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日本工業規格

JIS

 D

4607

-1994

自動車室内寸法測定用

三次元座位人体模型 (3DM-JM 50)

Three dimensional manikins for use in defining

automobile seating accommodations (3DM-JM 50)

1.

適用範囲  この規格は,自動車の室内寸法を測定する際に用いる成人男子体位の 50 パーセンタイル値

(JM 50)

を持つ,三次元座位人体模型(以下,模型という。

)について規定する。

備考  この規格の引用を,付表 に示す。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1) JM

50

  日本人成人男子の身長,体重などの 50 パーセンタイル値を記号化したもの。

(2)

バックパン  胴体背面の形状を形どった曲面板。

(3)

シートパン  でん部及び大たい部下面の形状を形どった曲面板。

(4)

ヒップポイント  こ(股)関節に相当する点。

(5)

ニーポイント  ひざ関節に相当する点。

(6)

アンクルポイント  足関節に相当する点。

(7)

バックブラケット  ヒップポイントを基点とし,

バックパン,

胸部おもりなどを支えるための構造物。

(8)

トルソバー  バックパンの傾斜角度などを測定する基準の棒をいい,バックブラケットのストッパに

接したとき,トルソライン(胴体の軸線)を表す。

(9)  T

バー  大たい部の長さを調節するもので,両下たい部を支える T 形の棒。

(10)

サイバー  シートパンと T バーの縦の棒とを固定するための構造物。

(11)

バックアングル  鉛直線に対しトルソバーが前傾又は後傾したときの角度。

(12)

ヒップアングル  バックブラケットのストッパに接したトルソバーと T バーの縦の棒とのなす角度。

(13)

ニーアングル  ニーポイントとアンクルポイントを結ぶ線と T バーの縦の棒とのなす角度。

(14)

フートアングル  ニーポイントとアンクルポイントを結ぶ線と裸足底面[足か(靴)部底面とのなす

角度は 6°30′]とのなす角度。

3.

構成  模型は,バックパン部,シートパン部,下たい部及び足か部の各部から構成される。

4.

構造

4.1

一般構造  模型の各構成部は,それぞれピン継手によって結合される構造とする。

4.2

バックパン部  バックパン部は,バックパン,バックブラケット,トルソバー,水準器 A,胸部お

もり,でん部おもりなどからなり,次のとおりとする。


2

D 4607-1994

(1)

バックパンは,その背面の形状が

付図 の線図によって示されるような曲面を持ち,使用上十分な強

度を有する構造とする。

(2)

バックブラケットは,脚部おもりを支えるのに十分な強度を有し,バックパンを固定できる構造とす

る。

(3)

トルソバーは,長さ及び前後傾斜角度を容易に変えられ,任意の位置に固定できるような構造とし,

次のとおりとする。

(a)

長さ目盛は,次のとおりとする。

(i)

シートパン底面を起点とし,ヒップポイントを通るトルソバー頂点までの長さ目盛は,800mm か

ら 1 000mm までの間を 2mm 間隔でトルソバーに刻む。

(ii)

ヒップポイントからの長さ目盛は,

600mm

から 700mm までの間を 2mm 間隔でトルソバーに刻む。

(b)

バックアングル目盛板は,トルソバーに取り付け,目盛は 1°間隔で刻む。

(c)

長さ目盛及び角度目盛は,模型の両側から見やすい位置とする。

(4)

水準器 A は,バックアングル目盛板に取り付けられ,バックアングルを計測する際の基準水平面を指

示し,その感度は 5′とする。

(5)

胸部おもりは,4 個ずつバックブラケットに左右対称に取り付けられ,容易に着脱できる構造とする。

(6)

でん部おもりは,1 個ずつヒップポイント軸に左右対称に取り付けられ,容易に着脱できる構造とす

る。

4.3

シートパン部  シートパン部は,シートパン,サイバー,T バー,水準器 B,大たい部おもり,ニー

アングル目盛板などからなり,次のとおりとする。

(1)

シートパンは,その下面の形状が

付図 の線図によって示されるような曲面を持ち,使用上十分な強

度を有する構造とする。

(2)

サイバーは,

シートパンと T バーとを連結固定するもので,

ヒップアングル目盛板と一体構造とする。

ヒップアングルの角度目盛は,2°間隔とし,模型の前面から見やすい位置に刻む。

(3)  T

バーは,サイバーと下たい部とを結合する構造とし,次のとおりとする。

(a)

横の棒の長さ目盛は,模型の中心面から各下たい中心面までの距離を示し,50mm から 225mm まで

の間を 5mm 間隔で刻む。

(b)

縦の棒の長さ目盛は,ヒップポイントからニーポイントまでの長さを示し,350mm から 450mm ま

での間を 1mm 間隔で刻む。

(c)

縦の棒は,長さ目盛の範囲では,任意の位置に固定できる構造とする。

(d)

長さ目盛は,見やすい位置とする。

(4)

水準器 B は,シートパンに取り付けられ,シートパンの左右方向の水平を指示し,その感度は 5'とす

る。

(5)

大たい部おもりは,シートパンに 1 個ずつ左右対称に取り付けられ,容易に着脱できる構造とする。

(6)

ニーアングル目盛板は,T バーの横の棒に左右 1 個ずつ取り付けられ,ニーアングルを測定できる構

造とし,次のとおりとする。

(a)

角度目盛は,60°から 150°までの範囲は 1°間隔,その範囲外は 5°間隔で刻む。

(b)

角度目盛板は,模型の両側面から見やすい位置に取り付ける。

4.4

下たい部  下たい部は,左右 1 組の下たい,下たい部おもりなどからなり,左右の質量は等しく,

次のとおりとする。

(1)

下たいは,長さを容易に変えられる構造とし,次のとおりとする。


3

D 4607-1994

(a)

下たいは,長さ目盛の範囲では,任意の長さに固定できる構造とする。

(b)

長さ目盛は,ニーポイントからアンクルポイントまでの長さを示し,290mm から 420mm までの間

を 1mm 間隔で刻む。

(c)

長さ目盛は,模型の両側面から見やすい位置に刻む。

(2)

下たい部おもりは,下たい上部に 1 個ずつ左右対称に取り付けられ,容易に着脱できる構造とする。

4.5

足か(靴)部  足か(靴)部は,左右 1 組からなり,左右の質量は等しく,次のとおりとする。

(a)

フートアングル目盛板を有する構造とする。

(b)

角度目盛は,1°間隔で模型の両側面から見やすい位置に刻む。

5.

形状,寸法,質量及び重心位置  各構成部の質量は表 に,形状,寸法及び重心位置は,付図 に示

すとおりとする。

表 1

単位 kg

区分

数量

一個の質量

標準質量

備考

胸部おもり 8

3.26

±0.03 40.95

でん部おもり 2

3.26

±0.03  胸部おもりと同形同質量

バ 

ク 
パ 

その他 1

8.35

±0.17  ヒップポイント軸及びナットの質量を含む

大たい部おもり 2

2.03

±0.02 12.60

シー

トパ
ン部

その他 1

8.54

±0.17  ニーアングル目盛盤及びブシュの質量を含む

下たい部おもり 2

1.86

±0.02 6.30

た 
い 

その他 2

1.29

±0.03  足か部との結合ピンの質量を含む

足 

− 2

1.57

±0.03 3.15

合計

− 63.00±0.84

6.

機能

6.1

角度調節機能  模型各部の角度調節の操作は,円滑,容易で,任意の角度に固定できるものとし,

各部の角度調節範囲は,

表 のとおりとする。

表 2

単位  °

項目

角度調節範囲

バックアングル  (

θ

1

)

前傾 30∼後傾 40

ヒップアングル  (

θ

2

)

60

∼120

ニーアングル

(

θ

3

)

45

∼180

フートアングル  (

θ

4

)

60

∼160

6.2

しゅう動機能  模型各部のしゅう動部は円滑で,がたつきがないものとする。


4

D 4607-1994

7.

外観  模型の外観は,次のとおりとする。

(1)

バックパン及びシートパンの表面は,滑らかで割れなどがなく,しかも使用上有害な傷がないものと

する。

(2)

金属部分は,めっき不良,さびなどがあってはならない。

(3)

長さ,角度などを示す目盛は,鮮明でなければならない。

8.

材料  模型の主要部の材料は,原則として表 のとおりとし,金属材料には,さび止め処理を施す。

ただし,耐食性材料にはその必要はない。

表 3

番号

部品名

材料

1

バックパン

ガラス繊維強化ポリエステル樹脂 (FRP)

2

バックブラケット

JIS G 3101

の SS 400

3

トルソバー

JIS G 3444

の STK 400

4

胸部おもり

JIS G 3101

の SS 400

5

でん部おもり

JIS G 3101

の SS 400

6

大たい部おもり

JIS G 3101

の SS 400

7

下たい部おもり

JIS G 3101

の SS 400

8

ヒップポイント軸

JIS G 4303

の SUS 304

9

水準器 A 本体

JIS H 3250

の C 3602 BE

10

水準器 B 本体

JIS H 3250

の C 3602 BE

11

シートパン

ガラス繊維強化ポリエステル樹脂 (FRP)

12

ヒップアングル目盛板

JIS G 3101

の SS 400

13

サイバー

JIS G 3444

の STK 400

14 T

バー

JIS G 3101

の SS 400

15

下たい上部

JIS G 3101

の SS 400

16

下たい下部

JIS H 3100

の C 2720 P

17

足か(靴)部

JIS G 3101

の SS 400

備考  表中の番号は,付図 と対応する。 

9.

検査  模型は,3.8.の規定に適合しなければならない。

なお,重心位置の測定は,台ばかりと鉛直に下げた糸を使用し,

付図 に例示するような方法で行う。

10.

製品の呼び方  模型の呼び方は,規格名称又は規格番号による。

例  自動車室内寸法測定用三次元座位人体模型若しくは 3DM-JM 50 又は JIS D 4607

11.

表示  模型及び部品の表示は,次のとおりとする。

(1)

模型には,測定に支障のない見やすい箇所に,次の事項を銘板で表示する。

(a)

製造業者名又はその略号

(b)

製造年月

(c)

製造番号

(d)

製品の呼び方(JM 50 だけでよい。

(2)

各部位のうち,模型の取扱上頻繁に取り外しを行う部品には,銘板に表示した製造番号と同番号を,

測定に支障のない見やすい箇所に容易に消えない方法で表示する。


5

D

 4607-

1994

付図 1  形状,寸法及び重心位置

備考  図中の番号は,本文表 の部品名称を表す。


6

D 4607-1994

付図 2  バックパン線図

備考1.  この図の正面図及び平面図は左右対称であり,片側だけを示す。

2. H.

L.

は,バックパンを銘直に立て 20mm 間隔で水平に切断したときに現れる曲線を示す。

3. B.

L.

は,バックパンを水平面上に置き 20mm 間隔で水平に切断したときに現れる曲線を示す。

4. W.

L.

は,バックパンの左右中心面を基準とし,20mm 間隔で中心面に平行に切断したときに現れる曲線を示

す。


7

D 4607-1994

付図 3  シートパン線図

備考1.  この図の正面図及び平面図は左右対称であり,片側だけを示す。

2. H.

L.

は,シートパンのヒップポイントとニーポイントを結ぶ線を水平にし,20mm 間隔で水平に切断したと

きに現れる曲線を示す。

3. B.

L.

は,シートパンのヒップポイントとニーポイントを結ぶ線を鉛直にし,20mm 間隔で水平に切断したと

きに現れる曲線を示す。

4. W.

L.

は,シートパンの左右中心面を基準とし,20mm 間隔で中心面に平行に切断したときに現れる曲線を示

す。


8

D

 4607-

1994

付図 4  重心位置測定方法の一例


9

D 4607-1994

付表 1  引用規格

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3444

  一般構造用炭素鋼管

JIS G 4303

  ステンレス鋼棒

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS H 3250

  銅及び銅合金棒


10

D 4607-1994

参考 

自動車室内寸法測定用三次元座位人体模型の着座方法

1.

適用範囲  この参考は,自動車室内寸法測定用三次元座位人体模型(以下,模型という。)の通常の着

座方法について示す。

2.

測定条件  測定条件は,次のとおりとする。

(1)

測定しようとする自動車は,直進姿勢で水平面に置き,空車状態(

1

)

で固定する。

(2)

シート及びその他の室内状態は,原則として設計基準どおりとする。

(3)

シートはかなきん 2003,スフモス 9 号又は同程度の布で覆う。

(

1

)

空車状態とは,JIS D 0102[自動車用語(自動車の寸法,質量,荷重及び性能)

]によるものと

し,乗員(模型)は含まない。

3.

模型の着座手順  模型の着座手順は,次のとおりとする。

(1)

下たい部及び足か部を取り外し,おもりを取り除いたシートパン部とバックパン部を着座させる。

(2)  T

バーの縦の棒をサイバーに差し込み,2 本の下たい部及び足か部を 1 脚ずつ取り付ける。

(3)

大たい部及び下たい部の長さを,所定の長さに合わせ固定する。ただし,特に指定のない限り 50 パー

センタイルとする。

なお,両下たい部の間隔は,任意とする。

(4)  T

バーの横の棒は水平にし,縦の棒はシート設計座位中心面内に位置させる。ただし,必要に応じて,

T

バーの縦の棒は,自動車の中心線を含む垂直面に平行としてもよい。

(5)

運転者の場合は,一方の足か部底面を設計基準により,アクセルペダル上に乗せ,踏み込まない状態

とし,他方は床面などに置き,T バーの横の棒が水平になるようにして位置を決める。

(6)

運転者席以外の場合は,T バーの横の棒が水平になる状態で,足か部底面を床面その他に接触させ,

左右の足か部を可能な限り前方に置く。ただし,フートアングルが最大に達した場合は,足か部先端

は床面などから離れてもよい。

(7)

下たい部おもりを取り付け,模型を水平にした後大たい部おもりを乗せる。

(8)  T

バーをつかみ,模型全体をシートバックから引き離し,バックパンを前方に倒す。

そのままで,シートパンを後方に滑らせ,若干の抵抗が生じるまで模型をシートバックに押し付け

る。その後バックパンを静かに立て直し,自重によりシートバックによりかける。

なお,模型が(4)(6)の状態に合わなくなったときは,再調整を行う。

(9)

ヒップアングル目盛板とサイバーとの交接部に対し,前方から後方へ約 98N の荷重を 2 回加える。

荷重の方向は,T バー固定ねじ上端と前記交接部とを結ぶ線にほぼ平行とする。

(10)

でん部おもりを乗せた後,胸部おもり 8 個を左右交互に乗せる。

(11)

バックパンをシートバックからトルソバーとほぼ鉛直になるまで静かに引き離した後,シートパン左

右の水平を調整しながら,バックパンを静かに元にもどす。

(12)

トルソバーを最短に固定し,その固定ねじに対し,前方から後方へ,ほぼ水平に約 24.5N の荷重を 2


11

D 4607-1994

回加える。

(13)

模型の左右の水平を確認し,測定を始める。

水平でない場合は,(11)及び(12)を再び行う。


12

D 4607-1994

自動車部会  自動車室内測定用三次元座形人体模型専門委員会  構成表(昭和 45 年 6 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

大  島  正  光

東京大学医学部

小  原  二  郎

千葉大学工学部

中  尾  喜  保

東京芸術大学美術学部

佐  藤      武

慶応義塾大学工学部

大  永  勇  作

通商産業省重工業局

細  谷  開  造

運輸省自動車局

石  川  健三郎

運輸省船舶技術研究所

辺  見  隆  三

工業技術院標準部

栗  山  洋  四

工業技術院機械試験所

松  野  正  徳

財団法人日本自動車研究所

永  坂      績

社団法人自動車技術会

伊  藤      一

伊藤精機株式会社

橋  爪  慶三郎

京都科学標本株式会社

浅  井  了  岳

小糸工業株式会社

高  橋  敏  雄

国松工業株式会社

山  田      束

トヨタ自動車工業株式会社

長谷川      武

日産自動車株式会社

室  田  公  三

富士重工業株式会社

石  坂  高  志

三菱重工業株式会社

森      泰  助

株式会社本田技術研究所

松  井  稚  隆

東洋工業株式会社

重  田      清

関東自動車工業株式会社

中  塚  武  司

いすゞ自動車株式会社

(専門委員)

相  原      守

工業技術院標準部

(事務局)

岩  根  政  雄

工業技術院標準部機械規格課

大  湯  孝  明

工業技術院標準部機械規格課

(事務局)

村  里  利  明

工業技術院標準部機械規格課(昭和 52 年 11 月 1 日改正のとき)

(事務局)

笹  尾  照  夫

工業技術院標準部機械規格課(平成 6 年 9 月 1 日改正のとき)