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C 9311

:2011

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  環境条件

3

5

  種類

3

6

  定格

4

6.1

  定格周波数

4

6.2

  定格入力電圧

4

6.3

  定格電流及び定格使用率

4

7

  試験

5

7.1

  試験条件

5

7.2

  測定器

5

7.3

  構成部材の要求事項

5

7.4

  形式検査

5

7.5

  定常検査

6

8

  電撃の防護

6

8.1

  絶縁

6

8.2

  定常作業における電撃からの防護(直接接触)及び外箱による防護

10

8.3

  異常状態における電撃からの防護(間接接触)

10

9

  温度要求事項

11

9.1

  一般

11

9.2

  温度上昇試験

11

9.3

  温度測定

11

9.4

  温度上昇限度

12

10

  動作性能

13

10.1

  一般

13

10.2

  安全電圧

13

10.3

  始動時間

13

10.4

  開閉動作及び遅動時間

14

10.5

  始動感度

14

10.6

  始動感度に対する安全性

14

10.7

  耐久試験

15

11

  構造

15

11.1

  構造一般

15


C 9311

:2011

(2)

ページ

11.2

  外箱

15

11.3

  口出線

16

11.4

  接地端子

16

11.5

  ボルト,ねじなどによる締付け

16

11.6

  表示手段

16

11.7

  点検用スイッチ

17

11.8

  適用コンデンサ容量及びコンデンサ電圧

17

12

  機械的要求事項

17

12.1

  落下耐量

17

12.2

  傾斜安定性

17

13

  定格銘板

17

13.1

  一般的要求事項

17

13.2

  表示内容

17

14

  取扱説明書及び注意書き

18

14.1

  取扱説明書

18

14.2

  注意書き

19

15

  製品の呼び方

19

 


C 9311

:2011

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本溶接

協会(JWES)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。これによって,JIS C 9311:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


C 9311

:2011

(4)

白      紙


   

日本工業規格

JIS

 C

9311

:2011

交流アーク溶接電源用電撃防止装置

Voltage reducing devices for AC arc welding power sources

序文

この規格は,1963 年に制定され,その後 6 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 2005 年に

行われたが,その後,この規格と関連する JIS C 9300 が 2006 年に廃止され,JIS C 9300-1 が制定されたた

め,これとの整合を図り,かつ,製品の使用環境・使用実態を考慮して改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

注記  労働安全衛生法第 42 条の規定に基づいて,“交流アーク溶接機用自動電撃防止装置”の構造規

格が定められている。

1

適用範囲

この規格は,交流電源を入力とする単相変圧器を主体とする交流アーク溶接電源(以下,溶接電源とい

う。

)に用いる外付け形及び内蔵形の電撃防止装置(以下,防止装置という。

)について規定する。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0920

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

JIS C 0922

  電気機械器具の外郭による人体及び内部機器の保護−検査プローブ

JIS C 1102-2

  直動式指示電気計器    第 2 部:電流計及び電圧計に対する要求事項

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS C 8201-4-1

  低圧開閉装置及び制御装置−第 4-1 部:接触器及びモータスタータ:電気機械式接触

器及びモータスタータ

JIS C 9300-1

  アーク溶接装置−第 1 部:アーク溶接電源

JIS C 60664-1

  低圧系統内機器の絶縁協調−第 1 部:基本原則,要求事項及び試験

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 9300-1 によるほか,次による。

3.1

電撃防止装置

溶接電源の主回路(変圧器の入力回路又は出力回路)を制御する電磁接触器又は電力用半導体素子,制

御回路などを備え,溶接棒の操作に応じて,通常,溶接を行うときだけ溶接電源の主回路を形成し,それ

以外のときには,溶接棒と母材との間に発生する電圧を低下させる機能をもつ装置。


2

C 9311

:2011

   

3.2

防止装置の主回路

防止装置の電磁接触器又は電力用半導体素子を含む回路。これらに接続される主回路ケーブルを含む。

3.3

防止装置の入力回路

防止装置の入力電源回路。

3.4

防止装置の出力回路

溶接棒と母材との間に安全電圧を供給する回路。

3.5

防止装置の制御回路

防止装置の動作を制御する回路。入力回路及び出力回路を含む。

3.6

定格電流

定格周波数及び定格入力電圧において,防止装置の主回路に定格使用率で流すことのできる電流値。

3.7

定格使用率

定格周波数及び定格入力電圧において,防止装置の主回路に定格電流を流し,断続負荷した場合の負荷

時間と全時間との比の百分率。

3.8

溶接電源無負荷電圧

溶接電源の主回路が形成された状態で,溶接棒と母材との間に発生する無負荷電圧。

3.9

安全電圧

溶接電源の主回路が形成されない状態で,

溶接棒と母材との間に発生する電撃の危険が少ない低い電圧。

3.10

始動時間

溶接棒が母材に接触してから溶接電源無負荷電圧が発生するまでの時間。

3.11

遅動時間

溶接電源無負荷電圧が発生してから安全電圧になるまでの時間。

3.12

始動感度

溶接電源の主回路を形成することができる最大抵抗値。

3.13

標準始動感度

定格入力電圧(ただし,入力電源が溶接電源の出力側の場合には,溶接電源無負荷電圧の下限値の入力

電圧を含む。

)において,定格銘板に表示した製造業者が指定した始動感度。


3

C 9311

:2011

4

環境条件

防止装置は,特に規定がない場合,次の環境条件で用いることができる。

a)

周囲大気の温度範囲

 溶接時        :−10∼+40  ℃

運搬及び保管時:−20∼+55  ℃

b)

空気中の相対湿度が,40  ℃で 50 %以下,20  ℃で 90 %以下。

c)

周囲の空気は,過度の粉じん,酸性物,腐食性ガス又は物質,塩水,塩分を含む水滴などを含まない。

ただし,溶接作業によって発生したものは除く。

d)

標高が 1 000 m 以下。

e)

鉛直又は水平に対して,防止装置の傾斜は 20°以下。

f)

異常な振動又は衝撃を受けない。

注記  受渡当事者間で,別の厳しい環境条件を取り決めた場合の定格銘板への表示に関しては,箇

条 13 に規定している。別の厳しい環境条件としては,高湿度,著しい腐食性ヒューム,水蒸

気,過度の油蒸気,異常な振動又は衝撃,過度の粉じん,厳しい気象条件,海岸又は船上で

の異常な条件,害虫が群がる所,かびが発生する雰囲気などである。

5

種類

防止装置の種類は,取付方式及び始動感度によって

表 に規定するとおり区分し,次による。

a)

取付方式による区分

1)

外付け形  外付け形は,専用の外箱をもち,溶接電源に外付けして用いる防止装置であり,その記

号は,SP とする。

2)

内蔵形  内蔵形は,溶接電源の外箱に内蔵して用いる防止装置であり,その記号は,SPB とする。

b)

始動感度による区分

1)

低抵抗始動形  低抵抗始動形は,始動感度が表 に規定する値のものであり,その記号は,L とす

る。

2)

高抵抗始動形  高抵抗始動形は,始動感度が表 に規定する値のものであり,その記号は,H とす

る。


4

C 9311

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表 1−防止装置の種類及び特性

種類の区分

特性

取付方式によ

る区分

始動感度によ

る区分

種類の記号

始動感度

Ω

安全電圧

V

始動時間

遅動時間

低抵抗始動形

SP-3A4-L 
SP-5A6-L 
SP-3B4-L 
SP-5B6-L 
SP-3C4-L 
SP-5C6-L

2 未満

外付け形

高抵抗始動形

SP-3A4-H 
SP-5A6-H 
SP-3B4-H 
SP-5B6-H 
SP-3C4-H 
SP-5C6-H

2∼260

25 以下 0.06 以下

1.0±0.3

低抵抗始動形

SPB-□A□-L 
SPB-□B□-L 
SPB-□C□-L

3 未満

内蔵形

高抵抗始動形

SPB-□A□-H 
SPB-□B□-H 
SPB-□C□-H

3∼260

種類の記号は,次による。

a)

記号 SP の次の数字,又は記号 SPB の次の“□”は,出力側の定格電流の百の位の値を示す。例えば,3 は 300 A,
5 は 500 A を示し,250 A の場合は,2.5 と示す。

b)

次の記号 A は,溶接電源に内蔵されている力率改善用コンデンサの有無に関係なく用いる防止装置,記号 B はコ
ンデンサを内蔵しない溶接電源に用いる防止装置,記号 C はコンデンサ内蔵形溶接電源に用いる防止装置を示す。

c) A

,B 及び C の次の数字又は“□”は,定格使用率(%)の十の位の値を示す。

6

定格

6.1

定格周波数

定格周波数は,50 Hz 専用,60 Hz 専用,又は 50 Hz と 60 Hz との共用とする。

6.2

定格入力電圧

定格入力電圧は,

表 に規定するとおりとする。

表 2−定格入力電圧

単位  V

防止装置の入力電源の区分

定格入力電圧

定格周波数が 50 Hz の防止装置 100 又は 200

入力電源を溶接電源の入力側から

得る防止装置

定格周波数が 60 Hz の防止装置 100,200 又は 220

入力電源を溶接電源の出力側から得る防止装置

適用溶接電源の無負荷電圧の上限値

入力電源を溶接電源の入力側から得る防止装置は,この表に規定する定格入力電圧を組み合わせることができる。

6.3

定格電流及び定格使用率

定格電流及び定格使用率は,次による。


5

C 9311

:2011

a)

外付け形  外付け形防止装置は,表 に規定する。定格電流は,防止装置の主回路を溶接電源の入力

側に設けるものは,入力側の電流,防止装置の主回路を溶接電源の出力側に設けるものは,出力側の

電流で規定する。

表 3−外付け形防止装置の定格電流及び定格使用率

主回路の位置

定格電流の規定位置

A

定格使用率

適用溶接電源の無負荷電圧の範囲

V

入力

出力 %

下限

上限

130 (110)

− 60

85

入力側

220 (180)

40

70 95

− 300

60

85

出力側

− 500

60

70 95

括弧内の数字は,コンデンサ内蔵形溶接電源に用いる防止装置(C 形)の入力側定格電流を示す。

b)

内蔵形  内蔵形防止装置は,次による。

1)

定格電流は,防止装置の主回路を溶接電源の入力側に設けるものは,溶接電源の定格出力時の入力

側電流以上とし,防止装置の主回路を溶接電源の出力側に設けるものは,溶接電源の定格出力時の

電流以上とする。

2)

定格使用率は,内蔵する溶接電源の定格銘板に表示された定格使用率以上とする。ただし,その値

は,30 %以上とする。

7

試験

7.1

試験条件

試験は,新品で乾燥し,完全に組み立てた防止装置で,周囲温度−10∼+40  ℃の間で行うものとする。

測定器の接続は,製品に組み付けているカバープレート,点検用扉又は簡単に取外しできるパネルの付い

た開口部を通してだけ許される。測定器によって防止装置の通常の通気を妨げたり,熱を授受する原因と

なってはならない。特に規定がない場合,通電用導体の材質は,銅とする。

特に規定がない場合,形式検査は,この規格に規定している全ての試験を行わなければならない。

形式検査における試験の順序は,7.4 による。また,定常検査は,7.5 による。

7.2

測定器

この試験で用いる測定器の精度は,次による。

a)

指示電気計器  JIS C 1102-2 の階級 0.5 又はそれ以上。ただし,耐電圧試験の電圧の測定は,JIS C 1102-2

の階級 2.5 又はそれ以上の精度の電圧計による。絶縁抵抗の測定は,8.1.4 の規定による。

b)

温度計  ±2 K

c)

時間計  規定された時間の±5 %又はそれ以上の精度。

7.3

構成部材の要求事項

JIS C 9300-1

の 5.3(構成部材の要求事項)による。

7.4

形式検査

防止装置は,試験の結果に最も影響することが予測される溶接電源を組み合わせて,同時に試験しなけ

ればならない。全ての形式検査は,別の防止装置で行ってもよいと規定している試験の項目を除いて,同

一の防止装置で行う。


6

C 9311

:2011

   

形式検査は,次の順序で行う。

a)

構造(箇条 11

b)

絶縁抵抗(8.1.4

(予備検査)

c)

動作性能(箇条 10

。試験は,10.210.310.410.5 及び 10.6 の順序で行う。

d)

機械的要求事項(箇条 12

e)

絶縁抵抗(8.1.4

f)

絶縁耐力(8.1.5

g)

総合目視検査[JIS C 9300-1 の 3.7(目視検査)

この規格の上記以外の試験は,任意の順序で行ってもよい。また,10.7 に規定する耐久試験は,別の防

止装置で行ってもよい。

7.5

定常検査

防止装置の定常検査は,次の項目を満足しなければならない。

a)

総合目視検査[JIS C 9300-1 の 3.7

b)

絶縁抵抗(8.1.4

c)

絶縁耐力(8.1.5

d)

動作性能

1)

安全電圧(10.2

2)

開閉動作及び遅動時間(10.4

3)

始動感度(10.5

4)

始動感度に対する安全性(10.6

8

電撃の防護

8.1

絶縁

8.1.1

一般

防止装置の過電圧カテゴリは,JIS C 60664-1 に規定する過電圧カテゴリ III とする。また,最低限,汚

損度(汚染度)3 の環境状態で使用できるよう設計しなければならない。

8.1.2

空間距離

空間距離は,次による。

a)

基礎絶縁又は補助絶縁(保護絶縁・付加絶縁)

,及び強化絶縁に対する最小空間距離は,過電圧カテゴ

リ III とし,

表 による。空間距離を決めるに当たって,絶縁材料の接近可能な全ての表面,すなわち,

JIS C 0922

に規定する検査プローブ B で触れることができる全ての部分は,金属はく(箔)によって

覆われているものと考える。

b)

溶接電源の入力回路に直接接続する防止装置の主回路及び制御回路の端子の間隔は,JIS C 9300-1 

E.2

(端子の間隔)による。

c)

過電圧制限素子(例えば,金属酸化バリスタ)で保護されている防止装置の部品(例えば,電子回路

又は部材)の空間距離は,

表 に従って定めることができる。

合否判定は,次のいずれかによる。

1)  JIS C 60664-1

の 6.2(沿面距離及び空間距離の測定)に規定する測定方法によって行う。

2)

表 及び表 に規定する電圧を用いたインパルス試験によって行う。

インパルス試験は,1.2/50 µs の出力波形及び 500 Ω 未満の出力インピーダンスをもつ試験電源を


7

C 9311

:2011

用いて,

表 及び表 に規定する定格インパルス電圧を下回らないように,各極性に対して 3 回の

インパルス電圧を 1 秒間以上の間隔をあけて印加する。

3)

表 及び表 に規定する交流試験電圧を 3 サイクルの間印加するか,又は定格インパルス電圧に等

しい値のリップルのない直流電圧を各極性に対して 10 ms ずつ 3 回印加してもよい。

表 及び表 に規定する空間距離は,補間してはならない。

表 4−過電圧カテゴリ III としての最小空間距離

基礎絶縁又は補助絶縁

強化絶縁

汚損度(汚染度)

汚損度(汚染度)

2 3 4

2 3 4

動作電圧

a)

(実効値)

 

V

定格インパルス

電圧

(ピーク値)

V

交流試験

電圧

(実効値)

V

最小空間距離

mm

定格インパルス

電圧

(ピーク値)

V

交流試験

電圧

(実効値)

V

最小空間距離

mm

50 以下

800

566

0.2

1 500

1 061

0.5

0.8

 50 を超え 100 以下

1 500

1 061

0.5

0.8

2 500

1 768

1.5

1.6

100 を超え 150 以下

2 500

1 768

1.5

1.6

4 000

2 828

3

150 を超え 300 以下

4 000

2 828

3

6 000

4 243

5.5

300 を超え 600 以下

6 000

4 243

5.5

8 000

5 657

8

600 を超え 1 000 以下

8 000

5 657

8

12 000

8 485

14

数値は,JIS C 60664-1 

表 F.1(低圧系統電源から直接給電される機器のための定格インパルス電圧)及び表 F.2(過

渡過電圧に耐える空間距離)による。 
その他の汚損度(汚染度)及び過電圧カテゴリについては,JIS C 60664-1 を参照する。 

a)

  防止装置内の各回路電圧。入力電圧の場合は線間電圧,中性点接地の給電システムの場合は,交流又は直流公

称電圧から定まるラインと中性点との間の電圧。

表 5−過電圧カテゴリ としての最小空間距離

基礎絶縁又は補助絶縁

強化絶縁

汚損度(汚染度)

汚損度(汚染度)

2 3 4

2 3 4

動作電圧

a)

(実効値)

 

V

定格インパルス

電圧

(ピーク値)

V

交流試験

電圧

(実効値)

V

最小空間距離

mm

定格インパルス

電圧

(ピーク値)

V

交流試験

電圧

(実効値)

V

最小空間距離

mm

50 以下 330 233

500

354

50 を超え 100 以下 500 354

800

566

0.2

100 を超え 150 以下 800 566

0.2

1 500

1 061

0.5

0.8

150 を超え 300 以下

1 500

1 061

0.5

0.8

2 500

1 768

1.5

1.6

300 を超え 600 以下

2 500

1 768

1.5

1.6

4 000

2 828

3

600 を超え 1 000 以下

4 000

2 828

3

6 000

4 243

5.5

数値は,JIS C 60664-1 

表 F.1 及び表 F.2 による。

その他の汚損度(汚染度)及び過電圧カテゴリについては,JIS C 60664-1 を参照する。 

a)

  防止装置内の各回路電圧。入力電圧の場合は線間電圧,中性点接地の給電システムの場合は,交流又は直流公

称電圧から定まるラインと中性点との間の電圧。

8.1.3

沿面距離

沿面距離は,次による。

a)

基礎絶縁又は補助絶縁(保護絶縁・付加絶縁)

,及び強化絶縁の最小沿面距離は,次によるほか,JIS C 

60664-1

による。その要約を,

表 に参考として示す。

強化絶縁又は二重絶縁の沿面距離は,基礎絶縁で決められた値の 2 倍にしなければならない。

沿面距離を決めるに当たって,絶縁材料の接近できる全ての表面,すなわち,JIS C 0922 に規定す


8

C 9311

:2011

   

る検査プローブ B で触れることができる全ての部分は,金属はく(箔)によって覆われているものと

考える。

b)

最小沿面距離は,

表 に規定する各動作電圧に対する沿面距離とする。ただし,低い中間の定格電圧

に対しては,沿面距離の補間をしてもよい。

c)

溶接電源の入力回路に直接接続される防止装置の主回路及び制御回路の端子の間隔は,JIS C 9300-1

の E.2 による。

d)

プリント配線板の沿面距離は,

表 による。

合否判定は,JIS C 60664-1 の 6.2 に規定する測定方法によって行う。

表 6−最小沿面距離(基礎絶縁又は補助絶縁の場合)

動作電圧

プリント配線板

基礎絶縁又は補助絶縁

(実効値)  汚損度(汚染度)

汚損度(汚染度)

 1

2

1

2

3

4

材料グループ

材料グループ

a) 

b) 

a)

 I II III I II III I II III

最小沿面距離

最小沿面距離

V mm

mm

10

0.08

 0.4

  1

12.5    0.09

 0.42

   1.05

16

0.1

0.45

1.1

1.6

20

0.11

 0.48

  1.2

25

0.025 0.04

0.125

  0.5     1.25

    1.7

32

0.14

0.53

1.3

1.8

40

0.16

0.56

0.8

1.1

1.4 1.6 1.8 1.9 2.4 3

50

0.18

0.6

0.85

1.2

1.5 1.7 1.9 2  2.5 3.2

63 0.04

0.063

0.2

0.63

0.9

1.25

1.6 1.8 2  2.1 2.6 3.4

80 0.063

0.1

0.22

0.67

0.95

1.3 1.7 1.9 2.1 2.2 2.8 3.6

100 0.1

0.16

0.25

0.71

1 1.4 1.8 2  2.2 2.4 3  3.8

125 0.16

0.25

0.28

0.75

1.05

1.5 1.9 2.1 2.4 2.5 3.2 4

160 0.25

0.4

0.32

0.8

1.1 1.6 2  2.2 2.5 3.2 4  5

200 0.4

0.63

0.42

1 1.4

2 2.5

2.8

3.2

4 5 6.3

250 0.56

1 0.56

1.25

1.8

2.5 3.2 3.6 4  5  6.3 8

320 0.75

1.6

0.75

1.6

2.2 3.2 4  4.5 5  6.3 8  10

400 1 2 1 2 2.8

4 5 5.6

6.3

8

10

12.5

500 1.3

2.5

1.3

2.5

3.6

5 6.3

7.1

8

10 12.5

16

630 1.8

3.2

1.8

3.2

4.5

6.3

8 9

10

12.5

16

20

800  2.4  4  2.4 4  5.6 8 10 11 12.5

16 20 25

1

000  3.2  5  3.2 5  7.1

10 12.5

14 16 20 25 32

数値は,JIS C 60664-1 

表 F.4(トラッキングによる障害を回避するための沿面距離)による。

入力回路から直接供給する場合は定格入力電圧とし,溶接電源の出力側を入力電源とする場合は定格入力電圧にお
ける適用溶接電源からの供給電圧において防止装置内で発生する各回路電圧。 

a)

  材料グループ I,II,IIIa 及び IIIb

b)

  材料グループ I,II 及び IIIa


9

C 9311

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8.1.4

絶縁抵抗

絶縁抵抗は,

表 に規定する値を満足しなければならない。保護導体端子に接続された回路は,この試

験の目的に対しては露出導電部とする。

表 7−絶縁抵抗

単位  MΩ

測定位置

絶縁抵抗

溶接電源の入力回路に直接接続する充電部分と溶接電源の出力回路に

直接接続する充電部分との間

5

充電部分と金属製の外箱(内蔵形の場合は,溶接電源の外箱)との間

2.5

合否判定は,干渉抑制及び保護用のコンデンサを取り外した状態で,かつ,室温で,JIS C 1302 に規定

する 500 V 絶縁抵抗計又はこれと同等の性能をもつ絶縁抵抗計によって,絶縁抵抗を測定する。半導体電

子部品及びそれらの保護装置は,試験の間短絡してもよい。

8.1.5

絶縁耐力

防止装置は,いかなるフラッシオーバ又は絶縁破壊を起こすことなく,次の試験電圧に耐えなければな

らない。

a)

新品の防止装置に対する最初の試験:表 に規定する試験電圧

b)

同一防止装置での再試験:表 に規定する電圧の 80 %の電圧

表 8−絶縁耐力試験電圧

単位  V(実効値)

測定位置

絶縁耐力試験電圧

保護クラス I

保護クラス II

溶接電源の入力回路に直接接続している充電部分と金属製の外箱(内蔵形の場合
は,溶接電源の外箱)との間

1 000

a)

(1 070)

2 000

a)

(2 140)

溶接電源の入力側に直接接続する充電部分と溶接電源の出力側に直接接続する
充電部分との間

2 000

(2 140)

溶接電源の出力回路に直接接続している充電部分と金属製の外箱(内蔵形の場合
は,溶接電源の外箱)との間

1 000

括弧内は,定格入力電圧が 220 V の場合に適用する。 
絶縁耐力試験電圧値は,交流アーク溶接機用自動電撃防止装置の構造規格の耐電圧の規定と異なっているので注
意が必要である。 

a)

  主回路に 400 V 系入力電圧の使用を意図している防止装置には,取扱説明書又は定格銘板に主回路が 400 V

系での使用が可能であることを表示し,かつ,主回路と金属製の外箱との間の絶縁耐力試験電圧は,次に
よる。

1)

保護クラス I の場合は,回路電圧が 200 V のときは 1 000 V,450 V のときは 1 875 V とし,200 V を超
える電圧においては,200 V と 450 V との間を補間した電圧による。

2)

保護クラス II の場合は,回路電圧が 200 V のときは 2 000 V,450 V のときは 3 750 V とし,200 V を超

える電圧においては,200 V と 450 V との間を補間した電圧による。

交流試験電圧は,周波数がほぼ 50 Hz 又は 60 Hz で,最大値がその実効値の 1.45 倍以下の適正な正弦波

電圧でなければならない。

絶縁耐力試験装置のトリップ電流の最大許容セット値は,100 mA とする。

高電圧変圧器は,上記のトリップ電流までの規定電圧を印加することができなければならない。電流検


10

C 9311

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出トリップ装置のトリップは,フラッシオーバ又は絶縁破壊とみなす。

注記  試験作業者の安全のため,絶縁耐力試験装置のトリップ電流のセット値は,10 mA 以下を推奨

する。

代替試験として,交流実効試験電圧の 1.4 倍の直流試験電圧を用いてもよい。

試験電圧は,ゼロ(0)から一定の割合(電圧計が読み取りできる速さ)で,規定値へ上昇させる。

表 8

に規定する各回路の試験電圧は,同時に加えてもよい。

整流素子及びそれらの保護手段並びにその他の半導体素子又はコンデンサは,絶縁耐力試験の間短絡し

てもよい。

使用部材に関する関連規格がこの規格の試験電圧の値より低い値の電圧で規定されている部材は,切離

し又は短絡して保護してもよい。

入力又は出力,及び露出導電部間に接続されている干渉抑制回路網又は保護コンデンサは,切離し又は

短絡して保護してもよい。

合否判定は,次の時間試験電圧を印加することによって行う。

a) 60

秒間(形式検査)

b) 5

秒間(定常検査)又は 1 秒間(試験電圧を 20 %増加した定常検査)

8.2

定常作業における電撃からの防護(直接接触)及び外箱による防護

防止装置の保護等級は,外付け形の場合は JIS C 0920 に規定する保護等級 IP 23S,内蔵形の場合は内蔵

する溶接電源の保護等級に適合しなければならない。

合否判定は,JIS C 0920 によって行う。

8.3

異常状態における電撃からの防護(間接接触)

8.3.1

一般

溶接電源の入力回路に直接接続する防止装置の回路は,保護クラス I 又は保護クラス II の防護による。

合否判定は,目視検査によって行う。

8.3.2

絶縁変圧器の絶縁

溶接電源の入力回路に直接接続する防止装置の回路と溶接電源の出力回路に直接接続する防止装置の回

路との間に接続する絶縁変圧器は,次のいずれかによって絶縁する。

a)

強化絶縁

b)

巻線間に保護導体に接続した混触防止板がある基礎絶縁

合否判定は,目視検査及び絶縁変圧器の仕様確認によって行う。

8.3.3

内部導体及び接続

内部導体及びその接続は,次に示す間で電気的な接触を引き起こすような不慮の緩みを防ぐように固定

又は配置する。

a)

絶縁された導体が金属部分を貫通する箇所は,絶縁物のブッシングで保護しているか,又は開口部を

半径 1.5 mm 以上で滑らかに丸めていなければならない。

b)

裸の導体は,その相互間並びに導体部品からの空間距離及び沿面距離(8.1.2 及び 8.1.3 参照)を維持

するように固定する。

合否判定は,目視検査及び測定によって行う。


11

C 9311

:2011

9

温度要求事項

9.1

一般

防止装置に対する温度要求事項は,次による。

a)

巻線及び電磁接触器については,9.4.1 による。

b)

外部表面については,9.4.2 による。

c)

半導体素子,その他の部分の材料及び部品については,各部材の許容温度を超えてはならない。

9.2

温度上昇試験

9.2.1

一般

防止装置の温度上昇は,10±0.2 分の周期で,次によって試験する。

なお,内蔵形については,適用溶接電源にも通電した状態で行う。

a)

負荷試験  負荷試験は,防止装置に定格入力電圧を印加し,防止装置の主回路を形成した状態で,定

格電流及び定格使用率において断続通電して試験する。コンデンサ内蔵形溶接電源に用いるもので,

コンデンサ用の接点があるものは,これについても試験する。

なお,組み付ける溶接電源の定格使用率が 30 %未満の内蔵形防止装置は,防止装置の主回路に定格

電流を流し,溶接電源には,次の式に示す電流を流して試験する。

30

r

r

t

X

I

I

×

=

ここに,

I

t

溶接電源に流す試験電流(A)

I

r

溶接電源の定格電流(A)

X

r

溶接電源の定格使用率(%)

b)

無負荷試験  負荷試験に引き続いて,防止装置に定格入力電圧を加え,溶接電源の出力回路を開路し

た状態で,電磁接触器又は保護用電磁接触器の巻線及び補助接点,並びに補助変圧器の巻線について

試験する。

9.2.2

試験条件の許容範囲

9.2

による温度上昇試験の最後の 60 分間において,次の許容範囲を満足しなければならない。

a)

防止装置の主回路の電流は,定格電流に対して−2 %∼+10 %

b)

入力電圧は,定格入力電圧に対して±5 %

9.2.3

温度上昇試験の期間

温度上昇試験は,60 分間以上で,防止装置のどの部分においても温度上昇が 2 K/h 以下となるまで継続

する。ただし,試験時間は 4 時間を超える必要はない。

9.3

温度測定

9.3.1

一般

温度は,次によって測定する。

a)

温度上昇値は,最後の負荷期間の最高温度で測定する。

b)

巻線の温度は,抵抗法又は表面温度センサによって測定する。

注記  できれば抵抗法が望ましい。

c)

その他の部分は,表面温度センサによって測定する。

9.3.2

表面温度センサ

温度は,次に規定する条件に従って,巻線及びその他の部分の表面に取り付けた温度センサによって測

定する。


12

C 9311

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球状温度計は,巻線及び表面の温度測定に用いてはならない。温度センサは,最高温度が発生する点に

取り付ける。

測定点と温度センサとの間の効果的な熱伝導を確保し,空気の流れ及び放熱の効果を温度センサによっ

て阻害しないようにする。

注記  代表的な温度センサは,熱電対,抵抗温度計などである。予備試験によって,最高温度が発生

する点を特定することが望ましい。

9.3.3

抵抗法

巻線の温度上昇値は,その抵抗の増加によって決定し,銅に対しては,次の式によって得られる。アル

ミニウムに対しては,次の式の数値 235 を 225 に置き換える。

(

)

a

1

1

1

2

1

a

2

)

)(

235

(

t

t

R

R

R

t

t

t

+

+

=

ここに,

t

1

最初の抵抗測定時の巻線の温度(℃)

t

2

試験の終わりの巻線の計算される温度(℃)

t

a

試験の終わりの周囲温度(℃)

R

1

巻線の最初の抵抗(Ω)

R

2

試験の終わりの巻線の抵抗(Ω)

温度 t

1

は,周囲温度の±3 K 以内でなければならない。

9.3.4

周囲温度の決定

周囲温度は,防止装置が外付け形の場合はその周囲において,内蔵形の場合は防止装置を組み付けてい

る溶接電源の周囲において,高さはその設置状態の中心高さ,距離は 1∼2 m の適切な箇所に 3 個以上の

温度測定器を,通風装置及び異常な加熱から保護するように置き,その測定値の平均値を周囲温度として

採用する。内蔵形において,組み付けている溶接電源が強制空冷式の場合には,温度計は,空気を溶接電

源に取り入れる所に設置する。

試験の最後の周期の 1/4 期間に,等時間間隔で読み取れる測定値の平均値を周囲温度として採用する。

9.3.5

温度の記録

測定できる部位については,防止装置が動作している間及び電源遮断後も温度を記録する。防止装置が

動作している間は,温度の測定ができない部位については,電源遮断後,次の手段による。

電源遮断から最後の温度測定まで温度が下がるのに十分な時間がある場合には,電源遮断時の温度にで

きるだけ近い値を得るために,外挿法を適用する。電源遮断から 5 分以内に,最低四つの温度及びそのと

きの電源遮断の瞬間からの経過時間を記録する。電源遮断後に測定値が上昇する温度を示すときは,最高

値を採用する。

9.4

温度上昇限度

9.4.1

巻線及び電磁接触器

巻線の温度上昇は,

表 に規定する値を超えてはならない。また,電磁接触器の接点の温度上昇は,表

面温度センサを用いて測定し,接点の材質が銀又は銀合金の場合,その値は 75  ℃を超えてはならない。

表 9−巻線の温度上昇限度


13

C 9311

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単位  K

温度上昇限度

絶縁材料の階級

表面温度センサ

抵抗法

A 65

85

E 80

100

B 90

110

F 115

135

H 140

160

基準周囲温度の限度は,40  ℃とする。

絶縁材料の階級は,JIS C 8201-4-1 による。

9.4.2

外部表面

容易に触れることができる外部表面の温度上昇は,

表 10 に規定する値を超えてはならない。

表 10−外部表面の温度上昇限度

単位  K

外部表面

温度上昇限度

未塗装金属製外箱 25

塗装金属製外箱 35

非金属製外箱 45

合否判定は,9.3 に従った測定によって行う。

10

動作性能

10.1

一般

防止装置は,−10∼+40  ℃の周囲温度範囲において支障なく動作できなければならない。

合否判定は,形式検査における周囲温度−10  ℃及び+40  ℃での 10.210.6 の測定による。

防止装置は,その種類に応じて次の入力電圧範囲において支障なく使用できなければならない。

a)

入力電源が溶接電源の入力側の場合は,定格値の−15 %∼+10 %。

b)

入力電源が溶接電源の出力側の場合は,

表 に規定する適用溶接電源の無負荷電圧の範囲の下限値の

−15 %∼上限値の+10 %。

合否判定は,入力電圧の測定及び動作確認によって行う。

10.2

安全電圧

防止装置の安全電圧は,次の値を満足しなければならない。

a)

定格入力電圧において 25 V 以下。

b)  10.1

に規定する入力電圧範囲において 30 V 以下。

合否判定は,測定による。

10.3

始動時間

防止装置の始動時間は,低抵抗始動形の場合は標準始動感度以下,高抵抗始動形の場合は標準始動感度

0

30

%の抵抗を防止装置の出力回路に接続した状態において,出力回路を開閉したとき,次の値を満足し

なければならない。

防止装置に定格入力電圧を印加したときの始動時間は,0.06 秒以下であり,防止装置を始動するのに必


14

C 9311

:2011

   

要な溶接棒の接触所要時間は,0.03 秒以下とする。

合否判定は,測定によって行い,測定回数は 5 回とする。

10.4

開閉動作及び遅動時間

防止装置の出力回路に,溶接棒の代わりに開閉器を設けてこれを開閉し,次に示す事項を満足しなけれ

ばならない。

a)

防止装置の主回路の動作が確実で,電磁接触器に大きなうなり音を発生しない。

b)

定格入力電圧における遅動時間は

表 のとおりとし,表 11 に規定する各々の試験電圧における遅動時

間の最大値と最小値との差は 0.1 秒以下,低電圧試験及び過電圧試験における各平均値と定格電圧試

験における平均値との差は 0.2 秒以下とする。

表 11−動作性能の試験条件

単位  回

試験回数

試験の種類

試験電圧

形式検査

定常検査

遅動時間の測定回数

定格電圧試験

定格入力電圧 100

10

10

電源入力側

定格入力電圧×85 %

低電圧試験

電源出力側

適用溶接電源の無負荷電圧の
下限値×85 %

10 10

10

電源入力側

定格入力電圧×110 %

過電圧試験

電源出力側

適用溶接電源の無負荷電圧の

上限値×110 %

10 10

10

定格電圧試験における形式検査の遅動時間の測定は,10 回の試験につき 1 回の割合で行う。

合否判定は,開閉動作及び測定による。

10.5

始動感度

防止装置の入力側に次の電圧を印加し,その出力回路に可変抵抗器と開閉器とを直列に接続し,抵抗値

を変化させながら開閉器を開閉したとき,防止装置が始動する抵抗の最大値を測定する。その測定値の許

容差は,標準始動感度に対し,低抵抗始動形は±40 %,高抵抗始動形は±30 %であり,かつ,

表 の規定

を満足しなければならない。

a)

入力電源が溶接電源の入力側の場合  定格入力電圧。

b)

入力電源が溶接電源の出力側の場合  適用溶接電源の無負荷電圧の上限値及び下限値。

合否判定は,測定によって行う。

10.6

始動感度に対する安全性

対象とする溶接電源に防止装置を取り付け,次の動作を各 10 回行ったとき,安全電圧を発生し続けなけ

ればならない。

a)

防止装置に,定格入力電圧及びその 110 %の電圧(過電圧)を加え,その出力回路に低抵抗始動形に

は 3.5 Ω,高抵抗始動形には 261 Ω の抵抗と開閉器とを直列に接続して挿入し,開閉器を 10 秒以上閉

じて試験する。

b)

標準始動感度の 250 %の抵抗を同様に接続して試験する。

合否判定は,測定によって行う。ただし,定常検査の場合は試験回数を 1 回とし,定格入力電圧で行っ

てもよい。

10.7

耐久試験


15

C 9311

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10.7.1

  防止装置をその対象とする溶接電源に外付け又は内蔵し,その溶接電源の定格入力電圧において,

防止装置主回路の電流がその定格電流の 110 %になるように調整しておき,溶接棒の代わりに開閉器を設

け,これを次の要領で開閉したとき,適正な動作を行わなければならない。

なお,電力用半導体で制御している内蔵形電撃防止装置で定格電流の 110 %が出力できない溶接電源の

防止装置は,最大出力電流で試験をしてもよい。

a)

開閉器の開閉の周期は 6 秒間とし,主回路の閉路後,速やかに開閉器を開くようにして連続試験を行

う。この開閉試験を,手入れを行わず 20 000 回行う。

b)

保護用電磁接触器をもつものは,9.2 の温度上昇試験後,速やかに次の事項を試験する。保護用電磁接

触器は,その入信号及び切信号によって開閉動作を行う。

1)

定格入力電圧において,防止装置の主回路の半導体素子を短絡してから,保護用電磁接触器が開路

するまでの時間を測定する。ただし,測定の回数は 10 回とする。

2)

入力電圧を印加する前に防止装置の主回路の電力用半導体素子を短絡しておいて,定格入力電圧を

印加してから保護用電磁接触器が開路されるまでの時間を測定する。ただし,測定の回数は 10 回と

する。

3)  1)

及び 2)の回路状態で,入力電圧を定格値の−15 %及び+10 %に設定し,それぞれ 10 回測定する。

防止装置の入力電源を溶接電源の出力側から取る場合は,

表 に規定する適用溶接電源の無負荷電

圧の下限値の−15 %,及び上限値の+10 %にて,それぞれ 10 回測定する。

10.7.2

  合否判定は,次の事項を確認して行う。

a)

試験中,防止装置は確実に動作し,電磁接触器の接点の溶着,半導体素子の破損,その他誤動作があ

ってはならない。

b)

ボルト,ねじなどの締付け部は,緩みを生じてはならない。

c)

電磁接触器の接点に著しい損傷を生じることなく,引き続き使用に耐えなければならない。

d)

保護用電磁接触器の動作は,確実で,大きなうなり音を発生してはならない。

なお,その開路するのに要する時間は,1.5 秒以下でなければならない。

e)

その他の部品及び機能に支障をきたす損傷を生じてはならない。

11

構造

11.1

構造一般

防止装置の構造は,8.1.2 及び 8.1.3 の規定を満足するほか,次の事項を満足しなければならない。

a)

防止装置は,溶接作業者が不用意な操作によって,その特性を調整できない構造とする。

b)

主回路を電力用半導体素子で制御する防止装置は,電力用半導体素子に短絡故障を生じた場合に,主

回路を開放させるための保護用電磁接触器を設ける。

c)

内蔵形において強制冷却を併用する防止装置は,その異常時にも防止装置の機能を確保できるものと

する。

合否判定は,8.1.2 及び 8.1.3,並びに目視検査及び 7.4 c)(動作性能)の確認によって行う。

11.2

外箱

防止装置の外箱は,次に適合しなければならない。

a)

容易に変形しない丈夫な構造とする。

b)

水又は粉じんの浸入によって防止装置の機能に障害が生じるおそれがあってはならない(8.2 参照)

c)

主回路電磁接触器及び保護用電磁接触器は,接点の交換ができる構造とする。


16

C 9311

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d)

外付け形においては,溶接電源に取付け及び取外しができる構造とする。また,取付方向に指定があ

るものは,それを表示する。

e)

内蔵形においては,防止装置(防止装置を分配配置するものを含む。

)を収納する専用の外箱を設けて

あり,a)∼c)を満足する場合は,外箱(分配配置するものは個々の外箱)の一部を溶接電源の外箱で

兼用してもよい。

合否判定は,目視検査及び 8.2 によって行う。

11.3

口出線

外付け形には,溶接電源と接続するための口出線又はこれに代わるものを設ける。この口出線などは,

容易に断線せず,交換ができ,その接続端子には,外部からの張力が直接かかりにくい構造とする。

合否判定は,目視検査及び次の試験による。

口出線を急に引っ張ることなく,

表 12 に規定する引張力を 1 分間加える。試験の終わりにおいて,口出

線は,実用上支障のない程度のずれに収まっており,端子においては,導体の端に目立つずれが生じては

ならない。

表 12−引張力

導体の公称断面積

mm

2

引張力

N

1.25 (1.5)

125 (150)

2 (2.5)

175 (220)

3.5 (4.0)

295 (330)

5.5 415 
6.0 (6.0)  以上 440 (440)

括弧内は,IEC 規格[例えば,IEC 60228JIS C 3664

]適合電線の導体公称断面積

の場合。

11.4

接地端子

金属製の外箱をもつ外付け形の防止装置には,これに接地端子を設ける。接地端子は,最小限 1.25 mm

2

の接地線が接続できる構造とする。

合否判定は,目視検査による。

11.5

ボルト,ねじなどによる締付け

ボルト,ねじなどによる締付け部は,使用中に容易に緩みが生じてはならない。

合否判定は,目視検査及び箇条 10 の試験中の確認によって行う。

11.6

表示手段

溶接棒と母材との間の電圧の高低を外部から判別できるように表示手段を設ける。表示手段として表示

灯を 1 個使用する場合は,溶接電源無負荷電圧が印加されている状態では,表示灯の明るさが増すように

する。

合否判定は,防止装置を適用する溶接電源と組み合わせ(内蔵形の場合は内蔵した状態で)

,定格入力電

圧において,溶接電源出力側に所定の溶接棒を接続し,溶接電源無負荷の状態から溶接棒を一旦母材と短

絡後引き上げてアークを発生させ,更に溶接棒を引き離してアークを消滅させ,溶接電源無負荷の状態に

戻し,表示手段の動作確認によって行う。ただし,アークの発生状況を模擬できる負荷を溶接電源出力側

に接続して試験してもよい。

11.7

点検用スイッチ


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防止装置には,装置の動作(電力用半導体素子で制御するものは保護用電磁接触器の動作を含む。

)を確

認するための点検用スイッチを設ける。点検用スイッチは,溶接作業状態のアーク発生時を除いた動作を

確認できる構成とし,1 回の ON/OFF 又はこれを ON にしたままの状態において前記の動作を 1 回だけ行

い,かつ,溶接電源の無負荷電圧を持続して発生してはならない。

合否判定は,点検用スイッチの ON/OFF 及び/又は ON 動作の継続によって目視で確認する。

11.8

適用コンデンサ容量及びコンデンサ電圧

コンデンサ内蔵形溶接電源に用いる防止装置は,その対象とする溶接電源に内蔵しているコンデンサ容

量の範囲及びコンデンサの電圧を銘板に表示し,これに該当する状態において,支障なく使用できなけれ

ばならない。

合否判定は,目視検査及び箇条 10 の試験中の確認によって行う。

12

機械的要求事項

12.1

落下耐量

防止装置に通電しない状態で,落下試験によって強度を確認する。

a)

外付け形は,装置単体で 300 mm の高さから行う。

b)

内蔵形は,溶接電源に組み付けた状態で次の高さから行う。

1)

質量が 25 kg 以下の場合は,250

10

0

mm の高さから行う。

2)

質量が 25 kg を超えるものは,100

10

0

mm の高さから行う。

合否判定は,それぞれ衝撃の緩衝とならないように突起物のない面を下にして,コンクリート又は堅固

な鋼板上に 3 回落下させた後,目視検査によって行う。さらに,10.4 及び 10.5 の確認によって行う。ただ

し,確認は,定格入力電圧において各 10 回行う。

これらの落下は,防止装置(内蔵形の場合は組み付けた溶接電源の底部)の同じ箇所を打ち付けるので

はなく,毎回異なった角を打ち付けるようにする。

12.2

傾斜安定性

防止装置(内蔵形の場合は溶接電源に組み付けた状態)は,その取付面が鉛直又は水平に対して 20°以

下の状態で正常に動作しなければならない。

合否判定は,防止装置(内蔵形は溶接電源に組み付けた状態)を鉛直又は水平に対して 20°傾け,10.4

及び 10.5 の確認によって行う。ただし,確認は,定格入力電圧において各 10 回行う。

13

定格銘板

13.1

一般的要求事項

定格銘板は,防止装置の見やすいところに容易に消えない方法で,確実に取り付けるか,又は印刷しな

ければならない。

合否判定は,目視検査及び表示を水に浸した布で 15 秒間,次に石油に浸した布で 15 秒間手でこするこ

とによって行う。この試験後においても,表示は容易に読み取ることができ,簡単に

がれたり,まくれ

たりしてはならない。

13.2

表示内容

定格銘板には,次の事項を記載しなければならない。ただし,内蔵形では,溶接電源の表示事項と重複

する事項が溶接電源に記載されている場合は,表示を省略することができる。

a)

名称


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b)

種類の記号

c)

定格入力電圧(V)

d)

定格周波数(Hz)

e)

定格電流(A)

f)

安全電圧(V)

g)

定格使用率(%)

h)

標準始動感度(Ω)

(入力電源が溶接電源の出力側の場合には,無負荷電圧の上限値及び下限値のいず

れについても表示する。

i)

適用溶接電源に関する次の情報

1)

定格入力電圧(V)

2)

溶接電源無負荷電圧の範囲(V)

3)

定格入力電流(A)

(防止装置の主回路を溶接電源の入力側に設けるもの)又は定格出力電流(A)

(防止装置の主回路を溶接電源の出力側に設けるもの)

4)

定格使用率(%)

5)

コンデンサ容量の範囲(kVA)及びコンデンサの電圧(V)

コンデンサ容量及びコンデンサの電圧に関係なく使用できるものは省略してもよい。

j)

製造業者名又はその略号

k)

製造番号

l)

製造年

m)

質量(kg)

n)

購買者との間で特別に取り決めた使用条件がある場合は,その条件

合否判定は,目視検査及び設計仕様との照合によって確認する。

14

取扱説明書及び注意書き

14.1

取扱説明書

(適用できる事項の場合)次を含む取扱説明書が付いていなければならない。

a)

一般事項

b)

防止装置の質量,正しい運搬方法

c)

指示,印,図記号の意味

d)

接続に必要なケーブルの選択及び接続に関する情報

e)

防止装置に関する正しい使用法(例えば,設置場所,溶接電源への取付要領など)

f)

防止装置が適用できる溶接電源の種類(例えば,定格電流,無負荷電圧,コンデンサの有無,附属装

置など)

g)

保護等級に関する使用制限(例えば,保護等級 IP23S の防止装置は雨の中で使用できないなど)

h)

作業者及び作業区域にいる人への危険予防に関する基本的指針(例えば,電撃,ヒューム,ガス,ア

ーク光,熱せられた金属,爆発,騒音など)

i)

溶接作業で特別な注意を払わなければならない条件(例えば,電撃の危険の高い環境,可燃性の周辺

物,可燃性の製品,閉塞された容器内及び高所での作業など)

j)

防止装置の保守方法

k)

主要部品リストの付いた適切な回路図


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l)

防止装置(内蔵形の場合は組み付けた溶接電源)を傾斜した場所に取り付けた場合の転倒に対する注

合否判定は,取扱説明書を読むことによって確認する。

14.2

注意書き

防止装置には,作業者及び作業範囲内にいる人に対し危険になり得ること,また,取扱説明書を作業前

に読まなくてはならないことを,外箱に明確で容易に消えないように表示する。ただし,内蔵形において,

溶接電源に表示されている場合には,それとは別に表示しなくてもよい。

合否判定は,目視検査及び 13.1 に規定する試験によって行う。

15

製品の呼び方

製品の呼び方は,名称,種類の記号及び定格周波数による。

例  交流アーク溶接電源用外付け形電撃防止装置    SP-3A4-L  60 Hz

交流アーク溶接電源用内蔵形電撃防止装置      SPB-5B6-H  60 Hz

参考文献  JIS C 3664  絶縁ケーブルの導体

注記  対応国際規格:IEC 60228,Conductors of insulated cables(IDT)

JIS C 61558-1

  変圧器,電源装置,リアクトル及びこれに類する装置の安全性−第 1 部:通則

及び試験