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E 3018 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS E 3018 : 1994 は改正されこの規格に置き換えられる。今回の改正は,

冷却剤に油を使用しないインピーダンスボンドが製造されるようになり,試験方法などの見直しを行った

ものである。


日本工業規格

JIS

 E

3018

 : 2001

インピーダンスボンド−

性能試験方法

Railway signaling equipment

−Impedance bonds−Test methods

1.

適用範囲  この規格は,鉄道信号保安装置に用いるインピーダンスボンド(以下,ボンドという。)の

性能試験方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1102-2

  直動式指示電気計器  第 2 部:電流計及び電圧計に対する要求事項

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS C 2320

  電気絶縁油

JIS E 3014

  鉄道信号保安部品−振動試験方法

JIS E 3017

  鉄道信号保安部品−防水試験方法

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

3.

定義  この規格の中で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

a)

信号周波数  列車に対する情報伝送及び列車・車両の検知のためにレールに通電する信号電流の周波

数。

b)  LF

  信号周波数として一般に用いる 25∼120 Hz の周波数。

c)

AF

  信号周波数として一般に用いる数百 Hz∼十数 kHz の周波数。

d)

一次コイルの定格電流  一次コイルの片側端子に連続して通電できる直流,又は交流 50/60Hz の電流

値。

e)

中性点  一次コイルの巻数が 2 等分となる中間の端子。

f)

冷却剤  コイルと鉄心の発熱を外気へ放熱するために外箱内に充てん(填)する絶縁物。

4.

試験の種類  ボンドの試験の種類は,次のとおりとする。

a)

形式試験  設計が示す,すべての特性について行う試験。

b)

受渡試験  形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しに際し,必要と認める特性

について行う試験。

5.

試験項目  ボンドの試験項目は,表 のとおりとし,形式試験は全項目,受渡試験は○印を付けた項

目とする。


2

E 3018 : 2001

表 1  試験項目

試験項目

受渡試験

適用試験項目番号

巻数比試験

          7.1

極性試験

          7.2

コイル抵抗試験

          7.3

無負荷試験

     7.4.1

インピーダンス試験

短絡試験

     7.4.2

動作減衰量試験*

          7.5

不平衡率試験

          7.6

飽和特性試験

          7.7

温度上昇試験**

          7.8

耐瞬時過電流試験**

          7.9

絶縁抵抗試験

     7.10.1

絶縁試験

耐電圧試験

     7.10.2

環境試験

振動試験

          7.11.1

防水試験

          7.11.2

備考  *印の試験項目は,AF 信号周波数で使用するボンドに適用する。

**

印の試験項目は,冷却剤を入れて行う。 

6.

試験条件

6.1

試験場所の状態  試験場所の状態は,特に指定がない限り,JIS Z 8703 に規定する温度 20±15℃,

相対湿度 (65±20) %とする。

6.2

試験計器  試験計器は,特に指定がない限り,次のとおりとする。

a)

電圧計及び電流計は,JIS C 1102-2 の 1.0 級以上のものを用いる。

b)

電子電圧計は,器差が 5%以内のものを用いる。

c)

絶縁抵抗計は,JIS C 1302 に規定する定格測定電圧(直流)500V のものを用いる。

d)

位相計は,器差が 3%以内のものを用いる。

6.3

試験用絶縁油  試験用絶縁油は,JIS C 2320 の 1 種 2 号を用いる。

7.

試験方法

7.1

巻数比試験  巻数比試験は,1 次コイルに 50Hz 又は 60Hz の交流電圧を加え,無負荷 2 次コイル電

圧及び無負荷 3 次コイル電圧を測定し,1 次−2 次コイル間巻数比及び 1 次−3 次コイル間巻数比を式(1)

及び式(2)によって求める。

1

2

12

V

V

N

 (1)

1

3

13

V

V

N

 (2)

ここに,  N

12

1

次−2 次コイル間巻数比

N

13

1

次−3 次コイル間巻数比

V

1

1

次コイル電圧 (V)

V

2

無負荷 2 次コイル電圧 (V)

V

3

無負荷 3 次コイル電圧 (V)


3

E 3018 : 2001

7.2

極性試験  極性試験は,次のいずれかによる。

a)

図 に示す試験回路で,スイッチ S を閉じた瞬間に直流電圧計(可動コイル形)V の指針の振れ方を

調べる(指針が正方向に振れたときは減極性)

b)

図 に示す試験回路に 50Hz 又は 60Hz の交流電圧 V

1

を加え,そのときの電圧 V

2

を測定する(V

1

V

2

ならば減極性)

 

図 1  極性試験回路

図 2  極性試験回路

7.3

コイル抵抗試験  コイル抵抗試験は,図 に示す試験回路に直流電流を流し,そのときの電圧及び

電流を測定し,コイル抵抗を式(3)によって求める。

図 3  コイル抵抗試験回路

I

V

R

 (3)

ここに,

R

コイル抵抗

  (

Ω)

V

  1

次片コイル端子間電圧

 (V)

I

  1

次コイル電流

 (A)

7.4

インピーダンス試験

7.4.1

無負荷試験

  無負荷試験は,

図 4

に示す試験回路で,電圧 V

1

及び V

2

を測定し,位相角

φを調べ,

1

次コイル電流及び励磁インピーダンスを式

(4)

及び式

(5)

によって求める。また,これを

図 5

のような等価回

路とみなした場合の抵抗及びインダクタンスを式

(6)

及び式

(7)

によって求める。

なお,位相角を必要としないときは,

1

次コイル電流を求めるのに電流計を用いてもよい。


4

E 3018 : 2001

図 4  インピーダンス試験回路

図 5  等価回路

S

R

V

I

1

 (4)

I

V

Z

2

 (5)

ϕ

cos

Z

R

 (6)

ϕ

π

sin

2

f

Z

L

 (7)

ここに,

I

  1

次コイル電流

 (A)

Z

励磁インピーダンス

  (

Ω)

φ:

位相角

  (

)

R

等価回路とみなした場合の抵抗

  (

Ω)

L

等価回路とみなした場合のインダクタンス

 (H)

R

s

基準抵抗

  (

Ω)

f

信号周波数

 (Hz)

V

1

R

s

の両端電圧

 (V)

V

2

ボンドの

1

次コイル電圧

 (V)

7.4.2

短絡試験

  短絡試験は,

図 6

に示す試験回路で,電圧 V

1

及び V

2

を測定し,位相角

φを調べ

1

次コ

イル電流及び漏れインピーダンスを式

(8)

及び式

(9)

によって求める。また,これを

図 7

のような等価回路と

みなした場合の抵抗及びインダクタンスを式

(10)

及び式

(11)

によって求める。

 

図 6  短絡試験回路

図 7  等価回路

S

R

V

I

1

=

 (8)


5

E 3018 : 2001

I

V

Z

2

 (9)

ϕ

cos

Z

R

 (10)

f

Z

L

π

ϕ

2

sin

 (11)

ここに,

I

1

次コイル電流

 (A)

Z

漏れインピーダンス

  (

Ω)

φ: 位相角

  (

)

R

等価回路とみなした場合の抵抗

  (

Ω)

L

等価回路とみなした場合のインダクタンス

 (H)

R

s

基準抵抗

  (

Ω)

f

信号周波数

 (Hz)

V

1

R

s

の両端電圧

 (V)

V

2

ボンドの

1

次コイル電圧

 (V)

7.5

動作減衰量試験

  動作減衰量試験は,

図 8

に示す試験回路で電圧 V

1

及び V

2

を測定し,動作減衰量を

(12)

によって求める。

図 8  動作減衰量試験回路

12

10

1

2

10

log

20

log

20

N

V

V

α

 (12)

ここに,

α:

動作減衰量

 (dB)

R

1

負荷抵抗

  (

Ω)

R

2

基準抵抗=R

1

×N

12

2

 (

Ω)

N

12

ボンドの

1

次コイルと

2

次コイルとの巻数比

V

1

R

1

の両端電圧

 (V)

V

2

R

2

の両端電圧

 (V)

7.6

不平衡率試験

  不平衡率試験は,

図 9

及び

図 10

又は

図 11

に示す試験回路で,

表 2

に示す電流を流

し,そのときの

2

次コイル並びに

3

次コイルの誘起電圧 V

12

V

22

V

13

及び V

23

を測定し,

2

次コイル不平

衡率及び

3

次コイル不平衡率を式

(13)

及び式

(14)

によって求める。

なお,

図 11

の試験回路及び

表 2

2I

∆I

は,

1

次コイルの中性点を切離ししない場合に用いる。


6

E 3018 : 2001

図 9  不平衡率試験回路

図 10  不平衡率試験回路

図 11  不平衡率試験回路

100

12

22

2

×

V

V

UB

 (13)

100

13

23

3

×

V

V

UB

 (14)

ここに,

UB

2

2

次コイル不平衡率

 (%)

UB

3

3

次コイル不平衡率

 (%)

V

12

V

22

2

次コイル電圧

 (V)

V

13

V

23

3

次コイル電圧

 (V)

表 2  試験電流

信号周波数種類

電源周波数

電流 I

電流 2I

電流

∆I

LF 50Hz

又は 60Hz 5A  10A  2mA 以下

AF

指定の信号周波数

0.5A 1A

0.2mA

以下

7.7

飽和特性試験

  飽和特性試験は,

図 12

又は

図 13

に示す試験回路で,

表 3

に示す電流を流して電圧

V

1

及び V

2

を測定し,位相角

φを調べ,

2

次コイル電流,励磁インピーダンスを式

(15)

及び式

(16)

によって求

める。

なお,位相角を必要としないときは,

2

次コイル電流を求めるのに電流計を用いてもよい。

図 12  直流電化区間用

図 13  交流電化区間用

S

R

V

I

1

 (15)

I

N

V

Z

2

12

2

2

 (16)

ここに,

I

:  2 次コイル電流 (A)

Z

:  励磁インピーダンス  (

Ω)

R

s

:  基準抵抗  (

Ω)

f

:  信号周波数 (Hz)

f

o

:  交流 50Hz 又は 60Hz


7

E 3018 : 2001

N

12

:  ボンドの 1 次コイルと 2 次コイルとの巻数比

V

1

:  R

s

の両端電圧 (V)

V

2

:  ボンドの 2 次コイル電圧 (V)

表 3  試験電流

1

次コイル

2

次コイル

電化区間種類

電源

電流

周波数

電流

直流

直流

交流

交流 50Hz 又は 60Hz

定格不平衡電流

指定の信号周波数

受渡当事者間の
協定による。

7.8

温度上昇試験  温度上昇試験は,図 14 又は図 15 の試験回路に,1 次コイルに表 の電流の 150%,

2

次コイルに

表 の電流を 1 時間通電しその後に表 に示す電流を連続通電し,温度上昇が一定になった

と認められたとき,及びこれに引き続き 1 次コイルに

表 の電流の 150%を 1 時間通電した後,コイルと

冷却剤の温度を測定し,周囲温度との差によって温度上昇値を求める。

図 14  直流電化区間用

図 15  交流電化区間用

表 4  試験電流

1

次コイル

2

次コイル

電化区間種類

電源

電流(中性点)

電源

電流

直流

直流

交流

交流 50Hz 又は 60Hz

定格電流の 200%

交流 50Hz 
又は 60Hz

定格電流

なお,温度の測定は,次の方法によって行う。

a)

ボンドの温度の測定は,コイルと冷却剤について行う。コイルは,電圧計及び電流計を用いる抵抗法

によって測定する。抵抗法によるコイルの温度は,コイル抵抗の変化に基づいて,式(17)によって求

める。冷却剤の温度は温度計法によって,最も高い温度の箇所を測定し求める。

なお,油の場合は,油面下約 10mm の位置で測定する。密閉構造の場合は,外箱の最も高い箇所を

測定する。

(

)

1

1

1

1

2

2

5

.

234

t

t

R

R

R

t

 (17)

ここに,

t

2

:  抵抗法によって求めるコイルの温度  (℃)

t

1

:  試験の最初のコイルの温度(周囲温度)(℃)

R

1

:  t

1

℃でのコイルの抵抗  (

Ω)

R

2

:  t

2

℃での同一コイルの抵抗  (

Ω)

b)

周囲温度の決定は,次のいずれかによる。

1)

供試ボンドの周囲で,高さはボンドの高さの約

2

1

,距離は 1∼2m の位置に温度計を置いて空気の温

度を測定し,

試験の最後の 3 時間中の約 30 分ごとにとった温度計の読みの平均値を周囲温度とする。

2)

供試ボンドとほぼ同じ大きさの休止ボンドを用いて,試験すべきボンドと同等と認められる冷却状


8

E 3018 : 2001

態で,この休止ボンドの油の温度をもって周囲温度とする。

7.9

耐瞬時過電流試験  耐瞬時過電流試験は,1 次コイルに定格電流(交流 50Hz 又は 60Hz)の 150%を

1

時間通電した後,2 次コイルを短絡し,1 次コイルの片側に定格電流(交流 50Hz 又は 60Hz)の 200%を

1

分間通電して行う。ただし,この試験は,受渡当事者間の協定による。

7.10

絶縁試験

7.10.1

絶縁抵抗試験  絶縁抵抗試験は,導体部分とその他の金属部分との間及び相互に絶縁された導体部

分の間を絶縁抵抗計を用いて行う。

7.10.2

耐電圧試験  耐電圧試験は,導体部分とその他の金属部分との間及び相互に絶縁された導体部分の

間に,

表 に示す 3 種類の交流電圧のいずれかを指定し,1 分間加えて行う。

表 5  耐電圧の種類

耐電圧の種類

電源周波数 Hz

電圧 V

1

種 1

000

2

種 3

000

3

50

又は 60

5 000

7.11

環境試験

7.11.1

振動試験  振動試験は,JIS E 3014 に規定する 2 種による。

7.11.2

防水試験  防水試験は,JIS E 3017 に規定する噴水試験による。


9

E 3018 : 2001

JIS

工業規格改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

高  重  哲  夫

財団法人鉄道総合技術研究所輸送システム開発推進部

(委員)

穐  山  貞  治

通商産業省工業技術院標準部

粕  谷      勲

運輸省鉄道局技術企画課

*

日比野  謙  一

電気技術開発株式会社第一技術本部

澤  本  尚  志

東日本旅客鉄道株式会社設備部電気設備課

久保田  清  登

東海旅客鉄道株式会社技術本部

廣  瀬  雄  造

西日本旅客鉄道株式会社(鉄道本部)電気部

大  熊  康  義

東武鉄道株式会社鉄道事業本部電気部信号通信課

柴  田  裕  邦

相模鉄道株式会社運輸営業本部電気部通信課

日  朝  賢  三

株式会社京三製作所信号事業部第 2 技術部

猪  瀬  勝  一

日本信号株式会社与野事業所フィールド制御技術部

直  江  正  直

大同信号株式会社信号事業部技術部列車制御第 2PT

町  村  忠  芳

株式会社明電舎施設技術部施設技術二課

市  川  和  男

株式会社三工社甲府工場技術部

佐  野  皓  良

社団法人日本鉄道電気技術協会

(幹事長)

若  林  武  夫

財団法人鉄道総合技術研究所輸送システム開発推進部

(幹事)

池  川  澄  夫

通商産業省工業技術院標準部

神      雅  弘

運輸省鉄道局技術企画課

橋  本  和  夫

東日本旅客鉄道株会社設備部電気設備課

町  田  満寿男

東海旅客鉄道株式会社建設工事部電気工事課

田  鍬      守

西日本旅客鉄道株式会社電気部

石  塚  豊  作

東武鉄道株式会社鉄道事業本部電気部信号通信課

大  越      充

相模鉄道株式会社運輸営業本部電気部通信課

田  中      豊

日本信号株式会社与野事業所フィールド制御技術部

鈴  木  昭  夫

株式会社京三製作所信号事業部第 2 技術部

曽  野  修  宣

大同信号株式会社信号事業部技術部列車制御第 1PJ

鈴  木  研太郎

明電ケミカル株式会社沼津工場技術部技術課

今  枝  慎  一

株式会社三工社第 1 技術部

(事務局)

石  原      誠

社団法人日本鉄道電気技術協会

備考  *印は委員兼幹事を示す。