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日本工業規格

JIS

 D

5901

-1988

自動車用温水式暖房器試験方法

Test Methods of Hot Water Heaters for Automobiles

1.

適用範囲  この規格は,自動車用エンジンの冷却液(以下,温水という。)を熱源とする車室用暖房器

(以下,暖房器という。

)の試験方法について規定する。

備考  この規格の中で{  }を付けてある単位及び数値は,従来単位によるものであって参考として

併記したものである。

引用規格: 

JIS B 8330

  送風機の試験及び検査方法

JIS C 1102

  指示電気計器

JIS C 1502

  普通騒音計

JIS D 1601

  自動車部品振動試験方法

JIS Z 8731

  騒音レベル測定方法

関連規格:JIS B 8346

  送風機・圧縮機の騒音レベル測定方法

JIS D 1618

  自動車用エアコンディショナ試験方法

JIS D 5005

  自動車用電装部品の試験電圧

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

車室  試験の対象とする暖房器を用いる自動車の運転者室及び客室。

(2)

暖房器  車室内の暖房をする装置のうち,放熱器,送風機,温水配管及び放熱器と送風機とを連結す

る空気配管で構成する部分。

(3)

暖房能力  暖房器を規定された試験条件及び試験装置で運転したとき温水が失った熱量。キロワット

(kW)

{キロカロリー毎時 (kcal/h)}で表す。

(4)

修正放熱量  温水側放熱量を,入口水温と入口空気温度との温度差を 65℃に換算したもの。キロワッ

ト (kW){キロカロリー毎時 (kcal/h)}で表す。

(5)

温水側放熱量  試験状態で,温水が失った熱量。キロワット (kW){キロカロリー毎時 (kcal/h)}で表

す。

(6)

送風量  暖房能力測定時に放熱器を通過する空気の流量。立方メートル毎時 (m

3

/h)

で表す。

(7)

温水側圧力損失  試験状態で,暖房器の温水配管の入口,出口間で計測した圧力の差。キロパスカル

(kPa)

{水銀柱ミリメートル (mmHg)}で表す。

(8)

モード  暖房の目的に応じて空気の入口,出口,送風量の調整機構を切り替え,選定した状態。

3.

試験項目  暖房器の試験項目は,次のとおりとする。


2

D 5901-1988

(1)

性能試験

(a)

暖房能力

(b)

送風量

(c)

消費電力

(d)

温水側圧力損失

(2)

騒音試験

(3)

振動試験

(4)

圧力試険

(a)

気密試験

(b)

耐圧試験

(c)

繰返し加圧試験

4.

性能試験

4.1

試験条件  試験条件は,次のとおりとする。

(1)

空気状態  空気状態は,常温,常湿とし,試験中の変動は温度 5℃以内,湿度 20%以内のこと。

(2)

温水状態  放熱量の測定に使用する温水は,特に指定がない限り水道水とし,入口水温度は 85±3℃

とする。

(3)

温水流量  温水流量は原則として,6,10 又は 20l/min のいずれかとする。

(4)

送風機用電動機の端子電圧  定格電圧 12V のものは 13.5V,定格電圧 24V のものは 27V とする。

(5)

モードの設定  モードは原則として,暖房用空気は外気取入れ,足元吹出しのモードとする。

(6)

空気配管系  試験の対象とする暖房器には,受渡し当事者間の協定によって,出口側の空気配管を取

り付けることができる。

4.2

試験装置  暖房器の性能試験には,付図に示すような試験装置を用いる。

(1)

空気槽  暖房器の空気取入口に接続する空気槽は,JIS B 8330(送風機の試験及び検査方法)に規定

するもの,又はこれと同等の性能をもつものを用いる。

(2)

ノズル  送風量測定のためのノズル又はオリフィスは,JIS B 8330 に規定するもの,又はこれと同等

の性能をもつものを用いる。

(3)

空気槽用送風機  空気槽内を大気圧に保持するために必要な風量を送風できる容量のものとする。

(4)

温水槽  暖房器に温水を供給する温水槽は,所定の流量で 85℃の温水を安定して供給できるものとす

る。

(5)

電源  送風機用電動機の駆動に用いる電源は,リップル電圧が,0.1V 以下の安定した直流電源とする。

4.3

測定器具  測定器具は,次のとおりとする。

(1)

温度計  空気温度及び温水の温度の測定には,最小目盛 0.1℃以下,精度±0.1℃以内の温度計を用い,

特に温水の入口・出口の温度を計測する 1 対の温度計は,指示値が 0.1℃以内となるよう補正又は選別

して用いる。ただし,送風量の測定のため入口ノズル近くに設置する温度計の精度は±0.2℃でよい。

(2)

温水流量計  温水の流量の測定には,±0.05l/min の精度をもつ流量計を用いる。

(3)

空気側圧力計  入口ノズル,空気槽などの空気圧力の測定には,1.0Pa {0.1‐mmAq}  まで読み取れる

ベッツ形マノメータ又はこれに相当する精度をもつ電気式マノメータを用いる。

(4)

温水側圧力計  温水側圧力損失の測定には,0.1kPa {1mmHg} まで読み取れる差圧マノメータを用い

る。


3

D 5901-1988

(5)

電圧計及び電流計  送風機用電動機の電圧,電流の測定には,JIS C 1102(指示電気計器)に規定す

る 0.5 級の計器を用いる。

(6)

回転計  送風機の回転速度の測定には,最小目盛 20min

-1

 {rpm}

以下のストロボ式回転計,光電式回

転計又はそれに相当する計器を用いる。

4.4

試験方法及び測定項目

4.4.1

試験方法  暖房器を 4.2 で規定する試験装置に使用状態に近い姿勢で取り付け,4.4.2 の各測定項目

を測定する。

なお,測定は温水流量,温水入口温度及び入口ノズル空気圧力がほぼ安定状態となった後に行い,空気

槽内の静圧は試験中常に大気圧に保持する。

暖房能力の計算は,4.5 の計算式によって行う。

4.4.2

測定項目  測定項目は,次のとおりとする。

(1)

温水の入口及び出口温度  (℃)

(2)

温水流量  (l/min)

(3)

空気の入口及び出口温度  (℃)

(4)

入口ノズル又はオリフィスにおける空気温度  (℃)

(5)

入口ノズル又はオリフィスにおける空気の静圧 (Pa) {mmAq}

(6)

送風機用電動機の電圧 (V)

(7)

送風機用電動機の電流 (A)

(8)

送風機の回転数 min

-1

 {rpm}

(9)

温水の入口及び出口の圧力 (kPa) {mmHg}

4.5

暖房能力の計算

4.5.1

修正放熱量  修正放熱量は,次式によって算出する。

1

1

65

a

w

w

t

t

Q

Q

×

=

ここに,

Q'

修正放熱量

 (kW) {kcal/h}

Q

w

温水側放熱量

 (kW) {kcal/h}

t

w1

入口温水温度

  (

)

t

a1

入口空気温度

  (

)

4.5.2

温水側放熱量  温水側放熱量は,次式によって算出する。

)

(

06

.

0

2

1

w

w

pw

w

w

w

t

t

C

V

Q

=

γ

ここに,

Q

w

温水側放熱量

 (kW) {kcal/h}

V

w

温水流量

  (l/min)

r

w

温水の密度

 (kg/m

3

)

C

pw

温水の比熱(

1

)

0.001 163kWh/ (kg

・℃

) {1.0kcal/ (kg

・℃

)}

t

w1

入口温水温度

  (

)

t

w2

出口温水温度

  (

)

(

1

)

  0.001 163kWh/ (kg

・℃

)

4.186kJ/ (kg

・℃

)

である。

4.6

送風量の計算  送風量の計算は,4.4.2 (4)及び(5)を基に JIS B 8330 の 5.3.3 によって算出する。

5.

騒音試験

5.1

試験条件  試験条件は,次による。

(1)

測定場所は,測定周波数範囲内で,測定対象音と暗騒音との差が

10dB

以上あることが望ましい。や


4

D 5901-1988

むを得ない場合には,JIS Z 8731(騒音レベル測定方法)によって指示値を補正する。

(2)

測定は,周囲の反射体からの反射音の影響がない場所で行う。

なお,暖房器からの距離が

1m

及び

2m

の位置における騒音レベルの差が

5dB

以上あれば,反射音

の影響がないものとみなす。

(3)

騒音の測定は,定格電圧

12V

用は

13.5V

24V

用は

27V

で送風機だけを運転し,モードは受渡し当事

者間の協定による。

5.2

試験装置  試験装置は,次のとおりとする。

(1)

騒音の測定には,JIS C 1502(普通騒音計)に規定する指示騒音計を用いる。

(2)

送風機用電動機の端子電圧の測定には,JIS C 1102 に規定する

0.5

級の電圧計を用いる。

5.3

測定方法  測定方法は,次のとおりとする。

(1)

マイクロホンの位置は,原則として放熱器の中心から上側

45

°,距離

1m

で,車室の中心方向におけ

る位置とする(

図 及び図 参照)。

(2)

騒音レベルの測定は,JIS Z 8731 の規定による。騒音計は聴感補正回路

 (A)

,動特性緩

 (Slow)

を使

用し,単位は

dB

とする。

図 1  暖房器の騒音測定位置

(一体型の場合の例)

備考1.  図中の○は,マイクロホンの位置を示す。

2.

図中の●は,放熱器のほぼ中心位置を示す。

3.

図中の  は,空気の流れを示す。 


5

D 5901-1988

図 2  暖房器の騒音測定位置

(分離型の場合の例)

備考1.  図中の○は,マイクロホンの位置を示す。

2.

図中の●は,放熱器のほぼ中心位置を示す。

3.

図中の  は,空気の流れを示す。 

6.

振動試験  暖房器の放熱器と送風機とを使用状態に近い状態に組み付け,ヒータコア内を満水として

振動試験機台上に取り付け,JIS D 1601(自動車部品振動試験方法)の 5.3(1)の段階

2

3

又は

4

の試験を

行い,試験後暖房器の各部にき裂,破壊,異常音,水漏れなどがあるかどうかを調べる。ただし,暖房器

の大きさによっては,各部分ごとに分割して行ってもよい。

7.

圧力試験

7.1

気密試験  ヒータコアの内部に

98kPa {1kgf/cm

2

}

以上の空気圧を加え,ヒータコア全体を水中に入

れて漏れを調べる。

なお,この方法のほかに,試験ガス,リークテスタなどを用いて試験してもよい。

7.2

耐圧試験  ヒータコアの内部に所定の圧力を加え,破損又は著しい変形があるかどうかを調べる。

なお,加圧力及び加圧時間は,受渡し当事者間の協定による。

7.3

繰返し加圧試験

7.3.1

試験条件  繰返し加圧試験は,暖房器のヒータコア部分についてだけ行う。試験圧力,加圧サイク

ル及び繰返し回数は,受渡し当事者間の協定による。ただし,加圧サイクルの加圧時間は,

2

秒以上保持

することが望ましい。

7.3.2

試験装置  繰返し加圧試験には,図 に示すような装置を用いる。

温水槽は,ヒータによって約

85

℃に加熱保温でき,温水を圧送するポンプを備えるものとし,圧力調整

弁及び流量調整弁によって,温水の圧力及び流量が調整できるものでなければならない。


6

D 5901-1988

図 3  圧力試験装置(例)

7.3.3

試験方法  繰返し加圧試験は,次の手順に従って行う。

(1)

電磁弁を開にし,ヒータコアに圧力を加え,流量調整弁によって試験圧力になるように調整する。

(2)

調整した後,電磁弁を閉にし,ヒータコア内の圧力を大気圧とする。

(3)

所定の加圧サイクル及び繰返し回数をコントローラに設定する。

(4)

試験を行い,試験後ヒータコアの各部に漏れがあるかどうかを 7.1 の方法によって調べる。

8.

試験成績の記録  試験の結果を試験成績表(付表参照)に記入する。


7

D 5901-1988

付図  暖房器性能試験装置(例)

備考1.  破線内は,暖房器を示す。

2.

温水槽には,温水が適当な温度となるように熱源装置を付ける。


8

D 5901-1988

付表  暖房器試験成績表の様式(例)


9

D 5901-1988

社団法人  自動車技術会電装部会空調分科会  構成表

氏名

所属

(分科会長)

坂  野  豊  司

三菱自動車工業株式会社乗用車技術センター研究部

(幹事)

加  茂  秋  久

日本電装株式会社冷暖房技術一部

大  矢  政  男

日本ラヂエータ株式会社空調実験部

稲  垣  謙  三

通商産業省機械情報産業局

江  口  信  彦

工業技術院標準部

山  本  三  郎

運輸省地域交通局陸上技術安全部

近  藤  吉  信

いすゞ自動車株式会社車体設計部

厨  川      裕

鈴木自動車工業株式会社四輪車体設計部

水  野  佳  則

ダイハツ工業株式会社実験部

仁  枝  敏  穂

トヨタ自動車株式会社ボデー設計部

松  崎  義  富

日産自動車株式会社車体設計部

内  山  博  次

日産ディーゼル工業株式会社第一設計部

田  中      登

日野自動車工業株式会社第

6

研究部

新  井      猛

富士重工業株式会社研究実験第

3

金  敷      晋

富士重工業株式会社航空機技術本部

渥  美      亨

株式会社本田技術研究所栃木研究所

土  井  重  紀

マツダ株式会社ボデー設計部

池  内  龍  彦

株式会社五光製作所技術部

登  川  清  治

ヂーゼル機器株式会社空調事業部

宇佐美      潔

日本電装株式会社冷暖房技術三部

日  高  芳  皓

日本ラヂエーター株式会社技術研究部

丸  山  和  夫

三菱重工業株式会社技術部

田  中  兼  吉

社団法人日本バス協会

村  岡  良  三

社団法人日本自動車部品工業会

(事務局)

照  山      勝

社団法人自動車技術会


10

D 5901-1988

自動車  航空部会  自動車専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

中  込  常  雄

学識経験者

中  川  勝  弘

通商産業省機械情報産業局

松  波  正  壽

運輸省地域交通局陸上技術安全部

飛  田      勉

工業技術院標準部

石  川  安  男

防衛庁装備局

石  渡  正  治

財団法人日本自動車研究所

梅  澤  清  彦

東京工業大学精密工学研究所

大  西      徳

社団法人全日本トラック協会

佐  藤      武

慶應義塾大学理工学部

田  中  兼  吉

社団法人日本バス協会

轟          秀

社団法人日本自動車連盟

杉  浦  秀  昭

社団法人日本自動車整備振興会連合会

岩  根  政  雄

社団法人日本自動車部品工業会

大  槻  耕  一

日野自動車工業株式会社研究管理部

改  田      護

トヨタ自動車株式会社技術管理部

金  子  達  昭

日本自動車輸入組合

作  道  清  行

三菱自動車工業株式会社技術本部技術管理部

古  川      洋

社団法人自動車技術会

藤  井      隆

日産自動車株式会社設計管理部

牧  野      昇

本田技研工業株式会社総務部

松  木  良  助

鈴木自動車工業株式会社技術管理部

安  部  史  之

日産ディーゼル工業株式会社設計管理部

一  瀬      修

マツダ株式会社東京技術部

大  野  恭  二

いすゞ自動車株式会社特許部

長  滝  清  敬

日本道路公団維持施設部

(関係者)

坂  野  豊  司

三菱自動車工業株式会社乗用車技術センター

(事務局)

江  口  信  彦

工業技術院標準部機械規格課

牛  島  宏  育

工業技術院標準部機械規格課