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日本工業規格

JIS

 D

4311

-1995

自動車用クラッチフェーシング

Clutch facings for automobiles

1.

適用範囲  この規格は,自動車に用いる乾式クラッチフェーシング(以下,クラッチフェーシングと

いう。

)について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS G 5501

  ねずみ鋳鉄品

JIS R 6252

  研摩紙

2.

性能

2.1

摩擦性能  クラッチフェーシングの摩擦係数及びその許容差並びに摩耗率は,6.1 によって試験した

とき,

表 に示すとおりとする。

なお,試験後,ディスクの摩擦面及び試験片には,有害なきず,膨れなどがあってはならない。

表 1  摩擦係数及び摩耗率

試験温度(

1

)

項目

100

℃ 150℃ 200℃

摩擦係数(

2

) 0.25

∼0.60 0.20∼0.60 0.15∼0.60

指定された摩擦係数に対する許容差

±0.08

±0.10

±0.12

摩耗率 10

-7

cm

3

/Nm 0.50

以下 0.75 以下 1.00 以下

(

1

)

試験温度は,ディスク摩擦面の温度とする。

(

2

)

摩擦係数の範囲は,許容差を含む。

2.2

曲げ  クラッチフェーシングの曲げ強さ及び最大ひずみは,6.2 によって試験したとき,表 に示す

とおりとする。ただし,メタリックのものには適用しない。

表 2  曲げ強さ及び最大ひずみ

最大ひずみ

材料

曲げ強さ

N/mm

2

10

-3

mm/mm

レジンモールド系 6.0 以上

セミモールド系,その他

25

以上

8.3

以上

3.

寸法許容差  クラッチフェーシングの寸法許容差は,原則として表 による。

なお,クラッチフェーシングの主要寸法を,参考として

参考表 に示す。


2

D 4311-1995

表 3  寸法許容差

単位 mm

区分

許容差

1

枚当たりの厚さの差

 190

以下のもの

±0.8

 190

を超え 255 以下のもの

±1.0

外径

 255

を超えるもの

±1.2

 160

以下のもの

±0.8

内径

 160

を超えるもの

±1.0

外径 190 以下のもの

±0.08

0.08

以下

3.2

以下のもの

外径 190 を超え 255 以下のもの

±0.10

0.10

以下

外径 190 以下のもの

±0.08

0.08

以下

外径 190 を超え 350 以下のもの

±0.10

0.10

以下

3.2

を超え 4.0 以下のもの

外径 350 を超えるもの

±0.12

0.12

以下

外径 350 以下のもの

±0.10

0.10

以下

厚さ

4.0

を超えるもの

外径 350 を超えるもの

±0.12

0.12

以下

参考表 1  主要寸法

単位 mm

外径

内径

厚さ

外径

内径

厚さ

150 100

  110 260

150

  160  170

160 110

275 175

  180

165 110

300 190

170 110

  120

2.8

3.0

3.2

3.5

325 190

  200  210

3.5

3.8

4.0

180 125

350 210

  220

184 127

380 220

  240

190 130

  132 400

236

  250

200 130

  140 410

250

  260

212 140

  150 430

250

  260

215 140

  150  154 457

280

4.0

4.5

5.0

5.5

222 150

224 150

  160

225 145

  150  154

236 150

240 150

  160

250 155

  160

255 170

2.5

2.9

3.0

3.2

3.3

3.4

3.5

3.8

4.1

4.

外観  クラッチフェーシングの仕上げは良好で,き裂,きず,でこぼこ,反り,ねじれなどの有害な

欠点があってはならない。

5.

材料  クラッチフェーシングの材料は,モールド,特殊加工ウーブン,セミモールド,メタリック又

はその他これに類似するものとする。

6.

試験

6.1

摩擦性能試験

6.1.1

試験片  試験片は,次のとおりとする。


3

D 4311-1995

(1)

試験片の摩擦面の大きさは 25×25mm,その許容差は±0.2mm とする。ただし,製品形状によって 25

×25mm が採取できない場合は,できるだけ 25×25mm に近い大きさとする。

(2)

試験片の厚さは,製品厚さとし,その両面を平行に研磨する。

(3)

試験片は,1 枚のクラッチフェーシングから 2 個採取する。

6.1.2

試験装置  試験装置は,円板形の摩擦板(以下,ディスクという。)が一定速度で回転する定速式

摩擦試験機(

参表図 参照)とし,その仕様は,次のとおりとする。

(1)

試験片中心とディスク回転軸中心との距離は,150mm とする。

(2)

ディスク摩擦面の材料は,JIS G 5501 の FC 250 とし,その表面は JIS R 6252 の 320 番相当の研磨紙

で仕上げる。

また,表面はパーライト組織とする。

(3)

摩擦力の測定には,自己測定装置を用いる。

(4)

ディスク摩擦面の温度(以下,ディスク温度という。

)の測定は,熱電対を溶着した 8×8×0.6mm の

銀板を摩擦面に 0.1∼0.2N の力で押し付けて行う(

付図 参照)。

その位置は,ディスクの摩擦部幅の中心線上において,試験片中心から回転方向へ 50∼100mm の

所とする。

(5)

加熱及び冷却装置は,ディスクの裏側から加熱又は冷却し,ディスク摩擦面の温度を 100℃から 200℃

までの試験温度に対して±10℃の範囲で調整できるものとする。

6.1.3

試験条件  試験条件は,次のとおりとする。

(1)

試験温度の許容差は,±10℃とする。

(2)

試験片とディスク摩擦面との滑り速さは,6∼8m/s とする。

(3)

試験片の押付け圧力は,0.5±0.01MPa とする。

(4)

摩擦方向は,クラッチフェーシングの摩擦方向とする。

6.1.4

試験方法  試験は,試験片 2 個を試験装置に取り付け,次の順序で行う。

(1)

試験片を,あらかじめ十分な当たりがつくまで 100℃以下ですり合わせを行う。すり合わせ後,試験

片の厚さをマイクロメータで測定する。測定は,試験片 1 個について 5 か所とし,その平均値を厚さ

とする。ただし,厚さの測定は,試験片を室温まで冷却した後に行う。

(2)

試験温度 100℃において 6.1.3 の条件でディスクを 5 000 回転させ,その間の摩擦力を測定するか,又

は 5 000 回転を 10∼20 等分して 250∼500 回転ごとに摩擦力を測定する。摩擦後,試験片の厚さを(1)

と同様に測定する。

(3)

試験温度 150℃及び 200℃において(2)と同様な測定を行う。

(4) 200

℃までの測定が終わった後,100℃においてディスクを 3 000 回転させ,(2)と同様の測定を行う。

備考1.  ディスク温度は,各試験回転数のうちの1 500回転以下で各試験温度に達しなければならない。

2.

ディスク温度の上昇は,試験片との摩擦熱によるが,1 500 回転以下で各試験温度に達しない

場合は,補助的に加熱装置を用いてもよい。

6.1.5

計算  各試験温度における摩擦係数及び摩耗率は,次の式によって算出する。

F

f

=

µ

ここに,

µ: 摩擦係数

f

摩擦力(

3

)(N)

F

試験片に加える全押付け力(

4

)(N)


4

D 4311-1995

3

2

1

2

1

10

06

.

1

2

1

×

=

=

m

m

f

d

d

n

A

f

d

d

n

A

R

V

π

ここに,

V

摩耗率(単位仕事量当たりの摩耗量)

(cm

3

/N

m)

R

試験片中心とディスク回転軸中心との距離

 (150mm)

n

試験時のディスクの総回転数

A

試験片の摩擦面の総面積

 (mm

2

)

d

1

試験前の試験片の平均厚さ

 (mm)

d

2

試験後の試験片の平均厚さ

 (mm)

f

m

試験時の平均摩擦力(

5

)

(N)

(

3

)

全摩擦距離の後半の安定した摩擦力の平均値。

(

4

)

(試験片の押付け圧力)×(試験片の面積)

(

5

)

全摩擦距離の平均摩擦力。

6.2

曲げ試験

6.2.1

試験片  試験片は,次のとおりとする。

(1)

試験片は,摩擦材部だけとし,その大きさは,長さ

55

×幅

15mm

×製品厚さとする。ただし,長さ

55mm

のものが採取できないときは

40mm

でもよい。

また,試験片の中央部に溝がないように採取する。

(2)

試験片は,

1

枚のクラッチフェーシングから摩擦方向に

2

個以上採取する。

6.2.2

試験用ジグ  試験用ジグは,次のとおりとする(付図 参照)。

(1)

支点間距離は,

40mm

とする。ただし,短い試験片に対しては

30mm

とする。

(2)

支点先端の曲率半径は

1.5mm

,加圧先端の曲率半径は

3mm

とする。

6.2.3

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

試験片を,摩擦両側を上にして支点の上に載せる。

(2)

試験片の中央に

10mm/min

以下の下降速度で荷重を加え,最大荷重及び破壊時のたわみを測定する。

6.2.4

計算  曲げ強さ及び最大ひずみは,次の式によって算出する。

2

2

3

bd

Wl

=

σ

δ

2

6

l

d

e

=

ここに,

σ

:  曲げ強さ (N/mm

2

)

d

:  試験片の厚さ (mm)

b

:  試験片の幅 (mm)

l

:  支点間距離 (mm)

W

:  最大荷重 (N)

e

:  最大ひずみ (mm/mm)

δ

:  最大たわみ(破壊時のたわみ)(mm)

7.

検査

7.1

検査項目  クラッチフェーシングの検査項目は,次のとおりとする。

(1)

性能検査

(2)

寸法検査

(3)

外観検査


5

D 4311-1995

7.2

検査方法  クラッチフェーシングの検査方法は,受渡当事者間の協定による抜取検査方式に基づく

抜取検査とする。


6

D

 431

1-19

95

付図 1  ディスク温度測定装置と測定位置


7

D 4311-1995

8.

製品の呼び方  クラッチフェーシングの呼び方は,規格の名称又は規格番号,外径,内径及び厚さに

よる。

1:  自動車用クラッチフェーシング200×140×3.2

2:  JIS D 4311  200×140×3.2

9.

表示  製品又は包装には,次の事項を表示する。

(1)

製品に表示する場合  製品に表示する場合には,製造業者名又はその略号を表示する。

(2)

包装に表示する場合  包装に表示する場合には,次の事項を表示する。ただし,(b)(d)については,

受渡当事者間の協定による部品番号でもよい。

(a)

製造業者名又はその略号

(b)

外径

(c)

内径

(d)

厚さ

付図 2  曲げ試験ジグ


8

D 4311-1995

参考図 1  定速式摩擦試験機の一例


9

D 4311-1995

社団法人  日本自動車部品工業会

フェーシング,リベット関係 JIS 改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

野  崎  武  敏

工業技術院機械技術研究所

(幹事)

柳  田      勇

曙ブレーキ工業株式会社

北  野  清  一

株式会社大金製作所

(委員)

鈴  木  孝  男

通商産業省機械情報産業局

飛  田      勉

工業技術院標準部

下  平      隆

運輸省地域交通局陸上技術安全部

田  沢      修

富士重工業株式会社

土  井  利  政

日産自動車株式会社

片  山  信  昭

トヨタ自動車株式会社

安  部      宏

株式会社本田技術研究所

渡  辺      悠

三菱自動車工業株式会社

宮  坂  昌  輝

いすゞ自動車株式会社

白  瀬  勝  男

日野自動車工業株式会社

喜  多  秀  紀

マツダ株式会社

山  田  洋一郎

厚木自動車部品株式会社

工  藤  良  一

アイシン精機株式会社

坂  田  隆  男

日立化成工業株式会社

谷  川  勝  志

日清紡績株式会社

飯  尾  智  之

株式会社エフ・シー・シー

小  島  克  己

社団法人日本自動車部品工業会

(関係者)

竹  村  伸  一

久代ブレーキ工業株式会社

桝  田      操

日本バルカー工業株式会社

大  堀  英  司

三菱セメント建材株式会社

直  井      戌

株式会社アスク

御  厨  良  平

日本クラッチ株式会社

川  瀬      誠

住友電気工業株式会社

梶  原  勝  治

東京部品工業株式会社

(事務局)

落  合  俊  一

社団法人日本自動車部品工業会