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D 1050 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS D 1050-1986 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正に当たっては,ISO 6487 : 1987 Road vehicles−Measurement techniques in impact tests−

Instrumentation

を基礎として用いた。


日本工業規格

JIS

 D

1050

 : 1998

自動車−衝撃試験における計測

Road vehicIes

−Techniques of measurement in impact tests−

Instrumentation

序文  この規格は,1987 年に第 2 版として発行された ISO 6487 Road vehicles−Measurement techniques in

impact tests

−Instrumentation を翻訳し,対応する部分については,技術的内容を変更することなく作成した

日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目(記録)及び規定内容(ロードセル

による感度係数決定方法)を追加した。

なお,この規格で点線の下線を施した部分は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,自動車の安全性に関する衝撃試験に用いる電気的計測技術の要求事項につい

て規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 6487 : 1987, Road vehicles

−Measurement techniques in impact tests−Instrumentation

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格はその最新版を適用する。

JIS B 7602

  電気式ロードセル−性能試験方法

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

計測チャネル  トランスデューサからデータの周波数成分や振幅を変えるなどの分析手段までを含む

すべての計測系。

b)

トランスデューサ  計測チャネルにおいて,計測する物理量を電気信号などの処理可能な二次量に変

換するために用いる最初の装置。

c)

振幅レンジ (CAC)   ある振幅特性を満たす計測チャネルの呼び。計測チャネルの測定範囲の最大値

に相当する数値を用いる。

d)

フィルタ特性  (F

H

F

L

F

N

  フィルタ特性の一様性を規定する。高周波側の周波数  (F

H

)

,低周波側

の周波数  (F

L

)

及びカットオフ周波数  (F

N

)

の数値は,

付図 に定義する。

e)

周波数クラス (CFC)   ある周波数特性,すなわち,計測チャネルに加えられた校正信号の入力と出

力との比を周波数に対して表した曲線による規定(

付図 参照)において,それを満たす計測チャネ

ルの呼びで,

付図 の F

H

の値で表すもの。

f)

感度係数  振幅レンジ内で最小二乗法又は JIS B 7602 の校正原点と定格容量での出力を結ぶ方法によ

って決定した校正値に最もよく合う直線(基準直線)の傾き。


2

D 1050 : 1998

g)

計測チャネルの校正係数  F

L

5

.

2

H

F

との間の対数目盛上に等間隔に並ぶ複数の周波数について評価し

た感度係数の平均値。

h)

直線性誤差  校正値と f)の基準直線との差の最大値の振幅レンジに対する割合。

i)

横軸感度(直線トランスデューサの)  トランスデューサのその受感軸方向の刺激に対する,その軸

に垂直な方向の感度。

j)

横軸感度比率(直線トランスデューサの)  横軸感度と受感軸に沿った感度との比率。

k)

位相遅れ時間(計測チャネルの)  正弦波信号の位相遅れ (rad) をその信号の角速度 (rad/s) で除し

たもの。

l)

環境  ある瞬間に計測チャネルが受ける外的影響。

4.

性能  計測チャネルの性能は,次のとおりとする。

a)

直線性誤差  直線性誤差は,2.5%以下とする。

b)

周波数特性  各周波数クラスに対する周波数特性は,付図 の斜線内でなければならない。

c)

位相遅れ時間  計測チャネルの入力と出力の間で計測し,0.03F

H

F

H

の間で

H

F

10

1

秒以上に変動しては

ならない。

d)

時間

1)

タイムマーカ  正確度は±1%とし,少なくとも 0.01 秒間隔で記録する。

2)

相対時間遅れ  計測チャネルの二つ以上の信号間の相対時間遅れは周波数クラスにかかわらず,位

相変換による位相遅れを除き 0.001 秒 (1ms) を超えてはならない。信号が結合している二つ以上の

計測チャネルは同じ周波数クラスをもち

H

F

10

1

秒以上の相対時間遅れがあってはならない。

この要件は,同期パルスやディジタル信号と同様に,アナログ信号にも適用する。

e)

トランスデューサの横軸感度比率  どの方向においても 5%未満とする。

5.

校正

5.1

一般事項  校正に関する一般事項は,次による。

a)

計測チャネルは,少なくとも年 1 回標準装置によって校正しなければならない。標準装置との比較に

よる方法では,振幅レンジの 1%以上の誤差がないこと。標準装置の使用は校正する周波数の範囲だ

けとする。

b)

トランスデューサとサブシステムは個々に評価することができ,その結果を計測チャネル全体の正確

さとしてもよい。例えば,トランスデューサの出力信号をシミュレートする既知の振幅の電気信号を

用い,トランスデューサを除く計測チャネルの校正を行ってもよい。

5.2

校正用標準装置の正確さ  標準装置の正確さは,公認の検定機関の保証か,それがない場合は,公

的機関によって校正することが望ましい。

a)

静的校正

1)

加速度  誤差は振幅レンジの 1.5%未満とする。

2)

荷重

    誤差は振幅レンジの 1%未満とする。

3)

変位

    誤差はは振幅レンジの 1%未満とする。

b)

動的校正

加速度  400Hz 以下では,誤差は振幅レンジの 1.5%未満とする。

        400∼900Hz では,誤差は振幅レンジの 2%未満とする。


3

D 1050 : 1998

        900Hz 以上では,誤差は振幅レンジの 2.5%未満とする。

c)

時間  基準時間との相対誤差は 10

5

未満とする。

5.3

感度係数と直線性誤差の校正  計測チャネルの校正は,次による。

a)

感度係数と直線性誤差は,既知の入力信号に対して計測チャネルの出力信号を測定して定める。

b)

計測チャネルの校正は,振幅レンジ内のすべての範囲をカバーする。

c)

二極性のチャネルでは,正負両方の値を確認する。

d)

校正装置が要求された入力を作り出すことができない場合は,校正装置の限度内で行う。この場合に

は限界値を試験報告書に記録する。

e)

計測チャネルは,F

L

5

.

2

H

F

の間に含まれる一つ又はある代表の周波数において校正する。

5.4

周波数応答の校正  周波数に対する位相及び振幅の応答曲線は,F

L

と周波数クラス F

H

の 10 倍の間

の幾つかの値を測定し決定する。

6.

環境の影響  衝撃試験における計測時には,環境の影響(電気又は磁気流束,ケーブル速度など)を

定期的に点検する。

例えば,

ダミートランスデューサを取り付けた予備のチャネルの出力を記録して行う。

7.

計測チャネルの選択と指定  計測チャネルの選択と指定は,次による。

a)

振幅レンジ及び周波数クラスで計測チャネルを規定する。

b)

振幅レンジは 10 の 1 乗,2 乗又は 5 乗の値とする。

c)

この規格の規定に一致した計測チャネルは,次のように呼び名を付ける。

JIS D 1050 (ISO 6487)

JIS 及び対応国際規格の番号)

CAC

……………………

(振幅レンジ)

CFC

……………………

(周波数クラス)

振幅又は周波数応答の校正が,校正装置の特性が限られているために CAC 又は CFC を完全にカバーで

きない場合は,その CAC 又は CFC にはアステリスクを付ける。

例  JIS D 1050-CAC*  200m/s

2

-CFC1000Hz

この意味は

−この計測は,JIS に基づいて行った。

−振幅レンジが 200m/s

2

であった。

−周波数クラスが 1 000Hz であった。

−振幅応答の校正は,CAC を完全にカバーしていなかった。

試験報告書には,校正の限界値を表示する。

8.

記録  衝撃試験における計測時には,次の項目を計測結果に付記する。

a)

使用計測器の装置名,製造業者,型式,製造番号,最終検定日,検定成績書

b)

温度

c)

湿度


4

D 1050 : 1998

付図 1  周波数特性

関連規格  SAE J 211/1 MAR95  Instrumentation for impact test−Part 1−Electronic instrumentation


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D 1050 : 1998

社団法人  日本自動車技術会車体部会衝撃保護分科会  構成表

氏名

所属

(分科会長)

佐  藤      武

慶應義塾大学

(幹事)

奥  原  久  和 

株式会社本田技術研究所栃木研究所第 5 研

究ブロック

(委員)

入  江  泰  彦 

運輸省交通安全公害研究所自動車技術評

価部

大河内      勉 

三菱自動車工業株式会社乗用車開発本部

装備設計部

大  前  晴  雄

財団法人日本自動車研究所第三研究部

丞  村      宏

タカタ株式会社品質保証部

鈴  木  健  弘

スズキ株式会社実験部

田  中  幸  広 

日産ディーゼル工業株式会社パワートレ

イン実験部

千  葉  芳  晃

日野自動車工業株式会社車両 RE 部

富  樫      晃

社団法人日本自動車部品工業会技術部

西鍛治      聡

マツダ株式会社第一車両設計部

根  岸  喜代春

通商産業省工業技術院標準部

野  中      誠 

富士重工業株式会社開発本部車両研究実

験第 2 部

一ツ松  敦  史

日産自動車株式会社ボデー開発統括部

平  井  隆  志

運輸省自動車交通局技術安全部

広  重      敦

トヨタ自動車株式会社第 1 車両技術部

藤  田  春  男

ダイハツ工業株式会社実験部

吉  村  寿  文

いすゞ自動車株式会社キャブ・車体設計部

(事務局)

石  丸  尋  士

社団法人自動車技術会