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E 3801-1

:2009

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

2

4

  JRTC の構成及びその機能

3

4.1

  装置

3

4.2

  機能構成及び装置への割当 

4

4.3

  JRTC 以外のシステムとのインタフェース

4

5

  自動化の程度 (GOA)

6

6

  一般要求事項 

6

6.1

  相互運用性 

6

6.2

  互換性

7

6.3

  両立性

7

6.4

  適応性

7

6.5

  信頼性など 

7

6.6

  安全性

7

6.7

  電磁両立性 

7

6.8

  環境条件 

7

6.9

  エネルギー消費の効率化 

7

7

  機能要求事項 

7

7.1

  一般

7

7.2

  システム性能 

7

7.3

  列車運行制御 

8

7.4

  列車運行の監視及び管理 

12


E 3801-1

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(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄道電気技術協会(REEAJ)及び

財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格に従うことは,次に示す特許権の使用に該当するおそれがある。

発明の名称  無線による自動列車制御装置

設定登録日  平成 7 年 4 月 5 日

発明の名称  踏切制御装置

設定登録日  平成 7 年 10 月 17 日

発明の名称  鉄道信号用連動制御システム

設定登録日  平成 8 年 1 月 11 日

発明の名称  列車制御装置

設定登録日  平成 15 年 7 月 18 日

発明の名称  無線列車の列車間隔制御システム

設定登録日  平成 16 年 7 月 16 日

なお,この記載は,上記に示す特許権の効力,範囲などに関して何ら影響を与えるものではない。

上記の特許権者は,日本工業標準調査会に対して,非差別的及び合理的な条件で,いかなる者に対して

も当該特許権の実施を許諾する意志があることを保証している。

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実

用新案登録出願に抵触する可能性がある。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,

出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任は

もたない。

JIS E 3801

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

E

3801-1

  第 1 部:一般要求事項及び機能要求事項

JIS

E

3801-2

  第 2 部:システム要求事項(予定)

JIS

E

3801-3

  第 3 部:インタフェース要求事項(予定)


日本工業規格

JIS

 E

3801-1

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無線式列車制御システム−

第 1 部:一般要求事項及び機能要求事項

Train control system using radio communication

Part 1:General requirement and functional requirement

適用範囲 

この規格は,普通鉄道において無線を利用して地上と車上との間で安全にかかわる制御情報を交信する

無線式列車制御システム(Japan radio train control system:以下,JRTC という。

)の,一般要求事項及び機

能要求事項について規定する。また,この規格は,案内軌条式鉄道など特殊鉄道に適用してもよい。

列車制御システムの機能のうち,列車又は車両(以下,列車などという。

)の走行安全を確保するための

機能を,次の五つに類別する。

a)

線路の交差又は分岐,その他の箇所での列車などの脱線及び衝突を防止する安全ルートの確保

b)

列車の安全ルート外への走行及び列車相互の衝突を防止する安全間隔の確保

c)

列車の速度超過による脱線を防止するため及び列車相互の安全な間隔を保つための安全速度の確保

d)

列車の踏切通過に対する安全走行の確保

e)

走行線路上の障害物などに対する安全走行の確保

この規格は,e)の機能を除く四つの機能を機械で自動化したシステムを対象とするが,運行係員

1)

付自

動列車運行及び乗務員なし自動列車運行は対象外とする。

なお,この規格は,列車の駅間走行における加速,惰行,減速及び停車にかかわる自動運転を,上記機

能の制約下で行うシステムであっても適用できる。

1)

ここでいう運行係員とは,列車防護,ブレーキ操作又は運転上必要な合図を行うために列車な

どに乗務する係員を示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 60068-1

  環境試験方法−電気・電子−通則

JIS E 3013

  鉄道信号保安用語

IEC 62236-1

,Railway applications−Electromagnetic compatibility−Part 1: General

IEC 62236-2

,Railway applications−Electromagnetic compatibility−Part 2: Emission of the whole railway

system to the outside world

IEC 62236-3-1

,Railway applications−Electromagnetic compatibility−Part 3-1: Rolling stock−Train and

complete vehicle

IEC 62236-3-2

,Railway applications−Electromagnetic compatibility−Part 3-2: Rolling stock−Apparatus


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E 3801-1

:2009

IEC 62236-4

,Railway applications−Electromagnetic compatibility−Part 4: Emission and immunity of the

signalling and telecommunications apparatus

IEC 62236-5

,Railway applications−Electromagnetic compatibility−Part 5: Emission and immunity of fixed

power supply installations and apparatus

IEC 62278

,Railway applications−Specification and demonstration of reliability,availability,maintainability

and safety (RAMS)

IEC 62279

,Railway applications−Communications,signalling and processing systems−Software for railway

control and protection systems

IEC 62280-1

, Railway applications − Communication , signalling and processing systems − Part 1:

Safety-related communication in closed transmission systems

IEC 62280-2

, Railway applications − Communication , signalling and processing systems − Part 2:

Safety-related communication in open transmission systems

IEC 62425

,Railway applications−Communication,signalling and processing systems−Safety related

electronic systems for signalling

IEC 62427

,Railway applications−Compatibility between rolling stock and train detection systems

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS E 3013 によるほか,次による。

3.1 

ルート 

列車などの移動のため,あらかじめ設定した通りみち(路)

3.2 

側面防護 

あるルートを設定する場合に,他の列車などによる車両接触限界内への進入を防ぐ対策。また,列車な

どが車両接触限界を侵している可能性がある場合に,そのルートの設定を行わないようにする対策。

3.3 

ルート構成要素 

ルートとして定められた区間,及びそのルートに関係する転てつ器など。

3.4 

停止限界 

列車の停止制御において,安全上絶対に停車することを義務付けている限界の位置。

3.5 

保安制御余裕距離 

保安制御上,位置及び速度の検知誤差,ブレーキ制御誤差などを吸収するために,必要となる余裕距離。

3.6 

ブレーキパターン 

停止制御及び減速制御のための距離,及び走行速度の関係を表す曲線。

3.7 

システム構成要素 

JRTC

に組み込むか若しくは組み込む予定の基本的な構成要素(転てつ器など)

,構成要素の集合,又は


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機器若しくは半組立部品。

3.8 

指令所装置 

JRTC

のために指令所に設置する装置。

3.9 

データ通信装置 

JRTC

のために地上及び車上に設置する無線伝送を含む通信装置。

3.10 

地上装置 

JRTC

のために地上に設置する装置。ただし,指令所装置及びデータ通信装置を除く。

3.11 

車上制御装置 

JRTC

のために列車などに搭載している装置。ただし,データ通信装置を除く。

3.12 

列車ダイヤ

列車の運行計画を,列車の位置と時刻との関係で表現したもの。

注記  進路制御及び列車追跡を行うための基本データとなる。

3.13 

列車番号

列車ダイヤ上で列車ごとに割り付けられた固有の番号。

3.14 

列車追跡 

列車の現在位置を把握し,列車番号を基に列車ダイヤとの対応付けを行う行為。

3.15 

運転整理

列車運行の乱れを速やかに正常の状態に戻し,輸送への影響を最小限にとどめるための処置。

4 JRTC

の構成及びその機能 

4.1 

装置 

JRTC

の装置及び機能は,次による。

a) 

指令所装置  指令所に設置する装置で,次の機能をもつものとする。

−  鉄道網又は線区における列車運行の監視及び管理を集中的に行う。

−  地上装置及び車上制御装置から情報を収集し,地上装置及び車上制御装置に適切な指示を与える。

b) 

地上装置  地上に設置する装置で,次の機能をもつものとする。

−  各列車の走行位置の情報及び転てつ器などの線路状態から各列車の停止限界を決定し,制御情報と

して車上制御装置にデータ通信装置を介して伝送する。

−  列車走行の安全なルートを確保するために,既存の連動装置を使用することができる。

c) 

車上制御装置  車上に設置する装置で,次の機能をもつものとする。

−  個々の列車において,地上装置からの制御情報及び車上制御装置がもつ制御情報に基づいて,自列

車の安全な走行制御を行う。


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d) 

データ通信装置  データ通信装置は,次の機能をもつものとする。

−  地上伝送路,地上無線基地局及び車上無線局で構成し,JRTC 構成要素間のデータ交換を行う。

−  地上装置と車上制御装置との間のデータ交換は無線で行う。

注記  ヒューマンマシンインタフェース(human-machine interfaces:以下,HMI という。)機能は,こ

れらの装置に含まれる。

4.2 

機能構成及び装置への割当 

JRTC

は,列車運行の監視・管理機能(7.4)及び列車運行制御機能(7.3)によって構成する。この機能の装置

への割当を,

表 に示す。

4.3 JRTC

以外のシステムとのインタフェース 

JRTC

は,

図 に例示する他のシステムとのインタフェースを必要に応じて備える。ただし,旅客・係

員との間で音声によって通話を行う音声通信システムとのインタフェースは除く。

表 1JRTC の機能及び装置への主な割当 

機能

指令所

装置

地上 
装置

車上制御

装置

制御用列車ダイヤ管理機能

列車運行監視機能

列車運行管理機能

列車運行
の監視・管
理機能

保守作業管理機能

列車運行の安全確保機能

自動列車運転機能

走行線路の監視機能

ドア開閉の制御機能

列車運行

制御機能

分割機能及び併合機能


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E 3801-1

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図 1JRTC のシステム構成と他システムとの境界(例)

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JRTC

列車運行の監視・管理機能 
(指令所装置)

列車運行制御機能 
(地上装置)

列車運行制御機能 
(車上制御装置)

・  制御用列車ダイヤ管理機能 
・  列車運行監視機能

・  列車運行管理機能 
・  保守作業管理機能

・  列車運行の安全確保機能 
・  走行線路の監視機能

・  ドア開閉の制御機能 
・  分割機能及び併合機能

・  列車運行の安全確保機能 
・  自動列車運転機能

・  ドア開閉の制御機能 
・  分割機能及び併合機能

音声通信システム

旅客・係員との通信機能

 

データ通信システム,その他のインタフェース

JRTC

以外のシステム及び設備

駅システム

インフラ設備

車両システム

メンテナンスシステ

運行計画系システム

電力管理システム

a)

駅設備システム

・  駅設備監視機能 
・  火災検知機能

・  転落検知機能 
・  ホームドア監視・制

機能

・  ホーム監視機能など

b)

旅客案内システム

a)

沿線監視システム

・  レール破断検知機能
・  障害物検知機能

・  地震/雨量/風速

監視機能など

b)

既存連動装置

c)

列車検知装置

d)

踏切制御システム

・  ドア監視制御機

・  列車速度検知機

・  駆動制御機能 
・  ブレーキ制御機

・  機 器 監 視 機 能

など

a)

設 備監 視シ ステ

b)

設 備管 理シ ステ

a)

運行計画システム

・  ダイヤ作成機能 
・  乗 務 員 運 用 支 援

機能

・  車 両 運 用 管 理 機

能など

b)

保守作業管理 
システム

・  運転電力制御機

能など

 


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自動化の程度 (GOA) 

自動化の程度とは,乗務員及び運行係員の行う仕事がシステムでどこまで自動化されているかの程度

(grade of automation:以下,GOA という。

)を示し,次の a)e)によって区分する(IEC 62290-1 参照)

この規格で定める JRTC は,これらの区分のうち GOA1 及び GOA2 を対象としたものであり,いずれの

GOA

を適用するかは鉄道事業者が指定する。

なお,同一線区の違ったエリアで,同一列車に異なる GOA を適用してもよい。

a)

目視列車運行(以下,GOA0 という。)  運転士が運転室にいて,前方の見通し,その他の安全な列車

運転に必要な条件を考慮して運転する。システムには運転士の操作を監視制御することを要求しない。

しかし,転てつ器の状態及び単線区間については,システムによって部分的に監視制御することがあ

る。

b)

非自動列車運行(以下,GOA1 という。)  運転士が最前部の車両の前頭において列車を操縦し,危険

な状況を認めたときは列車を停止させる。加速制御及び減速制御は,運転士が行う。システムは,運

転士の操作を監視制御する。ドア閉を含む駅からの安全な列車の発車は,運行係員の責任である。

c)

半自動列車運行(以下,GOA2 という。)  運転士が最前部の車両の前頭において列車を操縦し,危険

な状況を認めたときは列車を停止させる。加速制御及びブレーキ制御は自動化され,速度はシステム

によって連続して監視制御される。駅からの安全な列車の発車は,運行係員の責任である。ただし,

ドアの開閉は,自動化しても差し支えない。

d)

運行係員付自動列車運行(以下,GOA3 という。)  最前部の車両の前頭において列車を操縦し,危険

な状況を認めたときは列車を停止させる運転士がいないので,GOA2 と比較して更に対策が必要であ

る。この GOA では,運行係員の乗車が不可欠である。ドア閉を含む駅からの安全な列車の発車は,

運行係員の責任でもよいし,自動化しても差し支えない。

e)

乗務員なし自動列車運行(以下,GOA4 という。)  GOA3 と比較して乗務員が乗車しないので,更に

対策が必要である。ドア閉を含む駅からの安全な列車の発車は,自動化しなければならない。システ

ムは,旅客を避難させなければならない危険な状況を検知し,危険条件並びに脱線,煙及び/又は火

災の検出のような非常状況によっては,運行係員の介入を要請する。

一般要求事項 

6.1 

相互運用性

相互運用性とは,複数の製造業者の設備に対して機能及び性能に本質的な変化をもたらさずに,そのま

ま各種サービスを提供・受入・使用できる能力であり,JRTC は,列車と設備とを相互運用するため a)

d)

に示す相互運用性を備えなければならない。

なお,この能力はどの製造業者がどのシステム構成要素を提供するかには関係しない。また,JRTC 地

上システム区間における,JRTC 列車と非 JRTC 列車との混在運行の実施は,この規格の適用外とする。

a)  JRTC

線区において,システム構成要素(同一 GOA)の製造業者が異なる場合は,次による。

1)

ある製造業者の JRTC を装備した列車(以下,JRTC 列車という。

)は,車上に搭載された装置の製

造業者と異なる製造業者が製造した地上装置の区間であっても運行できる。

2)

二つの異なる製造業者による JRTC 列車を併合運転できる。

3)

地上装置は製造業者に関係なく,共通の指令所装置と接続できる。

4) JRTC

列車は,製造業者の異なる地上装置の境界を通過できる。


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b) JRTC

線区における GOA が地上装置と車上制御装置とで異なっている場合は,製造業者に関係なく

JRTC

は両者に共通な自動化レベルの最も高い GOA で作動できなければならない。

c) JRTC

線区と隣接する非 JRTC 線区との間の進入及び進出に関する要求事項は,鉄道事業者が定める。

d)

相互乗入れを行う場合には,必要となる JRTC の要求事項を関係鉄道事業者間の協定によって定める。

6.2 

互換性

JRTC

のシステム構成要素は,異なる製造業者が製造したシステム構成要素と取り替えることができる

互換性を備えなければならない。

互換性確保のための要求事項は,鉄道事業者が定める。

6.3 

両立性

JRTC

は,同一鉄道網内の他のシステムと共存可能で,特に,システムの移行を容易なものとするため

の両立性をもたなければならない。

両立性確保のための要求事項は,鉄道事業者が定める。

6.4 

適応性

JRTC

は,線区の延伸,単位時間当たりの列車数増大,及び車両の性能向上に対して,対応できる適応

性を備えなければならない。

適応性確保のための要求事項は,鉄道事業者が定める。

6.5 

信頼性など 

JRTC

に RAMS (Reliability, Availability, Maintainability and Safety)要求事項を適用する場合は,IEC 62278

による。

6.6 

安全性

JRTC

にシステムの安全性に関する要求事項を適用する場合は,IEC 62279IEC 62280-1IEC 62280-2

及び  IEC 62425 による。

6.7 

電磁両立性

JRTC

に各装置の電磁両立性に関する要求事項を適用する場合は,IEC 62236-1IEC 62236-5 及び IEC 

62427

による。

6.8 

環境条件 

各装置の使用温度などの使用環境条件及びその試験方法については,JIS C 60068-1 などによる。それら

に規定された条件で不十分な場合は,鉄道事業者がその使用環境条件,試験項目及び試験方法を定める。

6.9 

エネルギー消費の効率化 

JRTC

でエネルギー消費の効率化を実現しようとする場合は,鉄道事業者がその方法を定める。

注記  具体的な方法としては,列車の加速,惰行及び減速を制御することで列車に対してエネルギー

消費の効率化を行う方法などが挙げられる。また,電力管理システムとのインタフェースを考

慮することによって効率的な電力制御にもつながる。

機能要求事項 

7.1 

一般 

JRTC

は,その機能に関して,7.27.4 に示す事項を満たさなければならない。

7.2 

システム性能 

7.2.1 

一般 

システム性能は,7.2.27.2.6 による。


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なお,システムの性能を定める上で必要となる,列車運転速度,運転時隔(運転時間間隔)などの要件

は,鉄道事業者が定める。

7.2.2 

システム故障 

システムの故障に対する事項は,次による。

a)

システムの監視  JRTC は,自己診断によってシステムが正常に機能していることを監視する。監視

項目,監視結果の出力などに関する要求事項は,鉄道事業者が定める。

b)

システム故障対応  システムに故障が発生した場合,又はシステムの機能を維持するために必要な外

部システムからの情報が授受できなくなった場合の JRTC の要求事項は,鉄道事業者が定める。

c)

システム再立上げ対応  システム故障を復旧させるときなど,システムの再立上げを行う場合の JRTC

の要求事項は,鉄道事業者が定める。

7.2.3 

システム外事象 

JRTC

は,外部システムとのインタフェースをもつことによって,緊急停止などを必要とするシステム

外事象を検知できなければならない。

検知すべきシステム外事象及び検知後の処理は,鉄道事業者が定める。

7.2.4 

線路変更   

JRTC

は,線区の延伸及び線路配線の変更に対応できなければならない。

7.2.5 HMI 

JRTC

の構成要素ごとに必要となる HMI の要求事項は,鉄道事業者が定める。

7.2.6 

システム管理 

JRTC

に必要となるデータ及びその管理方法,並びに訓練及び検査に関する要求事項は,鉄道事業者,

製造業者などの関係者が協議の上定める。

7.3 

列車運行制御 

7.3.1 

一般 

列車運行制御は,7.3.27.3.6 による。

7.3.2 

列車走行の安全確保 

7.3.2.1 

一般 

列車走行の安全確保は,7.3.2.27.3.2.7 による。

これらは列車の衝突及び脱線を防止し,列車運転の安全に直接かかわる機能である。

7.3.2.2 

ルートの安全確保 

7.3.2.2.1 

一般 

ルートの安全確保は,7.3.2.2.27.3.2.2.7 による。

この機能は,ルートに関する転てつ器などを所定方向に開通させ,ルート及びルート構成要素を鎖錠す

ることによって,ルートの安全を確保する。

7.3.2.2.2 

ルートの設定 

ルートの設定のため,次の機能をすべて備えていなければならない。

a) 

ルートの選択  7.4.4 で規定する自動進路設定,指令員による進路設定要求などに基づき,設定するル

ートの始端から終端までの区間(同区間を区分化した場合は,区分化した個々の区間,必要に応じて

側面防護区間なども含む。

,及びそのルートに関する転てつ器などのルート構成要素を特定する。

なお,各ルートのルート構成要素(転てつ器などの開通方向を含む。

,他のルートとの連鎖関係な

どは連動図表に記載される事項に従う。


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E 3801-1

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b) 

ルートの競合判断及び転てつ器などへの転換指令  特定したルート構成要素が他の列車,作業などに

よって使用中でなければ,当該ルート構成要素を使用中とし,所定方向に開通していない転てつ器な

どに対して,所定方向への転換指令を出力し,ルートを設定する。ただし,分岐器などの上に列車が

在線している場合には,該当する転てつ器などに転換指令は出力しない。

c) 

転てつ器などの開通確認  転換指令を出力した転てつ器などが,所定方向に転換し開通したことを確

認する。

7.3.2.2.3 

ルートの鎖錠 

設定したルートのすべての転てつ器などが所定方向に開通していることを確認した場合は,当該ルート

及びルート構成要素を鎖錠状態にする。

7.3.2.2.4 

ルートの監視制御 

設定したルートのすべての転てつ器などが所定方向に開通していること,及びルート構成要素が他列車

によって無許可で使用されていないことを監視する。監視結果に異常が認められた場合には,関係する安

全を確保したルート内方への進入を許可しない。

7.3.2.2.5 

安全を確保したルート内方への進入の許容及び停止限界の決定 

ルート内方への進入の許容及び停止限界の決定は,次による。

a)

進入の許容  開通確認後,鎖錠したルートの監視結果に異常が認められない場合は,安全を確保した

ルート内方への進入を許容する。

b)

停止限界の決定  停止限界は,安全を確保したルートの終端位置から手前に保安制御余裕距離を確保

した位置とする(

図 参照)。

図 2−安全を確保したルートの停止限界の例

7.3.2.2.6 

ルート設定要求の取消し 

列車が進行し,ルート内方への進入を JRTC が確認した後に,又は 7.4.4 の進路復位要求に基づきルート

の設定要求を取り消す。

7.3.2.2.7 

ルートの解錠 

ルートの解錠は,次による。

a)

列車の走行による解錠    列車が進行し,ルート内方への進入を JRTC が確認した後に,列車の進行に

応じて当該ルートの鎖錠状態を解除し,ルート構成要素の使用中状態を順次解除する。

b)

ルート取消しによる解錠  ルート内方への進入を許可した列車のルートを取り消す場合は,直ちに当

該ルートの設定要求を取り消すとともに,列車がルート内方に進入する前であれば,当該列車にルー

ト外方での停止制御を出力し,次の 1)による。ただし,1)によれない場合は,2)としてもよい。

1)

当該ルートの設定要求が取り消された後,その取り消したルートの外方に列車が停止中又は取り消

したルートの外方に列車が停止可能であることを JRTC が確認できた時点で,当該ルートの鎖錠状


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E 3801-1

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態を直ちに解除するとともに,当該ルート構成要素の使用中状態を解除する。

2)

接近鎖錠区間に列車が進入済か否かを判定し,当該ルートの鎖錠状態及びルート構成要素の使用中

状態を,次によって解除する。

−  接近鎖錠区間に列車が未進入の場合は,当該ルートの鎖錠状態及びルート構成要素の使用中状態

を直ちに解除する。

  接近鎖錠区間に列車が進入済の場合は,当該ルートの鎖錠状態及びルート構成要素の使用中状態

を一定時間後に解除する。

なお,1)又は 2)による解錠が行われる前に,列車がルート内方に進入した場合は,a)に従う。

7.3.2.3 

安全な列車間隔の確保 

JRTC

は,列車の安全な間隔を確保するために,次の機能をもたなければならない。

a)

列車位置の決定  JRTC は,システム立上げ時を含め,各列車位置(列車のある場所)を漏れなく決

定する。列車位置の決定に必要な情報は,他のシステムからインタフェースを介して取得してもよい。

b) 

列車編成方向の決定  列車の編成方向が固定化されている制御エリアをもつシステムにおいては,各

列車の編成方向はすべて同一の既定値とする。

列車の編成方向が固定化されない制御エリアをもつシステムにおいては,編成方向を特定する機能

によって列車編成の方向を決定する。

c) 

列車運転方向の決定  列車の運転方向は,列車の編成方向と選択された運転台の設定状態とから決定

する。

d) 

列車在線位置の決定  列車位置,列車の運転方向,列車長などの情報,及びルートの設定状態を基に,

各列車の在線位置を漏れなく決定する。

e) 

異常時における列車占有区間の決定  JRTC に列車位置又は列車在線位置の決定に関する異常が認め

られた場合には,JRTC は,異常検知直前の列車在線位置から走行許可位置までの区間を列車占有区

間とみなすなど,安全側となる処理を行

う。

f) 

安全な列車間隔を確保する停止限界の決定  前方列車が支障となる通常の間隔制御における停止限

界の決定は,わずかな退行を行う可能性のあるホーム区間,続行列車の連続進入を許さないき電区分

などの特定区間においては,各区間の境界位置を支障位置とし,その支障位置に保安制御余裕距離を

外方に確保した位置を停止限界とする(

図 参照)。それ以外の箇所については,先行列車在線位置の

後端を支障位置とし,その支障位置に保安制御余裕距離を外方に確保した位置を停止限界とする(

4

参照)

図 3−連続進入禁止区間の停止限界の例 


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図 4−前方列車を支障とする通常の間隔制御における停止限界の例

7.3.2.4 

最大許容速度の決定 

JRTC

は,最大許容速度を決定するために,次の機能をもたなければならない。

a) 

線路の条件などによる速度制限  線路の条件などによって,あらかじめ鉄道事業者から指定された箇

所に制限速度を設定する。

b) 

車両性能による速度制限  鉄道事業者によって指定された車両性能による制限速度を設定する。

c) 

臨時の速度制限  鉄道事業者が臨時に指定する箇所に制限速度を設定する。また,必要に応じて,指

定する列車に制限速度を設定してもよい。

7.3.2.5 

踏切制御による速度制限の決定   

JRTC

は,踏切制御に関して,次の機能をもたせることができる。

a) 

踏切の制御  JRTC は,踏切通行の遮断及び遮断解除を行うために,既設の踏切制御装置とのインタ

フェースをもつ。

なお,JRTC が,直接,踏切通行の遮断及び遮断解除の制御出力を行ってもよい。

b) 

踏切制御に従った速度制限の決定  JRTC は,踏切手前に停止するためのブレーキパターンを作成し,

踏切遮断完了によって当該パターンの消去を行う。

7.3.2.6 

列車走行の許可 

JRTC

は,列車走行に関して,次の機能をもたなければならない。

a)

列車走行時の停止限界の決定  停止限界は,ルートに関する停止限界及び列車間隔に関する停止限界

で,列車の走行方向で最も手前の停止限界に決定される。

b)

他の制約条件の決定  JRTC が列車走行の許可を決定する場合,その他の制約条件として,線路閉鎖

など鉄道事業者によって指定された事項を含めなければならない。

c)

保安制御のためのブレーキパターンの決定  ブレーキパターンは,列車を減速又は停止させることを

目的に算出される速度制限パターンである。車両性能,線路こう配などを考慮し,停止限界又は制限

速度開始位置を原点として,非常ブレーキ減速度に空走時間を加味して作成する非常ブレーキパター

ンを用意する。

なお,停止限界から一定距離外方の位置を原点として,規定された減速度及び減速度の低減率を考

慮して作成する常用最大ブレーキパターンを更に用意してもよい。これらのブレーキパターンは,次

の条件を満たさなければならない。

−  7.3.2.4 で規定される最大許容速度

−  7.3.2.5 b)で規定される速度制限及び 7.3.2.6 b)で規定される他の制約条件 

−  7.3.2.6 a)で規定される列車走行時の停止限界


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7.3.2.7 

列車走行の監視制御 

JRTC

は,列車走行の監視制御について,次の機能をもたなければならない。

a)

列車速度の決定  JRTC は,実際の列車速度とみなす速度を決定できなければならない。この速度の

決定に当たって,速度の連続性を監視し,異常な速度変化を検知した場合には列車の安全を確保でき

るように速度を設定する。

b)

安全な列車速度の監視制御  列車速度が非常ブレーキパターンを超えた場合には,直ちに非常ブレー

キを出力する。常用最大ブレーキパターンを用意した場合,列車速度が常用最大ブレーキパターンを

超えたときに,常用最大ブレーキが作動する。ブレーキの緩解条件は,鉄道事業者の定めに従う。

7.3.3 

自動列車運転 

GOA2

を対象とした場合,JRTC は,自動列車運転のために,次の機能をもたなければならない。

なお,自動列車運転中に手動操作が行われた場合には,自動列車運転機能は解除され,手動操作が優先

されなければならない。

a)

運転速度曲線の決定  JRTC は,保安制御のためのブレーキパターンの範囲内における,加速又は減

速を含めた運転速度曲線を決定する。運転速度曲線を決定する上で必要となる運転時隔などの要件は,

鉄道事業者の定めに従う。

b)

運転速度曲線に従った列車走行制御  JRTC は,運転速度曲線に従い,列車の速度制御を行う。

c)

列車走行の制限  列車の状態,非常停止などの安全性に支障を及ぼす要因がある場合には,列車の走

行を制限する。

7.3.4 

走行線路の監視 

JRTC

は,障害物との衝突及び人との接触を防止するために,外部システムとのインタフェースをもつ

ことによって走行線路の監視機能をもたせてもよい。

7.3.5 

ドア開閉制御 

JRTC

は,外部システムとのインタフェースをもつことによって,ドア開閉の制御の自動化機能をもた

せてもよい。

7.3.6 

分割及び併合 

JRTC

は,列車の分割又は併合のために,次の機能をもたせてもよい。

a) 

分割及び併合時の安全確保  列車を分割又は併合させる場合,7.3.2 で規定する列車走行の安全確保の

考え方に基づいて,安全を確保する。この機能の要求事項は,鉄道事業者が定める。

b) 

列車の管理  分割された列車を独立に管理する。また,併合された列車を一つの列車として管理する。

7.4 

列車運行の監視及び管理 

7.4.1 

一般 

列車運行の監視及び管理は,列車ダイヤを用いる方法とそれ以外の方法とがある。列車運行の監視及び

管理をどの方法で行うかは,鉄道事業者が定める。列車ダイヤを用いて列車運行の監視及び管理を行う場

合には,JRTC に,7.4.27.4.5 の機能をもたせてもよい。

なお,それ以外の方法で列車運行の監視及び管理を行う場合は,この規格の適用外とする。

7.4.2 

制御用列車ダイヤ管理 

制御用列車ダイヤ管理は,次による。

a) 

列車ダイヤの取込み  運行計画系システムなど,外部のシステムから列車ダイヤを取り込むためのイ

ンタフェースをもつ。


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b) 

制御用列車ダイヤの更新  定められた時期に,外部システムから取り込んだ列車ダイヤデータを用い

て制御用列車ダイヤの更新を行う。

c) 

制御用列車ダイヤの変更など  発車時刻,停車駅など制御用列車ダイヤの追加,削除及び変更ができ

る。追加,削除又は変更された制御用列車ダイヤは,合理性チェックを行う。

d) 

実績データの管理  列車の走行に合わせて,出発時刻,到着時刻などの実績データを収集する。実績

データは,必要に応じて,外部システムに出力してもよい。

e) 

運行係員との HMI  運行係員に対する表示,運行係員による制御用列車ダイヤの変更などのための

HMI

をもつものとする。

7.4.3 

列車運行の監視 

列車運行の監視は,次による。

a) 

列車追跡  システム内の列車位置及び列車番号を関連付けて監視する。

b) 

運行乱れの監視  列車ダイヤと実際の運行との差が,あらかじめ決められた値を超えた場合は,アラ

ームを出さなければならない。

7.4.4 

列車運行の管理 

列車運行の管理は,次による。

a) 

自動進路設定  運行条件(制御用列車ダイヤ,列車の位置など)に基づいて進路設定要求を行う。こ

の機能に対応して,設定進路を復位する進路復位要求をもたせてもよい。

b) 

指令員の扱い  進路設定要求及び進路復位要求は,指令員の扱いで行うこともできる。

c) 

列車の運転整理  列車ダイヤに乱れが生じた場合,列車の遅れなどを減らすために制御用列車ダイヤ

の調整を,自動又は手動によってできなければならない。調整の基準については,鉄道事業者が定め

る。

7.4.5 

保守作業管理 

JRTC

は,保守作業管理のために,次の機能をもたせてもよい。

−  保守作業管理システムとのインタフェース

−  保守作業のための転てつ器転換制御

−  分岐器及び軌道の使用停止又は解除

−  保守作業エリア(線路閉鎖,保守用車使用)の設定又は解除

参考文献   

IEC 62290-1

,Railway  applications−Urban guided transport management and command/control systems

Part 1:System principles and fundamental concepts