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日本工業規格

JIS

 D

5703

-1995

自動車用ワイパモータ

Windshield wiper motors for automobiles

1.

適用範囲  この規格は,自動車に使用するワイパモータ(以下,ワイパモータという。)について規定

する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 0209

  メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差

JIS B 0211

  メートル細目ねじの許容限界寸法及び公差

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS C 1502

  普通騒音計

JIS C 3406

  自動車用低圧電線

JIS C 4003

  電気機器絶縁の種類

JIS D 0103

  自動車用電装部品の名称に関する用語

JIS D 0201

  自動車部品−電気めっき通則

JIS D 0204

  自動車部品の高温及び低温試験方法

JIS D 1601

  自動車部品振動試験方法

JIS D 5005

  自動車用電装部品の公称電圧及び試験電圧

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

JIS Z 8731

  騒音レベル測定方法

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS D 0103 によるほか,次のとおりとする。

(1)  1

速式  モータシャフトの回転数が変化できないもの。

(2)  2

速式  モータシャフトの回転数が 2 種類に変化できるもの。

(3)

無段変速式  モータシャフトの回転数が無段に変化できるもの。

(4)

冷時  モータ内部と周囲温度が等しく常温である状態。

(5)

拘束トルク  R 形のモータシャフト又は P 形,F 形(3.表 参照)の最終回転軸を,冷時において停

止させたときのトルク。

(6)

公称トルク  ワイパモータの製造業者において公称する拘束トルク。単位は,ニュートンメートル

(N

・m)  で表し,2 速式のものは低速,無段変速式のものは下限におけるトルクとする。

(7)

始動トルク  P 形(3.表 参照)においてモータシャフトが始動できる冷時の最大トルク。

(8)

定位置停止装置  ワイパスイッチを開放したとき,モータシャフトが自動的に定位置で停止する機構。

(9)

しまい込み装置  (8)の定位置停止のとき,ワイパアームがふき角度から外れて停止する機構(図 

照)


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図 1

3.

種類及び附属装置  種類及び附属装置並びにその記号及び構造は,表 及び表 に示すとおりとする。

表 1

種題

記号

構造

往復形

P

モータシャフトが往復運動する構造のもの

回転形

R

モータシャフトが回転運動する構造のもの

索導形

F

索を介してワイパシャフトを作動させる構造のもの

表 2

附属装置

記号

構造

定位置停止装置

T

2.(8)

参照

しまい込み装置

U

2.(9)

参照

4.

電圧

4.1

公称電圧  公称電圧は,JIS D 5005 による 6V,12V 及び 24V とする。

4.2

試験電圧  試験電圧は,表 による。

表 3

単位 V

公称電圧 6  12  24

標準作動試験電圧 6.5±0.2 13.5±0.3 27

±0.6

耐久試験電圧 7.0±0.5 14.0±0.5 28.0±1.0

備考  試験電圧は,ワイパモータの端子における電圧をいう。

5.

無負荷回転数  無負荷回転数は,ワイパモータを無負荷の状態で 30 分間以上作動させ,その回転数が

安定したときの回転数をいい,

表 に示すとおりとする。単位は,1 分間当たりの回転数又は往復数で表

す。

表 4

単位 r/min

速度方式

記号

無負荷回転数

1

速式 S

55

低速

45 50 55

2

速式 D

高速

70 75 80

無段変速式 V

45

∼90

備考  ワイパモータの端子における電圧は,4.2 の標準作

動試験電圧とする。


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6.

構造  構造は,次のとおりとする。

(1)

ワイパモータの各部は,堅ろうで,しかも確実に組み合わされていること。

(2)

ワイパシャフト及びその軸管は,防水構造とし,各部の寸法は,原則として

図 による。

(3)

ワイパモータの取付寸法は,原則として

図 による。

(4)

ワイパモータのリード線及び端子配列は,原則として

図 による。

図 2  ワイパシャフト及び軸管の形状及び寸法 


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図 2  (続き)

備考  ねじの公差は,JIS B 0209 及び JIS B 0211 の 3 級とする。ただし,めっきを施した場合のねじの精度は,上

の許容差を 0 とする。

図 3  取付寸法


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図 4  リード線及び端子配列

備考1.  リード線の太さは,JIS C 3406の呼び AV0.5又は AV0.85とし,その長さは,引出口から100mm 又は

200mm

とする。

2.

リード線の色別は,JIS C 3406 に規定する色別記号による。

7.

めっき  ワイパモータの部品で電気めっきを施すものは,原則として JIS D 0201 の MFZn5,MBCr5,

MFNi5

又は MZCr15 とする。

8.

性能

8.1

トルク  トルクは,表 に示すとおりとする。

表 5

項目

適用種類

性能

拘束トルク P

R

F

公称トルク以上

ふき角度(又は作動角度) 公称トルクに対するトルク

P 90

°以下

90

°を超え 100°以下

100

°を超え 110°以下

110

°を超え 120°以下

60%

以上

55%

以上

50%

以上

40%

以上

始動トルク

F

当事者間の協定による。

8.2

回転数  回転数は,次のとおりとする。

(1)

無負荷作動時の回転数は,5.

表 によって,その許容差は,±15%であること。

(2)

負荷作動時の回転数は,

表 の負荷を加えたとき,1 速式及び 2 速式の低速が無負荷作動時の回転数

の 70%以上,2 速式の高速が 60%以上であること。


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表 6

速度方式

負荷

1

速式

公称トルクの 15%

低速

公称トルクの 15%

2

速式

高速

公称トルクの 10%

備考  無段変速式に対しては 2 速式に準ずる。

8.3

ふき角度  ふき角度は,表 に示すとおりとする。

表 7

性能

適用種類

公称トルク

指定角度に対する許容差

4.0N

・m 以下

±8%

P

4.0N

・m を超えるもの

±5%

8.4

温度上昇  ワイパモータの温度上昇は,ワイパモータのコイルに近いヨーク表面で 60℃以下とする。

ただし,JIS C 4003 の H,B 及び C 種絶縁物を使用した場合は,この限りでない。

8.5

絶縁抵抗  ワイパモータの絶縁された金属間の絶縁抵抗は,JIS C 1302 による 500V 絶縁抵抗計で測

定したとき,1M

Ω以上とする。

8.6

耐振性  ワイパモータは,JIS D 1601 の段階 20 又は段階 45 による試験を行ったとき,ねじのゆる

み,変形及び異常音を生じないものとし,トルクが 8.1 を,回転数が 8.2(1)を満足するものとする。

8.7

耐温度特性  ワイパモータは,原則として JIS D 0204 の 90℃又は 70℃による高温放置試験及び−

20

℃の無負荷作動による低温作動試験を各 1 時間行った後,常温,常湿で 1 時間放置したとき,トルクが

8.1

を,回転数が 8.2(1)を満足するものとする。

8.8

騒音  騒音は,次のとおりとする。

(1)

ワイパモータを無負荷の状態で作動させたとき異常音がないこと。

(2)

ワイパモータをマイクロホン正面から 30cm 離れたところに置き無負荷の状態で作動させ,

図 の例

に示すような台の上で騒音を測定したとき,

表 に適合すること。

なお,測定は次の条件による。

(a)

試験場所は,できるだけ周囲からの反射音による影響を受けないこと。

(b)

騒音計は,JIS C 1502 によるものを使用し,聴感補正回路は A 特性を,指示計器の動特性は速 (Fast)

を使用する。

(c)

暗騒音は,原則として騒音測定値より少なくとも 10dB (A) 小さいこと。ただし,JIS Z 8731 の 6.

(特定騒音に対する暗騒音の影響)によって暗騒音の影響に対する指示の補正を行っても差し支え

ない。


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図 5  騒音測定(例)

表 8

単位 dB (A)

等級区分

公称トルク

1

2

4.0N

・m 以下 55 以下 60 以下

1

速又は低速 50 以下 55 以下

4.0N

・m を超えるもの

高速 60 以下 65 以下

8.9

耐久性  ワイパモータを表 の条件で連続運転したとき,トルク,回転数,ふき角度について 10%

以上の性能劣化及び有害ながた,ゆるみなどの欠陥が生じないものとする。

表 9

速度方式

運転時間 (h)

負荷

公称トルク 4.0N・m 以下 200

1

速式

公称トルク 4.0N・m を超えるもの 400

公称トルクの 15%

低速 200

公称トルクの 15%

2

速式

高速 200

計 400

公称トルクの 10%

作動サイクルは,5.5 分作動 0.5 分停止とする。

備考  無段変速式は,2 速式に準ずる。

9.

検査

9.1

形式検査  形式検査は,新規に設計製作されたワイパモータの受渡しに際し,次の各項目について

行う。ただし,受渡当事者間の協定によって,検査の項目を省略してもよい。

(1)

構造検査

(2)

めっき検査

(3)

性能検査

(4)

附属装置検査

9.2

受渡検査  受渡検査は,形式検査に合格した同形式のワイパモータの受渡しに際し,性能検査のう

ち,次の各項目について行う。ただし,受渡当事者間の協定によって,検査の項目を省略してもよい。

(1)

拘束トルク検査又は始動トルク検査

(2)

無負荷作動検査


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(3)

ふき角度検査

(4)

騒音検査[ただし,8.8(2)を除く。

9.3

検査条件

9.3.1

検査場所の標準状態  検査場所は,特に指定がなければ,JIS Z 8703 による常温,常湿とする。

9.3.2

検査電圧  検査電圧は,4.2 の試験電圧とする。

9.4

検査方法及び判定基準

9.4.1

構造検査  構造は,6.の規定に適合しなければならない。

9.4.2

めっき検査  めっきは 7.の規定に適合しなければならない。

9.4.3

性能検査

(1)

拘束トルク検査  拘束トルクは,原則としてブロニー形トルクメータを用い,冷時において負荷を加

えて短時間にワイパモータを停止させたときのトルクを測定した場合,8.1 

表 の規定に適合しなけ

ればならない。ただし,過負荷保護装置のあるものは,装置のない状態で測定する。

(2)

始動トルク検査  始動トルクは,モータシャフトに図 の例に示すような装置を取り付け,始動点(A

又は B)に指定されたトルクに相当する荷重(力)を加え,折返し点(B 又は A)まで 3 回作動さ

せたとき,8.1 

表 の規定に適合しなければならない。ただし,過負荷保護装置のあるものは,装置

のない状態で測定する。

図 6  始動トルク検査装置(P 形の場合の例)

(3)

無負荷作動検査  無負荷作動時の回転数は,5.の表 及び 8.2(1)の規定に適合しなければならない。た

だし,商用検査の場合は,当事者間の協定により,冷時で検査してもよい。

(4)

負荷作動検査  負荷作動時の回転数は,(3)の無負荷作動検査後直ちに図 の例に示すような負荷作動

試験装置にモータシャフトを取り付けて作動させたとき,8.2(2)の規定に適合しなければならない。た

だし,P 形及び F 形は,最終回転軸に負荷を加えて検査してもよい。


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図 7  負荷作動試験装置(例)

(5)

ふき角度検査  P 形のふき角度は,無負荷の状態で検査を行ったとき,8.3 の表 の規定に適合しなけ

ればならない。

(6)

温度上昇検査  ワイパモータを 8.2 の表 に規定する負荷で連続作動させ,ワイパモータのコイルに

近いヨーク表面の温度が一定となったときの温度上昇は,8.4 の規定に適合しなければならない。

(7)

絶縁抵抗検査  絶縁抵抗は,8.5 の規定に適合しなければならない。

(8)

耐振検査  耐振性は,8.6 の規定に適合しなければならない。

(9)

耐温度特性検査  耐温度特性は,8.7 の規定に適合しなければならない。

(10)

騒音検査  騒音は,8.8 の規定に適合しなければならない。

(11)

耐久検査  耐久性は,8.9 の規定に適合しなければならない。

9.4.4

附属装置検査

(1)

定位置停止装置付きワイパモータは,0.50N・m 以下の負荷で 30 分間運転し停止させたとき,定めた停

止位置から±20°以内に停止しなければならない。ただし,P 形の場合は±6°とする。

(2)

リレーなどの電磁石機構は,

表 10 の電圧以下で作動しなければならない。

表 10

単位 V

公称電圧 6  12 24

作動電圧 5  10 20

(3)

しまい込み装置その他の附属装置の検査は,当事者間の協定によって行う。

10.

呼び方  ワイパモータの呼び方は,次の例による。

例:

11.

表示  ワイパモータには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。

(1)

公称電圧

(2)

製造業者名又はその略号


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(3)

モータシャフトの回転方向(R 形ワイパモータに限り,必要に応じて矢印などで表示する。

自動車部会  自動車用ワイパ専門委員会  構成表(昭和 51 年 4 月 1 日改正のとき)

氏名

所属

(委員会長)

岩  崎      賢

工業技術院機械技術研究所

逢  坂  国  一

工業技術院標準部

富  永  孝  雄

通商産業省機械情報産業局

宇  野  則  義

運輸省自動車局

青  地  慎太郎

通商産業省工業品検査所

岩  井      晋

日本国有鉄道自動車局

平  井  英  一

田中計器工業株式会社

上  山      明

株式会社三ツ葉電機製作所

鈴  木      喜

日本電装株式会社

長  尾  雅  利

自動車電機工業株式会社

小  林  一  之

市光工業株式会社

田  辺      清

社団法人日本自動車部品工業会

末  田  俊  雄

東洋工業株式会社

松  井  俊  次

トヨタ自動車工業株式会社

須  藤  茂  吉

富士重工業株式会社

近  田  隆  愛

株式会社本田技術研究所

玉  井  幸一郎

三菱自動車工業株式会社

田  村  敏  彦

いすゞ自動車株式会社

渡  辺  顕  一

日産自動車株式会社

山  本  美  雄

社団法人日本乗合自動車協会

(専門委員)

井  田      孝

工業技術院標準部

(関係者)

大  谷  三  郎

田中計器工業株式会社

内  山      宏

関東精器株式会社

(事務局)

村  里  利  明

工業技術院標準部機械規格課

(事務局)

笹  尾  照  夫

工業技術院標準部機械規格課

(平成 7 年 2 月 1 日改正のとき)