4.1.1

品質計画書

製造業者は,試験計画書(3.14  及び 4.3 参照)を含めた製品の設計,製造,検査及び試験に関する品質

計画書(3.15  参照)を作成し,その中で製造業者がどのようにして発注者・使用者の要求仕様を満足させ


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るかの方策を明らかにする。

契約では,車両の組立が完成してから営業に投入するまでに行う様々な試験を明確に規定し,次の内容

を発注者が確認できるようにする。

a)

形式試験  車両が,契約上の技術的要求事項を満足している(3.9 及び 5.3.1 参照)。

b)

受渡試験  すべての車両が,形式試験で検証した設計基準を満足している(3.10 及び 5.3.2 参照)。

c)

別契約による追加試験  例えば,4.1.2 の a)∼c)  など。

4.1.2

車両の主要構成用品に対する試験

車両の主要構成用品は,この規格に基づいて試験を開始する前に 6.1 e)  で規定している事項以外の,関

係する規格及び仕様書による形式試験及び受渡試験にすべて合格しているものとする。この規格によって

行う試験は,車両を構成するこれらの機器が,車両に要求されている機能に対してインタフェースが正し

くとれていることを明らかにすることである。したがって,次の種類の試験は,この規格の対象外であり,

必要な場合には受渡当事者間で別途協定しなければならない。

a)

耐久試験及び信頼性試験

b)

開発のための試験

c)

調査試験

d)

システム試験(例えば,部分組立品又はシステムの組合せ試験)

4.2

第三者機関所有の試験設備

第三者機関所有の試験設備を利用する場合には,その旨を事前に申告し,当該第三者機関の内容,その

試験設備及び資格認定の詳細を試験計画書(4.3 参照)に記載して協定する。

この協定は,必要であれば,次の内容にも適用できる。

a)

製造業者又は発注者(受渡当事者)のいずれにも所属していない特定の試験所へ,車両を移送させて

行う定置試験。

b)

製造業者又は使用者(受渡当事者)のいずれにも所属していない,別の鉄道事業者の路線を使う走行

試験。第三者機関所有の試験設備は,JIS Q 17025 で認定されているものがよい。

注記  対象国によっては,発注者又は外部承認機関が,製造業者とは無関係の認定された試験設備

で試験を行うことを要求する場合がある。

4.3

試験計画書

製造業者は,実施予定の試験に対して,次の内容を詳細に記載した試験計画書を作成して品質計画書の

中で提案する。

a)

試験プログラム

b)

各車両の完成試験を行う前に,完了しておくべき車両の主要構成用品及び装置の形式試験

c)

使用する試験設備

注記 1  これには,必要に応じて,認定資格及び設備能力の詳細並びに第三者機関所有の試験設備

の場合は,製造業者からの独立性の程度を含める。

d)

試験方法

e)

各試験を行うときの負荷質量条件

f)

各試験に対する環境条件

g)

各試験の測定方法に関連した基準値及び許容範囲又は限度値

h)

各試験に対する合否判定基準

i)

是正措置の手順


7

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j)

妥当性確認文書(3.13 参照)

発注者が,特定の試験又は文書による妥当性確認の証拠を契約で要求している場合,製造業者は,試験

計画書の中で識別できるようにする。特に,妥当性確認の証拠を保管する必要がある場合には,その必要

性を事前に受渡当事者間で協定しておくことが望ましい。

注記 2  “妥当性確認”は,“客観的証拠(あるものの存在又は真実を裏付けるデータ)を提示する

ことによって,特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされていることを確

認する”という意味である(JIS Q 9000:2006 の 3.8.5 参照)

発注者,使用者又は外部承認機関が,契約で特別に安全性又は危険性の評価査定のために,一連の試験

を行って安全性確認を要求する場合には,試験プログラムに記載し,試験計画書の中で識別できるように

する。

注記 3  特別に安全にかかわる試験項目については,表 A.1 及び表 A.2 の試験項目の欄に,注

a)

及び

/又は

b)

で示してある。

試験計画書の内容には,妥当性確認の文書化の一環として作成した試験項目表に漏れがないことを監査

プロセスを使用して確認する。

重要な用品の構成状況(形式番号,シリーズ番号及び変更状況)には,ソフトウエア変更状況を含めて,

“品質記録”として記録する。

各試験に合格して試験が完了した後,製造業者は,妥当性確認文書を作成する。

5

試験の種類

5.1

一般

試験計画書(3.14 及び 4.3 参照)には,試験を次の種類に分けて表示する。

5.1.1

試験の種類

試験の種類は,次による。

a)

予備調整試験(5.2 参照)

b)

受入試験は,次の試験に区分する。

1)

形式試験(5.3.1 参照)

2)

受渡試験(5.3.2 参照)

c)

調査試験(5.4 参照)

5.1.2

試験項目の一部省略

次のような場合,受渡当事者間の協定によって,試験項目の一部を省略することができる。

a)

試験の対象車両が以前に製造したものと同一の車両であることが明らかで,その車両に対して以前に

実施した試験の結果が利用できる場合又は発注者が支給若しくは指定した電動機などの用品を装備し

ている場合。

b)

対象車両の試験が同様な条件の下で,以前に実施済みであることを証拠資料によって証明できる場合。

5.2

予備調整試験

車両の受入試験(5.3 参照)を行う前に,負荷質量の“あり”又は“なし”のように条件を変えた状態で

車両を走行させて調整を行う予備調整試験が通常必要であるが,製造業者は,自己の工場では設備などの

都合で実施できない場合,使用者の路線を使用した予備調整試験の実施を要求することができる。この場

合,事前に使用者及び鉄道の地上設備管理者が満足できるように,安全走行に必要な最小限の試験(6.2

及び 9.1A 参照)を終了していなければならない。


8

E 4041

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所定の調整をするための試験走行の最大積算走行距離は,契約の協定によるのが望ましいが,車両の種

類,特に,その最高速度及び導入する新しい装置などを考慮に入れて選定しなければならない。形式試験

を行う予定の車両で,契約に数値が特定されていない場合,製造業者は,発注者に対して 5 000 km を超え

ない範囲で試験走行の実施を申請することができる。

注記  車両の通常の受入条件としての積算走行距離は,6.3 を参照。

この予備調整のための試験走行は,鉄道事業者又は使用者が任命した責任者の下においてだけ実施する

ことができるものとし,使用者は車両の運転者を任命する。

5.3

受入試験

5.3.1

形式試験

この試験は,契約で指定した要求性能を満足していることを証明するために,受渡当事者間で協定した

所要期間の中で行う。試験項目の例は,定置試験及び走行試験をそれぞれ

表 A.1 及び表 A.2 の一覧表で示

しているが,これらの試験項目ごとの試験内容は,箇条 及び箇条 に規定している。

注記  表 A.1 及び表 A.2 に示す試験項目一覧表は,製造業者が試験計画書を作成するときの指針であ

る。

形式試験は,一つの設計によって製造した最初の車両に対して行う。ただし,契約時に別の協定があり

試験計画書に記載されている場合は,その協定による。

この試験を評価検討用プロトタイプ車両又は量産に入る前の試作車両に対して行う場合,受渡当事者間

で協定して,量産最初の車両に対して必要な追加の形式試験項目を決め,試験計画書に記載する。

これらの形式試験は,箇条 に規定する適切な条件の下で行う。

任意の形式試験は,受渡当事者間が協定してあらかじめ試験計画書に記載している場合に行う。

5.3.2

受渡試験

受渡試験は,納入する車両ごとに行う。試験項目の例を

表 A.1 及び表 A.2 の一覧表で示しているが,こ

れらの試験項目ごとの試験内容は,箇条 及び箇条 に規定している。

車両の合否判定基準には,形式試験で使用した同じ特定のパラメータを選択することが望ましい。受渡

試験は,選択した合否判定基準を満足していることを確認できる十分な測定及び確認検査を含むものとす

る。

これらの受渡試験は,箇条 に規定する適切な条件の下で行う。

注記  表 A.1 及び表 A.2 に示す試験項目一覧表は,製造業者が試験計画書を作成するときの指針であ

る。

受渡試験において得られた試験結果は,形式試験で得られた試験結果から定める許容範囲内になければ

ならない。

受渡試験では,対応する形式試験の結果から,それと同じことを繰り返す必要がないと判断される場合

には,受渡当事者間の協定によって,次のように試験を変更することができる。

a)

試験範囲の限定又はサンプリングによる受渡試験

b)

試験項目の一部を省略

c)

既存の妥当性確認文書などによる適合性申告をもとにした試験の省略

5.3.3

外部承認機関が要求する試験

外部承認機関が要求する試験及び安全性の確認を要する試験,危険性評価のための特別な試験は,試験

計画書の中で識別できるようにする。

注記  特別に,安全にかかわる試験項目などの例は,表 A.1 及び表 A.2 の試験項目の欄に,注

a)

  及び


9

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/又は

b)

  で示してある。

5.4

調査試験

調査試験は,随意契約によって行う特別な試験であり,追加的な情報を得るために行う。この試験は,

契約で指定した場合にだけ行う。

こうした調査試験の実施は,受渡当事者間で協定し,それぞれの特定項目ごとに,試験の実施方法及び

手順を取り決める。

調査試験の結果は,車両の受取りを拒否する理由として使ってはならない。

6

試験条件

6.1

一般

試験は,特別の指定がない限り,通常の周囲条件の下で行う。

各試験の目的及び場所を考慮し,試験計画書には,次の項目を含めることが望ましい。また,完成車両

に組み込まれる支給品に関する試験は,支給品供給者を含む受渡当事者間で事前に協定しなければならな

い。

a)

形式試験及び受渡試験の試験計画書

注記  特に,この規格で受渡当事者が自由に選択できる事項は,明記する。

b)

定置試験(6.2 参照)

c)

走行試験(6.3 参照)

d)

自然環境に関する試験の方法(例えば,雪,雨,ほこり,気温など季節的な条件が関係する場合)

e)

使用している用品のうち,その供給者の工場に適切な試験設備がないために,完成車両の定置試験又

は走行試験で行う必要のある用品の試験。

6.2

定置試験

箇条 に規定する定置試験の試験項目は,できるだけ製造業者の工場内で行うようにする。

この定置試験には,安全に走行試験が始められることを検査確認する内容も含む(9.1A 参照)

同様に,第三者機関所有の試験設備(4.2 参照)に車両を移送して試験を行う場合にも,製造業者は,車

両が安全,かつ,確実に移送できることを,9.1A を準用して事前に十分に検査によって確認しておかなけ

ればならない。

試験設備は,試験を確実に行う上で,適切,かつ,十分なものでなければならない。当該試験に関連し

て,その試験設備に制約がある場合には,製造業者は,事前に発注者に連絡しておかなければならない。

6.3

走行試験

走行試験は,通常,その車両を運用する予定の路線,又はそれができない場合には,契約に指定されて

いる類似の特性をもつ路線で,箇条 に規定する内容の試験を行う。

これらの走行試験は,通常,使用者(3.7 参照)が管理する本線試験となり,車両の認可事項にも関係す

るので,発注者又は使用者の責任において実施する。ただし,製造業者(3.1 参照)及び供給者(3.4 参照)

は,誠実に協力する。

発注者は,必要に応じて契約で指定した条件によって,試験路線へのアクセス及び必要な要員を準備す

る。

試験列車の運転では,鉄道の地上設備管理者(3.8 参照)が規定するすべての規則を守らなければならな

い。

発注者は,契約に指定した条件の下で行う走行試験[予備調整試験(5.2 参照)としての走行を含む。


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に必要な,すべての設備を準備する。

走行試験に参加するすべての関係者は,責任関係を明確にしておかなければならない。

また,支給品が関係する走行試験の場合には,あらかじめ支給品供給者を含む受渡当事者間で,実施す

る試験項目,試験内容,試験機材の準備,当該試験の責任主体などを協定する。

別の鉄道の地上設備管理者の路線で,走行試験を行う場合,選定した路線,その特性及び運転条件につ

いて,契約時に受渡当事者間で協定する。

受渡当事者間で協定した別の専用施設で,すべての走行試験又は一部の試験を行ってもよい。

形式試験の一部として,発注者に引き渡すまでの積算走行距離は,契約に特定されていない場合,100 km

程度とする。

注記  走行試験を行う前に,信頼性,アベイラビリティ(availability),保全性及び安全性が関係する

事項で,必要な準備があれば受渡当事者間で検討する。

7

妥当性確認文書

妥当性確認文書には,車両及び主要搭載用品を識別できる十分な情報があり,試験記録を通して,これ

らをトレースできるようにする。少なくとも,次の内容を記載する。

a)

当該文書を作成した組織の名称及び所在地

b)

製造業者の名称及び所在地

c)

車両,主要搭載用品などの識別(名称,形式,形式番号及び関係するロット番号,バッチ,製造番号

などの補足情報)

d)

契約,試験計画書で引用した規格又は規定文書の明確かつ簡略な表示

e)

車両構成用品・装置などの等級又は分類記号がある場合には,それらも含めたあらゆる補足情報

f)

文書の日付

g)

責任者の役職名及び署名又は署名に代わるものと認定された印

8

定置試験

8.1

一般

製造業者は,試験計画書に規定した定置試験の各項目を実施する。

表 A.1 に代表的な定置試験項目を示

しているが,これらは試験計画書に記載する試験項目を予想した例である。この表は,すべての試験項目

を網羅しているものではなく,製造業者が試験計画書を作成するときのガイドラインとして活用すべきも

のである。

契約で特別な要求がない場合には,次に規定する各項目を契約の車両の種類に応じて,適宜選択して試

験計画書に含める。

8.1A

以降の細分箇条の表題に試験区分の記載がない試験項目は,形式試験及び受渡試験に共通である。

それぞれの試験項目に個別の試験区分を記載してある場合,該当する別の細分箇条に形式試験又は受渡試

験の詳細を規定してある。

8.1A

外観検査(受渡試験)

次の事項について,取付状態を含めて異常のないことを,実際の静止状態で検査によって確認する。

−車両全般

−支給品

−すべての機器及び装置


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−配線(8.7A 参照)

・配管

8.2

寸法試験

8.2.1

目的

車両は,完成後の最小負荷質量状態において,車両の外部寸法,各部のクリアランス及びフレキシブル

結合の部分が,契約の範囲内にあることを検証する。

8.2.2

形式試験

8.2.2.1

車両の外部寸法

各形式の車両の外部寸法は,鉄道事業者及び/又は鉄道の地上設備管理者が定める車両限界内にあるよ

うに設計しなければならない。もし,何らかの理由で車両限界の規定がない場合,製造業者は動的車両限

界(8.2.2.1A 参照)を発注者に申告しなければならない。

ただし,受渡当事者間で協定している車両限界を超えなければ使用することができない装置(例えば,

一時的に外側に展開するステップ,排障器,非常口扉など)は,車両の安全な走行を確保できる範囲にお

いて車両限界を超えることができる。

この車両の外部寸法には,次の条件に関係する寸法を含める。

a)

寸法調節を必要とするすべての部品の寸法調節範囲(例えば,空気ばね)

b)

摩耗する部品の許容寸法範囲(例えば,車輪摩耗)

c)

負荷質量条件による寸法の変動範囲(8.5.2 参照)

d)

故障又は損傷したときの動作寸法範囲(例えば,ばね支持装置用品)

e)

上記 a)  から d)  までの最悪条件の組合せ

8.2.2.1A

動的車両限界(車両限界が規定されない場合の車両の外部寸法の挙動範囲)

何らかの理由のため,契約で車両限界が規定されない車両の外部寸法は,製造業者が契約で協定した規

則に従って,動的車両限界を規定して発注者に申告する。この動的車両限界は,軌道の曲線半径,曲線区

間走行時の列車速度,車両寸法などによって生じる,次の横移動・横変位を考慮するもので,設計仕様に

基づいた数値によって,あらかじめ計算で求めておき,その検証方法を試験計画書に入れておくことが望

ましい。

a)

車体のばね支持装置によるたわみ係数(8.3.3 参照)による車体の横変位及び車体傾斜による寸法。

b)

カントの過不足がある曲線路を車両が走行するとき,車体のばね支持装置が遠心力によって最大横変

位する寸法。

c)

曲線区間を通過するとき,車体の両端部が曲線の外側に,中央部が曲線の内側に変位する寸法(車両

の固定軸距又は台車中心間距離,車体長及び車体幅が関係するほか,車体のばね支持装置のたわみ量

も影響する。

注記  定置での車体のばね支持装置による横変位及び曲線軌道における車両限界の拡大などは,我

が国では車両限界と建築限界との間に十分な空間があるので,通常,8.2.2.1A を適用するケ

ースはない。

8.2.2.2

クリアランス試験

この試験では,契約で指定している質量条件において,次の箇所の相対的な動きに対して,必要なクリ

アランスが確保されていることを確認する(8.2.2.3 参照)

a)

車体及び台車間

b)

連結した車両相互間


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8.2.2.3

ホース長さ及びケーブル長さの試験

この試験は,車体・台車との間及び連結した車両相互間に使用するホース及びケーブルが,曲線通過な

どのとき,車両が相対的に変位した場合(振り子式車両又は車体傾斜式車両の場合は模擬動作を含む。

)で

も,適切な長さ及び適切な取付け状態であることを検査によって確認するために行う。

車体と台車との間に曲線通過時に相当する旋回変位を与える試験は,変位試験とも呼ばれ,8.2.2.2 a)の

試験と同時に完成車両の片方の台車部分をトラバーサ又は転車台に載せ,その台車を車体に対して旋回さ

せながら行う方法が一般的である(振り子式車両又は車体傾斜式車両においては,必要に応じて,当該装

置を模擬できる装置を用いて行う。

。一方,車体相互間の試験は,契約で指定している最小曲線半径に相

当する曲線又は類似の曲線が工場内にある場合,その区間に車両を配置して確認する方法がある。これら

は走行試験でも再確認することが望ましい。

8.2.2.4

集電装置の定置試験

集電装置の各部寸法及び動作は,契約で指定している範囲内で支障がなく,かつ,集電シューの静的押

付け力が許容範囲内にあることを確認する。パンタグラフの上昇動作及び下降動作の時間は,受渡当事者

間の協定による。

特に,契約に要求がある場合,パンタグラフの試験には,横方向変位の寸法限界を含め,JIS E 6302 

規定を適用する。

注記  JIS E 6302:2004 の 6.6[横方向(車両の幅方向)の剛性試験]では,“パンタグラフは最高作用

高さとし,枠組みの頂点部分に,横方向に 300 N の力を加えたとき,横方向の変位は,片側 30

mm 以下であり,かつ,両方向ともに永久変形があってはならない。”規定となっている。

8.2.3

受渡試験

車両の外部寸法(8.2.2.1)及びクリアランス試験(8.2.2.2)は,協定した一種類だけの負荷質量条件で行

い(8.5.2 参照)

,形式試験で決めた主要な基本寸法の範囲内にあることを確認する。また,車体の高さ,

連結器中心の高さ,台車枠の高さなどは,契約で指定している範囲内にあることを確認する。

車輪の摩耗に伴う補正機構をもつ部分(例えば,排障器,雪かき器,砂まき管など)については,適切

に調節できることを検査によって確認する。

8.3

車両限界試験

8.3.1

目的

車両の外部寸法は,規定の車両限界内にあることを検証する(8.2.2.1 参照)

8.3.2

一般(形式試験)

契約によって車両寸法を指定する仕様が異なる場合があり,それに伴い,例えば,次のような別個の検

証方法となる。

8.3.2.1

車両限界

車両が,規定の車両限界を超えていないことを確認する。

注記  我が国では,鉄道事業者は車両限界を定めているので,次に示す 8.3.2.2 の適用はほとんどない。

8.3.2.2

動的車両限界(車両限界が規定していない場合の車両の外部寸法の挙動範囲)

動的車両限界を発注者又は使用者が規定している場合,製造業者は,定置試験としてばね支持装置によ

る車体の最大傾斜となるたわみ係数試験(8.3.3 参照)を行って,車両走行時の動作特性解析で採用した計

算(8.2.2.1A 参照)の妥当性を確認する。

8.3.3

たわみ係数試験(任意の形式試験)

契約で車体のばね支持装置のたわみ係数を考慮した動的車両限界の検証(8.3.2.2 参照)を要求している


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場合,車両の形式車種ごとのたわみ係数測定を行う。

契約に要求がある場合,製造業者は,この試験結果に基づく最小質量及び限界質量の両方の条件に対す

るたわみ係数の計算値を提供する(8.5.2 参照)

たわみ係数は直接測定によって決定する。

注記  “たわみ係数”とは,定置状態のときに,ばね支持装置によってカント内側に傾斜する車体の

最大傾斜率のことであり,次のように定義される(

図 0A 及び UIC 505-5 参照)。

−  最小質量,空車質量又は限界質量を積載した車両が,カント の軌道上に定置状態で置か

れている場合,その走行軌道面は水平に対して角度 δ を形成し,その車体は,車体を支持

するばねによって傾斜してレール垂直面に対して角度 η を形成する。

−  非対称の影響,ばね摩擦,ダンパなどの影響を除外して計算又は測定した値によって,た

わみ係数は,次の式で定義する。

δ

η

=

s

ここに,

s

たわみ係数

η

車体の傾斜角度(度)

δ

軌道の傾き(度)

注記  は軌道のカント,G は重心の位置を示す。

図 0A−たわみ係数の関係

8.3.4

車両各部の形状寸法(受渡試験)

車両各部の形状寸法は,車両限界のテンプレート又は管理したジグ,計量器などを用いた適切な方法で

確認する。

8.4

つり上げ又は持ち上げ試験(任意の形式試験)

8.4.1

目的

車両が契約に指定した条件で,つり上げ又は持ち上げに耐え得ることを検証する。

8.4.2

試験方法

この試験は,設計で指定する車体支持点に,天井クレーン,リフト又はジャッキのいずれかを使用して,

車両をつり上げ又は持ち上げて行う。車両の機械的干渉,アタッチメントのゆがみなどは,契約で指定し

た許容範囲にあることを検査によって確認する。この試験では,永久ひずみを生じることなく車両をつり

上げ又は持ち上げることができることを明らかにする。ただし,車体のねじれ剛性の小さいことを特徴と


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する車両は,受渡当事者間で協定した試験条件で実施するか又はこの試験を省略することができる[JIS E 

7106:2006

の 4.4(剛性の確認)参照]

8.5

質量測定 

 

8.5.1

目的

車両質量及び質量配分は,契約の指定範囲内にあることを検証する。これは,通常,形式車種ごとに次

の測定を行う。

a)

車両質量の測定

b)

軸重の測定

c)

輪重の測定

8.5.2

質量条件

測定時の負荷質量条件は,契約で指定する。推奨する質量条件は,

表 による。

表 1−推奨する負荷質量条件

項目

最小質量

空車質量

a), b)

限界質量

乗客又は積載貨物 0

0

契約による

用具

完備品(定数)

乗務員 0

0

乗務定員

砂 0

全量

全量

トイレ用,暖房用,食堂車用などの水 0  全量

全量

燃料 0

全量

全量

エンジン用冷却液及び潤滑剤

標準(通常)

標準(通常)

標準(通常)

その他の液体類及び潤滑剤

標準(通常)

標準(通常)

標準(通常)

a)

IEC

規格には,最小質量と限界質量の間に“空車質量”ではなく,

“標準質量”がある。その条件は限

界質量の条件のうち,砂,トイレ用などの水,及び燃料の量をそれぞれ全量の 2/3 とした場合である。
国内では測定条件として“標準質量”を採用していないので JIS としては削除した。

b)

  国内では,従来から“空車質量”が採用されているので,その条件に合わせた。

乗客及び貨物の輸送を目的とする車両に対して,発注者から特別な指定がない場合の質量条件は,次に

よる。

a)

最小質量  用具などを完備し,自走又はけん(牽)引で移動できる車両の状態での契約で指定された

負荷質量。

b)

空車質量  例えば,力行又はブレーキのような性能試験のために契約で指定された質量条件で,最小

質量に砂,水及び燃料の全量を加えた質量(乗務員,乗客及び積載貨物は含まない。

c)

限界質量  契約に指定され,かつ,例えば,非常ブレーキに対する特定の性能試験に対して採用する

条件で,安全に運転できる最大質量。

注記 1  特別の指定がない場合,乗客及び乗務員の 1 人当たりの計算質量は,55 kg とする。

JIS E 

7103:2006

の 5.1 b)  参照]

注記 2  機関車などで従来から使われている“運転整備質量”は,空車質量に指定の乗務定員の質

量を追加する。

質量測定条件としての車両への積載負荷荷重の積卸し作業を最小限とするため,車両限界に関する寸法

試験(8.2 参照)及び質量測定(8.5 参照)は受渡当事者間で協定して,次のいずれかの条件でもよい。

−  同一質量条件で行う。

−  契約で指定した質量条件以外の条件で行う。ただし,測定値は,適切に換算する。


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8.5.3

形式試験

車両の質量及び各輪重を測定によって記録し,それに測定装置の校正記録を添付する。車両の質量測定

は,通常,製造業者の工場で行うが,事前に協定して,発注者又は使用者の設備で行ってもよい。当該測

定装置を屋外で使用する場合には,一般的な周囲の環境条件(例えば,風速及び降雨)に配慮し,かつ,

記録する。

契約に特別の規定がない限り,質量測定時の車両の負荷質量条件は,受渡当事者間で協定して,最小質

量又は空車質量とする。限界質量での試験は,任意の試験又は調査試験として行ってもよい。

車両の質量測定の方法は,JIS E 4011 による。ただし,車両の負荷質量条件は,受渡当事者間の協定に

よる。

車両は,機械式ダンパなどを取り外し,台車間を連結する装置がある場合には,当該装置を緩めてから,

極めて低い速度で走行して質量計測装置へ進行させる。

ばね支持装置をなじませた後及び質量測定中は,試験対象の車両には何の変更も調整も加えてはならな

い。すなわち,これより以前の,ばね支持装置をなじませた後に発生した,支持装置の構成部品間の摩擦

によって起こるような車体と支持装置の状態に対しては,衝撃,振動又はその他の手段による,いかなる

人工的な変更も加えてはならない。

ばね支持装置の方式(例えば,コイルばね式又は空気ばね式)又は利用できる質量測定装置(例えば,

車両を質量測定地点上に移動させ,その後,質量測定装置上に垂直に降ろす方式。

)に適した,別の計量手

法を採用してもよい。この場合,質量測定の条件及び測定回数は契約で規定する。

車両の質量並びに車両各軸の軸重及び左右の輪重は,次の a)∼d)の事項を考慮して,契約の条件を満た

さなければならない。e)∼h)  は,契約で要求されている場合に測定する。

a)

車両質量の最大値及び最小値並びに全体質量の許容差。

b)

車両各軸の最大軸重値及び許容差。

c)

車両各軸ごとの左右の輪重値及び当該軸の平均輪重との差。

d)

車両の左右各列の輪重合計値(右及び左)及び両列の輪重合計値平均との差。

e)

契約に記載されている数値を超える正常運転時における車両の超過質量。

f)

動力車(走行用駆動装置付き車両)の場合の,駆動軸の静止軸重。

g)

動力車の場合は,同じ引張力を出す動軸の平均軸重値と比較した各動軸の軸重。

h)

車両が走行する線路の許容軸重と比較した軸重。この数値は契約で指定する。

8.5.4

受渡試験

8.5.3

に規定した方法によって質量測定を行う。付加質量の条件は,形式試験と同一とする。

貨車及び走行駆動装置のない車両で契約に協定がある場合,製造業者からの適合性の申告だけで受け入

れてもよい。

8.5A

重心測定(任意の形式試験)

車両の重心測定の実施が,受渡当事者間で事前に協定している場合は,事前に取り決めた方法によって

試験を行う。この方法には,測定に代えて計算によって算出する方法も含む。

8.6

防水・防じん(塵)試験

8.6.1

目的

車両に採用した保護等級(例えば,JIS C 0920 による IP コード。

)及びフィルタ,ちりよけ装置又は類

似の装置が,契約で指定した性能を満足していることを検証する。

防水試験の方法は,特別の規定がない場合には,

附属書 JA の規定による。


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8.6.2

形式試験

試験計画書には,契約で要求している事項を満足していることを検証できるように,車体,機器箱,配

電箱などの試験を含めて記載しておく。車両は,すべての正規の内装取付品,装置及びカバーを取り付け

た完備した状態で行う。試験では,次に示す要因を,必要に応じて考慮する。

a)

空調装置又は圧力換気装置が契約に含まれている場合,車両の部品又は当該装置の一部を構成する用

品は 8.15.5 によって試験する。

b)

車体自体及び車体の外側に取り付ける電気機器箱は,

雨・雪が侵入する可能性のあるすべての開口部,

戸,カバー,ふた及びすき間部も試験する。

防水性の試験は,車両を運用する地域の代表的な気象条件で行う。代表的な試験方法は,契約で協

定し,試験計画書に記載する。

この試験において,設計で決まる開口部(空気取入れなど)の防水構造及び戸,窓,機械の覆いな

どの主として取付方法及び固定方法で決まる防水カバーとでは,防水性の扱いは異なる。すなわち,

開口部及びカバーの防水性並びに特定の区画部分に水抜きを設け,水が侵入しても,直ちに排水され

て,ケーブル,電気装置又は車両の正常な運転を維持するのに必要な装置に悪影響がなければ,その

構造は適切である。

c)

ブラインド,ルーバ,フィルタ,ちりよけ装置,空気取入れ用装置箱のエアークリーナなどの効果を

確認し,配線,スイッチなど又は車両の正常な運転に必要なその他の装置を損なうことがないことを

検証する。

d)

ルーバ,フィルタ,ちりよけ装置などが,適切な取付状態であることを試験によって検証する。

e)

雪,砂などの異物侵入防止構造は,正しく機能していることを試験で確認する。きょう(筐)体の防

水・防じん(塵)試験に関するガイダンスは,JIS C 0920 による。

8.6.3

受渡試験

防水試験は,形式試験と同様に行うが,契約で定めた車種で行う簡略化した散水試験及びその他の特定

の試験は,試験計画書で指定したとおりに行う。

8.6A

気密試験(受渡試験)

8.6A.1

一般

トンネルの出入口及びトンネル内走行時に生じる気圧変動によって,乗客に不快感を与えないように気

密構造としている車両は,その気密性を試験によって確認する。

車両の気密性の確認試験は,受渡当事者間で事前に協定してある場合に行う。試験は,車内圧力を大気

圧より高くする方法で行う。また,試験は,編成状態ではなく単車状態で行ってもよい。

8.6A.2

試験方法

車両の戸,窓,排水口,水抜き穴などの開口部は,実際の走行時と同じ状態とする。車体の妻部に開口

部がある場合は,当該部分をふさぎ板などで密閉する。

試験装置から車内へ圧力空気を込め,車内の気圧を契約で指定した圧力まで上昇させる。その後,圧力

空気の供給を止めると車内圧力は徐々に低下するので,供給を止めた直後の契約で指定された圧力から指

定の圧力低下(例えば,圧力が 4 kPa から 1 kPa まで。

)の時間を測定する。測定した時間は,契約で規定

した基準値を満足することを確認する。

注記  気密試験に先立ち,戸,窓,溶接部などの気密性を個別に確認するためには,車内圧力を高め

た状態で,石けん水などを塗布して気密漏れの有無を確かめる方法が使われている。


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8.7

電気絶縁特性試験(受渡試験)

8.7.1

一般

この試験は,車両内にある電気回路の電気絶縁特性が良好であることの確認を目的とする。

この試験は,完成車両に対して行う受渡試験である。しかし,車両完成以前であっても,車両の配線作

業を完了している場合には,すでに電気絶縁特性試験を個別に終了している電気機器への配線が未結線の

状態のときに,車両の耐電圧試験を行ってもよい。ただし,この場合,完成車両の姿で各回路の絶縁抵抗

試験を再度行う。

受渡当事者間で協定した規格の電気絶縁特性試験にすでに合格している機器(例えば,回転機)は,車

両の電気絶縁特性試験を行うときに,回路から切り放しておいてもよい。

無軌条電車システムで,車体に対して電気機器を二重絶縁することを契約に指定しているときは,この

二重絶縁が確実に構成されており,かつ,絶縁した各部分が,電気絶縁特性試験の要求に耐えることを検

証する。

8.7.2

耐電圧試験

ほとんどの機器は,絶縁レベルの異なる多数の回路で構成している。各回路は,接地に対して個別に試

験する。このとき,その他のすべての回路は,基本的には,接地した状態とする。

回路のすべての部分を接続するために,接触器及び配電機器は,必要に応じて閉じる又は短絡する。静

電容量又はインダクタンスの影響によって,特定の部分に発生する異常電圧を防止するために,あらゆる

防護措置を行う。同様の影響を受けるとみられる装置(例えば,電子装置)も,試験の前に閉じる又は短

絡する。ただし,そのような処置のできる用品は,受渡当事者間で協定した個別規格の絶縁試験に合格済

であるものに限る。

耐電圧試験の方法は,受渡当事者間の協定によって,次の

種別 又は種別 のいずれかによる。

種別 1

耐電圧試験は,各回路と接地間に試験電圧を 1 分間加える。その試験電圧値は,回路を構成する各用品

に適用する規格(JIS E 5004-1JIS E 5004-5JIS E 5007JIS E 5008JIS E 6101JIS E 6102JIS E 6401

など)に規定している個別の装置の試験電圧のなかの最低試験電圧値の 85  %相当値とする。

種別 2

JIS E 4014:2007

の 7.2(耐電圧試験)及び 7.3(誘導による耐電圧試験)による。

8.7.3

絶縁抵抗試験

絶縁抵抗試験は,受渡当事者間の協定によって,次の

種別 又は種別 のいずれかによる。

種別 1

契約に絶縁抵抗の最低値の指定がない場合,試験電圧は 500 V 以上とし,測定した絶縁抵抗値が,次に

示す数値以上であることを確認する。

a)

直流 300 V 以上又は交流 100 V 以上の定格電圧の回路に対しては,5 MΩ

b)

直流 300 V 未満又は交流 100 V 未満の定格電圧の回路に対しては,1 MΩ

種別 2

JIS E 4014:2007

の 7.1(絶縁抵抗試験)による。

例えば,高湿度の周囲条件,外装ケーブルの採用などのような場合,これらの既知の条件を考慮して,

受渡当事者間で協定すれば,1 MΩ 未満の絶縁抵抗値で合格としてもよい。

製造業者が,採用する絶縁抵抗値を提案し,発注者の承認を受ける方法も代案として認められる。この

ような条件及び周囲条件(温度及び相対湿度)は,試験報告書に記録する。


18

E 4041

:2009

絶縁抵抗試験を耐電圧試験の前・後に実施する場合には,前・後の絶縁抵抗試験とも試験条件は同一と

し,耐電圧試験後に測定した絶縁抵抗値は,耐電圧試験前に行った絶縁抵抗測定値に対して 10  %以上低

くてはならない。

ただし,前・後に行う絶縁抵抗測定が,天候及び湿度が著しく異なる場合には,測定値を受渡当事者間

で協議して適切な範囲に見直すことができる。

8.7A

配線検査(受渡試験)

車両内のぎ装配線は,配線接続図(つなぎ図という場合がある。

)どおりであり,電線の種類及びサイズ

は,設計図どおりであり,また,電圧及び異なる回路別に束ねて確実に固定してあり,必要に応じて電磁

両立性(EMC)を考慮した材質の配管内に収納してあることを検査によって確認する。さらに,外部に露

出する電線類は,必要に応じて外部からの飛来物に対して十分な保護を施してあることを確認する。

8.8

防護ボンディング及び帰線回路の試験(形式試験)

この試験は,車両の防護ボンディング及び帰線回路が契約の要求に適合していることの検証を目的とし

ている。

車両には,次に示す目的のための電気配線が正しく構成され,接続されていることを確認する。

a)

感電防止のために,各回路,車体などの機械的構造部分を等電位とする。

b)

漂遊電流の影響から,軸受の損傷を防護する。

c)

特定の回路(例えば,主回路の帰線電流及び列車暖房回路)の帰線回路構成を検査する。

防護ボンディング及び帰線回路は,JIS E 5051 の規定を満足していることを確認するために試験を行う。

配線は,接続点間の最大相対変位を許容できる長さで,自由度があることを検査によって確認する。

接地回路及び帰線回路の端子は,作業者の手が容易に届き,かつ,正しく接続されていることを目視で

確認する。

8.8A

最低動作電圧・最低動作空気圧の試験(形式試験)

車両内の主要な電気機器及び空気用品(例えば,パンタグラフのかぎ外し,補助電源装置の起動,エン

ジンの始動,交流電気車の補助空気圧縮機の作動など。

)は,契約で定めた最低動作電圧値又は最低作動空

気圧で確実に作動することを確認する。

これらの装置又は部品の単体試験によって確実に作動することが確認できる場合は,その試験記録でこ

れに代えてもよい。

8.9

空気システムの試験

8.9.1

一般

この試験は,すべての空気用品を車両にぎ装して圧力空気供給源に接続したときに,契約仕様どおりに

作動することの検証,及び空気用品は契約に規定してある気密性を満足していることの確認を目的として

いる。

ブレーキシステムに圧力空気を使用していない場合は,ここに規定した試験のうち,適用できる試験だ

けを行う。試験の合否判定基準に修正があれば,契約時に協定して試験計画書に記載する。

8.9.2

元空気タンク及びその他の空気用品の気密試験(受渡試験)

車両を正常に運転できる状態にして,元空気タンクを最高有効圧力まで加圧し,空気圧縮機からの給気

を遮断した後,次の部分の気密状態を確認する。

8.9.2.1

元空気タンク及び関連用品

 

種々の空気用品(ブレーキ回路,戸閉装置,空気ばね式車体支持装置,電磁式空気用品など。

)を圧力空


19

E 4041

:2009

気源から加圧した後に給気を遮断(例えば,締切コックを操作するなどの方法)し,契約にある指定時間

経過後に,

元空気タンクの圧力低下が契約に指定された数値より大きくないことを検査によって確認する。

契約に数値を指定していない場合,元空気タンクの調圧器の最高値と最低値との間にある初期空気圧力

から,5 分間経過後に,20 kPa 以上の圧力低下がないことを確認する。

8.9.2.2

その他の空気用品に接続した元空気タンク及び関連機器

さまざまな圧力空気用品(意図的に空気漏れを起こさせる設計条件の用品を除く。

)に加圧しても作動し

ない状態にしたとき,元空気タンクの圧力は,契約にある指定時間経過後の圧力低下値より低くないこと

を確認する。

契約にこれらの数値規定がない場合は,元空気タンクで調圧されている圧力設定値の最高値と最低値と

の間にある初期空気圧力から,20 分間経過後に,すべての空気用品が正常に機能できる最低動作圧力まで

低下してはならない。

固定編成列車又は総括制御ユニットを構成する目的で,元空気タンクを装備していない付随車両が,動

力車又は機関車に連結している場合,

当該固定編成列車又は総括制御ユニットの状態で,

8.9.2.1

及び 8.9.2.2

の試験を繰り返さなければならない。この場合の時間制限及び圧力空気の許容漏れ限度は,当該固定編成

列車又は総括制御ユニットの構成に応じて,契約で協定する。

採用しているブレーキの方式によって,ブレーキ管の気密試験の手順は契約で協定し,試験計画書に記

載する。

8.9.3

ブレーキシリンダ及び補助空気タンクの気密試験(受渡試験)

ブレーキシリンダ及び補助空気タンクは,運転士が扱うブレーキハンドル又はその他の手段を用いて,

常用最高圧力を加えた後,給気を遮断する。

契約に規定値がない場合には,ブレーキシリンダ圧力は,3 分間経過後,10 kPa より大きな圧力低下が

ないことを確認する。

8.9.4

空気用品の動作確認

例えば,次のようなすべての空気用品が正しく作動していることを検査によって確認する。

a)

安全装置及び保護装置

b)

圧力調整装置

c)

ブレーキ制御装置又はブレーキ作用装置

d)

保安ブレーキ装置

e)

滑走防止装置

f)

締切コック(締切弁)

g)

ドレン弁

h)

圧力変換器,圧力スイッチ

i)

定置でデューティサイクルを模擬した場合の空気圧縮機(9.18 参照)

j)

汽笛吹鳴装置

k)

除湿装置

固定編成列車又は総括制御ユニットとして契約している場合には,完備した固定編成又は総括制御ユニ

ットでの作動を確認する。

8.10

油圧システムの試験

この試験は,油圧機器をぎ装して油圧供給源に接続したとき,その密封度(耐漏れ性)が契約で設定さ

れた限度内にあり,かつ,すべての油圧機器は契約書の指定どおりに作動することの確認を目的としてい


20

E 4041

:2009

る。

例えば,次のようなすべての油圧装置の正常な作動を,形式試験として検査する。

a)

油圧ポンプ

b)

油圧モータ(例えば,冷却装置,放熱器ファンなど)

c)

安全装置及び保護装置

d)

圧力制限器

e)

逆止弁

f)

締切弁

g)

ドレン弁

h)

キャリパ装置

車両を通常の動作状態にした受渡試験では,油圧システムに最高動作圧力を加えた後に油圧ポンプから

切り離す。契約で指定の時間経過後,システム内の油圧に大きな圧力低下がなく,かつ,油漏れが発生し

ていないことを確認する。

8.11

摩擦ブレーキシステムの試験

8.11.1

一般

この試験は,摩擦ブレーキシステムが設計どおりに支障なく作動し,本線上で走行試験及びブレーキ試

験を行うことができる状態にあり,かつ,すべての車両が同一規格に適合していることの検証を目的とし

ている。

次に示すブレーキシステムの機能は,定置試験で検査によって確認する。

a)

非常ブレーキ

b)

常用ブレーキ  電気ブレーキ付きの常用ブレーキの場合,摩擦ブレーキ及び電気ブレーキとのインタ

フェース(走行試験の代わりに模擬で試験する場合には,9.4 参照)

c)

保安ブレーキ

d)

車輪空転制御,滑走制御,応荷重制御及び主電動機制御のような他の回路(装備している場合)との

インタフェース。

e)

基礎ブレーキ装置の作動の滑らかさ。

8.11.2

空気ブレーキシステム

8.11.2.1

形式試験

この試験は,走行時のブレーキ試験に関連して,ブレーキシステムの作動及び制輪子又はブレーキライ

ニングに加わる押付け力が,契約条件に合致していることの検証を目的としている。

 

この試験は,8.9 に規定した空気システムの試験終了後に行う。また,基礎ブレーキ装置は,正しく調整

されていることを検査によって確認する。定置状態における常用ブレーキの試験として,完備した空気ブ

レーキシステムが契約に指定された特性,特に,定められた操作条件におけるブレーキの作用,緩めに要

する時間,ブレーキシリンダの最高圧力及び階段ブレーキ緩めのブレーキシリンダ圧力を検査によって確

認する。

ブレーキシリンダ圧力及び時間の測定は,ブレーキ設定器の非常ブレーキ位置,常用ブレーキ(空気式

及び電空併用式)の場合は,電気ブレーキ又は回生ブレーキの等価信号を与えて最高ステップ位置及び複

数の中間位置で繰り返す。保安ブレーキ,留置ブレーキ(8.12 参照)などは,それぞれのスイッチを操作

して行う。


21

E 4041

:2009

車輪空転及び滑走防止用の吐出し弁又は別に車輪固着防止装置がある場合,例えば,空気排出時間,作

用時間,緩め時間などの作動に関する項目を確認する。車輪滑走防止用の吐出し弁の作動は,車輪滑走信

号に同期していることを確認する。

車両に応荷重装置を装備している場合,最小質量,空車質量及び限界質量の負荷条件の車両に対して,

ブレーキシリンダ圧力を測定する。車両の各負荷質量条件に対する応荷重検知装置の動作が別の試験(装

置の単体試験を含む。

)で確認を終えている場合には,この試験は,模擬負荷質量信号で行ってもよい。

8.11.2.2

受渡試験

受渡試験では,空車質量だけの条件で,ブレーキ作用及びブレーキシリンダの最高圧力を検査によって

確認する。この試験によって形式試験で実施したブレーキシステムと同等であることを確認する。

8.11.3

その他のシステム

例えば,ばねブレーキ,油圧ブレーキ,電気作動式ブレーキ(機械式ブレーキ機構の不緩解検知及び強

制開放,ブレーキ不足検知及びバックアップブレーキなど。

)又は機械作動式ブレーキ,機械式レールブレ

ーキ又は電磁式レールブレーキ若しくはその他のブレーキシステムを装備して列車の減速用又は停止用に

設計した車両の場合,8.11.1 に規定してある内容と同じ目的を達成するために,8.11.2 と同様の形式試験及

び受渡試験を行う。

8.11.4

砂まきシステム

ブレーキ性能改善用の砂まき装置を装備している場合,分岐器,交差軌道及び列車検知装置などの地上

設備若しくは列車のブレーキシステム,電源装置又は空気供給装置のような列車内システムに障害を与え

ずに,要求性能を満足していることを試験で明らかにする。試験の合否判定基準は,受渡当事者間で協定

して試験計画書に記載する。契約で走行試験による確認が要求されている場合,走行試験におけるブレー

キ試験に合わせて試験する(9.4 参照)

形式試験の場合,次のような試験内容が契約にある場合には,適宜,確認する。

a)

ブレーキ作用時に使用する場合(及び力行時に使用する場合にはそれも含めて)

,砂まき装置の適正な

作動(8.17 参照)

b)

車輪空転及び滑走検知システムが作動したときの適正な作動

c)

砂まき機能の切離し方法及びその場合の表示

d)

手動制御(装備している場合)

e)

砂まき装置が動作したときの補助電源及び空気供給源への影響

f)

砂の容量,砂の吐出し量及び必要な場合にはモニタ装置への取込み状況

g)

砂の仕様

h)

砂の吐出し位置及び散布状態

受渡試験として,実際に砂の吐出し作動を行う簡略化した機能試験を行う。手動による砂まき装置の動

作確認の機能を設けている場合には,受渡試験は,それによる手動の確認だけでよい。

8.12

留置ブレーキの試験(形式試験)

この試験は,留置ブレーキシステムを装備している場合,契約の仕様を満足していることの検証を目的

としている。

留置ブレーキシステムの有効性(操作条件及びブレーキ作用力の測定)を試験する場合の合否判定基準

を,試験計画書に記載する。

漏えい(洩)があって作用力が低減する可能性のある媒体(例えば,油圧又は空気圧)による列車の留


22

E 4041

:2009

置ブレーキの場合,留置ブレーキには最初,最大の力を作用させた後,契約にある指定時間内は,そのブ

レーキの作用力が,著しく減少しないことを検証する。

8.13

補助電源装置の試験

8.13.1

目的

補助電源装置を車両に搭載し,蓄電池充電装置を含む負荷を正しく接続した時に,契約の仕様どおりに

動作することを検証する。

8.13.2

形式試験

この試験では,補助電源装置の仕様書に規定している負荷範囲内にあるさまざまな負荷を接続及び/又

は開放して,性能を検査によって確認する。

補助電源装置の入力及び出力は,契約に指定した定格の範囲内にあることを検査によって確認する。

補助電源装置の製造業者が,工場に適切な試験設備がないなどの理由で,当該補助電源装置の構成機器

の工場出荷試験を完了していない場合,受渡当事者間で協定して,完成車両での追加試験を試験計画書に

含めてもよい。

 

試験計画書には,次の項目に対する試験の合否判定基準を記載する。

a)

電源投入条件

b)

負荷の投入条件(必要な場合には,投入遅れ時間の指定を含める。

c)

蓄電池充電条件

d)

冷却条件

e)

緊急時の特定負荷の切放し条件

f) 1

両又は複数の車両が 2 系統から給電される場合の条件(例えば,別の車両にある別の電源から供給

される場合などで切替え操作条件も含む。

g)

旅客車などの受電側負荷に異常が発生した時の機関車などが装備する電源保護装置の作動(電源装置

は,直ちに自動遮断又は自動停止する。

補助電源装置の一部に,例えば,回転機又は外部冷却系を組み込んでいる場合,必要に応じて  8.15.2 

規定した試験を当該補助電源装置にも適用する。

補助電源装置が,例えば,電磁式軌条ブレーキのように,列車の安全に関係する重要な機能をもつ装置

に電力を供給する場合,必す(須)の形式試験として試験計画書に記載する。

8.13.3

受渡試験

公称(標準)電圧のときの機能試験及び動作試験を行う。公称電圧における補助電源装置の特性を契約

の要求内容及び形式試験の結果に対して検証する。

8.14

蓄電池充電試験

8.14.1

目的

蓄電池及び蓄電池充電装置(以下,充電装置という。

)は,契約の要求を満足していることを検証する。

8.14.2

形式試験

車両搭載の蓄電池及び充電装置に関して,次の各試験項目の確認を行う。

a)

充電装置は,契約の指定に従って十分な充電容量をもつが,過充電をしない。

b)

車両の契約範囲内のあらゆる負荷条件(例えば,供給電圧の最高値及び最低値,エンジンの動作回転

速度,周囲温度の限度など。

)に対して,蓄電池を充電できる。

c)

充電装置は,待機予備用に限定して使用する場合を除いて,車両の運転時に充電装置に求められる必

要なすべての負荷条件に対して電力を供給できる。この試験には,故障などの場合の緊急時の特定負


23

E 4041

:2009

荷の切放し条件も試験条件に含める。

d)

充電装置は,24 時間の通常運転のデューティサイクルにおいて,蓄電池を完全に充電できる能力をも

つ。

e)

蓄電池箱の換気は,充電中に危険なガスが充満しないだけの能力がある。

f)

蓄電池回路のパラメータ(仕様値)は,契約に指定されている契約要求条件を満足している。必要に

応じて次の項目のパラメータを測定する。

1)

最大充電電流

2)

必要なら規定の温度範囲にわたる最高電圧又は充電電圧

3)

浮動充電電圧

4)

浮動充電電流

5)

放電電流

6)

放電時間

g)

蓄電池を接続しない状態で充電装置を動作させたとき,充電装置からの電圧リプル値は,契約で指定

した許容最高値を超えていない。

h)

車両の運用中に,充電装置の故障などで蓄電池への浮動充電を止めた状態でも,契約で指定した非常

灯のような緊急時の必要最低限の負荷(8.15 も参照)条件の下で,蓄電池は契約に指定した時間中は

車両の運用を継続できる電力を供給できる。

契約に緊急時の必要最低限の電力を供給できる時間の指定がない場合は,30 分を推奨する。例えば,

使用する照明装置の数量を減らしたり,重要でないシステムを開放したりするなどの緊急時の特定負

荷の切放しという制約条件を受渡当事者間で協定して設けてもよい。

試験結果の合否判定基準は,試験計画書に記載する。

これらの試験は,当該補助電源装置の形式試験(8.13.2 参照)と同時に行ってもよい。

8.14.3

受渡試験

蓄電池及び充電装置の受渡試験では,次の項目を測定する。受渡当事者間で協定すれば,これらは書類

審査でもよい。

a)

最高電圧

b)

定常状態の浮動充電電圧

c)

定常状態の浮動充電電流

8.15

補助システム及び制御システムの試験

8.15.1

目的

補助電源装置及び関連する負荷を車両にぎ装し,その他の負荷も併せて接続したときに,車内の各補助

システム及び制御システムが契約で指定したとおりに正しく動作することを検証する。

8.15.2

一般試験

8.15.2.1

形式試験

定置試験におけるシーケンス試験中に,8.15.38.15.8 に規定している各システムに対して,各装置のす

べての用品の個々の動作及びシーケンス動作は,

すべての回路で

(例えば,

空気作動式の開閉器を含めて。

適正,かつ,最終ぎ装作業でも損傷を受けていないことを,次のような項目に対して検証する。

a)

システム間に存在するインタフェースの確認は,すべてこの試験に含めて確認。

b)

組み立てた電気品の,電気絶縁に関係する空間距離を,特に,接続部を含めて確認。


24

E 4041

:2009

c)

各種の調整要素のある保護装置,保護リレーなどの設定値が適正であることの確認。

d)

空気作動式の開閉装置の動作が,細すぎる空気配管径又は空気タンクの容量不足が原因で,動作不良

となることがないことの確認。

e)

電気機器及び補助電源装置が強制冷却式の場合で,当該機器が車両に用いるものと同一の冷却ユニッ

ト及び同一寸法の冷却ダクトを組み合わせた装置完備品としての試験台で試験を行っていない場合に

は,完成車両での試験において,冷却風量が設計値又は指定値どおりであることを確認しなければな

らない。試験する機器について,冷却空気出入口の静圧差と空気量との関係を示すデータが得られる

場合は,

静圧と当該装置の冷却空気出入口との静圧差を測定することによって確認してもよい。また,

ダクトが正しく構成されていることを確認する。

f)

補助回転機の回転方向及び交流電源の相の順序について確認する。

g)

補助回転機の起動試験は,契約にある機器のデューティサイクル,動作範囲及び起動条件を考慮して

行う。

8.15.2.2

受渡試験

8.15.3

8.15.8 に規定してあるすべてのシステムに対して,公称(標準)電圧における機能試験及び動作

試験を行う。特に,補助回転機などでは,2 回以上の起動試験を含める。

各車両に対するインタフェース試験の繰返し設定作業を避けるために,形式試験の結果から得た適切な

設定値又は模擬値を用いた簡略化した一連の機能試験を必要に応じて行い,各車両が試験条件を満足して

いることを検証する方法でもよい。ただし,車両に搭載している装置は,試験中にはすべて運転状態にし

ておく。個々のシステムに関する具体的な試験方法は,8.15.38.15.8 による。

8.15.3

列車制御

8.15.3.1

単一ユニット運転

すべての制御機能の試験は,運転室及び車内の指定の場所にある制御器,スイッチ,押しボタンなどを

操作して行い,各装置が正しく作動及び機能することを,定置試験で確認する(8.17 参照)

この試験は,契約で指定した正常,非常及び不具合の作動モードのすべてに対して実施する。

個々のシステム試験と組み合わせた試験のほうが妥当なら,そのように試験してもよい(8.15.48.15.8

参照)

8.15.3.2

システム間のインタフェース

システム間のインタフェースは,契約に指定されているすべてのモードにおいて,適正な作動及びシー

ケンスであることを試験する。個々のシステム試験と組み合わせた試験のほうが妥当なら,そのように試

験してもよい(8.15.48.15.8 参照)

8.15.3.3

総括制御運転(重連運転)

当該車両又は当該総括制御ユニットの列車が,別の車両又は列車と連結して一箇所の運転台から運転さ

れる設計の場合,総括制御運転に要求される機能を検証するために,次のような項目(例)についての形

式試験を行う。

a)

力行回路及びブレーキ回路

b)

故障表示及び故障信号

c)

空気圧縮機用インタロック(同期運転用)

d)

補助電源装置又は蓄電池の並列運転又は切替え延長給電

e)

側引戸など開閉制御

f)

ブレーキ制御用の編成内引通し回路及び戸閉連動回路


25

E 4041

:2009

g)

照明,暖房及びその他の補助機器の制御

h)

乗客用緊急通報システム

i)

乗客案内情報

例えば,車両の進行方向の転換又は側出入口の開閉する側を正しく識別させるために,列車の引通し線

を交差させているところでは,通常の運転でみられるような実際の総括制御運転のすべての組合せに対し

て正しく作動していることを確認する。

これらの機能は,すべての運転又は操作位置において確認する。受渡試験では,総括制御試験は他の車

両を模擬回路で代用して確認する方法でもよい。

8.15.4

戸閉制御システム

車両の外側及び内側にある電気又は空気圧で作動する側引戸,ステップなど,及び遠隔制御式の戸閉制

御及び鎖錠システムは,契約に指定されているとおり,適正に機能することを確認する。

これらの試験では,契約の指定どおり,すべての作動条件における,正常時及び緊急時の戸開閉操作を

して,正常時の乗降及び緊急避難の場合に対する,すべての戸閉め状態の表示,戸閉連動回路及び作動シ

ステムの確認を含む。

8.15.5

暖房,換気及び空調システムの試験

形式試験では,乗客用一般エリア及び乗務員専用エリアの両方に対して,快適環境制御システムの適正

な作動を確認する。この試験では,側出入口部及び窓部のすき間部の構造は図面どおりであることの確認

を含む。

採用している暖房装置,空調装置,圧力換気装置などは,契約で指定している条件の下で,温度,空気

の流れなどが適正に維持できていることを確認する。

乗客に不快感を与える車内の気圧変動を低減させる防護手段を,契約で要求されている場合には,その

効果を確認する(8.6A 参照)

客室用及び乗務員室用の空調装置のエアダクトは正しく構成されていることを確認し,受渡試験として

必要な場合,例えば,発煙装置を使って確認する。また,一般的な使用条件では結露を生じにくい構造で

あることも併せて確認する。

乗務員専用エリアに対して,契約で特定の試験を規定している場合には,その規定に従う。

8.15.6

照明システム

8.15.6.1

形式試験(非常灯試験を含む)

照度計を使用して着席位置における読書面高さ及び通路・出入台における床面高さの照度レベルを測定

し,正常時及び非常時の照明が,いずれも要求されている照度レベルを満足していることを確認する。

室内の照度の測定方法は,JIS E 4016 による。

 

8.15.6.2

受渡試験

すべての照明装置及び照明用スイッチ機能(例えば,常用,非常,分割回路など)は正常に作動するこ

と及び各種故障条件のときも契約で指定したとおりに正しく機能していることを確認する。

8.15.6A

標識灯

運転室のある車両の前面に設けた白色の前部標識灯(前灯)及び列車最後部となる車両の後面に設ける

赤色の後部標識灯(尾灯)は,適切に機能し,かつ,視認性に優れていることを確認する。

8.15.7

その他のシステム

搭載してあるその他のすべてのシステムが,契約による動作環境及び指定のすべての試験条件の下で,


26

E 4041

:2009

適正に機能していることを確認する。

次に示すシステムを装備している場合には,それぞれの試験を行う。

a)

乗客案内情報

b)

車内放送システム

c)

通信連絡システム

d)

無線システム・ラジオシステム

e)

火災検知及び消火システム

f)

列車管理システム

g)

故障診断システム

h)

データ伝送システム

i)

テレビシステム・ビデオシステム

j)

便所システム・洗面所システム

k)

給水システム

l)

供食設備

m)

バリアフリー関連設備(自動戸閉装置,音声案内,表示装置,非常通報器,手すり,車いす固定器具,

ステップ板など)

供食設備に対しては,契約どおりの適正動作,特に,動作温度及び機器の表面温度並びに使用の際の安

全性に関係することを試験で確かめる。

車両の内外にある点検アクセス用の装置扉及びパネルのハッチ,戸,カバーなどの固定並びに鎖錠シス

テムは,正しく動作することを確認する。

8.15.8

ソフトウエアで制御するシステム

車両の各装置(制御システム,ブレーキシステム,保安システムなど)に使用しているソフトウエアは,

JIS E 5006

の規定によって,試験及び妥当性確認(認証)済みであることを確認する。

各車両に装備している装置に使用しているソフトウエアは,有効なバージョンであることを確認する。

バージョン確認の対象品については,契約時に受渡当事者間で協定する。

8.16

発電機又はトルクコンバータを組み合わせたエンジンユニットの試験

8.16.1

一般

 

この試験は,発電機又はトルクコンバータを組み合わせたエンジンユニット(以下,パワーユニット組

立品という。

)及び関連する保護装置を車両にぎ装してから,適切な負荷に接続したとき,契約で指定した

とおりに作動することの検証を目的としている。

車両に搭載する前に,パワーユニット組立品として組合せ試験を実施していない場合には,車両搭載後

のパワーユニット組立品に対する組合せ試験の手順を契約に規定しておく。

パワーユニット組立品としての組合せ試験が製造業者で実施済みの場合は,受渡当事者間で協定してそ

の試験項目を省略することができる。

ここに規定する試験を行う前に,製造業者はエンジン及び発電機又はトルクコンバータ間の結合部の心

だし調整が,設計どおりに確実に実施されていることを確認する。

注記  エンジンとトルクコンバータの結合フランジ部構造がケースカップリング(いんろう式のはめ

合い)の場合,一般に,心だし調整は不要である。

走行駆動用パワーユニット組立品とは別に搭載する,補助電源用のエンジン発電装置に対して,8.16.2

が適用できる場合には適用してもよい。


27

E 4041

:2009

8.16.2

エンジンの回転速度試験(形式試験)

8.16.2.1

無負荷回転速度試験

エンジンを無負荷状態にして,アイドリング回転速度及び速度制御器(装備している場合)の各中間ス

テップ位置の回転速度並びに最高回転速度を測定し,回転速度制御システムが正常に作動していることを

確認する。

回転速度の許容範囲は,契約による。

8.16.2.2

負荷回転速度試験

エンジンの正規動作点として,各指定負荷設定点の負荷回転速度を測定する(回転速度の許容範囲は,

契約による)

。パワーユニット組立品の種類によって,次の方法で試験を行う。

a)

発電機を組み合わせたパワーユニット組立品の場合,

通常,

発電機出力に負荷抵抗器を接続して行う。

b)

トルクコンバータを組み合わせたパワーユニット(逆転機を含む。

)組立品の場合,車両にブレーキを

かけてトルクコンバータ出力軸を拘束状態にしたストール負荷試験を行う。

注記 1  ストール負荷試験では,コンバータ油の温度が急上昇する場合があるので,油温に注意す

る。

注記 2  空冷式トルクコンバータの製造業者は,ストール負荷試験を行わないことを推奨するもの

もある。

8.16.3

エンジンの保護装置(形式試験)

サーモスタット,圧力計,過速度検知装置,火災検知器,非常停止などのエンジン用保護装置が,正し

く作動することを確認する

供給者が,過速度検知機能以外のこれらの保護装置を正しく校正している場合には,それらの動作は外

付けの模擬装置で試験してよい。

過速度検知機能を確認するために,実際にエンジンを過速度状態にして行う試験は,契約で特別に明記

している場合に限り行う。

エンジン燃料噴射システムが電子制御式の場合,過速度状態は,擬似回転パルスを制御部に入力し,警

報,強制アイドル指令などの出力を確認する方法でもよい。

8.16.4

エンジンの流体,空気及び排気回路(受渡試験)

エンジン装置(燃料,潤滑油,冷却液,排気,エンジン起動用圧縮空気など。

)に関係するすべてのタン

ク,配管,ダクトなどの気密性及び水漏れ・油漏れがないことを確認する。

燃料供給装置,予熱,予備潤滑及び寒冷時エンジン始動の各装置が装備されている場合,これらの作動

を確認する。

8.16.5

エンジン駆動の補助装置

8.16.5.1

形式試験

エンジン駆動による各種補助装置が正しく作動することを,次の項目について明らかにする。ただし,

これらの環境条件などに対応する特別の検証は,通常の定置試験では困難であるので,必要な場合には契

約で具体的な方法を協定しなければならない。

a)

所要性能

b)

適用する動作温度の範囲及び標高の範囲

c)

エンジン回転速度の範囲

8.16.5.2

受渡試験

次の項目を確認する。ただし,)  及び d)  は空気圧縮機の附属装置がある場合で,受渡当事者間で協定


28

E 4041

:2009

したときは,書類審査による検証でもよい。

a)

エンジン駆動による各種補助回転機の回転速度及び回転方向

b)

駆動ベルトの適正な張力

c)

元空気タンクの込め圧力

d)

アンロード弁及び安全弁の設定

8.16.6

エンジンの始動試験(形式試験)

周囲の温度条件を考慮したエンジン始動は,

(必要に応じてエンジンを冷却又は予熱して,

)契約で指定

された最低温度に対する必要な詳細条件まで確認する。これら始動試験の詳細及び蓄電池又は別の始動法

(例えば,圧力空気による)によるエンジンの繰返し始動回数については,契約で協定する。

特別な環境試験設備がなく,指定の寒冷条件での始動試験などができない場合の始動試験については,

事前に受渡当事者間で協定しなければならない。

8.16.7

パワーユニット組立品の運転

8.16.7.1

形式試験

車両に搭載したパワーユニット組立品を試験する。

定置試験における負荷のかけ方は,8.16.2.2 の a)  又は  b)  のいずれかの方法による。

試験は,十分に必要な時間をかけてエンジンの温度がその最終安定値に達するような条件にして,次の

項目を確認する。ただし,受渡当事者間で協定すれば,8.16.2.2 b)  のストール負荷試験に代えて,製造業

者の構内線などを実際に走行する試験でもよい。

a)

防振支持装置は,

エンジンの全回転速度範囲及び負荷条件に対して,有効に機能しなければならない。

契約に数値指定がある場合は,パワーユニット組立品の振動レベルを測定する。

b)

ねじれのクリティカル速度において,エンジン回転から生じる振動で計算上は共振を発生する可能性

のある場合における,ねじり振動ダンパの有効性。

c)

冷却システムは,受渡当事者間で協定した冷却能力の余裕条件を満足し,かつ,あらゆる周囲条件に

おける運転時において,冷却液温度を設計の目標温度に維持できる放熱能力。

d)

冷却装置内部及び機関室の換気装置は,性能に適合するような必要,かつ,十分な換気能力。

e)

エンジンの発熱に関係する装置及びエンジンの吸排気ダクト系のすべての配管とダクトの気密性

f)

電子装置,配線,樹脂配管及びチューブ並びにゴムなどのように,熱の影響を受けやすい装置・部品

を,著しい高温にさらさない構造。

g)

エンジン調節装置の動作。

h)

契約仕様書で協定した冷却システム及び潤滑システムに採用している液体の温度及び圧力値。

i)

契約仕様書で協定した吸入口の圧力及び排気圧力並びに温度。

j)

製造業者が指定するターボチャージャーの対サージ余裕度(特別に契約で要求がある場合)

 

k)

ディーゼルエンジンの排気ガスの成分(特別に契約で要求がある場合)

l)

契約仕様書で協定したエンジンの各回転速度及び負荷条件における燃料消費量。

8.16.7.2

受渡試験

 

当該パワーユニット組立品には,8.16.2.2 の a)  又は  b)  のいずれかの方法によって負荷がかかるように

しておく。8.16.7.1 の e)∼k)  に規定した項目を検査して正常であることを確認する。

8.16.7.2.1

発電機を組み合わせたパワーユニット組立品の試験

エンジン及び発電機を,契約仕様に基づく通常の動作温度及び励磁条件にして,製造業者が指定した発

電機損失曲線を使用して,全出力点及び受渡当事者間で協定した中間出力設定の各点における電気装置へ


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E 4041

:2009

総供給出力容量を確認する。

8.16.7.2.2

トルクコンバータを組み合わせたパワーユニット(逆転機を含む)組立品の試験

この試験は,トルクコンバータを組み合わせたパワーユニット組立品に逆転機を組み合わせた動力伝達

装置及び関連する保護装置を車両にぎ装してから,ストール負荷試験[8.16.2.2  b)  参照]によって適切な

負荷をかけたとき,契約で指定したとおりに作動することの検証を目的としている。エンジンに関する規

定は,8.16 の関係する細分箇条による。

注記  逆転機が,トルクコンバータに組み込まれる場合がある。トルクコンバータに組み込まれてい

ない独立した逆転機の試験については,8.16.7.2.2.2 参照。

8.16.7.2.2.1

トルクコンバータの試験

トルクコンバータを組み合わせたパワーユニット組立品に逆転機を組み合わせた動力伝達装置を搭載し

た車両で,8.16.7.1 の e)∼k)  に規定した項目を試験して正常であることを確認する。

8.16.7.2.2.2

逆転機の試験

トルクコンバータに組み込まれていない単独の逆転機の場合,次の各項目を試験して正常であることを

確認する。

a)

逆転制御機構の作動状態及び各制御機構の作動状態

b)

附属の配管などの気密状態

c)

運転時における温度上昇

8.17

走行駆動システムの試験

この試験は,走行試験への適合性を証明できるように,走行駆動システムは,その制御信号に正確に応

答していることの検証を目的としている。

すべてのシーケンス式及び組込み式の試験プログラムは,車両を移送する前に試験しておく。

特に,走行駆動システムの主回路の前進及び後進の切替え,力行機能及び電気ブレーキ機能の立上がり

回路のオフ制御は,正確に作動すること及び制御入力点における入出力異常及び伝送異常がないことを確

認する。

強制冷却方式の走行駆動システムの場合,冷却システムの風量及び風速,冷却送風機の正常な起動シー

ケンス及び送風機停止の際の遅れ設定時間の動作を含め,作動を確認する。

主変圧器,電力変換装置,動力伝達機構などに水漏れ・油漏れがないことを確認する。冷却システムに

関するその他の試験は,8.15.2 による。

走行駆動システムの性能改善用に砂まきシステムがある場合には,転てつ機,交差軌道,列車検知用の

地上設備などに障害を与えずに,要求の性能を満足していることを試験で明らかにする(8.11.4 参照)

試験の合否判定基準は,試験計画書に記載する。

8.18

運転及び保守のしやすさ(形式試験)

8.18.1

一般

車両が安全性,

運転及び保守のしやすさに関する契約要求を満足していることの検証を目的としている。

運転,保守及び全般検査のときに,通常の業務遂行の目的で関係者が立ち入る可能性のある場所は,す

べて,運転及び安全の両面から,また,契約で特別な要求がある場合は,その要求を満足していることを

確認する。

これらの確認には,次のような項目を考慮することが望ましい。また,保守のしやすさについての要求

が契約にある場合,実際に作業して確認する。

a)

機械用品へのアクセスのしやすさに関する項目は,次による。


30

E 4041

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1)

送風機,カプリング,ベルトなどの可動部分及び鋭いエッジに触れる可能性のある場所に対する防

護。

2)

空気取入れ箇所で起きるおそれのある危険に対する防護。

b)

電気部品へのアクセスのしやすさに関する項目は,次による。

1)

装置の固定充電部又は可動充電部からの安全上の空間距離。

2)

充電部に不用意に触れないようにするための防止策。電源の相違によって,次のように取扱いが異

なる。

2.1)

連結した別の車両の電源,駅又は車庫の地上設備からの電源など,外部の供給電源によって高電

圧となる装置には,アクセス前に回路の特定点を開放及び/又は接地の操作。

2.2)

車両の走行駆動システムの主回路の用品だけを収納している機器室の場合,一個の電気的安全装

置(例えば,主接触器の開放)の操作。

3)

高速度遮断器又は接触器のような回路遮断装置から出る電気アークに対する防護。

4)

故障の際に通電状態になるおそれのある電気装置及び車体部分の防護ボンディング(8.8 参照)

c)

取外し方法(戸,ステップ,はしごなど)

d)

清掃が必要な部分へのアクセス及び清掃作業のしやすさ。

e)

規格への適合性。

f)

互換性(指定がある場合)

g)

試験のためのアクセス。

h)

電力形コンデンサの放電時間(警告ラベルを含む)

i)

火災に対する防護(消火器,種類と操作方法及び火災防護システムの動作。8.20 も参照)

j)

触れるとやけどするおそれのある高温部分(例えば,エンジン排気システム)の防護。

k)

契約で要求されている警告表示などの設置(特に,高温となる表面部,高電圧となる箇所又は可動部

分)

8.18.2

運転室及び乗務員専用エリア

乗務員専用エリアの作業条件の確認は,できるだけ定置試験中に行い,さらに,走行試験中にも適切で

あることを確認する。

試験の合否判定基準は,試験計画書に記載するが,次の内容について考慮するのが望ましい。

a)

出口及び緊急避難口への経路並びに非常用装備品の取り扱いに関係する箇所の寸法及び配置(けが防

止対策を含む)

b)

運転席からの良好な視界及び前面窓ガラスの反射の影響(窓ふき装置,窓ウォッシャ,防曇装置,デ

フロスタなどを装備している場合には,これらの機能確認を含む)

c)

計器及び表示灯に対する視認性(特に,照明が点灯しているとき若しくは,日射時及び夜間の両方に

対して,直接光又は反射光によって指示・表示を見誤るような不都合な影響がないことの確認)

d)

不正確な操作,不用意な操作又は疲れやすい操作にならないような操作機器及び座席の配置(座席の

調整範囲を含む)

注記  UIC 651 が参考になる。

8.18.3

乗客用エリア

緊急避難用設備は,非常通路,緊急避難用戸,窓及び関連する設備を含めて,契約に従い確認する。

歩行障害者及び視聴覚障害者用の支援設備,例えば,障害者及び高齢者が便所・洗面所などを利用する

場合の機械的支援設備を,契約に従い確認する。


31

E 4041

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8.18.4

救援(形式試験)

車両の救援設備には,特別な連結器又は中間連結器を含み,契約に従い確認する。

8.19

騒音試験及び振動試験(任意の形式試験)

この試験は,停止中の車両が発生する騒音及び振動のレベルが契約を満足していることの検証を目的と

するものであるが,この試験の必要性については,受渡当事者間の協定によって明確にする。

騒音試験は,必要に応じて完成車両 1 両又は複数両に対して行い,車内の乗客用エリア及び乗務員専用

エリアの騒音レベル及び車外騒音レベルが,契約の指定値を満足していることを明らかにする。

騒音レベルの試験は,JIS E 4021 及び JIS E 4025 又は契約で指定した試験手順に従って行う。

振動試験は,必要に応じて完成車両 1 両又は複数両に対して行い,車両搭載の装置(空気圧縮装置,送

風機,電磁機器,遮断器,エンジンなど)の運転で生じる振動が,乗客及び乗務員の快適性を損なう原因

となっていないことを明らかにする。

8.20

安全性の確認を要するシステムの試験(受渡試験)

 

この試験は,車両搭載後の重要なシステムに対して安全性の確認を行うものであり,契約の要求によっ

て検証することを目的としている。

この試験は,箇条 の他の細分箇条では規定していない内容であり,次の項目の中で該当するものを選

択して行うものとし,他の項目の試験と併せて確認する方法でもよい。これらの項目は,すべてを網羅し

ていないので,必要に応じて契約で変更する。

a)

非常ブレーキの自動作動

b)

警報装置(EB 装置など)の自動作動

c)

運転士用安全機器又は装置(例えば,緊急防護装置,デッドマン装置,非常発報装置など)

d)

自動列車停止装置など(自動列車制御装置及び/又は自動列車運転装置を含む。

)及びこれらに関係す

る運転台表示装置を含む車上装置

e)

車両の速度計

f)

運転状況の記録機能

g)

火災検知装置及び消火装置

h)

乗客用非常通報装置,乗務員用合図装置及び通話装置

i)

他の安全性の確認を要する回路(例えば,ブレーキ回路及び戸閉回路)

j)

汽笛吹鳴装置

k)

運転台の圧力計,電気計器,警報,表示器など

l)

列車無線装置及び防護無線装置(非常用電源による試験を含む。

9

走行試験

注記  6.3 参照。

9.1

一般

製造業者は,試験計画書に規定した走行試験の各項目を実施する。

表 A.2 に代表的な走行試験項目を示

しているが,これらは試験計画書に記載する試験項目を予想した例である。この表は,すべての試験項目

を網羅しているものではなく,製造業者が試験計画書を作成するときのガイドラインとして活用すべきも

のである。

契約で特別な要求がない場合には,次に規定する各項目を契約の車両の種類に応じて,適宜選択して試

験計画書に記載する。


32

E 4041

:2009

固定編成列車として運用する車両に対しては,通常,車両を運転する場合の代表的な列車編成で試験を

行う。

9.1A

以降の細分箇条の表題に試験区分の記載がない試験項目は,形式試験及び受渡試験に共通である。

それぞれの試験項目に個別の試験区分を記載してある場合,該当する別の細分箇条に形式試験又は受渡試

験の詳細を規定してある。

9.1A

走行試験を行う前に確認すべき項目(受渡試験)

車両又は列車を試験実施のために本線に乗り入れる前に,次の各項目を確認して,安全走行に差支えの

ないことを確認しなければならない。

a)

車両に仮設した試験用品などが車両限界内にあることの確認

b)

前灯,尾灯などの各種標識灯の機能及び作動の確認

c)

自動列車停止装置などの機能及び作動の確認

d)

発報信号器の取付け及び無線装置の確認

e)

走行駆動システム及びブレーキシステムの起動及び停止動作の確認

f)

各種電気品及び空気用品の機能の確認(スイッチ,締切コックなどが正常な位置にあることの確認も

含む)

g)

汽笛吹鳴装置の確認

h)

窓ふき器の確認

i)

乗務員合図装置及び通話装置の確認

9.2

力行性能(速度・引張力特性)

9.2.1

形式試験

 

この試験は,力行性能が指定の条件を満足していることの検証を目的としている。ただし,この試験は

車両が発車してから指定の最高速度までの加速性能を確認することに限定する。

車両,車両ユニット又は列車は,契約時に指定された起動及び加速のデューティサイクルを通して,契

約で指定した負荷質量条件において,

要求されている速度まで試験する。

試験は良好な粘着状態で行うが,

特に指定されている場合には,条件が厳しくなる低い粘着条件でも行う。

速度・引張力特性が,契約で指定されている要求を満足していることを試験によって明らかにする。こ

れらの数値は,既知の条件のもとにおいて,車両の起動及び加速試験を行って時間対車両速度の測定結果

から,求めることができる。

車両性能を明らかにする別の方法を,製造業者の提案又は発注者の要求によって契約に含めてもよい。

車両の加速は制御範囲全体にわたり滑らかで,乗り心地を損なうようなジャーク(加減速度の変化率)

のないことを確認する。

9.2.2

受渡試験

各車両は,試験計画書で協定した指定の質量条件で,起動及び加速のデューティサイクル試験を行い,

加速度が仕様どおりであることを確認する。これらの数値は,試験計画書に指定した時間対車両速度の測

定結果から求める。制御指令ノッチを別のノッチに移行させたときにも,乗り心地を損なうようなジャー

クがないことを確認することが望ましい。

9.3

走行性能(走行時間確認)(任意の形式試験)

この試験は,車両が,指定の走行時間及びエネルギー消費条件を満足する能力があることの検証を目的

としている。

試験は,指定の列車を走行させて個々の区間距離又は総距離のいずれかに対する所要走行時間が,契約


33

E 4041

:2009

で指定したとおりであることを確認し,かつ,エネルギー消費量は契約で指定された範囲内にあることを

確認する。

発注者が“代表的走行パターン”で走行試験を行って確認する場合には,次に示す内容も含めて“代表

的走行”及び使用する“特定の列車”に関する詳細な仕様すべてを,製造業者に提供しなければならない。

a)

試験走行の所要時間(全走行区間又はその中の個々の区間を走行するときに,

守るべき最大所要時間。

b)

試験路線

1)

距離,こう配,曲線,橋りょう(梁)

,トンネルなどの線路条件

2)

途中の駅などの停車時間(往復運転を行う場合には,折返し駅での滞留時間も含む。

3)

それぞれの区間における許容最高速度及び制限速度

4)

試験路線全体にわたる電車線のおおよその電圧条件

5)

回生ブレーキ付き車両の場合,回生ブレーキに対する地上側電源及び電路設備の受容性

6)

路線の許容軸重

c)

試験する列車の条件(試験に供する車両は,受渡当事者間で協定した,ならし運転を終了したものと

する。

1)

質量条件

2)

周囲条件(なるべく乾燥した穏やかな天候及び温度条件が望ましい。

d)

特別にエネルギー消費量の測定を行う試験の場合の試験列車の条件

1)

当該車両の指定の負荷質量又はけん(牽)引負荷質量

2)

列車の車軸総数又は列車長さ

3)

回転体質量のために採用する慣性係数[これには試験車両に連結する被けん引車両(付随車両)も

含めた慣性係数とする。

4)

当該車両の各速度に対する走行抵抗曲線[これは試験車両に連結する被けん引車両(付随車両)も

含めた走行抵抗の曲線とする。

5)

当該車両の各速度に対するブレーキ力曲線[これには試験車両に連結する被けん引車両(付随車両)

も含めたブレーキ力の曲線とする。

6)

最大加速度及び許容ジャーク量

7)

許容最大ブレーキ減速度

8)

運転モード−手動又は自動

e)

走行駆動用エンジン搭載の車両の場合の追加条件

1)

エンジンの燃料及び潤滑油の特性(エンジン製造業者が指定し,発注者が受入れを承認したものと

する。

2)

代替試験(契約で協定したデューティサイクルによって,定置の試験台で車両のエネルギー消費量

の試験を行ってもよい。

 

電気車の場合の電力消費量(実効電力及び交流電化の場合は無効電力を含む。

)の試験は,当該試験車両

又は試験車両に連結した別の車両(例えば,動力性能試験車)のいずれかに設置した計測装置による架線

電圧及び架線電流の測定結果から,計算によって求めてもよい。さらに,架線電圧は,記録形電圧計によ

る検査でもよい。また,回生ブレーキに対する架線の受容性は,モニタによる監視でもよい。

エンジンを搭載した車両のエネルギー消費量の試験は,指定の試験走行したときに測定したエンジンの

実際の燃料消費量の平均値を求める。


34

E 4041

:2009

9.4

ブレーキ試験

9.4.1

形式試験

この試験は,車両のブレーキシステムが契約の性能要求を満足していることの検証を目的としている。

9.4.1.1

一般

車両のブレーキシステムに関する走行試験は,指定の最高速度を含む受渡当事者間で協定した 2 速度間

の減速中の速度・距離の測定(例えば,停止距離)又は指定の最高速度を含む車両の指定速度範囲におけ

る減速度測定を含む。実際のブレーキ試験では,特に,ブレーキ作用時,一つのブレーキシステムに別の

ブレーキをブレンディングする場合及び別のブレーキシステムに切り替える場合に,乗り心地を損なうよ

うなジャークがなく滑らかに作用することを確認する。

注記  ジャーク 1 m/s

3

  は,毎秒 1 m/s

2

[3.6 km/(h.s)]の加減速度の変化率である。

この試験では,車両のすべてのブレーキシステム(例えば,非常ブレーキ及び常用ブレーキ,空気ブレ

ーキだけ又は空気ブレーキ・電気ブレーキのブレンディング若しくは油圧リターダなど。

)の性能を明らか

にする。

他のブレーキシステム(例えば,電磁吸着式軌道ブレーキ)の試験は,契約で協定したとおりに行う。

9.4.1.2

車両の条件

旅客輸送用又は貨物輸送用に設計している車両では,

形式試験は契約で指定した負荷質量条件で行うが,

契約に指定されていない場合には,空車質量条件で行う。摩擦ブレーキ用の摩擦材料特性の非直線性及び

応荷重システムの採用で作用するブレーキ力が変化しても,あらゆる負荷質量条件の範囲で,要求された

停止距離又は減速度が維持できていることを検証する追加試験が必要な場合がある。

機関車は,限界質量条件で試験を行う。

試験は,すべてのシステムを作動状態にして行う。契約で別の条件を指定している場合には,例えば,

指定のブレーキ装置又は指定の台車のブレーキ装置を開放して試験を行う。

摩擦ブレーキシステムの場合,制輪子,パッド又はブレーキライニングは十分になじませておく。

スラックアジャスタ(すきま調整器)付きの車両では,新品の制輪子,パッド又はライニングを取り付

けて形式試験を実施する。一方,スラックアジャスタなしの車両では,摩耗限度近くまで摩耗した制輪子,

パッド又はライニングを取り付けて形式試験を行うのが望ましい。

注記  新品の制輪子,パッド及びライニングでも,機能上なじませる必要があるので,若干の摩耗が

あっても新品とみなしてよい。

9.4.1.3

路線条件

試験は,よく整備された軌道上で行う。

特別な指定がなければ,試験は乾燥した軌道上で行う。通常の周囲条件(例えば,湿潤又は乾燥したレ

ール)で行う場合には,その条件を試験結果と一緒に試験報告書に記載する。

発注者,使用者及び製造業者間で協定すれば,運用中に経験する実際の条件を模擬して,人為的に粘着

条件を低くした軌道で試験を行うことができる(9.4.1.6 も参照)

9.4.1.4

停止距離の測定方法

停止距離の測定方法は,各国で地理的条件及び気象条件が異なることを考慮して契約によって違う場合

があるが,採用する方法は,試験目的に確実に合致したものでなければならない。ここでは,停止距離測

定の 1 方法について規定しているが,車上において速度及び距離の測定装置を使ったグラフ式チャートに

よる別の方法を採用してもよい。

停止距離は,契約に従い 1 車両だけの場合,又は総括制御ユニットなどの,編成列車の場合は別車両又


35

E 4041

:2009

は指定する両数の被けん引車両を連結して,直線平たん(坦)軌道において測定する。

それぞれの試験車両又は試験列車におけるブレーキの各設定又は各ブレーキの種類[非常ブレーキ,常

用ブレーキ(必要に応じて電気ブレーキのブレンディング)及び保安ブレーキ]に対して,3 回以上の確

認を行うことが望ましい。各試験で得られた測定結果のばらつき具合によって,実際の試験回数を変えて

もよい。試験方法は,次による。

a)

ブレーキ開始の指定点通過以前に,車両速度をできるだけ試験の目標速度に近付けてから,力行をオ

フし,ブレーキ開始の指定点を通過するときに所定のブレーキをかける。

b)

正確な測定は,次の手順による。

1)

各試験で測定した停止距離

s

′(m)を記録する。

2)

ブレーキ開始点で測定した速度

v

0

(km/h)は,試験目標としたブレーキ初速

v

(km/hr)に対して±

3 km/h を超えない範囲となるようにする。

 

c)

減速度は,ブレーキ時の時間対速度曲線を記録し,必要な(圧力,電流などの)追加のパラメータも

併せて記録して,この時間対速度曲線から求める。減速度は,契約に指定されている常用ブレーキ,

非常ブレーキ又は保安ブレーキの減速度を満足しなければならない。

d)

繰返しブレーキ試験を行う場合には,次の試験を行うまでに,制輪子,パット,ライニングなどの温

度は許容値以下になっていること,元空気タンク圧力は規定値以上であること及びブレーキ管をもつ

車両ではブレーキ管内の圧力は正常に復帰していることを確認する。

ブレーキ停止距離測定のために,十分な長さの平たん(坦)線路を確保できない場合,それに代わって

4 ‰(パーミル)を超えないこう配の直線区間の線路を選定することが望ましい。

ブレーキ停止距離を求めるために使用する計算式が契約に指定されていないときは,次の式による。受

渡当事者間の協定によって,条件の一部を省略又は変更してもよい。

平たん(坦)線路に換算したブレーキ停止距離(

s

)は,次の計算式によって求める。

(

)

(

)

[

]

×

±

×

+

×

×

+

×

+

=

6

.

3

1

93

.

3

6

.

3

1

93

.

3

6

.

3

0

0

2

0

0

0

2

0

t

v

s

i

v

t

v

s

v

vt

s

ρ

ρ

 (1)

(

)

(

)

i

t

v

s

v

v

vt

254

.

0

6

.

3

1

1

6

.

3

0

0

2

0

2

0

±

×

+

×

+

+

=

ρ

ρ

 (2)

ここに,

s: 平たん(担)線に換算した停止距離 (m)

s′: 測定した停止距離 (m)

v: 試験目標としたブレーキ初速 (km/h)

v

0

ブレーキ開始点で実測したブレーキ初速 (km/h)

i: こう配  (‰)

ρ

回転体質量の慣性係数

t

0

空走時間 (s)

注記 1  式(1)において,空走時間  (t

0

)  を省略したときに IEC 61133 に規定する計算式となる。一方,


36

E 4041

:2009

式(2)において,回転体質量の慣性係数  (

ρ

)  を省略した場合が,従来から国内で広く採用され

ている計算式と同等である。

契約に回転体質量の慣性係数  (

ρ

)  の規定数値がない場合,0.08 の数値を採用してもよい。

注記 2  通勤電車の場合の回転体質量の慣性係数は,通常,電動車の場合はその空車質量の 10  %,

付随車の場合はその空車質量の 5  %を示す数値を採用している[JIS E 6002:1989 の 3.2  (3)

(こう配抵抗)参照]

上記の計算式の中で,の前の“+”記号は下りこう配,

“−”記号は上りこう配に適用する。

このようにして求めた平たん(坦)線に換算した停止距離 は,ブレーキの各設定又はブレーキの方式

に対する契約上のブレーキ距離の指定値を超えてはならない。

9.4.1.5

ブレーキ試験を繰返し行う場合の頻度

ブレーキ試験を指定の頻度で繰返し行う場合,仕様で要求するブレーキシステムが消費する各種エネル

ギ(空気,オイル,蓄電池など)が最も大きいブレーキ条件のときに,それらのエネルギー供給能力を超

えず,かつ,温度上昇限度を超えていないことを確認する。

9.4.1.6

車輪の滑走防止 

ブレーキシステムに車輪の滑走防止システムを組み込んである場合,それらのシステムが仕様どおりに

機能していることを確認する(8.15.8 参照)

ブレーキ性能の改善を図るための砂まき装置を装備している場合,車両及び砂まき装置は 8.11.4 に規定

した条件を満足していることを走行試験で検証する。

受渡当事者間で協定している場合には,人為的に粘着係数を減少させる手段を施してから,当該滑走防

止装置を動作させながらブレーキ試験を行う。

9.4.1.7

非常ブレーキ

この試験では,ブレーキ設定器(ワンハンドル制御器の場合にはブレーキ帯)又は自動列車運転装置を

非常ブレーキ位置において,ブレーキ性能を確認する。電磁式軌条ブレーキ又は渦電流式ブレーキシステ

ムのような追加ブレーキシステムの適合性を確認する試験は,

契約の協定に従って行う。

これらの試験は,

9.4.1.4

に規定する試験の一部として行ってもよい。

9.4.1.8

電気ブレーキ試験

電気ブレーキを装備した車両に対しては,常用ブレーキの各制御指令ノッチにおいて,次の事項を確認

する。

a)

下りこう配区間用の電気抑速ブレーキを装備している場合,実際のブレーキが契約に指定されている

性能をすべて満足している。

b)

主電動機及び制御装置の端子部に生じる電圧は,設計上の規定値を超えていない。

c)

主電動機電流は,設計上の規定値を超えていない。

d)

ブレーキ時又は被けん引回送のいずれの場合においても,主電動機に異常な自己励磁現象が生じない。

e)

交流電化区間における回生ブレーキの場合,力率は契約上の指定値内にある。

f)

回生ブレーキの場合,電車線の停電,電車線側の短絡故障,パンタグラフの離線,電車線が回生電力

を受け付けないとき,電車線ギャップ又は架線の無電圧セクションを通過するときには,契約に指定

されている別のブレーキシステムへ円滑に移行できる(9.16 参照)

注記  機関車などでは,運用する列車によっては負荷が著しく変動するため,回生失効のときは警

報表示を確認してから運転者が手動操作によって他のブレーキシステムに移行する方法が

一般的である。この方法は,契約仕様の中で明確にしておくことが望ましい。


37

E 4041

:2009

g)

ブレンドブレーキ又は代替ブレーキのような合成ブレーキシステムを装備している場合,異なるブレ

ーキシステム(例えば,空気ブレーキ,発電ブレーキ又は回生ブレーキ)へは,乗り心地を損なうよ

うなジャーク又は不足ブレーキ又は過大ブレーキを生じることなく円滑な移行ができる。

h)

電気ブレーキは,乗り心地を損なうようなジャークを生じることなく,確実に立ち上がり及び緩めが

できる。契約に指定されていない場合は,ジャーク値は 1 m/s

3

を超えないことが望ましい。ただし,

非常ブレーキが作用した場合は除く(9.4.1.1 

注記参照)。

9.4.2

受渡試験

完成した各車両に対しては,契約に別の規定がない限り,ある単一の負荷質量条件(例えば,最小質量

又は空車質量)で,乾燥した本線での(9.4.1.7 の要求を含む。

)ブレーキ試験を行う。これらと違う条件

の場合には,試験結果と併せて試験条件を記録する。

ブレーキによる停止試験は,契約で指定された最高速度から行い,停止距離の測定は 9.4.1 又は契約で指

定して承認された別案による。これらの試験は,別のコミッショニング試験に組み込んでもよい。

注記  コミッショニングとは,鉄道車両(又は装置)を適正に使用開始できるようにするための,始

動要領書又は作業を指す[JIS E 5004-1 の 6.3(保管,ぎ装,運転及び保守)参照。

車輪滑走防止システムを装備している場合は,簡易化した作動の確認を車両ごとに行う。これは別の受

渡試験として適切な計測装置を使った走行試験のとき又は別の試験(形式試験を含む。

)で得られた結果が

ある場合にはそれによる確認でもよい。

電気ブレーキを装備している場合の作動の確認,ある制御指令ノッチから別のノッチへの移行の確認,

ブレンディング及び作用・緩め[一般的には 9.4.1.8 の f),g)  及び h)  に規定してある。

]の簡略化した確

認を車両ごとに行う。これは,別の受渡試験としての走行試験又は別の試験から得られた結果からの確認

でもよい。

客車,貨車及び付随車両に対する受渡試験は,契約で協定すれば,当該車両が形式試験を行った車両と

同等であることを確認できる十分な証拠を準備できる場合,定置の試験方法(8.11 参照)又は製造業者が

適合性を申告する方法のいずれかを選択することができる。

9.5

走行駆動システム及びブレーキ装置の温度上昇試験(形式試験)

この試験は,走行駆動システム及びブレーキ装置が指定のデューティサイクルを規定の温度上昇限度以

下で運転できることの確認を目的としている。

これらの試験は 9.3 の試験と組み合わせて行ってもよい。試験項目の幾つかは,車両に搭載する前の走

行駆動システムの組合せ試験など(JIS E 5011-1JIS E 5011-2IEC 61377-2:2002 の 8.16.1 などを参照)

に含めて行ってもよい。

温度上昇試験は,指定のデューティサイクルで運転しているときの当該装置の温度を測定し,温度上昇

が設計上の限度内にあることを確認する。

対象となる装置及び機器には,例えば,次のようなものがある。

a)

電動機

b)

冷却液(例えば,主変圧器用及び電力変換装置用)

c)

起動用抵抗器及びブレーキ用抵抗器

d)

リアクトル

e)

電力用半導体素子

f)

絶縁電線の被覆

g)

電線ダクト及びコンジット(電線管)


38

E 4041

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h)

補助機器

i)

主回路開閉機器

j)

コンデンサ

k)

機器室及び機器箱

l)

冷却空気

m)

走行駆動用の動力伝達機構(主電動機又は走行用エンジン・トルクコンバータの出力軸から車輪まで

の機構)

n)

車軸軸受又は軸箱

o)

輪軸組立

p)

摩擦ブレーキ用品

注記  これらの用品名はすべてを網羅しているものではない。実際の対象機器名は,契約で協定す

ることが望ましい。

エンジンの作動状態は,特に,エンジンが正常に運転されているときに重要な役割を果たす,潤滑油な

どの温度及び圧力並びに機関室の温度を確認する。有害なガスが機関室,運転室又は客室に侵入すること

がないように,すべての側出入口と窓を閉めて,エンジンの排気システムの気密性の完全さと効果を確認

する。

走行駆動用の動力装置(例えば,主電動機)の一部を開放して運転する条件が,契約に指定されている

場合には,指定の装置を開放した状態で,装置の必要な温度上昇試験を再度行う。

緊急時の対応として,別の車両を救援することが契約に指定されている場合,

契約上の救援条件に従い,

上記の試験を再度行うことを推奨する。

9.6

走行抵抗(任意の形式試験)

この試験は,車両の走行抵抗及び必要に応じて,回転体質量の慣性係数の検証を目的としており,乾燥

した粘着条件及び穏やかな天候において行うことが望ましい。

この試験は,線路こう配などのデータがある,できるだけ曲線の少ない本線上において,契約に指定さ

れた最高速度まで車両を加速させた後,力行ノッチをオフにし,ブレーキをかけないで車両速度が自然に

減速するままに惰行させて行う。走行速度,走行時間及び走行距離の変化の記録は,路線のこう配及び回

転体質量の影響を補正して,走行抵抗曲線が得られるような適切な手段によって行う。

走行抵抗の測定試験は,動力性能試験車又は減速度測定装置を用いて行ってもよい。

電気駆動式の車両の走行抵抗は,主電動機の効率及び駆動システムの全電力損失を考慮して,駆動シス

テム主回路の電力消費から推定してもよい。

車両編成の組成が変わることのある列車は,必要に応じた組成の列車編成で試験を行う。

走行抵抗の求め方は,契約で協定する。

9.7

車両の速度制御システム試験

この試験は,速度制御システムの動作の検証を目的としている。

速度制御システムを装備した車両は,次の事項に関して形式試験で検証する。

a)

ブレーキ,惰行及び加速の間を移行するときに,乗り心地を損なうようなジャーク及び振動が生じる

ことなく,円滑に車両速度を制御できる。 

b)

走行駆動システム用及びブレーキ用の装置は,作動回数及び操作頻度が多すぎないように,又は過大

な頻度の作動にさらされないようにする(部品の摩耗が手動操作の車両と比較して,減らせるように

する)


39

E 4041

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c)

制御指令の変化に対応して発生する加速度及び減速度の変化は,契約に指定された限度内にある。

d)

速度制御システムによって制御される車両速度は,契約に指定されたとおりであり,設定速度の許容

変動範囲を超えていない。

e)

駅プラットホーム及びその他の停止箇所(例えば,停止信号)における停止位置の精度は,契約値の

とおりである。

受渡試験では,速度制御システム機能の確認は,簡略化した方法で行う。

9.8

自動列車停止装置など(自動列車制御装置及び自動列車運転装置を含む)のシステム試験

自動列車停止装置など

(自動列車制御装置及び自動列車運転装置を含む。

)のシステムを装備した車両は,

契約で協定した試験計画書に記載した手順に従って,システムが正常に作動することを確認する。

特に,次の項目を確認する。

a)

当該装置が関係するシステムは,契約で指定された走行速度及び外部(地上)信号指示又は(運転台

で制限速度を表示する)車内信号表示に対応して,自動的にブレーキがかかるか又は運転士に減速指

示の警報を出す。

b)

自動的にブレーキが作用した場合,直ちに,力行中の動力を自動的に遮断し,契約で指定したブレー

キ減速度で,契約に指定されたブレーキ距離の範囲内で停止するか又は制限速度以下まで減速する。

c)

当該装置が関係するシステムは,通常,実際に列車がオーバスピードにならない限り又は必要な減速

操作を怠らない限り,作動してはならない。

自動列車停止装置などが関係するシステムは,あらゆる運転条件に対して,適正に作動することを試験

する。

受渡試験では,当該装置が関係するシステム機能の確認を簡略化した方法で行う。

9.9

車両及び軌道の相互作用

9.9.1

走行安全性(任意の試験)

9.9.1.1

目的

次の項目に関して,車両の運転上の安全性を確認する。

a)

脱線に対する安全性[必要に応じて,輪重,横圧(PQ)測定を含む。

b)

軌道の変位に対する安全性

c)

レール及びその締結装置,車輪,車軸並びに台車の特定の部分に過度の応力がかかったときの安全性

d)

ばね支持装置が故障したとき(例えば,空気ばねのパンク)の安全性

e)

車輪固着を防止するシステムの安全性

9.9.1.2

形式試験

車両が運行する予定のトンネルも含めた路線で,できるだけ運行計画で要求する速度範囲及び契約で指

定した最高速度で列車を走行させる。

新設計の台車を採用した車両の場合,必要に応じて受渡当事者間で協定して,輪重・横圧(PQ)の測定

を行う。その具体的測定方法も受渡当事者間で協定する。

受渡当事者間で協定すれば,路線条件が類似した別の路線を選択して走行試験を行うことができる。

9.9.1.3

受渡試験

適合性の評価査定に使用するパラメータは,9.9.1.2 の形式試験で得たデータを基本とする。選択したパ

ラメータ及び適合性を確認する限度値は契約で協定し,試験計画書に記載する。


40

E 4041

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9.9.2

ばね支持装置のクリアランス及び車両間のクリアランスなどの確認(任意の形式試験)

この試験は,車両のあらゆる負荷質量条件において,曲線半径,カントなどの指定の限界値に対して,

車両の外部寸法及び連結した車両間の連結部分にも適切なクリアランスがあることの検証を目的としてい

る。

曲線軌道における車両の運転は,契約にある指定の最小半径の曲線区間を,契約で指定した速度で走行

して確認する。このとき,次の各部分が適切に処理されていることを確認する。

a)

可動部分及び固定した箇所には,動きを阻害するところはない。

b)

ジャンパ線,空気ホース,主電動機への配線,帰線回路接続(接地ブラシ)線などは,適切な長さが

ある。

c)

主電動機のたわみ風道,車軸から駆動される装置(例えば,速度記録装置。

)などは,損傷しない構造

になっている。

当該車両が,

契約で別の類似車両又は別形式の車両と連結して運用するように要求されている場合には,

指定の車両と連結させて走行する。車両両端の連結装置又は貫通路の車間連結装置がある場合には,車両

を指定の最小曲線半径の区間及び反向曲線軌道を走行させたとき,それらの結合部に何らの拘束も乗り上

げのような支障もなく,車両各部は正常な動きであることを検証する。

自動連結装置を装備した車両で,契約で要求されている場合には,指定された半径の曲線軌道における

連結作業の検証を行う。

曲線及び分岐器上を,何らの拘束及び軌道側に永久変形を生じないで,通過できることを確認する。

曲線軌道上で要求されているこれらの試験は,必要に応じて契約で指定されているこう配が最大変化す

る直線軌道でも繰返し行う。

鉄道車両用連絡船サービス,路面電車システムのように,こう配及びカントが特別な変化をする曲線軌

道上での運転が契約で要求している場合には,これらを確認する。

車輪の摩耗及びばね支持装置が故障(例えば,空気ばねパンク又はばね折れ)しても,車体が台車及び

車輪に接触しないことを確認する。

これらの試験は,関係する鉄道の地上設備管理者が管理する路線で行うことができるが,試験項目によ

っては,車両基地又は製造業者の工場にある試験線で実施してもよい。ただし,軌道は適切に保守された

状態にあるものとする。

曲線軌道上における車両の動きは,定置試験として,車両の片方の台車だけをトラバーサ又は転車台に

載せ,その台車を車体に対して旋回させながら確認してもよい(8.2.2.2 及び 8.2.2.3 を参照)

9.10

乗り心地快適性(任意の試験)

9.10.1

目的

乗り心地の快適性は,契約の要求仕様に適合していることを検証する。

9.10.2

形式試験

車両が運用を予定している代表的な路線として,

受渡当事者間で協定した路線で走行する。

軌道の品質,

許容最高速度,曲線,カント量及びカント不足量の数値は,契約で指定されているものと同等値であるべ

きである。評価方法及び試験条件は,試験計画書に記載する。

9.10.3

受渡試験

完成した各車両の乗り心地快適性に関する適合性評価査定に用いるパラメータは,形式試験(9.10.2)で

得たデータに基づいたものを用いる。使用するパラメータ及び限度値は受渡当事者間で協定して試験計画


41

E 4041

:2009

書に記載する。

9.11

動的車両限界(任意の試験)

9.11.1

形式試験

この試験は,8.2.2.1A が契約で指定されている場合には,当該車両がその動的車両限界内にあることの

検証を目的としている。

これらの試験は,車体の動きをばね支持装置の変位から計算したデータを使用して,9.10 の乗り心地快

適性の試験と組み合わせてもよい。同じデータを使用してパンタグラフ付きの車両では車体の横揺れがあ

っても,当該パンタグラフが許容の作用範囲内にあることを確認してもよい。

契約で協定があれば,計算値を定置試験で確認してから,動的車両限界(8.3.2.2 参照)に基づく車両の

外部寸法の挙動範囲を計算で確認する方法を採用してもよい。

9.11.2

受渡試験

動的車両限界が契約で指定されている場合には,完成した車両の適合性評価に使うパラメータは,形式

試験で得たデータに基づく選択したパラメータとし,限度値は契約での協定による(9.11.1 参照)

これらの試験は,乗り心地快適性の試験と組み合わせて行ってもよい(9.10.3 参照)

9.12

車輪のフランジ塗油器の動作(受渡試験)

この試験は,車輪のフランジ塗油器が契約の仕様どおりに,車輪踏面又はレール頭部を汚さずに油脂を

塗布できることの検証を目的としている。

車輪のフランジ塗油器が車両に装備されている場合,当該機器供給者のマニュアルに従って当該装置の

試験を行う。

9.13

集電装置の試験(形式試験)

この試験は,集電装置が,契約の仕様どおりの性能であることの検証を目的としている。

集電装置は,走行時の性能試験を行う前に,定置試験としての形式試験及び受渡試験を完了しておく。

試験は,運用予定の路線において車両を走行させ,契約で指定した最高速度で前後それぞれの進行方向

について行う。当該車両(例えば,機関車又は総括制御ユニットの中の電動車)が,列車編成の中の複数

のパンタグラフ又は第三軌条集電器を使用して運転する仕様の場合には,契約で指定した運転条件(例え

ば,速度及び集電装置間の寸法)における集電状況を確認する。試験は両進行方向の運転に対して性能を

確認する。 

走行試験を行う路線の電車線き電システムの特性については,契約で協定し,試験計画書に記載する。

パンタグラフは,JIS E 6302 によって試験を行う。パンタグラフ自体又は電車線側のいずれにも,損傷,

異常摩耗又は異常振動がなく,適切に集電できることを確認する。

試験時の天候は,記録しておくことが望ましい。

無電圧セクション及び第三軌条のギャップを通過するときの集電装置及び関連する電気回路の電気的作

動及び機械的作動を確認する。

パンタグラフの場合,パンタグラフを上げた状態で前後それぞれの進行方向に対して,契約で指定した

最高速度まで走行して静止押上力のほかに,走行時の空気力学的な影響によって契約で指定した範囲(上

限値及び下限値)を超す力を生じていないことを確認する。契約で車両の総括制御運転が指定されている

場合(例えば,車両を連結したとき,2 台のパンタグラフの間隔が小さくなる車両の場合)

,連結した車両

で繰り返し確認する。

折り畳んであるパンタグラフが,高速走行中に空気力学的影響で不用意に上昇しないように,また,走

行中の正常な操作として,

パンタグラフの上昇操作・下降操作を行うことを契約で指定している場合には,


42

E 4041

:2009

その操作を行ったときに不具合のないことを確認する。

車両のばね支持装置の動作特性を考慮して,パンタグラフが計算上の横方向変位の寸法限界を超えてい

ないことを,測定によって確認する(9.11.1 参照)

。この試験は定置試験で実施してもよい(8.2.2.4 参照)

9.14

空気力学的な影響(形式試験)

この試験は,車両の空気力学的特性が,契約で指定されている要求に適合していることの検証を目的と

している。

次のような空気力学的な影響を考慮した特別な試験が,契約で指定されている場合,それらの試験を行

う。

a)

空気力学的な衝撃波によって,車両に障害のないことを確認する。この試験は別の列車が隣接する軌

道を通過する場合の影響及びトンネル内を通過するときの影響を確認する試験でもよい。 

b)

車体の気密性を確認する。

c)

各種装置の冷却用空気取入れ,空調システムなどへの必要な空気取入れに悪影響がないことを確認す

る。

d)

列車通過直後の後流及び横風の悪影響がないことを確認する。

9.15

電磁両立性(EMC)(任意の形式試験)  

注記 1  この細分箇条における受渡当事者には,関係する電気品の供給者(支給品供給者を含む。)も

含まれる。

注記 2  様々な環境を考慮した車両及び車載用電気品の電磁両立性(EMC)試験に関するパラメータ

は,完成車両に対しては IEC 62236-3-1,搭載する電気品に対しては IEC 62236-3-2 が参考に

なる。

9.15.1

車両内部からの電磁障害

この試験は,すべての装置が,ぎ装後にも障害の悪影響がなく適正に機能していることの検証を目的と

している。

受渡当事者間で協定した電磁両立性(EMC)に関する要求事項に基づく電力変換装置などの試験結果で,

車両に搭載した装置が発生する電磁エミッション及び装置のイミュニティ(妨害に対して耐える能力。

)の

レベル間に,

十分な余裕があると確認された場合には,

当該装置に対するこれ以上の試験は要求されない。

注記  装置の電磁エミッション及びイミュニティについては,IEC 62236-3-2 が参考になる。

こうした内部からの電磁障害に関する車両試験が必要な場合には,車両内にある電気回路の接触器,リ

レー及びその他のノイズ源になる可能性のある電気品をすべてシーケンスどおりに作動させて,電磁放射

又は誘導によるノイズ信号の影響で,車両内の回路へ有害な電気的障害が発生しないことを確認する。

電磁エミッションに対する,制御装置のイミュニティを確認する必要がある場合の確認方法は,受渡当

事者間の協定による。

9.15.2

車両が発生する外部への電磁障害

この試験は,車両があらゆる負荷質量条件の下で発生する障害スペクトラム(振幅,周波数,高調波電

流など)は,契約の指定値又は受渡当事者間で協定した要求事項を満足していることの検証を目的として

いる。

この試験が必要な場合には,受渡当事者間で協定した要求事項及び方法で行う。

注記  IEC 62236-3-1(特に,箇条 6)が参考になる。

この試験は,車両が運用を予定している鉄道路線における,通常のあらゆる運転条件,例えば,次のよ

うな試験条件を様々に変えても,悪影響を生じないことを確認する。


43

E 4041

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a)

変電所からの距離

b)

力行中及び電気ブレーキのときの速度並びに加速度及び減速度

電磁障害となるクリティカル周波数の監視装置を装備している車両の場合には,当該装置が契約の仕様

どおりに作動していることを確認する。

当該車両の運用を予定している路線を所有する鉄道の地上設備管理者の要求に従って,試験成績書を作

成して提出する。

9.15.3

無線周波数帯への電磁障害

この試験は,当該車両が無線周波数帯に過度の電磁障害を発生させていないことの検証を目的としてい

る。

完成車両でこの試験が必要な場合には,受渡当事者間で協定した要求事項及び方法で試験を行う。特別

な指定がない場合,この試験はクリティカル周波数及び障害レベルが最大となる条件で行う。

注記  IEC 62236-3-1 が参考になる。

9.15.4

外部から車両への電磁障害

この試験は,契約で指定した外部からの放射障害レベル条件において,車両が満足に運転できることの

検証を目的としている。

完成車両でイミュニティ試験を行うことが必要な場合には,受渡当事者間で要求事項を協定して,その

検証方法も含めて試験計画書に記載した方法で適合性を検証する。

注記  IEC 62236-3-2 が参考になる。

通常の鉄道システムにはないが,万一,車両に対して電磁障害となる可能性のある発生源があれば,発

注者が契約時点で製造業者に連絡することが望ましい。

9.15.5

静電放電

この試験は,指定したレベルの静電放電が発生していても,当該車両は満足に運転できることの検証を

目的としている。

静電放電試験が必要な場合には,受渡当事者間で協定した内容及び方法で行う。

注記  IEC 62236-3-2 が参考になる。

9.16

電圧急変,電力中断及び短絡試験(任意の形式試験)

9.16.1

一般

この試験は,車両に電力を供給する電車線の電圧変動が,車両の性能に悪影響を与えないことの検証を

目的としている。

これらの試験は,JIS E 5011-1JIS E 5011-2 又は IEC 61377-2:2002 に規定されている試験台における組

合せ試験で,形式試験を行わなかった場合に限り,受渡当事者間で協定して完成車両で行ってもよい。

実際の運用上起こる可能性のある,

(例えば,電圧,線路インダクタンスの)異なる電源条件の下で,例

えば,変電所直下地点又は変電所からの最遠隔地点において,次の試験を行う。

9.16.1.1

走行駆動が交流整流子形主電動機又は直流形主電動機の場合

主変圧器,タップ切替器,抵抗器,ダイオードなどの受動機器を経由して,電力が直接供給される交流

整流子形主電動機又は直流形主電動機で車両が駆動されている場合,次の異なる 3 条件で試験を行う。

a)

主電動機の最弱界磁(界磁制御を行っている場合)

b)

車両の最高速度

c)

主電動機の 1 時間定格電流


44

E 4041

:2009

9.16.1.2

走行駆動が電力変換装置による電動機の場合

電力変換装置を使用しているが,契約に特定の指定がない場合,次の異なる 3 条件で試験を行う。

a)

主回路の最大電流

b)

電力変換装置の最高出力電圧

c)

車両の最高速度

9.16.2

電圧急変試験

試験電圧をほぼ標準電車線電圧の値にしてから試験を始め,突然に,き電電圧を急上昇させる。その上

昇値の幅は受渡当事者間で協定しておく。

この試験を行うための電圧を急上昇させる方法は,例えば,次のような方法の中から選択する。

a)

き電用変電所の制御を操作する。

b)

試験に用いる車両又は連結した別の車両に設けた,き電回路に挿入した仮設の直列抵抗器を突然短絡

する。

c)

試験車両に並列に接続された大容量負荷を突然切り離す。

d)

これまで使用していない,別のき電変電所を投入接続する。

回生ブレーキ付き車両の場合,当該車両を走行させて最高速度にしてから,その速度で得られる最大回

生電流を流して

(又は車両が,

契約に指定された最大回生電流が得られる最高速度にして)

から,

(例えば,

10∼20  %の範囲で)急激に電圧を降下させて試験を行う。これらの試験は,試験車両と並列に大容量負荷

を突然に投入する方法で行ってもよい。

これらの試験を行っても装置に悪影響を与えてはならない。最も過酷な運転条件であっても,装置に永

久損傷を与えることもなく,

(電圧急変試験によって保護装置が作動し,

走行駆動システムの主回路を開放

していた場合には,再投入後。

)これまでと同様な性能を継続して維持できなければならない。

9.16.3

電力中断試験

力行及び回生ブレーキに対して,電車線からのき電電圧を遮断及び再投入する試験を行う。そのときの

全中断時間は,10 ms∼10 s の範囲を契約で協定する。この試験中,

(無電圧保護装置を含む。

)すべての保

護装置は,動作状態にしておく。

試験は,

指定した全中断時間

(最大値及び最小値を含む。

範囲を確実にカバーできるように繰返し行う。

試験は遮断器によって回路を遮断及び再投入させて行う。

これらの試験を行っても装置に悪影響を与えてはならない。最も過酷な運転条件であっても,装置に永

久損傷を与えることなく,

(電圧中断試験によって保護装置が作動し,

走行駆動システムの主回路を開放し

ていた場合には,再投入後。

)これまでと同様な性能を維持できなければならない。

9.16.4

電圧変動試験 

契約で指定されている電車線電圧の許容変動範囲において,車上のすべての装置(特に,補助機器)は,

正常に動作することを試験によって確認する。

電圧の許容変動範囲(例えば,最高,最低,標準電車線電圧など。

)を確実にカバーできるように,多く

の試験を行う。

9.16.5

電車線短絡試験

この試験は,力行及び回生ブレーキに対して,電車線のき電電圧をある程度長い時間短絡させる方法で

行う。短絡の方法は,電車線側に契約で指定した短絡電流を超えないように適切な抵抗値を挿入した回路

を構成してから強制的にレールと短絡させるようにする。これらの試験中は,すべての保護装置は動作状


45

E 4041

:2009

態にしておく。

当該試験の実施による影響の程度については,事前に受渡当事者間で協定しておく。また,その短絡電

流は契約での指定値を超えてはならない。再投入後,指定の運転条件の範囲内で,装置は正常に契約の性

能を継続して維持できなければならない。

注記  極めて特殊な試験であり,車両,変電所,電車線などの設備に損傷を与えるおそれがあるので,

試験方法については試験を行う前に,受渡当事者間で詳細に検討しておくことが重要である。

9.16A

車両に搭載した主要電気品の保護機器及び内部過電圧(任意の形式試験)

9.16A.1

過負荷保護装置などの正常動作試験

この試験は,過負荷及びその他の電気保護装置が正常に動作することの確認を目的としている。

車両内の過負荷などの電気保護装置が正常に動作することは,試験台における組合せ試験を行わなかっ

た場合に限り,受渡当事者間の協定によって,例えば,次の項目について,完成車両で行ってもよい。た

だし,過負荷などの保護装置が総合的な電子制御装置の一部に組み込まれており,電流などのパラメータ

が連続監視によって,設定した保護動作値と比較されている場合には,この独立した試験を別に行う必要

はない。

a)

走行駆動回路及び電気ブレーキ回路の過負荷検出装置  走行駆動回路及び(発電又は回生の)電気ブ

レーキ用の過負荷検出装置は,次のいずれかの方法によって確認する。これらの試験を行うとき,保

護装置のトリップに要する電流又は同等の電気信号の値を測定してもよい。

1)

過負荷検出装置の設定値を,力行及び電気ブレーキの通常の主回路電流値で動作するまで引き下げ

る。

2)

検出装置を動作させるために,試験用巻線及び回路を用いて,力行電流及び電気ブレーキ電流に比

例した電気信号を検出装置に入れる。

3)

力行電流及び電気ブレーキ電流を,検出装置が動作する点まで増加させる。これは適切な接触器又

は短絡用の電力半導体を使って行うことができる。

b)

補助回路及び補助機器の保護装置  補助回路及び補助機器(例えば,静止形補助電源装置,空気圧縮

機及び列車の暖房回路用補助電源)の過負荷保護装置は,例えば,次のいずれかの方法によって確認

する。

1)

通常の運転電流で,装置がトリップする点まで,保護装置の設定を引き下げる。

2)

保護装置を動作させるために,適切な電気信号を加える。

3)

補助回路の出力端子間に低抵抗を挿入して,保護装置が動作する点まで電流を増加させる。

9.16A.2

内部過電圧値の確認

この試験は,

車内機器で発生する内部過電圧値を減らすために採用した対策の有効性の確認を目的とし,

受渡当事者間で協定して行う。

観察された過電圧のピーク値及び持続時間は,機器が耐え得るように設計された値又は受渡当事者間で

協定した規定値(例えば,代案として,機器が耐え得ることのできる仕様の値)を超えてはならない。内

部過電圧を測定するための方法は,次による。

a)

当該車両の主回路,制御回路及び補助回路に対して,主回路電流及び補助回路電流がそれぞれ最小及

び最大のときに,主回路遮断器をトリップさせる。この試験を数多く繰り返して行い,その中の最高

電圧を記録する。

b)

電子回路の場合,主回路遮断器,開閉機器,リレー又は接触器を,様々な回路条件で動作させたとき

に発生するサージ電圧(電子機器の端子における測定値)を試験成績書に記載する。


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E 4041

:2009

注記  JIS E 5006:2005 の 10.2.6(電源過電圧,サージ及び静電放電試験)が参考になる。

9.17

騒音試験(任意の試験)

9.17.1

形式試験

この試験は,車内騒音及び車両が発散する車外騒音が,仕様を満足していることの検証を目的としてお

り,受渡当事者間で特別な協定があった場合に限り行う。

車内騒音試験は JIS E 4021,車外騒音試験は JIS E 4025 による。それぞれの試験は,各規格に規定した

計測方法と条件による形式試験である。採用する試験手順は,契約で指定する。

9.17.2

受渡試験

量産車の特定の車両の測定を契約で要求されている場合,前項の形式試験で検証した規格に適合してい

ることを確認する。その試験は JIS E 4021 及び JIS E 4025 で規定したモニター試験[例えば,JIS E 4021

の 7.1(一般)

]による。

9.18

空気システム−空気圧縮機のデューティサイクル(形式試験)

この試験は,車両に取り付けてあるすべての空気圧縮機が車両の空気システムすべての要求を満足させ

るのに必要な空気量を供給できることの検証を目的としている。

運転中の車両の空気システム(空気操作式の側引戸など開閉装置,汽笛吹鳴装置などを含む。

)は,仕様

どおりに作動しており,空気消費が最大になるデューティサイクルの代表的な条件のときに試験を行う。

機関車の場合には,契約に指定された最大けん引質量をけん引して試験を行う。

総括制御ユニットの車両は,限界質量条件で試験する。

試験では,次の a)∼f)までの各項目の測定又は検査を含む。また,g)∼i)の内容も明らかにする。

a)

元空気タンク圧力

b)

元空気タンク管圧力

c)

空気ばね圧力(空気ばね採用の場合)

d)

システム全体に圧力空気を込めるために要する時間(8.9 の定置試験も参照)

e)

空気圧縮機の許容運転時間

f)

空気除湿装置出口における空気露点

g)

空気システムが完全な大気圧状態にあるときから,空気圧縮機動作による圧力空気の込め時間は,契

約に指定した時間以内とする(通常は,15 分を超えない。

。ただし,客車及び貨車をけん引する機関

車の込め時間は受渡当事者間の協定による。

h)

通常の運転で,この空気供給システムがすべての空気機器を動作させているときにも,その動作圧力

を維持できるものでなければならない。

i)

契約に指定がある場合,当該車両自体に加えて,故障した指定の車両 1 両又は車両ユニットの空気シ

ステムを動作させることができなければならない。

この試験は,別の走行試験(例えば,9.3 参照)の中で行うことができる。別の代替案として,代表的な

空気消費量の仕様値から,空気漏れ条件を設定した試験を行うことができる。

9.19

窓ふき器(形式試験)

この試験は,窓ふき器,窓ウォッシャ,デミスタ(運転席窓の曇りを取る装置)などが,列車のすべて

の運転速度範囲及びあらゆる天候の下で,指定した窓ガラスの範囲を清浄にできることの検証を目的とし

ている。

試験は,列車の契約上の最高速度までのあらゆる運転速度範囲において行う。さらに,悪天候の条件の


47

E 4041

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下でも試験を行うことが望ましい。

窓ふき器は,指定の範囲を清浄にでき,高速時の空気力学的影響による性能低下があってはならない。

窓ウォッシャは,契約で指定したとおりに作動しなければならない。

9.20

列車制御システム(形式試験)

この試験は,車両が走行するあらゆる環境において,すべての列車制御システムが適正に機能すること

の確認を目的としている。

これらの試験項目の中には,ほかの走行試験と組み合わせて行うことができるものもある。例えば,力

行に関係する制御システムの試験を力行性能(9.2 参照)の試験のときに行うことができる。

走行試験中に,すべての列車制御システム及びそれに関係する回路は,契約の指定どおりに確実に適正

動作していることを確認する。特に,次の事項が適切であることを確認する。

a)

制御シーケンス

b)

時間遅れのある動作

c)

インタロックの作用

d)

制御入力点における入出力異常及び伝送異常の有無

e)

個別のシステム間インタフェース

8.15

の定置試験で行った車両の補助システムに関して,必要な場合には走行試験を行って,走行駆動シ

ステム及びブレーキシステムの動作又は車両の走行で生じる別の原因から悪影響を受けることなく,適正

かつ確実に動作することを確認する。

特に,次の事項を確認する。

f)

車内放送装置にハウリング状態,音切れ現象などが発生しない

g)

運転指令など特定の地上設備との無線連絡

h)

地上から列車へのデータリンク(画像伝送を含む。

i)

列車走行中における列車から地上へのデータ伝送

j)

列車内のテレビシステム・ビデオシステム


48

E 4041

:2009

附属書 A

参考)

試験項目

序文

この附属書は,完成車両に対する代表的な試験項目及びこの規格本体の関係する細分箇条にかかわる説

明であって,規定の一部ではない。

注記  調査試験[4.1.2 c),5.1.1 c)  及び 5.4 参照]は,追加的な情報を得るために,契約で指定した場

合にだけ行う特別な試験であるので,

表 A.1 及び表 A.2 には記載していない。調査試験の実施

は,受渡当事者間で協定して別途取り決めなければならない。

A.1

試験項目の例

定置試験の試験項目の例を

表 A.1 に,走行試験の試験項目の例を表 A.2 に示す。

表 A.1 及び表 A.2 の中で○印を付けた試験項目は,細分箇条番号の本文の中に適用する条件を示してあ

るので,対象とする車両への適用の要否を,受渡当事者間で協定する(表中の“受渡当事者間での協定事

項あり又は任意の試験”の欄を参照)

。また,5.1.2 の条件に適合している場合には,当該試験の簡略化又

は項目の一部を省略することができる。

契約では,車両の組立が完成してから営業に投入するまでに行うさまざまな試験は,次のように大別で

き,その内容を発注者が確認できるようにしなければならない。

a)

形式試験  車両が,契約上の技術的要求事項を満足していることを確かめる試験(3.9 及び 5.3.1 参照)。

b)

受渡試験  すべての車両が,形式試験で検証した設計基準を満足していることを確かめる試験(3.10

及び 5.3.2 参照)

注記 1  表 A.1 及び表 A.2 に記載してある試験項目は,製造業者が試験計画書を作成するときの指

針であり,すべての試験項目を網羅しているものではないので,すべての試験項目を“必

す(須)

”と考える必要はない(箇条 8,箇条 参照。

例えば,機関車を試験対象と考えた場合,集電試験もエンジン試験もあり得る。その中

から電気機関車,ディーゼル機関車などの車種に応じて該当する必要な試験項目を選択す

る。さらに“受渡当事者間の協定”によって“任意の試験”

“計算”又は“製造業者から

の適合の申告”でよい項目もある。したがって,詳細については,規格本体の規定内容に

よるので,関係する細分箇条を参照する。

受渡当事者間で協定する事項は,箇条 及び箇条 より前の,次に示す細分箇条にもあ

るので注意する。

細分箇条

タイトル

細分箇条

タイトル

4.1.2 

車両の主要構成用品に対する試験

5.3.1 

形式試験

4.2 

第三者機関所有の試験設備

5.3.2 

受渡試験

4.3 

試験計画書

5.4

調査試験

5.1.2

試験項目の一部省略

6.1

(試験条件)一般

5.2

予備調整試験

6.3

走行試験


49

E 4041

:2009

表 A.1−定置試験の試験項目の例

試験の種類

試験項目

形式試験

受渡試験

計算

受渡当事者間で
の協定事項あり
又は任意の試験

参照規格

細分箇条

番号

外観検査

8.1A

8.2.2

寸法試験

8.2.3 

−  車両の外部寸法

a)

8.2.2.1

8.2.3

−  動的車両限界

8.2.2.1A

−  クリアランス試験

a)

a)

車体及び台車間

b)

連結した車両相互間

8.2.2.2

8.2.3

−  ホース長さ及びケーブル長さ試

8.2.2.3 

−  集電装置の定置試験

a)

JIS E 6302

8.2.2.4 

車両限界試験

(8.3)

−  一般

a)

8.3.2

−  たわみ係数試験

a)

UIC 505-5

8.3.3

−  車両各部の形状寸法

a)

8.3.4

つり上げ又は持ち上げ試験

a)

JIS E 7106

8.4.2

質量条件

8.5.2

JIS E 4011

8.5.3

質量測定

a)

JIS E 4011

8.5.4

重心測定

a)

8.5A

8.6.2

防水・防じん(塵)の試験

JIS C 0920

附属書 JA 

8.6.3

(気密試験)一般

8.6A.1

電気絶縁特性試験

(8.7) 

−  一般

8.7.1

−  耐電圧試験

8.7.2

−  絶縁抵抗試験

JIS E 4014

JIS E 5004-1

JIS E 5004-5

JIS E 5007

JIS E 5008

JIS E 6101

JIS E 6102

JIS E 6401

8.7.3

配線検査

8.7A

防護ボンディング及び帰線回路の試

a)

JIS E 5051

8.8

最低動作電圧・最低動作空気圧の試

8.8A

空気システムの試験

(8.9) 

−  一般

8.9.1

−  元空気タンク及びその他の空気

用品の気密試験

a)

8.9.2

−  その他の空気用品に接続した元

空気タンク及び関連機器

8.9.2.2


50

E 4041

:2009

表 A.1−定置試験の試験項目の例(続き)

試験の種類

試験項目

形式試験

受渡試験

計算

受渡当事者間で
の協定事項あり
又は任意の試験

参照規格

細分箇条

番号

−  ブレーキシリンダ及び補助空

気タンクの気密試験

a)

8.9.3

−  空気用品の動作確認

a)

8.9.4 

油圧システムの試験−機能性

a)

8.10

油圧システムの試験−気密性

a)

8.10

摩擦ブレーキシステムの試験

(8.11)

8.11.2.1

−  空気ブレーキシステム

a)

8.11.2.2

−  その他のシステム

a)

8.11.3

−  砂まきシステム

a)

8.11.4

留置ブレーキの試験

a)

8.12

8.13.2

補助電源装置の試験

a)

8.13.3

8.14.2

蓄電池充電試験

8.14.3

8.15.2.1

補助システム及び制御システムの

試験

8.15.2.2

−  列車制御

a)

8.15.3

−  戸閉制御システム

a)

8.15.4

−  暖房,換気及び空調システム

の試験

a)

8.15.5

8.15.6.1

−  照明システム(非常灯試験を

含む)

a)

8.15.6.2

−  標識灯

a)

8.15.6A

−  その他のシステム

a)

b)

8.15.7

−  ソフトウエアで制御するシス

テム

a)

JIS E 5006

8.15.8

発電機又はトルクコンバータを組
み合わせたエンジンユニットの試

(8.16)

−  一般

8.16.1

−  エンジンの回転速度試験

8.16.2 

−  エンジンの保護装置

8.16.3 

−  エンジンの流体,空気及び排

気回路

a)

8.16.4 

8.16.5.1

−  エンジン駆動の補助装置

8.16.5.2 

−  エンジンの始動試験

8.16.6

8.16.7.1

−  パワーユニット組立品の運転

8.16.7.2

−  発電機を組み合わせたパワー

ユニット組立品の試験

8.16.7.2.1

走行駆動システムの試験

a)

8.17

運転及び保守のしやすさ(救援,

避難などの設備検査を含む)

a)

(8.18) 


51

E 4041

:2009

表 A.1−定置試験の試験項目の例(続き)

試験の種類

試験項目

形式試験

受渡試験

計算

受渡当事者間で
の協定事項あり
又は任意の試験

参照規格

細分箇条

番号

−  一般

8.18.1

−  運転室及び乗務員専用エリア

a)

UIC 651

8.18.2

−  乗客用エリア

a)

8.18.3

−  救援

a)

8.18.4

騒音試験及び振動試験

a)

JIS E 4021

JIS E 4025

8.19

安全性の確認を要するシステムの

試験

a)

8.20

a)

  IEC 61133 が指定する,安全にかかわる参考項目 (Safety related)

b)

  IEC 61133 が指定する,外部承認機関が要求する場合がある参考項目  (may be required by Approval Authorities)


52

E 4041

:2009

表 A.2−走行試験の試験項目の例

試験の種類

試験項目

形式試験

受渡試験

計算

受渡当事者間で
の協定事項あり
又は任意の試験

参照規格

細分箇条

番号

走行試験を行う前に確認すべき項

9.1A

9.2.1

力行性能(速度・引張力特性)

9.2.2

走行性能(走行時間確認)

9.3

9.4.1

ブレーキ試験

a)

b)

9.4.2

−  一般

9.4.1.1

−  路線条件

9.4.1.3

−  停止距離の測定方法

9.4.1.4

−  車輪の滑走防止

9.4.1.6

走行駆動システムの温度上昇試験

a)

b)

9.5

ブレーキ装置の温度上昇試験

a)

b)

9.5

走行抵抗

9.6

車両の速度制御システム試験

a)

b)

9.7

自動列車停止装置など(自動列車
制御装置及び自動列車運転装置を
含む)のシステム試験

a)

b)

9.8

車両及び軌道の相互作用

(9.9)

9.9.1.2

−  走行安全性

a)

9.9.1.3

−  ばね支持装置のクリアランス

及び車両間のクリアランスな
どの確認

a)

9.9.2

9.10.2 

乗り心地快適性

9.10.3

9.11.1

動的車両限界

a)

9.11.2

車輪のフランジ塗油器の動作

a)

9.12

集電装置の試験

a)

JIS E 6302

9.13

空気力学的な影響

a)

9.14

電磁両立性 (EMC)

IEC 62236-3-1

-3-2

(9.15)

−  車両内部からの障害

a)

IEC 62236-3-2)  9.15.1

−  車両が発生する外部への電磁

障害

a)

IEC 62236-3-1)  9.15.2 

−  無線周波数帯への電磁障害

a)

IEC 62236-3-1)  9.15.3 

−  外部から車両への電磁障害

a)

IEC 62236-3-2)  9.15.4 

−  静電放電

IEC 62236-3-2)  9.15.5 

電圧急変,電力中断及び短絡試験

(9.16)

−  一般

9.16.1

−  電圧急変試験

9.16.2 

−  電力中断試験

9.16.3 

−  電圧変動試験

JIS E 5011-1

JIS E 5011-2

IEC 61377-2

9.16.4 


53

E 4041

:2009

表 A.2−走行試験の試験項目の例(続き)

試験の種類

試験項目

形式試験

受渡試験

計算

受渡当事者間で
の協定事項あり
又は任意の試験

参照規格

細分箇条

番号

−  電車線短絡試験

JIS E 5011-1

JIS E 5011-2

IEC 61377-2

9.16.5 

車両に搭載した主要電気品の保護
機器及び内部過電圧

(9.16A)

−  過負荷保護装置などの正常動

作試験

9.16A.1

−  内部過電圧値の確認

9.16A.2

騒音試験

9.17 

9.17.1

−  車内騒音

JIS E 4021

9.17.2

9.17.1

−  車外騒音

JIS E 4025

9.17.2

空気システム−空気圧縮機のデュ

ーティサイクル

a)

9.18

窓ふき器

9.19

列車制御システム

a)

9.20

a)

  IEC 61133 が指定する,安全にかかわる参考項目 (Safety related)

b)

  IEC 61133 が指定する,外部承認機関が要求する場合がある参考項目  (may be required by Approval Authorities)


54

E 4041

:2009

附属書 JA

規定)

車両の防水試験方法

序文

この附属書は,完成車両の防水試験方法について規定する。

JA.1

  共通的な条件

JA.1.1

  環境の条件

試験場所の温度は,0  ℃以上とし,風速は,10 m/s 以下とする。

JA.1.2

  試験車両の状態

試験車両の状態は,次による。

a)

車両は,完成状態の姿とする。

b)

車体外面の窓及び戸は,閉じた状態とする。

c)

屋根に通風器がある場合は,通気の状態とする。

d)

その他,車体外面の点検口のふた,通風口などの開口部は,雨天での平常の走行時と同じ状態にする。

JA.2

  試験装置

散水試験装置は,次による。

a)

散水試験装置は,車両の側面,妻面及び屋根上面に,雨状にほぼ均等に散水できる構造とする。

b)

車両の各々の面への散水量は,ほぼ均等であって,降水量相当 150 mm/h 以上とする。

c)

散水時の散水ノズル部の水圧は,100 kPa 以上とする。

d)

散水ノズルは,原則として 2 m 以内の距離から車両の各面に散水できるものとする。

e)

車両の表面,特に前頭部に対し,所要の散水量に達しない場合又は特に必要がある場合は,これを補

足する補助器具を設ける。

JA.3

  試験方法

試験方法は,車両定置試験又は車両移動試験とし,次による。

JA.3.1

  車両定置試験

a)

散水試験は,車両に連続 5 分間以上散水し,散水中及び散水が終わってから 10∼20 分後に,それぞれ

車体内部から各部の漏れの有無を調べる。

b)

運転室又は車掌室がある妻面に対して特に必要がある場合は,補助器具を用いて散水し,a)に準じて

車体内部から各部の漏れの有無を調べる。

JA.3.2

  車両移動試験

a)

散水試験は,試験装置内で車両をほぼ均等の速度で徐行通過させながら JA.3.1 に準じて行う。

b)

車両が試験装置を通過する速度及び回数は,車両の同一部位に合計 5 分間以上散水するように選ぶ。

JA.4

  試験の記録

次の項目について記録する。


55

E 4041

:2009

a)

試験の期日,場所及び環境の条件

b)

試験対象

c)

試験装置

d)

試験方法

e)

試験結果

f)

その他,必要がある事項

参考文献  JIS E 2001  電車線路用語

JIS E 6002:1989

  通勤用電車の性能通則

JIS E 7103:2006

  鉄道車両−旅客車−車体設計通則

JIS E 7106:2006

  鉄道車両−旅客車用構体−設計通則

JIS Q 9000:2006

  品質マネジメントシステム−基本及び用語

注記  対応国際規格 ISO 9000:2005, Quality management systems−Fundamentals and vocabulary

(IDT)

JIS Q 9001:2000

  品質マネジメントシステム−要求事項

注記  対応国際規格 ISO 9001:2000, Quality management systems−Requirements (IDT)

IEC 62128-1, Railway applications

−Fixed installations−Part 1: Protective provisions relating to

electrical safety and earthing

IEC 62128-2, Railway applications

−Fixed installations−Part 2: Protective provisions against the

effects of stray currents caused by d.c. traction systems

IEC 62236-3-1:2003, Railway applications

−Electromagnetic compatibility−Part 3-1: Rolling stock−

Train and complete vehicle

IEC 62236-3-2: 2003, Railway applications

−Electromagnetic compatibility−Part 3-2: Rolling stock−

Apparatus

UIC 505-5: 2nd Edition. 1997 and 4 Amendments, Basic conditions common to Leaflets 505-1 and

505-4−Notes on the preparation and provisions of these leaflets

UIC 651:4th Edition. 2002, Layout of driver’s cabs in locomotives, railcars, multiple-unit trains and

driving trailers


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E 4041

:2009

56

E 4041

2009

56

E 4041

2009

附属書 JB

参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS E 4041 :2009

  鉄道車両−完成車両の試験通則

IEC 61133

:2006,Railway applications−Rolling stock−Testing of rolling stock on

completion of construction and before entry into service

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及

び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

1 適用範囲

1

JIS

にほぼ同じ

電気式走行駆動のほか,エンジンを使う

走行駆動システムも適用対象に加えた。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を

検討する。

2 引用規格

3 用語及び
定義

3

なし

追加

“3.1A  支給品”及び“3.16A  軌陸車”を
新たに追加した。

“3.11  安全にかかわる事項”用語はまだ
国内ではなじみがないので定義しないこ
とを注記した。

次回 IEC 規格改正時 3.1A の内容を
追加する提案を検討する。

4 要求事項  4.1 一般

4.1

JIS

にほぼ同じ

追加

後半の内容を“4.1.1  品質計画書”及び
“4.1.2  車両の主要構成用品に対する試
験”に細分箇条を区分して,分かりやす

いようにした。

次回 IEC 規格改正時細分箇条に分
けることの提案を検討する。

4.3 試験計画書

4.3

JIS

にほぼ同じ

追加

必要な妥当性確認文書の保管について受

渡 当 事 者 間 で 明 確 に す る こと を 追 加 し
た。

“妥当性確認”の用語がまだ国内では

なじみが薄いので,注記 2 で分かるよう

にした。また,特別に安全にかかわる試
験項目について,注記 3 で説明を追加し
た。

次回 IEC 改正時当該文書の保管の

規定の追加の提案を検討する。

5 試験の種

5.1 一般

5.1

JIS

にほぼ同じ

追加

前半の内容を“5.1.1 試験の種類”

,後半の

内容を“5.1.2 試験項目の一部省略”と区

分して,分かりやすくした。

次回 IEC 改正時細分箇条の区分の
提案を検討する。


57

E 4041

:2009

57

E 4041

2009

57

E 4041

2009

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

5 試験の種
類(続き)

5.2 予備調整試験

5.2

JIS

にほぼ同じ

追加

予備調整のための走行距離及び通常の車

両受入条件としての走行距離に誤解がな
いように注記を追加した。

5.3 受入試験

5.3

5.3.1 形式試験

5.3.1

JIS

にほぼ同じ

追加

附属書 A の表 A.1 及び表 A.2 は,定置試

験及び走行試験の試験項目例で,指針と
して使うべきものであることを注記に明
記した。

5.3.2 受渡試験

5.3.2

JIS

にほぼ同じ

同上。また,後半の変更条件が分かりや
すいように a)∼c)  に整理した。

6 試験条件  6.1 一般

6.1

JIS

にほぼ同じ

追加

国内では支給品に関係する試験は,支給
品供給者を含めて協定すべきことを追加
した。

次回 IEC 規格改正時支給品に関す
る試験の追加の提案の検討する。

6.3 走行試験

6.3

JIS

にほぼ同じ

追加

本線走行試験は,発注者又は使用者の責
任であること及び走行試験に参加する関
係者の責任関係を明確にすることを規格

本体に追加した。

IEC

規格の注記 2 にあった RAMS 関係の

準備に関しては,国内の実情から“受渡

当事者間で検討する”ように注記の内容
を変更した。

7 妥当性確
認文書

7

JIS

にほぼ同じ

追加 g)

の責任者の署名の代わりに,国内では

一般的に通用している“認定された印”
でもよいことにした。

8 定置試験  8.1A 外観検査

追加

定置試験では,まず,実際の静止状態で
の外観検査を行うようにこの細分箇条及

び規定本文を追加した。

次回 IEC 規格改正時実際の静止状
態での外観検査の追加の提案を検

討する。

8.2.1 目的  寸法測
定時の質量条件

8.2.1

JIS

にほぼ同じ

変更

IEC

規格の“運転整備状態”を,国内の

実情に合わせて“最小負荷質量”に変更
した。


58

E 4041

:2009

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E 4041

2009

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E 4041

2009

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

条番号及び
名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

8 定置試験
(続き)

8.2.2.1 車両の外部
寸法

8.2.2.1

JIS

にほぼ同じ

変更

国土交通省令に従った車両限界の規定を

明確にしたが,IEC 規格にある“何らか
の理由で車両限界の規定がない場合”の
規定を“8.2.2.1A 動的車両限界”に区分し

て 使 い や す く し た 。 通 常 ,国 内 で は ,
8.2.2.1A を適用することはないことを注
記で追加した。

8.2.2.3 ホース長さ
及びケーブル長さ

の試験

8.2.2.3

JIS

にほぼ同じ

変更

IEC

規格の注記は,内容から判断して JIS

では規格本文に変更した。

8.2.2.4 集電装置の
定置試験

8.2.2.4

JIS

にほぼ同じ

追加

規格の理解を助けるため JIS E 6302 の該

当する規定値を注記で追加した。

8.2.3 受渡試験

8.2.3

追加

国内では,通常,実施している車体の高

さ,連結器中心高さ,台枠高さなどの測
定を行うように規格本文に追加した。

次回 IEC 規格改正時高さ寸法測定

の追加の提案を検討する。

8.3 車両限界試験

8.3

JIS

にほぼ同じ

8.3.2 一般

8.3.2

JIS

にほぼ同じ

上記の 8.2.2.1 の変更に合わせて,ここの
関連箇所を 8.3.2.1 及び 8.3.2.2 に区分して

整理した。

8.3.3 たわみ係数試

8.3.3

JIS

にほぼ同じ

追加

注記のたわみ係数の定義に,図 0A(たわ
み係数の関係)を追加して,理解しやす

いようにした。 
なお,たわみ係数 sη/δ で表すが,IEC
規格では誤って逆数表示になっている。

− 
 
 
次回 IEC 規格改正時に,IEC 規格
の間違い訂正の提案をする。

8.4 つ り上 げ又 は
持ち上げ試験

8.4

JIS

にほぼ同じ

追加

タイトルに“つり上げ又は”を追加し,
“任意の形式試験”に変更した。また,

車体剛性の小さい車両では,別の試験条
件又は省略も認めた。

次回 IEC 改正時追加及び変更の提
案を検討する。


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E 4041

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E 4041

2009

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E 4041

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(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

8.5 質量測定

8.5

JIS

にほぼ同じ

8 定置試験
(続き)

8.5.2 質量条件

8.5.2

JIS

にほぼ同じ

変更

IEC

規格の“標準質量”に代えて,国内

で通常,使われている“空車質量”を採

用した(表 1 も)。 
乗務員及び乗客の計算質量の指定がない
ときには,55 kg/人とすることを注記 1

に,従来から使われている“運転整備質
量”との関係を注記 2 に追加した。

8.5.3 形式試験

8.5.3

JIS

にほぼ同じ

変更 
 
 
 
 
 
 
 
削除

測定は,特別な規定がない限り最小質量

又は空車質量の条件とし,IEC 規格にあ
る限界質量条件は,任意の試験又は調査
試験に変更した。

車両質量測定の方法は,JIS E 4011 による
ことを追加した。 
国土交通省令の規定を考慮し,c)  に各軸

の左右輪重測定を明確にした。

IEC

規格では,複雑なばね支持装置を備

えた台車をもつ車両を規定した,“ばね

系のバランス及び摩擦による誤差をでき
るだけ減らすために,車両を前後両方向
にそれぞれ 2 回移動させて 4 回の連続し

た完全な質量測定を行う。

”などの規定が

あるが,実際にはこの適用を必要とする
複雑な台車はほとんどないので,煩雑さ

を避けるために削除した(JIS E 4011 では
2 回以上の質量測定が規定されている。)。

8.5A 重心測定

追加

協定がある場合の重心測定に関する細分
箇条及び規定内容を追加した。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を
検討する。


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E 4041

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(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

8 定置試験
(続き)

8.6 防 水・ 防じ ん
(塵)試験

8.6

JIS

にほぼ同じ

8.6.1 目的

8.6.1

JIS

にほぼ同じ

追加

IEC

規格の IP コードの方法では,防水試

験の方法が,理解しにくいので,特別の
規定がない場合,附属書 JA の方法とした。
ちなみに,この基本内容は JIS E 4022 
(1999)とほぼ一致している。

8.6A 気密試験

追加

トンネルの出入口などで発生する微気圧
変動対策として,新幹線電車で行ってい

る気密試験の規定を追加した

次回 IEC 規格改正時気密試験の追
加の提案を検討する。

8.7.2 耐電圧試験

8.7.2

JIS

にほぼ同じ

追加

従来からの国内実績を考慮し,JIS E 4014

による方法を種別 2 で追加した。

8.7.3 絶縁抵抗試験

8.7.3

JIS

にほぼ同じ

追加

同上。また,耐電圧試験の前後に行う絶

縁抵抗試験結果が,湿度の高い国内では

IEC

規格の 10  %以内が困難な場合があ

るので,そのような場合には協定で確認

することにした。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を
検討する。

8.7A 配線検査

追加

完成車両試験では,重要な配線検査を追
加した。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を
検討する。

8.8A 最 低 動 作 電
圧・最低動作空気

圧の試験

追加

供給源が最低値のときパンタグラフのか
ぎ外し,補助電源装置の起動,エンジン

の始動などの確認試験を追加した。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を
検討する。

8.9.4 空気用品の動
作確認

8.9.4

JIS

にほぼ同じ

追加

国内で確認されている装置を追加した。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を

検討する。

8.10 油圧システム
の試験

8.10

JIS

にほぼ同じ

追加

国内で確認されている装置を追加した。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を

検討する。

8.11.1 一般

8.11.1

JIS

にほぼ同じ

変更

国内で確認されている装置を追加した。

日本の実情に合わせた。

8.11.2.1 形式試験

8.11.2.1

JIS

にほぼ同じ

追加

国内で採用されている試験方法を追加し
た。

日本の実情に合わせた。


61

E 4041

:2009

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E 4041

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(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

8 定置試験
(続き)

8.11.3 その他のシ
ステム

8.11.3

JIS

にほぼ同じ

追加

国内で採用されている試験方法を追加し

た。

日本の実情に合わせた。

8.13 形式試験  補
助電源装置の試験

8.13

JIS

にほぼ同じ

追加 g)

機関車などに装備し,列車空調用の大

容量電源装置の出力は,故障発生時に確
実に自動遮断できる項目を追加した。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を

検討する。

8.14.2 形式試験 
蓄電池の充放電

8.14.2

JIS

にほぼ同じ

追加 h)

に電車線停電又は充電装置故障のとき

の最低限の緊急放電時間の規定がない場
合には,30 分を推奨することを注記で追

加した。

8.15.5 暖房,換気及
び空調システムの
試験

8.15.5

JIS

にほぼ同じ

追加

特に,冷房運転中に,結露が生じにくい

構造であることも検査することを追加し
た。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を

検討する。

8.15.6.1 形式試験 
照明システム

8.15.6.1

追加

室内照度の測定方法は,JIS E 4016 による

ことを追加した。

8.15.6A 標識灯

追加

安全にかかわる重要な確認事項として,

細分箇条を追加した。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を

検討する。

8.15.7 その他のシ
ステム

8.15.7

JIS

にほぼ同じ

追加

安全にかかわる重要な項目として,“m)

バリアフリー関連設備”を追加した。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を

検討する。

8.16 発電機又はト
ルクコンバータを
組み合わせたエン
ジンユニットの試

8.16

JIS

にほぼ同じ

変更

IEC

規格ではトルクコンバータ式の走行

駆動システムの規定が全くないので,そ
の関連項目にトルクコンバータ式の記述
を追加した。また,共通の用語として,

“ パ ワ ー ユ ニ ッ ト 組 立 品 ” を 用 い た
(8.16.1 参照)。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を

検討する。

8.16.1 一般

8.16.1

JIS

にほぼ同じ

エンジン及びトルクコンバータを結合す

る場合,

“心出し”調整不要の場合がある

旨を注記で追加した。

次回 IEC 規格改正時追加の提案を

検討する。

8.16.2 エンジンの
回転速度試験

8.16.2

JIS

にほぼ同じ

規格内容を“8.16.2.1  無負荷回転速度試
験”と“8.16.2.2  負荷回転速度試験”とに
分けて使いやすくした。

次回 IEC 規格改正時分割規定の提
案を検討する。


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:2009

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E 4041

2009

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E 4041

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(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

8 定置試験
(続き)

8.16.3 エンジンの
保護装置

8.16.3

JIS

にほぼ同じ

変更

実際にエンジンを過速度にする試験はエ

ン ジ ン を 損 傷 す る お そ れ があ る 場 合 に
は,代わりに擬似パルスでの試験を認め
た。

8.16.5.1 形式試験 
エンジン駆動の補

助装置

8.16.5.1

JIS

にほぼ同じ

追加

高度,最低気温などの指定の環境条件で
の試験が困難な場合は,あらかじめ協定

するようにした。

8.16.6 エンジンの
始動試験

8.16.6

JIS

にほぼ同じ

同上

8.16.7.2 パ ワ ー ユ
ニット組立品の運
転  受渡試験

8.16.7.2

JIS

にほぼ同じ

 8.16 の 変 更 に 伴 い , 8.16.7.2.1 及 び

8.16.7.2.2 に分け,特に後者にはトルクコ
ンバータ関連の試験の規定を追加して,
使いやすくした。

8.18.1 運転及び保
守のしやすさ  一

8.18.1

JIS

にほぼ同じ

追加

保守のしやすさについての要求がある場
合には,実際に作業をして確認すること
を追加した。

8.19 騒音試験及び
振動試験

8.19

JIS

にほぼ同じ

変更

国内の実情から受渡当事者間の協定によ
る“任意の試験”と規定した。

8.20 安全性の確認
を要するシステム

の試験

8.20

JIS

にほぼ同じ

変更

IEC

規格の d)  列車自動防護装置 (ATP)

の用語は,国内で使われている用語に合

わせて,

“自動列車停止装置など(自動列

車制御装置及び/又は自動列車運転装置
を含む)

”とした。また,k)  に運転台の主

要機器及び l)  に代表的な通信連絡装置を
追加した。

9 走行試験

9

JIS

にほぼ同じ

追加

本線試験の責任に関して,注記を追加し
た。

 9.1A 走行試験を行

う前に確認すべき
事項

追加

本線を走行できるための安全確認事項を

まとめた。

重要な内容であるので,次回 IEC

規 格 改 正 時 追 加 の 提 案 を 検 討 す
る。


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E 4041

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(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

9 走行試験
(続き)

9.2.1 力行性能  形
式試験

 9.2.1

JIS

にほぼ同じ

変更

力行性能試験では,“最小及び限界質量

を含むあらゆる質量条件”という IEC 
格の規定を削除し,国内の実情に合わせ
て“指定した負荷質量条件”とした。

9.3 走行性能

9.3

JIS

にほぼ同じ

削除

IEC

規格には,この細分箇条の最後のパ

ラグラフに,

“エネルギー消費量は,製造

業者が管理できない変動要素に左右され
る場合があるので,そのような場合には,
条件を変えて消費量を申告できる”規定

があったが,国内では不要として削除し
た。ただし,海外案件では注意したほう
がよい。

9.4.1.1 ブレーキ試
験  一般

9.4.1.1

JIS

にほぼ同じ

削除

IEC

規格の“ブレーキに関連するすべて

の規格を考慮する。

”という規格本文及び

国内ではなじみのない規格を多数引用し
ている注記を削除したが,今後の参考に
なるので解説の中に掲載した。ジャーク

についての注記を追加した。

9.4.1.2 ブレーキ試
験  車両の条件

9.4.1.2

JIS

にほぼ同じ

変更

契約に指定がない場合には,空車質量条

件に変更(IEC 規格では,最小及び限界
質量条件)。一方,8.5.2 で標準条件を削除
したので,機関車の試験は,限界荷重条

件に変更した。また,新品の制輪子など
もなじませる必要があるので,注記を追
加した。


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:2009

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(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

9 走行試験
(続き)

9.4.1.4 ブレーキ試
験  停止距離の測
定方法

9.4.1.4

JIS

にほぼ同じ

変更

“計算式が指定されていない場合”に規

定の計算式を使うようにした。また,計
算式を変形したものを式 (2)として追加
し,国内で以前から“在来鉄道運転速度

向上マニュアル”の式とも整合性のある
ことを明らかにした。 
なお,式に使われている式の代表記号に

は,上記のマニュアルにある記号に合わ
せて変更した。

9.4.1.8  電気ブレー
キ試験

9.4.1.8

追加 f)

電車線の停電などの場合,通常,電気

ブレーキ力は自動的にスムーズに別のブ
レーキに移行するが,機関車などでは,

警報表示から運転士が操作して移行する
方法をとっているので,それでもよいこ
とを注記した。

9.4.2 ブレーキ試験 
受渡試験

9.4.2

追加

“コミッショニング”の用語がまだなじ
みが薄いので,注記で説明を加えた。

9.8 自 動列 車停 止
装置など(自動列

車制御装置及び自
動列車運転装置を
含む)のシステム

の試験

9.8

変更 8.20

d)

の変更に伴い,名称を変更した。

また,a)  当該装置が動作した場合,IEC

規格では“非常ブレーキ”適用となって
いたが,国内では常用ブレーキ適用もあ
るので,

“非常”の文字を削除した。b)  の

保安ブレーキ動作では,停止のほか“制
限速度以下に減速する”場合もあること
を追加した。

9.9 車 両及 び軌 道
の相互作用

9.9


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E 4041

2009

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

9 走行試験
(続き)

9.9.1.2 走行安全性 
形式試験

9.9.1.2

JIS

にほぼ同じ

追加

国内では新形式の台車を採用した新製車

両は,通常,輪重・横圧 (PQ) 測定を行
うので,受渡当事者間の協定で行う旨を
追加した。

9.11 動的車両限界

9.11

JIS

にほぼ同じ

変更

IEC

規格のタイトルにある“動的車両限

界”という考え方は国内では使わないが,

車体のばね支持装置による左右変位及び
曲線区間での車体の前後部側面並びに中
央部側面が指定した車両の外部寸法をは

み出す限界を適用する場合に使えるよう
に変更・追記した。8.2.2.1A 及び 8.3.2.2  参
照。

9.13 集電装置の試

9.13

JIS

にほぼ同じ

追加

IEC

規格では,走行中にパンタグラフの

上昇(又は下降)操作できるような規定

であるが,国内では,走行中のパンタグ
ラフ上昇操作は行わないので,そうした
ことが契約に指定された場合に限ること

を追加した。

9.15 電磁両立性   
(EMC)

9.15

JIS

にほぼ同じ

変更

IEC 62236

シリーズは,まだ国内ではよく

認知されていないことから,これを削除
し,受渡当事者間の協定によることに変
更した。ただ,注記に IEC 62236 シリー

ズを記載して,参考にできるようにした。

9.16.1 電圧急変,電
力中断及び短絡試

験  一般

9.16.1

JIS

にほぼ同じ

電力変換装置を使う場合とそうでない場
合の試験条件を 9.16.1.1 及び 9.16.1.2 に区

分して,分かりやすくした。

9.16.2 電圧急変試

9.16.2

JIS

にほぼ同じ

IEC 60850

は,国内では適用されていない

ので削除し,受渡当事者間の協定で決め
ることにした。


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E 4041

:2009

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E 4041

2009

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E 4041

2009

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

9 走行試験
(続き)

9.16.5 電車線短絡
試験

9.16.5

JIS

にほぼ同じ

変更

低抵抗を挿入して,短絡時の電流が規定

値を超えない具体的な方法を追加して,
分かりやすいようにした。試験で地上設
備 な ど を 損 傷 し な い よ う に注 記 を 追 加

し,また,試験方法については受渡当事
者間で事前に協定するようにした。

9.16A 車両に搭載
した主要電気品の
保護機器及び内部

過電圧

追加

旧 IEC 61133(旧 JIS E 4041 も同じ)の
6.13 及び 6.14 は,使いやすいので,この
改正 JIS でも 9.16A.1∼9.16A.2 で追加規

定とした。

重要な内容と考えられるので,次
回 IEC 規格改正時に IEC 規格に復
活させる提案を検討する。

9.17 騒音試験

9.17

JIS

にほぼ同じ

追加

騒音試験のうち,車外騒音試験は,経費

のかかる大掛かりな測定であるところか
ら,受渡当事者間で特別な協定がある場
合に限って行うこととした。

附属書 A 
(参考)

試験項目

追加

IEC

規格では,機関車,貨車などの車種

に分類した表であったが,実際の運用と

使いやすさを考慮して試験の種類,協定
事項の有無など実用的に分類をし直した
書式に変更し,再整理した。

規定内容の理解を容易にした。

附属書 B 
(参考)

附属書 B
(参考)

EU 委員会指令
と し て の 要 求
事項− 
IEC 通達 
AC/135/2002 
に よ る 法 規 上

の要求事項

削除

IEC

規格の附属書 B(参考)に EU 委員会

が EU 域外への要求事項及び通達事項で
あり,我が国には適用されないので削除

した。

日本の実情に合わせた。

附属書 JA

(規定)

車両の防水試験方

追加

旧 JIS E 4022 で規定した内容を追加した。 日本の実情に合わせた。


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E 4041

:2009

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E 4041

2009

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E 4041

2009

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

参考文献

規格本文の注記で引用した規格で,箇条 2

に記載した以外の規格 12 件を記載した。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61133:2006,MOD

 
注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD 国際規格を修正している。