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D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

(1) 

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

2

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

2

4

  記号及び単位 

4

5

  種類

5

6

  要求事項

5

6.1

  基本的制御方針

5

6.2

  適切な目標車両

6

6.3

  機能要件 

8

6.4

  基本的運転者インタフェース及び運転者による操作介入機能 

10

6.5

  作動上の限界 

11

6.6

  制動灯の点灯 

12

6.7

  故障時の動作 

12

6.8

  他のシステムとの組合せ 

13

7

  性能評価試験方法

13

7.1

  環境条件 

13

7.2

  試験標的規定 

14

7.3

  検知領域試験 

14

7.4

  目標車両識別試験

15

7.5

  自動減速試験 

16

7.6

  自動目標再探索能力試験(タイプ システム) 

17

7.7

  曲線道路対応能力試験 

18

附属書 A(規定)技術情報

22


D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人自動車技術会(JSAE)及び財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 D

0806

:2011

(ISO 22178

:2009

)

高度道路交通システム−低車速追従(LSF)

システム−性能要求事項及び試験手順

Intelligent transport systems-Low speed following (LSF) systems-

Performance requirements and test procedures

序文 

この規格は,2009 年に第 1 版として発行された ISO 22178 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

低車速追従システム(以下,LSF システムという。

)の主な機能は,次の記載の情報を使用して車両の走

行速度を前方車両に適応するよう制御するものである(

図 参照)。

a)

前方車両までの車間距離

b)

当該車両(LSF システム装着車)の動き

c)

運転者の指示

これらの取得した情報を基に,制御装置(

図 の LSF システム制御方針)は作動装置に指令を送り,縦

方向制御を行う。また,制御装置は運転者に状態表示を行う。

図 1LSF システムの機能要素 

LSF システムの最終目的は,運転者の運転負荷の軽減のために,縦方向車両制御の部分的自動化を行う

ことである。


2

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

この規格を,LSF システムに関するより詳細な規格,例えば,特定の車両検知及び距離センサに関する

規定,又は更により高度な機能に関する規定を作成するときのシステムレベルの規格として用いることが

できる。車両検知,距離センサなどの特定の機能及び性能要件,又は相互協調による機能実現のための通

信リンクのような特定要求事項の問題は,ここでは考慮しない。

適用範囲 

この規格は,LSF システムに関する,基本的制御方針,機能要件に対する最低要求事項,基本的な運転

者インタフェース,故障診断及び故障時の動作に関する最低要求事項並びに性能試験手順について規定す

る。

LSF システムは,基本的に歩行者,自転車などの車の交通の流れと異なる対象物がいない道路の渋滞走

行で,目標車両との追従車間を適切に保つための比較的長い時間にわたるアクセル及びブレーキペダルの

繰り返し操作の負担を軽減することを目的としている。LSF システムは,運転者とのインタフェース機構

及び速度調整機構を用いて,低車速での自動追従機能を提供する。LSF システムは,通常,定速走行制御

を提供しない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 22178:2009

,Intelligent transport systems−Low speed following (LSF) systems−Performance

requirements and test procedures(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。これらの引用規

格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

注記  この規格の対応国際規格では,引用されている規格が参考文献として記載されていたが,この

規格では引用規格に記載した。

JIS D 0032

  自動車−操作,計量及び警報装置の識別記号

注記  対応国際規格:ISO 2575,Road vehicles−Symbols for controls, indicators and tell-tales(MOD)

JIS D 0801

  自動車−アダプティブ・クルーズコントロール・システム−性能要求事項及び試験手順

注記  対応国際規格:ISO 15622,Transport information and control systems−Adaptive Cruise Control

Systems−Performance requirements and test procedures(IDT)

JIS D 0802

  自動車−前方車両衝突警報装置−性能要求事項及び試験手順

注記  対応国際規格:ISO 15623,Transport information and control systems−Forward vehicle collision

warning systems−Performance requirements and test procedures(MOD)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

車間距離(clearance)

前方車両の後端面から当該車両の先端面までの距離。


3

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

3.2 

渋滞走行(congested traffic)

低車速で前方車両との車間距離を調整しながら,発進,追従及び停止を繰り返す交通状態。

3.3 

カットアウト(cutting out)

目標車両が車線変更などで当該車両の前からいなくなる状況。

3.4 

前方車両(forward vehicle)

当該車両と同一道路の前方に位置し,同一方向に走行している車両。

3.5 

発進操作(go operation)

LSF 停止保持状態から当該車両を発進させる意志をシステムに伝える運転者の行動。

例  アクセルペダル及びスイッチの操作。

3.6 

低車速追従(LSF)(low speed following)

渋滞走行などの低車速域で,エンジン及び/又はパワートレイン並びにブレーキの制御によって,当該

車両の前方車両に対する適切な距離での追従走行を可能にする機能。

3.7 

LSF

追従状態(LSF following state)

システムが,目標車両との車間距離を,選択された車間時間になるように制御している状態。

3.8 

LSF

停止保持状態(LSF hold state)

システムが,当該車両を停止状態に保つように制御している状態。

3.9 

LSF

目標再探索状態(LSF retargeting state)

一時的に目標車両を見失い,次の目標車両を探している状態。

3.10 

最高作動速度(maximum operational speed)

システムが,追従中に制御することができる最高速度。

3.11 

最低作動速度(minimum operational speed)

システムが,追従中に制御することができる最低速度。

3.12 

低速移動車両(slow moving object)

当該車両の前方にあって,当該車両の進行方向に,1.0 m/s 又は当該車両速度の 10 %の大きい方より低

い速度で移動している車両。

3.13 

停止車両(stationary object)

当該車両の前方にあって,停止している車両。


4

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

3.14 

定常状態(steady state)

パラメータの値が,時間,距離などについて変化がない状態。

3.15 

当該車両(subject vehicle)

LSF システムを備えた,この規格における基準車両。

3.16 

目標車両(target vehicle)

当該車両が追従する車両。

3.17 

車間時間(time gap)

車両速度 及び車間距離 を用い,を で除して算出される値(

図 参照)。

c:車間距離(m) 
v:車両速度(m/s) 
注記  τ  は,c/となる。

図 2−車間時間関係図 

記号及び単位 

記号及び単位は,次による。

CTT

赤外線反射器の試験標的の反射係数(m

2

/sr)

c

車間距離,2 台の車両間の距離(m)

c

min

停止保持状態を含む全ての速度域における定常状態での最小車間距離(m)

c

min

(v)

速度 の定常状態での最小車間距離(m)

d

A

光源から照射面 までの距離(m)

d

max

直線道路における最大検知距離(m)

d

target_limit

これより以遠ではシステムが目標車両とみなさない距離(m)

d

0

ここより手前は目標車両の検知を必要としない距離(m)

d

1

ここより手前は距離測定及び/又は相対速度の決定を必要としない距離(m)

l

コーナキューブ反射器の短辺の長さ(m)

R

円の半径,曲線半径(m)

RCS

レーダ反射断面積(m

2

R

min

最小曲線半径(m)

v

当該車両の対地速度(m/s)

v

circle_start

曲線半径 のカーブに進入するときの車両速度(m/s)

v

max

最高作動速度(m/s)


5

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

v

min

最低作動速度(m/s)

v

vehicle _end

試験終了時の車両速度(m/s)

v

vehicle_start

試験開始時の車両速度(m/s)

A

照射部の有効面積(m

2

A

t

照射面積(m

2

E

t

放射照度(W/m

2

I

放射強度(W/sr)

I

ref

所定方向における放射強度(W/sr)

λ

波長(m) 

τ

車間時間(s)

τ

max

選択可能な最大車間時間(s)

τ

max

(v)

速度 における定常状態での最大車間時間(s)

τ

min

選択可能な最小車間時間(s)

τ

min

(v)

速度 における定常状態での最小車間時間(s)

Φ

放射束(W)

Φ

ref

反射器からの放射束(W)

Φ

t

入射した放射束(W)

Ω

立体角(sr)

Ω

0

光源の立体角(sr)

種類 

LSF システムの種類は,次のとおりとする。

タイプ 1 システム:運転者がシステムを作動したときに認識した目標車両にだけ追従走行を行う。

タイプ 2 システム:運転者がシステムを作動したときに認識した目標車両に追従走行を開始し,その後

目標車両がいなくなると,システムが作動休止となるまで自動的に次の目標車両の

再探索を行う。

要求事項 

6.1 

基本的制御方針 

LSF システムは,少なくとも,図 の追従制御及び状態遷移を提供する。LSF システムの基本的動作を,

次に示す。

a) LSF

追従状態において,目標車両に対する車間距離を維持するため,自動的に速度が制御される(6.3.2

参照)

b)

(タイプ 2 システム)LSF 追従状態において,新しい目標車両が自動的に変更される(6.3.3 参照)

c)

(タイプ 2 システム)LSF 目標再探索状態において,当該車両は加速しない(6.3.3 参照)

d)

当該車両が停止した後,システムは LSF 停止保持状態又は待機状態に移行する(6.3.5 参照)

e) LSF

停止保持状態において,当該車両の停止状態を保つため,ブレーキ制御が行われる(6.3.4 参照)


6

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

      は,システムの状態を示す。 

a)

  遷移は,自己診断の後で手動操作又は自動で行われる。

b)

  遷移は,LSF システムの起動/停止スイッチの手動操作によって行われる。故障検出時は,自動的に LSF 停止

してもよい。

c)

  運転者によるシステムを作動休止させる操作,又は 6.3.5 に規定した条件。

d)

  任意選択(option)。

e)

  目標車両が存在し,運転者が発進操作を行った場合に遷移する。

図 3LSF システムの状態遷移 

6.2 

適切な目標車両 

6.2.1 

一般 

LSF システムは,次の 6.2.2 から 6.2.4 までの条件に適合する前方車両を目標車両として適用しなければ

ならない。

6.2.2 

目標検知 

LSF システムは,移動車両を検知しなければならない。

LSF システムは,追従していた車両が停止しても目標車両としなければならない。

a)

  タイプ1システム 

LSF起動

a)

F

b)

LSF待機

LSF停止

LSF停止

b)

LSF追従

LSF停止保持

d)

発進操作

e)

LSF作動

作動開始

作動休止

c)

LSF起動

a)

LSF待機

LSF停止

LSF停止

b)

LSF追従

LSF停止保持

d)

発進操作

e)

LSF作動

LSF目標再探索

目標車両消失

目標車両検知

作動開始

作動休止

c)

b)

  タイプ2システム 

目標車両検知

LSF停止

b)

LSF停止

b)

LSF停止

b)

LSF停止

b)


7

D 0806

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検知したとき既に停止又は低速移動している車両を目標車両とするように LSF システムを設計してもよ

い。停止又は低速移動する目標車両に対応するよう設計しない場合,少なくとも車両の取扱説明書に記載

して,運転者に知らせなければならない。

6.2.3 

直線道路における検知範囲 

1  当該車両 
2  前方車両 
a  検知不要領域 
b  車両の検知が要求される領域 
c  距離の決定が要求される領域

図 4−検知領域 

前方車両が d

1

と d

max

との間に存在するときは,LSF システムは前方車両と当該車両との間の車間距離を

測定しなければならない(

図 参照)。この範囲内では,当該車両は少なくとも当該車両の横幅の範囲内

にある前方車両を検知しなければならない。

d

max

τ

max

(v

max

v

max

前方車両が d

0

と d

1

との間にあるときは,LSF システムは車両の存在を検知しなければならない。しかし

前方車両までの距離を測定したり,前方車両と当該車両との相対速度を測定する必要はない。この範囲内

で前方車両を検知したとき,距離が測定できなければ,システムは自動加速を禁止しなければならない。

d

1

c

min

(v

min

)

前方車両が d

0

未満の距離に存在するときは,LSF システムは車両の存在を検知する必要はない。

d

0

:2 m

6.2.4 

目標車両識別 

2 台以上の前方車両が,直線道路上にあるとき[試験手順に記述されているような典型的な LSF の使用

場面(7.4 参照)

,LSF システムは,当該車両の進路上の最も近い前方車両(

図 参照)を選択しなければ

ならない。


8

D 0806

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1  当該車両 
2  当該車両の進路上の前方車両 
3  隣接車線の前方車両

図 5−目標車両識別 

前方車両が d

target_limit

よりも遠方に存在するときは,LSF システムは目標車両としてはならない(

図 

照)

d

target_limit

=MAX {[τ

max

(vv×3], 36}

注記  MAX (a, b)  は,a 及び b の最大値を選択することを意味する。

1  当該車両 
2  前方車両 
a  前方車両を目標車両としてもよい領域 
b  前方車両を目標車両としてはならない領域

図 6−目標車両の範囲 

6.3 

機能要件 

6.3.1 

作動開始条件 

作動状態に遷移する場合は,次の条件を全て満たさなければならない。

a)

運転者の作動開始操作がある。

b)

当該車両の速度がシステムの最高作動速度以下である。

c)

当該車両が既に目標車両を検知している。

d)

作動休止条件が成立していない。

e)

システムが故障検知していない。

当該車両が停止している状態では,運転者がたとえブレーキペダルを踏んでいる状態でも,停止保持能


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D 0806

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力をもつ LSF システムは LSF 停止保持状態へ遷移できる。

6.3.2 

追従能力 

LSF 追従状態において,当該車両速度は,最低作動速度 v

min

から最大作動速度 v

max

までの速度範囲で目

標車両との車間距離を維持するように自動的に制御されなければならない。

LSF システムは,停止しようとしている既に追従中の目標車両に,最低作動速度 v

min

まで,制限された

減速能力の範囲で減速しなければならない。

定常状態において,LSF システムは 6.3.2.1 で規定した最小車間距離に適合しなければならない。

過渡状態において,車間距離は一時的に目標車間距離未満に接近しても差し支えない。そのような状況

が発生した場合は,システムは車間距離が目標車間距離に戻るように調整しなければならない。

6.3.2.1 

車間距離維持能力 

τ

min

は,全ての速度 に対する定常状態での追従中に選択可能な最小車間時間とする。τ

min

(v)は τ

min

以上

とし,ここで τ

min

は 1.0 秒とする。

c

min

は,全ての速度 に対する定常状態で追従中の最小車間距離とする。c

min

(v)は c

min

以上とし,ここで

c

min

は 2.0 m とする。

定常状態において,車間距離は,c

min

又は(τ

min

×v)のいずれか大きい値より小さくならないようにしな

ければならない。

6.3.2.2 

曲線道路対応能力 

LSF システムは,曲線半径 R

min

=125 m 以上の道路において,最大車間時間 τ

max

で定常状態の追従走行

ができなければならない。

6.3.3 

自動目標再探索能力(タイプ システム) 

タイプ 2 システムは,少なくとも次のような場面で,新しい目標車両を検出して切り替える自動目標再

探索能力をもたなければならない。

a)

他車両の割込み

b)

目標車両のカットアウト

LSF 目標再探索状態では,車両速度を制御してもよい。

LSF 目標再探索状態では,加速してはならない。

LSF 目標再探索状態は,新しい目標車両へ切り替えた時点で,LSF 追従状態に遷移しなければならない。

6.3.4 

停止保持能力[任意選択(option)] 

v

min

=0 と設計された LSF システムは,停止保持能力を備えてもよい。

停止保持能力をもつ LSF システムは,当該車両が停止した後,自動的に LSF 停止保持状態に遷移しなけ

ればならない。

停止保持状態から追従状態への遷移は,運転者の発進操作によって許可され,当該車両が既に目標車両

を検出している場合にだけ実施される。

6.3.5 

作動休止条件 

作動休止に関する条件は,次による。

a) LSF

追従状態及び LSF 目標再探索状態において,少なくとも,運転者によって発生されたブレーキ力

要求が,LSF システムが発生したブレーキ力より大きいときは,運転者によるブレーキ操作によって

LSF 機能は作動を休止しなければならない。

b) LSF

追従状態及び LSF 目標再探索状態において,当該車両の速度が v

max

を超えたときは,システムを

作動休止しなければならない。


10

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

c) LSF

追従状態及び LSF 目標再探索状態において,当該車両の速度が v

min

以下に低下したときは,停止

保持能力のないシステムは作動休止しなければならない。v

min

=0 の場合,当該車両が停止してから 3

秒間以内にシステムは作動休止しなければならない。

d) LSF

追従状態において,割込み若しくはカットアウトが発生したとき,又は目標車両が存在しないと

きには,タイプ 1 システムは作動休止しなければならない。

e)

目標車両が d

0

より近くになり検出されなくなった場合,タイプ 1 システム及びタイプ 2 システムは自

動加速を禁止しなければならないが,ブレーキ制御は継続してもよい。

f) LSF

目標再探索状態において,この状態の継続時間が τ

max

を超えた場合か,又は目標車両を見失った

位置に当該車両が到達した場合のいずれかで,タイプ 2 システムは作動休止しなければならない。

注記  τ

max

は選択可能な最大車間時間であるが,ここでは運転者が目標再探索を期待すると想定さ

れる最大の時間である。

g) LSF

停止保持状態において,運転者のブレーキ操作は必ずしも LSF システムを作動休止させなくても

よい。

h) LSF

停止保持状態において,システムが自動的に作動休止する場合,その条件は車両の取扱説明書に

明記されるとともに,作動休止時には,運転者に告知しなければならない。

6.4 

基本的運転者インタフェース及び運転者による操作介入機能 

6.4.1 

一般 

このシステムは,6.4.2 に規定した制御及び運転者による操作介入機能をもたなければならない。

6.4.2 

作動要素及び装置の動作 

6.4.2.1

  LSF システムは,たとえ LSF システムが自動的にブレーキをかけているときであっても,運転者

のブレーキペダルによる介入に対して,一時的なブレーキ力の大幅な減少があってはならない。

6.4.2.2

  運転者からか又は LSF システムからか,

いずれか大きいほうの出力要求でエンジンの出力操作

(例

えば,スロットル操作)を行う。これは常に運転者にエンジン出力制御の優先権を保証するものである。

運転者からのエンジン出力要求が LSF システムからの要求より大きい場合は,直ちにブレーキ力を開放

して,自動ブレーキを解除しなければならない。アクセルペダルによる運転者の介入は,その運転者の入

力に対する反応に著しい遅延を生じてはならない。

6.4.2.3

  ブレーキの自動作動で,アンチロック装置(ABS)が許容するよりも長い時間車輪をロックさせ

てはならない。これは,ABS システムの装備を要求しているわけではない。

6.4.2.4

  LSF システムによる自動出力制御は,トラクション制御が許容するより長時間の過大なタイヤス

リップを生じさせてはならない。これは,トラクション制御の装備を要求しているわけではない。

6.4.2.5

  LSF システムは運転環境(悪天候など)に対応するため,運転者が行う操作なしに自動的に車間

距離を調節してもよい。しかし,その調節した車間距離は,運転者が選定した最小車間距離以下になって

はならない。

6.4.2.6

  LSF システムで,運転者が希望する車間距離又は車間時間を選択できる場合は,選択方法は次の

いずれかに従う。

a) LSF

停止状態になった後,最後に選択された車間距離又は車間時間を保持している場合は,少なくと

も LSF システムが作動を開始すると同時に,その車間距離又は車間時間を明確に運転者に表示しなけ

ればならない。

b) LSF

停止状態になった後,最後に選択された車間距離又は車間時間を保持していないときは,あらか

じめ決められた値にセットしなければならない。


11

D 0806

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6.4.3 

表示要素 

6.4.3.1

  待機状態において,LSF システムが待機状態から作動開始できることを意味する“作動可能”の

表示を行うよう推奨する。

6.4.3.2

  作動状態において,タイプ 2 システムは目標車両検知有無を表す視覚的表示を行わなければなら

ない。

6.4.3.3

  作動状態において,LSF システムは作動状態を表す視覚的表示を行わなければならない。

6.4.3.4

  故障のために LSF システムが停止又は使用できないときは,運転者に告知しなければならない。

6.4.4 

表示記号 

LSF システムの機能及び/又は故障を表示するために記号を用いる場合には,JIS D 0032 に規定する記

号を用いなければならない。

6.5 

作動上の限界 

LSF システムの作動は,v

max

が 13.9 m/s 以下で v

min

が 1.39 m/s を超えない範囲において行われなければな

らない。

LSF システムが自動的に作動休止した場合は,急激なブレーキ解除をしてはならない。

LSF システムの自動減速度は,図 のように,車両が 20 m/s を超えて走行している場合は 3.5 m/s

2

(2

秒間の平均値)を超えてはならないものとし,5 m/s 未満で走行している場合には 5 m/s

2

(2 秒間の平均値)

を超えてはならない。ただし,速度範囲 0 m/s∼13.9 m/s が,LSF システムに適用される。

X  当該車両速度(m/s) 
Y  最大減速度(m/s

2

図 7−最大減速度 

LSF システムの自動減速度の変化の平均値(減速度変化率)は,図 のように,車両が 20 m/s を超えて

走行している場合は 2.5 m/s

3

(1 秒間の平均値)を超えてはならないものとし,5 m/s 未満で走行している

場合には 5 m/s

3

(1 秒間の平均値)を超えてはならない。ただし,速度範囲 0 m/s∼13.9 m/s が,LSF シス

テムに適用される。


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D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

X  当該車両速度(m/s) 
Y  減速度変化率(m/s

3

図 8−減速度変化率 

LSF システムの自動加速度は,図 のように,車両が 20 m/s を超えて走行している場合は 2 m/s

2

(2 秒

間の平均値)を超えてはならないものとし,5 m/s 未満で走行している場合には 4 m/s

2

(2 秒間の平均値)

を超えてはならない。ただし,速度範囲 0 m/s∼13.9 m/s が,LSF システムに適用される。

X  当該車両速度(m/s) 
Y  自動加速度(m/s

2

図 9−自動加速度 

6.6 

制動灯の点灯 

LSF システムが自動的に主ブレーキを作動させた場合は,主ブレーキをかけ始めてから 350 ms 以内に制

動灯が点灯しなければならない。LSF システムが他の減速装置を作動させた場合には,制動灯を点灯させ

てもよい。煩わしい制動灯の点滅を避けるため,LSF システムが作動させたブレーキの終了後,制動灯は

適切な時間,点灯を維持してもよい。

6.7 

故障時の動作 

故障時の動作を,次に示す。サブシステムが故障した場合の必要な動作は,

表 による。


13

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

a)

表 に記載した故障は,直ちに運転者に告知されなければならない。告知はシステムが遮断されるま

で作動状態を維持しなければならない。

b) LSF

システムの復帰は,イグニションのオン・オフ,LSF システムの起動・停止などによって実行さ

れる自己診断が問題なく完了するまで禁止されなければならない。

表 1LSF システムの故障時の動作 

LSF

システム作動中に故障を発生 

サブシステムの故障箇所 

ブレーキ制御 

エンジン制御 

1

エンジン

少なくとも,現在のブレーキ制御を維持
することが望ましい。

LSF エンジン制御を停止する。

2

ブレーキシステム

a)

 LSF ブレーキ制御を停止する。ただし,

ブレーキ作動中にブレーキシステムが完

全に故障していない場合は,現在のブレ
ーキ制御を最後まで実行した後に,シス
テムを完全に停止してもよい。

LSF エンジン制御を停止する。

3

車 両検 知及 び距 離セ
ンサ

直前の有効なブレーキ指示を起点とした
制御を始動させることが望ましい。ただ

し,この制御においては,急激にブレー
キを解除してはいけない。運転者がブレ
ーキペダル若しくはアクセルペダル又は
LSF 停止スイッチによって介入した場合
は,直ちにシステムは停止しなければな
らない。

LSF エンジン制御を停止する。

4 LSF 制御装置 LSF ブレーキ制御を停止する。 LSF エンジン制御を停止する。 

a)

  変速機の制御に機能障害が発生した場合は,ブレーキで減速してもよい。

6.8 

他のシステムとの組合せ 

LSF システムは,他の縦方向運転支援システムと併設するときには,次の条件を満たさなければならな

い。

a) FVCWS

JIS D 0802)のように車両制御を行わないシステムとの組合せは,許容される。

b)

タイプ 1 システムが,ACC(JIS D 0801)のような通常の運転条件において加減速を支援するシステ

ムと組み合わせて装着される場合,LSF システム作動状態と他のシステムの作動状態(又は同等の状

態)との間の遷移は,運転者の手動操作によってだけ許可される。

c)

タイプ 2 システムが,ACC のような通常の運転条件において加減速を支援するシステムと組み合わせ

て装着される場合,どちらのシステムが有効となっているか運転者に告知しなければならない。

d)

緊急時の衝突回避制御又は衝突軽減を行うシステムと組み合わせる場合,LSF システムはこれらシス

テムの緊急時の動作を妨げてはならない。

性能評価試験方法 

7.1 

環境条件 

試験の環境条件は,次による。

a)

試験場は平たんで,乾燥した,汚れのないアスファルト又はコンクリート舗装面とする。

b)

外気温度の範囲は,−20  ℃∼40  ℃とする。

c)

水平視程は,1 km 以上とする。


14

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

7.2 

試験標的規定 

7.2.1 

一般 

試験標的は,現在用いられている技術を対象として規定した。その他の技術を用いる場合,それに対応

する試験標的が使用される。

7.2.2 

赤外線レーザレーダ(LIDAR 

赤外線試験標的は,試験標的の反射係数(CTT)及び投影面積を規定する(A.1 参照)

試験標的の最小投影面積は,20 cm

2

とする。

試験標的は,CTT が(1±0.1)m

2

/sr の拡散反射器とする。

7.2.3 

ミリ波レーダ(RADAR 

レーダ試験標的は,レーダ反射断面積(RCS)を規定する(A.2 参照)

20 GHz から 95 GHz までの周波数に対し,試験標的の RCS は 3 m

2

とする。

大幅に異なる周波数帯については,別途 RCS を検討して決定する。

7.3 

検知領域試験 

7.3.1 

一般 

6.2.3

の試験は,次による。

7.3.2 

d

0

d

1

及び d

max

の試験条件 

車両基準平面は,地上 0.2 m から上で,0.9 m の高さと当該車両幅をもつ長方形に相当する。検知範囲は,

車両の色々な反射場所を考慮する。また,この検知範囲は乗用車の最低高さによって制限される。車両基

準平面は,d

1

及び d

max

で縦に三つの領域に分割され,それぞれ幅 0.5 m の L 及び R の領域を設ける。試験

においては,d

1

及び d

max

に置いた車両基準平面内にある規定の試験標的を各領域(L,C,R)内の少なく

とも 1 か所で検知できなければならない。d

0

だけは,全基準平面内の 1 点を検知すればよい(

図 10 参照)。

試験に当たっての注意を,次に示す。

a)  d

0

d

1

及び d

max

の位置において,基準反射器は,7.2 に規定された試験標的を使用する。

b)

試験は,当該車両と試験標的とが移動している状態で実施することが望ましいが,両者が停止してい

る状態の試験を選択肢として採用してもよい。

最大所要検知時間は,試験標的の出現後 2 秒間を超えないほうがよい。


15

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

単位  m

a  当該車両の幅 
b  車両基準平面

図 10−縦方向検知領域 

7.4 

目標車両識別試験 

7.4.1 

一般 

6.2.4

の試験は,次による。

7.4.2 

初期条件 

同じ形の前方車両を,2 台並んで速度 v

vehicle_start

で走行させる。2 台の前方車両は車幅 1.4 m∼2.0 m とし,

両車両の縦方向中心線間隔は,3.5 m±0.25 m とする。

当該車両は,前方車両(2 台)のうち 1 台の後方を,定常状態で追従させる。当該車両が追従している

前方車両を目標車両と呼称する。車間時間は,τ

max

  (v

vehicle_start

)  とする。当該車両の縦方向中心線の,目標

車両の縦方向中心線に対する横方向のずれは,0.5 m 以下とする(

図 11 参照)。

単位  m

1  当該車両 
2  当該車両の進路にある前方車両 
3  隣接レーンにある前方車両 
a  車両速度:v

vehicle_start

図 11−識別試験開始条件 


16

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

7.4.3 

試験手順 

目標車両は,速度を v

vehicle_start

から v

vehicle_end

まで加速し,LSF 制御を実行している当該車両も,これに追

従する。当該車両が,隣接レーンを v

vehicle_start

で走行する前方車両の横を追い抜けば,試験は完了し成功と

する(

図 12 参照)。

v

vehicle_end

v

max

v

vehicle_start

v

vehicle_end

−3

1  当該車両 
2  目標車両 
3  隣接レーンにある前方車両 
a  目標車両の速度:v

vehicle_end

b  隣接レーンの前方車両の速度:v

vehicle_start

図 12−識別試験終了条件 

7.5 

自動減速試験 

7.5.1 

一般 

6.3.2

の試験は,次による。

7.5.2 

初期条件 

前方車両は,速度 v

max

(誤差範囲:−10 %∼0 %)で走行する(

図 13 参照)。

前方車両の車幅は,1.4 m∼2.0 m とする。

当該車両は,前方車両の後方を,定常状態で追従する。

車間時間は,τ

min

(v

max

)  とする。

1  当該車両 
2  前方車両

図 13−自動減速試験開始条件 


17

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

7.5.3 

試験手順 

目標車両は,減速度 2.5 m/s

2

(誤差範囲:−0.5 m/s

2

∼0 m/s

2

)で停止するまで減速する。

LSF 制御をしている当該車両が,目標車両の後方で v

min

まで減速すれば,試験は完了し成功とする(

14

参照)

1  当該車両 
2  目標車両

図 14−自動減速試験終了条件 

7.6 

自動目標再探索能力試験(タイプ システム) 

7.6.1 

一般 

6.3.3

の試験は,次による。

7.6.2 

初期条件 

前方車両は,速度 v

max

(誤差範囲:−10 %∼0 %)で走行する。

前方車両の車幅は,1.4 m∼2.0 m とする。

当該車両は,定常状態で目標車両に追従する。

車間時間は,τ

min

(v

max

)とする。

当該車両の縦方向中心線の,目標車両の縦方向中心線に対する横方向のずれは,0.5 m 以下とする(

15

参照)

単位  m

1  当該車両 
2  目標車両

図 15−自動目標再探索能力試験開始条件 

7.6.3 

試験手順 

低速走行車両は,速度 1.4 m/s∼2.8 m/s で走行する。


18

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

目標車両が低速走行車両を検出したとき,車線を変更する(

図 16 参照)。

目標車両の車線変更タイミングは,

目標車両と低速走行車両との車間時間が 3 秒になったとき

1)

  とする。

1)

  v

max

(誤差範囲:−10 %∼0 %)に 3 秒を乗じて得た距離と同じ。

当該車両の縦方向中心線の,低速走行車両の縦方向中心線に対する横方向のずれは,0.5 m 以下とする。

LSF 制御をしている当該車両が,低速走行車両の後方を適切な車間距離を保って追従走行すれば,試験

は完了し成功とする(

図 17 参照)。

1  当該車両 
2  目標車両 
3  低速走行車両

図 16−自動目標再探索能力試験車線変更条件 

1  当該車両 
2  低速走行車両

図 17−自動目標再探索能力試験終了条件 

7.7 

曲線道路対応能力試験 

7.7.1 

一般 

この試験方法は,LSF システムのセンサの視野と進路の予測方法とを考慮して決めることが望ましい。

進路の予測方法又は前方検知手段が異なる場合は,異なる運転手順が必要となる。

7.7.2 

試験場 

試験路は一定半径の円形路か,又は十分な長さの一定曲率半径の曲線部分をもつ走路の区間とする。試

験路の半径(R

min

)は,125 m の 80 %∼100 %であることが望ましい。走路の走行方向は,時計回り及び反

時計回りの両方向とする。車線表示及びガードレールに関して,特段の制限は設けない(

図 18 参照)。


19

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

単位  m

図 18−試験路の概略 

7.7.3 

曲線道路対応能力試験用目標車両 

目標車両には 7.2 で規定した試験標的を地上 0.5 m∼0.7 m の高さで,後端中央に取り付ける。残りの車

両露出面は,試験標的以外の後部表面が 0.6 m

2

以下の RCS になるか,又は試験標的の 20 %以下の反射率

になるように覆う。

7.7.4 

運転手順 

当該車両を,目標車両と同一の進路(両車両の中心線の横方向のずれ 0.5 m 以内)を定常状態で追従さ

せる。試験の開始に先立ち,2 台の車両の関係は,

図 15 に適合させなければならない。試験の詳細は,表

2

及び

表 3,並びに図 19 に示す。

開始時の目標車両の速度 v

circle_start

は,v

max

(誤差範囲:−10 %∼0 %)とする。

適切なときに目標車両を減速させ,当該車両の反応を観察する。目標車両との距離が減少し,車間時間

が τ

max

の 2/3 未満になる前に,当該車両は減速を開始しなければならない(

図 20 参照)。

表 2−曲線道路対応能力試験のための条件−目標車両 

条件 

試験前準備 

試験開始条件 

第 試験動作 

第 試験動作 

速度

v

circle

_

start

=一定

3.5 m/s±0.5 m/s 減速

する。

v

circle

_

start

−(3.5±1) m/s

=一定

時間 10 秒間以上

開始待ち時間

0 秒

2 秒

曲線半径

7.7.2

で規定した 

上。変化してもよい。

は一定(7.7.2 参照)


20

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

表 3−曲線道路対応能力試験のための条件−当該車両 

条件 

試験前準備 

試験開始条件 

第 試験動作 

第 試験動作 

速度 LSF システムで制御される。

加速度

≦0.5 m/s

2

減速度を観察する。

曲線半径

7.7.2

で規定した 

上。変化してもよい。

は一定(7.7.2 参照)

目標車両まで

の車間時間

τ

max

 (v

circle

_

start

)±25 %

LSF システムで制御される。

車間時間を観察する。

1  試験開始 
2  試験終了 
当該車両が一定の曲線半径 の走路に入り,他の試験開始条件を満たしたとき試験を開始する。

当該車両が減速し試験が成功したとき,又は車間時間が τ

max

の 2/3 未満となったとき試験を終了する。

a)

  曲線半径 は一定

図 19−試験路のレイアウト例 


21

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

t

試験時間

Y1  当該車両の速度 
Y2  目標車両の速度 
a

試験準備

b

第 1 試験動作

c

第 2 試験動作

d

試験開始

e

成功

f

失敗

g

目標車両の速度:v

circle_start

h

目標車両の速度:v

circle_start

−3.5 m/s

図 20−曲線道路対応能力試験のタイミング 


22

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

附属書 A

(規定) 
技術情報

A.1

  レーザレーダ用の試験標的の係数 

A.1.1

  立体角,

Ω

立体角

Ω

は,球面の半径の二乗に対する照射部分の面積の比である(

図 A.1 参照)。

0

2

d

A

A

×

=

ここに,

Ω

立体角(sr)

A: 照射部分の有効面積(m

2

d

A

光源から照射面 までの距離(m)

Ω

0

光源の立体角(1sr)

図 A.1−立体角 

A.1.2

  放射強度,I 

放射強度 は,立体角

Ω

に対する放射源の放射束

Φ

の比である。

1

ref

ref

dΩ

I

=

ここに,

I

ref

受光器面の正面で測定した,反射器から反射した所定方
向の放射強度(W/sr)

Φ

ref

反射器からの放射束(W)

Ω

1

照射立体角(sr)

A.1.3

  放射照度,E

t

放射照度

E

t

は,照射面の面積に対する入射した放射束との比で,照射面での密度である。

t

t

t

dA

E

=

ここに,

E

t

放射照度(W/m

2

Φ

t

入射した放射束(W)

A

t

照射面積(m

2

A.1.4

  試験標的の反射係数,CTT 

試験標的は,後部反射器のない汚れた車両の反射率を模擬した反射器の係数で規定する。


23

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

t

ref

CTT

E

I

=

ここに,

 CTT

試験標的の反射係数(

m

2

/sr

I

ref

受光器面の正面で測定した,反射器から反射した所定方
向の放射強度(

W/sr

E

t

放射体からの放射照度(

W/m

2

規定された

CTT

の反射器は,

8

×

10

3

 sr

以上の反射の広がり角をもたなければならない(

図 A.2 参照)。

1  受光器 
2  反射器

図 A.2−受光器の概要 

CTT

は,単に反射器の性能(減衰)を示す。試験方法としては,コーナ反射器(

図 A.3 参照)(表面を

“点”に縮小する。

)で十分である。反射器表面の全反射率が規定値を超えないときは,より大きな投影面

積の反射器を使用することも可能である。


24

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

   

1  放射体 
2  反射器

図 A.3−放射体の概要 

A.1.5

  反射器の大きさ 

反射器の大きさ(

図 A.4 参照)を規定する。経験上から,車両を模擬する場合は,大きさが約

1.7 m

2

ランバート反射器を用いるのが最良の方法である。他の方法としては大きさ約

20 cm

2

の三面反射器も利用

可能である。

1  受光器 
2  放射体 
3  反射器

図 A.4−反射器の概要 


25

D 0806

:2011 (ISO 22178:2009)

ランバート反射器は,全エネルギーを球面領域内に反射する(

図 A.5 参照)。

0

0

π

I

Φ

×

×

=

ここに,

Φ

放射束(W)

I

0

放射強度(W/sr)

Ω

0

立体角(sr)

寸法 1.7 m

2

は,小型車両の反射面積に相当する。

1  反射器

図 A.5−ランバート反射器 

A.2

  コーナキューブタイプの試験標的の RCS 

試験標的は,RCS で規定する。

試験標的の外観は,

図 A.6 のとおりとする。

図 A.6−コーナキューブ反射器 

2

4

3

π

4

RCS

λ

×

×

×

=

l

ここに,

l

コーナキューブ反射器の短辺の長さ(m)

λ

波長(m)