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日本工業規格

JIS

 D

1035

-1994

二輪自動車−加速試験方法

Mopeds and motorcycles

−Method of acceleration test

1.

適用範囲  この規格は,二輪自動車(以下,自動車という。)の加速試験方法について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS P 0138

  紙加工仕上寸法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

2.

試験の種類  加速試験方法は,求める加速性能によって,次の 2 種類とする。

(1)

発進加速試験方法

(2)

追抜き加速試験方法

3.

試験条件

3.1

試験路  試験路は,次のとおりとする。

(1)

試験路は,平たん,かつ,水平な直線乾燥舗装路とし,その全長は,加速測定区間に加えて,停止す

るのに十分な長さとする。

(2)

試験路は,中央に 200m(必要に応じて 400m)の加速測定区間を設け,測定標点は,加速区間の始点

から,原則として 50m,100m 及び 200m の地点とし,必要に応じて 400m の標点も設ける。

(3)

追抜き加速試験での助走区間は,初速度を得るのに十分な長さとする。

3.2

気象条件  気象条件は,次のとおりとする。

(1)

気圧は,100±3kPa の範囲とする。

(2)

気温は,5∼30℃の範囲が望ましい。

(3)

相対湿度は,95%以下が望ましい。

(4)

測定中の平均風速は,3m/s 以下とし,瞬間最大風速は,5m/s 以下が望ましい。

3.3

試験自動車  試験自動車の条件は,次のとおりとする。

(1)

試験自動車の積載条件は,空車状態(

1

)

の自動車に 1 名乗車とする。

(

1

)

自動車が燃料,潤滑油,工具など(予備部品,その他の携帯物品を除く。

)を満載し,運行に必

要な装備をした状態。

この状態における質量を空車質量という。

(2)

試験自動車のエンジン,動力伝達装置,かじ取り装置,ブレーキ装置,タイヤ空気圧(冷間時)など

の整備は,あらかじめ行っておく。

参考  自動車製造業者による整備に関する情報は,取扱説明書,整備説明書などに示されている。

(3)

試験自動車は,試験開始前に準備運転を行って,エンジン,その他の部分を運転状態に予熱しておく。

3.4

試験器材  主な試験器材は,次のとおりとする。


2

D 1035-1994

(1)

巻尺  巻尺の目量は,0.001m とし,50m 以上を測定できるものが望ましい。

(2)

時間測定器  時間測定器は,次のいずれかを使用し,測定値の誤差を少なくするため,電子式又は電

気式時間測定器を用いることが望ましい。

(a)

電子式又は電気式時間測定器  電子式又は電気式時間測定器の目量は,0.0001 秒以下とする。

(b)

ストップウオッチ  ストップウオッチの目量は,0.01 秒以下とし,3 個以上を併用する。

(3)

乾湿温度計  乾湿温度計の正確さは,±1℃とし,通風型乾湿温度計を用いることが望ましい。

(4)

気圧計  気圧計は,フォルタン型水銀気圧計又は同等のものとし,目量は,133Pa 以下のものを用い

る。

(5)

風速計  風速計は,風速及び風向を測定できるものとする。

(6)

標識棒

(7)

手旗

3.5

運転者の身長,質量及び服装  運転者の身長,質量及び運転者の服装は次のとおりとする。

(1)

運転者の身長は,1.70±0.05m の範囲とする。

(2)

運転者の質量は,運転者及び保護具(ヘルメット,衣類など)を含み,70±5kg の範囲とする。

(3)

運転者は,身体を保護するため運転者の体に合った保護具を着用する。

3.6

運転姿勢  運転姿勢は,次のとおりとする。

(1)

両手は,ハンドルバーを握る。

(2)

両足は,運転者用のフットレスト,フットボード又はペダルに置く。

(3)

腰は,ライダシートに置く。

(4)

上体の姿勢は,腕を軽く曲げた状態とし,測定中に変化させてはならない。

4.

試験方法

4.1

一般  試験は,往復両方向で行い,その平均値を測定値とする。

4.2

発進加速試験方法  最下段の歯車を用いて,試験自動車の先端が加速測定区間の始点の 0.5m 手前の

地点から発進し,順次変速して,測定区間を加速走行する。その際,始点を通過した時から各標点までの

所要時間を測定する。

4.3

追抜き加速試験方法  追抜き加速試験方法は,次による。

(1)

原則として,最高速段の歯車を用いて加速区間の始点に達するまで,あらかじめ設定した目標初速度

±2km/h の速度で走行し,始点において速やかに加速し,測定区間を加速走行する。その際,始点を

通過した時から各標点までの所要時間を測定する。ただし,最高速段の歯車以外で測定を行う場合に

は,条件を付記する。

(2)

初速度は,30km/h とする。ただし,必要に応じ 10km/h とびで,試験自動車の追抜き加速性能を評価

するのに適当な値を設定してもよい。

(3)

初速度は,始点の直前に測定区間(電子式又は電気式時間測定器による場合には,2m 以上,ストッ

プウオッチによる場合には 50m。

)をおき,その区間を走行するのに要する時間を測定して求める。

5.

測定値及び特性値

5.1

一般  発進加速は,所要時間で表し,必要に応じて加速度を求める。追抜き加速は所要時間及び加

速度を求める。


3

D 1035-1994

5.2

所要時間  始点から各標点までの所要時間は,JIS Z 8401 によって,小数点以下 3 けた目を四捨五

入して,小数点以下 2 けたに丸める。

ストップウオッチを用いて測定した場合は,各ストップウオッチの測定値の平均値を用いる。ただし,

平均値から著しく偏った測定値があるときには,その値を除外し,残りの測定値の平均値を用いる。

5.3

所要時間の偏差  各標点までの“往”時と“復”時との所要時間の偏差率は,次の式によって算出

し,それぞれ 10%以下でなければならない。

100

2

×

+

B

A

B

A

δ

ここに,

δ

偏差率 (%)

A

“往”時の所要時間 (s)

B

“復”時の所要時間 (s)

5.4

加速度  加速度は,5.2 の測定値から,次の式を用いて算出し,JIS Z 8401 によって,有効数字 4 け

た目を四捨五入して,有効数字 3 けたに丸める。

(

)

2

2

t

vt

L

a

ここに,

a

:  加速度 (m/s

2

)

L

:  始点から各標点までの距離 (m)

t

:  始点から各標点までの所要時間 (s)

v

:  初速度の測定値 (m/s)

6.

記録方法  試験結果は,付表 1,付表 及び付表 に従って記録する。

関連規格  JIS D 0109  二輪自動車用語


4

D 1035-1994

付表 1  加速試験(発進加速)記録及び成績


5

D 1035-1994

付表 2  加速試験(追抜き加速)記録及び成績


6

D 1035-1994

付表 3  加速試験 L曲線

備考  用紙は,JIS P 0138 の A 列 4 番 1mm 方眼紙を用いる。 

社団法人自動車技術会  二輪部会  二輪走行試験方法分科会  構成表

氏名

所属

(分科会長)

岡  本      勇

スズキ株式会社二輪設計部

中  村      裕

スズキ株式会社二輪設計部

東  郷  和  英

読売江東理工専門学校

戒  能  一  成

通商産業省機械情報産業局

笹  尾  照  夫

工業技術院標準部

大  柳  武  雄

運輸省自動車交通局

波多野      忠

交通安全公害研究所交通安全部

神  谷  哲  雄

川崎重工業株式会社技術総括部

大  前  秀  行

株式会社本田技術研究所朝霞研究所

松  本  俊  広

ヤマハ発動機株式会社第 1 開発部

岡  山      巧

財団法人日本自動車研究所第 2 研究部

伊  藤  彰  康

社団法人日本自動車連盟ロードサービス部

(事務局)

宇  高  苗  子

社団法人自動車技術会