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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 9213-1988 

電気ポット 

Electric Pots 

1. 適用範囲 この規格は,定格消費電力1.5kW以下の容器と発熱体とを一体にした,主として家庭用の

電気ポット(以下,ポットという。)について規定する。ただし,電熱線露出形及び電極式は除く。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある数値及び単位は,従来単位によるものであって,参

考値として併記したものである。 

2. 用語の意味 この規格に用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) 器 体 本体及びふたの総称。 

(2) 本 体 ふたを除く部分。 

(3) 容 器 本体の一部で水を入れる部分。 

(4) ふた(上ふた) 本体に附属し,外装の一部を開閉する機能をもつ部分。 

(5) 中 せ ん 容器の開口部を閉止する機能をもつ部分。 

(6) 注水機構 本体を持ち上げず,また,傾けずに容器の中の湯や水を空気圧などを利用して注ぐことが

できる機能をもつ部分。 

3. 種 類 種類は,表1のとおりとする。 

                                                        
 引用規格,対応国際規格:19〜20ページに示す。 

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C 9213-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 種類 

種 類 

形 式 

注水方式 

備 考 

普通形電
気ポット 

一 般 式 

取っ手を備え,これを持って器体を傾け
て注水する。 

水温を一定温度(沸騰点に達しない温
度)で持続的に維持することができな
いもの。 

落 下 式 

容器の下部に止水栓などを設け,これを
開閉し,自然落下によって注水する。 

自動形電
気ポット 

一 般 式 

取っ手を備え,これを持って器体を傾け
て注水する。 

①水温を一定温度(沸騰点に達しない
温度)で持続的に維持することができ
るもの。 
②調節温度が固定のものと可変のもの
がある。 

落 下 式 

容器の下部に止水栓などを設け,これを
開閉し,自然落下によって注水する。 

ポン
プ式 

空気圧利用式(手
動)(1) 

手動式注水機構によって注水する。 

空気圧利用式(電
動)(2) 

電動式注水機構によって注水する。 

揚水ポンプ利用
式(電動)(3) 

電動式揚水ポンプによって注水する。 

注(1) 空気圧を利用した注水機構をもつもので,プッシュプレート又はレバーを手で操作することによってベローズ

内の圧縮空気が水面を押して注水するもの。 

(2) 空気圧を利用した注水機構をもつもので,押しボタン(スイッチ)を押し,電動機などによってベローズを伸

縮させ,ベローズ内の圧縮空気で水面を押して注水するもの。 

(3) 電動式揚水ポンプを利用するもので,押しボタン(スイッチ)を押し,電動機などによって揚水ポンプを動作

させ,水をくみ上げて注水するもの。 

4. 定格電圧 単相交流100Vとする。 

5. 性 能 

5.1 

電圧変動特性 8.2の方法によって試験を行ったとき,実用上支障のないものでなければならない。 

5.2 

消費電力 8.3の方法によって試験を行ったとき,消費電力と定格消費電力との差が,表2の値以内

でなければならない。ただし,電動機を備え,かつ,8.3の試験中に電動機を動作させることができるもの

にあっては,8.3の測定は電動機を動作させた状態で行うこと。 

表2 消費電力の許容差 

単位 % 

定格消費電力 

許容差 

1kW以下 

±10 

1kWを超えるもの 

±5 

5.3 

絶縁性能 

5.3.1 

絶縁抵抗 8.4.1の方法によって試験を行ったとき,その値が1MΩ以上でなければならない。 

5.3.2 

耐 電 圧 8.4.2の方法によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。 

5.3.3 

いっ(溢)水時の絶縁抵抗 次の各項に適合しなければならない。 

(1) 8.4.3(1)の方法によって試験を行ったとき,その値が0.3MΩ以上でなければならない。 

(2) 8.4.3(2)の方法によって試験を行ったとき,その値が1MΩ以上でなければならない。 

5.4 

温 度 

5.4.1 

平常温度 8.5.1の方法によって試験を行ったとき,各部の温度は,表3の値以下でなければなら

ない。 

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C 9213-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 温度限度 

単位 ℃ 

測定箇所 

温 度 

持ち運び用の取っ手 金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 

65 

その他のもの 

80 

スイッチなどのつま
み及び押しボタン 

金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 

60 

その他のもの 

75 

使用中に人が操作す
る取っ手 

金属製のもの,陶磁器製のもの及びガラス製のもの 

55 

その他のもの 

70 

試験品を置く木台の表面 

95 

整 流 体 

シリコン製のもの 

135 

巻 線 

A種絶縁のもの 

100 

E種絶縁のもの 

115 

B種絶縁のもの 

125 

F種絶縁のもの 

150 

H種絶縁のもの 

170 

コ ー ド 

ビニル混合物(耐熱性があるものを除く。)及び天然ゴム混合物 

60 

ビニル混合物(耐熱性があるものに限る)。スチレンブタジエンゴム混合物及びクロロ
プレンゴム混合物 

75 

けい素ゴム混合物,エチレンプロピレンゴム混合物及びクロロスルホン化ポリエチレン
ゴム混合物 

90 

備考 基準周囲温度は30℃とする。 

5.4.2 

異常温度 8.5.2の方法によって試験を行ったとき,ポット又は木台が燃焼するおそれがなく,か

つ,直流500V絶縁抵抗計によって測定した充電部と地絡するおそれのある非充電部との間の絶縁抵抗は,

0.1MΩ以上でなければならない。 

5.5 

自動スイッチ 8.6の方法によって試験を行ったとき,各部に異常がなく,8.6(1)の試験前において

行う8.6(2)の試験で開路したときの温度の平均値が設定温度に対して±10℃であり,8.6(1)の試験後におい

て行う8.6(2)の試験で開路したときの温度の平均値が試験前に測定した値に対して,設定温度が100℃未満

のものは±5℃,100℃以上のものは±5%でなければならない。 

5.6 

自動温度調節器及び自己復帰形温度過昇防止器の性能 8.7の方法によって試験を行ったとき,次の

各項に適合しなければならない。 

(1) 開閉性能 各部に異常がないこと。 

(2) 動作温度 表4に適合すること。 

表4 動作温度の許容範囲 

種別 

許容範囲 





自動温度調節器 

開路したときの温度の平均値と閉路したときの温度の平均値との平均値が,その設定温度

に対して設定温度が100℃未満のものは±5℃,100℃以上200℃以下のものは±5%, 200℃を

超えるものは±10℃ 

自己復帰形温度過昇防止器 開路したときの温度の平均値が,設定温度に対して±15℃ 





自動温度調節器 

開路したときの温度の平均値と閉路したときの温度の平均値との平均値が,開閉試験前に

測定したその値に対して設定温度が100℃未満のものは±5℃,100℃以上のものは±5% 

自己復帰形温度過昇防止器 開路したときの温度の平均値が,開閉試験前に測定したその値に対して設定温度が100℃未

満のものは±5℃,100℃以上のものは±5% 

5.7 

非自己復帰形温度過昇防止器性能 8.8の方法によって試験を行ったとき,次の各号に適合しなけれ

ばならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 開閉性能 各部に異常がないこと。 

(2) 動作温度 表5に適合すること。 

表5 動作温度の許容範囲 

種 別 

許容範囲 

開閉試験前 開路したときの温度の平均値が設定温度に対して±15℃ 
開閉試験後 開路したときの温度の平均値が,開閉試験前に設定したその値に対して設定温度が100℃未満のものは

±5℃,100℃以上のものは±5% 

5.8 

温度ヒューズ 8.9の方法によって試験を行ったとき,定格動作温度が,200℃未満のものは±7℃,

200℃以上のものは±10℃でなければならない。 

5.9 

水温の温度保証 8.10の方法によって試験を行ったとき,その測定値は85℃以上で,かつ,最低値

をもつものにあっては,その値が80℃以上でなければならない。 

5.10 効 率 8.11の方法によって試験を行ったとき,その値が75%以上でなければならない。 

5.11 転倒流水 自動形電気ポットのポンプ式のものは,8.12の方法によって試験を行ったとき,横方向

及び後方向ともその値が50ml以下でなければならない。 

5.12 湯沸し用電熱線の耐久性 8.13の方法によって試験を行ったとき,断線してはならない。 

5.13 容器の耐久性 8.14の方法によって試験を行ったとき,水漏れするような穴あきがあってはならな

い。 

5.14 コード接続部の折曲げ 

(1) 器体とコード接続部は,コードリール機構のないものについて,8.15(1)の方法で試験を行ったとき,

コード素線の断線率は20%以下であり,かつ,短絡を生じてはならない。 

(2) コード付き一体成形の差込プラグのコード接続部は,8.15(2)の方法で試験を行ったとき,コード素線

の断線率は20%以下であり,かつ,短絡を生じてはならない。 

5.15 耐落下衝撃性 8.16の方法によって試験を行った直後において,次の各項に適合しなければならな

い。ただし,器体の質量が4kg以上のものについては,この試験は行わない。 

(1) 充電部が露出しないこと。ただし,付図に示す試験指で試験したとき,試験指に触れない程度の充電

部の露出は,この限りでない。 

(2) 器具を電源に接続したときに短絡しないこと。 

(3) 直流500V絶縁抵抗計によって測定したとき充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間の絶

縁抵抗は,0.1MΩ以上であること。 

5.16 保温材及び断熱材の難燃性 電装部近傍に充てんする保温材及び断熱材は,8.17の方法によって試

験を行ったとき,炎を取り去った後も燃え尽きることなく,消炎時間は10秒以下でなければならない。た

だし,保温材,断熱材が燃焼した場合において感電,火災などの危険が生じるおそれがないものは,この

限りでない。 

6. 構 造 

6.1 

構造一般 次の各項に適合しなければならない。 

(1) 通常の使用状態において危険が生じるおそれがなく,十分な耐久性をもち,形状が正しく,組立てが

良好で,動作が円滑であること。 

(2) 金属製のふた又は本体のうち,スイッチが開閉したときアークが達するおそれがある部分には,耐ア

ーク性の電気絶縁物を施してあること。 

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(3) 吸湿することによって部品の燃焼,充電部の露出などの危険が生じるおそれがある部分には,防湿処

理を施してあること。 

(4) 温度上昇によって危険を生じるおそれがあるものは,温度過昇防止装置を取り付けてあり,通常の使

用状態において動作しないこと。 

(5) 器体とコードとの接続に接続器を用いる場合は,この操作が容易で,確実に,かつ,安全にできるこ

と。 

(6) スイッチをもつものは,スイッチの開閉操作又は開閉状態を文字,記号,色又は光によって見やすい

箇所に表示すること。ただし,表示することが困難なものは,この限りでない。 

(7) 合成樹脂製の外郭(透光性又は透視性を必要とするもの及び機能上可とう性,機械的強度などを必要

とするものを除く。)をもつものは,その外郭の外面の9cm2以上の正方形の平面部分(外郭に9cm2

以上の正方形の平面部分をもたないものは,原厚のまま一辺の長さが3cmの正方形に切り取った試験

片。)を水平面に対して約45°に傾斜させたものの中央部に,ノズル内径が0.5mmのガスバーナの空

気口を閉じた状態で燃焼させた長さ約20mmのガス〔JIS K 2240[液化石油ガス(LPガス)]に規定

する1種1号〕の炎の先端を,垂直下から5秒間当てて炎を取り去ったとき,燃焼しないものである

こと。 

(8) 通常の使用状態で,転倒するおそれがあるものは,水平面に対して10度の角度で傾斜させたとき,い

ずれの方向に置いても転倒しないこと。 

(9) 器体の内部から湿気などを生じるものは,器体に附属するスイッチ,接続器,コードなどに,通常の

使用状態において湯気などによって生じるしずくが掛かるおそれがない構造であること。ただし,そ

れらの部分が防水構造その他感電,火災などの危険が生じるおそれがない構造のものは,この限りで

ない。 

(10) 発生する雑音の強さは,次に適合すること。 

(10.1) 雑音電力は,吸収クランプで測定したとき,周波数が30MHz以上300MHz以下の範囲において55dB

以下であること。この場合において,dBは1pWを0dBとして算出した値とする。 

(10.2) 雑音端子電圧は,1線対地間を測定したとき,次に適合すること。 

(a) 連続性雑音端子電圧は,表6の左欄に掲げる周波数範囲ごとに同表の右欄に掲げる値以下であるこ

と。この場合において,dBは1μVを0dBとして算出した値とする[以下,(b)も同じ。]。 

表6 連続性雑音端子電圧 

単位 dB 

周波数範囲 

連続性雑音端子電圧 

526.5kHz以上5MHz以下 

56 

5MHzを超え30MHz以下 

60 

(b) 不連続性雑音端子電圧は,表6に掲げる値に,表7に掲げる補正値を加えた値以下であること。 

表7 補正値 

単位 dB 

クリック率 

補正値 

0.2未満 

44 

0.2以上 30以下 

n

30

10

log

20

備考 n=クリック率 

(11) 定格容量の目盛を容器などに付けてあること。 

(12) 定格容量の水を入れたとき,使用中に湯が吹きこぼれない構造であること。 

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(13) 外郭として用いる絶縁物並びに器体の外面に露出している表示灯,ヒューズホルダ,その他これらに

類するもの及びそれらの保護カバーは,質量が250gでJIS K 7202(プラスチックのロックウェル硬さ

試験方法)に規定するロックウェル硬さHRR100の硬さに表面をポリアミド加工した半径が10mmの

球面をもつおもりを20cmの高さから垂直に落としたとき,又はこれと同等の衝撃力をその球面をも

つものによって加えたとき,感電,火災などの危険を生じるおそれがあるひび,割れその他の異常が

生じないこと。ただし,器体の外面に露出している表示灯,ヒューズホルダ,その他これらに類する

もの及びそれらの保護カバーであって,表面積が4cm2以下であり,器体の外郭の表面から10mm以上

突出していないものは,この限りでない。 

(14) 半導体素子を用いて温度などを制御するものは,それらの半導体素子が制御能力を失ったとき,制御

回路に接続された部品が燃焼するおそれがないこと。 

(15) 電動機をもつものにあっては,これらを拘束し,定格電圧に等しい電圧を連続して(タイムスイッチ

をもつものにあっては,その最大時間まで)加えた状態において,感電,火災などの危険が生じるお

それがないこと。 

6.2 

充 電 部 次の各項に適合しなければならない。 

(1) 容易に取り外すことができる部分を取り外した状態で,充電部には,付図に示す試験指が触れないこ

と。 

この場合に,試験指に加える力は,底面は10N {1kgf} ,外面及び開口部は30N {3kgf} とする。 

(2) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部又は人が触れるおそれがあ

る非金属部の表面との間の絶縁距離(空間距離及び沿面距離を含む。)は,表8に適合すること。ただ

し,次の試験を行ったとき,これに適合するものは,この限りでない。 

(a) 極性が異なる充電部相互間を短絡した場合に,短絡回路に接続された部分が燃焼しないこと。ただ

し,その部分が燃焼した場合に,他の部品が燃焼するおそれがないものは,この限りでない。 

(b) 極性が異なる充電部相互間又は充電部と人が触れるおそれがある非充電金属部との間を接続した場

合に,その非充電金属部又は露出する充電部の対地電圧及び線間電圧が,交流の場合は30V以下,

直流の場合は45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部

との間に接続したとき,いずれの場合も抵抗に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感

電の危険が生じるおそれがない場合を除き,1mA以下であること。 

(c) (a)の試験の後に直流500V絶縁抵抗計によって測定した充電部[対地電圧及び線間電圧が交流の場

合は30V以下,直流の場合は45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続したと

き,いずれの場合も抵抗に流れる電流が1mA以下(商用周波数以上の周波数において感電の危険が

生じるおそれがない場合は,1mA以下であることを要しない。)のものを除く。]と人が触れるおそ

れがある非充電金属部との間の絶縁抵抗は0.1MΩ以上であること。 

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表8 絶縁距離 

単位 mm 

線間電圧又は対地電圧 

部 分 

15V以下 

15Vを超え 
50V以下 

 50Vを超え 
150V以下 





製造業者が接続する端子部間 

− 

− 

製造業者が接続する端子部と地絡するおそれがある非充電金属部又は人が
触れるおそれがある非金属部との間 

− 

− 

2.5 




極性が異なる充電部間(開閉機構を
もつものの電線取付端子部を含む。) 

固定している部分であって,じんあい
が侵入するおそれがなく,金属粉が付
着しにくい箇所 

− 

1.2 

1.5 

耐湿性の絶縁被膜をもつもの 

0.5 

− 

− 

その他の箇所 

1.5 

2.5 

充電部と地絡するおそれがある非充
電金属部又は人が触れるおそれがあ
る非金属部との間 

固定している部分であって,じんあい
が侵入するおそれがなく,金属粉が付
着しにくい箇所 

− 

1.2 

1.5 

耐湿性の絶縁被膜をもつもの 

0.5 

− 

− 

その他の箇所 

1.2 

備考 空間距離の測定は,器体の外面には30N {3kgf} ,器体の内部には2N {200gf} の力を,距離が最も小さくなる

ように加えて測定したときの距離とする。 

(3) 充電部相互間又は充電部と非充電部との接続部分は,通常の使用状態において,緩みが生じるおそれ

がないこと。 

(4) コンデンサの外部端子の絶縁距離は,表9に適合すること。 

表9 コンデンサの外部端子の絶縁距離 

単位 mm 

線間電圧又は対地電圧 

部 分 

50V以下 

 50Vを超え 

150V以下 

極性が異なる充電部間 

固定している部分であって,じんあいが侵入す

るおそれがなく,金属粉が付着しにくい箇所 

1.5 

その他の箇所 

1.2 

充電部と地絡するおそれが

ある非充電金属部との間 

固定している部分であって,じんあいが侵入す

るおそれがなく,金属粉が付着しにくい箇所 

1.5 

その他の箇所 

1.5 

(5) がい管に収めた導電部が金属部を貫通する箇所は,導電部が金属部に触れるおそれがないこと。 

(6) 絶縁物の厚さは,次に適合すること。 

(6.1) 器体の外被の材料が絶縁体を兼ねる場合は,機械器具に組み込まれる部分を除き絶縁物の厚さは

0.8mm(人が触れるおそれのないものは0.5mm)以上であって,かつ,ピンホールがないものであ

ること。ただし,質量が250gで,JIS K 7202に規定するロックウェル硬さHRR100の硬さに表面を

ポリアミド加工した半径10mmの球面をもつおもりを表10の左欄に掲げる種類ごとに同表の右欄

に掲げる高さから垂直に3回落としたとき,又はこれと同等の衝撃力をJIS K 7202に規定するロッ

クウェル硬さHRR100の硬さに表面をポリアミド加工した半径10mmの球面をもつ衝撃片によって

3回加えたとき,感電,火災などの危険が生じるおそれがあるひび,割れその他の異常が生じない

ものであって,かつ,ピンホールがないものにあっては,この限りでない。 

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表10 おもりの落下高さ 

単位 cm 

種 類 

高 さ 

人が触れるおそれがないもの 

14 

その他のもの 

20 

(6.2) (6.1)以外のものであって外傷を受けるおそれがある部分に用いる絶縁物の厚さは,0.3mm以上であ

って,かつ,ピンホールがないものであること。ただし,次の(a)及び(b)の試験を行ったときこれに

適合するものであって,かつ,ピンホールがないものにあっては,この限りでない。 

(a) 表11の左欄に掲げる絶縁物が使用される電圧の区分ごとにそれぞれ同表の右欄に掲げる交流電圧

を加えたとき,連続して1分間これに耐えること。 

表11 絶縁物が使用される電圧区分 

単位 V 

絶縁物が使用される電圧の区分 

交流電圧 

30V以下 

 500 

30Vを超え150V以下 

1000 

(b) JIS K 5400(塗料一般試験方法)の6.14に規定する鉛筆引っかき試験を行ったとき,試験片の破れ

が試験板に届かないこと。この場合において,鉛筆引っかき値は,JIS S 6006(鉛筆及び色鉛筆)に

規定する濃度記号が8Hのものとする。 

(6.3) 外傷を受けるおそれがない部分に用いる絶縁物(変圧器の定格周波数の2倍以上の周波数の定格一

次電圧の2倍に等しい電圧を連続して5分間加えたときこれに耐える変圧器のコイル部とコイルの

立上がり引出線との間の部分及び電動機のコイル部とコイルの立上がり引出線との間の部分を除

く。)は,(6.2)(a)の試験を行ったとき,これに適合するものであって,かつ,ピンホールがないも

のであること。ただし,絶縁物の厚さが0.3mm以上であって,かつ,ピンホールがないものにあっ

ては,この限りでない。 

(7) コンデンサ,半導体素子,抵抗器などをもつ絶縁変圧器の二次側の回路,整流後の回路などは,次の

試験を行ったとき,その回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただし,その部品が燃焼した場合

に,他の部品が燃焼するおそれがないものは,この限りでない。 

(a) 表示灯などは,端子相互間を短絡すること[6.2(2)の規定に適合する場合を除く。以下(b)(c)におい

て同じ。]及びヒータ又はフィラメント端子を開放すること。 

(b) コンデンサ,半導体素子,抵抗器,変圧器,コイルその他これらに類するものは,端子相互間を短

絡又は開放すること。 

(c) (a)及び(b)に掲げるもので,金属ケースに納めたものは,端子とケースとの間を短絡すること。ただ

し,部品内部で端子に接続された部分と金属ケースが接触するおそれがないものは,この限りでな

い。 

(d) (a), (b)及び(c)の試験において短絡又は開放したときごとに,直流500V絶縁抵抗計によって測定し

た充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間の絶縁抵抗は0.1MΩ以上であること。 

6.3 

配 線 次の各項に適合しなければならない。 

(1) コード及び機能上やむを得ず器体の外部に露出する電線の貫通孔は,保護スプリング,保護ブッシン

グ,その他の適当な保護装置を使用してある場合を除き,これらを損傷するおそれがないように面取

り,その他の適当な保護加工を施してあること。ただし,貫通部が金属以外のもので,その部分が滑

らかであり,損傷するおそれがない場合は,この限りでない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 器体の内部の配線は,次に適合すること。 

(a) 2N {200gf} の力を加えたとき,高温部に接触するおそれがあるものは,接触した場合に異常が生じ

るおそれがないこと。 

(b) 2N {200gf} の力を加えたときに可動部に接触するおそれがないこと。ただし,危険が生じるおそれ

がない場合は,この限りでない。 

(c) 被覆された電線を固定する場合,貫通部を通す場合は,2N {200gf} の力を加えたときに他の部分に

接触する場合は,被覆を損傷しないようにすること。ただし,危険が生じるおそれがない場合は,

この限りでない。 

(d) 接続器によって接続したものは,5N {500gf} の力を接続した部分に加えたとき,外れないこと。た

だし,2N {200gf} 以上5N {500gf} 未満の力を加えて外れた場合に危険が生じるおそれがない部分

は,この限りでない。 

(3) コード及び機能上やむを得ず器体の外部に露出する電線と内部端子との接続部は,器体の外方に向か

って,器体の自重の3倍の値(器体の自重の3倍の値が10kgを超えるものは100N {10kgf} ,器体の

自重の3倍の値が3kg未満のものは30N {3kgf} の値)の張力を15秒間加えたとき及び器体の内部に

向かって,器体側から5cmの箇所を保持して押し込んだとき,その接続部に張力が加わらず,ブッシ

ングが外れるおそれがないこと。 

(4) 電源電線の取付部は,次に適合すること。 

(a) 電線を確実に取り付けることができる構造であること。 

(b) 二つ以上の電線を一つの取付部に締め付ける場合は,それぞれの電線の間にナット又は座金を用い

てあること。ただし,圧着端子その他の器具によって確実に取り付けることができるものは,この

限りでない。 

(c) 電源電線の取付端子のねじは,電源電線以外のものの取付けに兼用しないこと。ただし,電源電線

を取り付け又は取り外した場合に,電源電線以外のものが脱落するおそれがないものは,この限り

でない。 

(5) コード及び機能上やむを得ず器体の外部に露出する電線は,次に適合すること。 

(a) 通常の使用状態において,耐熱温度を超える場合は,有効な耐熱保護を施してあること。 

(b) 温度100℃を超える部分に触れるおそれがある場合にはビニルコード,ビニルキャブタイヤコード

及びビニルキャブタイヤケーブル以外のものを使用すること。 

6.4 

差込接続器 コードの電源側接続器は,JIS C 8303(配線用差込接続器)に規定する差込接続器を用

いなければならない。 

6.5 

器体とコードの接続に用いる接続器 次に適合しなければならない。 

(1) 刃(ピン)及び刃(ピン)受けの寸法は,JIS C 8303又はJIS C 8358(電気器具用差込接続器)に示

された寸法のものであること。ただし,磁石形のものは除く。 

(2) 刃(ピン)及び刃(ピン)受けのかん合部は,すり割り形又はこれと同等以上の弾性をもつ構造であ

ること。ただし,磁石形のものは除く。 

(3) 差込刃(ピン)受けをもつ接続部は,150±3℃の空気中に1時間放置した後に自然に冷却したとき,

各部に緩み,膨れ,ひび,割れ,変形,その他の異常が生じないこと。 

(4) 抜き差し性能は,通常の使用状態に取り付け,毎分20回の速さで抜き差しを行ったとき,破損,短絡,

溶着,その他の電気的・機械的な異常が生じないこと。この場合に,抜き差しは定格電流で10 000回

行うものとする。 

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10 

C 9213-1988  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(5) 器体とコードを接続する接続器の保持力は,次に示す値でなければならない。 

(a) 差込形のものはJIS C 8358の6.2 (1)によって試験したとき5〜60N {0.5〜6kgf} とする。 

(b) 磁石形のものは,JIS C 8358の6.2 (1)によって試験したとき,10〜60N {1〜6kgf} ,及びJIS C 8358

の6.2 (2)によって試験したとき,20N {2kgf} 以下であること。 

6.6 

コ ー ド JIS C 3301(ゴムコード)に規定されたゴム絶縁平形袋打コード,JIS C 3306(ビニルコ

ード)に規定された平形ビニルコード,JIS C 3312(600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル),JIS 

C 3327(600Vゴムキャブタイヤケーブル),又はこれらと同等以上の特性があるものを用い,その最小公

称断面積の値は表12によるものとし,長さ(有効長)は1.4m以上でなければならない。 

表12 コードの公称断面積 

電 流(4)A 

コードの公称断面積(5)mm2 

 7以下 

0.75 

12以下 

1.25 

17以下 

2.0 

注(4) 定格消費電力を定格電圧で除した値をいう。 

(5) コードの絶縁物の材質がビニル混合物(耐熱性

をもつものを除く。),天然ゴム混合物の場合を
示す。 

6.7 

スイッチ JIS C 8304(屋内用小形スイッチ類)又はこれと同等以上の品質のもので,その取付箇所

に応じて適当な耐熱性をもつか,又は耐熱保護を施してあること。 

6.8 

自動スイッチ 構造が丈夫であり,動作が確実で,電路遮断のときに連続アークを生じないもので

なければならない。 

6.9 

自動温度調節器 次の各項に適合しなければならない。 

(1) 構造が丈夫であり,動作が確実で,電路断続のときに連続アークを生じないこと。 

(2) 温度可変形のものの動作温度の調節については,その操作が容易であり,確実にできる構造であるこ

と。 

6.10 温度過昇防止装置 

6.10.1 温度過昇防止器 構造が丈夫であり,動作が確実で,アークによって短絡してはならない。 

6.10.2 温度ヒューズ 温度ヒューズ及びその取付部は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 可溶体の材料は,容易に変質しないものであること。 

(2) 取付端子の材料は,取付けに支障のない硬さであること。 

(3) 溶断することによって,その回路を完全に遮断できること。 

(4) 溶断するときに,アークによって短絡せず,また,地絡するおそれがないこと。 

(5) 溶断するときに,温度ヒューズを納めているふた,箱又は台が損傷しないこと。 

(6) 取付端子は,温度ヒューズを容易に,また,確実に取り付けることができるもので,締め付けるとき,

温度ヒューズのつめが回らないこと。 

(7) 皿形座金を使用する場合,温度ヒューズ取付面の大きさは,皿形座金の底面の大きさ以上であること。 

(8) 取付端子のねじは,温度ヒューズ以外の部品の取付けに兼用しないこと。ただし,温度ヒューズを取

り付け又は取り外した場合に,温度ヒューズ以外の部品の取付けが緩むおそれがないものは,この限

りでない。 

(9) 非包装温度ヒューズを取り付けるものは,温度ヒューズと器体との間の空間距離は4mm以上である

こと。 

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(10) 取付部に定格動作温度を容易に消えない方法によって表示してあること。この場合,銘板に表示して

あってもよい。ただし,取り替えることができない温度ヒューズは,この限りでない。 

6.11 発 熱 体 次の各項に適合しなければならない。 

(1) 電熱線(帯)は,JIS C 2520(電熱用合金線及び帯)に規定する鉄クロム電熱線2種又はこれと同等

以上の品質のものを用いてあること。 

(2) 発熱体は,堅ろうに取り付けてあること。 

(3) 発熱線は,これが断線した場合に,人が容易に触れるおそれがある非充電金属部又はこれと電気的に

接続している非充電金属部に触れるおそれがないように取り付けてあること。 

(4) 発熱体の取付面は,重力又は振動によって容易に動かないこと。 

7. 材 料 次の各項に適合しなければならない。 

(1) 器体の材料は,通常の使用状態における温度に耐えること。 

(2) 電気絶縁物及び熱絶縁物は,これに接触又は近接する部分の温度に十分耐え,吸湿性の少ないもので

あること。ただし,吸湿性の熱絶縁物で,通常の使用状態において危険が生じるおそれがないものは,

この限りでない。 

(3) 器体の部品及び構造材料は,ニトロセルロース系セルロイドその他これに類する可燃性物質でないこ

と。 

(4) アークが達するおそれがある部分に使用する電気絶縁物は,アークによって有害な変形,有害な絶縁

低下などの変質が生じないものであること。 

(5) 鉄及び鋼(ステンレス鋼を除く。)は,めっき,塗装,油焼き,その他の適当なさび止めを施してある

こと。ただし,酸化することによって危険が生じるおそれがない部分に使用するものは,この限りで

ない。 

(6) 接続器及び開閉器の刃及び刃受けの部分は,銅,銅合金又はこれと同等以上のものであること。 

(7) 導電材料であって(6)以外の部分は,銅,銅合金,ステンレス鋼,めっきを施した鉄若しくは鋼又はこ

れらと同等以上の電気的,熱的及び機械的な安定性をもつものであること。ただし,弾性を必要とす

る部分その他構造上やむを得ない部分であって,危険が生じるおそれがない場合は,この限りでない。 

(8) 使用中水と接する部分の材料は,有害な化学的変化及び有害な物質が溶出するおそれがないこと。 

8. 試験方法 

8.1 

構造試験 6., 7.及び11.の規定に適合しているかどうかを調べる。 

8.2 

電圧変動試験 8.5.1の試験に示す条件で,電源電圧を定格電圧の上下10%変化させて通電する。 

8.3 

消費電力試験 8.5.1において消費電力の値がほぼ一定となったとき測定する。 

8.4 

絶縁性能試験 

8.4.1 

絶縁抵抗試験 8.5.1の前後において直流500V絶縁抵抗計で充電部と地絡するおそれがある非充電

部との間の絶縁抵抗を測定する。ただし,発熱体がシーズ式ヒータのものは,充電部と非充電部との間に

500Vの直流電圧を最高1分間充電させてから測定する。 

8.4.2 

耐電圧試験 8.5.1の直後に行う絶縁抵抗試験のうち,充電部と地絡するおそれがある非充電部と

の間に,1 000Vの交流電圧を1分間加える。ただし,複数個の場合は,1.2倍の電圧を1秒間加えること

によって,これに代えることができる。 

8.4.3 

いっ(溢)水時の絶縁抵抗試験 次によって試験を行う。 

12 

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(1) 8.5.1平常温度試験の15分後に連続して5分間いっ水させ,器体の外郭表面に付着した水分をふき取

り,直流500V絶縁抵抗計で充電部と地絡するおそれがある非充電部との間の絶縁抵抗を測定する。 

なお,いっ水量は,口の周辺1cm当たり0.2l/分(最高20l)とする。 

(2) (1)の試験の後に定格電圧を加えて,湯の温度がほぼ一定となったとき,直流500V絶縁抵抗計で充電

部と地絡するおそれがある非充電部との間の絶縁抵抗を測定する。ただし,シーズ式ヒータを使用し

たものは,充電部と地絡するおそれがある非充電部との間に500Vの直流電圧を最高1分間充電させ

てから測定する。 

8.5 

温度試験 

8.5.1 

平常温度試験 次の試験条件において,熱電温度計法(巻線は抵抗法)によって測定する。 

(1) 器体は,厚さ10mm以上の表面が平らな木台の上に置くこと。 

(2) 容器に定格容量の水を入れ,自動温度調節器付きのものは,最高目盛温度に合わせて定格電圧で通電

し,各部の温度がほぼ一定したときの値又はある点から温度下降を始めるものは,その頂点の値を測

定する。 

(3) コードリール機構をもつものは,コードを30cm引き出した状態とする。 

8.5.2 

異常温度試験 供試品を厚さ10mm以上の表面が平らな木台の上に置き,自動温度調節器又は自動

スイッチをもつものは,これらの接点(半導体式のものにおいては,制御用半導体)を短絡し,自動温度

調節器又は自動スイッチをもたないものはそのまま,容器に水を入れない状態で,定格電圧を各部の温度

がほぼ一定となるまで(温度ヒューズ又は非自己復帰形温度過昇防止器が動作したときは,そのときまで。)

連続して加える。 

8.6 

自動スイッチ試験 自動スイッチを本体から外して次の試験を行う。ただし,取外しの困難なもの

は,取り付けたままで行ってもよい。 

(1) 自動スイッチが接続される回路の定格電圧に等しい電圧を加え,その回路の最大使用電流に等しい電

流を通じ,加熱して回路を開く操作を1 000回行い,更に電流を通じないで開路又は閉路する操作を

それぞれ4 000回行うこと。 

(2) (1)に規定する試験の前後において,自動スイッチを恒温槽に入れ,自動スイッチが接続される回路の

電圧に等しい電圧を加え,その回路の最大使用電流に等しい電流を通じ,温度を1分間に1℃の割合

で上昇させて開路させる操作を15回行い,開路したときの自動スイッチに近接した空気の温度(第1

回から第5回までの操作における温度を除く。)を熱電温度計法によって測定する。 

8.7 自動温度調節器及び自己復帰形温度過昇防止器性能試験 電熱装置から発生する熱によって動作し,

かつ,接点を機械的に開閉することによって温度を調節する構造の自動温度調節器及び自己復帰形温度過

昇防止器は,これらを本体から取り外して次の試験を行う。ただし,取外しの困難な構造のものは,取り

付けたままで行ってもよい。 

(1) 開閉試験 自動温度調節器又は自己復帰形温度過昇防止器が接続される回路の定格電圧に等しい電圧

を加え,その回路の最大使用電流に等しい電流を通じ,加熱して回路を開き,冷却して回路を閉じる

操作を5 000回行う。 

(2) 動作温度試験 (1)に規定する試験の前後に恒温槽に入れ,温度を1分間に1℃の割合で上昇させて開

路させた後に1分間1℃の割合で下降させて閉路させる操作を15回行い,開路したとき及び閉路した

ときの温度(第1回から第5回までの操作における温度を除く。)を温度計法によって測定する。この

場合,試験品には,これが接続される回路の定格電圧に等しい電圧を加え,その回路の最大使用電流

を通じておくこと。 

13 

C 9213-1988  

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8.8 

非自己復帰形温度過昇防止器性能試験 温度によって動作する非自己復帰形温度過昇防止器は,こ

れを本体から取り外して次の試験を行う。ただし,取外しの困難な構造のものは,取り付けたままで行っ

てもよい。 

(1) 開閉試験 非自己復帰形温度過昇防止器が接続される回路の定格電圧に等しい電圧を加え,その回路

の最大使用電流に等しい電流を通じ,加熱して回路を開く操作を1 000回行う。 

(2) 動作温度試験 (1)に規定する試験の前後に恒温槽に入れ,温度を1分間に1℃の割合で上昇させて開

路させる動作を15回行い,開路させたときの温度(第1回から第5回までの動作における温度を除く。)

を温度計法によって測定する。この場合,試験品にはこれが接続される回路の定格電圧に等しい電圧

を加え,その回路の最大使用電流に等しい電流を通じておくこと。 

8.9 温度ヒューズ試験 温度ヒューズを水平にして恒温槽に入れ,温度を1分間に1℃の割合で上昇させ,

温度ヒューズが溶断したとき,熱電温度計法によって温度ヒューズに近接した空気の温度を測定する。 

8.10 水温の温度保証試験 8.5.1平常温度試験の状態において試験を行い,水のほぼ中央水温が,ほぼ一

定となったときの水温を測定する。測定値に最高値と最低値をもつものにあっては,最高値と最低値の平

均値を測定する。 

また,普通形電気ポットで自動スイッチ付きのものは,自動スイッチが働いたときとする。ただし,周

囲温度は,20±2℃とする。 

8.11 効率試験 8.5.1平常温度試験の状態において試験を行い,水温が30℃から90℃(90℃までに自動ス

イッチ,自動温度調節器などが動作するものは,その動作したときの温度。)まで上昇する間の効率を次の

式によって算出する。ただし,試験の周囲温度は,20℃,通電開始時の水温は20℃とする。 

100

24

.0

)

(

1

2

×

t

P

T

T

Q

η

ここに, 

η: 効率 (%)  

Q: 水量(定格容量ml) 

T2: 90℃(90℃までに動作するものはそのときの温度) 

T1: 30℃ 

P: 電力 (W)  

t: 水温が30℃から90℃まで上昇するのに要した時間(秒) 

(90℃までに動作するものはそのときまでの時間) 

備考 容器にはふたをし,水温測定箇所は水の中央部とする。 

8.12 転倒流水試験 定格容量の水を入れ,定格電圧を加えて水温がほぼ一定となった後,図1に示すよ

うな水平に保ったゴムなどの滑り止めのある台の上に載せ静かに台を傾けていき,厚さ30mmのラワン板

上に転倒させ10秒間の湯の流出水量を測定する。転倒方向は図2に示すように注ぎ口に対し横方向及び後

方向とし,一方の転倒方向での試験が終わった後,他方のそれに影響を与えない状態(例えば,ベローズ

内の湯は出し切る。)で行う。このとき取っ手は上向きにしておく。 

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14 

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図1 

図2 

8.13 湯沸し用電熱線の耐久性試験 ポットの容器に定格容量の約80%の水を入れ,自動温度調節器及び

制御回路を短絡して電熱線に120Vの電圧を加え30分間通電,10分ないし15分間休止する操作を1回と

し,この操作を50回行う。 

湯沸し時に通電される保温用電熱線がある場合は,その保温用電熱線を湯沸し用電熱線として扱い,湯

沸し用電熱線と同時に試験する。 

8.14 容器の耐久性試験 8.13の方法によって試験する。 

備考 8.13及び8.14の試験中,水が減ってきたときは適宜水を補給し定格容量の50〜80%に保つ。 

8.15 コード接続部の折曲げ試験 

(1) 器体とコード接続部の折曲げ試験 コードが接続器を使用しないで接続される場合,それらの電線が

器体を貫通する部分(以下,貫通部という。)は,図3に示す試験装置の可動板の中心にその貫通部に

取り付けたプロテクタ先端部を一致させ,かつ,コードが可動範囲の中央で折り曲がらずに鉛直にな

るように器体を可動板に取り付け,コードの先に500gのおもりをつるし,可動板を左右交互に各60゜

の角度で毎分40回の速さで連続して2 000回往復する操作を行う。 

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15 

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図3 

備考1. 回数の数え方は,①〜②をもって1回,③〜④をもって1回とする。 

2. 可動板の動きは,滑らかに行うものとする。 

(2) コード付き一体成形の差込みプラグの折曲げ試験 コード付き一体成形された差込みプラグを図4に

示すように試験装置の可動板の中心にプロテクタ先端部を一致させ,かつ,コードが可動範囲の中央

で折り曲がらずに鉛直になるように取り付け,コードの先に500gのおもりをつるし,可動板を左右交

互に各60゜の角度で毎分40回の速さで連続して5 000回往復する操作を行う。 

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16 

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図4 

備考1. 回数の数え方は,①〜②をもって1回,③〜④をもって1回とする。 

2. 可動板の動きは,滑らかに行うものとする。 

8.16 耐落下衝撃試験 水平で表面が平らなコンクリート床上に,大きさ約150×150cm,厚さ約3cmのラ

ワン板を置き,その中央部に器体の底面がラワン板の面に平行になるように器体をひもでつり下げ,70cm

の高さから1回落下させる(図5参照)。 

図5 

備考1. 試験は,無通電で行う。 

2. 工具なしで取り外せる附属品は,取り外して行う。 
3. 試験は,水を入れないで行う。 
4. じか付けのコードは,落下させる際邪魔にならない

よう器体上部に束ねておく。 

8.17 保温材及び断熱材の燃焼性試験 試験は,次によって行う。 

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17 

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(1) 試 験 片 

(a) 試験片の寸法は,本体の密度が一均な箇所から,原則として次に示す大きさのものを切り取り,す

べてのごみは取り去る。ただし,厚さについて,次の寸法が取れないものは原寸法のままとする。 

幅 

:  50±1mm 

長さ 

: 150±1mm 

厚さ 

:  13±1mm 

(b) 試験片は,2個とする。 

(2) 試験装置 

(a) 試験装置は,図6のとおりとする。 

図6 

(b) 装置に使用する各部の寸法は,次のとおりとする。 

金網はJIS G 3555(織金網)の線径0.8mm,金網の目の開き6.4mm,長さ216mm,幅76mmのも

のを使用し,金網の一端は90度の角度に折り曲げ,13mmの縁を形成していること。バーナは口径

11mmのブンゼンバーナを使用する。 

(c) 試験室は,無風状態であること。 

(3) 試験方法 

(a) 金網が水平位置になるように,二つのリングスタンドによって位置を決める。 

(b) ブンゼンバーナは,その青色炎が38mmになるように調整する。バーナを金網の直角に曲げた部分

の下に置き,炎が金網の垂直断面と同一ラインになるように調整する。 

(c) 試験片は,短片の面が垂直に折り曲げた金網の面に接するように置く。ただし,金網の面に接し得

ない変形した試験片の場合は,炎の当たる位置に最も近づくように置く。 

(d) ブンゼンバーナの上部の縁と金網の下側の縁との距離は13mmとする。 

(e) ガスは,JIS K 2240に規定する1種1号を用いる。 

(f) 試験片に炎を近づけてから1分後にブンゼンバーナを試験片から少なくとも20cm離し,燃焼状態

を観察する。 

9. 検 査 

18 

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9.1 

形式検査 8.の試験方法によって,原則として次の順序で検査を行ったとき,5.,6.,7.及び11.の規

定に適合しなければならない。ただし,(1)及び(9)〜(14)の検査は,同一品で行わなくてもよい。 

(1) 構 造 

(2) 電圧変動特性 

(3) 消費電力 

(4) 絶縁性能(絶縁抵抗,耐電圧) 

(5) 平常温度 

(6) 異常温度 

(7) 水温の温度保証 

(8) 効 率 

(9) 転倒流水 

(10) 湯沸し用電熱線の耐久性 

(11) 容器の耐久性 

(12) コード接続部の折曲げ 

(13) 耐落下衝撃性 

(14) 保温材及び断熱材の難燃性 

9.2 

受渡検査 (1)は抜取りによって,(2)及び(3)は全数を8.の試験方法で試験を行い,5.の規定に適合し

なければならない。ただし,受渡当事者間の協定によって,検査項目の一部又は全部を省略することがで

きる。 

(1) 消費電力 

(2) 耐 電 圧 

(3) 絶縁抵抗 

10. 製品の呼び方 種類による。 

(1) 普通形電気ポットは,単に電気ポットと呼んでもよい。 

(2) 自動形電気ポットは,単に自動ポットと呼んでもよい。 

11. 表 示 製品には,見やすいところに容易に消えない方法によって,次の事項を表示しなければなら

ない。 

(1) 種類(普通形は省略して電気ポットと表示してもよい。自動形は“自動ポット”などのように自動で

ある旨が表示してあればよい。) 

(2) 定格電圧 (V)  

(3) 定格消費電力 (W)  

(4) 定格容量 (l)  

(5) 製造年又はその略号 

(6) 製造業者名又はその略号 

12. 使用上の注意事項 使用上特に注意する事項があるときは,本体,下げ札又は取扱説明書などに明記

しておかなければならない。 

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19 

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付図 試 験 指 

備考1. この試験指は,本体8.16耐落下衝撃試験後の充電部の露出について用いる

[本体5.15及び6.2 (1) 参照]。 

2. 角度の許容差は,±5ʼとする。 

3. 寸法の許容差は,25mm未満にあっては

0

05

.0

mm,25mm以上にあっては

±0.2mmとする。 

4. 使用材料は,黄銅とする。 
5. 試験品の導電部は,一括して接続する。 
6. 電源電圧は,一定電圧以下の任意の電圧(40V以上)としてもよい。 

引用規格: 

JIS C 2520 電熱用合金線及び帯 

JIS C 3301 ゴムコード 

JIS C 3306 ビニルコード 

JIS C 3312 600Vビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル 

JIS C 3327 600Vゴムキャブタイヤケーブル 

JIS C 8303 配線用差込接続器 

JIS C 8304 屋内用小形スイッチ類 

JIS C 8358 電気器具用差込接続器 

JIS G 3555 織金網 

JIS K 2240 液化石油ガス(LPガス) 

JIS K 5400 塗料一般試験方法 

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JIS K 7202 プラスチックのロックウェル硬さ試験方法 

JIS S 6006 鉛筆及び色鉛筆 

対応国際規格: 

IEC 335-2-15 Safety of household and similar electrical appliances. Part 2 : Particular require-ments 

for appliances for heating liquids 

IEC 530 Methods for measuring the performance of electric kettles and jugs for house-hold and 

similar use 

家庭電器部会家庭用電熱器具専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

富 沢 一 行 

財団法人日本電気用品試験所 

横 江 信 義 

通商産業省機械情報産業局 

稲 葉 裕 俊 

資源エネルギー庁公益事業部 

前 田 勲 男 

工業技術院標準部 

吉 満 行 孝 

通商産業省通商産業検査所 

佐々木 弘 明 

自治省消防庁消防研究所 

熊 田 泰 治 

三菱電機ホーム機器株式会社 

美 田 節 男 

鳥取三洋電機株式会社 

鈴 木 栄 治 

株式会社東芝家電事業本部 

三 谷 義 徳 

松下電器産業株式会社電化本部 

大 熊   明 

社団法人日本電機工業会 

石 崎 貞 博 

日本電熱機工業協同組合 

大 熊 礼 子 

主婦連合会 

吉 田 静 江 

消費科学連合会 

片 岡   茂 

国民生活センター 

飛 田 恵理子 

全国地域婦人団体連絡協議会 

渡 辺   厚 

財団法人日本消費者協会 

岩 崎 泰 子 

東京友の会 

竹 村   章 

全国電器小売商業組合連合会 

齋 藤 有 常 

日本百貸店協会 

吉 田 孝 一 

社団法人日本電機工業会 

山 田 一 宣 

松下電器産業株式会社電化調理事業部 

木 村 義 弘 

象印マホービン株式会社 

大日向 昭 一 

株式会社東芝家電機器事業部 

(事務局) 

五十嵐 重 雄 

工業技術院標準部電気・情報規格課 

穐 山 貞 治 

工業技術院標準部電気・情報規格課 

長 谷 亮 輔 

工業技術院標準部電気・情報規格課