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D 9115:2017

1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

1

4  構成及び部品

4

5  安全性(性能,構造及び形状・寸法を含む。

4

5.1  一般

4

5.2  ブレーキ

4

5.3  操縦部

4

5.4  フレーム

4

5.5  前ホーク

4

5.6  車輪(一体車輪も含む。

4

5.7  クイックレリーズ装置

4

5.8  タイヤ及びチューブ

4

5.9  駆動部

4

5.10  サドル

4

5.11  保護装置

4

5.12  照明装置及びリフレクタ

4

5.13  警音器

4

5.14  錠

5

5.15  スタンド

5

5.16  リヤキャリヤ及びフレームの静的強度

5

5.17  駆動補助装置

5

5.18  組電池

5

5.19  充電器

5

6  製品の設計における要求事項

5

7  外観

6

8  試験方法

6

8.1  バッテリーランプの点灯持続時間及び光度

6

8.2  駆動補助装置の強度試験

6

8.3  耐振性試験

6

9  検査

7

10  表示

7

11  取扱説明書

7

附属書 A(規定)人の力を補う原動機の基準

8


D 9115:2017  目次

2)

ページ

附属書 B(規定)原動機の基準の細目及び時間応答性の基準

9

附属書 C(規定)製品の設計における要求事項

15

附属書 D(規定)一充電当たりの走行距離の測定・表示方法

18


D 9115:2017

3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第

14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人自転

車産業振興協会(

JBPI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規

格である。

これによって,JIS D 9115:2013 は改正されこの規格に置き換えられ,また,JIS D 9207:2000 は廃止され,

この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 D

9115

2017

電動アシスト自転車

Electric power assisted bicycles

序文

この規格は,平成

21 年に制定され,その後,平成 25 年の改正を経て今日に至っている。

現在,電動アシスト自転車は,国・地域ごとに機能・構造・性能が大きく異なる製品が存在しているが,

我が国における“電動アシスト自転車”の安全性及び利便性の確保を図るため,安全要求事項,試験方法,

設計における要求事項などを標準化することによって,利害関係者の相互理解を深めることを目的として

改正した日本工業規格である。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,JIS D 9111 の表 1(分類)で分類される電動アシスト自転車について規定する。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0920  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

JIS C 8702-1  小形制御弁式鉛蓄電池-第 1 部:一般要求事項,機能特性及び試験方法

JIS C 8702-3  小形制御弁式鉛蓄電池-第 3 部:電気機器への使用に際しての安全性

JIS C 8712  ポータブル機器用二次電池(密閉型小型二次電池)の安全性

JIS C 9335-1  家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第 1 部:通則

JIS C 9335-2-29  家庭用及びこれに類する電気機器の安全性-第 2-29 部:バッテリチャージャの個別

要求事項

JIS C 9502  自転車用灯火装置

JIS C 60050-161  EMC に関する IEV 用語

JIS D 9111  自転車-分類,用語及び諸元

JIS D 9301  一般用自転車

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60050-161JIS D 9111 及び JIS D 9301 によるほか,次に

よる。

3.1

通常の自転車


2

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電動機によって人の力を補う装置をもたない自転車。

3.2

クランク回転出力(

power of pedal cranking)

乗員のペダリングによって発生するクランク軸回転出力。

3.3

駆動補助出力(

assisted driving power)

電動機が駆動輪に与える回転出力。

3.4

駆動補助装置(

power assisting system)

電動機などからなる駆動部,制御部,踏力検出部及び電源部によって構成され,駆動補助出力を発生さ

せる装置。

3.5

駆動補助比率(

ratio of power assistance)

クランク回転出力に対する駆動補助出力の比率。

3.6

駆動補助機能(

functions for power assistance)

駆動補助装置によって,設定された駆動補助比率に制御された駆動補助出力を発生させる機能。

3.7

駆動補助終止(

stop of power assistance)

組電池の放電を終了させる制御条件のうち,駆動補助に係る電池出力電流を停止させる状態。

3.8

シャーシダイナモメータ(

chassis dynamometer)

駆動輪をローラ上に設置して,ローラ回転軸に伝わる駆動トルク及びローラ回転数から駆動出力を測定

する装置。

3.9

電池(

secondary cell)

電動アシスト自転車の電源として装備される二次電池。

3.10

組電池(

secondary battery)

電池を用いて組み立てられた電動アシスト自転車の電源装置。

3.11

バッテリーランプ(

battery lamp)

組電池を電源として用いる灯火装置(前照灯及び尾灯)。

3.12

充電器(

battery charger)

電動アシスト自転車に内蔵又は附属した,組電池を充電する装置。

3.13

人こ(漕)ぎ入力(

pedaling input)

シャーシダイナモメータ上の電動アシスト自転車に人が乗車し,ペダルを足でこぐことによって,駆動

補助装置を駆動させる方法。


3

D 9115:2017

3.14

パターン走行(

pattern running)

シャーシダイナモメータ上で,ある走行パターンに基づいて,電動アシスト自転車を走行させること。

3.15

電子負荷装置(

electronic load device)

定電流,定電圧,定電力などで組電池を放電させ,組電池の容量を計測するための装置。

3.16

環境負荷物質(

substances of concern)

製品への使用などが規制されているアスベスト,六価クロム,ポリ臭素化ビフェニル(

PBB),ポリ臭素

化ジフェニルエーテル(

PBDE),カドミウム,水銀,鉛などの物質。

注記

  労働安全衛生法,土壌汚染対策法,大気汚染防止法,化学物質の審査及び製造等の規制に関す

る法律などの国内法規,欧州議会による

RoHS 指令などがある。

3.17

一充電当たりの走行距離(

travel distance per charge)

電動アシスト自転車に装備する組電池を附属の充電器によって満充電にして,これを電動アシスト自転

車に用いてシャーシダイナモメータ上で駆動したとき,アシスト機能が持続して走行できる距離。

3.18

等価慣性質量(

equivalent inertia mass)

電動アシスト自転車へ人員が乗って路上を走行するときに発生する慣性力を,シャーシダイナモメータ

上で模擬するために必要な質量。この質量はシャーシダイナモメータのローラに取り付けるフライホイー

ルによって調整する。

3.19

パターン放電(

pattern discharge)

ある規定のパターンで,組電池を放電させること。

3.20

満充電(

full charge)

製造業者の指定する充電器で充電停止条件まで,組電池が充電された状態。

3.21

パターン放電装置(

pattern discharge device)

規定の又は読み込んだ電流パターンで組電池を放電させ,組電池の容量を計測するための装置。電子負

荷装置を組み込んだシステム。

3.22

I

t

電池の放電電流の大きさを表す数値であり,組電池の定格容量を

C

5

 Ah としたとき,次の式で表される

数値。単位はアンペア(

A)。

I

t

 A=C

5

 Ah/1h

3.23

消費電池容量(

discharge capacity of the battery)

パターン走行又はパターン放電で,組電池が放電した容量。単位はアンペアアワー(

Ah)。


4

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3.24

消費電力量(

discharge power of the battery)

パターン走行又は放電で,組電池が消費した電力量。単位はワットアワー(

Wh)。

4

構成及び部品

駆動補助装置,組電池,充電器及び JIS D 9301 の箇条 4(構成及び部品)のほか,JIS D 9111 による。

5

安全性(性能,構造及び形状・寸法を含む。)

5.1

一般

JIS D 9301 の 5.1(一般)による。

5.2

ブレーキ

JIS D 9301 の 5.2(ブレーキ)による。

5.3

操縦部

JIS D 9301 の 5.3(操縦部)による。

5.4

フレーム

JIS D 9301 の 5.4(フレーム)による。

5.5

前ホーク

JIS D 9301 の 5.5(前ホーク)による。

5.6

車輪(一体車輪も含む。)

JIS D 9301 の 5.6[車輪(一体車輪も含む)

]による。

5.7

クイックレリーズ装置

JIS D 9301 の 5.7(クイックレリーズ装置)による。

5.8

タイヤ及びチューブ

JIS D 9301 の 5.8(タイヤ及びチューブ)による。

5.9

駆動部

JIS D 9301 の 5.9(駆動部)による。

5.10  サドル

JIS D 9301 の 5.10(サドル)による。

5.11  保護装置

JIS D 9301 の 5.11(保護装置)による。

5.12  照明装置及びリフレクタ

5.12.1  一般

照明装置及びリフレクタは,JIS D 9301 の 5.12(照明装置及びリフレクタ)によるほか,5.12.2 による。

なお,バッテリーランプを電動アシスト自転車の灯火装置として用いる場合は,JIS C 9502 に規定して

いる項目のうち,前照灯及び尾灯だけで試験可能な項目について適用する。

5.12.2  バッテリーランプ

バッテリーランプは 8.1 の試験を行ったとき,駆動補助終止から 15 分間以上,JIS C 9502 の 6.1.1.1(配

光特性)及び/又は 6.2.1(尾灯の光度)に規定する光度を保って,点灯を持続しなければならない。

5.13  警音器

JIS D 9301 の 5.13(警音器)による。


5

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5.14  錠

JIS D 9301 の 5.14(錠)による。

5.15  スタンド

JIS D 9301 の 5.15(スタンド)による。

5.16  リヤキャリヤ及びフレームの静的強度

JIS D 9301 の 5.16(リヤキャリヤ及びフレームの静的強度)による。

5.17  駆動補助装置

5.17.1  駆動補助装置の強度

駆動補助装置の駆動部のハウジングなどがフレームの一部を兼ねる場合,8.2 の試験を行ったとき,各部

に破損,著しい変形及びゆがみが生じてはならない。

5.17.2  駆動補助出力

5.17.2.1  駆動補助比率

走行速度に対応する駆動補助比率は,B.2.2 の試験を行ったとき,A.2 の b)の規定を満たさなければなら

ない。

5.17.2.2  駆動補助機能

駆動補助機能は,A.3 の規定を満たさなければならない。また,B.3 の試験を行ったとき,次に示す要件

を満たさなければならない。

クランク回転出力がゼロとなった場合,及び走行速度が A.2 の c)に規定する上限速度,又はその上限速

度の範囲内で設定された駆動補助機能停止速度になった場合,電動機による駆動補助出力を発生しない。

5.17.3  改造の防止措置

A.2 の d)及び B.2.3 の規定を満たさなければならない。

5.17.4  耐水性

耐水性は,JIS C 0920 の保護等級 4(防まつ形)の耐水試験を行ったとき,電気回路などに異常がなく,

試験直後及び

12 時間以上放置後でも A.3 の規定を満たさなければならない。

5.17.5  耐振性

耐振性は,8.3 の試験を行ったとき,駆動補助装置の各部に異常な音響,緩み,破損,断線及び変形など

がなく,再度車両として組み付けたときに,A.3 の規定を満たさなければならない。

5.18  組電池

組電池に用いる電池は,次による。

鉛電池は,JIS C 8702-1 及び JIS C 8702-3 の要求事項を満たす電池とし,その他の電池は,JIS C 8712

の要求事項を満たさなければならない。

注記

  電気用品安全法施行令(昭和 37 年 8 月 14 日政令第 324 号)の対象となるリチウムイオン蓄電

池は,電気用品の技術上の基準を定める省令(平成

25 年 7 月 1 日経済産業省令第 34 号)(以下,

“省令”という。)が適用される。

5.19  充電器

充電器は,JIS C 9335-1 及び JIS C 9335-2-29 による。

注記

  充電器には,省令が適用される。

6

製品の設計における要求事項

箇条 の要求事項によるほか,製品の設計における要求事項は,附属書 による。


6

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7

外観

JIS D 9301 の箇条 6(外観)による。

8

試験方法

8.1

バッテリーランプの点灯持続時間及び光度

バッテリーランプの点灯持続時間及び光度は,次による。

a)  D.2.2 で示す人こぎ入力によるパターン走行の条件及び測定準備の下で D.2.3.1 又は D.2.4.1 の試験方法

によって,D.3 の a)の標準パターンを走行したときの電池平均電流を用いて,組電池を電子負荷装置

に接続し,駆動補助終止の条件まで放電させる。

b)  駆動補助終止の組電池に,バッテリーランプ及び駆動補助装置を接続した状態で,駆動補助終止から

15 分間以上バッテリーランプを点灯させ,電池電圧を測定する。測定時の試験室内の環境温度は 20  ℃

±

5  ℃とする。

c)

b)で測定した電池電圧を用いて,JIS C 9502 の 6.1.1.1 で規定する前照灯又は 6.2.1 で規定する尾灯の

光度を測定する。

8.2

駆動補助装置の強度試験

図 のようなフレーム相当のジグ又はフレームに当該部分を取り付け,片側のペダル軸中央に下向き

1 400  N の力を,右左で交互に 75 000 回(左右合わせて 150 000 回),又は右に 75 000 回,次に左 75 000

回合わせて

150 000 回負荷する。

図 1-駆動補助装置の強度試験

8.3

耐振性試験

耐振性は,駆動補助装置の各部位のうち,前ホークに取り付けられる構造のものは前ホーク又は代用の

ジグに,フレーム体に取り付けられる構造のものはフレーム体又は代用のジグにそれぞれ取り付け,前ホ

ーク,フレーム体又は代用のジグを車両としての取付け姿勢(角度)を保って,振動試験機に取り付けた

状態で,表 の振動試験を行う。

表 1-耐振性試験条件

項目

試験条件

振動数

 9

Hz~11 Hz の間

加振部の加速度(上下方向)

20 m/s

2

試験時間

2 時間


7

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9

検査

JIS D 9301 の箇条 8(検査)によるほか,駆動補助装置,組電池及び充電器について行う。

10  表示

JIS D 9301 の箇条 9(表示)による。

注記 1  国家公安委員会の型式認定を得た製品は,国家公安委員会が指定した型式認定番号,製品の

製作などの時期又は時期を表す略号を表示する。

注記 2  充電器は,

“電気用品安全法施行規則(昭和

37 年 8 月 14 日通商産業省令第 84 号)第 17 条の

1 の 1”で定める事項を表示する。

注記 3  電気用品安全法施行令の対象となるリチウムイオン蓄電池は,“電気用品安全法施行規則  第

17 条の 1 の 2”で定める事項を表示する。

11  取扱説明書

JIS D 9301 の箇条 10(取扱説明書)によるほか,次による。

a)  乗車・降車時の注意。

b)  一充電当たりの走行距離及び測定条件(附属書 による。

)。

なお,この規格の附属書 によって測定したことを表示する。

c)

組電池の充電及び充電器の取扱方法。充電器の取扱説明書は,車両本体の取扱説明書と共通でもよい。

d)  劣化組電池交換時の注意及び使用済み組電池のリサイクルに関する説明。

e)

電源スイッチの操作方法。

f)

組電池残量表示についての説明。

g)  その他,必要な説明事項及び注意事項。


8

D 9115:2017

附属書 A

(規定)

人の力を補う原動機の基準

A.1

概要

この附属書は,道路交通法施行規則(昭和

35 年総理府令第 60 号)第 1 条の 3 に定められた基準と同等

の内容である。

“原動機を用いて人の力を補う力”は,規格本文にて定義されている“駆動補助出力”と同義である。

“人の力に対する原動機を用いて原動機を用いて人の力を補う力の比率”は,規格本文にて定義されて

いる“駆動補助比率”と同義である。

“原動機を用いて人の力を補う機能”は,規格本文にて定義されている“駆動補助機能”と同義である。

A.2

人の力を補うために用いる原動機が,次のいずれにも該当するものとする。

a)  電動機とする。

b) 24

km/h 未満の速度で自転車を走行させることとなる場合において,人の力に対する原動機を用いて

人の力を補う力の比率が,次の 1)  又は 2)  に掲げる速度の区分に応じ,それぞれ 1)  又は 2)  に定める

数値以下とする。

1) 10

km/h 未満の速度の場合は 2 とする。

2) 10

km/h 以上,24 km/h 未満の速度の場合は,走行速度をキロメートル毎時(km/h)で表した数値か

10 を減じて得た数値を 7 で除したものを 2 から減じた数値とする。

c) 24

km/h 以上の速度で自転車を走行させることとなる場合において,原動機を用いて人の力を補う力

が加わらないものとする。

d)  a)~c)  のいずれにも該当する原動機については,a)~c)  のいずれかに該当しないものに改造すること

が容易でない構造とする。

A.3

電動アシスト自転車は,原動機を用いて人の力を補う機能が円滑に働き,かつ,当該機能が働くこ

とによって安全な運転の確保に支障を生じるおそれがあってはならない。


9

D 9115:2017

附属書 B

(規定)

原動機の基準の細目及び時間応答性の基準

B.1

概要

この附属書は,原動機の基準の細目及び時間応答性の基準について規定するもので,平成

20 年 10 月 15

日付警察庁交通局長通達(警察庁丙交企発第

134 号)の別添 3 に定められた国家公安委員会が行う駆動補

助機付自転車(以下,車両という。)の型式認定基準と同等の内容である。

“駆動補助機付自転車”及び“駆動補助力付自転車”は,規格本文にて定義されている“電動アシスト

自転車”と同義である。

“駆動補助力の比率”は,規格本文にて定義されている“駆動補助比率”と同義である。

“シャーシ”は,規格本文にて定義されている“シャーシダイナモメータ”と同義である。

B.2

原動機の基準

B.2.1

一般事項

電動機以外の原動機を備えていないことを確認する。

B.2.2

駆動補助力の比率

B.2.2.1

検査条件

検査を行う車両,電源及び計測機の条件は,次のとおりとする。

a)  車両の準備及び整備  検査に先立ち十分なすり合わせ運転を行っておき,検査開始前に本来の用い方

によって運転することが可能な状態に整備しておく。特に,タイヤ空気圧及びチェーンの張りが,車

両の定められた整備基準に基づき整備されているものとする。

b)  電源

1)  定電圧電源を使用する場合は,検査前に十分な調整をしておく。

2)  バッテリーを使用する場合は,十分な充電をしておく。

c)

計測機  検査に先立ち十分なすり合わせ運転を行っておき,検査開始前に安定した運転が可能な状態

にしておく。シャーシのロス馬力については,検査ごとにその量を計測し,そのロス馬力を計測の結

果から計算で求めた車両の駆動出力に加えて補正するものとする。補正の量が求める量の

5 %以内で

あることを目安として計測機を選択する。

d)  タイヤ押し圧の設定  タイヤに適切な押し圧を加えるために,サドル上に 50 kg のダミー・ウエイト

を載せ,その質量がシャーシのローラ上に加わるように車両及び車両支持治具を設置する。

e)

変速装置  変速装置を有する車両については,駆動補助力の比率の範囲が最大となる変速位置におい

て検査する。

f)

検査に係る負荷の設定  表 B.1 の駆動補助力付自転車に係る駆動補助力の比率検査成績書に示すとお

り,設定条件

-1 及び設定条件-2 の走行速度及び車輪駆動力の目標値にそれぞれ負荷を設定する。


10

D 9115:2017

表 B.1-駆動補助力付自転車に係る駆動補助力の比率検査成績書

付表

駆動補助力付自転車に係る駆動補助力の比率検査成績書

クランク駆動装置:

規格値:

速度

10 未満  11   12   13    14    15   16    17   18    19   20    21   22   23

比率

 2.0    1.86  1.71  1.57  1.43  1.29  1.14  1.00  0.86  0.71  0.57  0.43  0.29  0.14

動力吸収装置:

変 速 装 置 位 置 :

計算方法:

タ イ ヤ 空 気 圧 :

P1=0.105×N×T P2'=0.278×V×F

ダ ミ ー ウ ェ イ ト 質 量 :

ローラ径:

P2=P2'+Pc1

α=(P2-P1)/P1

試験方法:

電流制御にて測定

検査

付加

設定

測定
番号

目標

走行

速度

 

km/h)

目標

車輪

駆動力

 

N)

クランク

入力

回転速度

(計測値)

N

min

-1

クランク

入力

トルク

(計測値)

T

N-m)

走行速度

 

(計測値)

V

km/h)

車輪駆動力

 

(計測値)

F

N)

クランク

回転出力

(計算値)

P1

W)

車両の

補正前

駆動出力

(計算値)

P2'

W)

シャーシの

ロス馬力

(計測値)

Pc1

W)

車両の

補正後

駆動出力

(計算値)

P2

W)

駆動補助力

の比率

(補助力/

踏力)

(計算値)

α

備  考

1

2

10

D 9

1

15

2017


11

D 9115:2017

B.2.2.2

測定方式及び計算式

測定方法及び計算式は,次による。

a)  測定事項,測定要領及び測定単位

1)  入力回転速度:N

  ペダルクランク駆動装置の回転速度を使用する。

  単位は min

1

で表し,小数第

1 位まで読み取る。

2)  入力トルク:T

  ペダルクランク駆動装置の軸トルクを使用する。

  単位はニュートンメートル(N・m)で表し,小数第 2 位まで読み取る。

3)  走行速度:V

  シャーシの走行速度を使用する。

  誤差が目標値の 5 パーセント(%)以下になるように設定する。

  単位はキロメートル毎時(km/h)で表し,小数第 1 位まで読み取る。

4)  車輪駆動力:F

  シャーシの動力計荷重から求めた駆動力を使用する。

  誤差が目標値の 5 パーセント(%)以下になるように設定する。

  単位はニュートン(N)で表し,整数位(小数第 1 位四捨五入)とする。

5)  シャーシのロス馬力:Pc1

  惰行試験又はモータ駆動の方法でシャーシのロス馬力を測定する。

  単位はワット(W)で表し,整数位(小数第 1 位四捨五入)とする。

b)  計算式

1)  クランク回転出力:P1

P1=0.105×N×T

ここに,

P1: クランク回転出力(W)

N: 入力回転速度(min

1

T: 入力トルク(N・m)

なお,単位はワット(

W)で表し,整数位(小数第 1 位四捨五入)とする。

2)  車両の補正前駆動出力:P2'

P2'=0.278×V×F

ここに,

  P2': 車両の補正前駆動出力(W)

V: 走行速度(km/h)

F: 車輪駆動力(N)

なお,単位はワット(

W)で表し,整数位(小数第 1 位四捨五入)とする。

3)  車両の補正後駆動出力:P2

P2P2'Pc1

ここに,

P2: 車両の補正後駆動出力(W)

P2': 車両の補正前駆動出力(W)

Pc1: シャーシのロス馬力(W)

なお,単位はワット(

W)で表し,整数位(小数第 1 位四捨五入)とする。

4)  駆動補助力の比率:

α

α=(P2P1)/P1

ここに,

α: 駆動補助力の比率


12

D 9115:2017

P1: クランク回転出力(W)

P2: 車両の補正後駆動出力(W)

なお,小数第

2 位(小数第 3 位四捨五入)までを表す。

B.2.2.3

駆動補助力の比率検査装置の概観図

駆動補助力の比率検査装置の概観図は,図 B.1 による。

図 B.1-駆動補助力の比率検査装置の概観図

人間がペダルをこぐ代わりに駆動用モータとトルク及び回転数検出器とで構成されるペダルクランク駆

動装置を用い,クランクに回転出力を入力し,その入力回転速度及び入力トルクを計測する。

一方,駆動輪をシャーシのローラに接地させ,シャーシの動力負荷吸収装置類で車両の走行速度及び車

輪駆動力を計測する。

B.2.2.4

検査負荷設定

検査を行う負荷設定は,次による。

a)  設定条件-1(表 B.2 及び表 B.3 を参照。

表 B.2-緩やかな上り勾配の走路を走行する場合の負荷状態

測定番号

目標走行速度

目標車輪駆動力

1

5 km/h

30 N

2

10 km/h

33 N

3

V1 km/h

F1 N

4

V2 km/h

F2 N

5

24 km/h

52 N

6

28 km/h

61 N

測定番号

3 及び測定番号 4 の点において,検査時に 11~23 km/h の間で任意に指定された V1 及び V2 

対する

F1 及び F2 は,表 B.3 による。


13

D 9115:2017

表 B.3-測定番号 及び測定番号 で任意に指定された目標走行速度に対する目標車輪駆動力

目標走行速度

目標車輪駆動力

11 km/h

34 N

12 km/h

35 N

13 km/h

36 N

14 km/h

37 N

15 km/h

38 N

16 km/h

40 N

17 km/h

41 N

18 km/h

42 N

19 km/h

44 N

20 km/h

45 N

21 km/h

47 N

22 km/h

49 N

23 km/h

50 N

b)  設定条件-2(表 B.4 及び表 B.5 を参照。

表 B.4-急な上り勾配の走路を走行する場合の負荷状態

測定番号

目標走行速度

目標車輪駆動力

7

5 km/h

55 N

8

10 km/h

58 N

9

V3 km/h

F3 N

10

V4 km/h

F4 N

11

24 km/h

77 N

12

28 km/h

85 N

測定番号

9 及び測定番号 10 の点において,検査時に 11~23 km/h の間で任意に指定された V3 及び V4

に対する

F3 及び F4 は,表 B.5 による。

表 B.5-測定番号 及び測定番号 10 で任意に指定された目標走行速度に対する目標車輪駆動力

目標走行速度

目標車輪駆動力

11 km/h

59 N

12 km/h

60 N

13 km/h

61 N

14 km/h

62 N

15 km/h

63 N

16 km/h

64 N

17 km/h

65 N

18 km/h

67 N

19 km/h

68 N

20 km/h

70 N

21 km/h

72 N

22 km/h

73 N

23 km/h

75 N

B.2.2.5

検査手順

この検査は車両をシャーシ台上に載せ,車両のペダルクランクを外部のペダルクランク駆動装置と接続


14

D 9115:2017

し,設定条件

-1,設定条件-2 の順に次の手順で検査を行う。

a)  定電圧電源の出力電圧を定格電圧に合わせる。

b)  検査車両の駆動補助装置のスイッチを入れる。

c)

クランク駆動装置を始動し,走行速度を目標値に合わせる。

d)  シャーシの動力吸収負荷を増加させ,車輪駆動力を目標値に合わせる。

e)

走行速度,車輪駆動力がそれぞれ目標値の許容範囲に入っていることを確認する。

f)

各測定事項を,表 B.1 の駆動補助力付自転車に係る駆動補助力の比率検査成績書に記録する。

g)  設定条件-1 及び設定条件-2 による検査後,シャーシのロス馬力の計測を行う。

h)  各計算式によって測定番号ごとに駆動補助力の比率を算出する。

B.2.3

改造の容易でない構造

改造の容易でない構造は,次による。

a)  電源スイッチ,人力及び車速の測定手段,電動モータ及びその制御手段並びにそれらを結ぶ配線類は

外部から容易に改造できない構造であるものとする。

b)  市販部品と交換することによって,容易に A.2 b)  の基準を超えるような改造のできない構造であるも

のとする。

以上については,書面による確認,分解検査などによって行うものとする。

B.3

時間応答性の基準

B.3.1

基準に係る検査

基準に係る検査は,次による。

a)  検査条件

1)  車両の準備及び整備  検査に先立ち十分なすり合わせ運転を行っておき,検査開始前に本来の用い

方によって運転することが可能な状態に整備しておく。

2)  乗員などの質量  乗員体重も含め 50~80 kg の範囲で検査する。

3)  走路  平たん(坦)路及び登坂路(勾配は 2°~4°)において検査する。

b)  測定方法

1)  検査事項

  運転操作  一般の自転車と同様な運転操作であることを確認する。

  ペダリング感覚  一般の自転車と同様なペダリング感覚であることを確認する。

2)  検査要領  発進,加速,定常,減速,惰行及び停止の各運転態様を組み合わせて走行し,各運転態

様のつながり,時間応答性の速やかさ,短時間でも自走しないこと及び制動装置によって安全かつ

確実に停止できることを確認する。

c)

検査手順  次の手順で運転操作及びペダリング感覚の検査を行う。

1)  停止した状態からの発進

2) 10

km/h 未満の速度の走行

3) 10

km/h 以上 24 km/h 未満の速度の走行

4) 24

km/h 以上の速度の走行


15

D 9115:2017

附属書 C 
(規定)

製品の設計における要求事項

C.1

概要

この附属書は,電動アシスト自転車の安全性及び利便性を確保するために必要な,設計上の要件を規定

したものである。

C.2

駆動補助装置

C.2.1

基本構造及び運転操作方法

電動アシスト自転車の基本構造及び運転操作方法は,駆動補助装置を除き,通常の自転車とおおむね同

じであることが望ましい。

駆動補助装置が働くことによって,安全な運転の確保に支障が生じるおそれがない構造でなければなら

ない。

C.2.2

駆動補助出力

駆動補助出力は,次による。

a)  人力によるクランク回転出力を検知する装置,電動機の出力を正確に制御する装置などを備え,附属

書 に規定する走行速度及び駆動補助比率に関する基準を逸脱しないよう管理できる構造とする。

b)  経年変化によって駆動補助比率などが,附属書 に規定する基準を逸脱しない構造とする。

c)

人力によるクランク回転出力に対して電動機が速やかに応答し,クランク回転出力に応じて電動機の

出力が滑らかに増減することによって,人の力を補う機能が円滑に働き,安全な運転の確保に支障が

生じるおそれがない構造とする。

d)  走行する道路の勾配,積載重量の大きさなどによる乗員のペダリング運動負荷,体力的状態などに応

じて,駆動補助比率を選択又は自動調整できる構造であることが望ましい。

C.2.3

部品の強度

図 C.1 の駆動補助装置の種類(クランク軸上合力発生一体型,後車軸合力発生型,人力・電動力別車輪

発生型,モータ別体後輪駆動方式など)に応じて,駆動補助力の増加分を考慮した十分な強度及び耐久性

を確保しなければならない。

その他,電動アシスト自転車に使用する部品で,使用用途及び構造によって通常の自転車より多くの負

荷がかかると想定されるものについては,十分な強度及び耐久性を確保しなければならない。

C.3

異常・故障時の措置

駆動補助装置は,駆動補助装置の異常など検知した場合に,自動的に停止するなどの機能を組み込む。

C.4

駆動補助装置の電源

車両が一定以上の時間使用されない場合には,自動的に電源を遮断する構造であることが望ましい。

C.5

電気ケーブル及び接続部品

電気ケーブル及び接続部品は,次による。


16

D 9115:2017

a)  電気回路の配線などは,設定された最大電流の通電によって,異常な発熱などによる支障を生じては

ならない。

b)  電気回路の配線などは,降雨にさらされても駆動補助機能に支障を生じてはならない。

C.6

組電池

組電池は,次による。

a)  組電池は,充電器と車両との組合せにおいて安全性及び適合性が確認され,過充電,異常な発熱及び

短絡の防止機構が織り込まれていなければならない。

b)  組電池は,車両に取り付けられた状態で外郭が降雨にさらされても内部の配線などが電気的に支障を

生じない防水性,耐湿性及び耐食性をもつとともに,異常な発熱などによる支障を生じてはならない。

c)

組電池は,施錠装置を伴う構造で車両に搭載されることが望ましい。

d)  組電池の残量を表示する機能を備えなければならない。

C.7

充電器

充電器は,次による。

a)  組電池が電動アシスト自転車から取り外された状態で充電を行う構造の場合,充電器は,組電池との

組合せにおいて安全性及び適合性が確認され,過充電,異常な発熱及び短絡の防止機構が織り込まれ

ていなければならない。

b)  組電池が電動アシスト自転車に内蔵又は搭載された状態で充電を行う構造の場合,充電器は,組電池

と車両との組合せにおいて安全性及び適合性が確認され,過充電,異常な発熱及び短絡の防止機構が

織り込まれていなければならない。

C.8

電磁両立性

充電器は,通常の使用環境において正常な機能を維持するイミュニティ(妨害に対する)を確保し,過

度な電磁妨害を発しない構造としなければならない。

車両は,通常の使用環境において正常な機能を維持するイミュニティ(妨害に対する)を確保し,過度

な電磁妨害を発しない構造とすることが望ましい。

注記

  充電器には,省令が適用される。

C.9

資源の有効利用などへの配慮

製品の構成部品及び使用材料については,製品及び部品の長寿命化,再利用の容易化,省資源化並びに

環境負荷物質の使用回避又は減量に配慮しなければならない。

使用済み電池のリサイクル処理のため,廃棄時に車両から組電池を容易に取り外しできる構造とする。

製品に使用する組電池は,産業廃棄物となった使用済み電池の回収,保管,運搬及びリサイクル処理の体

制が整えられた電池製造・輸入業者が供給する製品を用いる。

C.10  リスクアセスメントによる設計

製造業者は,最も適切なリスクアセスメント手法を確立し,適切なリスクアセスメントを実践すること

が望ましい。


17

D 9115:2017

後車軸合力発生型

(ハブモータ後輪駆動方式)

 

人力・電動力別車輪発生型

(ハブモータ前輪駆動方式)

 

クランク軸上合力発生一体型

(センターモータ駆動方式)

 

モータ別体後輪駆動方式

モータ,人力別軸チェーン合力一体式

モータ,人力同軸合力一体式

モータ,人力別軸クランク軸合力一体式

図 C.1-駆動補助装置の種類

駆動補助装置


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D 9115:2017

附属書 D 
(規定)

一充電当たりの走行距離の測定・表示方法

D.1

概要

この附属書は,一充電当たりの走行距離について,シャーシダイナモメータを用いた人こぎ入力によっ

て測定する方法及び表示方法について規定する。

D.2

一充電当たりの走行距離の測定方法

D.2.1

一般

一充電当たりの走行距離の測定方法のうち,D.2.3 及び D.2.4 は,装置に合わせてどちらで行ってもよい。

D.2.2

人こぎ入力によるパターン走行の条件及び測定準備

D.2.2.1  シャーシダイナモメータ

シャーシダイナモメータを,次の設定によって走行負荷として用いる。シャーシダイナモメータ及び人

こぎの概念図を図 D.1 に示す。

図 D.1-シャーシダイナモメータの概念図

a)  シャーシダイナモメータ及びその附属装置は,精度を確認したもので,シャーシダイナモメータの製

造業者の定める取扱要領に基づいて点検,整備及び校正されたものを用いる。

b)  シャーシダイナモメータに設定する等価慣性質量は,

測定に供する電動アシスト自転車の質量に

65 kg

(乗車人員の体重を想定した質量)を加えた質量の値に応じて,表 D.1 の標準値に設定する。


19

D 9115:2017

表 D.1-等価慣性質量の標準値

単位

kg

供試自転車の質量+

65

等価慣性質量の標準値

 73.75 超 ~ 76.25 以下 75 
 76.25 超 ~ 78.75 以下 77.5 
 78.75 超 ~ 81.25 以下 80 
 81.25 超 ~ 83.75 以下 82.5 
 83.75 超 ~ 86.25 以下 85 
 86.25 超 ~ 88.75 以下 87.5 
 88.75 超 ~ 91.25 以下 90 
 91.25 超 ~ 93.75 以下 92.5 
 93.75 超 ~ 96.25 以下 95 
 96.25 超 ~ 98.75 以下 97.5 
 98.75 超 ~ 101.25 以下 100 
 101.25 超 ~ 103.75 以下 102.5 
 103.75 超 ~ 106.25 以下 105 
 106.25 超 ~ 108.75 以下 107.5 
 108.75 超 ~ 111.25 以下 110

c)

シャーシダイナモメータから電動アシスト自転車の駆動輪に加える走行抵抗は,式

(D.1)によって算出

し,設定する。

FR+0.027V

2

9.8Wsinθ  (D.1)

ここに,

F: 走行抵抗(N)

V: 速度(km/h)

W: 等価慣性質量の標準値(kg)

θ: 登坂角度(°)

R: ころがり抵抗(N)。シャーシダイナモメータのローラ上に設

置しない車輪

1 本当たりのころがり抵抗を 2.6 とする。

 0.027: 空気抵抗係数

d)  測定前におけるシャーシダイナモメータの暖機運転は,等価慣性質量の設定をした後,電動アシスト

自転車を設置し,組電池を付けず,駆動補助なしで,

15 km/h で 30 分間以上行う。

D.2.2.2  乗員

パターン走行を行う乗員は,体重

65 kg 以上 70 kg 以下であり,かつ,D.2.2.4 のペダル入力を継続でき

る能力をもつ人とする。一連の測定の間,できる限り一人の乗員でパターン走行を行う。

乗員の体重が

65 kg に満たない場合は,電動アシスト自転車のサドル付近におもりを付けて,車載質量

(乗員とおもりとの合計)が

65 kg 以上 70 kg 以下になるように調整しなければならない。

D.2.2.3  測定条件,車両などの準備

測定条件,車両などの準備は,次による。

a)  試験室内の環境温度は,20  ℃±5  ℃とする。

b)  組電池は,新品又は新品と同等のものを用いる。

c)

ヘッドライトは,消灯状態とする。

d)  タイヤ空気圧,チェーン張りなどを,製造業者の定めた値に設定する。

e)

D.2.3.1 の測定を行う場合は,組電池出力端子と駆動装置との間の電線を延長して,電流検出装置(ク

ランプ式電流センサなど)を設置する。これを,波形記録分析装置(データアナライザ,アナライジ

ングレコーダなど)に接続する。電線は,電圧降下の影響ができる限り小さくなるものを用いる。


20

D 9115:2017

f)

D.2.4.1 の測定を行う場合は,組電池出力端子に電圧検出装置(電圧検出用電線)

,更に組電池出力端

子と駆動装置との間の電線を必要に応じて延長して,電流検出装置(クランプ式電流センサなど)を

取り付け,それぞれを波形記録分析装置に接続する。電線は,電圧降下の影響ができる限り小さくな

るものを用いる。

g)  シャーシダイナモメータ上に,試験に供する電動アシスト自転車を設置する。

h)  電動アシスト自転車の駆動装置に,走行速度に相当する冷却風を前面から与える。

D.2.2.4  シャーシダイナモメータでの走行

シャーシダイナモメータ上のパターン走行は,表 D.4 及び表 D.5 の走行パターンを,1 サイクル以上の

サイクル単位で走行する。また,表 D.6 の条件では,最低 1 km 以上走行する。

パターン走行は,次に示す手順で行う。

a)  D.2.3.1 の c)又は D.2.4.1 の c)までの方法で約 1/2 の容量にした組電池を電動アシスト自転車に装着す

る。

b)  乗員が電動アシスト自転車に乗り,スイッチを起動し,測定しようとする走行モードに設定する。

c)

変速装置を表 D.4 及び表 D.5 に示す変速段数に設定する。

d)  シャーシダイナモメータのローラ速度が表 D.4 及び表 D.5 の速度になるよう,ペダルをこぎ始める。

e)

停止後の発進は,

3 こぎ~4 こぎ又は 5 秒間程度で目標速度になるように加速する。

f)

平たん路及び上り坂では,速度変動を±

1 km/h 以下に抑えるよう一定のペースでペダルをこぐ。速度

変動が±

1 km/h を超えるときが全体の 10 %を超える場合は,そのデータを採用しない。

g)  停止の場合は,ペダリングを止め,制動装置を使って徐々に制動し,20 m 以下の停止距離で停止する。

h)  下り坂では,発進して目標速度になった後,制動装置で間欠的な制動を行い,±20 %以下の変動幅で

目標速度を維持する。ブレーキ温度が過度に高くなる場合は,

1 km の途中に数回の停止を入れて,ブ

レーキを冷却してもよい。

i)

変速は停止時に行う。走行しないと変速できない変速機(外装変速機など)の場合は,停止後電源を

切って,走行しながら変速を完了した後,停止して電源を入れ,再び発進する。

D.2.3

パターン走行時の消費電池容量及びパターン放電による電池容量の測定によって走行距離を求め

る方法

D.2.3.1  人こぎ入力による走行と消費電池容量の測定

シャーシダイナモメータ上でパターン走行を行い,消費電池容量を測定し,その時測定した電流波形を

用いてパターン放電装置で電池容量を測定する方法の手順を図 D.2 に示す。


21

D 9115:2017

図 D.2-パターン放電による電池容量の測定手順

シャーシダイナモメータ上でパターン走行を行い,電池出力電流及び消費電池容量を測定する方法につ

いては,次のように行う。

a)  電動アシスト自転車から組電池を外し,電子負荷装置に接続し,放電電流 1  I

t

  A で駆動補助終止条件

まで放電を行う。

b)  専用充電器で満充電まで充電する。充電後,満充電で 1 時間以上放置して冷却させる。

c)

1/2 の容量まで 1 I

t

 A の電子負荷装置で放電する。

d)  約 1/2 容量の組電池を電動アシスト自転車に取り付け,シャーシダイナモメータ上で,表 D.4 及び表

D.5 の場合は 1 サイクル以上サイクル単位で,表 D.6 の場合は最低 1 km,D.2.2.4 の要領で走行する。

1/2 容量から走行できる距離が表 D.4 若しくは表 D.5 で 1 サイクル又は表 D.6 で 1 km に満たない

場合は,

1 サイクル又は 1 km を走行できる容量から駆動補助終止までとする。この間,電流検出装置

及び波形記録分析装置で電池出力電流及び車速を測定・記録する。測定のサンプリング時間は

100 ms

以下とする。

記録した車速が D.2.2.4 f)の要件を満たさない箇所が 10 %を超えても,波形エディタなどで安定した

波形部分を取り出し,組み換え作成したものを使用してもよい。ただし,組み換える範囲は,全体の

40 %を超えてはならない。それ以上の範囲で D.2.2.4 f)の要件を満たさない場合は,そのデータを採用

しない。

ここで,標準パターンで走行した距離を

L

G

[単位:キロメートル(

km)]とする。L

G

は,

1 サイク

ルの場合

4 km,2 サイクルの場合 8 km となる。4°登坂連続パターンで走行した距離を L

U

[単位:キ

ロメートル(

km)]とする。L

U

の値は,小数点以下第

2 位を四捨五入する。

e)

d)で測定した電流値は,波形記録分析装置で積算処理を行い,走行した距離 L

G

又は

L

U

に対応する消

費電池容量を算出する。回生充電機能をもつ車両の場合は,充電した電池容量を負の値として,消費

電池容量を合計する。


22

D 9115:2017

ここで,標準又は低速パターンの消費電池容量を

C

G

[単位:アンペアアワー(

Ah)],4°登坂連続

パターンの消費電池容量を

C

U

[単位:アンペアアワー(

Ah)]とする。C

G

及び

C

U

の値は,小数点以

下第

3 位を四捨五入する。

D.2.3.2  パターン放電による電池容量の測定

D.2.3.1 の d)で記録した電池出力電流を使って,パターン放電で電池容量を測定する手順は次による。

a)  専用充電器を用いて充電停止になるまで充電する。

b)  満充電になった組電池を,1 時間以上放置して冷却させる。

c)

組電池にパターン放電装置を接続し,標準又は低速パターンの電流波形で,製造業者が指定した駆動

補助終止条件になるまで放電する。このときの消費電池容量を,電池容量

C

B

[単位:アンペアアワー

Ah)]とする。

D.2.3.3  一充電当たりの走行距離の算出

D.2.3.1 及び D.2.3.2 の測定値を用いて,表 D.2 のように一充電当たりの走行距離(km)を算出する。走

行距離の計算値は,小数点以下第

1 位を四捨五入する。ただし,走行距離の計算値が 10 km 未満の場合は,

小数点以下第

2 位を四捨五入する。

表 D.2-一充電当たりの走行距離の計算(パターン放電による場合)

走行パターンの種類

記号

走行距離の計算式

標準

低速

D

G

G

G

B

G

L

C

C

D

×

=

4°登坂連続

D

U

U

U

B

U

L

C

C

D

×

=

D.2.4

パターン走行時の消費電力量及び定電力放電による電池電力量の測定によって走行距離を求める

方法

D.2.4.1  人こぎ入力による走行と消費電力量の測定

シャーシダイナモメータ上でのパターン走行時の消費電力量及び電子負荷装置を使って満充電からの電

力量を測定する手順を,図 D.3 に示す。この方法は,パターン放電装置がない場合の方法として有用であ

る。


23

D 9115:2017

図 D.3-消費電力量及び定電力放電による電池容量の測定手順

シャーシダイナモメータ上でパターン走行を行い,消費電力量を測定する方法については,次のように

行う。

a)  電動アシスト自転車から組電池を外し,電子負荷装置に接続し,放電電流 1I

t

 A で,駆動補助終止条件

まで放電を行う。

b)  専用充電器で満充電まで充電する。充電後,満充電で 1 時間以上放置して冷却させる。

c)

組電池に電子負荷装置を接続し,放電電流

1I

t

 A で,約 1/2 の容量まで放電する。

d)  約 1/2 容量の組電池を電動アシスト自転車に取り付け,シャーシダイナモメータ上で,表 D.4 及び表

D.5 の場合は 1 サイクル以上サイクル単位で,表 D.6 の場合は最低 1 km 以上,D.2.2.4 の要領で走行す

る。約

1/2 容量から走行できる距離が表 D.4 若しくは表 D.5 で 1 サイクル又は表 D.6 で 1 km に満たな

い場合は,

1 サイクル又は 1 km を走行できる容量から駆動補助終止までとする。

回生充電機能のない電動アシスト自転車の場合,c)及び d)の上記までの操作の代わりに,b)で満充

電にして冷却した組電池を電動アシスト自転車に取り付け,D.2.2.4 の要領で走行してもよい。この間,

電流検出装置,電圧検出装置及び波形記録分析装置で電池出力電流,電圧及び車速を測定・記録する。

測定のサンプリング時間は,

100 ms 以下とする。記録した車速が D.2.2.4 f)の要件を満たさない箇所が

10 %を超えても,波形エディタなどで安定した波形部分を取り出し,組み換え作成したものを使用し

てもよい。ただし,組み換える範囲は,全体の

40 %を超えてはならない。それ以上の範囲で D.2.2.4 f)

の要件を満たさない場合は,そのデータを採用しない。

ここで,標準パターンで走行した距離を

L

G

[単位:キロメートル(

km)]とする。L

G

は,

1 サイク

ルの場合

4 km,2 サイクルの場合 8 km となる。4°登坂連続パターンで走行した距離を L

U

[単位:キ

ロメートル(

km)]とする。L

U

の値は,小数点以下第

2 位を四捨五入する。

e)

d)で測定した電流及び電圧は,波形記録分析装置で積算処理を行い,走行した距離 L

G

又は

L

U

に対応

する消費電力量を算出する。回生充電機能をもつ車両の場合は,充電した電池電力量を負の値として,

消費電力量を合計する。


24

D 9115:2017

ここで,標準又は低速パターンの消費電力量を

P

G

[単位:ワットアワー(

Wh)],4°登坂連続パタ

ーンの消費電力量を

P

U

[単位:ワットアワー(

Wh)]とする。P

G

及び

P

U

の値は,小数点以下第

3 位

を四捨五入する。

D.2.4.2  定電力放電による電池電力量の測定

電池電力量を,次の手順で測定する。

a)  専用充電器を用いて充電停止になるまで充電する。

b)  満充電になった組電池を,1 時間以上放置して,冷却させる。

c)

D.2.4.1 d)で記録した電圧・電流データの 1 パターン分の平均電力[単位:ワット(W)

]を計算する。

d)  組電池に電子負荷装置,電流検出装置及び電圧検出装置を接続する。

e)

c)で得た平均電力を一定に保って,製造業者が指定した駆動補助終止条件になるまで放電する。この

ときの消費電力量を電池電力量

P

B

[単位:ワットアワー(

Wh)]とする。

D.2.4.3  一充電当たりの走行距離の算出

D.2.4.1 及び D.2.4.2 の測定値を用いて,表 D.3 のように一充電当たりの走行距離(km)を算出する。走

行距離の計算値は,小数点以下第

1 位を四捨五入する。ただし,走行距離の計算値が 10 km 未満の場合は,

小数点以下第

2 位を四捨五入する。

表 D.3-一充電当たりの走行距離の計算(定電力放電による場合)

走行パターンの種類

記号

走行距離の計算式

標準

低速

D

G

G

G

B

G

L

P

P

D

×

=

4°登坂連続

D

U

U

U

B

U

L

P

P

D

×

=

D.3

一充電当たりの走行距離の表示方法

電動アシスト自転車の一充電当たりの走行距離を,取扱説明書,カタログ,

Web ページなどに表示する

場合は,次に示す方法による。

a)  標準パターンの走行条件の表示方法  走行距離が最も短くなる走行モードで,表 D.4 の標準パターン

を繰り返し走行したときの一充電当たりの走行距離を表示しなければならない。同時に,他の走行モ

ードにおける一充電当たりの走行距離を併記してもよい。

なお,各走行路の間では,

10 秒間の停止を入れる。

表 D.4-標準パターンの走行条件

順番

走行路

勾配

°

速度

km/h

距離

km

変速段

1

平たん路

 0

15

1

最大の変速段

2

上り坂

 4

10

1

a) 

3

平たん路

 0

15

1

最大の変速段

4

下り坂

 4

20

b)

 1

最大の変速段

a)

  上り坂の変速段は,最大変速段が奇数の場合,最大変速段数を 2 で除した数字を

切り上げた整数の段とする。最大変速段が偶数の場合,最大変速段数を

2 で除し

た数字に

1 を加えた整数の段とする。最大変速段数が 2 の場合は下の段とする。

b)

  回生機能をもつ電動アシスト自転車で,20 km/h に達しない又は一定速の維持が

難しい場合は,下り坂の速度を

10 km/h~20 km/h としてもよい。

ただし,速度変動は±

20 %以下に抑える。


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D 9115:2017

また,設計上の最高駆動補助速度が

17 km/h 未満の電動アシスト自転車に関しては,標準パターン

の代わりに,表 D.5 の低速パターンを適用する。

なお,各走行路の間では,

10 秒間の停止を入れる。

表 D.5-低速パターンの走行条件

順番

走行路

勾配

°

速度

km/h

距離

km

変速段

1

平たん路

 0

8

1

最大の変速段

2

上り坂

 4

5

1

a) 

3

平たん路

 0

8

1

最大の変速段

4

下り坂

 4

1

b)

 1

最大の変速段

a)

  表 D.4 の注

a)

と同じ。

b)

  回生機能をもつ電動アシスト自転車で,11 km/h に達しない又は一定速の維持が難

しい場合は,下り坂の速度を

8 km/h~11 km/h としてもよい。

b)  4°登坂連続パターンの走行条件の表示方法  取扱説明書には,標準パターンのほかに,走行距離が最

も短くなる走行モードで,表 D.6 の 4°登坂連続パターンを走行したときの一充電当たりの走行距離

も記載する。同時に,他の走行モードにおける一充電当たりの走行距離を併記してもよい。カタログ,

Web ページなどについても,標準パターンのほかに 4°登坂連続パターンを併記するのが望ましい。

表 D.64°登坂連続パターンの走行条件

順番

走行路

勾配

°

速度

km/h

距離

km

変速段

1

上り坂

4 10 1

a) 

a)

  表 D.4 の注

a)

と同じ。

c)

測定条件の表示方法  一充電当たりの走行距離を表示する場合は,該当する走行パターンの走行条件,

走行モード及び次の条件を記載する。ただし,タイヤ空気圧及び変速段は,個々の製品に合わせて具

体的な数字で表す方が望ましい。

1)  環境温度は 20  ℃±5  ℃とする。無風の状態とする。

2)  組電池は新品を用いる。ヘッドライトは消灯状態とする。

3)  車載質量(乗員と荷物との合計)は 65 kg とする。

4)  路面は,乾燥した平滑な路面とする。

5)  タイヤ空気圧は,製造業者指定の空気圧とする。

d)  走行パターン及び測定条件などの図示による表示方法  走行パターン,測定条件などは,図 D.4 のよ

うに図示してもよい。


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D 9115:2017

  走行モードは強モード(走行距離が最も短くなるモード)

  温度は 20  ℃,無風の状態。組電池は新品。バッテリーランプは消灯の状態。

  路面は乾燥した平滑な路面。タイヤ空気圧は 300 kPa のとき。

図 D.4-標準パターンの図示の例(参考)

e)

その他の条件での一充電当たりの走行距離の表示方法  D.3 の a)~c)に示した走行パターンと異なる

環境条件及び走行条件での一充電当たりの走行距離について,使用者への説明のために,元の走行距

離に対する比率又は差で記載してもよい(例えば,

“気温が

5  ℃以下の場合は,走行距離が 30 %~40 %

低下します”

“幼児

2 名(合計 37 kg)同乗で走行する場合,1 名乗車時の走行距離が約 30 %低下し

ます”など)