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日本工業規格

JIS

 D

5607

-1993

自動車用運行記録計

Tachographs for automobiles

1.

適用範囲  この規格は,自動車に用いる運行記録計(以下,運行記録計という。)について規定する。

備考1.  運行記録計とは,自動車の瞬間速度及び運行距離を自動的に記録し,運行時間を表示(

1

)

又は

記録できる装置をいう。

2.

この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7001

  時計の試験方法

JIS D 0201

  自動車部品の電気めっき通則

JIS D 0202

  自動車部品の塗膜通則

JIS D 0204

  自動車部品の高温及び低温試験方法

JIS D 5601

  自動車用スピードメータ

JIS D 5608

  自動車用速度表示装置

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

(

1

)

運行時間の表示は,運行記録計の瞬間速度及び運行距離の記録装置によって代用してもよ

い。

2.

種類  運行記録計の種類は,外観,形状及び機能によって,表 の 4 種類とする。

表 1  種類

表示

装置

種類

運行記録

スピード

メータ

運行時刻 速度表示装置

確認ランプ

速度表示装置

検出部

施錠

備考

A

B

C

D

付図参照

備考  ○印は,当該項目の機能をもっていることを示す。

3.

性能

3.1

試験条件  性能の試験条件は,次のとおりとする。

(1)

試験場所の状態は,JIS Z 8703 に規定する常温常湿による。ただし,3.2 (1)(2)及び(4)の試験は,

温度 20±2℃において行う。

(2)

取付けは,使用車種に応じたものとする。

(3)

測定には電動機などの回転装置を用い,その装置と運行記録計との接続は,直結又は長さ 500mm 以

下のフレキシブルシャフトを使用する。


2

D 5607-1993

(4)

測定に用いる標準スピードメータの精度は,±0.25 km/h とする。

(5)  3.2(1)

(2)及び(4)の試験では,必要に応じ指示部に微振動又は軽打を与え,摩擦抵抗の影響をなくす。

3.2

精度  精度は,次のとおりとする。

(1)

針振れ及びスピードメータ部指示誤差  針振れ及びスピードメータ部指示の許容誤差は,JIS D 5601

による。

(2)

瞬間速度記録誤差  記録装置における瞬間速度記録の記録誤差は,表 に示す速度を記録する順序で

各位置ごとに行ったとき,

表 の許容誤差に適合すること。ただし,最高目盛での検査は行わない。

表 2  瞬間速度記録誤差

単位 km/h

標準スピードメータ指度

運行記録計の記録許容誤差

 30

±2.5

 40

±3.0

 60

±3.0

 80

±3.5

100

±4.5

120

±4.5

(3)

運行距離記録の記録誤差  記録装置における運行距離記録の記録許容誤差は,運行距離 100km につい

て 2km とする。

(4)

運行時間の表示又は記録装置の記録誤差  運行時間の表示又は記録装置の記録誤差は,表 による。

表 3  記録誤差

単位  分

1

日用

2

日以上 日用

機械式

±5

± [5+2 (n−1)]

時刻

機能部

電気式

±4

± [4+2 (n−1)]

備考  時刻を表示するものでは,JIS B 7001 の検査方法でチャート紙を挿入した正規の取付姿勢で検

査を行ったとき,日差又は平均日差は,

表 に適合するものとする。

表 4  時刻機能部の日差

単位  分

日差又は平均日差

機械式

±2

時刻 
機能部

電気式

±1

3.3

速度表示装置検出部及び確認ランプ  速度表示装置検出部及び確認ランプは,JIS D 5608 による。

3.4

温度特性  各記録の温度特性は,−15∼+60℃の温度範囲(60℃の場合は,湿度約 50%)で各部に

異常がなく,記録の変動は

表 に適合し,また,A 形及び C 形のスピードメータ温度特性は,JIS D 5601

の 4.(3)(温度−電圧特性)の規定に適合しなければならない。

表 5  温度特性

瞬間速度記録の変動

運行距離記録の変動

運行時間記録の変動

機械式

運行時間 24 時間について 3 分以内

60km/h

において 6km 以内

100km

について 1km 以内

時刻

機能部

電気式

運行時間 24 時間について 2 分以内

3.5

耐温度性  運行記録計を JIS D 0204 に規定する 5 種 TSH (70℃)  及び TSL (−30℃)  によって放置試

験を行った後,各部に異常がなく,3.2 に定める精度について

表 の○印で示す項目について試験を行った

とき,それぞれの規定に適合しなければならない。


3

D 5607-1993

表 6  耐温度性試験項目

項目

種類

針振れ

スピードメー
タ部指示誤差

瞬間速度 
記録誤差

運行距離記録
の記録誤差

運行時間の表示
又は記録装置の
記録誤差

A

B

C

D

3.6

耐振性  運行記録計を正規の取付姿勢で振動試験台上に取り付け,チャート紙を装着して作動させ,

駆動軸に最高目盛の約 80 %の速度に相当する回転を与え,振動数 33Hz,全振幅 2mm の振動を次に掲げる

時間連続して加えたとき,各部に異常がなく,試験前に対する指示,記録などの変化は,

表 に適合しな

ければならない。ただし,針振れは 3.2(1)による。

(1)

上下方向について  4 時間

(2)

前後方向について  2 時間

(3)

左右方向について  2 時間

表 7  耐振性

スピードメータ

部指示

瞬間速度記録

運行距離記録

運行時間記録

機械式

運行時間 24 時間について 3 分以内

最高目盛の 3%以内  最高目盛の 3%以内 100km について

1km

以内

時刻 
機能部

電気式

運行時間 24 時間について 2 分以内

3.7

耐久性  運行記録計を正規の取付姿勢で最高目盛の約 80%の速度に相当する回転を与えて連続

30 000km

の試験を行ったとき,各部に異常がなく,更に

表 の○印で示す項目を試験したとき,試験前に

対する指示,記録などの変化は,

表 に適合しなければならない。ただし,針振れは 3.2(1)による。

4.

構造及び形状

4.1

構造一般  構造一般は,次による。

(1)

運行記録計は,瞬間速度,運行距離の記録装置及び運行時間の表示又は記録装置並びに施錠装置,そ

の他からなる。

(2)

運行記録計は,駆動軸の回転速度が 637min

-1

のとき 60km/h を記録し,運行距離は,駆動軸が 637 回

転したとき 1km を記録するものとする。

(3)

スピードメータの機能をもつものについては,そのスピードメータは JIS D 5601 に適合するものとす

る。

(4)

運行記録計の駆動軸の回転方向は,駆動側から見て左回りとする。

(5)

運行記録計のフレキシブルシャフト取付部の形状は,JIS D 5601 に規定する A 形及び D 形とする。

なお,運行記録計の形状は,参考として

付図 に示す。

(6)

施錠装置は,機能が良好で,記録装置が確実に施錠されるものとする。

4.2

記録装置  記録装置は,次による。

(1)

記録装置は,瞬間速度,運行距離を同一のチャート紙に明りょうに記録し,運行時間を表示又は記録

するものとする。

(2)

チャート紙の送り速度は,30km/h の瞬間速度記録部において 8mm/h 以上とする。ただし,1 分間の送

りにつき 1 本以上の判別ができる場合にはこの限りではない。


4

D 5607-1993

(3)

瞬間速度の記録装置は,自動車の走行状態における瞬間速度を記録するもので,瞬間速度の記録範囲

が 30∼80km/h を含むものとする。

(4)

瞬間速度の記録装置は,10km/h の速度について 1.5mm 以上の長さが記録されるものとする。

(5)

運行距離の記録装置は,1km の距離について 0.5mm 以上の長さが記録されるものとする。

4.3

チャート紙  チャート紙は,次による。

(1)

チャート紙は,記録装置への取付け・取外しが容易で,1 年間の保存中に記録が損なわれないものと

する。

(2)

温度 23±2℃,湿度 95%以上で 2 時間放置したときと,湿度 (50±2) %で 2 時間放置したときとのチ

ャート紙の伸び率又は縮み率は 1%以内とする。

(3)

チャート紙の記録線判別能力は,常温常湿において 1mm 幅に 10 本以上の記録線が判別できるものと

する。

4.4

めっき及び塗装  運行記録計のめっき及び塗装は,次による。

(1)

外枠及びケースに塗装を施したものは,JIS D 0202 の 4.8(耐水性試験方法)による試験(40±2℃,

24

時間)を行ったとき,塗膜のはがれ,軟化,浮き及び変色を生じないこと。

(2)

外枠及びケースにめっきを施したものは,JIS D 0201 による MFNi10 以上,MBNi5 以上,MFCr10 以

上,MBCr5 以上又は MFZn5 以上とする。

5.

外観  運行記録計には,有害なきず,さび,その他の欠点がなく,防じん,さび止めの処理に欠陥の

ないものとする。

6.

製品の呼び方  運行記録計の呼び方は,規格名称又は規格番号に続く種類又は記号による。

例  自動車用運行記録計 A 形又は JIS D 5607 A

7.

表示  運行記録計には,次の事項を表示する。

(1) 1km

に対する駆動軸回転数

(2)

製造年月又はその略号

(3)

製造業者名又はその略号


5

D 5607-1993

付図 1  運行記録計の形状(例)


6

D 5607-1993

付図 1  (続き)

自動車航空部会  運行記録計専門委員会  構成表(昭和 57 年 10 月 15 日改正のとき)

氏名

所属

(委員会長)

柳  原      茂

工業技術院機械技術研究所自動車安全公害部

清  水  達  夫

運輸省自動車局

西  中  真二郎

通商産業省機械情報産業局

大久保  和  夫

工業技術院標準部

小  田  富  彦

軽自動車検査協会

今  井  正  明

社団法人日本自動車整備振興会連合会

鈴  木      栄

社団法人日本自動車連盟

高  木      修

いすゞ自動車株式会社開発本部

佐  藤  哲  雄

富士重工業株式会社スバル技術本部

野  路  明  男

株式会社本田技術研究所

藤  森  広  美

三菱自動車工業株式会社設計部

荒  井      宏

トヨタ自動車工業株式会社ボデー設計部

川内野  芳  郎

ダイハツ工業株式会社設計部

青  山  益  敏

日産自動車株式会社艤装設計部

松  村  安  裕

関東精器株式会社設計管理部

石  崎  洋  光

矢崎計器株式会社計器開発部

田  淵  史  忠

日本精機株式会社

田  代  博  之

日本電装株式会社メータ技術部

内  藤  恭  三

有信精器工業株式会社

(事務局)

松  川  東  一

工業技術院標準部機械規格課

鈴  木  一  規

工業技術院標準部機械規格課

(事務局)

笹  尾  照  夫

工業技術院標準部機械規格課(平成 5 年 8 月 1 日改正のとき)