2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 2301-1990
自動車用クレビス継手部品
Clevis fitting Parts for Automobiles
1. 適用範囲 この規格は,自動車用クレビス継手に用いるクレビス(めねじ式),クレビスピン及びアイ
(以下,クレビス継手部品という。)について規定する。
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。
(1) クレビス継手 クレビス,クレビスピン,アイ及びクレビスピンを止めるピン(スナップピン)等の
部品から構成された継手の総称(図参照)。
(2) クレビス U字形ふたまたの両端にピンを通す穴と底部にねじが付いた金具。
(3) クレビスピン クレビスの穴に通すピン。
(4) アイ クレビスピンを通す目玉状の金具。
(5) スナップピン クレビスピンの脱落を防止し,軸方向の移動を阻止するR形状をしたピン。
図 クレビス継手例
3. 種類 クレビス継手部品の種類は,次による。
(1) クレビスの種類は,表1の5種類とする。
表1 クレビスの種類
種類
形状
適用付表
A形
鍛造品U字形
付表1
B形
切削品U字形
C形
プレス品U字形
付表2
D形
プレス品絞りU字1形
付表3
E形
プレス品絞りU字2形
(2) クレビスピンの種類は,表2の3種類とする。
2
D 2301-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 クレビスピンの種類
種類
形状
適用付表
A形
頭付き割ピン用
付表4, 5
B形
頭付きスナップピン用
C形
頭付 きE形止め輪用
付表6
(3) アイの種類は,表3の2種類とする。
表3 アイの種類
種類
形状
適用付表
A形
鍛造形
付表7
B形
プレス形
4. 形状・寸法 クレビス継手部品の形状・寸法は,付表1〜7による。
5. ねじ クレビスのねじの種類及び等級は,表4による。
表4 ねじの種類及び等級
ねじの種類
適用規格
等級
メートル並目ねじ
JIS B 0205
(メートル並目ねじ)
JIS B 0209(メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差)の6Hとす
る。ただし,当分の間この規格の附属書の2級を用いてもよい。
メートル細目ねじ
JIS B 0207
(メートル細目ねじ)
JIS B 0211(メートル細目ねじの許容限界寸法及び公差)の6Hとす
る。ただし,当分の間この規格の附属書の2級を用いてもよい。
備考 電気めっきを施したものも表4のねじの等級の限界寸法及び公差に適合しなければならない。
6. 外観 クレビス継手部品の外観は,次による。
(1) クレビスの外観は,使用上有害な割れ,きず,かえり,さびなどの欠点がなく,穴部の表面粗さは,
JIS B 0601(表面粗さの定義と表示)に規定する6.3aとする。ねじ部の表面欠陥の許容限界基準は,
特に指定がない限り,JIS B 0101(ねじ用語)の参考を参照するのがよい。
(2) クレビスピン及びアイの外観は,使用上有害な割れ,きず,かえり,さびなどの欠点がなく,クレビ
スピン軸部及びアイ穴部の表面粗さは,JIS B 0601の6.3aとする。
7. 材料 クレビス継手部品の材料は,原則として表5による。
表5 材料
種類
材料
適用規格
クレビス
A形
S10C〜S48C
JIS G 4051(機械構造用炭素鋼鋼材)
B形
SS41
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
S10C〜S48C
JIS G 4051
C〜E形
SPHC
JIS G 3131(熱間圧延軟鋼板及び鋼帯)
SPCC
JIS G 3141(冷間圧延鋼板及び鋼帯)
SS41
JIS G 3101
クレビスピン
SS41
JIS G 3101
S10C〜S48C
JIS G 4051
引用規格及び対応国際規格: 3ページに示す。
3
D 2301-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
種類
材料
適用規格
アイ
SS41
JIS G 3101
S10C〜S48C
JIS G 4051
SPHC
JIS G 3131
備考 耐摩耗性を必要とするものは,熱処理を施す。ただし,熱処理後の表面硬さについては受渡当事者間の協定
による。
8. 表面処理 クレビス継手部品の表面処理は,原則としてJIS D 0201(自動車部品の電気めっき通則)
のMFZn5-Cを施す。MFZn5-C以外の表面処理を施す場合又は表面処理を必要としない場合は,受渡当事
者間の協定による。
なお,熱処理をしたクレビス継手部品にめっきを施した場合は,必要に応じてもろさ除去の処理を行う。
9. 検査
9.1
形状及び寸法検査 クレビス継手部品の形状及び寸法検査は,直接測定,限界ゲージ又はこれに準
じる方法によって行い,4.の規定に適合しなければならない。
9.2
ねじ検査 クレビスのねじ検査は,JIS B 1071(ねじ部品の精度測定方法)のめねじの精度測定方法
又はこれに代わる方法によって行い,5.の規定に適合しなければならない。
9.3
外観検査 クレビス継手部品の外観検査は,目視によって行い,6.の規定に適合しなければならない。
ただし,表面粗さは,触針式測定器又はこれに代わる測定器によって測定する。
10. 製品の呼び方 クレビス及びクレビスピンの呼び方は,規格番号又は規格名称,クレビス継手部品の
種類,呼び寸法又は呼び×呼び長さ,材料及び指定事項(1)による。
注(1) 特に指定のある場合は,かっこで示す。
例1: クレビス
例2:
クレビスピン
例2: クレビスピン
11. 表示 クレビス及びクレビスピンの包装には,外面に次の事項を表示する。
(1) 規格の名称
(2) 種類
(3) 呼び寸法又は呼び×呼び長さ
(4) 材料
(5) 指定事項
(6) 数量
(7) 製造業者名又はその略号
引用規格:
JIS B 0101 ねじ用語
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS B 0205 メートル並目ねじ
JIS B 0207 メートル細目ねじ
JIS B 0209 メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差
JIS B 0211 メートル細目ねじの許容限界寸法及び公差
JIS B 0601 表面粗さの定義と表示
JIS B 1071 ねじ部品の精度測定方法
JIS B 1351 割りピン
JIS B 2805 E形止め輪
JIS D 0201 自動車部品の電気めっき通則
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
対応国際規格:
ISO 2341 Clevis pins with head
5
D 2301-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表1 クレビスA形及びB形の形状・寸法
単位mm
呼び寸法
(d1×l1)
d1
ねじの呼び
d2
W
b
t
C
l1
l2
l3
S
d3
基準
寸法
許容差
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
5×20
5
+0.105
+0.030
M5
5
+0.3
0
10
0
−0.2
2.5
10
20
7.5
10
6
9
5×28
18
28
6×24
6
M6
6
12
0
−0.25
3
12
24
9
12
7
10
6×34
22
34
8×32
8
+0.13
+0.04
M8
8
16
4
16
32
12
16
10
14
8×44
28
44
10×40
10
M10×1.25
10
20
0
−0.35
5
20
40
15
20
12
18
10×55
35
55
12×48
12
+0.16
+0.05
M12×1.25
12
24
6
24
48
18
24
14
20
12×66
42
66
14×56
14
M14×1.5
14
28
7
28
56
21
28
16
24
14×78
50
78
16×64
16
M16×1.5
16
32
0
−0.4
8
32
64
24
32
19
26
16×88
56
88
6
D 2301-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表2 クレビスC形の形状・寸法
単位mm
呼び寸法
(d1×d2×l)
d1
ねじの呼び
d2
W
b1
b2
t
C
l
s
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
8×M 8×25
8
+0.13
+0.04
M8
9
+0.5
0
18
18
4.5
20.5
25
9.5
8×M 8×30
25.5
30
8×M 8×35
30.5
35
8×M 8×40
35.5
40
8×M 8×45
40.5
45
8×M10×25
M10×1.25
11
20
20.5
25
8×M10×30
25.5
30
8×M10×35
30.5
35
8×M10×40
35.5
40
8×M10×45
40.5
45
10×M 8×25
10
M8
9
18
20.5
25
10×M 8×30
25.5
30
10×M 8×35
30.5
35
10×M 8×40
35.5
40
10×M 8×45
40.5
45
10×M10×25
M10×1.25
11
20
20.5
25
10×M10×30
25.5
30
10×M10×35
30.5
35
10×M10×40
35.5
40
10×M10×45
40.5
45
7
D 2301-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表3 クレビスD形及びE形の形状・寸法
単位mm
呼び寸法
(d1×d2×l1×W)
d1
ねじの呼び
d2
W
b1
b2
b3
t
C
l1
l2
(約)
l3
S
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許容差
8×M 8×25× 6
8
+0.13
+0.04
M8
6
+0.5
0
18
12.4
16
3.2
21.8
25
5.5
9.5
9.5
8×M 8×30× 6
26.8
30
8×M 8×35× 6
31.8
35
8×M 8×40× 6
36.8
40
8×M 8×45× 6
41.8
45
8×M 8×25× 9
9
15.4
21.8
25
8×M 8×30× 9
26.8
30
8×M 8×35× 9
31.8
35
8×M 8×40× 9
36.8
40
8×M 8×45× 9
41.8
45
8×M10×25× 6
M10×1.25
6
12.4
21.8
25
8×M10×30× 6
26.8
30
8×M10×35× 6
31.8
35
8×M10×40× 6
36.8
40
8×M10×45× 6
41.8
45
8×M10×25× 9
9
15.4
21.8
25
8×M10×30× 9
26.8
30
8×M10×35× 9
31.8
35
8×M10×40× 9
36.8
40
8×M10×45× 9
41.8
45
10×M 8×25× 9
10
M8
21.8
25
10×M 8×30× 9
26.8
30
10×M 8×35× 9
31.8
35
10×M 8×40× 9
36.8
40
10×M 8×45× 9
41.8
45
10×M 8×25×11
11
17.4
18
21.8
25
10×M 8×30×11
26.8
30
10×M 8×35×11
31.8
35
10×M 8×40×11
36.8
40
10×M 8×45×11
41.8
45
10×M10×25× 9
M10×1.25
9
15.4
16
21.8
25
10×M10×30× 9
26.8
30
10×M10×35× 9
31.8
35
10×M10×40× 9
36.8
40
10×M10×45× 9
41.8
45
10×M10×25×11
11
17.4
18
21.8
25
10×M10×30×11
26.8
30
10×M10×35×11
31.8
35
10×M10×40×11
36.8
40
10×M10×45×11
41.8
45
備考 ナットの外形は,b1を超えてはならない。
8
D 2301-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表4 クレビスピンA形及びB形の形状・寸法
単位mm
呼び
D1
D2
A形(割ピン用)
B形(スナップピン用)
K
C1
(最大)
C2
相手
クレビス
基準寸法
許容差
l1
l2(最小)
d
l1
l2(最小)
d
5
5
0
-0.075
8
10.6
2.9
1.2
10.6
3.5
1.2
1.6
2
1
A形,B形
6
6
10
12.8
3.2
1.6
12.8
4
1.5
2
A形,B形
8
8
0
-0.09
14
14.3
3.5
2.0
14.2
5
1.9
3
D形,E形
17
17
A形,B形
17.3
17.2
D形,E形
20.2
20.1
C形
22.2
22.1
C形
10
10
18
17.8
4.5
3.2
17.3
6
2.2
4
D形,E形
19.8
19.3
D形,E形
20.7
20.2
C形
21.6
21.1
A形,B形
22.7
22.2
C形
12
12
0
−0.11
20
25.6
5.5
25.1
7
3
1.6
A形,B形
14
14
22
30
6
4
29.2
8
2.4
4.5
A形,B形
16
16
25
34
33.2
9
A形,B形
備考1. 割ピンは,JIS B 1351(割りピン)を用いる。
2. スナップピンの形状・寸法は参考表に示す。
9
D 2301-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表5 呼び及び呼び長さ
呼び長さ
(l3)
呼び
5
6
8
10
12
14
16
14
16
18
20
22
24
26
28
30
32
34
36
38
40
42
44
備考 L3寸法の選択は,l1+l2とし,端数が出た場合は,1ランク上のl3を選択する。
付表6 クレビスピンC形の形状・寸法
単位mm
呼び寸法
(D1×l2)
D1
D2
l1
l2
D3
m
n
K
C1
(最大)
C2
相手
クレビス
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許容差
基準
寸法
許容差
5×14
5
0
−0.075
8
10
14
4
+0.075
0
0.7
+0.1
0
3.3
1.6
2
1
A形,B形
6×16
6
10
12
16
2
A形,B形
8×18
8
0
−0.09
14
13.5
18
6
0.9
3.6
3.0
D形,E形
8×20
16
20
3.1
A形,B形
8×21
16.5
21
3.6
D形,E形
8×24
19.4
24
3.7
C形
8×26
21.4
26
C形
10×21
10
18
16.5
21
8
+0.09
0
3.6
4.0
D形,E形
10×23
18.5
23
D形,E形
10×24
19.4
24
3.7
C形
10×25
20
25
4.1
A形,B形
10×26
21.4
26
3.7
C形
12×30
12
0
−0.11
20
24
30
10
1.15
+0.14
0
4.85
3
1.6
A形,B形
14×34
14
22
28
34
12
+0.11
0
A形,B形
16×38
16
25
32
38
4.5
A形,B形
備考 E形止め輪は,JIS B 2805(E形止め輪)を用いる。
10
D 2301-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表7 アイA形及びB形の形状・寸法
単位mm
d1
W
(参考)
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
S
b
d2
5
+0.105
+0.030
5
−0.1
−0.3
5
10
5
6
6
6
12
6
8
+0.13
+0.04
8
16
8
8
9
11
10
9
10
20
10
10
11
12
+0.16
+0.05
12
12
24
12
14
14
14
28
14
16
16
16
32
16
11
D 2301-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考表 スナップピンの形状・寸法
単位mm
呼び
スナップピン
適用する軸
d
d2
l1
R
h
S
l
軸径
穴径
基準寸法
許容差
(約)
(約)
(約)
(約)
(最大)
(約)
d1
d0
5
1.0
±0.02
3.0
6.5
2.5
1.5
0.5
17.9
5.0
1.2
6
1.2
±0.03
3.6
7.8
3.0
1.8
0.6
21.2
6.0
1.5
8
1.6
4.8
10.4
4.0
2.4
0.8
27.7
8.0
1.9
10
1.8
5.4
12.2
5.0
3.2
0.9
32.6
10.0
2.2
12
13.2
6.0
4.2
35.8
12.0
14
2.0
6.0
15.0
7.0
5.0
1.0
40.6
14.0
2.4
16
16.0
8.0
6.0
43.8
16.0
備考 dの許容差は,成形前の線径の許容差とする。
社団法人自動車技術会要素部会ふたまた継手分科会 構成表
(順不同,敬称略)
氏名
所属
(分科会長)
平 松 磐
日産ディーゼル工業株式会社設計管理部
(幹事)
原 弘 久
自動車機器株式会社設計1部
江 口 信 彦
工業技術院標準部
岩 尾 雅 俊
いすゞ自動車株式会社大型設計部
生 形 覚
日産ディーゼル工業株式会社設計管理部
白 瀬 勝 男
日野自動車工業株式会社研究管理部
小 倉 正 樹
三菱自動車工業株式会社大中型トラック設計部
小 島 勝 実
日本エヤーブレーキ株式会社自動車技術部
小 島 克 己
社団法人日本自動車部品工業会
(事務局)
中 村 喜久子
社団法人自動車技術会