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日本工業規格          JIS 

 

D 1061-1995 

 

乗用車のステアリングコントロール 

システム衝撃試験方法 

Steering control system laboratory impact test 

procedure for passenger cars 

 

 

1. 適用範囲 この規格は,乗用車のステアリングコントロールシステム(以下,ステアリングという。)

の人体に対する衝撃特性を評価するためのボデーブロックを用いた試験室内での試験方法について規定す

る。ただし,フォワードコントロール車には適用しない。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS D 0024 自動車におけるH点の決め方 

 

2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) ステアリングコントロールシステム 乗用車のステアリング機構において,運転者に与える衝撃荷重

に影響する部分。 

(2) ボデーブロック ステアリングに衝撃荷重を与えるための人体模型。 

(3) R点 シート最後端におけるH点,又はそれに相当する設計基準位置。 

備考 R点については,JIS D 0024の2.(5)参照。 

 

3. 計測項目 

(1) 衝突速度 ボデーブロックが,ステアリングに衝突する直前の速度。 

(2) 衝撃荷重 ボデーブロックの衝突の際,ステアリングによってボデーブロックに加わる水平方向の荷

重の時間経過。 

(3) 衝撃瞬間時期 ボデーブロックが,ステアリングに最初に当たる時。 

 

4. 試験装置 

4.1 

ボデーブロック ボデーブロックは,次に示す特性をもつことが望ましい。ただし,少なくとも主

要外形寸法,質量及びばね定数(テストビーム及び荷重測定位置を含む。)については,この規定の値を満

足しなければならない。 

(1) 構造寸法 図1〜3に示すとおりとする。 


D 1061-1995  

 

図1 モールドインサート 

図2 背板とベース 

 

 

図3 ボデーブロック側面 

 

 


D 1061-1995  

(2) 質量 質量は

03.2

0.

34

栰夰謰

(3) ばね定数 ばね定数は105〜140N/mmとする。 

なお,ばね定数の求め方は,次による。 

(a) ボデーブロックの縦軸に直角,しかも背面に平行な100×380mmのテストビームをその中心線が頭

頂から457±6mmの所に置き,テストビームの重量を含み22Nの荷重をあらかじめ与え,このとき

のテストビームの位置を基準点とする(図4参照)。 

(b) テストビームを250±50mm/minの速度で加圧し,基準点からの変位量が12.7mmのときの付加荷重

を測定する。 

(c) ばね定数は,(2)で測定した荷重及び変位量によって求める。 

図4 テストビーム位置 

単位nm 

 

 

 

(4) 重心 重心は頭頂から551±6mmの位置とする。 

(5) 慣性能率 重心を通る横軸回りの慣性能率は226±22N・cm・s2 

4.2 

衝撃試験機 衝撃試験機は,次による。 

(1) 試験機は,並進運動でボデーブロックをステアリングホイールに衝突させることができる装置とする。 

(2) 試験における,衝突速度,衝撃荷重,衝撃瞬間時期が記録できること。 

 

5. 試験方法 

5.1 

ステアリングの取付け ステアリングの取付けは設計基準位置とし,次による(図5参照)。 

(1) ステアリングは,実車又は実車の取付け状態をシミュレートしたジグに固定する。 

(2) 取付け角度は設計基準角度に対して側面,平面とも±2度以内とする。 

(3) 傾斜と位置を調節する装置が付いている場合,ステアリングの取付け位置は設計基準位置とする。 

(4) ロードセルは,コラムシャフトとステアリングホイールとの間に置く。 

(5) ステアリングホイールの回転位置は,ステアリングホイールの最もたわみにくい位置及び最もたわみ

やすい位置の2か所とする。 

5.2 

ステアリングとボデーブロックとの関係 ボデーブロックとステアリングの上下方向との位置関係

は,図5に示すとおりとし,設計図によって,ボデーブロックのレファレンスラインとステアリングホイ

ールの下端との距離を求め,これを満足するように置く。左右方向に対しては,ボデーブロックはステア

リングホイールのリム平面の中心に置く。 


D 1061-1995  

5.3 

衝突方法 ステアリングとボデーブロックとの関係を5.2のとおりに配置し,ボデーブロックを並進

させ,5.4で規定する衝突速度でステアリングに衝突させる。衝突の方向は,車体の縦中心面に対して平行

とし,ボデーブロックは衝突の間中自由で拘束されない状態に置く。 

図5 ステアリングとボデーブロックとの関係 

 

5.4 

衝突速度 衝突速度は

01.2

24.1

洀一栰栰夰謰

最大衝撃荷重を規定した場合の要件を満足

すれば,より高い速度でもよい。 

5.5 

供試品 試験に使用するすべての部品は,設計図どおりのもの又は同等の特性をもつものでなけれ

ばならない。 

 

6. 計測精度 計測精度は,次による。 

(1) 衝突速度 ±2%以内 

(2) 衝突速度分解能 0.5km/h 

(3) 衝撃荷重 ±5%以内 

 

7. 試験の記録 試験の記録は,次による。 

(1) 試験期日 

(2) 試験場所 

(3) 試験品諸元 

(a) 車名・型式 

(b) 部品名又は部品番号 

(4) 試験条件 

(a) 使用した衝撃荷重検出器 

(b) コラムシャフトセットの側面角度及び平面角度 

(c) ステアリングホイールの回転位置 

(d) ステアリングホイール下端とボデーブロックレファレンスラインとの距離 


D 1061-1995  

(5) 試験結果 

(a) 衝突速度 

(b) 衝撃荷重 

(c) 衝撃瞬間時期 

(6) その他 

関連規格 JIS D 0101 自動車の種類に関する用語 

SAE Recommended Practice J 944 JUN 80 Steering Control System-Passenger Car−Laboratory 

Test Procedure 

ADR No.10B Steering Columns 

ECE Regulation No.12 Revision 2 Uniform Provisions Concerning the Approval of Vehicles with 

regard to the Protection of the Driver against the Steering Mechanism in the Event of Impact 

FMVSS No.203 Impact Protection for the Driver from the Steering Control System 

TRIAS 27-1983 衝撃吸収式かじ取り装置衝撃試験方法 


D 1061-1995  

自動車 航空部会 自動車専門委員会 構成表(昭和60年3月1日制定のとき) 

 

 

氏名 

所属 

(委員会長) 

 

中 込 常 雄 

社団法人自動車技術会 

 

 

横 溝 眞一郎 

工業技術院標準部 

 

 

柴 藤 良 知 

運輸省交通安全公害研究所 

 

 

堤   富 男 

通商産業省機械情報産業局 

 

 

清 水 達 夫 

運輸省地域交通陸上技術安全部 

 

 

瀬 倉 久 男 

防衛庁装備局 

 

 

梅 澤 清 彦 

東京工業大学 

 

 

石 渡 正 治 

財団法人日本自動車研究所 

 

 

大 沼 広 洲 

全日本トラック協会 

 

 

佐 藤   武 

慶応義塾大学 

 

 

杉 浦 秀 昭 

日本自動車整備振興会連合会 

 

 

田 中 兼 吉 

社団法人日本バス協会 

 

 

轟     秀 

社団法人日本自動車連盟 

 

 

安 部   宏 

株式会社本田技術研究所 

 

 

改 田   護 

トヨタ自動車株式会社 

 

 

紅 谷 恒 雄 

日産自動車株式会社 

 

 

須 永 惇 一 

いすゞ自動車株式会社 

 

 

鈴 本 作 良 

社団法人日本自動車部品工業会 

 

 

高 原 昭 二 

三菱自動車工業株式会社 

 

 

西 原 孝 雄 

マツダ株式会社 

 

 

大 槻 耕 一 

日野自動車工業株式会社 

 

 

金 子 達 明 

日本自動車輸入組合 

(専門委員) 

 

斎 藤   巌 

財団法人日本規格協会 

 

 

武 永 三 郎 

日本道路公団 

 

 

有 賀   久 

日産ディーゼル株式会社 

 

 

宇 藤   官 

鈴木自動車工業株式会社 

(事務局) 

 

田 代 和 也 

工業技術院標準部機械規格課 

 

 

宗 像 保 男 

工業技術院標準部機械規格課 

(事務局) 

 

笹 尾 照 夫 

工業技術院標準部機械規格課(平成7年2月1日改正のとき) 

 

社団法人自動車技術会シャシ部会ステアリングインパクト分科会 構成表 

 

 

氏名 

所属 

(分科会長) 

 

栗 本 康 二 

東洋工業株式会社第2実研部 

(幹事) 

 

坂 田 正 明 

東洋工業株式会社第2実研部 

 

 

有 田 哲 二 

通商産業省機械情報産業局 

 

 

川 口 廣 美 

工業技術院標準部機械規格課 

 

 

吉 田 茂 美 

機械技術研究所自動車安全公害部 

 

 

久 米 正 一 

運輸省自動車局整備部 

 

 

森 田 和 元 

交通安全公害研究所交通安全部 

 

 

鈴 木 好 朗 

交通安全公害研究所自動車審査部 

 

 

山 崎 和 久 

いすゞ自動車株式会社開発本部小型車研究実験部 

 

 

村 松 憲 一 

鈴木自動車工業株式会社四輪車体設計部 

 

 

渡 壁 長 則 

ダイハツ工業株式会社実験部 

 

 

工 藤   勲 

トヨタ自動車株式会社第2技術部 

 

 

高 原 正十四 

日産自動車株式会社車体実験部 

 

 

豊 田 政 巳 

富士重工業株式会社スバル技術本部車体研究実験部 

 

 

杉 本 十三男 

株式会社本田技術研究所 

 

 

谷 口 貞 雄 

社団法人日本自動車工業会技術部 


D 1061-1995  

 

 

後 藤 雅 臣 

フォード自動車日本株式会社 

 

 

小 林 輝 男 

豊田合成株式会社技術部 

 

 

池 田 幸 博 

日本精工株式会社自動車技術第2部 

 

 

小 池 陸 夫 

富士機工株式会社第二技術部 

 

 

村 岡 良 三 

社団法人日本自動車部品工業会技術部 

(事務局) 

 

樋 田 誠 一 

社団法人自動車技術会