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D 1614 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団

法人自動車技術会 (JSAE)/財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,

通商産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS D 1614 : 1991 は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 D

1614

: 2000

自動車用ラジエータ−放熱性能試験方法

Radiators for automobiles

−Test method of heat dissipation

1.

適用範囲  この規格は,自動車用水冷式機関に使用されるエンジン冷却用ラジエータ(以下,ラジエ

ータという。

)の放熱性能を試験する方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによってこの規格の規定の一部を構成する。

この引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 8330

  送風機の試験及び検査方法

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

入口気水温度差  ラジエータに流入する冷却水(以下,水という。)の入口温度と空気の入口温度との

差。度  (℃)  で表す。

b)

水側放熱量  試験状態において,単位時間当たりに水が失った熱量。キロワット (kW) で表す。

c)

放熱量  水の放熱量を入口気水温度差 60℃で計算したもの。キロワット (kW) で表す。

d)

水流量  単位時間当たりにラジエータを通過する水の量。リットル毎分  (l/min)  で表す。

e)

前面質量風速  ラジエータのコア前面における風速に,空気の単位体積当たりの質量を乗じたもの。

単位面積当たり質量毎秒 [kg/ (m

2

・s)]  で表す。

f)

水側圧力損失  試験状態において測定したラジエータの水の入口と出口間の全圧(

1

)

の差。キロパスカ

ル (kPa) で表す。

(

1

)

全圧=静圧+動圧

g)

空気側圧力損失  試験状態において測定したラジエータの空気の入口と出口間の全圧の差。パスカル

(Pa)

で表す。

4.

試験項目  試験は,次の項目について行う。

a)

放熱量試験

b)

水側圧力損失試験

c)

空気側圧力損失試験

5.

試験条件  試験を行うラジエータ,水及び試験室の条件は,次による。

a)

ラジエータ  ラジエータは,コア,タンクなどの主要素及び附属部品によって組み立てられ,ラジエ

ータとしての機能を最小限に満足するものを使用する。

その一例を

図 に示す。

b)

水  ラジエータの水回路に使用する水は,特に指定のない限り清水とする。


2

D 1614 : 2000

c)

水入口温度  ラジエータに流入する水の入口温度は,放熱状態で入口気水温度差を 60±10℃に保つよ

うにする。

d)

試験室  試験室は,特に指定がない限り常温(5∼35℃),常湿(45∼85%)とし,試験装置の空気吸入側

において空気の流れ及び温度に大きな変動を与えないような構造とする。

図 1  ラジエータの例

6.

試験装置及び計測器

6.1

試験装置  試験装置は,ラジエータの性能を表すために必要な 7.1 に示す各項目を正確に測定できる

ものでなければならない。試験装置は大別して,水の回路と空気の回路(風洞)とからなり,その一例を

図 に示す。

6.1.1

水の回路  水の回路の装置は,次による。

a)

装置は,ラジエータを通過する水量が調節可能でなければならない。

b)

ラジエータの水路及び温水槽は,空気及び蒸気を巻き込まないように作るか,

又は分離装置を付ける。

c)

水ポンプの運転は,キャビテーションが発生しないように留意する。

d)

温水槽は,放熱量を賄うのに十分な発生熱量があり,放熱量の範囲にわたって発生熱量の調節が可能

なものでなければならない。

6.1.2

空気の回路  空気の回路(風洞)装置は,次による。

a)

ラジエータを通過する風量は,調節が可能なものとする。

b)

風洞本体とラジエータとを接続する連絡管は,ラジエータの前面で整流が得られる形状(

2

)

でなければ

ならない。

(

2

)

連絡管の形状は,JIS B 8330を参照。

c)

風洞本体及び連絡管の各継ぎ目並びに各種の測定孔は,気密とする。


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D 1614 : 2000

図 2  試験装置の例

6.2

計測器  試験に用いる計測器の器差は,表 に示す値以内とし,試験前に校正しておく。

なお,試験精度を上げるために,水の入口温度と出口温度との差は温度差計の値を用いることが望まし

い。

表 1  計測器の器差

計測器

器差

水流量計 %

計測器が示す値の  ±2

空気流量計 %  計測器が示す値の  ±2

温度計

±0.3

温度差計

±0.1

差圧計 %

最大目盛値の

±2

圧力計 %

最大目盛値の

±2

7.

試験方法及び測定方法

7.1

試験方法  試験方法は,まずラジエータを連絡管によって風洞に取り付ける。次に,ラジエータの

インレットパイプ及びアウトレットパイプを試験装置の水の回路に接続する。試験は水流量,風量,水入

口温度及び空気入口温度が安定した状態で行う。

測定項目は,次による。

大気圧,湿度,室温,水入口温度,水出入口温度差,水流量,空気入口温度,風量,水側圧力損失及び

空気側圧力損失。

なお,水出入口温度差の代わりに水出口温度を測定してもよい。

7.2

測定方法  測定は,放熱状態で次のとおり行う。

a)

流量測定  流量測定は,次による。

1)

水流量測定  水流量の測定は,水回路中の混入空気を除去してから行う。

2)

風量測定  風量測定は,風の流れが安定した状態で行う。


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D 1614 : 2000

b)

温度測定  温度測定は,次による。

1)

水の温度測定  水の温度測定は,ラジエータのインレットパイプ及びアウトレットパイプ端末にで

きるだけ近い位置で行う。

2)

空気の温度測定  空気の温度測定は,ラジエータの前面で放射熱を受けない方法で行う。

c)

圧力測定  圧力測定は,次による。

1)

水側圧力損失測定  水側圧力損失測定は,ラジエータのインレットパイプ及びアウトレットパイプ

端末にできるだけ近い位置で行う。

2)

空気側圧力損失測定  空気側圧力損失の測定位置は,ラジエータの直前及び直後で,空気の流れが

できるだけ安定した部分とする。

圧力損失の測定方法は,JIS B 8330 による。

8.

計算方法

8.1

計算の手順  計算の手順は,次による。

a)

水側放熱量を算出する。

b)

前面質量風速を算出する。

c)

放熱量を算出する。

8.2

水側放熱量  水側放熱量は,次の式によって算出する。

)

(

60

10

2

W

1

W

PW

3

t

t

C

V

Q

W

W

W

×

=

γ

ここに,

Q

w

水側放熱量

 (kW)

V

w

水流量

  (l/min)

γ

w

水の単位体積当たりの質量

 (kg/m

3

)

(ただし,水流量計に

近い側の水温度における値をとる。

C

pw

水の比熱〔

4.186 [kJ/ (kg

・℃

)]

〕とする。

t

w1

水入口温度

  (

)

t

w2

水出口温度

  (

)

備考

60

10

-3

×

rw

V

w

は,単位時間に通過する水の質量

 (kg/s)

である。

8.3

前面質量風速  前面質量風速は,次の式によって算出する。

a

f

a

60

γ

γ

×

=

A

V

vaf

ここに,

γ

vaf

前面質量風速 [kg/ (m

2

・s)]

V

a

コア前面における風量 (m

3

/min)

A

f

コア前面面積 (m

2

)

γ

a

空気の単位体積当たりの質量 (kg/m

3

)

(ただし,風量測定

位置における値をとる。

8.4

放熱量  放熱量は,次の式によって算出する。

1

a

1

W

W

60

t

t

Q

Q

=

ここに,

Q

:  放熱量 (kW)

t

a1

:  空気入口温度


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D 1614 : 2000

9.

試験成績表の作成  試験成績表は,次の関係を付表 に例示する放熱線図に作成し,ラジエータ放熱

性能成績表とする。

a)

放熱量と前面質量風速との関係(水流量をバラメータとして示す。

b)

空気側圧力損失と前面質量風速との関係

c)

水側圧力損失と水流量との関係

付表 1  成績表の例


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D 1614 : 2000

自動車専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

佐  藤      武

慶應義塾大学名誉教授

石  丸  典  生

社団法人日本自動車部品工業会会長

大  山  尚  武

工業技術院機械技術研究所所長

澤  田      勉

社団法人自動車技術会会長

荒  井  正  吾

運輸省自動車交通局長

穐  山  貞  治

工業技術院標準部

射  場  祥  夫

財団法人日本自動車研究所

瀬  尾  宏  介

国民生活センター

山  本      辿

早稲田大学

日下部  明  昭

社団法人日本自動車連盟

森  部  幸  男

社団法人日本自動車整備振興会連合会

樋  口  世喜夫

日産自動車株式会社

古  谷  國  貴

株式会社本田技術研究所栃木研究所

森          守

トヨタ自動車株式会社

大  道  正  道

通商産業省機械情報産業局

小  林      栄

日本自動車輸入組合

下  田  邦  夫

社団法人全日本トラック協会

佐々木  要  助

株式会社曙ブレーキ中央技術研究所

(事務局)

池  川  澄  夫

工業技術院標準部標準業務課

社団法人  自動車技術会原動機部会ラジエータ分科会  構成表

氏名

所属

(分科会長)

栗  尾  憲  之

マツダ株式会社  パワートレイン設計部

(幹事)

松  尾  知  美

カルソニック株式会社  熱交換器設計部

天  川      豊

株式会社本田技術研究所  栃木研究所  第 1 設計ブロック

石  井  隆  治

日産ディーゼル工業株式会社  車両設計部

扇  谷  信一郎

スズキ株式会社  四輪エンジン設計部

小笠原      昇

昭和アルミニウム株式会社  自動車熱交事業部設計部

亀  田      誠

三菱自動車工業株式会社  トラック・バス開発本部  エンジン設計部

河内谷  清  二

日産自動車株式会社  ボデー開発統括部

楠      亮  平

ダイハツ工業株式会社エンジン部

小  島  克  己

社団法人日本自動車部品工業会  技術部

後  藤      裕

三共ラヂエータ株式会社  第二技術部

小  林  茂  富

トヨタ自動車株式会社  第 1 エンジン技術部

鈴  木  英  二

東洋ラジエーター株式会社  技術本部

高  橋  則  行

日野自動車工業株式会社  車両部  RD 部

滝  口  幸  生

富士重工業株式会社  開発本部  内装設計部

時  田  恵  寿

エチレンケミカル株式会社  技術部

中  山  秀  和

東京ラヂエーター製造株式会社  開発本部

西  谷      昇

株式会社デンソー  冷却機器企画部

橋  本      進

財団法人日本規格協会  技術部

林      則  光

いすゞ自動車株式会社  車両設計第一部

山  崎  孝  章

運輸省自動車交通局  技術安全部

(事務局)

赤  堀  由美子

社団法人自動車技術会  規格部門