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日本工業規格

JIS

 D

5812

-1994

自動車用イグニションスイッチ付き

ステアリングロック

Steering locks with ignition switches for automobiles

1.

適用範囲  この規格は,自動車の盗難防止装置としてステアリングシャフトをキーにより施錠,開錠

されるイグニションスイッチ付きステアリングロック(以下,ステアリングロックという。

)について規定

する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS C 1102

  指示電気計器

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS D 0201

  自動車部品の電気めっき通則

JIS D 1601

  自動車部品振動試験方法

JIS D 5806

  自動車用スタータスイッチ

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

2.

種類及び記号  ステアリングロックの種類及び記号は,ステアリングロックの切換段数による形式(図

1

参照)

,接続負荷別最大負荷,切換接続回路,接続端子及び端子記号により区分し,

表 に示すとおりと

する。

図 1


2

D 5812-1994

表 1

接続端子,端子記号及び接続最大負荷 W

蓄電池 イ グ ニ シ

ョ ン コ イ

イグニショ

ン コ イ ル
(始動時)

スタータリ

レー又はス
タータマグ
ネチックコ

イル

ラジオ,冷

暖房器など

種類  形式

記号(

1

)

負荷の高低及び切換接続回路

(

3

)

B IG  R(

2

) ST ACC

1LA, 1LB

低負荷用切換接続回路 A 及び B

− 120  − 120 120

1LC, 1LD

低負荷用切換接続回路 C 及び D

− 120  60

120

120

1MA, 1MB

中負荷用切換接続回路 A 及び B

− 240  − 120 240

1MC, 1MD

中負荷用切換接続回路 C 及び D

− 240  60

120

240

1HA, 1HB

高負荷用切換接続回路 A 及び B

− 300  − 180 300

1

種  3 段式

1HC, 1HD

高負荷用切換接続回路 C 及び D

− 300  60

180

300

2LB

低負荷用切換接続回路 B

− 120  − 120 120

2LC, 2LD

低負荷用切換接続回路 C 及び D

− 120  60

120

120

2MB

中負荷用切換接続回路 B

− 240  − 120 240

2MC, 2MD

中負荷用切換接続回路 C 及び D

− 240  60

120

240

2HB

高負荷用切換接続回路 B

− 300  − 180 300

2

種  4 段式

2HC, 2HD

高負荷用切換接続回路 C 及び D

− 300  60

180

300

(

1

)  L

は低負荷用,M は中負荷用,H は高負荷用,A,B,C 及び D は切換接続回路記号を示す。

(

2

)

始動時に抵抗を通さずにイグニションコイルへ接続する端子。

(

3

)

切換接続回路は

表 による。

3.

性能

3.1

本体及び取付部強さ  ステアリングロックの本体及び取付部は堅ろうで容易に破壊できないもので

あって,これを正規の使用状態に取り付け,ステアリングシャフトをロック状態にして,200N・m のトル

クをステアリングシャフトに加えても機能に異常がないものとする。

なお,トルクは左右両方向に各 20 秒間加える。

3.2

キーの強さ  キーをキーシリンダに正常にそう入した状態で,つまみ部に 2.0N・m のトルクを 10 秒

加えたとき著しい変形があってはならない。

3.3

端子の強さ  イグニションスイッチ本体に直接取り付けられた端子はリード線の接続の向きに,リ

ード線付きのものはリード線引出し方向へ 50N の力で 1 分間引っぱっても有害な変形,がた及びその他の

異常があってはならない。

3.4

絶縁抵抗  スイッチ部分の絶縁抵抗は,JIS D 5806 の 3.1(絶縁抵抗)の規定を満足しなければなら

ない。

3.5

接触抵抗  スイッチ部分の接触抵抗は,JIS D 5806 の 3.2(接触抵抗)の規定を満足しなければなら

ない。

3.6

耐温度性  ステアリングロックは−30∼80℃の温度範囲において異常を生じないものとし,−20∼

60

℃の温度範囲で作動させたとき正常でなければならない。

なお,スイッチ部の接触抵抗は,JIS D 5806 の耐久検査前の値を満足しなければならない。

3.7

温度上昇  スイッチ部の温度上昇は,JIS D 5806 の 3.4(温度上昇)の規定を満足しなければならな

い。


3

D 5812-1994

3.8

耐振性  キーを走行位置において,JIS D 1601 の 5.3(振動耐久試験方法)の(1)に規定する段階 4 に

よる試験を行ったとき,接点の接触ふらつき,キーの移動ロック構成部分の破損,き裂及び有害な異常音

を生じてはならない。

3.9

耐久性  ステアリングロックを通常の使用状態において表 の試験条件による試験を行ったとき,

各部に異常がなく,また,スイッチ部分は,JIS D 5806 の 3.6(耐久性)を満足しなければならない。

なお,作動は,キー差し込み(LOCK 位置)→START 位置→LOCK 位置→キーを抜く  の操作を 1 回と

する。

表 2

項目

試験条件

作動回数

毎分 10∼20 回で 25 000 回

試験電圧 14.0±0.5V

端子負荷電流

A

負荷は電球又は実負荷とする。

4.

構造

4.1

一般構造  ステアリングロックの構造はキーにより操作され,機械的な作動によりステアリングシ

ャフトにロックピンが係合するものであって,また,イグニションスイッチが運動するもので,キーが 1

段目の停止位置まで回されたとき開錠されるものとする。

また,ON 位置から施錠する場合,キーの単に回転操作だけでは施錠しない構造とする。施錠されたも

のは,キーを用いる以外には容易に開錠できない構造とする(

付図 1参照)。

4.2

切換接続回路  スイッチの切換接続回路は表 に示すとおりとする。

表 3

(

4

)

表中の破線は,切換途中でオーバーラップしていることを示す。

備考  表の接続回路は基本的なものを示し,その他の接続回路をもつものもある。

4.3

キーの組合せ種類数  キーの組合せ種類数は 1 000 以上とする。


4

D 5812-1994

4.4

操作,節度及び自動もどり  キーによる操作は滑らかで停止すべき正しい位置(図に示すキー位置

で START を除く各位置。以下,位置という。

)を手ごたえで容易に感知できるものとする(以下,節度と

いう。

各停止位置の中間においては有害な引掛り,きしみ,がたなどがないものとし,その操作の最大トルク

は 0.15∼0.40N・m とする。ON 位置から時計方向に回して停止する位置 (START) まで滑らかに回転するも

ので,この間で手を離したとき ON 位置まで確実に自動的にもどらなければならない。

なお,このときの最大トルクは 0.65N・m 以下とする。

4.5

キーの遊び角度  ステアリングロックの外わくに対して,キーの各停止位置における遊び角度は

15

°以下とする。

4.6

ロックピンの有効ストローク  ロックピンの有効ストローク(

5

)

は 5mm 以上とする。

(

5

)

有効ストロークは

付図1及び付図2による。

4.7

取付け  ステアリングロックをロック状態にしたとき,本体は車両取付状態で特殊な道具を使用す

る以外は容易に取り外しができない構造でなければならない。

5.

外観  ステアリングロックの外観は機能上有害な傷,割れ,でこぼこ,さびなどの欠点があってはな

らない。

6.

めっき  ステアリングロックに施すめっきは,JIS D 0201 による。

7.

検査

7.1

検査項目  検査項目は次のとおりとする。

(1)

性能検査

(2)

構造検査

(3)

外観検査

(4)

めっき検査

(5)

表示検査

7.2

検査条件

7.2.1

検査場所の標準状態  特に指定がなければ,原則として JIS Z 8703 による常温・常湿とする。

7.2.2

測定用電気計器  電圧計及び電流計は,JIS C 1102 に規定する 0.5 級以上,絶縁抵抗計は,JIS C 1302

に規定する 500V 用のものを使用する。

7.2.3

検査電圧  特に指定がなければ検査電圧は 12V とする。

7.2.4

検査電流  特に指定がなければ検査電流は 10A とする。

7.2.5

検査負荷  特に指定がなければ抵抗負荷(電球を含む。)を用いる。

7.3

性能検査

7.3.1

本体及び取付部強さ  本体及び取付部強さは 3.1 の規定に適合しなければならない。

7.3.2

キーの強さ  キーの強さは 3.2 の規定に適合しなければならない。

7.3.3

端子の強さ  端子の強さは 3.3 の規定に適合しなければならない。

7.3.4

絶縁抵抗検査  絶縁抵抗は 3.4 の規定に適合しなければならない。

7.3.5

接触抵抗検査  接触抵抗は 3 回測定し,その平均値が 3.5 の規定に適合しなければならない。

7.3.6

耐温度検査


5

D 5812-1994

(1)

ステアリングロックを低温槽に入れ,キーを LOCK 位置にし,キーを抜かない状態で槽内の周囲温度

を−30℃に下げ,ほぼ安定してから約 60 分間保持し,次いで温度を徐々に−20℃まで上げる。周囲温

度がほぼ安定した後,

更に約 30 分間保持してからスイッチのキーを 10 回作動させて作動検査を行い,

3.6

の規定に適合しなければならない。

(2)

ステアリングロックを高温槽に入れ,キーを LOCK 位置にし,キーを抜かない状態で槽内の周囲温度

を 80℃に上げ,ほぼ安定してから約 60 分間保持し,次いで温度を徐々に 60℃まで下げる。周囲温度

がほぼ安定した後,更に約 30 分間保持してからスイッチのキーを 10 回作動させて作動検査を行い,

3.6

の規定に適合しなければならない。

7.3.7

温度上昇検査  スイッチ部の温度上昇は 3.7 の規定に適合しなければならない。

なお,測定は端子の最も接点に近い箇所で熱電対を使用して行う。

7.3.8

耐振検査  耐振性は 3.8 の規定に適合しなければならない。

備考  ステアリングロックの左右方向へ振動を加える場合,正規の使用状態の取付けに対してスイッ

チの左右方向の向きを 90°回転させて,もとの左右方向が垂直となるようにして上下振動を加

えても良い。

7.3.9

耐久検査  耐久性は 3.9 の規定に適合しなければならない。ただし,接触抵抗の測定は 3 回行い,

その平均値を取る。

7.4

構造検査  構造は 4.の規定に適合しなければならない。

7.5

外観検査  外観は目視で検査を行い,5.の規定に適合しなければならない。

7.6

めっき検査  めっきは 6.の規定に適合しなければならない。

7.7

表示検査  表示は 9.の規定に適合しなければならない。

8.

製品の呼び方  ステアリングロックの呼び方は規格名称又は規格番号,及び種類又は記号による。

  自動車用ステアリングロック 1 種低負荷用切換接続回路 A 又は,JIS D 5812 ILA 

9.

表示  ステアリングロックには単体として見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を明りょ

うに表示しなければならない。

(1)

製造業者名又はその略号

(2)

製造年月又はその略号

(3)

端子記号(多極コネクタ付きのものは表示しなくてもよい。


6

D 5812-1994

付図 1


7

D 5812-1994

付図 2


8

D 5812-1994

自動車部会  ステアリング施錠装置専門委員会  構成表(昭和 51 年 3 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

岩  崎      賢

工業技術院機械技術研究所

宇  野  則  義

運輸省自動車局

逢  坂  国  一

工業技術院標準部

富  永  孝  雄

通商産業省機械情報産業局

清  水  哲  二

株式会社東海理化電機製作所

内  山      淳

ナイルス部品株式会社

軽  部  宗  一

関東精器株式会社

下  村  貞  美

有信精器工業株式会社

田  辺      清

社団法人日本自動車部品工業会

宮  川  昭  一

トヨタ自動車工業株式会社

原  田  昭  三

三菱自動車工業株式会社

末  田  俊  雄

東洋工業株式会社

渡  辺  顕  一

日産自動車株式会社

近  田  隆  愛

株式会社本田技術研究所

(事務局)

村  里  利  明

工業技術院標準部機械規格課

(事務局)

笹  尾  照  夫

工業技術院標準部機械規格課

(平成 6 年 9 月 1 日改正のとき)