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日本工業規格

JIS

 D

1606

-1987

自動車用スパークプラグの

エンジン適合性試験方法

Adaptability Test Code of Spark Plug for Automobiles

1.

適用範囲  この規格は,自動車用スパークプラグ(以下,スパークプラグという。)の,装着エンジン

に対する適合性を調べる実用的な試験方法について規定する。

引用規格: 

JIS B 0108

  往復動内燃機関用語(一般)

JIS B 8031

  内燃機関用スパークプラグ

2.

用語の意味  この規格の中で用いる用語の意味は,JIS B 0108[往復動内燃機関用語(一般)]による

ほか,次のとおりとする。

(1)

プリイグニション試験  スパークプラグをエンジンに装着し,過酷な運転条件となるように,点火時

期を早めていくなどして,プリイグニションを発生しやすくしたとき,スパークプラグが正常に作動

するかどうかを確認する試験。

(2)

低負荷適合性試験  自動車の低負荷運転時におけるスパークプラグのエンジン適合性を,スパークプ

ラグのくすぶり汚損性又はカーボンの自己清浄性によって評価する試験。

(3)

くすぶり汚損試験  低温試験室内のシャシダイナモメータ上に自動車を置き,そのエンジンにスパー

クプラグを装着して,実状に近い所定のパターンで運転を行ったとき,スパークプラグのくすぶり汚

損の度合を調べる試験。

(4)

カーボンの自己清浄試験  シャシダイナモメータ上に自動車を置き,そのエンジンにあらかじめくす

ぶり汚損をさせたスパークプラグを装着し,スパークプラグの発火部絶縁体先端のカーボンが焼き切

れる車速を調べる試験。主として二輪自動車などでくすぶり汚損試験を行う代わりに,この方法を用

いる。

3.

試験の種類  スパークプラグの適合性試験の種類は,次のとおりとする。

(1)

プリイグニション試験

(2)

低負荷適合性試験

(3)

耐久試験

(4)

実車走行試験

4.

試験条件及び試験設備

4.1

試験条件  試験場所の環境条件は,特に規定がない限り常温 (20±15℃),常湿 (65±20%)  とする。


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4.2

試験設備  試験設備として次のものを準備する。

(1)

試験用エンジン及び自動車

(2)

エンジンダイナモメータ又はシャシダイナモメータ

(3)

低温試験室

(4)

プリイグニション測定装置又はこれに代わる測定装置

(5)

温度測定用スパークプラグ及び温度測定装置

5.

試験方法

5.1

プリイグニション試験  プリイグニション試験は,次のとおりに行う。

(1)

スパークプラグの温度測定  温度測定用スパークプラグを試験用エンジンに付けて全負荷を加え,回

転数は最高回転数の

2

1

から,最高回転数までの条件でエンジンを運転したとき,スパークプラグの温

度が最も高くなるシリンダを見いだすとともに回転数を測定する。

なお,必要に応じて最高温度を示す回転数では,部分負荷でもスパークプラグの温度を測定する。

(2)

供試スパークプラグによる運転  温度が最も高くなるシリンダに供試スパークプラグを装着し,その

ほかのシリンダには高熱価のスパークプラグを装着して,エンジンに全負荷を加え,スパークプラグ

の温度が最も高くなる回転数で運転を行う。

(3)

プリイグニションの測定  プリイグニションの有無は,プリイグニション測定装置を使用し,イオン

電流波形の変化によって測定する。ただし,場合によっては,エンジンのトルク低下によって判断し

てもよい。

なお,プリイグニションを測定するときの点火時期及び運転時間は,正規の点火時期から 2.5°ずつ

15

°まで進角させた状態とし,各点火時期では,運転を 2 分間持続して測定する。ただし,必要な場

合には受渡し当事者間の協定によってもよい。

5.2

低負荷適合性試験  低負荷適合性試験は,次のいずれかの方法で行う。

(1)

くすぶり汚損試験  供試スパークプラグを試験用自動車に取り付け,低温試験室内のシャシダイナモ

メータ上に置き,−10℃又は受渡し当事者間の協定による温度状態において所定の運転パターン及び

サイクル数で試験を行う。

図にその 1 例を示す。

試験後,供試スパークプラグの絶縁抵抗を JIS B 8031(内燃機関用スパークプラグ)に規定する方

法によって測定し,くすぶり汚損の程度を確認する。

また,試験中のエンジンのアイドリング不安定,加速不良などの異常発生の有無も測定する。

図  くすぶり汚損試験運転パターン(例)


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(2)

カーボンの自己清浄試験  過濃混合気による無負荷運転でくすぶり汚損させたスパークプラグ(スパ

ークプラグの絶縁抵抗値が約 100M

Ωのもの)をシャシダイナモメータ上の自動車のエンジンに装着し,

走行可能な範囲で高い変速比を用い 10km/h 間隔の各車速(必要に応じて 5km/h 間隔)で運転する。

各車速において 2 分間運転し,スパークプラグの温度上昇によってスパークプラグの発火部絶縁体

先端に付着しているカーボンが焼け切れるときの車速を測定する。

5.3

耐久試験  耐久試験は,次のとおりに行う。

(1)

供試スパークプラグを試験用エンジンに取り付け,最大出力回転数に近いところで全負荷運転を所定

の時間行う。さらに,必要に応じて各種の耐久パターンでも運転する。

(2)

試験中,一定の時間ごとにエンジンの諸性能を測定し,異常がないことを確認する。

(3)

測定項目は,原則として次のとおりとする。ただし, (*) を付けた項目は参考として測定するもので,

測定を省略してもよい。

(a)

軸トルク

(b)

回転数

(c)

燃料消費量

(d)

潤滑油消費量

(e)

吸気圧力 (*)

(f)

点火時期 (*)

(g)

冷却水出口温度

(h)

潤滑油温度

(i)

スパークプラグのガスケット部温度 (*)

(4)

試験中,動力計出力の変動,燃焼状況,ノッキングなどの運転状態も観察し,記録する。

(5)

試験終了後,スパークプラグの火花すきまの測定及び発火部,その他の状態も観察し,記録する。

(6)

試験時間及び測定間隔は,受渡し当事者間の協定によることとし,途中で運転不能となった場合は,

それまでの運転時間を記録する。

5.4

実車走行試験  実車走行試験は,次のとおりに行う。

(1)

供試スパークプラグを自動車に取り付け,所定の走行条件によって実車走行試験を行い,スパークプ

ラグの作動性を試験する。

(2)

走行中,次の各項目を測定する。ただし, (*) を付けた項目は参考として測定するもので,測定を省

略してもよい。

(a)

走行距離

(b)

走行速度

(c)

燃料消費量

(d)

潤滑油消費量 (*)

(e)

冷却水温度

(f)

潤滑油温度

(g)

スパークプラグのガスケット部温度 (*)

(3)

試験後,スパークプラグの火花すきまの測定及び発火部,その他の状態も観察し,記録する。

(4)

試験時間及び測定間隔は,受渡し当事者間の協定によることとし,途中で運転不能となった場合は,

それまでの運転時間を記録する。


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6.

試験結果の記録  試験結果の記録は,5.の各試験方法に規定した測定項目のほかに,参考として次の

事項も記録する。

(1)

試験に使用した燃料の種類

(2)

試験に使用した潤滑油の種類


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自動車  航空部会  自動車専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

中  込  常  雄

社団法人自動車技術会

中  川  勝  弘

通商産業省機械情報産業局

松  波  正  壽

運輪省地域交通局陸上技術安全部

飛  田      勉

工業技術院標準部

石  渡  正  治

財団法人日本自動車研究所

梅  澤  清  彦

東京工業大学精密工学研究所

大  西      徳

社団法人全日本トラック協会

佐  藤      武

慶應義塾大学理工学部

瀬  倉  久  男

防衛庁装備局

田  中  兼  吉

社団法人日本バス協会

轟          秀

社団法人日本自動車連盟

杉  浦  秀  昭

社団法人日本自動車整備振興会連合会

岩  根  政  雄

社団法人日本自動車部品工業会

宇  藤      官

鈴木自動車工業株式会社二輪第二設計部

大  槻  耕  一

日野自動車工業株式会社研究管理部

改  田      護

トヨタ自動車株式会社技術管理部

金  子  達  昭

日本自動車輸入組合

野  本  正  猪

三菱自動車工業株式会社技術本部技術管理部

牧  野      昇

本田技研工業株式会社総務部

宮  崎  弘  昭

日産自動車株式会社設計管理部

安  部  史  之

日産ディーゼル工業株式会社設計管理部

一  瀬      修

マツダ株式会社東京技術部

植  木  源  治

日本道路公団

大  野  恭  二

いすゞ自動車株式会社特許部

(関係者)

古  川      洋

社団法人自動車技術会

(事務局)

江  口  信  彦

工業技術院標準部機械規格課

中  田  幹  夫

工業技術院標準部機械規格課


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イグニション分科会  構成表

(分科会長)

矢  野  恒  臣

日産自動車株式会社第 1 機関設計部

(幹事)

西  尾  兼  光

日本特殊陶業株式会社プラグ技術部

(幹事)

猪  俣      昇

品川自動車電線株式会社技術部

武  田  貞  生

通商産業省機械情報産業局

田  代  和  也

工業技術院標準部機械規格課

福  田  裕  充

工業技術院機械技術研究所機械部

野  田      明

交通安全公害研究所交通安全部

菱  川  正  敏

いすゞ自動車株式会社小型エンジン設計部

本  田      治

鈴木自動車工業株式会社四輪車体設計部

山  下  正  博

トヨタ自動車株式会社第 1 エンジン部

黒  尾  純  一

日産自動車株式会社第 1 機関設計部

髙  橋  敏  夫

富士重工業株式会社スバル技術本部

梶  原  孝  男

株式会社本田技術研究所和光研究所

田  保  栄  三

三菱自動車工業株式会社乗用車技術センターエンジン技術部

俵      康  雄

日本電装株式会社技術管理部

髙  橋  佑  朋

日立オートモティブエンジニアリング株式会社

松  村  政  美

三菱電機株式会社姫路製作所開発部

峰  岸  壮  吉

自動車機器株式会社油圧事業部技術部

川  上  良  平

矢崎部品株式会社第 2 開発設計室

村  岡  良  三

社団法人日本自動車部品工業会技術部

(事務局)

柳  井  礼  子

社団法人自動車技術会規格課