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日本工業規格

JIS

 E

2301

-1992

電車線路用がいし

Insulator for electric overhead line

1.

適用範囲  この規格は,電車線路に使用する磁器製懸垂がいし及び支持がいし(以下,がいしという。)

について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,付表1に示す。

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 3803 によるほか,次による。

(1)

電車線路用支持がいし  電車線路のトンネル,こ線橋などに使用する円板形固定がいし。

(2)

ベース金具  電車線路のトンネル,こ線橋などに固定させて,支持がいしを取り付ける金具。

(3)  2

線用カップリング  2 本の電線を支持するよう設計された,支持がいしのピン形状。

(4)

コッタボルト  クレビスとアイなどを連結するのに用いる棒状の金属製連結ボルト。

3.

種類  種類は,使用方法及び下部のピン形状によって区分し,表 のとおりとする。


2

E 2301-1992

表 1  種類,記号及びピン形状

種類

記号

ピン形状

100P

アイ(平行)

100E

アイ(直角)

電車線路用 100mm 懸垂がいし

100C

クレビス

180EP

アイ(平行)

180E

アイ(直角)

180C

クレビス

(180H)

フック小

電車線路用 180mm 懸垂がいし

(180HL)

フック大

250EP

アイ(平行)

250E

アイ(直角)

250C

クレビス

電車線路用 250mm 懸垂がいし

(250HL)

フック大

250TC

クレビス

(250TS) 1

線用カップリング

電車線路用 250mm 支持がいし

250T 2

線用カップリング

備考1.  記号に括弧を付けたものは,なるべく用いない。

2.

記号の意味は,次のとおりとする。

100

,180,250:

P

,EP:

E

C

TC

T

TS

H

HL

 

かさの呼び径 
アイピンを使用した懸垂がいしでピンとキャップ
が平行。

アイピンを使用した懸垂がいしでピンとキャップ
が直角。 
クレビスピンを使用した懸垂がいし。

クレビスピンを使用した支持がいし。

2

線用カップリングピンを使用した支持がいし。

1

線用カップリングピンを使用した支持がいし。

フック小ピンを使用した懸垂がいし。 
フック大ピンを使用した懸垂がいし。 

4.

性能

性能は,8.によって試験を行ったとき,

表 のとおりとする。


3

E 2301-1992

表 2  性能

項目

性能

試験方法適用箇条

商用周波注水耐電圧

(1 分間)

付図 1に示す電圧で破壊放電を生じないこと。

8.3

雷インパルス耐電圧

付図 1に示す電圧で破壊放電を生じないこと。

8.4

商用周波油中破壊電圧

付図 1に示す電圧で貫通しないこと。

8.5

課電破壊荷重

付図 1に示す荷重で破壊しないこと。

8.6

曲げ破壊荷重

付図 及び付図 に示す荷重で破壊しないこと。

8.7

表面漏れ距離

付図 1に示す値であること。

8.8

冷熱

温度差 90℃以上,冷水温度 0∼10℃,浸し時間は,それぞ
れ 15 分間,浸し回数は,各 3 回で,がいしの各部に異常
を認めないこと。

8.9

吸湿性

磁器内部に液がしみ込まないこと。

8.10

亜鉛めっき

付着量 500g/m

2

以上。ただし,ねじ部品は 350g/m

2

以上,

また,ばね座金は,400g/m

2

以上。

8.11

商用周波電圧

付図 1に示す電圧を加えたとき,がいしの各部に異常
を認めないこと。

8.12

高周波電圧

がいしの各部に異常を認めないこと。

8.13

引張耐荷重

付図 1に示す荷重を加えたとき,がいしの各部に異常
を認めないこと。

8.14

5.

形状及び寸法

5.1

形状及び寸法は,

付図 110 のとおりとする。

5.2

ボルトのねじ部は,JIS B 0205 によって,その精度は,めっき前は JIS B 0209 に規定する 8g 級とす

る。

5.3

コッタボルトの形状は,JIS B 1180 の規定による。

5.4

植込みボルトの形状は,JIS B 1173 の規定による。

5.5

ナットの形状は,JIS B 1181 の規定による。

5.6

ばね座金の形状は,JIS B 1251 の規定による。

5.7

めっき後のボルトとナットは,同一サイズに対してすべて互換性をもち,よくはめ合うものとする。

5.8

磁器と金具とを組み立てる場合,

図 

は,

がいしの呼び径が 100 及び 180 の場合には 5mm 以下,

250

の場合には 7mm 以下,また,キャップとピンとのねじれは,5°以下とする。

図 1  磁器と金具との組立


4

E 2301-1992

6.

外観  外観には,実用上有害な欠点があってはならない。

磁器部の外観は,JIS C 3802 による。

7.

材料及び組立

7.1

材料  材料は,表 のものを用い,キャップ,ピン,ベース金具,コッタボルト,植込みボルト,

ナット及びばね座金には,全面一様に溶融亜鉛めっきを施さなければならない。ただし,ナットなどは,

溶融亜鉛めっき後,タップ通しを行ってもよい。

表 3  材料

各部名称

材料

磁器部

露出部に,全面一様にうわぐすりを施した磁器。 
色の指定がないときは白色又はライトグレー色とする。

キャップ

JIS G 5702

に規定する FCMB310 又は JIS G 5502 に規

定する FCD400 又は FCD450。

ピン(懸垂がいし用)  JIS G 3101 に規定する SS400 又は SS490。

ピン(支持がいし用)

及びベース金具

JIS G 5702

の FCMB310 又は JIS G 5502 の FCD400 又

は FCD450。

コッタボルト,植込み
ボルト及びナット

JIS G 3101

の SS400 又は SS490。

ばね座金

JIS G 3506

に規定する SWRH57 (A,B)  ∼SWRH77

 (A

,B)  。

割りピン

JIS G 4309

に規定する SUS304。

セメント

JIS R 5210

に規定するポルトランドセメント。

7.2

組立  組立は,磁器と金具との中心線を合わせるように行わなければならない。

8.

試験方法

8.1

構造試験  構造試験は,JIS C 3801 の 4.(構造試験)による。

8.2

外観試験  外観試験は,JIS C 3801 の 5.(外観試験)による。

8.3

商用周波注水耐電圧試験  商用周波注水耐電圧試験は,JIS C 3801 の 6.4(商用周波注水耐電圧試験)

による。

8.4

雷インパルス耐電圧試験  雷インパルス耐電圧試験は,JIS C 3801 の 6.9(雷インパルス耐電圧試験)

による。

8.5

商用周波油中破壊電圧試験  商用周波油中破壊電圧試験は,JIS C 3801 の 6.5(商用周波油中破壊電

圧試験)による。

8.6

課電破壊荷重試験  課電破壊荷重試験は,JIS C 3801 の 8.(課電破壊荷重試験)による。

8.7

曲げ破壊荷重試験  曲げ破壊荷重試験は,JIS C 3801 の 7.2.2(曲げ破壊荷重試験)による。

8.8

表面漏れ距離  表面漏れ距離は,がいし電極間の絶縁物の外表面に沿った最短距離を測定する。

8.9

冷熱試験  冷熱試験は,JIS C 3801 の 9.(冷熱試験)による。

8.10

吸湿試験  吸湿試験は,JIS C 3801 の 10.(吸湿試験)による。

8.11

亜鉛めっき試験  亜鉛めっき試験は,JIS C 3801 の 11.(亜鉛めっき試験)による。

8.12

商用周波電圧試験  商用周波電圧試験は,JIS C 3801 の 6.6(商用周波電圧試験)による。

8.13

高周波電圧試験  高周波電圧試験は,JIS C 3801 の 6.7(高周波電圧試験)による。

8.14

引張耐荷重試験  引張耐荷重試験は,JIS C 3801 の 7.1.1(引張耐荷重試験)による。


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E 2301-1992

9.

検査  検査は,8.の試験方法によって,次の形式検査及び受渡検査を行う。

(1)

形式検査  形式検査は,表 の全項目について行い,4.7.の規定に適合しなければならない。

なお,この検査の検査個数は,3 個とする。

(2)

受渡検査  受渡検査は,抜取検査と全数検査の 2 種類とする。

(a)

抜取検査  抜取検査は,表 の 3.10.の項目について行い,4.5.及び 7.の規定に適合しなければ

ならない。この検査の抜取方式は,受渡当事者間の協定による。

(b)

全数検査  全数検査は,表 の 11.14.の項目について行い,4.及び 6.の規定に適合しなければなら

ない。

表 4  検査項目

検査項目

検査項目

1.

  商用周波注水耐電圧

8.

  冷熱

2.

  雷インパルス耐電圧

9.

  吸湿性

3.

  構造 10.  亜鉛めっき

4.

  商用周波油中破壊電圧 11.  外観

5.

  課電破壊荷重 12.  商用周波電圧

6.

  曲げ破壊荷重 13.  高周波電圧

7.

  表面漏れ距離 14.  引張耐荷重

10.

製品の呼び方  製品の呼び方は,名称及び記号による。

例  電車線路用がいし  180EP

11.

表示  がいしには,次の事項をがいしの磁器部に容易に消えない方法で,表示しなければならない。

(1)

製造業者名又はその略号

(2)

製造年又はその略号

付表 1  引用規格

JIS B 0205

  メートル並目ねじ

JIS B 0209

  メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差

JIS B 1173

  植込みボルト

JIS B 1180

  六角ボルト

JIS B 1181

  六角ナット

JIS B 1251

  ばね座金

JIS C 3801

  がいし試験方法

JIS C 3802

  電気用磁器類の外観検査

JIS C 3803

  がいし及びブッシング用語

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3506

  硬鋼線材

JIS G 4309

  ステンレス鋼線

JIS G 5502

  球状黒鉛鋳鉄品

JIS G 5702

  黒心可鍛鋳鉄品

JIS R 5210

  ポルトランドセメント


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E 2301-1992

付図 

電車線路用 100mm 懸垂がいし 

備考1.  ※印の許容差は,+側を0とし,−側は特に規定しない。

2.

許容差のない寸法は,基準寸法とする。

種類

性能

100P

100E

100C

商用周波注水耐電圧

24kV

雷インパルス耐電圧

75kV

商用周波油中破壊電圧

100kV

課電破壊荷重

  40kN {4 080kgf}

表面漏れ距離 200mm 以上

商用周波電圧

50kV

引張耐荷重

  13kN {1 330kgf}


7

E 2301-1992

付図 2

電車線路用 180mm 懸垂がいし 

備考1.  ※印の許容差は,+側を0とし,−側は特に規定しない。

2.

許容差のない寸法は,基準寸法とする。

種類

性能

180EP

180E

180C

商用周波注水耐電圧

24kV

雷インパルス耐電圧

75kV

商用周波油中破壊電圧

120kV

課電破壊荷重

  75kN {7 650kgf}

表面漏れ距離 170mm 以上 
商用周波電圧

55kV

引張耐荷重

  25kN {2 550kgf}


8

E 2301-1992

付図 3

電車線路用 180mm 懸垂がいし 

備考1.  ※印の許容差は,+側を0とし,−側は特に規定しない。

2.

許容差のない寸法は,基準寸法とする。

種類

性能

180H 180HL

商用周波注水耐電圧

18kV

雷インパルス耐電圧

60kV

商用周波油中破壊電圧

120kV

課電破壊荷重

  35kN {3 570kgf}

表面漏れ距離 170mm 以上

商用周波電圧

50kV


9

E 2301-1992

付図 4

電車線路用 250mm 懸垂がいし 

備考1.  ※印の許容差は,+側を0とし,−側は特に規定しない。

2.

許容差のない寸法は,基準寸法とする。

種類

性能

250EP

250E

250C

商用周波注水耐電圧

40kV

雷インパルス耐電圧 105kV 
商用周波油中破壊電圧

140kV

課電破壊荷重

  70kN {7 140kgf}

表面漏れ距離 290mm 以上 
商用周波電圧

75kV

引張耐荷重

  23kN {2 350kgf}


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E 2301-1992

付図 5

電車線路用 250mm 懸垂がいし 

備考1.  ※印の許容差は,+側を0とし,−側は特に規定しない。

2.

許容差のない寸法は,基準寸法とする。

種類

性能

250HL

商用周波注水耐電圧

22kV

雷インパルス耐電圧

80kV

商用周波油中破壊電圧

140kV

課電破壊荷重

  35kN {3 570kgf}

表面漏れ距離 290mm 以上 
商用周波電圧

55kV


11

E 2301-1992

付図 6

電車線路用 250mm 支持がいし 

備考1.  ※印の許容差は,+側を0とし,−側は特に規定しない。

2.

許容差のない寸法は,基準寸法とする。

種類

性能

250TC

商用周波注水耐電圧

22kV

雷インパルス耐電圧

80kV

商用周波油中破壊電圧

140kV

課電破壊荷重

  10kN {1 020kgf}

曲げ破壊荷重

  3kN {310kgf}

表面漏れ距離 290mm 以上 
商用周波電圧

55kV


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E 2301-1992

付図 7

電車線路用 250mm 支持がいし 

備考1.  ※印の許容差は,+側を0とし,−側は特に規定しない。

2.

許容差のない寸法は,基準寸法とする。

種類

性能

250TS 250T

商用周波注水耐電圧

22kV

雷インパルス耐電圧

80kV

商用周波油中破壊電圧

140kV

課電破壊荷重

  10kN {1 020kgf}

曲げ破壊荷重

  5kN {510kgf}

表面漏れ距離 290mm 以上 
商用周波電圧

55kV


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E 2301-1992

付図 8

ベース金具 

付図 9

コッタボルト 

付図 10

割りピン 


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E 2301-1992

電気部会  がいし専門委員会  構成表(昭和 55 年 3 月 1 日改正のとき)

氏名

所属

(委員会長)

河  村  達  雄

東京大学生産技術研究所

菅  野  道  雄

通商産業省生活産業局

松  田      泰

通商産業省資源エネルギー庁公益事業部

田  村  修  二

工業技術院標準部

瀬  田  泰  助

財団法人電力中央研究所絶縁部

松  岡  志  郎

会津碍子株式会社

三  輪  富  彦

朝日碍子工業株式会社検査部

大  串  富二男

株式会社香蘭社

三  田  保  三

大トー株式会社佐野工場

鬼  頭  國  二

日本碍子株式会社電力事業本部設計部

中  島

愛知県陶磁器工業組合電磁器部

山  本      稔

電磁器協会

森  下  正  三

中部電力株式会社工務室

前  田      肇

関西電力株式会社工務部

竹  内      哲

日本国有鉄道電気局

本  多  正  己

東京芝浦電気株式会社重電技術研究所

鹿  島  芳  丈

株式会社日立製作所国分工場変圧器設計部

左  近  一  郎

三菱電機株式会社伊丹製作所

宮  内  正  夫

社団法人日本電機工業会技術部

(関係者)

米  山      雅

京浜急行電鉄株式会社鉄道事業本部電気部

塩  島  栄  吉

東武鉄道株式会社電気部

長  井  仁  郎

阪神電気鉄道株式会社電気部

(事務局)

田  島  政  男

工業技術院標準部電気規格課

吉  川  明  雄

工業技術院標準部電気規格課

(事務局)

坂  本      満

工業技術院標準部電気規格課(平成 4 年 11 月 1 日改正のとき)

齋  藤      充

工業技術院標準部電気規格課(平成 4 年 11 月 1 日改正のとき)