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日本工業規格

JIS

 D

1622

-1988

自動車の換気性能試験方法

Test Methods of Ventilation for Automobiles

1.

適用範囲  この規格は,自動車の車室内の換気に用いる換気装置の換気性能を評価する試験方法につ

いて規定する。

備考  この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参考

として併記したものである。

引用規格: 

JIS B 8330

  送風機の試験及び検査方法

JIS C 1102

  指示電気計器

JIS K 0151

  赤外線ガス分析計

JIS Z 8401

  数値の丸め方

関連規格:JIS A 1406  屋内換気量測定方法(炭酸ガス法)

JIS D 5005

  自動車用電装部品の試験電圧

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

換気装置  インテークドア,送風機,ダクトなどで構成され,空気の流入口又は排出口に装着して車

室内を換気する装置。暖房装置及び冷房装置を兼用しているものもある。

(2)

インテークドア  空気の流入口に取り付けられ,ファンが吸入する外気と内気との割合を調節するド

ア。

(3)

車室  運転者室,客室及びこれらに通じる荷物室。

(4)

流入風量  換気装置を通って車室に入る風量。

(5)

等価開口面積  複雑な形をしていて通風抵抗が未知の空気通路を,同一の圧力差で,同一の風量が流

れる開口部に置き換えて,計算によって算出する面積。

(6)

流入口  換気装置を通って車室に流入する空気の入口部。

(7)

排出口  換気装置を通って車室外に流出する空気の出口部。

(8)

車体すきま  換気装置の流入口及び排出口以外の,車室内から車室外に通じる車体の空気漏えい部。

(9)

車室内外気圧差  車室内の気圧と車室外の気圧との差。

3.

測定項目  換気性能に関する測定項目は,次による。ただし,バスの場合は,排出口の等価開口面積

を測定しなくてもよい。

(1)

流入風量

(2)

排出口の等価開口面積


2

D 1622-1988

4.

流入風量測定試験

4.1

試験の実施  流入風量の測定は,4.2 の車室内外気圧差による方法又は 4.3 の CO

2

濃度による方法の

いずれかによって行う。

備考  車室内外気圧差による方法は,主としてバス以外に用い,CO

2

濃度による方法は,主としてバ

スに用いる。

4.2

車室内外気圧差による方法

4.2.1

試験条件  試験条件は,次による。

(1)

試験は,風の影響がない屋内で行い,車両は,停止状態とする。

(2)

換気装置のファンモータの端子電圧は,

表 のとおりとする。

表 1

単位  V

定格電圧

端子電圧

12 13.5

24 27

(3)

ドア,窓ガラスなどの車体開閉部は閉じ,インテークドアは外気位置とし,吹出し口切換装置がある

ものは,自動車製造業者が指定する吹出し口とする。

なお,送風機がなく,走行風を利用して空気を取り入れるものは,その流入口を閉じる。

4.2.2

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

装置は,

図 に示すようなものを用いる。

図 1  車室内外気圧差による流入風量測定装置の例

(2)

オリフィス又はノズルは,JIS B 8330(送風機の試験及び検査方法)に規定するもの又はこれと同等

の性能をもつものを用いる。

(3)

送風流量計の送風機は,風量を容易に調整でき,安定した風量が得られるものを用いる。

(4)

車室の気圧及びノズル又はオリフィスの気圧を測定する圧力計は,1Pa {0.102mmAq}  の読取りが可能

なベッツ形マノメータ,デジタルマノメータ又はこれと同等の性能をもつものを用いる。

(5)

ファンモータの端子電圧を測定する電圧計は,JIS C 1102(指示電気計器)に規定する 0.5 級の計器を

用いる。

(6)

温度計は,一目盛の読みが 0.5℃,正確度が±0.5℃以内の棒状温度計,熱電対又は電気抵抗温度計を

用いる。


3

D 1622-1988

(7)

湿度計は,一目盛の読みが 1%,正確度が±5%以内の乾湿球温度計,ポータブル温湿度計又はこれと

同等の性能をもつものを用いる。

4.2.3

測定方法  流入風量の測定は,次による。

(1)

送風流量計をドアウインドに取り付けて,車室に送風できるようにし,すきまをテープなどによって

目張りする。

(2)

車室の気圧測定用チューブをドアウインドを通して装着し,すきまを目張りする。

なお,チューブの先端は,送風流量計の風による動圧の影響を受けない場所に置く。

(3)

換気装置の流入口をインテークドア,テープなどで確実に閉じ,排出口を開ける。

(4)

送風流量計の風量を,流入風量を算出するのに十分な範囲で変化させ,このときの車室内外気圧差及

び流入空気の温度・湿度を測定し,更に流入空気の温度・湿度から空気密度を求めて送風量を JIS B 

8330

によって算出し,

付図 に示す様式に従って車室内外気圧差特性曲線を作図する。

(5)

送風流量計の出口を確実に閉じ,インテークドアを開けて換気装置を運転し,車室内外気圧差を測定

し,このときの流入風量を(4)で作図した車室内外気圧差特性曲線上から求める。

4.3

CO

2

濃度による方法

4.3.1

試験条件  試験条件は,4.2.1 による。

4.3.2

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

装置は,

図 に示すようなものを用いる。

図 2  CO

2

濃度による流入風量測定装置の例(バスの場合)

(2) CO

2

濃度分析計は,JIS K 0151(赤外線ガス分析計)に規定するものを用いる。

(3)

ファンモータの端子電圧を測定する電圧計は,JIS C 1102 に規定する 0.5 級の計器を用いる。

4.3.3

測定方法  CO

2

濃度による流入風量の測定は,次による。

(1)

車室の床から約 1.2m の高さの自動車の縦中心面上に,1.5∼2m の間隔で吸引ホースを設置する。

なお,吸引ホースが車室外に出る場合は,窓から出してすきまを目張りする。

また,

換気装置からの流入空気の CO

2

濃度も測定できるよう,

流入口内にも吸引ホースを設置する。

(2)

車室又は車室外に赤外線ガス分析計,記録計,電源などを設置する。

(3)

測定開始前に,赤外線ガス分析計を標準ガスを用いて,分析計の製造業者が指定する方法によって校

正する。


4

D 1622-1988

(4) CO

2

ガスボンベ,ガス暖房機,たばこの煙などを用いて,車室の CO

2

濃度を上昇させ,扇風機などを

使用して車室の CO

2

濃度分布が均一になるようにかくはんする。

(5) CO

2

ガスの発生を停止し,4.2.1 に示す条件で換気装置を作動させて,CO

2

濃度の減少を

付図 に示す

様式に従って記録し,このときの流入風量を 4.3.4 によって求める。

4.3.4

CO

2

濃度による流入風量の算出方法  CO

2

濃度による流入風量は,次の式によって求め,小数点以

下を JIS Z 8401(数値の丸め方)によって整数に丸める。

i

t

i

A

C

C

C

C

t

V

Q

0

10

log

303

.

2

ここに,  Q

A

:  流入風量 (m

3

/h)

V:  車室の空気の容積 (m

3

)

t:  測定開始から終了までに経過した時間 (h)

C

0

:  測定開始時  (t=0)  における車室の CO

2

濃度 (%)

C

t

:  時間後における車室の CO

2

濃度 (%)

C

i

:  流入口での CO

2

濃度 (%)

5.

排出口の等価開口面積測定試験

5.1

装置及び器具  装置及び器具は,4.2.2 による。

5.2

測定方法  排出口の等価開口面積の測定は,次による。

(1)  4.2.3

(1)及び(2)による。

(2)

換気装置の流入口をインテークドア,テープなどで確実に閉じる。

(3)  4.2

又は 4.3 で求めた流入風量で送風流量計を運転し,このときの車室内外気圧差及び流入空気の温

度・湿度を測定し,更に流入空気の温度・湿度から空気密度を求め,5.3 によって車体すきまと排出口

とを合わせた等価開口面積を求める。

(4)

換気装置の排出口をテープなどで確実に閉じ,(3)で測定した車室内外気圧差と同じ車室内外気圧差に

なるように送風流量計を運転し,このときの風量を JIS B 8330 によって算出し,5.3 によって車体す

きまの等価開口面積を求める。

(5)  (3)

(4)との差から・排出口の等価開口面積を求める。

5.3

等価開口面積の算出方法  等価開口面積は,次の式によって求め,小数点以下を JIS Z 8401 によっ

て整数に丸める。

ïþ

ï

ý

ü

ïî

ï

í

ì

g∆∆

Q

A

∆P

Q

A

B

B

2

3600

10000

2

600

3

000

10

ρ

ρ

ここに,

A: 等価開口面積 (cm

2

)

Q

B

送風量 (m

3

/h)

P: 車室内圧力 (Pa) {mmAq} (

1

)

ρ

空気密度 (kg/m

3

)

g: 重力の加速度 (9.81m/s

2

)

(

1

)

  1mmAq=9.81Pa

6.

試験の記録  試験の結果は,付表に示すような様式の記録及び成績表に記入する。


5

D 1622-1988

付図 1  車室内外気圧差特性曲線(様式)

付図 2  CO

2

濃度減衰特性曲線(様式)


6

D 1622-1988

付表  換気性能試験の記録及び成績表の例


7

D 1622-1988

付表  (続き)


8

D 1622-1988

社団法人  自動車技術会  基本部会  換気性能試験法分科会  構成表

氏名

所属

(分科会長)

小  林  淑  男

三菱自動車工業株式会社トラック・バス技術センター実験部

(幹事)

金  田  孝  司

三菱自動車工業株式会社乗用車技術センター実験部

江  口  信  彦

工業技術院標準部

原  田      郁

工業技術院機械技術研究所機械部

飯  塚      彰

いすゞ自動車株式会社小型車研究実験部

野  村  和  利

鈴木自動車工業株式会社四輪第 2 設計部

小  林  茂  富

トヨタ自動車株式会社第 1 車両実験部

谷  口  文  夫

日産自動車株式会社車体実験部

北  沢  啓  一

日野自動車工業株式会社第 2 実験部

新  井      猛

富士重工業株式会社研究実験第 3 部

筒  井  研  也

株式会社本田技術研究所栃木研究所

佐  藤  敬  博

マツダ株式会社車両実験研究部耐候空調実研グループ

武  藤  真  理

財団法人日本自動車研究所研究第 3 部第 8 研究室

村  岡  良  三

社団法人日本自動車部品工業会技術部

(事務局)

樋  田  誠  一

社団法人自動車技術会