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E 1001 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本鉄道施設協会 (JRCEA)/財団

法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって JIS E 1001 : 1988

は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

E 1001 :

 2001

鉄道−線路用語

Railway

−Permanent way vocabulary

序文  この規格は,1976 年に制定され,1988 年に改正されて今日に至っている。今回の改正に当たっては,

その後の技術の進歩に伴って新しく生まれた用語や使用しなくなった用語を取捨し,また,定義を修正す

るとともに,

“旧 JIS Z 8301 : 1990(規格票の様式)参考 3(日本工業規格における用語規格のまとめ方)

及び“ISO/IEC Directives Part 3 Rules for the structure and drafting of International Standards”を参考として作

成した。

1.

適用範囲  この規格は,鉄道の線路に関する主な用語について規定する。

2.

引用規格  この規格における引用規格は,次による。

JIS E 1101

  普通レール及び分岐器類用特殊レール

JIS E 1108

  犬くぎ

JIS E 1110

  炭素鋼製タイプレート

JIS E 1111

  アンチクリーパ

JIS E 1117

  緩衝用軌道パッド

JIS E 1122

  中継レール

JIS E 1126

  伸縮継目

JIS E 1311

  鉄道−分岐器類用語

JIS E 4001

  鉄道車両用語

3.

分類  用語の分類は,次による。

a)

線路一般

b)

軌道構造及び材料 

c)

検査 

d)

保線作業 

e)

保線機械器具 

f)

軌道強度 

4.

用語,定義及び対応英語  用語,定義及び対応英語の表記は,次による。

備考1.  用語の下に(  )で示したものは,読み方である。

2.

用語で(  )を付けた漢字は常用漢字外であり,用語には含めない。

3.

対応英語(参考)で,

(英)

(米)を付したものは,英米両国での呼び方である。


2

E 1001 : 2001

a)

線路一般

番号

用語

定義

対応英語(参考)

101

線路

列車又は車両を走らせるための通路であって,軌道及びこ

れを支持するために必要な路盤,構造物を包含する地帯
(特に紛らわしいときには,鉄道線路とする。

permanent way

102

軌道

施工基面上の道床(スラブを含む),軌きょう及び直接これ
らに付帯する施設。

track

103

本線

列車の運転に常用される線路。

main running line

104

側線

本線でない線路。 siding(英)

side track

(米)

105

分岐器 
(ぶんぎき)

一つの軌道を二つ以上の軌道に分ける軌道構造[JIS E 

1311

参照]

turnout

106

軌間

軌道中心線が直線である区間におけるレール面上から下
方の所定距離以内における左右レール頭部間の最短距離。

gauge

(英)

gage

(米)

107

標準軌 1

435mm

の軌間。 standard gauge

108

広軌

標準軌より広い軌間。 wide gauge

109

狭軌

標準軌より狭い軌間。 narrow gauge

110

線路閉鎖

線路などの保守及び工事のため,その区間に列車又は車両
の進入を抑止する措置。

track closure,

track possesion

111

路盤

軌道を支えるための構造物。土路盤やコンクリート路盤な
どがある。

roadbed

112

施工基面 
(せこうきめん)

路盤の高さの基準面。 forma

level

113

建築限界

建造物の構築を制限した軌道上の限界。 construction

gauge

114

車両限界

車両が直線及び曲線の軌道上に停止しているとき,車両の
どの部分も超えてはならない左右・上下の限界[JIS E 4001

参照]

rolling stock gauge

vehicle gauge

115

軌道中心間隔

並行して敷設された 2 軌道の中心線間の距離。 track

spacing

116

土工定規

路盤の形状・寸法を規定した断面図。 roadway

section

117

カント

曲線部における,外側レールと内側レールとの高低差。 cant(英)

superelevation

(米)

118

スラック

曲線部において軌間を拡大する量。 slack,

gauge widening

119

反向曲線

方向が相反する曲線が,近接又は連続する線形。 reverse

curve

120

複心曲線

半径が異なる同一方向の曲線が連続する線形。 compound

curve

121

緩和曲線

直線と曲線との間などに設けられ,半径,カント,スラッ
クが連続的に変化する曲線。

transition curve

122

縦曲線 
( じ ゅ う き ょ く せ
ん)

こう配変更箇所に設けられる鉛直面内の曲線。 vertical

curve

123

安全側線

停車場で,列車又は車両が逸走して衝突などの事故が生じ
ることを防止するために設ける側線。

safety siding

124

車止め

列車又は車両が過走又は逸走するのを防止するために,軌
道の終端に設ける設備。

buffer stop

(英)

car stop

(米)

125

線路諸標

線路の維持,管理及び保守上必要な各種の標識類の総称。

距離標,こう配標,曲線標,逓減標などがある。

roadway post,

wayside marker

b)

軌道構造及び材料

番号

用語

定義

対応英語(参考)

201

軌きょう

レールとまくらぎとを,はしご状に組み立てたもの。 track

skeleton

track panel


3

E 1001 : 2001

202

バラスト軌道

道床バラスト(砕石,ふるい砂利など)を用いた軌道。 ballast

track

203

スラブ軌道

コンクリートのスラブを用いた軌道。 slab track

204

直結軌道

レールを鋼橋,コンクリート版,スラブなどに直接締結し
た軌道。まくらぎ直結軌道を含む。

directly laid track

ballastless track

205

レール

車輪を直接支持,誘導する部材[JIS E 1101 参照]

。 rail

206

定尺レール

標準長さのレール[JIS E 1101 参照]

standard length rail

207

ロングレール 200m 以上の長さのレール。

continuous welded rail,

long welded rail

208

中継レール

異種のレールの接続に用いるレール[JIS E 1122 参照]

。 compromise

rail

209

ガードレール

脱線防止又は脱線した車両の軌道外への逸走防止などを

目的として,本線レールに沿って敷設する設備の総称。脱
線防止レール,脱線防止ガード,安全レールなどがある。

check rail,

guard rail

210

レール継目

レールとレールの接続部。 ra joint

211

レール遊間 
(−ゆうかん)

レール継目部の前後のレール間のすきま。 joint

gap

212

絶縁継目

軌道回路の絶縁箇所に使用するレール継目(接着剤で結合
したものを接着絶縁継目と呼ぶ)

insulated joint

213

伸縮継目

ロングレールの端部に敷設して,レールの伸縮を許容する
継目[JIS E 1126 参照]

expansion joint

214

犬くぎ

レール又はタイプレートを,まくらぎに打ち込んで止める

くぎ[JIS E 1108 参照]

track spike,

rail spike

215

タイプレート

レールとまくらぎ,スラブなどの間に入れる締着用鋼板

JIS E 1110 参照]

base plate

(英)

tie plate

(米)

216

アンチクリーパ

レールのふく進を抑制するためにレールに取り付ける金
具[JIS E 1111 参照]

anti creeper,

rail anchor

217

レール締結装置

レールを,まくらぎ,スラブなどに締着する装置の総称。 rail

fastening

218

軌道パッド

レールとタイプレートの間,タイプレートとまくらぎの間

などに挿入する弾性体[JIS E 1117 参照]

track pad

219

可変パッド

スラブ軌道などで,微小なレール面高さを任意に整正する

ためのパッキン。

adjustable pad

220

まくらぎ

レールを支え,荷重を道床などに分布させる部材。使用目
的によって並まくらぎ,橋まくらぎ,分岐まくらぎ,短ま

くらぎ,縦まくらぎなど,また,材質によって木まくらぎ,

PC

まくらぎ,鉄まくらぎ,合成まくらぎなどがある。

sleeper

(英)

tie

(米)

221

チョック

曲線部のレールの小返りなどを防止するために,レールの
外側に取り付ける部材。

chock,

rail brace

222

はさみ木

寒冷地で道床バラストの凍上によって生じた水準,高低の

不整を直すため,レールとまくらぎの間に挿入する板材。

packing,

shim

223

道床

レール又はまくらぎを支持し,荷重を路盤に分布する軌道

の部分。バラスト,コンクリートなどを用いたものがある。

track bed

224

砕石

石材を砕いて,所定の粒度に整えた道床材料。 crushed

stone

225

ふるい砂利

天然砂利をふるい分けて,所定の粒度に整えた道床材料と
しての砂利。

screened gravel

226

道床厚

(どうしょうあつ)

レール直下のまくらぎ下面での道床の厚さ。曲線部でカン

トのある場合は内軌レール直下での厚さ。

ballast depth

227

道床肩幅

まくらぎ端から道床のり(法)肩(のりかた)までの距離。

  ballast shoulder width

228

舗装軌道

バラスト軌道において,バラスト中にアスファルトなどを
注入して表面を舗装した構造の軌道。

paved track

229

レール溶接

ロングレール化などのため,レールを溶接すること(溶接
種別としては,ガス圧接,フラッシュバット溶接,エンク
ローズドアーク溶接,テルミット溶接がある)

rail welding


4

E 1001 : 2001

c)

検査

番号

用語

定義

対応英語(参考)

301

保線

鉄道線路を保守する業務の総称。 track

maintenance

302

軌道狂い

軌道の軌間,水準,通り,高低などの狂いの総称。列車荷
重が作用していないときのものを静的狂い,列車荷重が作

用しているときのものを動的狂いと呼ぶ。

track irregularity

303

軌間狂い

所定の軌間に対する差位。 gauge

irregularity

304

水準狂い

左右レールの高さの差。カントがある場合は設定カント量
との差。

cross level irregularity

305

高低狂い

レールの長手方向の上下の変位。 longitudina level

irregularity

306

通り狂い

レールの長手方向の左右の変位。 alignment

irregularity

307

複合狂い

水準狂いと通り狂いが逆位相で存在する軌道狂い。 compound

irregularity

308

平面性狂い

一定区間における水準の変化量。 twist

irregularity

309

軌道狂い指数

一定区間の軌道狂いの状態を表す指数。

track irregularity index

310

噴泥

(ふんでい)

路盤又は道床内の石粉,土砂などが水と混ざって道床表面

に噴き出る現象。

mud pumping

311

継目落ち

継目部のレール頭頂面の落ち込み。 joint

depression

312

継目折れ

レール継目部の前後のレールの左右方向の折れ。 kinked

join

crooked joint

313

レール小返り

車輪荷重によってレールが傾く現象。 rail

tilting

314

レールふく進

レールが長手方向へ移動する現象。 rail

creep

315

レール伸縮

レールが温度の変化によって伸び縮みする現象。

rail expantion and

contraction

316

レール波状摩耗

レール頭頂面の長手方向に波形に発生する摩耗。 rail

corrugation

317

レール損傷

列車及び車両の通過に伴い生じるレールのきず又は折損
{破端,横裂(おうれつ)

,縦裂(じゅうれつ)

,水平裂,

空転きずなどがある}

rail failures

318

レールフロー

レール頭頂部が列車荷重によって塑性変形して,レール頭
側面又は端面にはみ出したもの。

rail flow

319

レールシェリング

レール損傷のうち,レールと車輪とのころがり接触疲労に
よってレール頭部に生じるきず。

rail shelling

d)

保線作業

番号

用語

定義

対応英語(参考)

401

保守間合

保守作業などのために,あらかじめ列車ダイヤ上に設定さ

れた列車と列車の間の時間。

track maintenance

window

402

レール矯正

レールに生じた縦又は横方向の曲がりを直すこと。

straightening of rail

403

ロ ン グ レ ー ル 設 定

ロングレールの設定温度,伸縮継目の位置などを適正にす
るために,レール締結装置を緩め,所定の状態にして再締
結すること。

resetting,

refastening down

404

レール探傷

レールのきずの有無や大小を測定すること。

rail flaw detection

405

レール削正

レール頭頂面や側面の凹凸を滑らかに削ること。 rail

grinding

406

レール振替

敷設してある左右のレールを入れ替えること。 rail

transferring

(英)

rail transposing

(米)

407

曲線整正

曲線の曲率の不整を直すこと。 curve

adjusting

408

軌道こう上

道床厚増加などによって,レール面の高さを高くするこ

と。

raising of track

409

道床つき固め

まくらぎ下の道床バラストをつき固めること。連続的なも
のを総つき固め,部分的なものをむら直しと呼ぶ。

tamping

410

道床ふるい分け

道床バラストをふるい分けて,その中に混入している土砂

ballast cleaning


5

E 1001 : 2001

を取り除くこと。

411

道床整理

道床の断面形状を所定の形に整えること。 ballast

trimming

e)

保線機械器具

番号

用語

定義

対応英語(参考)

501

軌道検測車

走行しながら軌道狂いなどを連続的に測定する車両。

track inspection car

502

横取装置

分岐器を用いないで,工事用車両などを他の軌道に移動さ

せる場合に用いる設備。

set-off equipment

503

標準ゲージ

軌間と水準とを測定する器具。 track

gauge

504

レール交換機

レールを取り替える機械。けん(牽)引式と自走式とがあ
る。

rail replacer

505

レール山越器

レールをつり上げ移動させるための器具。主としてレール

交換に用いられる。

over-raise rail shifter

506

レール切断機

レールをと(砥)石で切断する機械。 rail

saw

507

レール加熱器

ロングレール敷設又は設定替の際,レールを所定の設定温
度にするための加熱器具。

rail warmer

508

レール緊張器

ロングレール敷設又は設定替の際,レールに所定の伸張量
を与えるための器具。

rail tensor

509

遊間整正器

レール遊間を整正する器具。ねじ式,油圧式,衝撃式があ

る。

joint gap regulater

510

ボルト緊解機

締結ボルトなどを締めたり,緩めたりする動力レンチ。 power

wrench

511

まくらぎ交換機

まくらぎを取り替える機械。 sleeper

replacer

512

タイタンパ

道床バラストをつき固める手持ち式の機械。 tie

tamper

513

マ ル チ プ ル タ イ タ
ンパ

道床バラストを連続してつき固める大型機械。

multiple tie tamper

514

道床締め固め機

バラスト道床の表面を締め固める機械。 ballast

compactor

515

バ ラ ス ト レ ギ ュ レ
ータ

バラスト道床の形状を整正する機械。バラストのかき上
げ,かき込み,かきなら(均)し及び転圧機能を具備して

いる。

ballast regulator

516

バラストスイーパ

バラスト軌道の道床表面,まくらぎ上面及びレール締結部

のバラストを整理する機械。

ballast sweeper

517

道床交換機

道床バラストを取り替える機械。掘削機と新,旧バラスト
積載車とを併結した編成式のものと,掘削機能だけのもの

とがある。

ballast renewal machine

518

軌陸車

軌道上及び一般道路を走行できる保線作業用車。 road

railer

519

軌道モータカー

軌道上を自走できる巡回又は器材運搬用の車。 moto car

520

トロ

軌道上を手押し又は軌道モータカーに連結して,器材運搬

に用いる 4 輪車。

push car

521

ジャッキ

軌きょうこう上などに用いる器具。大型のものをトラック
ジャッキ,小型のものをレールジャッキ又は豆ジャッキと

呼ぶ。

jack

f)

軌道強度

番号

用語

定義

対応英語(参考)

601

道床抵抗力

バラスト道床中のまくらぎが水平移動するときに生じる
抵抗力。軌道と直角方向のものを横抵抗力,軌道方向のも

のを縦抵抗力と呼ぶ。

ballast resistance

602

レール設定温度

ロングレールを敷設緊締したときのレール温度。 neutral

temperature

603

レール軸力

レール内に蓄積されるレールの長手方向の力。

axial force of rail

604

座屈強度

軌道が座屈(張出しともいう。

)に耐える強度。 buckling

strength

605

通過トン数

ある区間を通過した車両の累積トン数。 passing

tonnage

606

軸重

一軸における左右輪重の和[JIS E 4001 参照]

。 axle

load


6

E 1001 : 2001

607

輪重

軌道に及ぼす各車輪ごとの垂直方向の力[JIS E 4001 
照]

wheel load

608

横圧 
(おうあつ)

車輪とレールとの間に働く車軸方向の力[JIS E 4001 
照]

lateral force

609

脱線係数

脱線に対する走行安全性の評価指標で,横圧を輪重で除し
た値[JIS E 4001 参照]

derailment coefficient


7

E 1001 : 2001

JIS E 1001

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

内  田  雅  夫

財団法人鉄道総合研究所軌道技術開発推進部

(分科会委員長)

高  井  秀  之

財団法人鉄道総合研究所軌道技術開発推進部

穐  山  貞  治

経済産業省産業技術環境局

白  取  健  治

国土交通省鉄道局

橋  本      進

財団法人日本規格協会

高  野  裕  一

東日本旅客鉄道株式会社設備部

近  藤  邦  弘

東海旅客鉄道株式会社技術本部

山  本  章  義

西日本旅客鉄道株式会社施設部

岩  佐      誠

小田急鉄道株式会社工務部

廉  林  光  夫

南海電鉄株式会社工務部

高  野  厚  義

鉄友工業株式会社

古  川  雅  昭

株式会社ミツテック

上  田  隆  三

日本機械保線株式会社

渡  邊  和  義

興和化成株式会社

(分科会委員)

池  川  澄  夫

工業技術院標準部

綱  島  和  憲

国土交通省鉄道局

阿  部  則  次

財団法人鉄道総合技術研究所軌道技術開発推進部

小山内  政  廣

東日本旅客鉄道株式会社設備部

風  間      豊

東海旅客鉄道株式会社技術本部

武  上  康  介

西日本旅客鉄道株式会社施設部

(事務局)

森  下      正

社団法人日本鉄道施設協会

柿  澤      實

社団法人日本鉄道施設協会

備考  ○:本委員会,分科会兼務の委員を示す。 

*:WG 委員を示す。