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日本工業規格

JIS

 D

6706

-1995

農業用トラクタの主動力取出軸

性能試験方法

Testing method for main power take-off

performance of agricultural tractors

1.

総則

1.1

適用範囲  この規格は,農業用トラクタの主な動力取出軸(以下,取出軸という。)の各種負荷状態

における出力性能の試験方法について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS D 6701

  農業用車輪トラクタの仕様書様式

2.

この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,従来単位などによるものであっ

て,参考として併記したものである。

1.2

試験の準備

1.2.1

仕様及び履歴  トラクタの仕様は,JIS D 6701 の規定によって記載し,製造から試験に至るまでの

履歴は

付表 に示す農業用トラクタの履歴表(以下,履歴表という。)に記録しておく。

なお,試験前に主要寸法及び主要部品が,仕様書に示すとおりのものであるか否かを点検しておく。

1.2.2

ならし運転  機関及び伝動系統は,試験開始前にならし運転を行っておく。

1.2.3

整備  気化器又は燃料噴射ポンプ及び調速機は,当該トラクタの製造業者が指定する状態に調整し

ておく。空燃比を操縦者が調整できる火花点火機関は,通常の運転に適する状態に調整し,これを

付表 2

に示す農業用トラクタ主動力取出軸性能試験成績表(以下,試験成績表という。

)に記録しておく。

1.2.4

試験の計器類  試験の計器類は,試験前に検定して補正しておく。

なお,計器類は,次に示す値を超える誤差があってはならない。

(1)

回転速度 0.5%

(2)

時間 0.2s

(3)

長さ 0.5%

(4)

力 2%

(5)

重量 0.5%

(6)

大気圧 100Pa

{1mb}

(7)

燃料などの温度

2

(8)

乾湿球温度

1

1.2.5

燃料及び潤滑油  燃料及び潤滑油は,原則として当該トラクタの製造業者が推奨するもののうち一

般に市販されているものを使用する。

なお,次の事項を試験成績表に記録する。


2

D 6706-1995

(1)

燃料  銘柄,種類,15℃及び 50℃における粘度,15℃における比重及びオクタン価又はセタン価。

(2)

潤滑油  銘柄,種類及び粘度。作動油兼用のものは,更に粘度指数。

なお,数種類の油を使用する場合は,それぞれの使用箇所,例えば,機関伝動装置,油圧装置など

を明記する。

1.2.6

附属装置  油圧ポンプや空気圧縮機などの附属品は,原則として連結して運転するものとする。た

だし,農作業中に使用者が普通外す場合は,連結しなくてもよい。

2.

試験の要領及び記録

2.1

試験装置  出力及びトルクの測定は動力計を用いる。取出軸と動力計の連結は,原則として自在継

手による。その場合,継手部で角度がつかないようにする。

試験中に記録される出力及びトルクは,動力計に伝達されるもので,伝達損失及び大気条件による修正

は行わない。

なお,試験室の排気装置は,機関の性能に影響を及ぼさないものでなければならない。

2.2

大気条件  最大出力運転試験は,原則として周囲温度 15∼27℃で,大気圧 96.6kPa {966mb}  以上で

行う。高度の関係でこれができない場合は,燃料噴射ポンプなどの調整を変更してもよいが,その旨を記

録する。

なお,周囲の温度はトラクタの前方約 2m,地上約 1.5m の点において測定し,別に機関の吸込み口の空

気温度を測定する。

2.3

調整  気化器,調速機及び燃料噴射装置は試験の前に調整し,試験の間これらを変更してはならな

い。

2.4

測定の条件  試験中は調速レバーを全開する。

なお,各負荷における運転試験は,運転状態が安定してから測定を行う。

2.5

燃料  潤滑油及び冷却水の温度

2.5.1

燃料の温度は,タンク又はタンクと機関との間の適当な位置で測定する。

2.5.2

潤滑油の温度は,オイルパン又は潤滑油の経路の適当な位置で測定する。

2.5.3

冷却水の温度は,シリンダブロック又はシリンダヘッドの出口で,サーモスタットの前で測定する。

空冷機関の場合は,製造業者の指定する場所で,吸入口の温度又は機関の周囲温度を測定する。

2.5.4

各試験において燃料の温度は,普通の作業と同じ負荷状態におけるトラクタの燃料供給系統の温度

とできるだけ同じにすることが望ましい。

2.6

燃料消費量

2.6.1

燃料消費率は,キロワット時当たり質量で試験成績表に記録する。

2.6.2

時間当たり燃料消費量を容積で,また燃料単位容積当たり仕事量を得るために質量単位を容積単位

に換算するには,15℃の温度における比重を用いる。

2.6.3

燃料消費量を容積で測定した場合,燃料消費率の換算は,2.5.1 の規定によって測定する燃料の使

用時の温度における比重を用いる。

2.7

記録

2.7.1

試験の成績は,

付表 に示す試験成績表に記録する。

なお,各試験の途中において修理又は調整を行った場合は,その状況を試験成績表に記録する。

2.7.2

試験成績表には,次の性能曲線を付け加える。

(1)

各速度段における回転速度と出力との関係


3

D 6706-1995

(2)

各速度段における回転速度とクランク軸換算トルクとの関係

(3)

各速度段における回転速度と燃料消費率との関係

(4)

各速度段における出力と燃料消費率との関係

3.

試験の項目及び方法

3.1

最大出力運転試験  製造業者の指定する機関の回転速度(以下,定格回転速度という。)で,取出軸

において実測された最大出力(必要に応じ,製造業者が指定することがある。

)で 2 時間以上連続運転を行

い,次の(1)(13)の項目について 6 回以上測定する。最大出力は各測定値の平均を記録する。出力の変動

が平均値から±2%を超えた場合は再試験を行う。

なお,この変動が持続する場合は,その変動量を試験成績表に記録する。

(1)

出力

(2)

トルク

(3)

回転速度

(4)

燃料消費量

(5)

燃料消費率

(6)

燃料単位容積当たり仕事量

(7)

燃料温度

(8)

潤滑油温度

(9)

冷却水温度

(10)

吸込み口の温度

(11)

周囲温度

(12)

相対湿度

(13)

大気圧

3.2

各種回転速度における全負荷運転試験  定格回転速度から最大トルクを発生する回転速度の少なく

とも 15%以下の回転速度までの間で,全負荷で運転を行い,3.1 と同一の項目について測定する。

また,機関の定格回転速度において取出軸の回転速度が 540min

1

 {540rpm}

又は 1000min

1

 {1000rpm}

に一致しない場合は,このいずれかの回転速度となる機関の回転速度を 1 点選ばなければならない。ただ

し,特殊な燃料噴射ポンプを持つものは,この試験を省略することができる。

3.3

部分負荷運転試験  3.1 に規定する運転状態に調整し,次の各負荷において 3.1 と同一の項目につい

て測定する。

(1)

最大出力時のトルクの 85%の負荷

(2)

無負荷

(3)  (1)

の負荷の

2

1

の負荷

(4)

最大出力時の負荷

(5)  (1)

の負荷の

4

1

の負荷

(6)  (1)

の負荷の

4

3

の負荷

3.4

機関から取出軸に全負荷を伝達できない場合の試験  機関から取出軸に全負荷を伝達できない場合

は,製造業者が指定する出力で 2 時間連続して運転を行い,その間に 5 分ごとにその出力の 20%過負荷で

1

分以内運転する。

機関が 20%過負荷を発生できない場合は全負荷で行う。


4

D 6706-1995

3.5

機関の負荷試験  当該トラクタが取出軸を持たないか,機械的に機関に連結されていない場合及び

3.4

の場合は,機関自体について 3.1,  3.2 及び 3.3 に該当する負荷運転試験を行う。この場合,機関は機関

おおいを含むすべての附属品をトラクタに取り付けられると同じ関係位置に取り付けて運転を行う。

動力計は機関のクランク軸に直結するか,又は他の適当な動力軸に直結する。

付表 1  農業用トラクタ履歴表


5

D 6706-1995

付表 2  農業用トラクタ主動力取出軸性能試験成績表


6

D 6706-1995

一般機械部会  農業用トラクタ専門委員会  構成表(昭和 48 年 2 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

安  田  與七郎

東京大学農学部

杉  山  和  男

通商産業省重工業局

前  田  耕  一

農林省農政局

福  島  公  夫

工業技術院標準部

伊  東  裕  光

工業技術院機械技術研究所

有  吉      亮

農業機械化研究所

村  山  良  信

久保田鉄工株式会社

深  田  真  一

石川島芝浦機械株式会社

谷      光  弘

井関農機株式会社

荒  井  賢  蔵

佐藤造機株式会社

林      輝  武

スター農機株式会社

白  石  武  夫

富士小松ロビン株式会社

江  上  敦  雄

三菱重工業株式会社

一  瀬  正  行

ヤンマーディーゼル株式会社

中  島  元  夫

社団法人日本農業機械工業会

徳  武  憲  雄

社団法人陸用内燃機関協会

手  塚  右  門

全国農業協同組合連合会

渡  辺  波  夫

社団法人日本農業機械化協会

(専門委員)

種  村  次  郎

工業技術院標準部

(事務局)

大  野  宣  夫

工業技術院標準部機械規格課

(事務局)

松  川  東  一

工業技術院標準部機械規格課(昭和 51 年 2 月 1 日改正のとき)

伊  藤  彰  一

工業技術院標準部機械規格課(昭和 51 年 2 月 1 日改正のとき)

矢  野  友三郎

工業技術院標準部機械規格課(昭和 51 年 2 月 1 日改正のとき)

(事務局)

稲  橋  一  行

工業技術院標準部機械規格課(平成 7 年 2 月 1 日改正のとき)

鈴  木  俊  吾

工業技術院標準部機械規格課(平成 7 年 2 月 1 日改正のとき)