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日本工業規格

JIS

 D

5805

-1994

自動車用プッシュプルスイッチ(1 段)

Push-pull switches for automobiles

1.

適用範囲  この規格は,最大負荷 160W 以下の自動車用各種ランプ(ただし,ハザードウォーニング

ランプを除く。

)及び各種機器の電流回路を手動により開閉するプッシュプルスイッチ(1 段)

(以下,ス

イッチという。

)について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 0209

  メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差

JIS C 1102

  指示電気計器

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS D 0201

  自動車部品の電気めっき通則

JIS D 1601

  自動車部品振動試験方法

JIS D 5403

  自動車用電線端子

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

2.

種類及び記号  スイッチの種類及び記号は,公称電圧及び最大負荷によって区分し,表 に示すとお

りとする。

表 1

種類

記号

公称電圧 V

最大負荷 W

1

種 1A  12

10

 1B

24

2

種 2A  12  100

 2B

24

3

種 3A  12  160

 3B

24

3.

構造

3.1

一般構造  スイッチの構造は,できるだけ取り扱いが簡単で,堅ろうなものとし,使用中各部がゆ

るまないようにしなければならない。

3.2

切換方式  スイッチの切換方式は,表 に示すとおりとする。

表 2

切換位置

入力端子

出力端子

ノブの位置

 OFF

押し込まれているとき

 ON

引き出されているとき

備考  表中の○印は,各端子に対する接続を示す。


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D 5805-1994

3.3

操作及び節度  スイッチの操作は滑らかで,しかも停止すべき正しい位置(表 の切換位置で,以

下,停止位置という。

)を手ごたえで容易に感知できなければならない(以下,節度という。

。ただし,そ

の際の節度の荷重(力)は,4.9∼29N とする。

なお,各停止位置の中間においては,有害な引っかかり,きしみ,がたなどがあってはならない。

3.4

形状及び寸法  スイッチの形状及び主要寸法は,付図 に示すとおりとする。

3.5

端子の強さ  スイッチの端子は,正規の使用状態において,端子のリード線取付部へ垂直静荷重 49 N

を 1 分間加えても,有害な変形,端子固定部のがた及びその他に異状が生じてはならない。

なお,平形端子又はリード線に,はんだ付けしたものは,リード線の引き出し方向へ静荷重 49 N を加え

て行う。

3.6

取付部の強さ  スイッチを正規の使用状態に取り付け,本体先端(付図 参照)へ垂直静荷重 49 N

を 1 分間加えても,取付部その他に異状が生じてはならない。

4.

材料及びめっき  スイッチの主要部の材料及びめっきは,原則として表 に示すとおりとする。

なお,めっきは,JIS D 0201 の規定による。

表 3

部品名

材料

めっき

接点

銅又は銅合金

銀めっきを施す場合は MBAg5

銀又は銀合金

端子

黄銅

軟鋼 MFZn5

導電金具

黄銅

黄銅

端子用小ねじ及び

取付けナット

軟鋼 MFZn5

外わく

軟鋼 MFZn5

アルミニウム

亜鉛合金

合成樹脂

化粧ナット

黄銅 MBCr5 又は MBNi5

軟鋼 MFNi5 又は MFCr10

亜鉛合金 MZCr10 又は MZNi15

アルミニウム MACr20

合成樹脂

絶縁体

合成樹脂

備考 MFZn5 の場合は,クロメート処理 B 又は C を施す。

5.

外観  スイッチの化粧ナット及びノブの外観は,JIS D 0201 の規定による。ただし,ノブについては,

あわ,異物,ばり,かけなどの容易に識別できるものがあってはならない。

なお,傷,あわ,異物,ばり,ピンホール及びかけの限度は,原則として

表 に示すとおりとする。


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表 4

部品名

外観の状態

限度

化粧ナット

打傷

幅 0.5mm 以下,長さ 3mm まで 3 個以下

素地傷

長さ 1∼4mm 3 個以下

すり傷

長さ 3∼10mm3 本以下

ノブ

素地傷

長さ 4∼7mm1 個以下

すれ傷

長さ 4∼7mm1 個以下

あわ,異物

幅 1mm 以下 1 個以下

ばり

幅 2mm 以下

ピンホール

1

文字の線幅の 10∼30%までの直径をもつピンホール 1 個以下

かけ

文字部のかけは,0.5mm 以下

6.

性能

6.1

絶縁抵抗  スイッチの絶縁された金属間の絶縁抵抗は,常温常湿の状態において 1M

Ω以上とする。

6.2

接触抵抗  スイッチを ON 状態において,入力端子と出力端子との間に表 に示す負荷を加えた時

の接触抵抗による電圧降下は,

表 に示す値以下とする。

表 5

単位  V

項目

電圧降下

耐久検査前 0.15

耐久検査後 0.25

6.3

耐温度性  スイッチは,−30∼80℃の温度範囲において各部に異状を生じないで,−20∼60℃の温

度範囲で作動しなければならない。

また,接触抵抗は,6.2 による耐久検査前の値を満足しなければならない。

6.4

温度上昇  スイッチを ON 状態において,入力端子と出力端子との間に表 に示す負荷を加え,各

部の温度がほぼ一定になったときの導電部の温度と負荷を加える前の温度との差は,

表 に示す値以下で

なければならない。

表 6

単位  ℃

接触部の種類

温度差

自力接触

銅又は銅合金 30

銀又は銀合金 50

他力接触

銅又は銅合金 40

銀又は銀合金 65

備考1.  自力接触とは,接触部における導電部分の一部又は全部によ

って接触圧力が生じるような構造のものをいう。

2.

他力接触とは,接触部における導電部分が単に通電を目的と

し,接触圧力が通電を目的としない他の弾性体(例えば,ば
ね鋼のばね)に依存するような構造のものをいう。

3.

自力,他力両効果のある構造で,自力接触の効果が失われて

も他力で十分接触効果のあるものは,他力接触とみなす。

6.5

耐振性  スイッチの各切換位置において,JIS D 1601 の 5.3(振動耐久試験方法)に規定する段階 4

による試験を行ったとき,接点の接触ふらつき及び有害な異常音を生じてはならない。

また,試験後,接触抵抗は,6.2 に規定する耐久検査前の値を,操作及び節度は,3.3 に規定する事項を


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D 5805-1994

満足しなければならない。

6.6

耐久性  スイッチは,通常の使用状態において,作動回数 25 000 回以上使用しても,3.36.1 及び

6.2

の規定を満足しなければならない。

なお,作動回数は,ノブの操作 1 往復を 1 回とする。

7.

検査

7.1

形式検査  形式検査は,新規の設計製作によるスイッチが設計どおりの性能を発揮するかどうか,

又は新規の受渡しに際し,設計仕様どおりの性能を発揮するかどうかを知るために行うもので,次の各項

目について行い,同一試験品について全部の検査に合格しなければならない。ただし,(7)は,別の試験品

で行ってもよい。

(1)

構造検査

(2)

材料検査

(3)

外観検査

(4)

絶縁抵抗検査

(5)

接触抵抗検査

(6)

耐温度検査

(7)

温度上昇検査

(8)

操作及び節度検査

(9)

耐振検査

(10)

耐久検査

(11)

表示検査

7.2

受渡検査  受渡検査は,形式検査に合格した同一形式のスイッチを製造又は受渡しの際に行うもの

で,同一試験品について,次の各項目全部の検査に合格しなければならない。ただし,3.5 に規定する端子

の強さ及び 3.6 に規定する取付部の強さは検査を行わない。

また,受渡当事者間の協定によって,検査項目の一部を省略してもよい。

(1)

構造検査

(2)

外観検査

(3)

絶縁抵抗検査

(4)

操作及び節度検査

(5)

表示検査

7.3

検査条件

7.3.1

検査場所の標準状態  特に指定がない限り,原則として JIS Z 8703 に規定する常温常湿で行う。

7.3.2

測定用電気計器  電圧計及び電流計は,JIS C 1102 に規定する 0.5 級以上,絶縁抵抗計は JIS C 1302

に規定する 500V 用のものを使用する。

7.3.3

検査電圧  特に指定がなければ,検査電圧は公称電圧とする。

7.3.4

検査電流  特に指定がなければ,検査電流は表 による。


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D 5805-1994

表 7

種類

公称電圧 V

検査電流 A

1 12  1

 24

2 12  8

 24 4

3 12 13

 24 7

7.3.5

検査負荷  特に指定がなければ,抵抗負荷(電球を含む)を用いる。

7.4

検査方法

7.4.1

構造検査  構造は,3.の規定に適合しなければならない。

7.4.2

材料検査  材料は,4.の規定に適合しなければならない。

7.4.3

外観検査  外観は,5.の規定に適合しなければならない。

7.4.4

絶縁抵抗検査  絶縁抵抗は,6.1 の規定に適合しなければならない。

7.4.5

接触抵抗検査  接触抵抗は 3 回測定し,その平均値が 6.2 の規定に適合しなければならない。

7.4.6

耐温度検査

(1)

スイッチを低温槽に入れ,ノブを引き出さない状態で槽内の周囲温度を−30℃に下げ,ほぼ安定して

から約 60 分間保持し,温度を徐々に−20℃まで上げる。周囲温度がほぼ安定した後,更に約 30 分間

保持してから全ストロークを 10 回作動させた後作動検査を行い,6.3 の規定に適合しなければならな

い。

(2)

スイッチを高温槽に入れ,ノブを引き出さない状態で槽内の周囲温度を 80℃に上げ,ほぼ安定してか

ら約 60 分間保持し,温度を徐々に 60℃まで下げる。周囲温度がほぼ安定した後,更に約 30 分間保持

してから全ストロークを 10 回作動させた後作動検査を行い,6.3 の規定に適合しなければならない。

7.4.7

温度上昇検査  スイッチの端子に電線を接続して表 に示す負荷を加え,各部の温度がほぼ安定し

た後,熱電対を使用して測定したとき,導電部の最高温度上昇は,

表 に示す値以下でなければならない。

7.4.8

操作及び節度検査  電流切換作動は確実で,点灯時に異状がなく,3.3 の規定に適合しなければな

らない。

7.4.9

耐振検査  耐振性は,6.5 の規定に適合しなければならない。

また,振動耐久試験の時間は,各切換位置の合計時間とする。

備考  スイッチの左右方向へ振動を加える場合,正規の使用状態の取り付けに対して,スイッチの左

右方向の向きを 90 度回転させて,もとの左右方向が垂直となるようにして,上下振動を加えて

もよい。

7.4.10

耐久検査  表 に示す条件によって,スイッチを開閉作動して耐久試験を行ったとき,各部に異状

がなく,6.6 の規定に適合しなければならない。ただし,接触抵抗の測定は 3 回行い,その平均値をとる。


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D 5805-1994

表 8

項目

試験条件

作動回数

毎分 15∼30 回,25 000 回

操作部の移動時間 0.1∼0.5 秒

試験端子電圧

公称電圧 12V は約 14V

公称電圧 24V は約 28V

端子負荷電流

表 による。

7.4.11

表示検査  表示は,9.の規定に適合しなければならない。

8.

製品の呼び方  スイッチの呼び方は,規格名称又は規格番号,種類又は記号及び端子の種類又は端子

記号による。

例  自動車用プッシュプルスイッチ(1 段)1 種 12V ねじ端子

又は,JIS D 5805-1AS

9.

表示  スイッチは,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を明りょうに表示する。

(1)

製造業者名又はその略号

(2)

製造年月又はその略号

(3)

種類(1 種は 1,2 種は 2,3 種は 3 と表示する。ただし,3 種は省略してもよい。

(4)

公称電圧(公称電圧が 12V 及び 24V 併用のものは表示しなくてもよい。

付図 1

1.

主要寸法及び取付部寸法

備考1.  つまみ取付部5口又は4口がねじ込みの場合のねじは,原則として JIS B 0209に規定する M5×0.8又は M4×0.7

の2級とする。

2.

ねじ精度は,JIS B 0209 に規定する 2 級とする。

2.

端子寸法


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D 5805-1994

(1)

ねじ端子のねじ(記号 S)は,原則として JIS B 0209 に規定する M3×0.5 の 2 級又は M4×0.7 の 2 級

とする。

(2)

平形おす端子は,JIS D 5403 に規定する PA とする。