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E 3801-2

:2010

(1) 

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  システム構成

1

4.1

  システム内の装置及び装置間の相互関連

1

4.2

  無線システム

2

4.3

  システム外の装置及び機器

2

5

  システム要求事項

3

5.1

  一般

3

5.2

  システム性能

3

5.3

  システム構成装置への機能割付

3

5.4

  列車運行制御

4

5.5

  列車運行の監視及び管理

21

5.6

  異常時の制御

22

附属書 A(規定)機能要求事項のシステム構成装置への割付及び機能間授受情報

25

附属書 B(規定)システム構成装置の機能仕様

38

附属書 C(参考)装置間・機能間のインタフェース

44

附属書 D(参考)データベース及び装置間授受情報

48

附属書 E(参考)システム構成及びシステム要求事項の具体例

52


E 3801-2

:2010

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄道電気技術協会(JREEA)及

び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。

発明の名称  :車両交通制御装置

特許番号  :第 3065036 号        登録日:平成 12 年 5 月 12 日

特許権者  :株式会社東芝

              東京都港区芝浦一丁目 1 番 1 号

発明の名称  :移動閉塞列車走行制御方法及びそれに用いる制御システム

特許番号  :第 3210526 号        登録日:平成 13 年 7 月 13 日

特許権者  :株式会社東芝

              東京都港区芝浦一丁目 1 番 1 号

発明の名称  :高密度列車運転システム装置

特許番号  :第 3305187 号        登録日:平成 14 年 5 月 10 日

特許権者  :株式会社東芝

              東京都港区芝浦一丁目 1 番 1 号

発明の名称  :列車保安制御システム

特許番号  :第 3342979 号        登録日:平成 14 年 8 月 23 日

特許権者  :株式会社東芝

              東京都港区芝浦一丁目 1 番 1 号

上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施

の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対

しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。国土交通大臣及び日本工業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。

JIS E 3801

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS E 3801-1

  第 1 部:一般要求事項及び機能要求事項

JIS E 3801-2

  第 2 部:システム要求事項

JIS E 3801-3

  第 3 部:インタフェース要求事項(予定)


   

日本工業規格

JIS

 E

3801-2

:2010

無線式列車制御システム−

第 2 部:システム要求事項

Train control system using radio communication

Part 2: System requirement

序文

この規格は,2009 年に制定された JIS E 3801-1 に続く第 2 部として制定した。

JIS E 3801-1

(第 1 部)ではシステムの一般要求事項及び機能要求事項を規定しているが,第 2 部で扱う

システム要求事項とは,システムのアーキテクチャ及び第 1 部の機能要求事項のシステム構成要素への割

当てに関わる事項を示すものである。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,普通鉄道において無線を利用して地上と車上との間で安全に関わる制御情報を交信する無

線式列車制御システム(Japan radio train control system:以下,JRTC という。

)の,システム要求事項につ

いて規定する。また,この規格は,案内軌条式鉄道など特殊鉄道に適用してもよい。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS E 3801-1

  無線式列車制御システム−第 1 部:一般要求事項及び機能要求事項

IEC 62280-1

,Railway applications−Communication, signalling and processing systems−Part 1: Safety

related communication in closed transmission systems

IEC 62280-2

,Railway applications−Communication, signalling and processing systems−Part 2: Safety

related communication in open transmission systems

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 3801-1 による。

4

システム構成

4.1

システム内の装置及び装置間の相互関連

JRTC 全体システムは,JIS E 3801-1 の 4.1(装置)に示した四つの装置から構成される。それらの装置

及びシステム外を含めた関連する装置は,

図 に示す相互関係をもつ。システム内の装置は,地上システ

ムと車上システムとに大別され,それぞれに含む装置は,次による。


2

E 3801-2

:2010

   

なお,各装置の種別及び求められる安全性,信頼性の考え方の例を,E.2 に示す。

a)

地上システム  JRTC のために地上に設置された装置であり,指令所装置,地上装置及びデータ通信

装置の地上部分からなる。

b)

車上システム  JRTC のために車上に設置された装置であり,車上制御装置,データ通信装置の車上

部分からなる。

なお,

図 では複数の地上装置と車上制御装置とに一つの指令所装置が対応する場合を示しているが,

指令所装置は,線区の事情に応じた多様な構成を許容する。すなわち,

図 のような指令所機能を集中処

理する方法だけでなく,機能を階層分割して下位階層機能を一つ又は複数の地上装置単位に分散処理する

方法でもよい。

4.2

無線システム

データ通信装置において,車上制御装置と地上装置との間の無線データ伝送を提供する装置は無線シス

テムと呼ぶ。使用する無線は,電波法第 2 条 1 項で定める“電波”すなわち 300 万メガヘルツ以下の電磁

波とする。無線システムは車上無線局(移動局)及び地上の基地局から構成し,基地局は無線の到達距離

に応じて沿線に 1 か所以上配置され,地上伝送路を介して地上装置とインタフェースする。車上制御装置

と地上装置との間の通信は双方向であり,無線システムは,JRTC の制御区間において次の機能を備える。

なお,無線システムの使用周波数,伝送方式,アクセス方式,エリアカバー率,伝送品質などについて

は鉄道事業者が定める。

a)

接続状態の管理  JRTC 区間内において,車上制御装置及び地上装置は,無線システムを介して,列

車の位置又は速度に関係なく連続的に双方向のデータ通信を行えなければならない。

b)

ハンドオーバ処理  列車が基地局の境界を通過するとき,車上制御装置と地上装置との間の交信が継

続的に行えるようハンドオーバ処理を行う。

c)

データ伝送の安全性  無線システムは,IEC 62280-1 及び IEC 62280-2 に準拠する安全性をもつものと

する。このために次の機能をもつものとする。

1)

データの伝送品質の保証

2)

データの誤り検出

3)

伝送順序又は伝送遅延時間の異常検出

4.3

システム外の装置及び機器

JRTC の装置とインタフェースする主要なシステム外装置及び機器を,次に示す。

a)

指令所装置にインタフェースするもの

−  運行計画系システム

−  電力管理システム

b)

地上装置にインタフェースするもの

−  連動装置(外部に設けた場合)

−  転てつ装置

−  踏切制御装置

−  境界進入検知装置及び車上 ID 検知装置

c)

車上制御装置にインタフェースするもの

−  列車速度・位置検出装置(具体的には速度発電機,GPS 受信機など)

−  ブレーキ装置


3

E 3801-2

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a)

 HMI は Human Machine Interface の略。

図 1−相互接続に関する概略関連図

5

システム要求事項

5.1

一般

JRTC は,その機能の組込みにおいて,5.25.6 に示す事項を満たさなければならない。

5.2

システム性能

指令所装置,地上装置,車上制御装置及びデータ通信装置(以下,システム構成装置という。

)の処理能

力は,鉄道事業者が定める次の条件をシステムとして満足しなければならない。

−  最大在線列車数,最小運転時隔,列車最高速度及び最大列車長

−  地上と車上との無線伝送における許容最大交信間隔

−  列車位置検知の許容最大誤差

−  システムの信頼性

−  システムの安全性

なお,システム故障に関しては,JIS E 3801-1 の 7.2.2(システム故障)による。

5.3

システム構成装置への機能割付

JIS E 3801-1

の機能要求事項のうち,列車運行制御,列車運行の監視及び管理に示す機能のシステム構

成装置である“指令所装置”

“地上装置”及び“車上制御装置”への割付は,

附属書 による。また,シ

その他周辺装置

(転てつ装置,列車接近警報装置・列車防護

SW・転落検知装置など)

無線基地局

踏切制御装置

指令所装置

指令所

運行係員用

HMI

 a)

境界進入検知装置・車上

ID検知装置など

沿線装置

地上装置

拠点

運行係員用

HMI

 a)

車上制御装置

  車上

無線局

列車

車上子

乗務員用

HMI

a)

ブレーキ

装置

地上伝送路

JRTC

地上子

無線システム

車上システム

地上システム

データ通信装置

外部の連動装置と 
インタフェースする場合

列車速度・

位置検出装置


4

E 3801-2

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ステム構成装置の機能は

附属書 による。このほか,装置間インタフェース(データフロー)は附属書 C

装置がもつデータベース及び装置間で授受される情報は,

附属書 に示す。

5.4

列車運行制御

5.4.1

一般

列車運行制御機能の処理は,5.4.25.4.11 による。

5.4.2

線路上の位置の表現

線路上における,列車,こう(勾)配,曲線,付帯する設備などの位置が特定できるように表現されな

ければならない。運転上の位置の取扱いについては,線区の起点[ゼロ(零)キロポスト]からの離隔距

離に基づくキロ程が一般的に使用されているため,HMI では JRTC で使用する位置表現方法との相互変換

ができなければならない。

線路上の位置は,線路網を分岐のない線分状の領域に分割し,各領域に固有な ID を付与した上で,そ

の地点が所属する領域の片側の節点からの離隔距離によって表現することが望ましい(

図 参照)。

従来の連動論理を踏襲する場合の軌道回路に相当する区間,及び僅かな退行の可能性のあるホーム区間

又はき電区分制御区間などを用いる場合は,区間単位の列車の在線状態が列車在線位置から特定できなけ

ればならない。線路上での位置表現の例を,E.3.1 に示す。

なお,HMI でのキロ程表記の要否及びキロ程の単位精度は,次の事項に留意した上で鉄道事業者が定め

る。

−  キロ程には,同一値のキロ程が複数存在する場合がある(重複キロ)

−  キロ程には,その値が存在しない場合がある(断キロ)

−  位置の特定には,キロ程情報だけでは不足する場合があり,駅間における上下線情報,駅構内におけ

る番線情報などを追加する必要がある。

V

1

,V

2

,V

3

:領域の分割節点

Blk

1

,Blk

2

:分割した領域

P

1

:領域 Blk

2

のあらかじめ定めた節点(V

2

)側からの離隔 L

1

の位置

図 2−線路上の位置の表現例

5.4.3

列車在線位置

5.4.3.1

一般

列車走行の安全を確保するためには,列車の位置を検知し,これに基づいて列車在線位置を把握しなけ

ればならない。

5.4.3.2

列車在線位置の表現

列車在線位置は,列車が在線する範囲として表現する。このために,列車の先頭位置及び後端位置を検

知しなければならない。列車先頭位置及び列車後端位置の検出値に誤差を含む可能性がある場合には,列

車を安全に制御できるように,誤差を考慮して補正した列車先頭位置から列車後端位置までの範囲を列車

在線位置としなければならない。


5

E 3801-2

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補正した値を含む,列車在線位置に関する諸量は,次のように定義することが望ましい(

図 参照)。

−  列車先頭検出位置:列車運転方向の最前部として検出した位置。

−  列車後端検出位置:列車運転方向の最後部として検出した位置。

−  列車検出範囲:列車先頭検出位置から列車後端検出位置までの範囲。通常,列車長(L)に等しい。

−  列車先頭位置補正値(Ldh):列車位置検知機能に起因した安全制御上考慮すべき列車先頭位置の補正

値。

−  列車後端位置補正値(Ldr)

:列車位置検知機能に起因した安全制御上考慮すべき列車後端位置の補正

値。

−  システム上の列車先頭位置(Pth)

:列車先頭検出位置に列車先頭位置補正値だけ進ませた位置。

−  システム上の列車後端位置(Ptr)

:列車後端検出位置に列車後端位置補正値だけ遅らせた位置。

−  列車長補正値(Ld)

:列車先頭位置補正値と列車後端位置補正値との和(=Ldh+Ldr)

−  列車占有範囲:システム上の列車先頭位置からシステム上の列車後端位置までの範囲。

Ph:列車先頭検出位置 
Pr:列車後端検出位置 
Ldh:列車先頭位置補正値 
Ldr:列車後端位置補正値 
Pth:システム上の列車先頭位置 
Ptr:システム上の列車後端位置 
列車長補正値 (Ld)=Ldh+Ldr 
列車占有範囲の長さ=列車検出範囲+Ld 
列車在線位置:列車占有範囲として検出した領域のシステム上の位置

図 3−列車在線位置に関する諸量の例

5.4.3.3

列車運転方向の決定

列車編成方向及び運転台条件によって,列車運転方向を決定できなければならない。運転方向の表現及

びこれに関する列車編成方向,並びに運転台条件の概念については E.3.2 に示す。

5.4.4

位置・速度情報の精度

5.4.4.1

一般

列車在線位置を表現する最小単位及び速度検知の精度は,次の 5.4.4.2 及び 5.4.4.3 による。

なお,これらの精度に対する留意事項については E.3.3 に示す。


6

E 3801-2

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5.4.4.2

位置を表現する最小単位

在線位置を表現する最小単位は,列車運行に必要とされる列車在線位置を十分表現できるものでなけれ

ばならない。

5.4.4.3

速度検知の精度

速度検知の精度は,安全を確保できる精度でなければならない。

なお,GOA2[GOA については,JIS E 3801-1 の箇条 5(自動化の程度)を参照]以上では現在速度と

許容速度との比較照査に求められる正確さで運転速度曲線に追随できる精度でなければならない。

5.4.5

列車在線位置の検知

JRTC 制御領域内の全ての列車在線位置は,JRTC が必要とする精度で連続的に検知されていなければな

らない。列車在線位置の検知には,車上制御装置が行う方法と地上装置が行う方法とがある。

なお,必要とする精度は鉄道事業者が定める。

5.4.6

列車在線位置の把握

列車在線位置の把握は,地上装置が行う。地上装置は,車上制御装置又は地上に設けた位置検知装置が

検知した列車在線位置情報,及び運転方向を周期的に受信することによって,制御領域内の全ての列車在

線位置を常時把握しなければならない。留置時(5.4.8.5 参照)に車上制御装置の電源が遮断された場合も,

地上装置の列車位置把握情報は消滅してはならない。

列車在線位置の最新状態を,どの列車がどの位置にいるか,及びどの位置にどの列車がいるかの両方の

観点から把握することを可能とする。

なお,JRTC を初期立上げする場合には,JRTC 制御領域内の全ての列車在線位置のシステムによる把握

及び/又は運行係員による確認を必要とする。

5.4.7

列車走行の安全確保

5.4.7.1

一般

列車走行の安全を確保するために必要な制御全体の流れは,次の a)∼e)

の手順による。

なお,列車走行の安全確保に関しての,関連する省令との関係を E.3.4 に示す。

a)

地上装置は,各列車の列車在線位置を把握するとともに,転てつ器,踏切制御装置などの地上設備の

制御状態を把握する。

b)

地上装置は,各列車在線位置,転てつ器の制御状態などに基づき,設定要求のあったルートの構成を

安全要件が満たされる範囲内で行い,ルートの安全を確保する。

c)

地上装置は,安全を確保したルート条件,それ以外に存在する走行上の支障条件(例えば,先行列車,

緊急防護など)及び走行制限条件(例えば,臨時速度制限など)に基づき,走行を許可する情報を作

成し,無線を介して各列車の車上制御装置に伝達する。

d)

各列車の車上制御装置は,無線を介して受信した地上装置からの走行を許可する情報に基づいて許容

速度曲線(5.4.7.6 のブレーキパターンに相当する)を作成し,自列車の現在位置,速度との照査を行

う。

e)

各列車の車上制御装置は,現在速度が許容速度曲線の速度を超えた場合にはブレーキを動作させ,列

車が停止限界の手前までに停車するか,又は走行速度が制限速度以下になるように制御する。

上記 a)∼e)の手順に必要な列車走行の安全を確保するための要求事項を,5.4.7.25.4.7.6 に規定する。

これらの制御においては,列車在線位置の検知精度及び伝送遅延を考慮しなければならない。伝送遅延に

関する留意事項は E.3.3.3 に示す。


7

E 3801-2

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5.4.7.2

ルートの安全確保

5.4.7.2.1

一般

JRTC におけるルートの安全確保は,次の 5.4.7.2.25.4.7.2.4 による。ルートの概念を E.3.5 及び E.3.6 

示す。

なお,ルートの安全確保を外部に設けた連動装置とインタフェースすることで実現してもよい。

5.4.7.2.2

ルートの鎖錠及び監視

地上装置は,指令所装置又はその他の装置からルート設定要求を受け付け,ルートの選択,ルート構成

要素の特定及びルートの競合判断を実施し,必要に応じて転てつ器への転換指令を出力して,ルートの鎖

錠及び監視を行う。この処理を実施するに当たって,次の a)∼c)

の要件を満たさなければならない。

a)

ルートの特定及び転てつ器の転換  ルート設定要求を受け付け,ルートを選択し,ルート構成要素を

特定する。さらに,特定したルート構成要素の他の列車又は作業による使用状態を確認し安全上問題

がなく,分岐器上に列車が在線していなければ,特定したルート構成要素を使用中とした後,必要な

転てつ器に転換指令を出力し,転てつ器の転換完了を確認できなければならない。

b)

ルートの鎖錠  ルート設定要求範囲の中で転換を指示した全ての転てつ器の開通を確認後,当該転て

つ器に関わるルートを鎖錠状態とする。

c)

ルートの監視

1)

ルート構成要素確保の確認  設定されたルートに対し,全てのルート構成要素の使用状態を連続的

に監視し,使用状態が変化した場合に検知できなければならない。

2)

ルートの鎖錠の監視  ルート構成要素確保が確認された当該ルートについて,転てつ器が転換され

ないよう鎖錠すると同時に,ルートの鎖錠状態を連続的に監視し,鎖錠状態に異常が認められた場

合には,直ちにルートへの進入を禁止できなければならない。

5.4.7.2.3

ルート内方への進入の許容及び支障位置の決定

地上装置は,全ルートについて,ルートの状態(設定・鎖錠され,安全が確保されている状態,設定さ

れていない状態,及び列車在線状態)を常時認識する。地上装置は,ルート状態の監視結果に異常が認め

られない場合には,列車に対してルート単位で進入許容区間を決定し,進入許容区間の終端を支障位置と

する。

進入許容区間の概念を E.3.7 に示す。

なお,安全を確保した複数のルートが連続する場合は,その連続するルートを合わせて進入許容区間と

してもよい。

この場合,

従来の連動装置の概念における出発ルートの着点から前方に駅間のルートを設け,

安全を確保したルートとみなしてもよい。

5.4.7.2.4

ルートの解錠

ルートの解錠は,地上装置が行う。ルートの解錠には,列車の走行による場合とルートの取消しによる

場合とがあり,それぞれに対する要求事項を次の a)

及び b)

に示す。

a)

列車の走行によるルートの解錠  進入を許可された列車がルートの内方へ進入することによってルー

トを解錠する場合であり,次の要件を満たさなければならない。

−  列車が当該ルートに進入したこと,及び当該ルートから進出したことを検知するとともに,列車が

ルート内に存在するときは当該列車在線位置に対応するルート構成要素を特定する。

−  当該列車在線位置に応じてルートの鎖錠を解錠する。

なお,ルートの鎖錠を解錠する列車在線位置については,鉄道事業者が定める。

−  当該列車在線位置に応じてルート構成要素の使用中状態を解除する。


8

E 3801-2

:2010

   

なお,使用中状態を解除するルート構成要素と列車在線位置との関係については,鉄道事業者が

定める。

b)

ルートの取消しによる解錠  指令所装置又はその他の装置からルートに対し取消しが行われた場合の

ルートの解錠であり,次の 1)

又は 2)

のいずれかによる。

1)

列車の停止可否判断による場合

−  任意のルートに対し,地上装置又は車上制御装置はルート外方で列車が停止可能かを判断できる。

−  取消しが行われたルート外方にて列車が停止可能又は停止中と判断された場合は,地上装置は,

停止限界をルート取消し後の位置に更新した上で,当該ルートの鎖錠状態を直ちに解錠し,当該

ルート構成要素の使用中状態を解除する。

−  取消しが行われたルート外方にて列車が停止不可と判断された場合は,当該ルートの鎖錠状態及

びルート構成要素の使用中状態を保持する。

注記  ルート取消し後の停止限界位置の詳細については,鉄道事業者が定める。

2)

従来の接近鎖錠による場合

−  ルートごとの接近鎖錠区間に列車が在線したことを検知できる。

なお,接近鎖錠区間はルートごとに鉄道事業者が定める。

−  列車が当該ルートの接近鎖錠区間に到達していない場合,停止限界をルート取消し後の位置に更

新した後,当該ルートの鎖錠状態を解錠し,ルート構成要素の使用中状態を解除する。

−  列車が当該ルートの接近鎖錠区間に在線している場合,列車が当該ルートの内方に非在線であれ

ば,停止限界をルート取消し後の位置に更新するが,当該ルートの鎖錠状態,及び当該ルートの

ルート構成要素の使用中状態を保持し,一定時間後に当該ルートに対して鎖錠状態の解錠とルー

ト構成要素の使用中状態の解除とを行う。

なお,解錠と解除とを行うまでの時間は,ルートごとに鉄道事業者が定める。

5.4.7.3

列車間隔の安全確保

2 個の列車が同一走行路上を同一方向に走行している場合,先行列車と続行列車との間に先行列車以外

の支障が存在しないとき,続行列車の支障位置は,先行列車のシステム上の列車後端位置とする。

5.4.7.4

停止限界の決定

5.4.7.4.1

一般

地上装置は,各列車の列車在線位置に基づき,5.4.7.4.2 に示す支障位置から各列車の停止限界を決定す

る。各支障位置種別に対する停止限界は,それぞれの支障位置の手前に保安制御余裕距離を確保した位置

とするが,複数の支障が存在する場合には,それぞれの停止限界位置を求めて,最も列車に近い位置にあ

る停止限界を,その列車の停止限界としなければならない。

停止限界の決定に関する留意事項を,E.3.8 に示す。

なお,保安制御余裕距離は鉄道事業者が定める。

5.4.7.4.2

支障位置の種別

制御対象列車のルート前方における支障位置の主な種別を,次の a)∼h)

に示す。

なお,これらのうち,c)∼h)

については線区状況によって異なることから,支障の種別は,鉄道事業者

が定める。

a)

進入許容区間終端(5.4.7.2.3 参照)

b)

他列車のシステム上の列車先頭位置,又はシステム上の列車後端位置(5.4.3.2 参照)のうち,制御対

象列車のシステム上の列車先頭位置に近い方の位置


9

E 3801-2

:2010

c)

わずかな退行を行う可能性のあるホーム区間に列車が在線する場合のホーム区間境界

d)

複数列車の進入を許容しないき電区分区間に列車が在線している場合,又は同き電区分区間に列車に

よる停止限界が存在する場合のき電区分境界

e)

線路閉鎖区間境界

f) JRTC

機能停止地上装置の制御区間境界

g) JRTC

機能異常列車の列車在線位置

h)

外部システムで検知した異常区間境界

5.4.7.5

最大許容速度の決定

5.4.7.5.1

一般

最大許容速度とは,列車が走行する線路上の区間別に許容される安全上の最大速度であり,各種の速度

制限,車両の種別などから定まる。車上制御装置は,列車在線位置から停止限界までにおける最大許容速

度を,各種速度制限で示される制限速度の最小値を採用することによって決定する。

なお,車両の制限速度がある場合には,これを合わせて最大許容速度を決定しなければならない。

最大許容速度を表す情報は,速度が制限される区間(始端位置及び終端位置)を示す情報及び制限速度

情報(各種速度制限で示される制限速度の最小値情報)を含まなければならない。

図 に最大許容速度の

設定例を示す。また,各種速度制限は,5.4.7.5.25.4.7.5.5 による。

注記  速度制限の種類及び区間を←  →で示し,太い実線が最大許容速度を表す。

図 4−最大許容速度の設定例

5.4.7.5.2

固定速度制限

車上制御装置は,線区最高速度を下回る速度領域において,曲線区間,分岐・合流区間,こう配区間な

どに対応した速度制限(固定速度制限)を設定する。車上制御装置が固定速度制限のデータベースをもた

ない場合は,地上装置が固定速度制限情報を車上制御装置に送信してもよい。

5.4.7.5.3

臨時速度制限

最大許容速度を決定するときに必要となる臨時速度制限は,地上システムから車上システムに伝送する。

臨時速度制限の情報は,臨時速度制限が実施される区間(始端位置及び終端位置)を示す情報及び制限速

度情報を含まなければならない。

なお,この臨時速度制限を指令所などで集中的に管理する機能を必要とするか否かは,鉄道事業者が定

める。

線区最高速度

制御列車

停止限界

分岐

曲線

臨時

曲線

分岐

こう配


10

E 3801-2

:2010

   

5.4.7.5.4

踏切制御による速度制限

JRTC に踏切制御に関する機能を設ける場合,車上制御装置又は地上装置に次の a),b)

及び c)

の機能の

一部,又は全てを設けてもよい。また,JRTC 異常時に対するバックアップとして,踏切制御子及び軌道

回路を用いる踏切制御機能を踏切制御装置に設けてもよい。このバックアップの機能及び運用についての

要求事項は,鉄道事業者が定める。踏切制御の実施例を E.3.9 に示す。

a)

踏切の制御  JRTC は,踏切制御装置に設けられたインタフェースを通じて,踏切制御装置が列車の

踏切接近時における踏切通行の遮断,及び列車の踏切通過後における踏切通行の遮断解除を行うため

の情報を伝える。

b)

踏切制御に従った速度制限の決定  車上制御装置は列車が踏切に接近したとき,踏切手前に停止でき

るブレーキパターンを作成する。車上制御装置は,踏切制御装置に設けられたインタフェースを通じ

て踏切遮断状況を監視し,踏切の遮断完了が確認できた場合には,当該ブレーキパターンの消去を行

う。

なお,このブレーキパターンによって列車が停車した後の扱いは,鉄道事業者が定める。

c)

踏切支障,踏切障害物などの異常情報  踏切遮断状況に加えて,踏切の支障報知,障害物検知などの

走行線路に関する異常情報を地上装置から車上制御装置に伝える。

5.4.7.5.5

他の制約条件

突発的に列車を停止させる必要がある緊急防護の処理として,次の a)及び/又は b)を設けることができ

る。ただし,これらの機能を必要とするか否か,及びその方法は鉄道事業者が定める。

a)

地上装置から車上制御装置に対して,一斉停止又は個別停止情報を送信する。

b)

地上装置からは緊急防護情報を送信し,それを受信した車上制御装置が停止又は徐行の必要性を判断

する。緊急防護情報には,防護すべき区間の始端位置及び終端位置を含める。

注記  突発的に列車を停止させる必要のある要因には,ホーム列停(列車非常停止警報),転落検知,

踏切非常押しボタン,踏切障害物検知,限界支障,トンネル支障などがある。

5.4.7.6

ブレーキパターンの決定及び列車速度の監視制御

車上制御装置は,列車が停止限界までに停止でき,最大許容速度の制限速度を超えないよう速度を監視

制御するためのブレーキパターンを決定し,それに基づいて列車速度を監視制御しなければならない。こ

れらの制御は,次の a)∼e)による。

なお,緊急防護に対するブレーキパターンの決定は c) 1)又は c) 2)とするが,パターンの詳細は鉄道事業

者が定める。

a)

制限速度の決定  5.4.7.5 に示す最大許容速度による。

b)

ブレーキ減速度の決定  車両性能(車両性能データベースを参照して決定),線路条件[こう配,トン

ネル区間などの情報を列車在線位置から走行路線形データベース(

附属書 参照)を参照して決定]

によって,現在の列車在線位置から停止限界までのブレーキ減速度を決定する。

なお,線路条件は地上装置で決定し,車上制御装置に与えてもよい。

c)

ブレーキパターンの決定  停止限界,速度制限及びブレーキ減速度を用いて,常用ブレーキと非常ブ

レーキとに対するブレーキパターンを決定する。ブレーキパターンの形状は,停止限界パターン及び

制限速度パターンをもち,必要に応じて停止目標近接パターン及び併合パターンを設けてもよい。

1

に示す各パターンの決定は,次の 1)∼4)による。

なお,次の 2)における調整速度設定の要否,及び 1)∼4)におけるパターン間隔,余裕距離,調整速

度及び許容距離の値は,鉄道事業者が定める。


11

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1)

停止限界パターン

−  停止限界に基づき,非常ブレーキを使用して減速するための非常ブレーキパターン及び常用ブレ

ーキを使用して減速するための常用最大ブレーキパターンの 2 種類のパターンを決定する。

−  非常ブレーキパターン,及び常用最大ブレーキパターンを決定するときには,ブレーキ指令が出

力されてから実際にブレーキが動作し列車が減速し始めるまでに想定される空走距離を考慮する。

−  非常ブレーキパターンは,停止限界で速度が 0 となるようにする。

−  常用最大ブレーキパターンの速度 0 となる地点は,停止限界からパターン間隔だけ手前側とする。

2)

制限速度パターン

−  速度が制限される区間に対しては,非常ブレーキを使用して減速するための非常ブレーキパター

ン及び常用ブレーキを使用して減速するための常用最大ブレーキパターンの 2 種類のパターンを

決定する。

−  非常ブレーキパターンは,速度制限区間の開始位置に対して余裕距離を加味した地点から非常ブ

レーキパターンの頭打ち速度区間(ブレーキパターンで規定される速度が一定値となる区間)を

開始する。必要に応じて制限速度に対して調整速度を加味した速度を設定して,頭打ち速度区間

を決定してもよい。制限速度とブレーキパターンとの関係について,E.3.10 に示す。

なお,この場合の調整速度設定の要否,及びその値は,鉄道事業者が定める。

注記 1  表 の例では,速度制限区間の開始位置から余裕距離だけ外方の地点で,非常ブレー

キパターンが制限速度から調整速度だけ下回った速度となるように決定され,その地

点から頭打ち速度区間を開始している。

−  常用最大ブレーキパターンは,速度制限区間の開始位置に対して,余裕距離及びパターン間隔を

加味した地点から常用最大ブレーキパターンの頭打ち速度区間を開始する。

注記 2  表 の例では,速度制限区間の開始位置から“余裕距離+パターン間隔”だけ外方の

地点で,常用最大ブレーキパターンが制限速度から“調整速度 1+調整速度 2”だけ下

回った速度となるように決定され,その地点から頭打ち速度区間を開始している。

−  非常ブレーキパターン及び常用最大ブレーキパターンの頭打ち速度区間の終了位置は,補正値を

含む列車在線位置を考慮して決定する。

注記 3  表 の例では,速度制限区間の終了位置から“列車長+列車長補正値”だけ内方を頭

打ち速度区間の終了位置としている。

3)

停止目標近接パターン  線路終端などで,列車の所定停止位置(停止目標)が常用最大ブレーキパ

ターンの速度 0 となる地点を越える場合に,次の要件を満たす停止目標近接パターンを特別に用意

する。

−  線路終端などの支障位置の手前側に保安制御余裕距離をとった地点を停止限界としたときの停止

限界パターンとして,非常ブレーキパターン及び常用最大ブレーキパターンの 2 種類のパターン

を決定する。決定方法は,5.4.7.6 c) 1)

による。

−  上記の常用最大ブレーキパターンがあらかじめ定めた終端パターン切替速度に達した地点から,

常用最大ブレーキパターンの頭打ち速度区間を設ける。

−  上記頭打ち速度区間の終端は,所定停止位置を越える地点で,かつ,支障位置の手前側に特別に

指定する余裕距離をとった地点に設定する(

表 のパターン種別 3 の地点 A)。

−  上記の非常ブレーキパターンが終端パターン切替速度に調整速度を加味した速度に達した地点か

ら,非常ブレーキパターンの頭打ち速度区間を設ける。この頭打ち速度区間の終端は,常用最大


12

E 3801-2

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ブレーキの頭打ち速度区間の終端で速度 0 となる非常ブレーキパターンとの交点までとする。

4)

併合パターン  併合パターンは,次の要件を満たすように決定する。

−  被併合列車のシステム上の列車後端位置を越える地点に許容距離をとった地点で,速度 0 となる

併合作業用の非常ブレーキパターンを決定する。決定方法は,5.4.7.6 c) 1)

に従う。

−  非常ブレーキパターンの最大速度に調整速度を加味した速度を併合用速度として決定する。

−  併合作業用の常用最大ブレーキパターンは,頭打ち速度区間だけとし,頭打ち速度は上記の併合

用速度とする。

d)

列車速度の決定  車上制御装置は,列車速度・位置検出装置から得た情報を用いて,列車速度の監視

制御に使用する列車速度を決定する。また,車上制御装置は,列車速度の急激な変化を検知した場合

に列車の安全を確保できるように,列車速度の補正演算を行ってもよい。

注記  列車速度の急激な変化には,速度発電機で速度検出を行う場合の空転時,滑走時などがある。

e)

列車速度の監視制御  車上制御装置は,列車速度が比較対象となるブレーキパターンを超過した場合

には,常用ブレーキ又は非常ブレーキを動作させる。一旦非常ブレーキが動作したときには,非常ブ

レーキは列車が停止するまで緩解しない。

なお,列車の停止を検知するときには,速度に関する精度を考慮した基準値を用いて,列車速度の

値を 0 と判断する。また,列車が停止した後に非常ブレーキを緩解させるための取扱いに関しては,

鉄道事業者が定める。

表 1−パターン種別及びブレーキパターンの概念図

パターン種別

ブレーキパターンの概念図

1  停 止 限 界 パ タ ー

停止限界に基づいたブレーキパターン。 

2  制 限 速 度 パ タ ー

曲線区間での制限速度,臨時制限速度,進路種別による制限速度などを,超過しない
ためのブレーキパターン。 


13

E 3801-2

:2010

表 1−パターン種別及びブレーキパターンの概念図(続き)

パターン種別

ブレーキパターンの概念図

3  停 止 目 標 近 接 パ

ターン 
( 必 要 に 応 じ て
設けてもよい。

終端などで,列車の所定停止位置が常用最大ブレーキパターンの内方となる場合に特

別に用意するブレーキパターン

4  併合パターン

( 必 要 に 応 じ て
設けてもよい。

併合作業を実施するために,併合作業用の制限速度と被併合列車の列車後端から許容
距離をもたせたブレーキパターン

5.4.8

制御列車の管理

5.4.8.1

列車走行における運転モード

列車が JRTC 機能によって運転されている状態を“JRTC 運転の状態”といい,JRTC 区間外を運転され

る状態を“他システム運転の状態”という。JRTC は前者の JRTC 運転の状態を,更に五つのモードに分け

て列車を管理する。これらの状態とモードの区分とを

表 に示し,各モードの内容は次の a)∼e)

による。

なお,他システム運転の状態に対応する車上制御システムは必ずしも備える必要はない。また,JRTC

運転の状態におけるモードの b)∼d)

は,必須ではなく必要な場合に装備することでよい。


14

E 3801-2

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表 2−列車の運転モード

運転状態

運転モード

内容

JRTC 運転の状態 JRTC 機能によって,列車が運転される。

次のモードに応じて,車上制御装置の必要な機能が切り替わる。

通常モード

自動化レベル(GOA1,GOA2)に応じて,列車が運転される。

分割モード

(必要に応じて設けてもよい。

分割時の列車の取扱いに対応した機能が有効となる。

併合モード

(必要に応じて設けてもよい。

併合時の列車の取扱いに対応した機能が有効となる。

入換モード 
(必要に応じて設けてもよい。

入換時の列車の取扱いに対応して,制約が設けられる。

制限運転モード

停止限界を使用しないで,列車速度を一定速度に制限する制約の下で,列
車を運転する。

他システム運転の状態 JRTC 機能を用いないで,列車が運転される。 

他システムの運転モード 
(必要に応じて設けてもよい。

JRTC 区間外における他システムの線区を列車が走行する場合。他システム
運転の状態における安全の確保は,他システムに従う。

a)

通常モード  停止限界の決定,速度制限などの JRTC の機能に従って決定されたブレーキパターンに

基づいて,列車走行の安全を確保する。車上制御装置において自列車の在線位置が確定しており,地

上装置は当該列車の列車在線位置を把握していることを条件とする。

b)

分割モード  列車分割時には,制御対象とする編成が新たに生まれる。地上装置と車上制御装置とが

これに対応するモードであり,分離移動する列車のブレーキパターンは 5.4.7.6 に従って決定され,列

車走行の安全を確保する。地上装置は,分割後の 2 個列車の車上制御装置が正常であり,かつ,列車

在線位置が確定している場合,分割後の列車の状態を列車分離(異常)と認識してはならない。

c)

併合モード  列車併合時には,制御対象となっていた二つの編成が一つに統合される。地上装置と車

上制御装置とがこれに対応するモードである。ブレーキパターンは,

表 のパターン種別 4 のように

決定されるので,連結速度の調整は乗務員の操作に委ねられる。地上装置は,併合後に同一列車とな

ることを,システム機能,乗務員又は運行係員の扱いによって把握しなければならない。

なお,併合は,列車ダイヤに従った列車運行の一部として行われるほか,異常によって走行不能と

なった列車を救援する場合に使用することを前提としてもよい。

d)

入換モード  ルートの安全確保は JRTC で担保するが,ルート上の間隔制御は地上又は車上の係員に

委ねる。ただし,走行速度はあらかじめ定めた上限を設けて JRTC が規制する。また,入換などの運

転形態に対応した停止限界の決定,速度制限などの機能をもつ場合には,ブレーキパターンを決定し

て走行の安全を確保する。地上装置は,入換用ルートで制御されることが,システム機能又は係員の

扱いによって把握されなければならない。

e)

制限運転モード  停止限界を設けずに一定速度制限によってだけ,列車走行を制約する。地上からの

制御が不能であるが,車上の速度照査機能は可能である場合などに使用し,間隔制御機能を人間系を

含む他システムに依存する状態である。指令などで特に認められた場合など,限定された条件で使用

する。このモードにおいては,ルート及び列車前方の安全確認は,地上及び/又は車上の係員の扱い

によるものとする。また,制限する速度は,あらかじめ定められた一定の速度を採用する。

5.4.8.2

JRTC

運転の状態における運転モードの遷移

JRTC 運転の状態におけるモード間の遷移に必要な事項は,次の a)∼m)

による。


15

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なお,条件の詳細は鉄道事業者が定める。

JRTC 運転状態の運転モードとの遷移条件を表 に示す。

a)

通常モードから分割モードへの遷移

−  列車は,あらかじめ定められた位置に停車している。

−  地上装置は,車上制御装置からの情報,又は係員などの入力によって分割する列車を認識している。

−  モードの遷移は,車上制御装置が地上装置から制御情報を受信すること,又は手動操作によって行

う。

b)

通常モードから併合モードへの遷移

−  被併合列車は,あらかじめ定められた位置に停車している。

−  地上装置は,車上制御装置からの情報,又は係員などの入力によって併合に関わる列車を確認でき

ている。

−  モードの切替えは,併合列車の車上制御装置が地上装置から制御情報を受信すること,又は手動操

作によって行う。

c)

通常モードから入換モードへの遷移

−  列車は,停車している。

−  車上制御装置は,地上装置から受信した制御情報又は手動操作によって,モードの切替えを行う。

d)

通常モードから制限運転モードへの遷移

−  車上制御装置は,手動操作によって,モードを切り替える。

−  地上装置は,当該列車の車上制御装置のモード遷移を認識できる。

e)

分割モードから通常モードへの遷移

−  列車は,あらかじめ定められた位置に在線している。

−  車上制御装置は,分割後の列車編成状態に対応して,5.4.8.4 の要件を満たしている。

−  地上装置は,分割後の列車を認識している。

−  車上制御装置は,地上装置から受信した制御情報又は手動操作によって,モードの切替えを行う。

f)

分割モードから入換モード,又は制限運転モードへの遷移

−  e)と同じ事項とする。

g)

併合モードから通常モードへの遷移

−  列車は,あらかじめ定められた位置に在線している。

−  車上制御装置は,併合後の列車編成状態に対応して,5.4.8.4 の要件を満たしている。

−  地上装置は,併合後の列車を認識できている。

−  車上制御装置は,地上装置から受信した制御情報又は手動操作によって,モードの切替えを行う。

h)

併合モードから入換モード,又は制限運転モードへの遷移

−  g)と同じ事項とする。

i)

入換モードから通常モードへの遷移

−  c)と同じ事項とする。

j)

入換モードから分割モードへの遷移

−  a)と同じ事項とする。

k)

入換モードから併合モードへの遷移

−  b)と同じ事項とする。

l)

入換モードから制限運転モードへの遷移


16

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−  d)と同じ事項とする。

m)

制限運転モードから他のモードへの遷移

−  車上制御装置は,5.4.8.4 の要件を満たしている。

−  車上制御装置は,地上装置から受信した制御情報又は手動操作によって,モードの切替えを行う。

表 3−運転モードの遷移条件

遷移後のモード

遷移前のモード

通常モード

分割モード

併合モード

入換モード

制限運転モード

通常モード

a) 

b) 

c) 

d) 

分割モード

e) 

e) 

e) 

併合モード

g) 

g) 

g) 

入換モード

c) 

a) 

b) 

d) 

制限運転モード

m) 

m) 

m) 

m) 

5.4.8.3

車上制御装置の状態

車上制御装置は,列車走行における運転モードに対応した状態とモードとを備えなければならないが,

そのほかに四つの状態を定義する。これらの状態名と状態間の遷移関係の一部を

図 に表し,各状態の定

義は,次の a)∼e)に示す。ただし,状態 d)及び状態 e)は必須ではなく,必要に応じて設けることでよい。

図 5−車上制御装置の状態の全体概要

a)

運転状態  車上制御装置によって列車運転を行う状態。運転状態として,通常モード,分割モード,

併合モード,入換モード,及び制限運転モードの 5 種類の運転モードをもつ。これら 5 種類の運転モ

ードは,5.4.8.1 a)∼e)

による。

JRTC運転の状態

・通常モード

・分割モード

・併合モード

・入換モード

・制限運転モード

他システム

運転の状態

進出

進入

(異常)

進入

(正常)

休止状態

非運転状態

電源断状態

JRTC運転の

状態

(異常)

JRTC車上制御装置の状態及びモード

開放状態


17

E 3801-2

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b)

電源断状態  車上制御装置の電源が切られた状態。この状態では,必要に応じて,非常ブレーキ状態

を保持する。

c)

開放状態  車上制御装置によってブレーキ制御出力を強制的に行わせない状態。例えば,車上制御装

置の異常時に使用する。

d)

非運転状態  車上制御装置によって列車運転を行わない状態。例えば,JRTC 制御区間内において併

合時に非先頭車両となった車上制御装置に使用する。

e)

休止状態  車上制御装置の使用が停止されている状態。例えば,JRTC 制御区間外に在線する車上制

御装置に適用する。

5.4.8.4

車上電源投入時の制御

5.4.8.4.1

一般

車上システムは乗務員の操作(電源投入)によって起動される。車上制御装置は,電源が投入されたと

き 5.4.8.4.2 の起動処理を行い,列車が JRTC 内に存在するときには,5.4.8.4.3 の無線接続及び 5.4.8.4.4 

列車在線位置の初期化を行う。これらの処理が完了することによって,列車は地上装置から制御可能な状

態となる。

5.4.8.4.2

車上システムの起動

車上制御装置は,電源投入後に次の診断を行い,装置の状態を決定しなければならない。

a)

自己診断  自己診断を自動的に実施し,車上に設けられたデータベース,及び外部装置(車上無線局,

車上子,速度センサなど)とのインタフェースに関する診断を行い,診断結果を表示する。

b)

外部装置の診断  必要に応じて,車上の外部装置に関する診断を行う。

c)

車上制御装置の状態決定  列車が JRTC 制御区間内に在線するか,又は JRTC 制御区間外に在線する

かを手動又は自動によって認識し,あらかじめ定められた状態に遷移する。

5.4.8.4.3

車上システムと地上システムとの無線接続

車上無線局は,列車がシステム内に在線する場合には,次の項目を含めて,地上の無線基地局との無線

通信を開始する。

なお,無線基地局−車上無線局間の通信開始条件は,車上から地上へ車上無線局によって通信開始要請

を行う方式と,車上から地上へ車上無線局以外の補助装置によって通信開始を要請し,地上基地局から車

上へのポーリングによって車上無線局と通信開始を行う方式とのいずれの方式でもよく,次の手順によっ

てデータ授受を行う。

a)

車上制御装置は,地上装置へ自列車識別 ID を送信する。

b)

車上制御装置は,地上装置からの応答を確認する。

c)

車上制御装置は,必要に応じて,地上装置との整合性の確認を行う(データベースのバージョンなど)

d)

車上制御装置及び地上装置は,車上電源を遮断するまでの間,無線通信の接続状態を常時監視する。

5.4.8.4.4

列車在線位置の初期化

a)

地上装置は,次のいずれかの方法で列車の編成方向を決定する。

1)

列車の編成方向が固定化されているシステムの場合は,各列車の編成方向は全て同一の既定値とす

る。

2)

列車の編成方向が固定化されない制御エリアを含むシステムの場合は,編成方向を特定する機能と

のインタフェースを設け,列車編成の方向を決定する。

b)

車上制御装置は,列車編成方向と運転台条件とから運転方向を決定(E.3.2 参照)し,地上装置へ送信

する。


18

E 3801-2

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c)

車上制御装置は,次のいずれかの方法によって,列車在線位置の初期化を行い,それを地上装置に送

信する。

1)

電源投入位置において,外部装置とのインタフェースなどによって列車在線位置を確認できる場合

は,それによって列車在線位置を確定する。

2)  1)

の方法で列車在線位置を確定できない場合は,車上制御装置が保持するか,又は地上装置から与

えられた列車の仮位置情報と停止限界との範囲内で一定速度以下での運転を行い,地上子などを検

知することによって列車在線位置を確定し,通常運転を行う。

5.4.8.5

システム内留置列車の制御

地上装置は,システム内留置列車の車上電源遮断又は投入に際して,次の処理を行う。

5.4.8.5.1

システム内留置列車の記憶

次の a)及び b)の条件が成立した列車については,留置された列車として当該車両の位置を記憶する。

a)

列車は,あらかじめ定められた留置箇所に停止している。

b)

車上電源が遮断され,車上との通信が行われていない。

5.4.8.5.2

システム内留置列車の再起動

システム内に留置されていた列車の車上電源が投入されたとき,車上制御装置は,5.4.8.4 の制御によっ

て,無線接続を行い,列車在線位置の初期化(確定)を行う。この一連の処理に対応する地上装置の制御

手順は,次の a)∼e)による。

なお,留置箇所以外で電源投入を行った場合の制御について,E.3.11 に示す。

a)

システム内留置列車があることを認識しており,列車からの制御開始要求を待ち受ける。

b)

制御開始要求を受け付けた列車の正常性を,列車から受信した列車識別 ID などの情報から確認する。

c)

列車在線位置の確定状況を確認する。

d)

上記確認が正常であるならば,当該列車に対して通常の制御動作を開始する。

e)

全てが正常とならない場合は,鉄道事業者が定めた異常時対策制御を実施する。

5.4.8.6

システム進入・進出時の制御

5.4.8.6.1

一般

JRTC 制御区間と他システムとの境界には,双方のシステムが制御を行うオーバラップ区間を設け,列

車はオーバラップ区間内において JRTC 運転の状態,他システム運転の状態間の切替えを行う。オーバラ

ップ区間内では,JRTC は他システムの支障位置を考慮して,安全側となるように支障位置を決定しなけ

ればならない。この境界における制御は,5.4.8.6.25.4.8.6.5 による。また,オーバラップ区間内での安全

確保の留意点を E.3.12 に示す。

なお,運転状態の切替地点,通過切替の許容などの条件は,鉄道事業者が定める。

5.4.8.6.2

システム進入時の車上制御装置の制御

列車が他システムの制御区間から JRTC 制御区間に進入する場合には,

JRTC 追跡開始地点の手前までに,

5.4.8.4

の要件を満足しなければならない。その後,他システム追跡終了地点までに自動又は手動によって,

JRTC 運転の状態へ切り替えなければならない。

なお,他システム追跡終了地点までに運転状態の切替えができない場合には,他システムが当該地点以

降への進入を防止できなければならない(

図 参照)。


19

E 3801-2

:2010

図 6−列車の JRTC 内への進入

5.4.8.6.3

システム進入時の地上装置の制御

JRTC を搭載した列車が他システム区間から JRTC 内に進入するときの地上装置の制御動作は,次による。

a)

システム内に進入する列車からの制御要求を待ち受ける。

b)

列車からの制御開始要求を受信したら,当該列車からの列車識別 ID,列車在線位置情報の正当性を確

認する。

c)

b)

に示す列車からの情報の正当性が確認できれば,当該列車に対して通常の制御動作を開始する。

d)  b)

に示す列車からの情報の正当性が確認できない場合は,鉄道事業者が定めた異常時対策を実施する。

5.4.8.6.4

システム進出時の車上制御装置の制御

列車が JRTC 区間から進出する場合には,JRTC 追跡終了地点までに他システム運転の状態へ切り替えな

ければならない。JRTC 追跡終了地点までに切替えができない場合には,当該地点以降への進入を防止で

きなければならない。地上装置との無線接続は,列車が JRTC 無線切断区間に進入した後に切断する(

7

参照)

5.4.8.6.5

システム進出時の地上装置の制御

地上装置は,列車がオーバラップ区間から完全に進出し,無線リンクが切断されたことを確認できた場

合に,該当する列車を JRTC 外に進出する列車と判断する。これによって,該当列車の追跡を終了し,列

車の追跡在線情報を消去する。

図 7−列車の JRTC 外への進出


20

E 3801-2

:2010

   

5.4.8.7

列車折返し時の制御

列車折返し時における運転方向の切替えは,次による。

a)

列車運転方向の切替え可能な区間は,あらかじめ決められている。

b)

地上装置は,列車の運転方向の切替えが発生した場合,これを把握する。

c)

地上装置は,運転方向切替えの前後,及びその途中で列車在線位置を継続して正しく把握しなければ

ならない。

d)

地上装置は,列車の運転方向の切替え後,折返し方向のルート構成状態を考慮して停止限界を決定し,

制御を開始する。

5.4.8.8

分割・併合時の制御

JRTC に分割・併合機能を設ける場合の制御は,次による。

a)

分割時の制御

1)

列車を分割する場合の地上装置,及び車上制御装置の条件は,5.4.8.2 の a)及び m)による。

2)

地上装置は,分割によって,分離した二つの車両編成を認識し,それぞれ独立した列車として管理

する。

3)

分割された二つの列車は,5.4.8.2 e)の要件を満足した場合に通常モードによって走行することがで

きる。

b)

併合時の制御

1)

列車を併合する場合の地上装置,及び車上制御装置の条件は,5.4.8.2 の b)及び m)による。

2)

上記要件を満足している場合に,併合列車は併合パターン(

表 参照)に従って走行速度を制御す

ることができる。

3)

地上装置は,併合によって二つの列車を一つの列車に統合して管理する。

4)

併合された列車は,5.4.8.2 g)

の要件を満足した場合に通常モードによって走行することができる。

5.4.8.9

非先頭運転台運転

列車が走行する方向の先頭運転台ではない運転台を使用しての運転は,地上装置及び車上制御装置が走

行しようとする方向の先頭以外の運転台で運転することを認識し,運転台の位置,システム上の列車先頭

及び列車後端位置並びに列車の運転方向を決定できる場合に行ってもよい。

なお,非先頭運転台運転時の運転取扱いは,鉄道事業者が定める。

5.4.9

自動列車運転(自動列車運転での制御)

この規格で定める JRTC は,自動化の程度(GOA)の中で GOA1 及び GOA2 を対象としている。自動列

車運転は GOA2 に該当しており,GOA2 における列車の走行制御は,次による。

a)

駅における出発制御  列車は運転士の扱いによって自動運転を開始する。

b)

駅間における加速・減速制御  列車は,運転速度曲線に従って,加速・減速制御を行う。運転速度曲

線は,常用最大ブレーキパターン(5.4.7.6 参照)の範囲内の速度を超えないように決定されなければ

ならない。

c)

駅における停止制御  列車の定位置停止制御は,運転士による手動操作,又は車上制御装置の定位置

停止制御機能によって行う。列車が停止した後は,車上制御装置は,列車が出発のため戸閉状態にな

るまで停止状態を保持しなければならない。

1)

定位置停止制御  車上制御装置の加速・減速制御機能によって,列車の定位置停止制御が行われる。

このとき,定位置停止制御の精度を確保するために,必要に応じて,駅手前及び駅構内に定位置検

知装置を設け,車上制御装置で検知する列車在線位置の補正を行ってもよい。


21

E 3801-2

:2010

2)

ホーム柵が設けられている場合の停止制御  駅にホーム柵を設けてもよい。この場合,車上制御装

置は,列車のホーム柵位置に対して十分な精度で列車を停止させなければならない。また,列車の

停止位置が,許容精度を満たさない場合には,微小移動によって停止位置を調整する機能を付加し

てもよい。

5.4.10

走行線路の監視制御

JRTC は,列車が走行線路上の人及び障害物と衝突することを防ぐために外部システムに設けられた検

知装置及び警報装置とのインタフェースを設けることができる。このようなインタフェースを設けた場合,

検知装置とのインタフェースを通じて支障を検知した場合の制御は,5.4.7.5 による。

5.4.11

地上車上が連携したドア制御

GOA2 において,列車の戸開制御及び/又は戸閉制御を自動化する場合には,次の要件を満足しなけれ

ばならない。

a)

戸開制御

−  列車があらかじめ定められた停車位置に停車していることを確認できる。

−  戸開制御してもよい側を検知できる。

b)

戸閉制御

−  ホームの安全確認ができる。

−  出発許可など,出発制御に必要な情報を得られる。

5.5

列車運行の監視及び管理

5.5.1

指令所装置の基本機能

列車運行の監視及び管理に列車ダイヤを用いる方法を採用する場合,5.4.7 に関係する指令所装置の基本

機能は,制御用列車ダイヤの管理,列車追跡及び自動ルート設定である。これらの処理は,5.5.1.15.5.1.3

としてもよい。

なお,列車運行の監視及び管理を列車ダイヤを用いる方法とするか,それ以外の方法とするかは,鉄道

事業者が定める。

5.5.1.1

制御用列車ダイヤの管理

自動ルート設定及びその他の機能で用いる制御用列車ダイヤの管理は,次による。

a)

列車ダイヤデータの取り込み  運行計画系システムなど,外部のシステムから列車ダイヤデータを取

り込むためのインタフェースを介して列車ダイヤデータを取り込む。列車ダイヤデータには,次の項

目を含める。

1)

列車日付  列車の始発駅(又は境界駅)の発時刻の属する日付。

2)

列車番号  列車日付別の固有な識別番号。

3)

走行路線情報  列車が走行する駅・線路の順序を示す情報。

−  駅名,到着番線,出発番線。

−  駅間運転線路(駅間での運転線路の指定情報)

4)

着発時刻情報  駅の到着,出発の時刻指定に関する情報。

−  駅名,着時刻,発時刻,通過又は停車の区分。

b)

制御用列車ダイヤの更新  外部から取り込んだ列車ダイヤデータを用いて,定められたタイミングで

制御用列車ダイヤデータの更新を行う。

c)

制御用列車ダイヤの変更  制御用列車ダイヤに対しては,追加,削除,変更の操作(例えば,発車時

刻の変更,停車駅の修正,追加,削除などの操作)を可能とする。変更された制御用列車ダイヤに関


22

E 3801-2

:2010

   

しては,合理性チェックを行う。

d)

実績データの管理  各列車の走行に合わせて,出発時刻,到着時刻などの実績データを収集・記録で

きる仕組みをもつ。

e)

運行係員との HMI  運行係員に対する制御用列車ダイヤ情報の表示,及び運行係員による制御用列車

ダイヤの変更操作などのための HMI をもつ。

5.5.1.2

列車追跡

指令所装置は,自動ルート設定及びその他の機能を行うために,列車の位置を追跡し,把握する。これ

に必要な情報として,各地上装置が管理している区域に存在する列車の在線位置情報を定期的に受信する。

これらの在線位置情報を基に対象路線全体の在線する列車の位置と状態とを管理する。

5.5.1.3

自動ルート設定

自動ルート設定では,制御用列車ダイヤに基づいて,各列車の現在位置,現在時刻などの情報によって,

対象となる全列車のルートを次の手順で設定する。

a)

ルートの設定順序又は分岐器,交さ(叉)部の列車通過順序の決定  制御用列車ダイヤ及び列車運行

を効率的に行うための鉄道事業者の運用ルールに基づき,ルートの設定順序又は分岐器,交さ(叉)

部の列車通過順序の決定を行う。

b)

ルート設定の要求  線路配線データと列車追跡結果とに基づき,制御用列車ダイヤに従って列車を駅

に到着,又は出発させるためのルート構成に関する要求情報を地上装置に出力する。

c)

ルート状態の管理  a)の決定と b)の要求時期の判断を行うため,ルートの構成要素を含めた使用状態

を管理する。この処理のための情報として,地上装置がもっているルート構成要素使用状態の情報(転

てつ器の転換・鎖錠完了に関する情報も含む。

)を用いる。

d)

ルート設定要求取消し  列車運行状況に応じて,一旦許可されたルートの取消しを行う場合に,ルー

ト設定取消し要求情報を地上装置に対して出力する。

5.5.2

保守作業対応制御

保守作業に対応する機能を備える場合には,保守作業の安全確保及び補助のために転てつ器の転換,分

岐器及び軌道の使用停止・解除,線路閉鎖の設定・解除などの要求を保守作業管理システムからインタフ

ェースを介して受け付け,それぞれの要求に対する実施結果を要求元に返信する。

なお,これらの処理の必要性と,これら以外に付加する機能とについては,鉄道事業者が定める。

5.6

異常時の制御

5.6.1

一般

JRTC に異常が発生した場合の対応は,5.6.25.6.6 による。

なお,異常を検出した後の正常な動作への復旧手順などは,鉄道事業者が定める。

5.6.2

列車の位置検知・把握に関して考慮すべき異常及び対応

列車の位置検知及び把握に関して考慮すべき事項は,次による。

a)

検出する異常事象  JRTC は,表 に示すような列車位置検知の異常を検出できなければならない。

表 に示す異常事象のほか,列車長設定,車輪径設定,編成の向き,進行方向など人間系の設定間違

いによる異常に対しても検出機能をもたせることが望ましい。


23

E 3801-2

:2010

表 4−位置検知に関する異常事象

分類

異常

検知位置の一定量以上の変化

位置検知結果の整合性異常

位置情報の一定時間以上の更新不良

位置検知に使用する装置故障

位置検知機能異常

位置検知に使用するデータの異常

位置情報の消失

地上装置での位置把握異常

装置故障

b)

異常を検出した場合の制御

1)

位置検知異常を検出した場合は,位置検知異常が発生した列車を停車させなければならない。地上

装置は,位置検知異常発生直前の正常と判断した列車在線位置を保持しなければならない。

2)

地上装置は,上記在線位置から当該異常列車が停止するまでに要する距離又は当該異常列車の停止

限界などを考慮して安全側の制御を行わなければならない。安全側の制御方法の詳細は,JRTC の制

御方式,線区状況,異常の状況などを考慮して,鉄道事業者が定める。

5.6.3

車両の健全性に関して考慮すべき異常及び対応

車両の健全性に関して考慮すべき異常は,列車などの分離及び流転である。

JRTC にこれらを検知する機能を設ける場合は,次による。

a)

列車の分離を検知する機能を設けた場合,列車分離を検知したときには当該列車を停車させなければ

ならない。地上装置は,列車分離発生直前の正常と判断した列車在線位置を保持するとともに,その

列車在線位置から後方に対する列車防護のための処理を行わなければならない。列車防護のための処

理の詳細は,JRTC の制御方式,線区状況,異常の状況などを考慮して,鉄道事業者が定める。

b)

列車の流転を検知する機能を設けた場合,あらかじめ定めた範囲において他の列車の進入を許可しな

い,転てつ器の転換を許可しないなどの安全側の制御を行う。安全側の制御方法の詳細は JRTC の制

御方式,線区状況,異常の状況などを考慮して,鉄道事業者が定める。

5.6.4

無線通信異常への対応

無線通信異常への対応は,次による。

a)

検出する異常事象  無線通信に関する異常については,電文受信の未了,受信電文の異常,及び無線

通信装置の異常が一定時間以上継続した場合に,これを検出しなければならない。より細かく分類し

た無線通信に関係する異常事象については E.3.13 による。

b)

異常を検出した場合の制御

1)

地上装置は,無線通信異常検出前の列車在線位置を保持し,車上制御装置は停止制御を行う。また,

地上装置は,無線通信異常が発生した列車,又は異常となった地上側無線システムと通信していた

列車を停止制御してもよい。

2)

地上の無線システムの異常であれば当該システムの制御エリアを防護範囲として,他列車の進入を

許可しない,転てつ器の転換を許可しないなどの安全側の制御を行う。車上の無線システムの異常

であれば,当該列車が停止するまでに要する距離などを考慮した安全側の制御を行わなければなら

ない。安全側の制御方法の詳細は,JRTC の制御方式,線区状況,列車異常の状況などを考慮して,

鉄道事業者が定める。

5.6.5

車上電源投入及び遮断時の異常並びに対応

車上電源投入及び遮断時の異常に対しては,次による。


24

E 3801-2

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a)

検出する異常事象  車上電源投入時に 5.4.8.4 及び 5.4.8.5.2 を満足できない場合,並びに車上電源遮断

時に 5.4.8.5.1 を満足できない場合には,JRTC は,これを異常として検出できなければならない。

b)

異常を検出した場合の制御

1)

車上電源投入時に異常を検出した場合,地上装置は,当該列車の走行を禁止するとともに,影響が

及ぶ範囲の列車に対して安全側の制御を行わなければならない。

2)

車上電源遮断時に異常を検知した場合,無線通信異常列車と同様に扱い,地上装置は安全側の制御

を行わなければならない。

5.6.6

列車のシステム進入及び進出時の異常並びに対応

列車のシステム進入及び進出時の異常に対しては,次による。

a)

検出する異常事象

1)

列車が他システム区間から JRTC 区間に進入するとき,5.4.8.6.15.4.8.6.3 に示す要件が満足されな

い場合。

2)

列車が JRTC 区間から,他システム区間へ進出するとき,5.4.8.6.15.4.8.6.4,及び 5.4.8.6.5 に示す

要件が満足されない場合。

なお,1)

において JRTC 内へ他システムから異常列車が進入したことを検出するため,別な検知

手段を設けてもよい。

b)

異常を検出した場合の制御  異常を検出した場合,次のような制御を行うことが推奨されるが,採用

する制御方法の詳細は,JRTC の制御方式,線区状況などを考慮して,鉄道事業者が定める。

1)

異常列車の走行の検知結果及びシステムの状態によって,地上装置は,安全性に影響が及ぶ範囲の

列車に対して安全側の制御を行う。

2)

列車の JRTC 外への進出異常を検知した場合は,当該列車のシステム外への進出が確認されるまで

当該列車がシステム内に在線しているとみなして,地上装置は安全側の制御を実施する。


25

E 3801-2

:2010

附属書 A

規定)

機能要求事項のシステム構成装置への割付及び

機能間授受情報

A.1

各機能の装置への割付

JIS E 3801-1

で規定した機能“指令所装置”

“地上装置”及び“車上制御装置”の各装置への割付及び

入出力情報は,

表 A.1∼表 A.11 による。各表と JIS E 3801-1 との対応を,次に示す。

表 A.1∼表 A.7 は,JIS E 3801-1 の 7.3.2(列車走行の安全確保)に関する機能割付を示す。

表 A.8 は,JIS E 3801-1 の 7.3.3(自動列車運転)に関する機能割付を示す。

表 A.9 は,JIS E 3801-1 の 7.3.4(走行線路の監視),7.3.5(ドア開閉制御)及び 7.3.6(分割及び併合)

に関する機能割付を示す。

表 A.10 及び表 A.11 は,JIS E 3801-1 の 7.4(列車運行の監視及び管理)に関する機能割付を示す。

注記 1  各表における“装置への割付”,“入力元”,“出力先”の各欄において,①,②という形で割

付がなされている箇所があるが,これは,いずれの装置に割り付けるかについて 2 種類の選

択肢があることを示す(複数の方式に対応するため)

注記 2  各表における“入力元”の欄における太枠(□)は,処理が割り付けられている装置以外か

ら入力を得ることを示す。

注記 3  各表における“出力先”の欄における太枠(□)は,処理が割り付けられている装置以外へ

出力することを示す。

注記 4  各表における“処理名称欄”において,

(S)は安全関係の処理,

(N)は安全関係以外の処理

を示す。


26

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白      紙


27

E 3801-2

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表 A.1− 各 機能 の 装置 への 割 付 及び 入 出力 情 報一覧













処理概要



























7.3 列車運行制御
  7.3.1 一般
  7.3.2 列車走行の安全確保
    7.3.2.1 一般
    7.3.2.2 ルートの安全確保
    7.3.2.2.1 一般
   7.3.2.2.2 ルートの設定

[1]    (S)

    a) ルートの選択

ルートの特定

ルート設定要求に基づき,設定するルート

・ルート設定要求

・[50]自動ルート設定

・ルート特定結果

・[2]ルート競合判断

の始端から終端までの軌道及び転てつ器

・運行係員

  ルート(始端・終端)特定結果

・[3]転てつ器転換指令/開通確認

などのルート構成要素を特定する。

・ルート属性情報

・ルートDB

  ルート構成要素特定結果

・[4]ルートの鎖錠

 (ルート構成要素の

・[5]ルートの監視制御

  接続関係及び位置に

・[6]停止限界の決定(ルート設定)

  関する情報など)

・[7]ルート設定要求の取消し

・[8]列車の走行による解錠

・[9]停止限界の決定

   (ルート許可取消し)
・[11]ルート解錠

   (ルート許可取消し時)

[2]    (S)

    b)-1 ルートの競合判断

ルート競合判断

特定したルート構成要素が他の列車

・ルート特定結果

・[1]ルートの特定

・ルート構成要素使用権登録情報

・ルート構成要素使用状態テーブル

又は作業などによって使用中でなければ,

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

使用中とする。

・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

      

[3]    (S)

    b)-2 及び転てつ器などへの転換指令

転てつ器転換指令/開通確認

必要に応じて転てつ器転換指令を出力。

・ルート特定結果

・[1]ルートの特定

・転換指令

・転てつ装置

所定方向に開通していることを確認。

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

    c) 転てつ器などの開通確認

・転てつ器開通方向表示信号 ・転てつ装置

○ ・転換状態登録情報

・ルート構成要素使用状態テーブル

[4]    (S)

   7.3.2.2.3 ルートの鎖錠

ルートの鎖錠

設定したルートの全ての転てつ器の開通

・ルート特定結果

・[1]ルートの特定

・ルート鎖錠状態登録情報(鎖錠)

・ルート状態テーブル

を確認後,当該ルートを鎖錠状態とする。

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

   7.3.2.2.4 ルートの監視制御

[5]    (S)
ルートの監視制御

設定したルートのすべての転てつ器の

・ルート特定結果

・[1]ルートの特定

・ルート監視情報

・[6]停止限界の決定(ルート設定)

開通を確認。ルート構成要素が無許可

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

・[50]自動ルート設定

使用されていないことを監視。
監視結果に異常が認められた場合には,

・イベント発生情報

・他システム(地上)

ルート内方への進入を許容しない。

 (他列車による無許可使用など)

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7


28

E 3801-2

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表 A.2− 各 機能 の 装置 への 割 付 及び 入 出力 情 報一覧













処理概要



























   7.3.2.2.5 安全を確保したルート内方
               への進入の許容
               及び停止限界の決定
    a) 進入の許容

後述の「停止限界の決定/停止限界最終判断」にて決定される停止限界位置まで進入が許可されることになる。
[6]    (S)

    b) 停止限界の決定

停止限界の決定

安全を確保したルートの終端位置から保

・ルート特定結果

・[1]ルートの特定

・停止限界位置情報(ルート設定)

・[27]停止限界最終判断

(ルート設定)

安制御余裕距離を手前に確保した位置

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

を停止限界とする。

・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

・ルート鎖錠状態

・ルート状態テーブル

・ルート監視情報

・[5]ルートの監視制御

[7]    (S)

   7.3.2.2.6 ルート設定要求の取消し

ルート設定要求の取消し

列車が進行しルート内方への進入を

・ルート設定要求取消し指令

・[50]自動ルート設定

・ルート設定要求取消し指令

・[8]列車の走行による解錠

確認した後に,ルートの設定要求を取り

・運行係員

・[9]停止限界の決定

消す。自動ルート設定又は指令員の

・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

      (ルート許可取消し)

ルート設定要求の取消しに基づき

・ルート特定結果

・[1]ルートの特定

ルートの設定要求を取り消す。

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7


29

E 3801-2

:2010

表 A.3− 各 機能 の 装置 への 割 付 及び 入 出力 情 報一覧













処理概要



























   7.3.2.2.7 ルートの解錠

[8]    (S)

    a) 列車の走行による解錠

列車の走行による解錠

列車の進行に応じて当該ルートの鎖錠

・ルート設定要求取消し指令

・[7]ルート設定要求の取消し

状態を解除し,ルート構成要素の使用中

・ルート特定結果

・[1]ルートの特定

・ルート鎖錠状態登録情報(解除)

・ルート状態テーブル

状態を順次解除する。

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

・ルート構成要素使用権破棄情報

・ルート構成要素使用状態テーブル

・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

[9]    (S)

    b) ルート取消しによる解錠

停止限界の決定

進入を許可したルートの許可取消しを

・ルート設定要求取消し指令

・[7]ルート設定要求の取消し

・停止可否確認情報

・[10]停止可否判断

                    (進入許可の取消し)

(ルート許可取消し)

受け,取消対象列車の新たな停止限界

・ルート特定結果

・[1]ルートの特定

  (ルート許可取消し)

  (ルート許可取消し時)

を決定する。

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

・停止限界位置情報

・[27]停止限界最終判断

注記 ルート許可取消し:

取消対象列車に停止可否確認を行う。

・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

  (ルート許可取消し)

   進入を許可したルート

・ルート鎖錠状態

・ルート状態テーブル

   の許可取消し

・停止可否応答

・[10]停止可否判断

       (ルート許可取消し時)

[10]    (S)
停止可否判断

① 停止可否判断を行い,可否を回答する。

・停止可否確認情報

・[9]停止限界の決定

・停止可否応答

・[11]ルート解錠

(ルート許可取消し時)

  (ルート許可取消し)

      (ルート許可取消し)

        (ルート許可取消し時)

・[9]停止限界の決定

(車上制御装置で行う

      (ルート許可取消し)

 場合と,地上装置で
 行う場合の二種類の
 選択肢がある。)

停止可否判断を行い,可否を回答する。

・停止可否確認情報

・[9]停止限界の決定

・停止可否応答

・[11]ルート解錠

  (ルート許可取消し)

      (ルート許可取消し)

        (ルート許可取消し時)

・[9]停止限界の決定

      (ルート許可取消し)

[11]    (S)
ルート解錠

停止可能であるとの回答を得た場合に

・停止可否応答

・[10]停止可否判断

・ルート鎖錠状態登録情報(解除)

・ルート状態テーブル

(ルート許可取消し時)

は,当該ルートの鎖錠状態を直ちに解除

       (ルート許可取消し時)

・ルート構成要素使用権破棄情報

・ルート構成要素使用状態テーブル

注記 ルート許可取消し:

するとともに,当該ルートのルート構成要

・ルート特定結果

・[1]ルートの特定

   進入を許可したルート

素の使用中状態を解除する。

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

   の許可取消し

・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7


30

E 3801-2

:2010

   

表 A.4− 各 機能 の 装置 への 割 付 及び 入 出力 情 報一覧













処理概要



























    7.3.2.3 安全な列車間隔の確保

[12]    (S)

    a) 列車位置の決定

列車位置決定

① ルートの設定状態,地上子からの相対

・地上子信号

・位置検知地上子

○ ・列車位置計算値

・[15]列車在線位置の決定

距離などによって自列車の位置を決定

・列車速度・位置検出信号

・列車速度・位置検出装置

○  (列車先頭・後端位置情報)

・[33]ブレーキ制御(速度超過対応)

する(列車位置検出値の異常な変化

・ルート設定状態

・[35]運転速度曲線に従った

への対応も含む。)。

・走行路の線形情報

・走行路線形DB

      列車走行制御

(車上制御装置で行う

・[24]踏切制御(車上)

 場合と,地上装置で
 行う場合の二種類の
 選択肢がある。)

ルートの設定状態,無線測位などに

・ルート設定状態

・列車位置計算値

・[15]列車在線位置の決定

よって各列車の位置を決定する(列車

・走行路の線形情報

・走行路線形DB

 (列車先頭・後端位置情報)

・[33]ブレーキ制御(速度超過対応)

位置検出値の異常な変化への対応

・[35]運転速度曲線に従った

も含む。)。

・無線測位情報

・無線測位網

      列車走行制御
・[24]踏切制御(車上)

[13]    (S)

    b) 列車編成方向の決定

列車編成方向決定

○ 列車の編成方向を決定。

・編成方向設定情報

○ ・編成方向

・[14]列車運転方向の決定

[14]    (S)
列車運転方向決定

○ 列車の運転方向を決定。

・編成方向

・[13]列車編成方向決定

    c) 列車運転方向の決定

・運転方向設定情報

・運転台設定

○ ・運転方向

・[15]列車在線位置の決定

[15]    (S)

    d) 列車在線位置の決定

列車在線位置の決定

各列車の在線状態を把握する。

・列車位置計算値

・[12]列車位置決定

・在線状態

・[48]列車追跡

 (列車先頭・後端位置情報)

・[2]ルート競合判断

・[6]停止限界の決定(ルート設定)

・運転方向

・[14]列車運転方向決定

・[7]ルート設定要求の取消し

・[8]列車の走行による解錠

・列車位置情報(異常対応)

・[16]列車位置検知異常対応

・[9]停止限界の決定(ルート許可取消し)

・[11]ルート解錠(ルート許可取消し時)

・[16]列車位置検知異常対応

・[17]停止限界の決定(固定閉そく)

・[18]停止限界の決定(移動閉そく)

・[25]踏切制御(地上)

・[46]実績データの管理

[16]    (S)

      e) 異常時における

列車位置検知異常対応

位置検知異常に対し在線位置補正などを行う。

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

・列車位置情報(異常対応)

・[15]列車在線位置の決定

           列車占有区間の決定

・在線状態(異常検知前)

・[15]列車在線位置の決定

[17]    (S)

      f) 安全な列車間隔

停止限界の決定(固定閉そく)

固定閉そくシステムによる停止限界の決定。 ・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

・停止限界位置情報(固定閉そく)

・[27]停止限界最終判断

           を確保する停止限界の決定

[18]    (S)

停止限界の決定(移動閉そく)

移動閉そくシステムによる停止限界の決定。 ・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

・停止限界位置情報(移動閉そく)

・[27]停止限界最終判断

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7


31

E 3801-2

:2010

表 A.5− 各 機能 の 装置 への 割 付 及び 入 出力 情 報一覧













処理概要



























    7.3.2.4 最大許容速度の決定

[19]    (S)

    a) 線路の条件などによる

固定の速度制限の決定

○ 線路条件などによって,あらかじめ

・走行路の線形情報

・走行路線形DB

・速度制限情報(固定)

・[31]ブレーキパターンの決定

           速度制限

鉄道事業者から指定された箇所に

・[34]運転速度曲線の決定

制限速度を設定。

[20]    (S)

    b) 車両性能による

車両性能による速度制限の決定

○ 最高運転速度,編成両数,ブレーキ空走

・車両性能情報

・車両性能DB

・速度制限情報(車両性能)

・[31]ブレーキパターンの決定

           速度制限

時分など車両性能による制限速度の設定。

・[34]運転速度曲線の決定

[21]    (S)

      c) 臨時の速度制限

運行係員による臨時速度制限

○ 工事や風雨などの状況により,運行係員が

・速度規制区間,規制速度

・[29]他の制約条件の決定(地上)

・速度制限情報(臨速:指令員)

・[31]ブレーキパターンの決定

臨時の制限速度を設定。

 (指令所装置から地上装置経由)

・[34]運転速度曲線の決定

[22]    (S)

自動設定による臨時速度制限

○ 風速などあらかじめ検知される危険に

・速度規制トリガ情報

・風速計,地震計etc.

○ ・速度制限情報(臨速:自動)

・[31]ブレーキパターンの決定

対し,規制区間,規制速度に応じて,

・速度規制区間/規制速度

・速度規制区間/規制速度DB

・[34]運転速度曲線の決定

自動で臨時速度制限を行う。

[23]
欠番

    7.3.2.5 踏切制御による
             速度制限の決定

[24]    (S)

    a) 踏切の制御

踏切制御(車上)

○ 踏切到達前の適切なタイミングにて

・踏切位置情報

・走行路線形DB

・踏切警報開始要求

・[25]踏切制御(地上)

(OPTION)

警報開始を要求する。

・列車位置計算値

・[12]列車位置決定

・列車速度計算値

・[32]列車速度計算

[25]    (S)
踏切制御(地上)

踏切警報開始要求を受けて,踏切の遮断

・踏切警報開始要求

・[24]踏切制御(車上)

・踏切警報開始・遮断指令

・踏切制御装置

(OPTION)

及び遮断解除に関する制御を行う。

・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

・踏切警報解除・遮断解除指令 ・踏切制御装置

・踏切状態信号

・踏切制御装置

○ ・踏切制御状態

・[26]速度制限の決定(踏切)

[26]    (S)

    b) 踏切制御に従った

速度制限の決定(踏切)

○ 踏切の状態に応じ,速度制限を決定。

・踏切制御状態

・[25]踏切制御(地上)

・速度制限情報(踏切)

・[31]ブレーキパターンの決定

           速度制限の決定

(OPTION)

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7 

工 事 , 風 雨 な ど の 状 況 に よ り , 運 行 係 員
が 臨 時 の 制 限 速 度 を 設 定 。


32

E 3801-2

:2010

   

表 A.6− 各 機能 の 装置 への 割 付 及び 入 出力 情 報一覧













処理概要



























    7.3.2.6 列車走行の許可

[27]    (S)

    a) 列車走行時の

停止限界最終判断

ルートに関する停止限界と列車間隔に

・停止限界位置情報(ルート設定)

・[6]停止限界の決定(ルート設定)

・停止限界位置情報(最終)

・[31]ブレーキパターンの決定

           停止限界の決定

関する停止限界のうち,列車の走行方向

・停止限界位置情報(固定閉そく)

・[17]停止限界の決定(固定閉そく)

で最も手前の位置を停止限界とする。

・停止限界位置情報(移動閉そく)

・[18]停止限界の決定(移動閉そく)

・停止限界位置情報(ルート許可取消し)

・[9]停止限界の決定(ルート許可取消し)

[28]    (S)

    b) 他の制約条件の決定

他の制約条件の決定(車上)

車上側の他システムから得られる情報を基に,

・列車走行の許容にかかわる ・他システム(車上)

・各種制約条件

・[31]ブレーキパターンの決定

列車の走行を許容する際のその他制約

 各種情報

条件を決定する。

[29]    (S)

他の制約条件の決定(地上)

地上側の他システムから得られる情報を基に,

・列車走行の許容にかかわる ・他システム(地上)

・各種制約条件

・[31]ブレーキパターンの決定

列車の走行を許容する際のその他制約

 各種情報

条件を決定する。

・速度規制区間,規制速度

・[47]運行係員とのHMI

・速度規制区間,規制速度

・[21]運行係員による臨時速度制限

[30]
欠番
[31]    (S)

    c) 保安制御のための

ブレーキパターンの決定

○ 各種の停止限界位置情報及び速度

・車両性能情報

・車両性能DB

・常用最大ブレーキパターン

・[33]ブレーキ制御(速度超過対応)

            ブレーキパターンの決定

制限情報に応じたブレーキパターンを

・走行路の線形情報(こう配etc.)

・走行路線形DB

・非常ブレーキパターン

・[33]ブレーキ制御(速度超過対応)

用意する。

(車両性能と線路こう配などを考慮して,

・停止限界位置情報(最終)

・[27]停止限界最終判断

常用最大ブレーキパターンと非常ブ

・速度制限情報(踏切)

・[26]速度制限の決定(踏切)

レーキパターンの2種類を用意する。)

・速度制限情報(固定)

・[19]固定の速度制限の決定

・速度制限情報(車両性能)

・[20]車両性能による速度制限の決定

・速度制限情報(臨速:指令員)

・[21]運行係員による臨時速度制限

・速度制限情報(臨速:自動)

・[22]自動設定による臨時速度制限

・各種制約条件

・[28]他の制約条件の決定(車上)

・各種制約条件

・[29]他の制約条件の決定(地上)

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7


33

E 3801-2

:2010

表 A.7− 各 機能 の 装置 への 割 付 及び 入 出力 情 報一覧













処理概要



























    7.3.2.7 列車走行の監視制御

[32]    (S)

    a) 列車速度の決定

列車速度計算

○ 速度照査及び走行距離積算用などの

・列車速度・位置検出信号

・列車速度・位置検出装置

○ ・列車速度計算値

・[33]ブレーキ制御(速度超過対応)

列車速度の計算を行う。

・[35]運転速度曲線に従った

(滑走空転補正及び異常な速度変化

      列車走行制御

 検知への対応を含む。)

・[38]戸開制御

・[24]踏切制御(車上)

[33]    (S)

    b) 安全な列車速度の

ブレーキ制御(速度超過対応)

○ 常用最大ブレーキパターン及び非常ブ

・常用最大ブレーキパターン

・[31]ブレーキパターンの決定

・ブレーキノッチ指令

・ブレーキ制御装置

           監視制御

レーキパターンと列車速度とを照査し

・非常ブレーキパターン

・[31]ブレーキパターンの決定

ブレーキの制御を行う。

・列車位置計算値

・[12]列車位置決定

・列車速度計算値

・[32]列車速度計算

・走行路の線形情報

・走行路線形DB

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7

速 度 照 査 、 走 行 距 離 積 算 用 な ど の
列 車 速 度 の 計 算 を 行 う 。


34

E 3801-2

:2010

   

表 A.8− 各 機能 の 装置 への 割 付 及び 入 出力 情 報一覧













処理概要



























7.3.3 自動列車運転
         (GOA2レベルを対象)

[34]    (N)

    a) 運転速度曲線の決定

運転速度曲線の決定

○ 列車保安制御パターンの範囲内において

・車両性能情報

・車両性能DB

・運転速度曲線

・[35]運転速度曲線に従った

加減速,減速度を含めた運転速度曲線を

・走行路の線形情報(こう配etc.)

・走行路線形DB

      列車走行制御

決定する。

運転速度曲線の決定に際しては,以下の

・ダイヤ情報

要因などを考慮する。

・速度制限情報(固定)

・[19]固定の速度制限の決定

 ・停止点,  ・時隔, ・速度制限,

・速度制限情報(車両性能)

・[20]車両性能による速度制限の決定

 ・車両性能, ・省エネ走行

・速度制限情報(臨速:指令員)

・[21]運行係員による臨時速度制限

・速度制限情報(臨速:自動)

・[22]自動設定による臨時速度制限

[35]    (N)

    b) 運転速度曲線に

運転速度曲線に

○ 運転速度曲線に従い,列車の速度制御

・運転速度曲線

・[34]運転速度曲線の決定

・力行ノッチ指令

・駆動制御装置

            従った列車走行制御

従った列車走行制御

を行う。

・列車位置計算値

・[12]列車位置決定

・ブレーキノッチ指令

・ブレーキ制御装置

・列車速度計算値

・[32]列車速度計算

・走行路の線形情報

・走行路線形DB

[36]    (N)

    c) 列車走行の制限

列車走行の制限

△ △ ○

安全に支障を及ぼす要因により列車の走行を制限する。

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7

・ 停 止 点     ・ 時 隔       ・ 速 度 制 限  
・ 車 両 性 能   ・ 省 エ ネ 走 行


35

E 3801-2

:2010

表 A.9− 各 機能 の 装置 への 割 付 及び 入 出力 情 報一覧













処理概要



























[37]    (S)

  7.3.4 走行線路の監視

走行線路の監視

運転士又は外部システムとのインタフェース

・走行線路障害物検知情報

・走行線路障害物検知装置

○ ・走行線路監視情報

・車上制御装置

(OPTION)

によって,障害物との衝突防止や人との接触 ・走行線路異常通知

・運転士

・指令所装置

防止を行うための走行線路の監視を行う。   

・出発制御

[38]    (S)

  7.3.5 ドア開閉制御

戸開制御

△ ○

列車速度・位置,次駅ドア方向,ホームドアなど

・戸開指令

(OPTION)

を考慮して,戸開制御を行う。          

[39]    (S)
戸閉制御

△ ○ 運行条件を考慮して,戸閉制御を行う。

・戸閉指令

(OPTION)

[40]
欠番

  7.3.6 分割及び併合

[41]    (S)

    a) 分割及び併合時の安全確保

分割

△ △ ○ 列車の分割に際し,ブレーキパターン,

・ブレーキパターン

・列車管理情報

△ △ ○ △

    b) 列車の管理

(OPTION)

速度制限を適用して手動運転を行う。

・速度制限

分割された列車ごとに管理を行う。

[42]    (S)
併合

△ △ ○ 列車の併合に際し,ブレーキパターン,

・ブレーキパターン

・列車管理情報

△ △ ○ △

(OPTION)

速度制限を適用して手動運転を行う。

・速度制限

併合された列車は一つの列車として管理する。

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7

運 転 士 又 は 外 部 シ ス テ ム と の イ ン タ フ ェ
ー ス に よ っ て 、 障 害 物 と の 衝 突 防 止 及 び
人 と の 接 触 防 止 を 行 う た め の 走 行 線 路 の
監 視 を 行 う 。


36

E 3801-2

:2010

   

表 A.10− 各 機能 の 装置へ の 割 付及 び 入出 力 情報一 覧













処理概要



























7.4 列車運行の監視及び管理
 7.4.1 一般
  7.4.2 制御用列車ダイヤ管理

[43]    (N)

  a) 列車ダイヤの取込み

列車ダイヤの取込み

運行計画系システムなど,外部システム

・列車ダイヤデータ

・運行計画系システムなど

○ ・ダイヤDB(列車ダイヤデータ)

・[44]制御用列車ダイヤの更新

(インタフェース)

から列車ダイヤを取り込むためのインタ

(OPTION)

フェース機能。

[44]    (N)

  b) 制御用列車ダイヤの更新

制御用列車ダイヤの更新 ○

定められた期間で,外部システムから

・ダイヤDB(列車ダイヤデータ)

・[43]列車ダイヤの取込み

・制御用列車ダイヤデータ----更新後

(OPTION)

取り込んだ列車ダイヤデータを用いて
制御用列車ダイヤデータの更新を行う。

[45]    (N)

  c) 制御用列車ダイヤの変更など

制御用列車ダイヤの変更 ○

発車時刻,停車駅など制御用列車ダイヤの

・制御用列車ダイヤデータ----変更前

・制御用列車ダイヤデータ----変更後

(OPTION)

追加,削除,変更を行う。追加,削除,

・制御用列車ダイヤの変更情報

変更されたダイヤの合理性チェックを行う。

 (発車時刻,停車駅の変更など)

[46]    (N)

  d) 実績データの管理

実績データの管理

列車の走行に合わせて,出発時刻,到着

・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

・列車運行実績データ

・[49]運行乱れの監視

(OPTION)

時刻などの実績データを収集し,必要に

・[51]制御用列車ダイヤの調整

応じて外部システムに出力する。

[47]    (N)

  e) 運行係員とのHMI

運行係員とのHMI

運行係員に対する表示及び運行係員に

・制御用列車ダイヤデータ(変更操作前)

・制御用列車ダイヤデータ(変更操作後)

(OPTION)

よる制御用列車ダイヤの変更,臨時速度

・制御用列車ダイヤの変更操作情報

・運行係員

○ ・制御用列車ダイヤ表示情報

制限の設定などのためのHMI。

・臨時速度制限に関する操作情報

・運行係員

○ ・速度規制区間,規制速度

[29]他の制約条件の決定(地上)

・運行乱れアラーム情報

・[49]運行乱れの監視

 7.4.3 列車運行の監視

[48]    (N)

  a) 列車追跡

列車追跡

システム内の列車位置と列車番号を関連

・在線状態

・[15]列車在線位置の決定

・在線監視情報

・[50]自動ルート設定

(OPTION)

付けて監視する。

[49]    (N)

  b) 運行乱れの監視

運行乱れの監視

列車ダイヤと実際の運行との差異が,

・制御用列車ダイヤデータ

・運行乱れアラーム情報

・[47]運行係員とのHMI

(OPTION)

あらかじめ決められた値を超えた場合

・列車運行実績データ

・[46]実績データの管理

にアラームを出す。

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7


37

E 3801-2

:2010

表 A.11− 各 機 能の 装 置へ の 割 付及 び 入出 力 情報一 覧













処理概要



























  7.4.4 列車運行の管理

[50]    (N)

    a) 自動進路設定

自動ルート設定

運行条件(制御用列車ダイヤ,列車の位置

・制御用列車ダイヤデータ

・ルート設定要求

・[1]ルートの特定

(OPTION)

など)に基づいてルートの自動設定を

・在線監視情報

・[48]列車追跡

・ルート設定要求取消し指令

・[7]ルート設定要求の取消し

行う。

・ルート監視情報

・[5]ルートの監視制御

    b) 指令員の扱い

ルート設定要求及びルート設定要求の
取消しは,指令員の扱いで行うことも
できる。

[51]    (N)

    c) 列車の運転整理

制御用列車ダイヤの調整 ○

制御用列車ダイヤの調整を自動又は手動

・制御用列車ダイヤデータ----整理前

・制御用列車ダイヤデータ----整理後

(OPTION)

により行う。

・列車運行実績データ

・[46]実績データの管理

  7.4.5 保守作業管理

[52]    (N)

       ・保守作業管理システムとの

保守作業管理システム

保守作業の際に必要となる保守作業

・保守作業関連情報

・保守作業管理システム

○ ・保守作業関連情報

・[53]保守作業のための

     インタフェース

とのインタフェース

管理システムとのインタフェース機能。

   転てつ器転換制御

(OPTION)

[54]分岐器や軌道の

   使用停止/解除
・[55]保守作業エリア

    (線路閉鎖,保守用車使用)

   の設定/解除

[53]    (S)

       ・保守作業のための転てつ器

保守作業のための

保守作業の際に必要となる転てつ器

・保守作業関連情報

・[52]保守作業管理シス

・転換指令

・転てつ装置

     転換制御

転てつ器転換制御

転換制御を行う。

   テムとのインタフェース

・転換状態登録情報

・ルート構成要素使用状態テーブル

(OPTION)

[54]    (S)

       ・分岐器及び軌道の

分岐器や軌道の

保守作業に伴って,分岐器や軌道の

・保守作業関連情報

・[52]保守作業管理シス

・分岐器,軌道等の使用停止・解除指令

・外部システム

     使用停止又は解除

使用停止/解除

使用停止/解除の処理を行う。

   テムとのインタフェース

(OPTION)

[55]    (S)

       ・保守作業エリア

保守作業エリア

保守作業を行うに当たって,必要な

・保守作業関連情報

・[52]保守作業管理シス

・ルート構成要素使用状態

・ルート構成要素使用状態テーブル

     (線路閉鎖,保守用車使用)

(線路閉鎖,保守用車使用)

エリアの設定と解除を行う。

   テムとのインタフェース

 (保守作業使用/解除登録情報)

     の設定又は解除

の設定/解除
(OPTION)

出力情報

出力先

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

JIS E 3801-1

“無線式列車制御システム-第1部:

一般要求事項及び機能要求事項”

7章 機能要求事項

入力情報

入力元

(処理名称,装置名称,

データエリア名称,

DB名称etc.)

装置への割付

   処理名称
 ([]内の番号は,
  便宜上,付した
  通し番号)

箇 条 7

保 守 作 業 に 伴 っ て 、 分 岐 器 及 び 軌 道 の
使 用 停 止 / 解 除 の 処 理 を 行 う 。

分 岐 器 及 び 軌 道 の  
使 用 停 止 / 解 除

・[54]分 岐 器 及 び 軌 道 の
    使 用 停 止 / 解 除


38

E 3801-2

:2010

   

附属書 B

規定)

システム構成装置の機能仕様

B.1

一般

この附属書は,システム構成装置である“指令所装置”

“地上装置”

“車上制御装置”及び“データ通

信装置”の機能について規定する。

なお,

附属書 によって割り当てられた機能との対応を明確にするため,次の機能説明文の末尾に表

A.1

表 A.11 に記載の処理名称の通し番号([  ]内の番号)を付記する。

B.2

指令所装置

B.2.1

装置概要

制御対象となる線区の指令所,輸送センタ,保守センタなどに設置する装置であり,中央集中形又は分

散形のいずれの装置構成としてもよい。線区規模に応じて装置の設置数を増減,又は,一部の同等機能を

外部システム装置に委ねた構成とすることもできる。地上伝送回線を介して,当 JRTC の地上装置と接続

される。必要に応じて,輸送計画系システム,保守作業管理システム,電力管理システムなどの外部シス

テムとインタフェースしてもよい。

B.2.2

指令所装置の機能

指令所装置は,制御対象線区における列車運行の監視及び管理を行う装置である。保守作業管理機能を

もつ場合は,安全性を保障しなければならない。HMI 処理部は制御処理部と分離してもよく,装置の構成

及び規模は,鉄道事業者が定める。指令所装置の機能を,次に示す。

a)

制御用列車ダイヤ管理  列車ダイヤの取込み,制御用列車ダイヤの更新及び変更,実績データの管理

などを行う。

1)

列車ダイヤの取込み(インタフェース)  運行計画系システムなど,外部システムから列車ダイヤを

取り込むためのインタフェース機能[43]

2)

制御用列車ダイヤの更新  定められた期間で,外部システムから取り込んだ列車ダイヤデータを用

いて制御用列車ダイヤデータの更新を行う[44]

3)

制御用列車ダイヤの変更  発車時刻,停車駅など制御用列車ダイヤの追加,削除,及び変更を行う。

さらに,追加,削除及び変更されたダイヤの合理性チェックを行う[45]

4)

実績データの管理  列車の走行に合わせて,出発時刻,到着時刻などの実績データを収集し,必要

に応じて外部システムに出力する[46]

5)

運行係員との HMI  運行係員に対する表示及び運行係員による制御用列車ダイヤの変更,臨時速度

制限の設定などのための HMI[47]

b)

列車運行の監視及び管理  列車追跡及び運行乱れの監視を行う。

1)

列車追跡  システム内の列車位置及び列車番号を関連付けて監視する[48]

2)

運行乱れの監視  列車ダイヤと実際の運行との差異が,あらかじめ決められた値を超えた場合にア

ラームを出す[49]

c)

列車運行の管理  自動ルート設定及び制御用列車ダイヤの調整を行う。

1)

自動ルート設定  運行条件(制御用列車ダイヤ,列車の位置など)に基づいてルートの自動設定を


39

E 3801-2

:2010

行う[50]

2)

制御用列車ダイヤの調整  制御用列車ダイヤの調整を自動又は手動によって行う[51]

d)

保守作業管理  保守作業管理システムとのインタフェース,保守作業エリアの設定・解除などを行う。

1)

保守作業管理システムとのインタフェース  保守作業のときに必要となる保守作業管理システムと

のインタフェース機能[52]

2)

保守作業のための転てつ器転換制御  保守作業のときに必要となる転てつ器転換制御を行う[53]

3)

分岐器及び軌道の使用停止/解除  保守作業に伴って,分岐器,軌道などの使用停止・解除の処理

を行う[54]

4)

保守作業エリア(線路閉鎖,保守用車使用)の設定/解除  保守作業を行うに当たって,必要なエ

リアの設定・解除を行う[55]

e)

分割及び併合  分割及び併合時の制御で,分割又は併合走行制御のために,指令所装置として次の機

能を実施する場合がある。

1)

分割  分割制御を実施するなどの列車管理情報を車上制御装置から地上装置経由で受信し,列車運

行の監視に反映する[41]

2)

併合  併合制御を実施するなどの列車管理情報を車上制御装置から地上装置経由で受信し,列車運

行の監視に反映する[42]

f)

自動列車運転における列車走行の制限  自動列車運転において,列車走行の安全に支障を及ぼす要因

に関する情報を指令所装置がもっていた場合,指令所装置は,当該情報を地上装置経由で車上制御装

置に出力する[36]

B.3

地上装置

B.3.1

装置概要

制御対象となる線区の列車制御及び転てつ器などの制御を地上側で行う装置であり,線区及び駅構内の

規模などに応じて,駅単位の設置も,広域の複数駅範囲を集中的に制御するような設置も可能とする。無

線伝送回線を介して,当 JRTC の車上制御装置と接続される。必要に応じて,地上伝送回線を介して,転

てつ器,踏切警報機,踏切遮断機などを直接制御してもよい。また,連動装置又は踏切制御装置などの外

部装置とインタフェースしてもよい。

B.3.2

地上装置の機能

地上装置は,各列車の走行位置の情報,転てつ器の開通状態情報などから各列車に必要なルートの安全

確保を行うとともに,それらの情報から各列車に必要な停止限界を求め,列車走行の安全確保を行う装置

であり,次の機能をもつ。

a)

ルートの安全確保  各列車の走行位置の情報,転てつ器の開通状態情報などから各列車に必要なルー

トの安全確保を行う。従来の連動制御機能に相当する機能を他システムの連動装置に委ねてもよい。

1)

ルートの特定  ルート設定要求に基づき,設定するルートの始端から終端までの軌道,転てつ器な

どのルート構成要素を特定する[1]

2)

ルート競合判断  特定したルート構成要素が他の列車又は作業などによって使用中でなければ,使

用中とする[2]

3)

転てつ器転換指令/開通確認  必要に応じて転てつ器転換指令を出力する。所定方向に開通してい

ることを確認する[3]

4)

ルートの鎖錠  設定したルートの全ての転てつ器の開通状態を確認後,当該ルートを鎖錠状態とす


40

E 3801-2

:2010

   

[4]

5)

ルートの監視制御  設定したルートの全ての転てつ器の開通を確認。ルート構成要素が無許可使用

されていないことを監視する。監視結果に異常が認められた場合には,ルート内方への進入を許容

しない[5]

6)

停止限界の決定(ルート設定)  安全を確保したルートの終端位置を支障位置とし,ここから保安制

御余裕距離を手前に確保した位置をルートに関する停止限界とする[6]

7)

ルート設定要求の取消し  列車が進行ルート内方への進入を確認した後に,ルートの設定要求を取

り消す。自動ルート設定又は指令員のルート設定要求の取消しに基づきルートの設定要求を取り消

[7]

8)

列車の走行による解錠  列車の進行に応じて当該ルートの鎖錠状態を解除し,ルート構成要素の使

用中状態を順次解除する[8]

9)

ルート取消しによる解錠

9.1)

停止限界の決定(ルート許可取消し)  進入を許可したルートの許可取消しを受け,取消し対象列

車の新たな停止限界を決定する。停止可否判断を車上制御装置で行う場合,取消し対象列車に停

止可否の問合せ,確認を行う[9]

9.2)

停止可否判断(ルート許可取消し時)  車上制御装置が停止可否判断[B.4.2 の g)

参照]を行わな

い場合,取消し対象列車の停止可否判断を行う。この機能には,従来の接近鎖錠によるものも含

[10]

9.3)

ルート解錠(ルート許可取消し時)  停止可能であると回答を得た場合には,当該ルートの鎖錠状

態を直ちに解除するとともに,当該ルートのルート構成要素の使用中状態を解除する[11]

b)

安全な列車間隔の確保  各列車の走行位置の情報,転てつ器の開通状態情報などから各列車に必要な

停止限界を求め,安全な列車間隔を確保する。制御対象区間が広域にわたる場合は,地上装置の処理

能力,又は地上伝送回線の構成上条件などに応じて,制御対象区間を複数の制御エリアに分割して,

各制御エリアごとに地上装置を設置してもよい。また,JRTC とは異なる他システムとの境界をもつ

場合は,両システムの境界にオーバラップ区間を設けてシステム切替えを行い,安全性が損なわれな

いようにしなければならない。

1)

列車位置決定  ルートの設定状態,地上子からの相対距離及び必要に応じて無線測位などによって

列車の位置を決定する。ただし,車上制御装置で列車位置を決定する場合には必須とはしない[12]

2)

列車在線位置の決定  各列車の在線位置を把握する[15]

3)

列車位置検知異常対応  位置検知異常に対し在線位置補正などを行う[16]

4)

停止限界の決定(列車間隔確保)

4.1)

停止限界の決定(固定閉そく)  固定閉そくシステムによる列車間隔に関する停止限界を決定する

[17]

4.2)

停止限界の決定(移動閉そく)  移動閉そくシステムによる列車間隔に関する停止限界を決定する

[18]

c)

最大許容速度の決定  線路の条件などによる固定の速度制限及び運行係員による臨時の速度制限を設

定する。

1)

固定の速度制限の決定  走行路線形データベース(附属書 参照)が地上側にある場合,走行路の

線形情報を車上側に出力する[19]

2)

運行係員による臨時速度制限  工事,風雨などの状況によって,運行係員が設定した臨時速度制限


41

E 3801-2

:2010

を地上装置経由で車上制御装置に出力する[21]

3)

自動設定による臨時速度制限  風速などあらかじめ予測される危険に対し,規制区間,規制速度に

応じて,自動で設定される臨時速度制限を車上制御装置に出力する[22]

d)

踏切制御による臨時速度制限の決定における踏切制御(地上)  列車からの踏切遮断要求,列車の在線

位置などによって踏切の遮断警報制御を行ってもよい。踏切の遮断状況に応じて,列車の通過制限速

度制御を行うこともできる。踏切制御(地上)は,踏切警報開始要求を受けて,踏切の遮断及び遮断

解除に関する制御を行う[25]

e)

列車走行の許可  列車に対する停止限界と制約条件を決定し,車上制御装置に送信する。

1)

停止限界最終判断  ルートに関する停止限界と列車間隔に関する停止限界のうち,列車の走行方向

で最も手前の位置を停止限界とする[27]

2)

他の制約条件の決定(地上)  地上側の他システムから得られる情報を基に,列車の走行を許容する

ときのその他制約条件を決定する[29]

f)

自動列車運転  自動列車運転に関して,次の機能を地上制御装置にもたせてもよい。

1)

運転速度曲線の決定  走行路線形データベース(附属書 参照)が地上側にある場合,当該情報を

車上制御装置に出力する[34]

2)

列車走行の制限  安全に支障を及ぼす要因が発生した場合,外部装置からの入力を基に,緊急停止

などの情報を車上制御装置に出力する[36]

g)

走行線路の監視  運転士又は外部システムとのインタフェースによって,障害物との衝突防止及び人

との接触防止を行うための走行線路の監視を行い,緊急停止などの情報を車上制御装置に出力する

[37]

h)

ドア開閉制御  ドア開閉制御用の処理として,次の処理を地上装置にもたせてもよい。

1)

戸開制御  ホームドアが設置されている場合は,列車が完全に停止したことを地上で検知し,又は

は車上制御装置からの指示に従いホームドアと連携し戸開制御を行う[38]

2)

戸閉制御  ホームドアが設置されている場合は,車上制御装置からの指示に従いホームドアと連携

し戸閉制御を行う[39]

i)

分割・併合  地上装置で,分割又は併合の場合に,間接的に次の処理を実施することがある。

1)

分割  列車の分割に際し,分割された列車ごとに管理を行う[41]

2)

併合  列車の併合に際し,併合された列車は一つの列車として管理する[42]

B.4

車上制御装置

B.4.1

装置概要

制御対象となる列車の監視制御を行う装置であり,JRTC の各列車に搭載される。無線システムを介し

て JRTC の地上装置と接続される。列車速度検出装置,ブレーキ制御装置のほか,必要に応じて,列車速

度の制御に必要な情報の入出力を行うために,列車速度・位置検出装置などの車上に搭載されたシステム

外装置とインタフェースを設けてもよい。

B.4.2

車上制御装置の機能

車上制御装置は,列車の安全性を確保するために,速度制限及び停止限界から決定される保安制御のた

めのブレーキパターンを用いて,列車速度の監視制御を行う。GOA2 レベルの自動運転を行う場合には,

運転速度曲線に従った列車走行制御を行う。また,踏切装置への遮断・遮断解除の要求を行うことによっ

て,踏切制御を行うこともできる。これらの車上制御装置の機能を,次に示す。


42

E 3801-2

:2010

   

a)

安全な列車間隔の確保  列車位置,列車編成方向及び列車運転方向を決定する。

1)

列車位置の決定  位置検知地上子及び列車速度・位置検出装置によって,現在の自列車位置を決定

し,地上装置へ送信する。分岐のある走行路においては,走行路線形データベース(

附属書 参照)

によって,ルート設定状態に対応した自列車位置を決定する。ただし,地上装置で列車位置を決定

する場合には,必須とはしない[12]

2)

列車編成方向の決定  列車の編成方向(列車の運転台位置と線路の起点側,終点側との関係)を決

定する[13]

3)

列車運転方向の決定  列車の編成方向及び運転台設定に関する情報によって,列車の運転方向を決

定し,地上装置へ送信する[14]

b)

最大許容速度の決定  固定の速度制限及び臨時の速度制限を用いて,速度制限情報を設定する。

なお,当該処理に関連する機能のうち,速度制限情報の設定に必要な情報を地上装置経由で受信す

る処理として,3)及び 4)がある。

1)

固定の速度制限の決定  走行路線形データベース(附属書 参照)に含まれる線路データと運転形

態によって,固定の速度制限情報を設定する。走行路線形データベースを地上装置から得てもよい

[19]

2)

車両性能による速度制限の決定  車両性能データベース(附属書 参照)を参照して,最高運転速

度などの車両性能による速度制限情報を設定する[20]

3)

運行係員による臨時速度制限  工事,風雨などの状況によって,運行係員が設定した臨時速度制限

を地上装置経由で受信することによって速度制限情報を設定する[21]

4)

自動設定による臨時速度制限  風速などあらかじめ予測される危険に対し,規制区間,規制速度に

応じて,自動で設定される臨時速度制限を地上装置経由で受信することによって速度制限情報を設

定する[22]

c)

踏切制御による速度制限の決定  車上制御装置に踏切制御に関する機能を設ける場合,踏切接近時の

遮断・遮断解除要求及び踏切通過後の踏切通行の遮断解除を行ってもよい。

1)

踏切制御(車上)  踏切到達前の適切なタイミングで,地上装置に対して警報開始要求を送信する

[24]

2)

速度制限の決定(踏切)  踏切の遮断状態及び踏切の支障情報に応じて,踏切手前での停止又は踏切

通過のための速度制限(ブレーキパターン)を決定する[26]

d)

列車走行の許可  速度制限情報,停止限界位置情報などを用いてブレーキパターンを決定する。

1)

その他の制約条件の決定(車上)  必要に応じて,列車の走行に関わる制約条件を決定する[28]

2)

ブレーキパターンの決定  車上制御装置は,速度制限情報,停止限界情報などからブレーキパター

ンを決定する。このブレーキパターンとしては,常用最大ブレーキパターン及び非常ブレーキパタ

ーンの 2 種類を用意する[31]

e)

列車走行の監視制御  ブレーキパターンに対する列車の速度超過を監視する。

1)

列車速度計算  列車速度・位置検出装置からの入力データを用いて,現在の列車速度を計算する

[32]

2)

ブレーキ制御(速度超過対応)  車上制御装置は,常用最大ブレーキパターン及び非常ブレーキパタ

ーンと現在の列車速度とを照査し,速度超過を検知した場合にはブレーキの制御を行う[33]

f)

自動列車運転  GOA2 レベルの自動運転を行う場合には,運転速度曲線に従って駅間走行時の加速・

減速制御を行う。


43

E 3801-2

:2010

1)

運転速度曲線の決定  保安制御パターンの範囲内において,加速・減速を含めた運転速度曲線を決

定する[34]

2)

運転速度曲線に従った列車走行制御  運転速度曲線に従って,列車の加速・減速制御を行う[35]

3)

列車走行の制限  安全に支障を及ぼす要因が発生した場合には,外部装置からの入力に従って,列

車の走行を制限する[36]

g)

停止可否判断  進入許可されたルートに進入する前に,該当ルートの取消しが行われた場合に,ルー

ト外方で列車が停止可能であるかの判断を行う。地上制御装置が停止可否判断[B.3.2 a) 9.2)

参照]を

行わない場合,車上制御装置は停止可否判断を行い,可否情報を地上装置へ送信する[10]

h)

ドア開閉制御  GOA2 レベルの自動運転を行う場合には,列車のドア制御を自動化してもよい。また,

ホーム柵が設置されている場合には,ホーム柵と連動して列車のドア制御を行うこともできる。

1)

戸開制御  列車の停止状態,停止位置及びドア方向を考慮して,戸開制御を行う。ホーム柵が設置

されている場合には,ホーム柵と連動した戸開制御を行ってもよい[38]

2)

戸閉制御  運転条件及び乗降客の安全性を考慮して,戸閉制御を行う。ホーム柵が設置されている

場合には,ホーム柵と連動した戸閉制御を行ってもよい[39]

i)

分割・併合  列車の分割・併合を行う場合,特別なブレーキパターンを用いて列車の監視制御を行う。

また,分割・併合後には,編成状態に対応した車上制御装置の設定と列車の管理を行う。

1)

分割  車上制御装置は,正常な分割制御であることを認識したうえで,列車の分割に対応したブレ

ーキパターン及び速度制限を適用して,列車の移動に対する監視制御を行う。分割後,各編成の車

上制御装置は,列車編成の分割に対応した列車長などの車上制御に必要な制御パラメータを更新す

[41]

2)

併合  停車している列車に併合列車を接続させるために,前方に停車している列車を通常とは異な

る支障と認識し,列車の併合に対応したブレーキパターン及び速度制限を適用して,列車の移動に

関する監視制御を行う。併合後,新たに編成された列車の車上制御装置は,列車長など車上制御に

必要な制御パラメータを更新する[42]

B.5

データ通信装置(地上∼車上間無線伝送系)

車上制御装置と地上装置間のデータ通信は,無線システムを介したデータ通信によって行われる。この

無線システムは,次の装置によって構成される。

a)

無線基地局  地上伝送路を介して地上装置と接続され,無線によって車上無線局とのデータ通信を行

う。地上の無線基地局をまたがる列車の移動がある場合には,該当列車の車上無線局に関する無線基

地局間のローミングを行う。このとき,地上装置,車上制御装置などと連携して処理を行うこともで

きる。

b)

車上無線局  車上制御装置と接続され,無線によって無線基地局とのデータ通信を行う。


44

E 3801-2

:2010

   

附属書 C 

参考)

装置間・機能間のインタフェース

C.1

一般

この附属書では,

附属書 に示す各機能の装置への割付及び入出力情報一覧を基にした装置間・機能間

のインタフェース(データフロー)の正常時の主たる部分について,

図 C.1∼図 C.3 に示す。

なお,

図 C.1 は,システム全体のデータフローを示し,その中の“[1][11]:ルートの安全確保”及び

[43][51]:列車運行の監視及び監理”に関しては,更に詳細なデータフローを

図 C.2 及び図 C.3 に示し

ている。図中の記号は,次による。

      XXXXX

:処理名称

      XXXXX

:上下に実線がある情報名は。車上制御装置,地上装置及び指令所装置の各装置間で

送受信される情報を示す。

      XXXXX

:上下に破線がある情報は,外部装置との間で送受信される情報を示す。

      XXXXX

:上下に線のない情報は,車上制御装置,地上装置及び指令所装置の各装置内部での

情報を示す。

注記  附属書 の表においても示しているが,次の事項に関しては,車上制御装置に割り付ける案と

地上装置に割り付ける案との 2 種類の選択肢が考えられるため,その旨を

図 C.1∼図 C.3 にも

記載している。

−  列車位置決定

−  走行路線形データベース(

附属書 参照)

−  停止可否判断(ルート許可取消し時)


45

E 3801-2

:2010

C.1

装置

能間の

インタ

フェー

デー

タフ


46

E 3801-2

:2010

   

C.2

ルー

トの安

全確保

に関す

るデー

タフロ

ー図


47

E 3801-2

:2010

C.3

列車

運行の

監視及

び管理

に関す

るデー

タフ

ロー図


48

E 3801-2

:2010

   

附属書 D 

参考)

データベース及び装置間授受情報

D.1

一般

この附属書は,JRTC を構成する装置において使用されるデータ及び装置間で授受される情報を示す。

このデータには,システム内外の装置間でやり取りされるデータ(外部装置とのインタフェース,システ

ム内の制御電文など)及び各装置機能で使用するデータ(データベース)がある。

D.2

データベース

システム装置内に設けられるデータベースには,次のものがある。

a)

走行路線形データベース

−  路線形態,線路データ

−  ルート形態

−  位置検知地上子位置

b)

車両性能データベース

−  最高運転速度

−  編成両数

−  ブレーキ性能

c)

ルートデータベース

−  ルート(発点,着点及び区間)

−  進路構成要素(転てつ器)

−  鎖錠条件

d)

ダイヤデータ

−  列車日付

−  列車番号

−  走行路線情報

−  着発時刻情報

D.3

装置間授受情報

D.3.1

JRTC

装置間の授受情報

附属書 に示す機能ごとに装置間で授受する情報を,表 D.1 に示す。[  ]

内の番号は,

附属書 の機能

番号を示す。

表 D.1 に示す授受情報は,JRTC として必要と想定される例であり,詳細は鉄道事業者が定め

る。


49

E 3801-2

:2010

表 D.1JRTC 装置間の授受情報

番号

処理名称(機能)

情報名

車上制御装置

地上装置

指令所装置

外部装置

[1]

ルートの特定

ルート設定要求

[2]

ルート競合判断

[3]

転てつ器転換指令/開通確認

転換指令

転てつ器開通方向表示信号

[4]

ルートの鎖錠

[5]

ルートの監視制御

イベント発生情報

ルート監視情報

[6]

停止限界の決定(ルート設定)

[7]

ルート設定要求の取消し

ルート設定要求取消し指令

[8]

列車の走行による解錠

[9]

停止限界の決定(ルート許可取消し)

停止可否確認情報

停止可否応答

[10] 停止可否判断(ルート許可取消し時)

停止可否確認情報

停止可否応答

[11] ルート解錠

停止可否応答

(ルート許可取消し時)

[12] 列車位置決定

地上子信号

列車速度・位置検出信号

ルート設定状態

列車位置計算値

[13] 列車編成方向決定

編成方向設定情報

[14] 列車運転方向決定

運転方向設定情報

運転方向

[15] 列車在線位置の決定

列車位置計算値

運転方向

在線状態

[16] 列車位置検知異常対応

[17] 停止限界の決定(固定閉そく)

[18] 停止限界の決定(移動閉そく)

[19] 固定の速度制限の決定

走行路の線形情報

[20] 車両性能による速度制限の決定

[21] 運行係員による臨時速度制限

速度規制区間,規制速度

[22] 自動設定による臨時速度制限

速度規制トリガ情報

速度規制区間,規制速度

[23] 欠番

[24] 踏切制御(車上)

踏切位置情報

踏切警報開始要求

[25] 踏切制御(地上)

踏切警報開始要求

踏切状態信号

踏切制御装置

踏切警報開始・遮断指令

踏切制御装置

踏切警報解除・遮断解除指令

踏切制御装置

踏切制御状態

[26] 速度制限の決定(踏切)

踏切制御状態

[27] 停止限界最終判断

停止限界位置情報(最終)

[28] 他の制約条件の決定(車上)

[29] 他の制約条件の決定(地上)

速度規制区間,規制速度

各種制約条件

速度規制区間,規制速度

[30] 欠番

記号○,①,②及び△は,表A.1~表A.11の注記1に対応するもので送信元にあたり,●は送信先(要受領応答)である。
情報名が空欄の行は,装置間の情報の授受が無いことを示す。

記号○,①及び②は送信元に当たる。記号①及び②は A.1 

注記 に対応する。●は送信先(要受領応答)である。

情報名が空欄の行は,装置間の情報の授受がないことを示す。


50

E 3801-2

:2010

   

表 D.1JRTC 装置間の授受情報(続き)

番号

処理名称(機能)

情報名

車上制御装置

地上装置

指令所装置

外部装置

[31] ブレーキパターンの決定

走行路の線形情報(こう配etc.)

停止限界位置情報(最終)

各種制約条件

[32] 列車速度計算

列車速度・位置検出信号

列車速度検出装置

[33] ブレーキ制御(速度超過対応)

走行路の線形情報

ブレーキノッチ指令

ブレーキ制御装置

[34] 運転速度曲線の決定

走行路の線形情報(こう配etc.)

[35] 運転速度曲線に従った列車走行制御

走行路の線形情報

力行ノッチ指令

駆動制御装置

ブレーキノッチ指令

ブレーキ制御装置

[36] 列車走行の制限

[37] 走行路の監視

走行路障害物検知情報

走行路障害物検知装置

走行路異常通知

運転士(HMI)

走行路監視情報

[38] 戸開制御

戸開指令

ドア制御装置

[39] 戸閉制御

戸閉指令

ドア制御装置

[40] 欠番

[41] 分割

[42] 併合

[43] 列車ダイヤの取込み(インタフェース)

列車ダイヤデータ

[44] 制御用列車ダイヤの更新

[45] 制御用列車ダイヤの変更

[46] 実績データの管理

在線状態

[47] 運行係員とのHMI

制御用列車ダイヤの変更操作情報

臨時速度制限に関する操作情報

速度規制区間,規制速度

[48] 列車追跡

在線状態

[49] 運行乱れの監視

[50] 自動ルート設定

ルート設定要求

ルート設定要求取消し指令

ルート監視情報

[51] 制御用列車ダイヤの調整

[52] 保守作業管理システムとのインタフェース

保守作業関連情報

[53] 保守作業のための転てつ器転換制御

転換指令

転換状態登録情報

[54] 分岐器や軌道の使用停止/解除

分岐器,軌道等の

  使用停止・解除指令

[55] 保守作業エリア(線路閉鎖,保守用車使用)

ルート構成要素使用状態

  の設定/解除

(保守作業使用/解除登録情報)

記号○,①,②及び△は,表A.1~表A.11の注記1に対応するもので送信元にあたり,●は送信先(要受領応答)である。
情報名が空欄の行は,装置間の情報の授受が無いことを示す。

D.3.2

JRTC

と他システム間の授受情報

JRTC は,次に示す他システムと情報(制御電文)をやり取りするが,詳細内容については鉄道事業者

が定める。

−  駅システム(駅設備システム及び旅客案内システム)

−  インフラ設備(沿線監視システム,既存連動装置,列車検知装置,踏切制御装置など)

−  車両システム

−  メンテナンスシステム(設備監視システム及び設備管理システム)

記号○,①及び②は送信元に当たる。記号①及び②は A.1 

注記 に対応する。●は送信先(要受領応答)である。

情報名が空欄の行は,装置間の情報の授受がないことを示す。

走行線路の監視

分岐器及び軌道の使用停止/解除


51

E 3801-2

:2010

−  運行計画系システム(運行計画システム保守作業管理システム)

−  電力管理システム


52

E 3801-2

:2010

   

附属書 E

参考)

システム構成及びシステム要求事項の具体例

E.1

一般

この附属書は,システム要求仕様を構成する要素の基本的な概念の幾つかについて,具体的な例などに

よって示す。

E.2

全体システム構成

E.2.1

地上システム

図 に示す地上に設置されるシステムの主要装置構成例を,図 E.1 に示す。また,地上システムの各構

成要素に求められる安全性,信頼性及び装置種別の例を

表 E.1 に示す。ここに示す内容は,規格制定時点

で妥当と考えられる装置構成の一例であり,他の構成を排除するものではない。

指令所内伝送ネットワーク

(NW)

指令所装置

指令
端末

運行管理・

監視制御装置

保守作業管理装置など
必要なシステム

地上装置

(拠点)

沿線装置

(JRTCシステム外)

拠点間伝送

NW

地上制御装置

拠点内

NW

無線
基地局

沿線装置

I/O

踏切制御

装置

境界進入
検知装置

車上

ID

検知装置

転てつ

装置

転落検知

装置

接続が必要
となる沿線装置

拠点
端末

データ

通信装置

他の
地上装置へ

図 E.1−地上システム構成例

沿線装置

(JRTC 外)


53

E 3801-2

:2010

表 E.1−地上システムに求められる性能の例

a)

安全性

b)

信頼性

c)

No.

分類

装置名称

FS NFS

2 重系以上

1 重系

装置種別例

1

運行管理・ 
監視制御装置

フォールトトレラント・ワーク
ステーション

2

指令所装置

指令端末

汎用コンピュータ

3

地上装置

地上制御装置

フェールセーフコンピュータ

4

地上伝送 
ネットワーク

光 LAN,無線

5

データ 
通信装置

無線基地局

制御用コンピュータ

注記  欄内の“−”は,推奨されないことを示す。 

a)

  同一項目の両方が選択されている場合,○であってもよいが,◎が推奨される。

b)

 FS は,フェールセーフな装置であることが求められる。NFS は,ノンフェールセーフな装置であってもよい。

c)

  2 重系以上は,2 重系以上の冗長系構成が求められる。1 重系は,冗長系構成としなくてもよい。

E.2.2

車上システム

車上システムの構成例を,車上制御装置と接続される列車制御に関係する装置とを中心に,

図 E.2 に示

す。また,車上システムの各構成要素に求められる安全性,信頼性,及び装置種別の例を

表 E.2 に示す。

この装置構成例は,この規格で規定される機能を実現するうえでの一構成例であり,他の構成を排除する

ものではない。

位置車上子

検査記録部

アンテナ

車上無線局

位置車上子

運転台

ID車上子

速度発電機

引き通し線

車上伝送部

トランスポンダ

送受信部

継電器部

継電器部

乗務員HMI 

  表示装置(主・副) 
  操作盤 
  運転台条件

運転台

ブレーキ指令

車上伝送部

車上制御装置

乗務員HMI

表示装置(主・副) 
操作盤 
運転台条件

トランスポンダ

送受信部

車上伝送装置 

車上制御装置

ID制御装置

図 E.2−車上システム構成例


54

E 3801-2

:2010

   

表 E.2−車上システムに求められる性能の例

安全性

a)

信頼性

b)

No

分類

装置名称

FS NFS

2 重系以上

1 重系

装置種別例

1

車上制御装置

車上制御装置

フェールセーフコンピ
ュータ

2

データ通信装置

車上無線局 
車上伝送装置

フォールトトレラント
な装置

注記  欄内の“−”は,推奨されないことを示す。 

a)

 FS は,フェールセーフな装置が要求される。NFS は,ノンフェールセーフな装置でもよい。

b)

  2 重系以上は,2 重系以上の冗長系構成が要求される。1 重系は,冗長系構成としなくてもよい。

E.3

システム要求事項の具体例

E.3.1

線路上の位置の表現

E.3.1.1

線路網のグラフ表記法

線路網の図式化には,線路左右のレールを 1 本の線とみなしたグラフ表現をとることができる。線路網

上の始端,終端又は分岐点を節点(

図 E.3 の v1∼v31)といい,それらの節点と節点とを結ぶ線分を辺(図

E.3

の e1∼e31)という。辺は,列車運転の安全性を確保するため又は運転効率を高めるために,必要に応

じてその辺上の任意の節点(以下,分割節点という。

)によって更に複数の辺に分割してもよい。各辺の始

端,終端及び辺間の接続を定義し,辺内の相対位置を指定することで位置を表すことができる。

図 E.3−単純な線路網のグラフ表記

E.3.1.2

分岐部の分岐節点の配置例

代表的な 2 分岐箇所における分割ルールを定めるときの分岐箇所の節点(以下,分岐節点という。

)の決

め方には,幾つかの案,例えば,A 分岐器の前端部,B トングレール前端部,C クロッシング部などが考

えられるが,標準的なルールとしては,A の採用を推奨する(

図 E.4 参照)。

なお,

図 E.4 における分岐節点(v2)の前後の辺(e1,e2 及び e3)の範囲を決定する各分割節点(v1,

v3 及び v4)については,運転の安全確保又は効率向上の要求に応じて,通常は,てっ査鎖錠区間若しくは

車両接触限界位置又は従来の連動論理に用いられる閉そく区間に基づき決定されるが,安全制御の条件だ

けでなくデータの管理上の便宜性,従来制御との関係なども考慮し,線区の特性に最も適した位置に節点

を配置すればよい。

v1

v2 v3

v4 v5

v6

v7

v8

v9

v10 v11  v12  v13 v14

v15 v16

v17

v18

v19

v20

v21

v22

v23

v24

v25

v26

v27

v28

v29

v30

v31

v51

v52

e1 e2

e3

e4

e5

e6

e7

e8

e9

e10

e11

e12

e13

e14

e15

e16

e17

e18

e19

e20

e21

e22

e23

e24

e25

e26

e28

e29

e30

e31

e51

e52

e33

e32

e54

e53

e55

e27


55

E 3801-2

:2010

図 E.4分岐箇所における分岐節点の位置の例

E.3.2

列車運転方向の表現

列車運転方向は列車の進む方向を表し,列車編成方向,運転台条件,例えば選択した運転台とレバーサ

との位置によって決定される。列車編成方向とは,列車の各々の運転台(

図 E.5 の運転台 A 及び運転台 B)

が,起点方又は終点方のどちらに向いているかを表す。例えば,

図 E.5 の a)では運転台 A は起点方,運転

台 B は終点方となり,運転台 A が前側である場合には列車編成方向は起点方となる。

運転方向決定の例を,次に示す。例えば,

図 E.5 の a)では 1 号車にある運転台 A が選択され,そのレバ

ーサ位置が前位置の場合,列車運転方向は起点方となる。一方,b)において,運転台 A が選択され,その

レバーサ位置が前位置の場合には,列車運転方向は a)とは逆に,終点方となる。選択した運転台,レバー

サ位置及び列車運転方向の関係を

表 E.3 に示す。

図 E.6 のような特殊な線路形態の場合などでは,運転の都度,列車編成方向が変わる場合がある(列車

A 及び列車 C)。このような場合には,列車編成方向を正しく求めることが必要であり,このための方法と

して自動検知又は手動設定がある。

列車編成方向

起点方

終点方

運転台A

運転台B

1号車

2号車

3号車

4号車

5号車

6号車

起点方

終点方

運転台B

運転台A

列車編成方向

1号車

2号車

3号車

4号車

5号車

6号車

a)

b)

図 E.5−列車編成方向の例

表 E.3−列車運転方向の決定例

選択された運転台

レバーサ位置

列車運転方向

起点方

起点方

終点方

終点方

終点方

起点方

A

C

v3(分割節点)

v4(分割節点)

B

v1(分割節点)

v2(分岐節点)

e1

e2

e3


56

E 3801-2

:2010

   

列車 A      

列車 C

列車 B        

起点

図 E.6−特殊な線路形態の例

E.3.3

精度に関する注意事項

E.3.3.1

位置表現の最小単位に関する考え方

E.3.3.1.1

間隔制御を考えた場合の位置検知誤差及び位置検知精度

位置検知するため,特定の参照位置を認識し,そこからの移動距離を車輪の回転数などから求める方式

をとった場合,車輪径の設定誤差,空転滑走,踏面位置のずれなどで誤差が蓄積していくことが考えられ

る。この誤差は,安全な間隔を確保するためのブレーキ制御に影響する。ブレーキ制御に要求される位置

精度については,安全側の余裕距離に応じた精度を満足する必要がある。

ここで,位置検知の分解能についてまず考えると,位置精度の分解能は,その最大許容誤差の少なくと

も 1/2(理想的には 1/10)の分解能をもつ必要がある。例えば,10 m 程度の測定誤差を許容できるとする

と,1∼5 m の位置検知精度が必要になる。また,安全側の余裕距離は,統計的な数値の標準偏差,確率分

布などを考慮して定める手法が考えられるが,更に安全側を考えると,観測できる誤差の最大値の 5 倍程

度の値に設定する考え方もある。現実的には,運転士の心理的な要因なども考える必要があり,これらを

考慮して余裕距離を設定する。

E.3.3.1.2

特殊な場合の位置検知に関する最大許容誤差及び位置検知精度

特殊な場合(有効長の短い番線での停止制御など)では物理的な制約によって,余裕距離を短くしなけ

ればならない場合がある。例えば,停止限界から 1∼2 m 程度しか確保できないような位置に停車させな

ければならない特殊な状況では,最大許容誤差は 0.2∼0.4 m 程度となり,0.1 m の位置検知精度が必要に

なるような場合もある。

E.3.3.2

速度精度に関する注意事項

速度の検知誤差は,ブレーキパターンに対する速度照査機能の誤差となる。この照査機能は,実用化さ

れているブレーキパターンを用いる ATC と同じ機能であり,少なくとも同等の速度検知精度をもつことが


57

E 3801-2

:2010

求められる。

一方,制御に使用する速度精度と,乗務員への速度表示分解能は必ずしも等しい必要はなく,1 km/h 単

位でも十分とも考えられるが,アナログ表示の場合は従来表示方式に準じればよい。指令所で運行監視情

報として伝える現在速度についても,乗務員に表示する内容と同様の精度でよいと考える。

E.3.3.3

制御遅延時間などに関する注意事項

各装置間の伝送遅延時間及び伝送周期時間については,位置の遅延誤差及び位置の分解能劣化の原因に

なることから,あらかじめ定めた処理性能が発揮できない場合には,安全側の制御に移行できるようにな

っていなければならない。例えば,緊急停止情報が発信された場合に,車上側でその発信情報の認識が遅

れると危険が及ぶ可能性がある。このため,無線通信の接続性を監視し,無線通信不良を一定時間以上検

知した場合は,列車を停止させるなどの制御をする必要がある。監視及び制御処理は,車上で電文を受信

し,その処理を実施する処理周期などにも関係する。すなわち,列車制御を車上のコンピュータで行う場

合,電文受信処理,列車位置認識,速度照査など列車制御に必要な処理を周期的に行うことが通常と考え

られる。この処理周期は,求められる検知誤差精度又はレスポンスタイムに応じて,適宜,必要な単位精

度(ms オーダ)を選択しなければならない。

一方,地上で実施する制御である連動の進路転換制御などでは秒オーダの単位でレスポンス時間が管理

され,ダイヤについては一般的には分オーダの制御時刻の設定,ときには 30 秒又は 15 秒オーダの設定な

どもあり,このように制御に使用する時間単位にバリエーションがあるため,それぞれに必要な最小時間

単位に見合った処理周期で制御を実施することが必要である。

E.3.4

列車走行の安全確保における関連省令との関係

“鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成 13 年国土交通省令第 151 号)

”の第 101 条第 1 項第 2

号では,列車間の安全を確保するための運転方法の一つとして,

“列車間の間隔を確保する装置による方

法”が規定されている。また,同省令第 54 条第 2 項では,

“列車間の間隔を確保する装置は,列車と進路

上の他の列車等との間隔及び線路の条件に応じ,連続して制御を行うことにより,自動的に当該列車を減

速させ,又は停止させることができるものでなければならない。

”と規定されている。JRTC の主要な機能

は,この“列車間の間隔を確保する装置”に相当する“列車間隔の安全確保機能”であるが,他の列車な

どとの間隔とともに線路の条件として,進路の開通状況及び曲線・分岐などの速度制限などの運転を行う

うえの全ての条件を加味する必要がある。

そのためには,

“列車等を検知する装置(同省令第 59 条)

”及び“信号相互間等を連鎖させる装置等(同

省令第 56 条)

”に相当する機能である“列車在線位置の検知機能”及び“ルートの安全確保機能”なども

併せもつ必要がある。

列車走行の安全を確保するためには,次の条件を満たす必要がある。

a)

ルートの安全を確保した線路の条件の下で,

b)

前方を支障する列車との安全な間隔を確保し,

c)

固定及び臨時の制限速度を守り,

d)

その他,緊急防護等の停止指示に従う。

a)

については,5.4.7.2 で,主として駅構内のルートの安全確保を規定しているが,従来の連動装置の概

念では,転てつ器の転換制御によるルートの開通及び鎖錠のほかに,b)∼d)を含み,ルートの安全確保を

実現してきた。これによって,従来の連動装置では,その機能が複雑化する傾向にあったが,JRTC では,

a)

は主として転てつ器の転換制御によるルートの開通及び鎖錠機能に徹し,b)∼d)は“列車間の間隔を確

保する装置”に相当する機能に任せる考え方を取り入れ,機能階層構造の単純明確化を図ろうとしている。


58

E 3801-2

:2010

   

ただし,現時点では,従来の連動装置と接続する場合又は従来の連動制御論理を踏襲する場合には,b)∼

d)

の機能の重複による不都合が生じない限り機能の重複は,それを排除しない。

E.3.5

ルートの表現手法及び区分化区間

線路網の一般的なグラフ表現手法は E.1 に示すとおりである。

図 E.7 及び表 E.4 は,辺に相当する区域

を区分化区間と定義し,区分化区間の一連の並びを定義することで,その並びが一つのルートになること

を示している。また,設定する区分化区間は,E.3.4 に記載したように,従来の連動装置に合わせて,分割

してもよい。又は,路線情報(最高速度制限区間,路線情報の最大保有量など)に合わせて,適当な区間

に区切ってもよい。特に,区分化区間を設定する必要がない場合は,区切る必要はない。ここで示す各ル

ートは,ルート構成要素として,分岐を含まない区分化区間と分岐とを含み,その接続順序を規定して,

ルートを特定する場合の例を示している。

図 E.7−ルートとその構成要素の例

表 E.4−ルート構成要素一覧

ルート名称

構成要素(区分化区間)

構成要素(分岐)

備考

K A,B,C,D X

L A,B,H,I X

M E,F,G Y

N J,F,G Y

区分化区間 C,E,H,
及び J には分岐の可動
部を含む。

E.3.6

ルートの安全確保

ルートとは,JRTC では,列車などの移動のためあらかじめ定められた通りみち(路)として定義して

いるが,列車の進行予定の通りみち(路)に分岐がある場合のルートの安全確保には,次の二通りの考え

方ができる(

図 E.8 参照)。

a)

分岐器で分岐して異なる方向に向かう通りみち(路)に対して,走行しようとする列車が使用予定の

あらかじめ定められたルートの区間を独占することが可能な場合に限り,そのルートの転てつ器を転

換,開通かつ鎖錠することによって,そのルートを当該列車に独占させ,ルートの安全を確保する方

式。

b)

分岐器で分岐して異なる方向に向かう通りみち(路)に対して,走行しようとする列車が使用予定の

ルートの転てつ器をルートの開通方向に鎖錠することが可能な場合に限り,その転てつ器を,転換,

開通かつ鎖錠することによって,ルートの安全を確保する方式。したがって,安全を確保したルート

上に他の列車が存在してもよく,その場合の停止限界の決定は,5.4.7.4 による。


59

E 3801-2

:2010

a)

の考え方によれば,従来の連動論理に準じた処理で安全なルートを確保することが可能である。

b)

の方式は,ルート構成要素の使用状態と使用する列車との関係からルートの安全を脱線防止の面から

先に確保し,その後,間隔制御で停止限界を決定することによって衝突を防止し,列車走行の安全を確保

する方式であり,ルートの確保と間隔制御とが機能階層化された方式である。

a)

及び b)の方式の概要を,本線開通を例にとって

図 E.8 に示す。

定められたルートの区間を一列車に独占させてルートの安全を確保する方式

a) 

 
−  安全を確保したルート

列車 1 は,その列車に対し安全を確保したルートを独占する。列車 2 は,列車 1 と同一ルートを走行

する予定であるが,前方のルートを列車 1 が独占しているので,列車 2 の安全を確保したルートの終端
は,列車 1 の独占しているルートの始端までとなる。

−  列車の安全な走行が可能な範囲

安全を確保したルートの終端までが走行可能な範囲となる。

ルート上の転てつ器の走行方向への開通・鎖錠完了をもってルートの安全を確保する方式

b) 

 
−  安全を確保したルート

列車 1 は,その進行方向に転てつ器 P2 が鎖錠されていないので,安全を確保したルートは P2 の手前

までとなる。列車 2 は,転てつ器 P1 を列車 1 と同じ方向に進行する。転てつ器は複数の列車に対して
鎖錠することができ,上図では,転てつ器 P1 が列車 1 と列車 2 との双方に対し鎖錠されており,列車 2
の進行に対しても安全が確保されている。しかし,転てつ器 P2 は鎖錠されていないので,列車 2 の安

全を確保したルートは,列車 1 と同様に P2 手前までとなる。

−  列車の安全な走行が可能な範囲

列車 1 は,安全が確保されたルート上に他の列車が在線しないので,その終端までが走行可能な範囲

となる。列車 2 は,安全が確保されたルート上に他の列車 1 が在線するので,列車 1 との安全な間隔を
確保するために,走行可能な範囲は,5.4.7.3 及び 5.4.7.4 による。

図 E.8−ルートの安全を確保する方式

E.3.7

進入許容区間の概念

E.3.7.1

ルートの例

進入許容区間はルート単位となるが,

図 E.9 に代表的なルートの例を示す。図中の→がルートを示して

おり,駅構内のルートに加えて,駅間についても図に示すようなルートを設けている。


60

E 3801-2

:2010

   

a)

  駅構内のルート(例) 

b)

  駅間のルート(例)

図 E.9−代表的なルートの例

E.3.7.2

1

ルート 列車の考え方を導入した場合

E.3.7.2.1

基本的な考え方

図 E.9 の各ルートに関し,1 ルート 1 列車の考え方を導入した場合の進入許容区間の例を図 E.10∼図 E.14

に示す。図中,(1),(2),(3),…は,→のルートを示しており,▼1,▼2,▼3,…(又は▲1,▲2,▲3,

…)は,それぞれ列車 1,列車 2,列車 3,…に関する進入許容区間の終端を示している。

なお,→が破線で示されているルートは,当該ルートに進入しようとしている列車に対し,進入が許容

されていない状態を示している。

図 E.10 は,駅構内の例を示し次の意味をもつ。

−  列車 1 はルート(4)の内方への進入が許容されており,▼1 が進入許容区間の終端となる。

−  列車 2 はルート(5)の内方への進入が許容されていないため,▼2 が進入許容区間の終端となる。

−  列車 3 はルート(3)の内方への進入が許容されており,▼3 が進入許容区間の終端となる。

−  列車 4 はルート(2)の内方への進入が許容されていないため,▼4 が進入許容区間の終端となる。

−  列車 5 はルート(1)の内方への進入が許容されており,▼5 が進入許容区間の終端となる。

図 E.10ルート 列車の考え方を導入した場合の進入許容区間(駅構内の例)

図 E.11 は,駅間の例を示しており,先行列車が在線しないルートに関しては,進入を許容されることに

なるため,各列車の進入許容区間の終端は,図に示すとおりとなる。


61

E 3801-2

:2010

図 E.11ルート 列車の考え方を導入した場合の進入許容区間(駅間の例)

E.3.7.2.2

連続する複数のルートをまとめて進入許容区間とする場合

駅通過又は出発のような場合,

図 E.12 に示すように連続する複数のルートをまとめて進入許容区間とし

てもよい。

a)

  場内と出発との連続ルート(通過ルート)を進入許容区間とする場合 

b)

  出発ルートと駅間ルートとの連続ルートを進入許容区間とする場合 

図 E.12−連続する複数のルートをまとめて進入許容区間とする場合(例)

E.3.7.3

ルート内に複数列車の進入を許容する考え方を導入した場合

E.3.7.3.1

駅間のルートに複数列車の進入を許容する場合

駅間のルートにおいて,

図 E.11 に示したような 1 ルート 1 列車(固定閉そく)の考え方ではなく,図

E.13

に示すように駅間の同一ルート内に複数列車の進入を許容する考え方を導入してもよい。


62

E 3801-2

:2010

   

図 E.13−駅間のルートに複数列車の進入を許容する場合(例)

図 E.13 上部の例では,列車 1 が在線する駅間のルートに列車 2 及び列車 3 の進入も許容しており,列車

2 及び列車 3 の進入許容区間(ルート単位で決定)の終端は▲2 及び▲3 となる。

図 E.13 下部の例においても,列車 1 が在線する駅間のルートに列車 2 及び列車 3 の進入も許容しており,

列車 2 及び列車 3 の進入許容区間(ルート単位で決定)の終端はそれぞれ▲2 及び▲3 となる。

E.3.7.3.2

駅構内のルートにも複数列車の進入を許容する場合

上述の例では,駅間のルートに複数列車の進入を許容する例を示したが,

図 E.14 に示すように駅構内の

ルートに複数列車の進入を許容してもよい。

図 E.14 の例では,ルートの安全を先に確保する(この段階で

は,転てつ器の転換・鎖錠状態は考慮するが,ルート内に他列車が在線するかどうかまでは考慮しない。

図 E.14 は,次のことを示す。

−  列車 2 は,ルート(2)内の分岐器が走行方向に転換・鎖錠されていれば,ルート(2)への進入を許容され,

▲2 が進入許容区間の終端となる。

−  列車 4 は,ルート(1)内の分岐器が走行方向に転換・鎖錠されていれば,ルート(1)への進入を許容され,

▲4 が進入許容区間の終端となる。

図 E.14−駅間のルートにも複数列車の進入を許容する場合(例)

E.3.8

停止限界の決定に関する留意事項

5.4.7.2.3

で規定されるルート内方への進入許容区間及び支障位置を用いて,5.4.7.4.2 で規定される停止限

界を決定する上で,ルートの前方に存在する支障が停止限界に影響を与える場合があることに注意が必要

である。

5.4.7.4.1

では,列車の前方に複数の支障がある場合には最も手前の停止限界を選択すると規定した。支

障の種別ごとに最悪条件を考慮して決定された保安制御余裕距離に差異がある場合には,複数の支障位置


63

E 3801-2

:2010

の前後関係が,対応する複数の停止限界の前後関係と異なる場合が起こり得る。このとき,駅の停止目標

位置,駅設備の境界位置など,運用の条件に従って列車の停車位置が定まっている場合,線区の地理的条

件によっては,支障種別の選択及び支障種別に対する保安制御余裕距離の調整を行うことが必要となる。

例えば,

図 E.15 に示すように,有効長が短い駅構内番線においてルート終端の前方に先行列車が在線し

ている場合,先行列車の後端に対して保安制御余裕距離を確保して算出される停止限界が,ルートの終端

に保安制御余裕距離を確保して算出される停止限界よりも手前となることがある。このような状態におい

て,先行列車による通常の停止限界を越えて続行列車を停止目標位置まで進入させるためには,ルート終

端の前方の支障が列車走行の安全性に影響を与えないよう,例えば,駅構内における列車の速度を制限す

ることによって駅構内における先行列車に対する保安制御余裕距離を短縮するなどの対応を行う必要があ

る。

このような線区の地理的条件を考慮した保安制御余裕距離に対する具体的対策は,運行の形態などを考

慮して,鉄道事業者が定める。

図 E.15−支障及び停止限界の特殊な例

E.3.9

踏切制御

JRTC では,車上主体の踏切制御を実施してもよい。例えば,車上に踏切位置の情報をもち,車上で踏

切到達時間などを計算し,踏切遮断開始を要求して,地上装置から遮断完了が受信されるまで,踏切手前

に停止できるパターンを決定して保持し,遮断完了受信後にこの防護パターンを消去して踏切を通過でき

るようにする制御手法である。この手法の一例を次に示す。

E.3.9.1

概要

車上制御装置からの踏切遮断要求をトリガーとして,地上装置が踏切制御装置に警報開始制御入力を行

う。次に地上装置は,踏切制御装置からの遮断完了情報を車上制御装置に伝送する。車上制御装置では各

踏切接近時にその外方にブレーキパターンを作成し,遮断完了情報を受けた後にこれを解除することによ

って,踏切道の交通に対する安全を確保する。このため,たとえ踏切制御装置が不具合によって遮断しな

い場合でも,列車が踏切外方で停車するので,安全性を確保しているといえる。また,操作器扱い,踏切

障害物検知装置とのインタフェースを用意することによって,地上装置から各種情報を車上制御装置に伝

送し,車上制御装置で作成したブレーキパターンによって,障害物などとの衝突を回避することも可能で

ある。

E.3.9.2

具体的制御方法の例

a)

所定時間  踏切制御を行う場合,保安上の観点から少なくとも表 E.5 の所定時間を定める必要がある。


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表 E.5−踏切制御の所定時間

名称

概要

1

予告時間

警報の開始から遮断動作の開始までの時間。

2

遮断完了時間

警報の開始から遮断動作の完了までの時間。

3

踏切到達時間

遮断完了から列車到達までの時間。

JRTC での踏切制御では,遮断完了時間に踏切到達時間を加えた値を設計警報時間として定義する。車

上制御装置は,列車が設計警報時間以内に踏切に到達する位置にくれば,踏切遮断要求を地上装置に送信

する。

b)

走行パターンの作成  踏切制御装置の十分外方で,車上制御装置は次の 1)及び 2)の予測走行パターン

を作成する(

図 E.16 参照)。

なお,駅出発直後に踏切がある場合,車上制御装置は,当該駅で停車か,又は通過かに基づいて,

走行パターンを作成する。

1)

踏切通過走行パターン  列車が現在速度から停車することなく,最大許容速度で踏切に到達する走

行パターン。この予測パターンに基づく踏切までの到達時間を踏切到達予測時間という。

2)

踏切前停止パターン  列車が,踏切遮断未了によって,踏切外方で停車するブレーキパターン。こ

の予測パターンに基づく,踏切遮断未了によるブレーキ開始位置までの到達時間をブレーキパター

ン到達予測時間という。

図 E.16−踏切制御に用いる走行パターン

c)

制御手順  上記所定時間と走行パターンとを用いた,JRTC での踏切制御の手順例とを次に示す。ま

た,処理手順のタイムチャートを

図 E.18 に示す。

1)

踏切遮断要求送信  車上制御装置は,次のいずれかの判定基準を満たした場合,地上装置に対して,

踏切遮断要求を送信する。

1.1)

踏切到達予測時間+伝送時間≦設計警報時間  これは,最速で列車が踏切を通過する場合におい

て,列車が踏切に最も接近した位置で踏切制御を開始するための条件である。

1.2)

ブレーキパターン到達予測時間+伝送時間≦遮断完了時間  これは,線路こう配及び車両性能の

関連でブレーキパターンが長くなり,設計警報時間に踏切遮断要求を送信すれば,遮断完了前に

列車がブレーキパターンに到達する場合に,設計警報時間より早めに遮断要求を送信するための

条件である(

図 E.17 参照)。

2)

警報開始制御入力∼遮断完了情報送信  遮断要求を受信した地上装置は,踏切制御装置へ警報開始


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制御を入力する。踏切制御装置では,予告時間警報した後,遮断を完了させ,遮断完了情報を地上

装置へ返す。地上装置は,遮断完了情報を車上制御装置へ送信する。

3)

パターン解除  遮断完了情報を受信した車上制御装置は,踏切到達時間を満足させるために,次の

判定基準(遮断完了情報受信からの経過時間+現在からの踏切到達予測時間≧踏切到達時間)を満

たしたことによって,踏切によるブレーキパターンを解除する。

4)

警報停止要求送信  車上制御装置は,列車最後尾位置が踏切を所定距離超えたことによって,地上

装置へ警報停止要求を送信する。地上装置は,踏切制御装置へ警報完了制御を入力する。これによ

って,踏切制御装置は踏切を上昇制御し,全ての処理が完了する。

図 E.17−ブレーキパターンが長い場合


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a)

  無線通信の異常によって,地上装置が踏切遮断要求を受信できない場合には,地上装置から遮断完了

情報が送信されないため,列車は踏切手前の停止点までに停止する。

b)

  無線通信の異常によって,車上制御装置が遮断完了情報を受信できない場合,列車は踏切手前の停止

点までに停止する。

c)

  無線通信の異常によって,踏切遮断装置が警報停止要求を受信できない場合,踏切は遮断状態を保つ。

図 E.18JRTC での踏切制御の処理タイムチャート例

E.3.10

ブレーキパターンと速度信号との関係

制限速度に対するブレーキパターンを設計する場合には,曲線における転覆限界速度などの“保安上の

制限速度”及び乗り心地,運転操作などを考慮した“運転上の制限速度”の双方を考慮する必要がある。

ここでは,

表 に示す“制限速度”が,“保安上の制限速度”を指すものとした場合について,“運転上の

制限速度”とブレーキパターンとの関係について考え方の一例を示す。

図 E.19 では,“制限速度(保安上の制限速度)”に対し,調整速度を差し引いた速度を“常用最大ブレー

キパターン”としている。つまり,通常の運転における列車の速度は“常用最大ブレーキパターン”で制

御され,同パターンが示す速度に調整速度を加えた範囲で頭打ちとなる。

このとき,

“運転上の制限速度”は,

“常用最大ブレーキパターンが示す速度+調整速度”を超えない範

囲で,鉄道事業者が定める。次に代表的な例を示す。

踏切


遮断完


車上制御装置

地上装置

(2)警報開始制御入力

遮断完了情報送信

警報開始

遮断開始

遮断完了

(3)パターン解除

(4)警報停止要求送信

(5)警報完了制御入力

警報停止(踏切上昇)

踏切通過完了

遮断完了

受信からの

経過時間

踏切到

達予測

時間

a)

b)

c)

(1)踏切遮断要求送信

踏切制御装置


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例 1  “列車間の間隔を確保する装置による運転”において,運転士が主体的に操縦する領域を示す

ため,

“常用最大ブレーキパターンが示す速度”を“運転上の制限速度”とする。

例 2  “列車間の間隔を確保する装置による運転”において,“常用最大ブレーキパターン”による自

動制御が行われている間も含めて“通常の運転で許容される速度”を示すため,

“常用最大ブレ

ーキパターンが示す速度+調整速度”を“運転上の制限速度”とする。

例 3  “閉そくによる運転”において,“常用最大ブレーキパターン”に抵触しないように運転士に運

転させるため,

“常用最大ブレーキパターンが示す速度”より十分低い値を“運転上の制限速度”

とする。

図 E.19−制限速度とブレーキパターンとの関係(例)

E.3.11

留置箇所以外(駅中間など)における車上電源投入時の処理

留置箇所以外(駅中間など)における車上電源投入時に車上制御装置は,留置箇所における電源投入時

と同様な動作(5.4.8.4 参照)を行う。しかしながら,5.4.8.4.4 において,留置位置の確定のための地上子

の検知に失敗するとともに,システムから仮位置情報及び停止限界が与えられない状態となることも想定

される。このような場合において,あらかじめ定められた取扱いに従って,手動操作による JRTC モード

(一定速度制限による制限運転モード)の設定を行い,5.4.8.4.4 における c)  2)と同様にして,地上子など

の検知によって列車在線位置を確定し,通常運転に移行することも考えられる。

他システム区間で電源投入された車上制御装置は,5.4.8.4.2 の c)において手動で状態決定を行う場合に

は,手動で JRTC 運転の状態以外の状態(

図 参照)となる。又は,自動で状態決定を行う場合には,5.4.8.4.3

の失敗によって,JRTC 運転の状態以外の状態となる。

E.3.12

オーバラップ区間における安全確保の留意点

他システムとの境界には,システム切替えを行うオーバラップ区間を設ける。オーバラップ区間では,

JRTC として,次の a)∼c)を満足しなければならない。

a)

列車位置の確定

b)  JRTC

用無線との接続通信

c)

車上運転モードの切替え

オーバラップ区間内で,上記 a)∼c)が確立し,かつ,c)の車上運転モードが JRTC の場合には,JRTC に

よる列車の追跡・制御を行う。そのためには,オーバラップ区間内の全ての列車の在線状態及びルートの

状態が,各列車の車上運転モードのいかんに関係なく把握されていなければならない。また,他システム


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においても,上記と同様にオーバラップ区間内の全ての列車の在線状態及びルートの状態を把握した上で,

列車の追跡・制御を行う必要があるが,それらの在線及び制御時状態の把握は各々のシステムが独立に行

ってもよいし,一方のシステムが把握した状態情報を安全な情報伝達手段を用いて,他方のシステムに提

供してもよい。

図 E.20∼図 E.23 に,他システムが地上信号機による方式であり,オーバラップ区間内に地上信号機が

設置されている場合を例として,他システムの制御条件を反映して,安全を確保するための留意点を示す。

なお,オーバラップ区間の長さ,オーバラップ区間内での列車の制御モードの切替え方式などの具体的

な条件は,鉄道事業者が定める。

1)

列車が JRTC 区間に向かって走行する場合

1.1)

列車が他システム運転の状態の場合

−  当該列車の B 区間における制御は,他システムの制御によるが,JRTC は,当該列車を含む B 区

間内の全列車の在線状態及びルートの状態を把握し,必要に応じて,A 区間及び B 区間における

JRTC 運転列車の制御に反映しなければならない。

−  他システムは,当該列車が他システム運転の状態の場合には A 区間へ進入することがないように

抑止制御しなければならない。

なお,列車が JRTC 運転の状態に切り替わった場合には,当該列車は JRTC によって制御される

図 E.21 a)及び b)参照]。

− JRTC は,他システム運転の状態のままの A 区間への異常な列車進入を検出しなければならない。

なお,検出後の処置については,鉄道事業者が定める。

図 E.20−他システム運転の状態の列車が JRTC 区間に向かって走行する場合

1.2)

列車が JRTC 運転の状態の場合

−  当該列車の B 区間における制御は,JRTC の制御によるが,他システムの制御条件を反映した制

御を行わなければならない。

−  他システムは,当該列車を含む B 区間内の全列車の在線状態及びルートの状態を把握し,必要に

応じて,B 区間及び C 区間における他システム運転列車の制御に反映しなければならない。


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a)

  オーバラップ区間内の地上信号機が停止現示の場合 

b)

  オーバラップ区間内の地上信号機が進行現示の場合 

図 E.21JRTC 運転の状態の列車が JRTC 区間に向かって走行する場合

2)

列車が他システム区間に向かって走行する場合

2.1)

列車が JRTC 運転の状態の場合

−  当該列車の B 区間における制御は,JRTC の制御によるが,他システムの制御条件を反映した制

御を行わなければならない。

−  他システムは,当該列車を含む B 区間内の全列車の在線状態及びルートの状態を把握し,必要に

応じて,B 区間及び C 区間における他システム運転列車の制御に反映しなければならない。

− JRTC は,当該列車が JRTC 運転の状態の場合には C 区間へ進出することがないように,抑止制御

しなければならない。

なお,列車が他システム運転の状態に切り替わった場合には,当該列車は他システムによって

制御される(

図 E.22 参照)。


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a)

  オーバラップ区間内の地上信号機が停止現示の場合 

b) 

オーバラップ区間内の地上信号機が進行現示の場合 

図 E.22JRTC 運転の状態の列車が他システム区間に向かって走行する場合

2.2)

列車が他システムの状態の場合

−  当該列車の B 区間における制御は,他システムの制御によるが,JRTC は,当該列車を含む B 区

間内の全列車の在線状態及びルートの状態を把握し,必要に応じて,A 区間及び B 区間における

JRTC 運転列車の制御に反映しなければならない。

図 E.23−他システム運転の状態の列車が他システム区間に向かって走行する場合

E.3.13

無線通信に関する異常事象

無線通信機能に関して,障害を起こし得る原因と,受信結果として観測される異常について,

表 E.6 

まとめる。観測された異常に応じて,JRTC は適切に対応することが求められる。

 


71

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表 E.6−無線通信に関する異常事象

JRTC での観測事象

原因

分類

異常

自然原因

意図的妨害

信頼性向上対策

電文データ誤り

電文の合理性誤り

受 信 デ ー
タ の 合 理
性不一致

電文内容誤り

・伝送路特性の揺

らぎ(フェージ
ング,ノイズな

どの変化)

・なりすまし(意

図的な偽電文送
信など)

誤り検出機能,電文の
合理性判定機能,認証
機能,冗長伝送など

受信可能な受信電力なし

通信不能

電文復号不能(大電力の妨害電波,
同期信号などの検出不能)

無線装置故障(地上/車上)

・伝送特性の大き

な変動

・妨害意図のない

違法無線

・装置劣化

・妨害電波の送信

・装置に対する妨

無線装置の冗長構成,

通信システム配置の最
適化など