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日本工業規格

JIS

 D

5810

-1994

自動車用バックアップランプスイッチ

Back-up lamp switches for automobiles

1.

適用範囲  この規格は,自動車用バックアップランプの回路をトランスミッションのシフトレバーの

操作により開閉する機械式スイッチ(以下,スイッチという。

)について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS C 1102

  指示電気計器

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS C 7506

  自動車用電球

JIS D 0201

  自動車部品の電気めっき通則

JIS D 0203

  自動車部品の耐湿及び耐水試験方法

JIS D 1601

  自動車部品振動試験方法

JIS D 5403

  自動車用電線端子

JIS K 2219

  ギヤー油

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

2.

種類及び記号  スイッチの種類及び記号は,形式,公称電圧,回路及び周囲温度によって区分し,表

1

に示す。

表 1

種類

形式

記号 公称電圧

回路(

1

)

最大負荷

周囲温度(

2

)

1

種  トランスミッション装着 1A

12V  OFF  60W

一般用

1AN

ON

−30∼90℃

1B

24V OFF

1BN  ON

2

2A  12V

OFF

高温用

2AN

ON

−30∼120℃

2B

24V OFF

2BN  ON

3

種  シフトレバーリンク機構装着 3A 12V

OFF

一般用

3AN

ON

−30∼80℃

3B

24V OFF

3BN  ON

4

4A  12V

OFF

高温用

4AN

ON

−30∼110℃

4B

24V OFF

4BN  ON


2

D 5810-1994

(

1

)

プッシュロッドを押さない状態での回路を示す。

(

2

)

周囲温度は 5.4 の放置温度を示す。

3.

構造

3.1

一般構造  スイッチは,できるだけ取扱いが簡単で堅ろうなものとし,使用中各部が緩まないよう

な構造でなければならない。

3.2

作動機構  スイッチはトランスミッション又はシフトレバーリンクと機械的に連動されるもので,

プッシュロッドの指定された ON ストロークで電気回路が ON(バックアップランプが点灯)となり,こ

のストロークを超えたときに,電気回路が OFF(バックアップランプが消灯)となる機構とする(

付図 1

参照)

なお,OFF ストロークの場合の電気回路は ON と OFF が逆となる機構とする。

3.3

寸法  スイッチの主要寸法は付図 による。

3.4

端子の強さ  本体に直接取り付けられた端子は接続の向きに,また,リード線付きのものはリード

線の方向へ静荷重 50N を 1 分間加えても有害な変形,端子固定部のがた,及びその他に異常が生じない構

造でなければならない。

3.5

ケース取付け強さ  スイッチを正規の使用状態に取り付け,ケース先端(付図 参照)へ垂直静荷

重  (W) 50N を 1 分間加えても取付部,その他に異常が生じない構造でなければならない。

4.

材料及びめっき  スイッチの主要部の材料及びめっきは,原則として表 に示すとおりとする。

なお,めっきは JIS D 0201 の規定による。

表 2

部品名

材料

めっき

ケース

軟鋼又は亜鉛合金

軟鋼の場合  MFZn5

接点

銅又は銅合金,銀又は銀合金

プッシュロッド 軟鋼,耐熱耐衝撃性合成樹脂

軟鋼の場合  MFZn5

絶縁体

耐熱耐衝撃性合成樹脂

スプリング

ピアノ線,硬鋼線又はステンレス鋼線 取付状態で外部に露出したピアノ線,硬鋼線の場合  MFZn5

端子

銅又は銅合金

備考 MFZn5 の場合はクロメート処理 B 又は C を施すものとする。

5.

性能

5.1

絶縁抵抗  スイッチのプッシュロッドを OFF の状態(プッシュロッドを押さない状態で OFF のもの

はそのままで,ON のものは指定された作動ストローク)で端子間及び端子とケース間の絶縁抵抗は 1M

以上でなければならない。

5.2

接触抵抗  スイッチのプッシュロッドを ON の状態(プッシュロッドを押さない状態で ON のもの

はそのままで,OFF のものは指定された作動ストローク)で端子間に

表 に示す最大負荷を加えたとき,

接触抵抗による電圧降下は

表 に示す値以下でなければならない。

表 3

単位  V

項目

電圧降下

耐久検査前

0.15

耐久検査後

0.25


3

D 5810-1994

5.3

作動  スイッチの指定された作動ストロークの最大作動荷重は 8∼35N とし,また 1 種のスイッチで

スイッチ機構部がミッション部の潤滑油をしゃ断している防油形構造のものにあっては 15∼80N とする。

プッシュロッドの指定されたストロークの許容差は,±0.7mm とする。ただし,防油形構造のものは±

1.5mm

とする。

なお,プッシュロッドの全ストロークは,指定された値以上でなければならない。

5.4

耐温度性  スイッチは表 の放置温度において各部に異常がなく,表 の作動温度において指定さ

れた作動ストロークでプッシュロッドの作動及び ON,OFF に異常があってはならない。

また,接触抵抗は 5.2 に規定する耐久検査前の値を満足し,また作動の荷重は 5.3 の規定を満足しなけれ

ばならない。

表 4

単位  ℃

項目

1

2

3

4

放置温度

−30∼90

−30∼120

−30∼80

−30∼110

作動温度

−20∼70

−20∼110

−20∼60

−20∼100

5.5

耐水性  耐水性を必要とするスイッチは,JIS D 0203 に規定する R2 の試験を行い,常温,常湿の状

態に 24 時間放置後,絶縁抵抗が 5.1 の規定を,接触抵抗は 5.2 に規定する耐久検査前の値を満足しなけれ

ばならない。

5.6

温度上昇  スイッチのプッシュロッドを ON の状態(プッシュロッドを押さない状態で ON のもの

はそのままで,OFF のものは指定された作動ストローク)で端子間に最大使用負荷を加え,各部の温度が

ほぼ一定となったときの導電部の温度と負荷を加える前の温度との差は,

表 に示す値以下とする。

表 5

単位  ℃

接触部の種類

温度差

自力接触

銅又は銅合金 30

銀又は銀合金 50

他力接触

銅又は銅合金 40

銀又は銀合金 65

備考1.  自力接触とは,接触部の弾性などにより,導電部

分の一部又は全部によって接触圧力が生じるよ

うな構造のものをいう。

2.

他力接触とは,接触部における導電部分が単に通
電を目的とし,接触圧力が通電を目的としない他

の弾性体(例えば,ばね鋼のばね)に依存するよ
うな構造のものをいう。

3.

自力,他力両効果のある構造で自力接触の効果が

失われても,他力で十分接触効果のあるものは他
力接触とみなす。

5.7

耐振性  スイッチは 5.1 及び 5.2 の ON 状態及び OFF 状態において,表 の試験を行ったとき,接点

のふらつき及び有害な異常音を生じてはならない。

また,試験後の接触抵抗は,5.2 に規定する耐久検査前の値を,作動は,5.3 の規定を満足しなければな

らない。


4

D 5810-1994

表 6

種類

JIS D 1601

の規定による段階

1

種,2 種

段階 7

3

種,4 種

段階 4

5.8

耐久性  スイッチは,通常の使用状態において,作動回数は 30 000 回以上(全ストローク)使用で

きるもので,5.1

5.3 の規定を満足しなければならない。

なお,1 種のスイッチは,ケース及び絶縁体の部分から油漏れがあってはならない。

6.

検査

6.1

形式検査  形式検査は新規の設計,製作によるスイッチが設計どおりの性能であるかどうか,又は

新規の受渡しに際し,設計,仕様どおりの性能であるかどうかを知るために行うもので,次の各項目につ

いて行い,同一試験品で全部の検査に合格しなければならない。ただし,構造検査のうち端子の強さ,材

料検査及び耐温度検査は,別の試験品で行ってもよい。

(1)

構造検査

(2)

材料検査

(3)

絶縁抵抗検査

(4)

接触抵抗検査

(5)

作動検査

(6)

耐温度検査

(7)

耐水検査

(8)

温度上昇検査

(9)

耐振検査

(10)

耐久検査

6.2

受渡検査  受渡検査は,形式検査に合格した同一形式のスイッチを製造又は受渡しの際に行うもの

で,同一試験品について,次の各項目全部の検査に合格しなければならない。ただし,構造検査のうち,

端子の強さについては検査を行わない。

また,受渡当事者間の協定により,検査項目の一部を省略してもよい。

(1)

構造検査

(2)

絶縁抵抗検査

(3)

作動検査

6.3

検査条件

6.3.1

検査場所の標準状態  JIS Z 8703 に規定する常温常湿とする。

6.3.2

測定用電気計器  電圧計及び電流計は,JIS C 1102 に規定する 0.5 級以上,絶縁抵抗計は JIS C 1302

に規定する 500V 用のものを使用する。

6.3.3

検査電圧  検査電圧は,公称電圧 12V のものは 13.0V,24V のものは 26.0V とする。

6.3.4

検査負荷  公称電圧 12V のものは JIS C 7506 に規定する M2972 の電球 2 個と M936 の電球 1 個。

公称電圧 24V のものは,JIS C 7506 に規定する M2964 の電球 2 個と M956 及び M852 の電球各 1 個。

6.3.5

耐久試験用潤滑油  JIS K 2219 に規定された 3 種を使用する。

6.4

検査方法及び判定基準

6.4.1

構造検査  構造は,3.の規定に適合しなければならない。


5

D 5810-1994

6.4.2

材料検査  材料は,4.の規定に適合しなければならない。

6.4.3

絶縁抵抗検査  絶縁抵抗は,5.1 の規定に適合しなければならない。

6.4.4

接触抵抗検査  接触抵抗は 3 回測定し,その平均値が 5.2 の規定に適合しなければならない。

6.4.5

作動検査  作動検査は,5.3 の規定に適合しなければならない。

6.4.6

耐温度検査  耐温度検査は次の方法によって行い,5.4 の規定に適合しなければならない。

(1)

スイッチを低温槽に入れ,

表 の回路 OFF のものはプッシュロッドを押さない状態で,また,表 

回路 ON のものは押した状態で,槽内の周囲温度を−30±2℃に下げ,ほぼ安定してから約 60 分間保

持し,温度を徐々に−20±2℃まで上げる。周囲温度がほぼ安定した後,更に約 30 分間保持してから,

全ストロークを 10 回作動させる。

(2)

スイッチを高温槽に入れ,

表 の回路 OFF のものはプッシュロッドを押さない状態で,また,表 

回路 ON のものは押した状態で,槽内の周囲温度を

表 の最高放置温度に上げ,ほぼ安定してから約

60

分間保持し,温度を徐々に

表 の最高作動温度まで下げる。周囲温度がほぼ安定した後,更に約 30

分間保持してから,全ストロークを 10 回作動させる。

6.4.7

耐水検査  耐水性は 5.5 の規定に適合しなければならない。

6.4.8

温度上昇検査  スイッチに表 に示す最大使用負荷を加え,各部の温度がほぼ安定した後熱電対を

使用して測定したとき,導電部の温度上昇は,5.6 

表 に示す値以下でなければならない。

6.4.9

耐振検査  耐振性は,5.7 の規定に適合しなければならない。

なお,この場合,スイッチは振動試験機台上に垂直に取り付ける。

また,振動耐久試験の時間は ON 状態及び OFF 状態の合計時間とする。

備考  スイッチの左右方向へ振動を加える場合,正規の使用状態の取付けに対して,スイッチの左右

方向の向きを 90°回転させてもとの左右方向が垂直になるようにして上下振動を加えてもよ

い。

6.4.10

耐久検査  表 に示す条件によってスイッチをほぼ全ストローク作動させたとき,各部に異常がな

く,5.8 の規定に適合しなければならない。

なお,1 種及び 2 種のスイッチは実車の装着状態に合わせて,

図 又は図 に示す油槽に取り付けて行

う。

3

種及び 4 種のスイッチは,同様の方法で潤滑油を用いないで行う。

表 7

項目

試験条件

試験電圧

公称電圧 12V のものは 14±0.5V

(電球端子間)

公称電圧 24V のものは 28±1.0V

検査負荷

6.3.4

による。

繰返し作動速度 10∼30 回/分

作動体の移動時間(

3

0.1

∼0.5 秒

作動体の停止時間(

4

0.4

秒以上

試験回数 30

000

回(全ストローク)

(

3

)

試験装置の作動体がプッシュロッドに接触し,
プッシュロッドが OFF 位置から ON 位置又は

ON

位置から OFF 位置に移るまでの時間

(

4

)

プッシュロッドが停止位置で停止している時間


6

D 5810-1994

図 1

図 2

(

5

)

油面は静止状態において,プッシュロッドの作動方向のほぼ中心位置に置く。

なお,油温は 1 種においては 75∼80℃,2 種においては 110∼120℃とする。

7.

製品の呼び方  スイッチの呼び方は,規格名称又は規格番号,種類,定格電圧,周囲温度,回路又は

記号及び端子の種類又は端子記号による。

なお,スイッチのプッシュロッドを軸方向に作動させるものにあっては,更に記号 S を付ける。

1.  自動車用バックアップランプスイッチ1種12V 一般用 OFF リード線付きぎぼし形おす端子。

又は,JIS D 5810-1AL CA

2.  自動車用バックアップランプスイッチ2種24V 高温用 ON リード線なし平形おす端子軸方向押し。

又は,JIS D 5810-2BN PAS

8.

表示  スイッチは見やすい所に消えない方法で,次の事項を明りょうに表示する。

(1)

製造業者名又はその略号

(2)

製造年月又はその略号

(3)

記号(

表 1

(4)

公称電圧(12V 及び 24V 兼用のものは表示しなくてもよい。


7

D 5810-1994

付図 1

単位 mm

取付ねじ

ケース六角部二面幅

M14

×1.5 19

0

8

.

0

M18

×1.5 24

0

8

.

0

M20

×1.5 27

0

8

.

0

備考1.  ぎぼし形おす端子は,JIS D 5403

の CA104とする。

2.

平形おす端子は,

JIS D 5403

の PA

とする。

3.

リード線付きの記号は L とする。


8

D 5810-1994

自動車部会  自動車用スイッチ専門委員会  構成表(昭和 49 年 5 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

岩  崎      賢

工業技術院機械技術研究所

飯  塚  良  政

運輸省自動車局

北  村  光  三

通商産業省工業品検査所

竹  内  健  二

工業技術院標準部

中  村  泰  男

通商産業省機械情報産業局

海老名  秀  澄

株式会社エビナ電機製作所

清  水  哲  二

株式会社東海理化電機製作所

下  村  美  貞

有信精器工業株式会社

鈴  本  作  良

社団法人日本自動車部品工業会

豊  島  正  雄

山口電機工業株式会社

中  野  貞  雄

ナイルス部品株式会社

天  野  康  彦

トヨタ自動車工業株式会社

荒  木  昌  信

富士重工業株式会社

芋  田      勉

日本国有鉄道自動車局

小  川      隆

日野自動車工業株式会社

阪  下  広  治

ダイハツ工業株式会社

末  田  俊  雄

東洋工業株式会社

関  口      浩

日産ディーゼル工業株式会杜

高  山  英  一

三菱自動車工業株式会社

近  田  隆  愛

株式会社本田技術研究所

豊  田  益  見

いすゞ自動車株式会社

中  村      清

明治産業株式会杜

永  沢      治

京王帝都電鉄株式会社

渡  辺  顕  一

日産自動車株式会社

(専門委員)

井  田      孝

工業技術院標準部機械規格課

(関係者)

栂  村  正  信

富士電器株式会社

長  尾  雅  利

自動車電機工業株式会社技術部

萩  谷  利  雄

松下電器産業株式会社機構部品事業部

(事務局)

横  溝  眞一郎

工業技術院標準部機械規格課

柾  谷  栄  吾

工業技術院標準部機械規格課

(事務局)

笹  尾  照  夫

工業技術院標準部機械規格課(平成 6 年 9 月 1 日改正のとき)