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日本工業規格

JIS

 D

4418

-1996

自動車用ブレーキライニング及び

ディスクブレーキパッドの

気孔率試験方法

Test procedure of porosity for brake linings

and pads of automobiles

1.

適用範囲  この規格は,自動車の常用ブレーキに使用するドラムブレーキ用ライニング及びディスク

ブレーキ用パッド(以下,それぞれブレーキライニング,パッドという。

)の気孔率の試験方法について規

定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7410

  石油類試験用ガラス製温度計

JIS K 2249

  原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容積換算表

JIS K 2251

  原油及び石油製品−試料採取方法

JIS K 2265

  原油及び石油製品引火点試験方法

JIS K 2269

  原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法

JIS K 2283

  原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法

JIS K 2510

  潤滑油さび止め性能試験方法

JIS K 2513

  石油製品−銅板腐食試験方法

JIS K 2514

  潤滑油−酸化安定度試験方法

JIS K 2518

  石油製品−潤滑油−泡立ち試験方法

JIS K 6301

  加硫ゴム物理試験方法

JIS K 7112

  プラスチックの密度と比重の測定方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

2.

用語の定義  この規格で用いる用語の定義は,次のとおりとする。

気孔率  試験片体積に対する吸収した油の容積の百分率。

3.

試験温度及び湿度  測定は,原則として温度 23±2℃,相対湿度 (50±5) %の室内で行う。

4.

装置及び器具

4.1

はかり  はかりは,感量 1mg 以上のものとする。

4.2

容器  容器は,試験片を入れて加熱することのできる適当な容量のものとする。


2

D 4418-1996

4.3

恒温装置  恒温装置は,90±10℃に調節できるものとする。

4.4

デシケーター  デシケーターは,乾燥塩化カルシウム又はシリカゲル入りのものとする。

5.

試験片  試験片は,次による。

(1)

正規の新品ブレーキライニング及びパッドから幅 25mm,長さ 25mm でなるべく厚い試験片を切り出

し,各端面(25mm 角の面)を滑らかに仕上げ研磨粉を十分取り除く。

(2)

試験片の数は,受渡当時者間の協定による。

(3)

試験片は,デシケーター中で 24 時間以上放置するか,又は 150℃に保持した電気炉中 1 時間加熱後デ

シケーター中で常温まで冷却しておく。

6.

試験方法

6.1

試験油  試験油は,次による。

(1)

附属書 に相当するもの又は同等以上のものを使用する。

(2)

試験ごとに新しいものを使用する。

6.2

操作  操作は,次の順序で行う。

(1)

試験油の密度の測定は,JIS K 7112 による。

(2)

試験片の幅,長さ及び厚さを 0.02mm まで測定し試験片の体積を求める。

(3)

試験片の質量を 1mg まで測定する。

(4)

容器の試験油中に試験片を入れ,90±10℃で 8 時間保持する。

なお,試験片に気泡が付着している場合は適切な方法によって除去する。

(5)

その後,試験油中に試験片を浸せきしたまま,試験油が室温になるまで 12 時間以上放置する。

(6)

試験油中から試験片を取り出し,布片上に 4∼5 回転がして試験片の表面の油を取り去る。

(7)

試験片の質量を 1mg まで測定する。

7.

計算  次の式によって,気孔率を計算する。

なお,各試験結果は,個々に算出し,JIS Z 8401 によって有効数字 2 けたに丸める。

100

1

1

2

×

×

V

m

m

p

ρ

ここに,

p

:  気孔率 (%)

m

1

:  試験片の質量 (g)

m

2

:  油を吸収した試験片の質量 (g)

ρ

:  試験油の密度 (g/cm

3

)

V

:  試験片の体積 (cm

3

)

8.

記録  付表 に示す様式の記録用紙に,次の事項を記入する。

(1)

試験片の材質及び寸法

(2)

平均値

(3)

測定値の範囲又は標準偏差

(4)

試験室の温度及び湿度

(5)

試験年月日


3

D 4418-1996

(6)

その他  受渡当事者間の協定による事項

付表 1  気孔率記録用紙

備考

100

1

1

2

×

×

V

m

m

p

ρ

ここに,

p

気孔率 (%)

m

1

試験片の質量 (g)

m

2

油を吸収した試験片の質量 (g)

ρ

試験油の密度 (g/cm

3

)

V

試験片の体積 (cm

3

)


4

D 4418-1996

附属書 1  試験油

1.

適用範囲  この附属書は,自動車用ブレーキライニング及びディスクブレーキパッドの気孔率の試験

に用いる試験油(以下,試験油という。

)について規定する。

2.

種類  試験油の種類は,附属書 表 による。

附属書 表 1

種類

主な適用

A

自動変速油で主として乗用車であるが,トラック及びバス用と
しても用いる。油性剤などが添加され,摩擦特性試験において

低滑り速度域で,比較的低い摩擦係数を示すもの。

B

自動変速機油で主として乗用車であるが,トラック及びバス用

としても用いる。摩擦特性試験において,低滑り速度域で比較
的高い摩擦係数を示すもの。

3.

品質  試験油は水及び沈殿物を含まず,附属事 表 の規定に適合しなければならない。


5

D 4418-1996

附属書 表 2

項目

特性

試験条件

試験項目

比重 0.85∼0.90 15±4℃

4.2

引火点  ℃ 160 以上

4.3

混合性

加熱後及び冷却後,濁り,沈殿及び分離がないこと。

150

±2℃,

−29±1℃

4.4

動粘度 mm

2

/s 6.0

以上 100±0.03℃

4.5

mPa

・s 4

000

以下

−23℃

絶対粘度

mPa

・s 55

000

以下

−40℃

4.6

粘度指数 240 以上

4.7

流動点  ℃

−40 以下

4.8

2

以下 100±1℃, 3h±5min

銅板腐食(変色番号)

黒色物のはく離がないこと。 150±1℃, 3h±5min

4.9

さび止め性

試験片表面にさびが認められないこと。 60±1℃, 24h±10min

4.10

泡立ち性 ml

100.0

以下 24±0.5℃, 93.5±0.5℃,

93.5

℃後の 24±0.5℃

4.11

硬さ変化 Hs

−10∼+10

シールゴ
ム適合性  体積変化率 %

+1∼+8

150

±1℃, 70±h

4.12

粘度増加率  % 50 以下

全酸化変化

mg

・KOH/g

3

以下

酸化 
安定性

ラッカ度

付着物がないこと。

150

±1℃, 96±0.5h

4.13

人体への影響

通常の取扱いにおいて,不快臭や皮膚に付着した場
合の刺激がないこと。また,4.13 の試験後も著しい

不快臭がないこと。

備考  次に示す項目については,それぞれ該当する項目番号の試験方法によって試験を行い,その結果を記録する。

判定基準については,受渡当事者間の協定による。

(1)

動粘度 mm

2

/s

(40±0.03℃における)……………………………… ………………………  試験項目 4.5

(2)

絶対粘度 mPa・s(−18℃における)………………………………… ………………………  試験項目 4.6

(3)

シールゴム適合性における伸び変化率及び引張り強さ変化率  % ………………………  試験項目 4.12

(4)

酸化安定性における凝集正ペンタン不溶分  %…………………… ………………………  試験項目 4.13

4.

試験方法

4.1

試料採取方法  試料採取方法は,JIS K 2251 による。

4.2

比重  比重は,JIS K 2249 による。

4.3

引火点  引火点は,JIS K 2265 による。

4.4

混合性

4.4.1

装置  装置は,次による。

(1)

試験容器  JIS K 2269 の流動点測定試験管を用いる。

(2)

温度浴及び低温浴  試験容器を規定温度 150±2℃及び−29±1℃に保つことができる気体浴の適当な

ものを用いる(低温浴は,JIS K 2269 の装置でもよい。

(3)

温度計  JIS B 7410 の温度計番号 No.7,No.9 などを用いる。

4.4.2

操作  操作は,次による。

(1)

試料油及び試料油と同種(

1

)

で銘柄の異なる油の 2 種類を同体積,試料容器に採取し,

室温で混合する。

コルク栓を用いて温度計を試料容器に取り付ける。

(

1

)

  A

ならば A とする。


6

D 4418-1996

(2)

 150

±2℃の高温恒温浴に 1 時間保持し,室温になるまで放置する。濁り,沈殿,分離の状態を調べる。

(3)

  (2)

の試料を−29±1℃の低温恒温浴に 1 時間保持した後,低温恒温浴から取り出し,室温になるまで

放置する。再び濁り,沈殿,分離の状態を調べる。

4.5

動粘度  JIS K 2283 による。ただし,測定温度は,40±0.03℃と 100±0.03℃とする。

4.6

絶対粘度

4.6.1

装置  装置は,次による。

(1)

回転粘度計  粘度計定数を校正してあるものを用いる。

(2)

低温浴  規定温度  (−40℃)  以下に,±0.3℃の範囲で規定時間 (16h) 以上保つことができる気体浴又

は液体浴の適当なものを用いる。

(3)

試料容器  ガラス製で内径 20mm 以上,長さ 100mm 以上の平底容器を用いる。

(4)

温度計  JIS B 7410 に規定されたもの又は熱電対,サーミスタ,白金抵抗線などを用いたもので,±

0.1

℃の正確度をもつものを用いる。

4.6.2

操作  操作は,次による。

(1)

適当なガラス容器に入れた試料油を 49±1℃に 30 分保持した後,

室温で約 32.5℃になるまで冷却する。

(2)

試験容器に(1)の処理を終わった試料油の一定量を入れる。この量は,回転粘度計校正の際粘度標準液

と等量とし,試験容器を粘度計に取り付けたとき,回転子が供試油に浸る深さが一定になるようにし

なければならない。

(3)

予期される粘度に応じ,回転子 No.3 又は No.4 を取り付けた回転粘度計に試料容器を取り付け,これ

を低温恒温浴中に規定温度±0.3℃で 16 時間浸せきする。液浴の液面は,試料油面から 20mm 以上,

上になければならない。液浴は,適当なかくはんによって均一温度にし,規定温度±0.3℃に保たれて

いなければならない。

(4)

 16

時間後液浴又は気浴の温度を記録し,回転粘度計のモータを始動し,8∼10 秒後にクラッチを押し

目盛を読み取る。電動機を停止する。以上の操作を引き続き 3 回の測定で同じ読みが得られるまで繰

り返す。回転子の回転速度は,3∼60r/min の範囲で測定粘度と回転子の番号に応じて測定時の目盛の

読みがなるべく大きくなるように選ぶことが望ましい。

4.6.3

記録  次の事項を,記録する。

(1)

液浴の温度を 0.1℃まで記録する。

(2)

目盛読み×乗係数×校正定数によって絶対粘度 mPa・s を計算し記録する(乗係数は,回転子番号と回

転速度に応じ,粘度計に付表として示されている。

4.7

粘度指数  粘度指数は,JIS K 2283 による。

4.8

流動点  流動点は,JIS K 2269 による。

4.9

銅板腐食  銅板腐食は,JIS K 2513 による。ただし,試験温度 150±1℃とした試験を実施する。

4.10

さび止め性  さび止め性は,JIS K 2510 による。ただし,水(蒸留水)を用いて試験する。

4.11

泡立ち性  泡立ち性は,JIS K 2518 による。

4.12

シールゴム適合性  シールゴム適合性は,JIS K 6301 の 12.(浸せき試験)に準じて行う。ただし,

試験用油は試料油を用い,試験温度は 150±1℃,試験時間は 70 時間とする。試験片の材質は,受渡当事

者間の協定による。

4.13

酸化安定性  酸化安定性は,JIS K 2514 による。ただし,試験温度は 150±1℃,試験時間は 96 時間

とする。


7

D 4418-1996

関連規格  JIS K 2213  タービン油

自動車  航空部会  自動車専門委員会  構成表(昭和 61 年 8 月 1 日制定時)

氏名

所属

(委員会長)

中  込  常  雄

社団法人自動車技術会

横  溝  眞一郎

工業技術院標準部

柴  藤  良  知

運輸省交通安全公害研究所

黒  田  直  樹

通商産業省機械情報産業局

清  水  達  夫

運輸省地域交通局

瀬  倉  久  男

防衛庁装備局

梅  澤  清  彦

東京工業大学

石  渡  正  浩

財団法人日本自動車研究所

大  沼  広  洲

全日本トラック協会

佐  藤      武

慶応義塾大学

杉  浦  秀  昭

日本自動車整備振興会連合会

田  中  兼  吉

社団法人日本バス協会

轟          秀

社団法人日本自動車連盟

安  部      宏

株式会社本田技術研究所

改  田      護

トヨタ自動車株式会社

紅  谷  恒  雄

日産自動車株式会社

須  永  惇  一

いすゞ自動車株式会社

鈴  本  作  良

社団法人日本自動車部品工業会

高  原  昭  二

三菱自動車工業株式会社

西  原  孝  雄

マツダ株式会社

大  槻  耕  一

日野自動車工業株式会社

金  子  達  明

日本自動車輸入組合

(専門委員)

斎  藤      巌

財団法人日本規格協会

佐  藤      好

日本道路公団

有  賀      久

日産ディーゼル株式会社

宇  藤      官

鈴木自動車工業株式会社

(事務局)

田  代  和  也

工業技術院標準部機械規格課

宗  像  保  男

工業技術院標準部機械規格課