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D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 記号······························································································································· 2 

5 標準大気条件 ··················································································································· 2 

6 試験二輪車の準備 ············································································································· 2 

7 乗員及び運転姿勢 ············································································································· 3 

8 測定機器及び測定精度 ······································································································· 3 

9 試験路···························································································································· 4 

10 大気条件 ······················································································································· 7 

11 試験方法及び平均車速の計算 ···························································································· 7 

12 結果の表示 ···················································································································· 8 

附属書A(参考)加速距離の決定方法 ····················································································· 10 

附属書B(規定)試験報告書 ································································································· 14 

D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人自動車技

術会(JSAE)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS D 1037:1998は改正さ

れ,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 1037:2011 

(ISO 7117:2010) 

二輪自動車−最高速度試験方法 

Motorcycles-Measurement method for determining maximum speed 

序文 

この規格は,2010年に第3版として発行されたISO 7117を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,JIS D 0101に定義されている二輪自動車(以下,二輪車という。)の,最高速度性能を評価

するための最高速度試験方法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 7117:2010,Motorcycles−Measurement method for determining maximum speed(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

ISO 6726,Mopeds and motorcycles with two wheels−Masses−Vocabulary 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,ISO 6726によるほか,次による。 

3.1 

最高速度,vmax(maximum speed) 

試験二輪車の最高の安定した速度。 

3.2 

空車質量,mk(motorcycle kerb mass) 

乾燥質量に次の質量を加えた車両の質量。 

− 燃料:製造業者が指定するタンク容量の少なくとも90 %を充塡。 

− アクセサリ類:製造業者によって供給される通常の運転に必要な標準装備品。 

例 車載工具・荷台・風防・車体保護装置ほか 

注記 乾燥質量とは,潤滑油,冷却液,ブレーキ液,バッテリー液などを製造業者の指定に従って充

塡した車両質量をいう。 

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D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

記号 

この規格で用いる記号は,表1による。 

表1−記号 

記号 

定義 

単位 

Alen 

測定区間距離測定機器精度 

Aspeed 

速度測定精度 

Atime 

時間測定機器精度 

dT 

試験中の相対大気密度 

− 

d0 

標準大気条件における相対大気密度 

− 

espeed 

速度測定誤差 

km/h 

Lst 

タイプ1,タイプ3及びタイプ5試験路における測定区間距離 

Lst1 

タイプ2及びタイプ4試験路における測定区間1の距離 

Lst2 

タイプ2及びタイプ4試験路における測定区間2の距離 

pT 

試験中の大気の全圧力 

kPa 

p0 

標準大気条件における大気の全圧力 

kPa 

TT 

試験中の大気温度 

℃ 

T0 

標準大気条件における大気温度 

℃ 

測定区間走行時間 

ti 

i番目の試験走行における測定区間走行時間 

ta 

a方向の測定区間走行時間 

tb 

b方向の測定区間走行時間 

試験二輪車の速度 

km/h 

vave 

往復方向試験の試験二輪車の平均速度 

km/h 

vi 

i番目の試験走行における試験二輪車の速度 

km/h 

vmax 

試験二輪車の最高速度 

km/h 

ρ0 

標準大気密度 

kg/m3 

標準大気条件 

標準大気条件は,次のとおりとする。 

− 標準全大気圧:p0=101.325 kPa 

− 標準周囲大気温度:T0=20 ℃ 

− 標準相対湿度:H0=65 % 

− 標準大気密度:ρ0=1.205 kg/m3 

− 標準相対大気密度:d0=0.931 9 

試験二輪車の準備 

6.1 

試験二輪車が量産車の場合には,その全ての部品及び構成品が量産仕様でなければならない。部品

及び構成品が量産仕様でない場合には,相違点の詳細を試験報告書に記載する。 

6.2 

燃料供給装置,点火装置及び可動機械部分に用いる潤滑油の粘度は,製造業者の指示に従わなけれ

ばならない。 

6.3 

油脂類は,製造業者が事前に指定したものとし,燃料は,試験二輪車に適した市販等級のものとす

る。 

6.4 

試験二輪車のエンジン及び変速機は,製造業者の指示に従って,適切にならし運転を行う。 

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6.5 

試験の前に,試験二輪車の全ての部品を通常使用の温度に安定させる。 

6.6 

試験二輪車の質量は,空車質量とする。 

6.7 

両輪間の荷重配分は,製造業者の指示に適合していなければならない。 

6.8 試験二輪車に測定器具を取り付けるときには,両輪間の荷重配分に関わる影響及び空気力学的な損

失を最小限にするよう注意する。 

6.9 

タイヤは,製造業者が指定した圧力に空気を充塡しなければならない。 

乗員及び運転姿勢 

7.1 

乗員は,体に密着した服,保護ヘルメット,ゴーグル,ブーツ及び手袋を装着しなければならない。 

7.2 

7.1に規定した状態の乗員は,合計質量75 kg±5 kg,身長1.75 m±0.05 mとする。 

7.3 

乗員は,試験二輪車の最高速度が適切に得られるような,一般的,かつ,安全な運転姿勢をとらな

ければならない。運転姿勢は,試験中のいかなる場合においても,乗員が適切に車両を制御できるもので

なければならない。試験結果に影響を与えることを防ぐために,乗員は,可能な限り一定の運転姿勢を保

持しなければならない。運転姿勢は,試験報告書に記述するか,又は写真で代用してもよい(写真は,運

転中に撮影するか,又は静止した状態で撮影してもよい。)。 

測定機器及び測定精度 

8.1 

測定機器 

試験二輪車速度及び周囲大気状態を測定する機器は,次のとおりとする。 

a) 電子式時間カウンタ又は同等の時間測定装置 

b) 光電管又は同等のセンサ 

c) 光電管間距離の測定機器 

d) 温度計 

e) 気圧計 

f) 

湿度計 

g) 風向風速計 

光電管及び電子式時間カウンタ又は同等の装置を試験二輪車の速度測定に使用しなければならない。要

求された測定区間距離の測定精度を確保するために,光電管又は同等のセンサの設置及び調整(例えば,

センサ高さ,及び光電管の光線が試験二輪車と交差する点)に十分に注意しなければならない。同等の測

定機器を用いた場合は,機器の詳細を試験報告書に記載する。 

測定機器の動作及び精度は,試験において使用する前に検査しなければならない。 

8.2 

測定精度 

8.2.1 

速度測定精度 

測定された車速の誤差は,測定区間走行時間t,測定区間距離Lst,積算された時間測定機器精度Atime,

及び測定区間距離測定機器精度Alenに影響される。 

測定区間距離は,測定区間走行時間と測定区間距離の測定機器の精度とを考慮して,車速を精度±1 %

以内で測定できるように設定する。 

測定区間距離を測定する機器(例えば,巻尺又は測量機器)の精度Alenは,試験報告書に記載しなけれ

ばならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

時間測定機器精度Atimeは,電子式時間カウンタの精度及び光電管の応答性によって決定される。時間測

定機器精度Atimeは,試験報告書に記載しなければならない。 

8.2.2 

周囲大気状態の測定精度 

周囲大気状態を測定する機器の精度は,表2による。 

表2−周囲大気状態の測定機器の精度 

項目 

測定値に対して 

分解能 

風速 

±10 % 

0.1 m/s 

風向 

− 

5 度 

周囲温度 

− 

1 ℃ 

大気圧力 

− 

0.2 kPa 

湿度 

±5 % 

1 % 

試験路 

9.1 

一般要求事項 

試験は,9.2に規定する測定区間にわたって最高速度が維持できる試験路で行う。測定区間への進入部分

は,測定区間と同一の路面及び同一の走行方向の形状をもち,試験二輪車が最高速度を保つのに十分長く

なくてはならない。 

試験路は,平たん,水平,かつ,滑らかな舗装路とする。路面は,乾燥状態であり,最高速度測定に影

響を与えるような障害物及び防風バリアがあってはならない。試験路は,減速区間を除き,走行方向に0.5 %,

横断方向に3 %以上の傾斜がなく,測定区間のいかなる二点間の高低差も,1 mを超えてはならない。し

かし,環状試験路及び円環試験路において,遠心力の影響を補うための傾斜は許容される。 

試験路の形状,寸法及び測定区間の位置は,試験報告書に記載するか,又は図示しなければならない。 

9.2 

構成 

試験路は,次の区間によって構成されるものとする。 

a) 最高速度に到達するまでの加速区間 

b) 最高速度測定区間 

c) 試験二輪車を安全に停止するための減速区間 

9.3 

使用可能な形状及び個別要求事項 

9.3.1 

直線試験路 

9.3.1.1 

タイプ1 

タイプ1試験路は,図1に示す測定区間が直線試験路上に位置しているものである。測定区間の左右の

加速区間は,測定区間において最高速度に達するのに十分長くなければならない。 

b

c

a

測定区間 

試験二輪車の走行方向,a 

試験二輪車の走行方向,b 

図1−タイプ1試験路 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9.3.1.2 

タイプ2 

タイプ2試験路は,図2に示す測定区間1,及び測定区間2が直線試験路の両端に位置しているもので

ある。2か所の測定区間の長さは,異なってもよいが,実質的に直線上に位置しなければならない。 

b

c

a1

a2

測定区間1 

測定区間2 

試験二輪車の走行方向,a 

試験二輪車の走行方向,b 

図2−タイプ2試験路 

9.3.2 

環状試験路 

9.3.2.1 

タイプ3 

タイプ3試験路は,図3に示す測定区間が環状試験路の直線部分に位置しているものである。測定区間

の左右の直線部分は,測定区間において最高速度に達するのに十分長くなければならない。 

b

c

a

測定区間 

試験二輪車の走行方向,a 

試験二輪車の走行方向,b 

図3−タイプ3試験路 

9.3.2.2 

タイプ4 

タイプ4試験路は,図4に示す測定区間1,及び測定区間2が直線部分の両端に位置するものである。2

か所の測定区間の長さは,異なってもよいが,実質的に直線上に位置しなければならない。 

測定区間の前の直線部分は,測定区間において最高速度に達するのに十分長くなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b

c

a1

a2

測定区間1 

測定区間2 

試験二輪車の走行方向,a 

試験二輪車の走行方向,b 

図4−タイプ4試験路 

9.3.3 

円環試験路 

9.3.3.1 

タイプ5 

タイプ5試験路は,測定区間が,図5に示すように一定の半径をもつ弧でなければならない。Lstは,試

験二輪車の走行軌跡に沿って測定するか,又は弦の長さから幾何学的に計算しなければならない。 

b

c

a

測定区間 

試験二輪車の走行方向,a 

試験二輪車の走行方向,b 

図5−タイプ5試験路 

9.3.3.2 

タイプ5試験路の要求事項 

円環試験路であるタイプ5試験路において最高速度を測定する場合,次の条件を満たさなければならな

い。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 円環試験路の半径は,試験二輪車が最高速度に到達するのに十分な大きさとする。 

b) 試験二輪車は,乗員が体重移動することなく,最高速度に達するラインを走行できなくてはならない。 

c) 最高速度は,一つの測定区間において測定する。 

注記 測定区間は,試験路全体の気象状態が許容値を満たす場合は,試験路全長に拡大してもよい。

この全周試験では,試験路のそれぞれの場所において気象状態が大きく異なることが予想さ

れる場合には,箇条10に規定する大気条件が測定区間全体にわたって満足していることを確

認する必要がある。 

10 大気条件 

風速及び風向は,試験中の風力を代表する位置において,連続的又は適切な周期をもって測定しなけれ

ばならない。 

大気条件は,次の限度値以内とする。 

a) 平均風速 3 m/s 

b) 突風の最大風速 5 m/s 

c) タイプ5試験路の全周試験の場合を除く一方向試験において,風速の走行方向成分1 m/s 

d) 最大相対湿度 95 % 

e) 気温5 ℃〜35 ℃ 

f) 

気圧90 kPa〜110 kPa 

試験中の相対大気密度は,標準大気条件下での大気密度から7.5 %を超えて変動してはならない。相対

空気密度dTは,式(1)で計算する。 

T

0

0

T

0

T

T

T

p

p

d

d

×

×

 ······································································· (1) 

11 試験方法及び平均車速の計算 

11.1 一般要求事項 

11.1.1 平たん路において試験二輪車の最高速度が得られる変速比を使用する。絞り弁は全開とし,混合気

の空燃比を濃くするいかなる手動装置も作動させてはならない。 

11.1.2 乗員は,7.3で定義した運転姿勢を維持しなければならない。 

11.1.3 試験二輪車は,測定区間に到達するまでに,その最高速度に達していなければならない。もし,加

速区間が試験二輪車の最高速度に到達するのに十分な距離であるか否かを確認する必要がある場合は,加

速区間距離を検証しなければならない。その検証方法の二つの例を,附属書Aに示す。 

11.1.4 最高速度測定は,11.2に規定する往復方向試験によって行わなければならない。ただし,試験場の

規則又は不可避な事由によって往復方向試験が許可されない場合は,11.3に規定する一方向試験を適用す

る。 

11.2 測定 

11.2.1 試験二輪車は,連続してa及びbの往復方向に走行し,両方向の測定区間走行時間ta及びtbを測定

する。 

11.2.2 往復方向走行の時間差|ta−tb|は,ta又はtbいずれか大きい方の5 %を超えてはならない。 

11.2.3 タイプ1,タイプ3又はタイプ5試験路の場合,往復方向走行の平均車速vaveは,式(2)によって計

算する。 

D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b

a

st

ave

2

6.3

t

t

L

v

+

×

 ·········································································· (2) 

タイプ2又はタイプ4試験路の場合,vaveは,式(3)によって計算する。 

(

)

b

a

st2

st1

ave

6.3

t

t

L

L

v

+

+

 ····································································· (3) 

計算結果は,小数点第2位を四捨五入する。 

11.2.4 タイプ1,タイプ3又はタイプ5試験路の場合,速度測定誤差espeedは,式(4)によって計算する。 

(

)

(

)

time

b

a

len

st

time

b

a

len

st

speed

2

6.3

2

6.3

A

t

t

A

L

A

t

t

A

L

e

+

+

+

+

 ············································ (4) 

タイプ2又はタイプ4試験路の場合,espeedは,式(5)によって計算する。 

(

)

(

)

time

b

len

st2

time

a

len

st1

speed

6.3

6.3

A

t

A

L

A

t

A

L

e

+

+

 ················································ (5) 

11.2.5 速度測定精度Aspeedは,式(6)によって計算し,2 %未満でなければならない。 

100

ave

speed

speed

×

v

e

A

 ······································································· (6) 

11.2.6 少なくとも3回の往復平均車速を測定する。それぞれの往復平均車速とそれらの算術平均値との差

は,算術平均値の1.5 %又は1 km/hのいずれか大きい方以内でなければならない。この範囲に入る3組の

データが得られるまで,追加試験を行うものとする。 

11.3 一方向試験 

11.3.1 一方向試験は,試験場の規則又は不可避な事由によって往復方向試験が許可されない場合にだけ適

用することができる。 

11.3.2 一方向試験では,タイプ1,タイプ3又はタイプ5試験路を使用する。 

11.3.3 試験二輪車は,測定区間を走行する時間tiを,少なくとも連続して5回測定しなければならない。 

11.3.4 それぞれの試験の車速viは式(7)によって計算し,小数点第2位を四捨五入する。 

i

i

t

L

v

st

6.3×

 ·············································································· (7) 

11.3.5 速度測定誤差espeedは,式(8)によって計算する。 

(

)

(

)

time

len

st

time

len

st

speed

6.3

6.3

A

t

A

L

A

t

A

L

e

i

i

+

+

 ················································ (8) 

11.3.6 速度測定精度Aspeedは,式(9)によって計算し,2 %未満でなければならない。 

100

speed

speed

×

iv

e

A

 ······································································· (9) 

11.3.7 少なくとも車速を5回測定する。全ての車速とそれらの算術平均値との差は,算術平均値の1.5 %

又は1 km/hのいずれか大きい方以内でなければならない。この範囲に入る五つのデータが得られるまで,

追加試験を行うものとする。 

12 結果の表示 

12.1 最高速度 

試験二輪車の最高速度vmaxは,往復平均車速vave又は連続試験による車速viの算術平均値とし,四捨五

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入して整数としなければならない。 

12.2 試験報告書 

試験報告書は,附属書Bによる。 

10 

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附属書A 

(参考) 

加速距離の決定方法 

A.1 一般 

この附属書は,試験二輪車が安定した最高速度で走行していることを保証するために,適切な加速距離

を決定するための二つの例を示す。一方は加速距離変更法であり,他方は連続速度測定法である。 

A.2 試験条件 

A.2.1 試験二輪車の準備 

試験二輪車は,箇条6に従って準備しなければならない。 

A.2.2 乗員及び運転姿勢 

乗員及び運転姿勢は,箇条7による。 

A.2.3 大気条件 

大気条件は,箇条10による。 

A.3 試験方法 

A.3.1 加速距離変更法 

A.3.1.1 一般 

この方法では,加速距離を一定の長さ増加させ,試験二輪車が最高速度に達するまで,それぞれの加速

距離における車速を測定する。 

A.3.1.2 測定機器及び精度 

箇条8に規定する測定機器を使用しなければならない。 

A.3.1.3 試験路 

試験路は,9.3.1又は9.3.2による。 

可能な限り,直線試験路を使用しなければならない。環状試験路を試験に使用する場合は,測定区間は,

試験路の直線部分の終端に位置しなければならない。また,環状試験路の円環部分は,加速及び減速だけ

に使用しなければならない。 

両方の試験路において,試験路の長さは最高速度に到達するのに十分長くなければならない。図A.1に

示す測定区間aは,直線試験路の終端又は環状試験路の直線部分の終端に位置しなければならない。測定

区間の後に試験二輪車が安全に停止することができるように,試験路の長さを設定する。 

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11 

D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

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b

a

b

a

測定区間 

試験二輪車の走行方向 

図A.1−試験路 

A.3.1.4 加速距離の増分の決定 

加速距離は,同一の長さで増加させるものとし,最小増分は,50 mとする。 

A.3.1.5 加速距離変更法の試験方法 

A.3.1.5.1 光電管及び電子式時間カウンタ又は同等の機器を測定区間に設置する。 

A.3.1.5.2 試験二輪車は,可能な限り早く加速しなければならない。 

A.3.1.5.3 測定区間距離Lstを走行する時間tを測定し,車速vを式(A.1)によって計算する。 

t

L

v

st

6.3

 ·············································································· (A.1) 

A.3.1.5.4 加速距離を増分長さだけ増加し,連続して最低3種類の加速距離において試験する。 

A.3.1.5.5 測定された車速が,直前の加速距離における車速と等しいか,又はそれより低くなった場合,

直前の測定における加速距離を必要最短加速距離として採用する。 

決定方法の例を図A.2に示す。 

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12 

D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

X 加速距離,m 
Y 車速,km/h 

必要最短加速距離,m 

図A.2−増分200 mの場合の車速と加速距離の関係例 

A.3.2 連続速度測定法 

A.3.2.1 一般 

この方法では,車速と加速距離の関係とを求めるために,試験二輪車が最高速度に達するまで車速を連

続的に測定する。 

A.3.2.2 測定機器及び精度 

車速を連続的又は十分な頻度で測定することができる機器,例えばGNSS(Global Navigation Satellite 

System:全地球航行衛星システム)又は非接触式速度計などを使用する。車速の測定許容誤差は,1 km/h

以内でなければならない。 

A.3.2.3 試験路 

試験路は,9.3.1又は9.3.2による。 

可能な限り,直線試験路を使用しなければならない。環状試験路を試験に使用する場合は,測定区間は,

試験路の直線部分の終端に位置しなければならない。また,環状試験路の円環部分は,加速及び減速だけ

に使用しなければならない。 

A.3.2.4 連続速度測定法の試験方法 

A.3.2.4.1 試験二輪車は,可能な限り早く加速しなければならない。 

A.3.2.4.2 車速を連続的に測定し,加速距離に対する関数としてプロットする(図A.3参照)。 

車速が最高値に達した時点の加速距離を,必要最短加速距離として採用する。 

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13 

D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

X 加速距離,m 
Y 車速,km/h 

必要最短加速距離,m 

図A.3−連続速度測定法の試験結果例 

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14 

D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

試験報告書 

B.1 

試験二輪車 

分類:二輪車/三輪車(適宜削除する。) 

商品名(商標名) 

型式 

エンジン型式 

サイクル:2ストローク/4ストローク(適宜削除する。) 

気筒数及び気筒配列 

排気量 

cm3 

変速機:手動/自動(適宜削除する。) 

変速数(段) 

減速比 一次 

 二次 

試験時の総走行距離 

km 

試験二輪車空車質量 

kg 

車載測定機器質量(使用した場合) 

kg 

その他,もし何らかの変更をしている場合 

B.2 

試験燃料 

試験燃料 

潤滑油の混合 有/無(適宜削除する。) 

有の場合,燃料と潤滑油との容積割合 

B.3 

速度測定装置 

電子式時間カウンタの商品名(商標名) 

電子式時間カウンタの型式 

光電管の商品名(商標名) 

光電管の型式 

その他 

同等な機器を使用した場合は,機器の詳細 

B.4 

試験路 

試験路のタイプ タイプ1,タイプ2,タイプ3,タイプ4,タイプ5(適宜削除する。) 

試験方法 往復方向試験/一方向試験(適宜削除する。) 

試験路の形状,寸法の詳細及び測定区間の位置 

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15 

D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.5 

加速距離,測定区間距離及び精度 

加速距離 

加速距離測定精度 

測定区間距離  

m  

測定区間距離測定機器精度,Alen ± 

時間測定機器精度,Atime ± 

B.6 

乗員 

乗員身長 

乗員質量 

kg 

運転姿勢の詳細又は写真 

B.7 

試験条件 

試験日 

試験場所 

天候 

大気の乾球温度 開始 

℃ 終了 

℃ 

大気の湿球温度 開始 

℃ 終了 

℃ 

湿度 開始 

% 終了 

大気圧力 開始 

kPa 終了 

kPa 

平均風速 

m/s 

突風の最大風速 

m/s 

使用変速比 

B.8 

試験結果 

一方向試験を行った場合はB.8.1を省略し,往復方向試験を行った場合はB.8.2を省略する。 

B.8.1 往復方向試験 

               時間                  速度 

1回目 a方向 

s  

km/h 

b方向 

s  

km/h 

往復平均車速 

km/h 

2回目 a方向 

s  

km/h 

b方向 

s  

km/h 

往復平均車速 

km/h 

3回目 a方向 

s  

km/h 

b方向 

s  

km/h 

往復平均車速 

km/h 

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16 

D 1037:2011 (ISO 7117:2010) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

B.8.2 一方向試験 

         時間            速度          風速の走行方向成分 

1回目  

s  

km/h  

m/s 

2回目  

s  

km/h  

m/s 

3回目  

s  

km/h  

m/s 

4回目  

s  

km/h  

m/s 

5回目  

s  

km/h  

m/s 

B 8.3 最高速度 

最高速度 

km/h 

参考文献 JIS D 0101 自動車の種類に関する用語 

注記 

対応国際規格:ISO 3833,Road vehicles−Types−Terms and definitions(MOD) 

ISO 7116,Mopeds−Measurement of maximum speed