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C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲及び目的

1

2

  引用規格

2

3

  サンプリング

2

4

  表示

3

5

  試験の概要

3

6

  合格基準

6

7

  著しい目視上の不適合

7

8

  試験報告書

7

9

  変更

8

10

  試験

8

10.1

  目視検査

8

10.2

  最大出力の決定

8

10.3

  絶縁試験

9

10.4

  温度係数の測定

10

10.5

  公称動作セル温度(NOCT)の測定

12

10.6

  基準状態(STC)及び NOCT における特性試験

14

10.7

  低放射照度における特性試験

15

10.8

  屋外暴露試験

16

10.9

  ホットスポット耐久試験

16

10.10

  紫外線前処理試験

19

10.11

  温度サイクル試験

20

10.12

  結露凍結試験

21

10.13

  高温高湿試験

22

10.14

  端子強度試験

23

10.15

  湿潤漏れ電流試験

24

10.16

  機械的荷重試験

25

10.17

  降ひょう(雹)試験

26

10.18

  バイパスダイオード温度試験

28

10.19

  光照射試験

30

 


C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技

術振興協会(OITDA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 8991:2004 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

8991

:2011

(IEC 61646

:2008

)

地上設置の薄膜太陽電池(PV)モジュール−

設計適格性確認試験及び形式認証のための

要求事項

Thin-film terrestrial photovoltaic (PV) modules-

Design qualification and type approval

序文

この規格は,2008 年に第 2 版として発行された IEC 61646 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲及び目的

この規格は,JIS C 60721-2-1 に定義している,一般屋外の気候下での長期運転に適した地上設置の薄膜

太陽電池モジュールの設計適格性確認試験及び形式認証のための要求事項について規定する。

この規格は,JIS C 8990 が対象としない全ての地上設置平板形太陽電池モジュール(以下,モジュール

という。

)に適用することを意図している。

ここで実施する一連の試験及び試験シーケンスは,地上設置の結晶シリコン太陽電池モジュールの設計

適格性確認及び形式認証について規定する JIS C 8990 を基にしている。

ただし,

この試験シーケンスでは,

各試験前後の出力基準を満たすかどうかは考慮せず,全ての試験の終了後,かつ,モジュールに光照射し

た後の測定で,最小定格出力の規定の割合(パーセント)を満たすかどうかを基準としている。これによ

って,試験で生じる変化を正確に測定するために必要な固有の前処理が不要になる。

この規格は,集光装置付モジュールには適用しない。

この試験シーケンスの目的は,モジュールの電気的特性及び温度的特性を決定し,かつ,費用及び時間

の制約内で,できるだけモジュールが適用範囲で規定する気候に長時間さらしても耐えられることを示す

ことである。適格性を確認したモジュールの実際の期待寿命は,モジュールの設計,環境及び運転される

条件に影響を受ける。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61646:2008

,Thin-film terrestrial photovoltaic (PV) modules−Design qualification and type

approval(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。


2

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 8904-2

  太陽電池デバイス−第 2 部:基準太陽電池デバイスに対する要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60904-2,Photovoltaic devices−Part 2: Requirements for reference solar

devices(MOD)

JIS C 8904-3

  太陽電池デバイス−第 3 部:基準太陽光の分光放射照度分布による太陽電池測定原則

注記  対応国際規格:IEC 60904-3,Photovoltaic devices−Part 3:Measurement principles for terrestrial

photovoltaic (PV) solar devices with reference spectral irradiance data(MOD)

JIS C 8904-7

  太陽電池デバイス−第 7 部:太陽電池測定でのスペクトルミスマッチ補正の計算方法

注記  対応国際規格:IEC 60904-7,Photovoltaic devices−Part 7:Computation of the spectral mismatch

correction for measurements of photovoltaic devices(IDT)

JIS C 8990

  地上設置の結晶シリコン太陽電池(PV)モジュール−設計適格性確認及び形式認証のた

めの要求事項

注記  対応国際規格:IEC 61215,Crystalline silicon terrestrial photovoltaic (PV) modules−Design

qualification and type approval(IDT)

JIS C 60068-1:1993

  環境試験方法−電気・電子−通則

注記  対応国際規格:IEC 60068-1,Environmental testing. Part 1: General and guidance(IDT)

JIS C 60068-2-21:2002

  環境試験方法−電気・電子−端子強度試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60068-2-21,Environmental testing−Part 2-21: Tests−Test U: Robustness of

terminations and integral mounting devices(MOD)

JIS C 60068-2-78:2004

  環境試験方法−電気・電子−第 2-78 部:高温高湿(定常)試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60068-2-78:2001,Environmental testing−Part 2-78: Tests−Test Cab: Damp

heat, steady state(IDT)

JIS C 60721-2-1

  環境条件の分類  自然環境の条件−温度及び湿度

注記  対応国際規格:IEC 60721-2-1,Classification of environmental conditions−Part 2-1: Environmental

conditions appearing in nature−Temperature and humidity(IDT)

JIS Q 17025:2005

  試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項

注記  対応国際規格:ISO/IEC 17025,General requirements for the competence of testing and calibration

laboratories(IDT)

IEC 60410

,Sampling plans and procedures for inspection by attributes

IEC 60891

,Photovoltaic devices−Procedures for temperature and irradiance corrections to measured I-V

characteristics

IEC 60904-1

,Photovoltaic devices−Part 1:Measurement of photovoltaic current-voltage characteristics

IEC 60904-9

,Photovoltaic devices−Part 9:Solar simulator performance requirements

IEC 60904-10

,Photovoltaic devices−Part 10: Methods of linearity measurement

3

サンプリング

試験用に 8 個のモジュール(必要がある場合,予備を加える。

)は,IEC 60410 に規定する手順に従って,


3

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

一つの生産バッチ又は複数の生産バッチから,無作為にサンプリングする。モジュールは,関連の図面及

び工程に従って,規定の材料及び部品から製造し,かつ,製造業者の品質管理及び検査に適合しなければ

ならない。モジュールは,細部まで全て適切に製造され,かつ,製造業者は,取扱い,取付け及び接続の

ための指示書(許容する最大システム電圧を含む。

)を添付しなければならない。

バイパスダイオード温度試験(10.18)に対して,標準的な試験モジュールにバイパスダイオードを組み

込んでいるためにバイパスダイオードにアクセスできない場合,特別なサンプルを準備してもよい。バイ

パスダイオードは,10.18.2 に規定するように温度センサを付けて,標準的な試験モジュール中にある状態

と同様に物理的に取り付けることが望ましい。このサンプルは,

図 に示す試験シーケンス中のその他の

試験に合格する必要はない。

試験モジュールが新設計の試作品であって量産品ではない場合,そのことを試験報告書に明記する(箇

条 参照)

4

表示

各モジュールには,明瞭に,かつ,容易に消えないように,次の事項を表示しなければならない。

−  製造業者の名称,その略号又は商標

−  形式又は形式番号

−  製造番号

−  端子又はリード線の極性(カラーコードでもよい。

−  モジュールに適用される最大システム電圧

−  製品形式に対して製造業者が規定する,基準状態(Standard Test Conditions:以下,STC という。

)にお

ける最大出力電力(以下,最大出力という。

)の公称値及び最小値

最大出力の最小値は,製造業者が製品の形式に対して規定する最小の安定化出力(例えば,光劣化又は

回復後)を示す。

注記  試験モジュールが新設計の試作品であって量産品ではない場合,モジュールの最小出力定格を

確立するために,この試験シーケンスの結果を用いてよい。

製造日及び製造場所は,表示するか,又は製造番号からトレーサブル(追跡可能)でなければならない。

5

試験の概要

モジュールはグループに分けて,

図 の試験シーケンスに従って,規定の順番で試験する。図 の各試

験項目には,対応するこの規格の箇条番号を示す。試験手順及び試験条件は,初期及び最終測定を含めて,

箇条 10 に規定する。また,10.210.410.6 及び 10.7 の試験に関し,測定される I-V 特性の温度及び放射

照度補正について IEC 60891 に規定する手順は,放射照度の変化に対する出力特性の変化が線形なモジュ

ールにだけ適用することが望ましい。線形性の評価は,IEC 60904-10 による。放射照度の変化に対して非

線形な出力特性の変化をもつモジュールの場合は,これらの試験は,規定放射照度±5 %及び規定温度±

2  ℃で実施しなければならない。

一つの試験の最終測定をシーケンス中の次の試験の初期測定として利用する場合,その測定を繰り返す

必要はない。これらの場合,初期測定を試験から省略する。

診断のために各試験の前後に最大出力(10.2)の中間測定を行ってもよい。

コントロールモジュールは,製造業者の推奨に従って保管するのがよい。


4

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

いかなる単一試験も,試験シーケンスと独立に実施する場合は,10.110.2 及び 10.3 の初期試験の後に

行わなければならない。

試験を実施するとき,試験実施者は,取扱い,取付け及び接続に関する製造業者の指示書を遵守しなけ

ればならない。将来発行予定の IEC 61853 による試験を計画中,又は実施したモジュールタイプについて

は,10.410.510.6 及び 10.7 の試験は省略してもよい。

薄膜技術はいろいろな安定化特性をもち得る。全ての薄膜技術に適用できる単一の安定化手順を定義す

ることは不可能である。この試験手順は,入手したままの太陽電池モジュールを試験し,最終試験前に安

定化状態に到達するようにするものである。

表 に,試験の概要を示す。

表 の試験レベルは,形式認証に必要な最低レベルとする。試験機関とモジュール製造業者とが合意す

る場合は,より厳しい試験レベルで実施してもよい。


5

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

注記  診断のために,個々の試験の前後に最大出力の中間測定(10.2)を行ってもよい。これらの測定にコントロール

モジュールを用いる場合,製造業者の指定に従ってモジュールは前処理してあることを確かめる。

a)

  将来発行予定の IEC 61853 による試験を実施する場合は,省略してもよい。

b)

  開架式設置として設計していないモジュールの場合,NOCT は,製造業者が推奨するように設置したモジュー

ルの標準基準環境における等価平均セル接合部温度によって,置き換えてもよい。

c)

バイパスダイオードが標準モジュール組込みでアクセスできない場合,バイパスダイオード温度試験(10.18
に対して特別なサンプルを準備してもよい。バイパスダイオードは,10.18.2 で要求しているように,温度セン
サをダイオードに付けて,標準的なモジュールと同じように物理的に取り付けなければならない。このサンプ

ルは,試験シーケンス中のその他の試験に合格する必要はない。

図 1−試験シーケンス

10.1

  目視検査

10.2

  最大出力の決定

10.3

  絶縁試験

10.15

  湿潤漏れ電流試験

8 モジュール

1 モジュール

2 モジュール

2 モジュール

10.10

紫外線前処理試験

15 kWh・m

2

10.5 

公称動作セル温度

(NOCT)  の測定

a),b)

10.6 

基準状態 (STC) 及び

NOCT における

特性試験

a)

2 モジュール

10.11 

温度サイクル試験

200 サイクル

−40  ℃∼+85  ℃

1 モジュール

10.8 

屋外暴露試験

60 kWh・m

2

10.11 

温度サイクル試験

50 サイクル

−40  ℃∼+85  ℃

10.12

結露凍結試験

10 サイクル

−40  ℃∼+85  ℃

相対湿度 85 %

1 モジュール

10.17 

降ひょう(雹)試験

1 モジュール

10.16

機械的荷重試験

1 モジュール

1 モジュール

10.14

端子強度試験

10.4 

温度係数の測定

a)

10.7 

低放射照度

における特性試験

a)

10.18 

バイパスダイオード

温度試験

c)

10.9 

ホットスポット

耐久試験

10.15 

湿潤漏れ電流試験

10.15

湿潤漏れ電流試験

10.19

光照射試験

10.13 

高温高湿試験

1 000 h  85  ℃

相対湿度 85 %


6

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

表 1−試験の概要

箇条

試験項目

試験条件

10.1 

目視検査

10.1.2

の詳細検査項目による。

10.2 

最大出力の決定

IEC 60904-1

による。

10.3 

絶縁試験

(DC 1 000 V)+(2×最大システム電圧)で 1 分間耐える。面積が 0.1 
m

2

未満のモジュールの場合,絶縁抵抗は,400 MΩ 以上とする。面積が

0.1 m

2

より大きいモジュールの場合,

(絶縁抵抗の測定値)×(モジュ

ール面積)の値は,40 MΩ・m

2

以上とする。500 V 又は最大システム電

圧のいずれか大きい方の電圧で測定する。

10.4 

温度係数の測定

10.4

による。手引として IEC 60904-10 を参照。

10.5 

公称動作セル温度(NOCT)の
測定

傾斜面放射照度:800 W・m

2

周囲温度:20  ℃

風速:1 m・s

1

10.6 

基準状態(STC)及び NOCT に
おける特性試験

セル温度:25  ℃及び NOCT 
放射照度:JIS C 8904-3 の基準分光放射照度で 1 000 W・m

2

及び

800 W・m

2

10.7 

低放射照度における特性試験

セル温度:25  ℃

放射照度:JIS C 8904-3 の基準分光放射照度で 200 W・m

2

10.8 

屋外暴露試験

抵抗負荷状態で積算日射量 60 kWh・m

2

10.9 

ホットスポット耐久試験

最悪ホットスポット条件で,1 000 W・m

2

の放射照度に 1 時間さらす。

10.10 

紫外線前処理試験

抵抗負荷状態,280∼320 nm の波長範囲で 5 kWh・m

2

の積算照射量,か

つ,280∼385 nm の波長範囲で積算照射量 15 kWh・m

2

10.11 

温度サイクル試験

−40  ℃から+85  ℃までのサイクルを 50 回及び 200 回

10.12 

結露凍結試験

+85  ℃,相対湿度 85 %から−40  ℃までのサイクル 10 回

10.13 

高温高湿試験

+85  ℃,相対湿度 85 %で 1 000 h

10.14 

端子強度試験

JIS C 60068-2-21

による。

10.15 

湿潤漏れ電流試験

10.15

による。

500 V 又は最大定格システム電圧のいずれか大きい方の電圧で測定す
る。試験時間は 1 分間とする。

面積が 0.1 m

2

未満のモジュールの場合,

絶縁抵抗は 400 MΩ 以上とする。

面積が 0.1 m

2

より大きいモジュールの場合,

(絶縁抵抗の測定値)×(モ

ジュール面積)の値は,40 MΩ・m

2

以上とする。

10.16 

機械的荷重試験

表面,裏面交互に 2 400 Pa の均一荷重を,1 時間加える試験を 3 サイク
ル行う。表面の最後のサイクル中,5 400 Pa の積雪荷重を選択できる。

10.17 

降ひょう(雹)試験 11 か所に直径 25 mm の氷球を 23.0 m・s

1

の速度で当てる。

10.18 

バイパスダイオード温度試験

I

SC

及び 75  ℃で 1 時間

I

SC

の 1.25 倍及び 75  ℃で 1 時間

10.19 

光照射試験

P

max

が 2 %以内に安定するまで,抵抗負荷で 600∼1 000 W・m

2

の光を

照射する。

6

合格基準

各試験サンプルが,次の基準を満足する場合,モジュール設計は試験に合格したものとし,認証のため

の要求事項を満たすと判定する。

a)

最終の光照射の後,

STC における最大出力が,箇条 で製造業者が規定する最小値の 90 %以上である。

合格及び不合格基準は,試験機関の測定の不確かさを考慮しなければならない。

b)

試験中いずれのサンプルにも電気回路の開放故障がない。

c)

箇条 で規定する著しい目視上の不適合がない。

d)

試験後,絶縁試験の要求事項を満足する。


7

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

e)

各シーケンスの始め及び終わり並びに高温高湿試験後,湿潤漏れ電流試験の要求事項を満足する。

f)

個々の試験ごとの要求事項を満足する。

二つ以上のモジュールがこれらの試験基準を満足しない場合,モジュール設計は適格性確認試験に対す

る要求事項を満たさなかったとみなす。一つのモジュールが試験のいずれかに不合格の場合,箇条 の要

求事項に合致する,別の二つのモジュールについて関連試験シーケンスの全てを,始めから行う。これら

のモジュールの一つ又は両方とも不合格だった場合,その設計は,適格性確認試験に対する要求事項に合

格しなかったとみなす。しかし,モジュールが両方とも試験シーケンスに合格すれば,その設計は適格性

確認試験に対する要求事項を満足したと判定する。

7

著しい目視上の不適合

設計適格性確認及び形式認証の目的に対して,次の不適合は著しい目視上の不適合とみなす。

a)

表面に,破損又は亀裂がある(スーパーストレート,サブストレート,フレーム及び接続箱を含む。

b)

表面に,モジュールの据付け及び/又は動作を損なう折れ曲がり又は不ぞろいがある(スーパースト

レート,サブストレート,フレーム及び接続箱を含む。

c)

一つのセルにおいて,セル面積の 10 %を超える,モジュール充電部の薄膜層の空隙又は目に見える腐

食がある。

d)

電気回路とモジュール端部との間に,連続する気泡又は

離がある。

e)

モジュールの据付け及び/又は動作を損なう構造的損傷がある。

f)

モジュールの表示(ラベル)が既になくなっているか,又は情報が判読できない。

8

試験報告書

形式認証に続いて,適格性確認試験に関する試験報告書(測定した性能特性,並びに全ての故障及び再

試験の詳細を含む。

)は,JIS Q 17025 に基づき,試験機関が準備しなければならない。試験報告書は,モ

ジュール詳細仕様を含まなければならない。試験報告書には,少なくとも次の情報を含まなければならな

い。

a)

題目

b)

試験機関の名称,住所及び試験実施場所

c)

試験報告書とその各ページに特有の識別(商標など)

d)

製造業者の名称及び住所

e)

試験した製品の説明及び識別

f)

試験項目の内容及び条件

g)

試験サンプルの受付日及び試験日

h)

適用した試験法の識別

i)

サンプリング手順

j)

試験方法からの逸脱,試験方法への追加又は試験方法の除外,及び環境条件などの特定の試験に関連

したその他の全ての情報。

k)

測定値,検査値,及び(適切な表,グラフ,スケッチ,及び写真で裏付けられる)導出結果

これらは,次の事項を含む。

−  温度係数(短絡電流,開放電圧及びピーク出力)

− NOCT


8

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

− NOCT,STC 及び低放射照度における出力

−  ホットスポット耐久試験で計測した,日陰セル上の最高温度

−  紫外線前処理に用いたランプの分光放射照度

−  光照射後の最小出力

−  検出した全ての故障

−  測定した場合の各試験後の最大出力の損失

l)

試験結果の不確かさの推定値に関する説明

m)

試験報告書の内容に責任をもつ者の署名及び役職,又は同等の証明,並びに発行日。

n)

関連のある場合,その結果は試験した項目だけに関係するという趣旨の声明。

o)

試験報告書は,試験機関の書面による許可なしに一部分を複製してはならない旨の内容。

この試験報告書の写しは,参照目的のために試験機関及び製造業者が保管しなければならない。

9

変更

モジュールの設計,材料,部品又はプロセスのいかなる変更も,形式認証を維持するには,試験項目の

幾つか又は全部を繰り返さなければならない。

10

試験

10.1

目視検査

10.1.1

目的

この試験は,モジュール中の目視上の不適合を見つけることを目的とする。

10.1.2

手順

1 000 lx 以上の照度下で,次の状態について注意深く検査する。

−  表面の亀裂,折れ,曲がり,不ぞろい又は裂け目

−  内部接続又はジョイント部の不良

−  充電部の薄膜層の空げき及び目に見える腐食

−  出力接続部,内部接続部及びバスバーの可視腐食

−  接着不良

−  セルとモジュールのエッジとの間に連続する気泡又は

−  プラスチック材料の表面のべとつき

−  誤った接続及び活線部分の露出

−  性能に影響する可能性があるその他の状態

後続の試験でモジュール特性を悪化させたり,

モジュール特性に不利な影響を及ぼすおそれがあるき裂,

気泡,被覆

離などの状態及び位置を記録し,及び/又は写真を撮る。

10.1.3

要求事項

箇条 で規定する著しい目視上の不適合以外の目視状態は,形式認証において許容する。

10.2

最大出力の決定

10.2.1

目的

この試験は,種々の環境試験の前後にモジュールの最大出力を決定することを目的とする。試験の再現

性が最も重要な要素である。

10.2.2

装置


9

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

最大出力の決定には,次の装置を用いる。

a)

照射光源(自然光又は IEC 60904-9 のクラス BBA 以上のソーラシミュレータ)

b)  JIS C 8904-2

に適合する基準太陽電池デバイス。クラス BBA のシミュレータを用いる場合,基準太陽

電池は,分光感度特性を合致させるため,供試品と同じ技術のセルで構成された供試品と同じサイズ

の基準モジュールでなければならない。

c)

供試品及び基準太陽電池を照射光に直角な面に支持する適切な架台

d)  IEC 60904-1

に基づいて I-V 特性を測定する装置

10.2.3

手順

セル温度及び放射照度の特定の条件(推奨範囲は,25∼50  ℃のセル温度及び 700∼1 100 W・m

2

の放射

照度である)

で,

IEC 60904-1

による自然光又は IEC 60904-9 のクラス BBA 以上のシミュレータを用いて,

モジュールの I-V 特性を決定する。モジュールが異なる条件の範囲での運転に対して設計されている場合

には,I-V 特性は,予想される運転条件に類似のセル温度及び放射照度レベルで測定してもよい。

放射照度の変化に対する出力特性の変化が線形な特性のモジュールの場合,セル温度及び放射照度補正

は,IEC 60891 による。放射照度の変化に対する出力特性の変化が非線形なモジュールの場合,測定は規

定セル温度±2  ℃で,また規定放射照度±5 %で行わなければならない。ただし,最大出力測定値は類似

の運転条件下で行われたことを保証するために,最大限の努力を払うのが望ましい。すなわち,ほぼ同じ

セル温度及び放射照度で,

特定のモジュールの最大出力全てを測定することで補正の大きさを最小にする。

注記  試験モジュールを測定するときはいつも,コントロールモジュールを比較のために測定する。

10.3

絶縁試験

10.3.1

目的

この試験は,モジュールの通電部分とフレーム又は外界との間を十分に,かつ,適切に絶縁しているか

どうかを確認することを目的とする。

10.3.2

装置

絶縁試験には,次の装置を用いる。

a)  10.3.4 c)

に準拠して,

(500 V 又は 1 000 V)+(モジュールの最大システム電圧の 2 倍)を印加できる

電流制限付き直流電圧源,及び絶縁抵抗を測定する計測器をもつ電流制限付き直流絶縁試験器。

10.3.3

試験条件

この試験は,周囲温度(JIS C 60068-1 参照)かつ相対湿度 75 %以下で行う。

10.3.4

手順

絶縁試験の手順は,次による。

a)

短絡したモジュールの出力端子を,電流制限付き直流絶縁試験器(以下,試験器という。

)の正極端子

に接続する。

b)

モジュールの露出金属部分を,試験器の負極端子に接続する。モジュールにフレームがない場合,又

はフレームの導電性が低い場合には,モジュールのエッジ回り及び裏面に導電性のはく(箔)をかぶ

せる。モジュールがガラスのスーパーストレートをもたない場合,モジュールの前面にもはく(箔)

をかぶせる。そのはく(箔)を試験器の負極端子に接続する。

c)

最大システム電圧(製造業者がモジュールに表示した最大システム開放電圧)の 2 倍+1 000 V に等し

い電圧まで,500 V・s

1

以下の速さで上昇させ,この電圧に 1 分間保つ。最大システム電圧が 50 V 以

下のときは,印加電圧を 500 V とする。

d)

モジュールと試験器とを接続したままで,印加電圧を 0 まで下げ試験器の端子間を短絡し,モジュー


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C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

ルの残存電荷を放電させる。

e)

短絡を外す。

f)

b)

と同様に接続した試験器で,モジュールに 500 V 以上の直流電圧を印加し,絶縁抵抗を測定する。

500 V 又はモジュールの最大システム電圧のいずれか大きい方の電圧まで 500 V・s

1

以下の速さで上

昇させる。この電圧に 2 分間保つ。その後,絶縁抵抗を測定する。

g)

モジュールと試験器とを接続したままで,印加電圧を 0 まで下げ試験器の端子間を短絡し,モジュー

ルの残存電荷を放電させる。

h)

短絡回路を外し,かつ,試験器をモジュールから切り離す。

10.3.5

要求事項

絶縁試験の要求事項は,次による。

−  絶縁破壊がない,又は 10.3.4 c)において表面にトラッキングが生じない。

−  面積が 0.1 m

2

未満のモジュールの場合,絶縁抵抗は 400 MΩ 以上である。

−  面積が 0.1 m

2

より大きいモジュールの場合,測定した絶縁抵抗×モジュール面積は 40 MΩ・m

2

以上で

ある。

10.4

温度係数の測定

10.4.1

目的

モジュールの測定から,電流の温度係数 α

電圧の温度係数 β,及び最大出力の温度係数 δ を決めること

を目的とする。決定した温度係数は,測定した放射照度で有効である。線形モジュールの場合は,測定が

なされた放射照度±30 %の領域においても有効である。この手順は,代表的なセル温度及びモジュール温

度係数を測定するための IEC 60891 の手順を補足するものである。薄膜モジュールの温度係数は,モジュ

ールの照射履歴及び熱履歴に左右される可能性がある。温度係数に言及する場合,温度試験とともに照射

の条件及び結果に関する履歴を示さなければならない。

10.4.2

装置

温度係数の測定には,次の装置を用いる。これらの装置は,試験条件を制御して測定する必要がある。

a)

試験で用いるタイプの照射光源(自然光又は IEC 60904-9 に適合するクラス BBB 以上のソーラシミュ

レータ)

b)  JIS C 8904-2

に適合し,校正済みで,短絡電流対放射照度特性が既知の基準太陽電池(基準デバイス)

c)

試験モジュールの温度を規定の範囲で変えるために必要な装置

d)

試験モジュール及び基準太陽電池を照射光に対して垂直な同一面に支持するための適切な架台

e)

IEC 60904-1

に基づいて I-V 特性を測定する装置

10.4.3

手順

温度係数の測定は,10.4.3.1 又は 10.4.3.2 の手順で行う。

10.4.3.1

自然光での手順

自然光での温度係数の測定手順は,次による。

a)

自然光中での測定は,次に示す場合だけに行われなければならない。

−  傾斜面放射照度は,対象範囲の上限以上とする。

−  雲,もや又は煙によって引き起こされる放射照度の短時間の変動は,基準太陽電池で測定して,傾

斜面放射照度±2 %未満である。

−  風速は,2 m・s

1

未満である。

b)

基準太陽電池を,試験モジュールと同一平面で両者が±5°以内で太陽光に垂直となるように取り付


11

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

け,必要な計器に接続する。

c)

試験モジュール及び基準太陽電池の温度制御ができる場合,規定の温度に制御装置を設定する。

d)

温度制御ができない場合,周囲温度が±1  ℃以内で一様になるまで試験モジュールと基準太陽電池と

を日射及び風から遮るか,又は試験モジュールの温度が安定するまで,若しくは試験モジュールが要

求試験温度以下になるまで冷却し,その後モジュールを自然に暖めるようにする。基準太陽電池も実

験前に平衡温度を±1  ℃以内に安定化させるのがよい。

e)

試験モジュールの I-V 特性及び温度を記録し,同時に規定の温度での基準太陽電池の短絡電流及び温

度を記録する。必要がある場合,覆いを除いた直後に測定する。

f)

放射照度 G

0

(W・m

2

)は,次の式によって算出する。基準太陽電池の温度 T

m

(℃)を考慮して,基

準太陽電池の相対温度係数 α

rc

を用いて補正するのがよい。

(

)

[

]

25

1

000

1

m

rc

rc

SC

0

×

×

=

T

α

I

I

G

ここに,

α

rc

25  ℃,かつ,1 000 W・m

2

における相対温度係数

T

m

基準太陽電池の温度(℃)

I

SC

基準太陽電池の短絡電流(A)

I

rc

基準太陽電池の STC での校正値(A)

g)

規定の温度を達成し,かつ,維持するために,コントローラによるか,又は試験モジュールを日光に

さらしたり,若しくは日陰に入れたりすることによって,温度を調節する。または,その代わりに,

試験モジュールを自然に暖め,その間に d)のデータ記録手順を周期的に繰り返してもよい。

h)

試験モジュール及び基準太陽電池の温度が安定化し,

かつ,

±1  ℃以内で一定であることを確認する。

また,基準太陽電池で測定する放射照度が各データセットの記録期間中±1 %以内で一定であること

を確認する。全てのデータは,1 000 W・m

2

で測定するか又は IEC 60891 を用いてその放射照度に換

算しなければならない。換算は,IEC 60904-10 で定義するようにモジュールが線形である照度範囲内

でだけ行うことができる。

i)

モジュール温度は,30  ℃以上の対象温度範囲にわたって,ほぼ同じ温度間隔を空け,5 点以上のモジ

ュール温度測定点で,d)∼h)の手順を繰り返す。各試験条件で最低 3 回測定しなければならない。

10.4.3.2

ソーラシミュレータによる手順

ソーラシミュレータによる温度係数の測定手順は,次による。

a)  IEC 60904-1

に従って,室温において所定の放射照度で,モジュールの短絡電流を測定する。

b)

被試験モジュールを試験槽内に据え付ける。適切な放射照度モニタを試験槽外でシミュレータ光束の

中に据え付け,測定器に接続する。

c)

試験槽を閉じ,被試験モジュールが a)で求めた短絡電流を出力するように放射照度を設定する。

d)

モジュールを対象とする温度まで加熱又は冷却する。モジュールが所定の温度に到達した後,短絡電

流(I

SC

),開放電圧(V

OC

)及び最大出力(P

max

)を測定する。30  ℃以上の対象温度範囲にわたって,

約 5  ℃間隔でモジュール温度を変えて,I

SC

V

OC

及び P

max

の測定を繰り返す。

最大出力時の電圧及び電流の温度変化を求めるために,各温度で I-V 特性を測定してもよい。

各測定前に,試験モジュールを正しく前処理する。

10.4.3.3

温度係数の算出

温度係数の算出は,次による。

a)

温度の関数として I

SC

V

OC

及び P

max

の値をプロットし,かつ,各データのセットに対し最小二乗直線


12

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

を描く。

b)

電流,電圧及び最大出力の最小二乗直線の傾斜から,電流の温度係数 α,電圧の温度係数 β 及び最大

出力の温度係数 δ を算出する。

注記 1  試験モジュールの特性が直線性をもつとみなせるかを決定するには,IEC 60904-10 を参照。

注記 2  この手順で測定する温度係数は,温度係数を測定する放射照度においてだけ正しい。パー

セントで表現する相対温度係数は,αβ 及び δ の算出値を 25  ℃の電流,電圧及び最大出

力で除して求めることができる。

注記 3  モジュールの曲線因子(FF)は,温度の関数であるため,最大出力の温度係数として α 

β との積を用いることは,十分ではない。

10.5

公称動作セル温度(NOCT)の測定

10.5.1

目的

この測定は,モジュールの公称動作セル温度(NOCT)を求めることを目的とする。

10.5.2

概要

NOCT は,次の標準基準環境(Standard Reference Environment: 以下,SRE という。)で開放式架台に取

り付けたモジュール内の太陽電池セルの等価平均接合部温度として定義する。

−  傾斜角:水平面から 45°

−  傾斜面放射照度:800 W・m

2

−  周囲温度:20  ℃

−  風速:1 m・s

1

−  電気負荷:なし(開放状態)

NOCT は,屋外動作時のモジュールの温度に対する指針として,システム設計者が用いることができ,

様々なモジュール設計の特性を比較する場合,有用なパラメータである。ただし,ある特定の時刻におけ

る実際の動作温度は,取付構造,放射照度,風速,周囲温度,大気の温度,地面及び近隣物体からの反射

及び放射の影響を受ける。正確な特性予測には,これらの要素も考慮しなければならない。

開放式架台に取り付けるように設計していないモジュールの場合,製造業者が推奨するように取り付け

たモジュールについて,SRE における等価平均太陽電池セル接合部温度を求めるために,この方法を用い

てもよい。

10.5.3

原理

この方法は,SRE を含む一連の環境条件の範囲で実測したセル温度データを集めることが基本である。

セル温度データは,正確で,かつ,再現性があり内挿ができる NOCT のデータを用意する。

太陽電池セル接合部温度(T

J

)は,第一義的には,平均周囲温度(T

amb

,平均風速(V

,及びモジュー

ルの受光面に入射する傾斜面放射照度 G(W・m

2

)の関数である。温度差(T

J

T

amb

)は,周囲温度の影

響をほとんど受けず,400 W・m

2

を超える領域では,放射照度に実質的に比例している。風の状態が適切

な期間で,

T

J

T

amb

)を に対してプロットし,

T

J

T

amb

)の SRE である放射照度 800 W・m

2

における

内挿値に 20  ℃を加えて,暫定的に NOCT 値を求める。最終的には,試験期間中の平均温度及び平均風速

に依存する補正係数を加味して,20  ℃及び 1 m・s

1

での値に補正する。

10.5.4

装置

NOCT の測定には,次の装置を用いる。

a)

規定の方法で試験モジュール及び全天日射計を支持する開放式架台(10.5.2 参照)

。架台は,モジュー

ルからの熱伝導を最小にするように設計する。また,表面及び裏面からの熱放射ができるだけお互い


13

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

に影響しないように設計する。

開放式架台に取り付けるように設計されていないモジュールの場合,製造業者の推奨する方法で取

り付けることが望ましい。

b)

モジュールと同一平面で,試験アレイの 0.3 m 以内に設置した全天日射計。

c)

モジュールの上方約 0.7 m,東方又は西方 1.2 m の所に設置した,風速計及び風向計。

風速計は±10 %の精度で 0.25 m・s

1

又は 0.2 m・s

1

までの風速を測定でき,風向計は±10°の精度

で風向を測定できなければならない。

d)

風速計の近くで換気がよい遮光容器内に設置した,モジュールの時定数に近い時定数をもつ温度計。

e)

各試験モジュールの中心近くの二つの太陽電池セルの裏面に,はんだ若しくは熱伝導性接着剤で取り

付けたセル温度センサ,又は認証のための要求事項を満たすセル温度測定に必要な装置。

f) 5

秒間以内の間隔で,次のパラメータを記録するための±1  ℃の温度測定精度をもつデータ収集シス

テム。

−  放射照度

−  周囲温度

−  セル温度

−  風速

−  風向

10.5.5

試験モジュールの設置

試験モジュールの設置は,次による。

a)

傾斜角  試験モジュールは,赤道面に向けた前面が,水平面(地面)に対して 45°±5°に傾けて据

え付ける。

b)

高さ  試験モジュールの底辺は,水平面又は地面から 0.6 m 以上の高さとする。

c)

構成  試験モジュールは,アレイに構成したモジュールの熱的境界条件を模擬するため,試験モジュ

ールの周囲の全ての方向に 0.6 m 伸びている平面内に据え付ける。単独で,かつ,据え付けが裏面開

放に設計したモジュールの場合,黒いアルミニウム板又は同じ設計のモジュールで残りの平面を覆わ

なければならない。

d)

周囲  南中時刻の前後 4 時間,試験モジュールへの完全な放射照度を妨げる障害物があってはならな

い。モジュールの周囲の地面に異常に高い反射があってはならず,地面は水平又は試験設備から全方

向に傾斜して下がっていなければならない。草,その他の植物及び黒いアスファルト又は土は,周囲

条件として許容する。

10.5.6

手順

NOCT 測定の手順は,次による。

a)  10.5.4

に従い,試験モジュール及び装置を準備する。試験モジュールの端子が開放式であることを確

認する。

b)

風が少なく日当たりがよい快晴の適切な日に,セル温度,周囲温度,放射照度,風速及び風向を,時

間の関数として記録する。

c)

次の条件で得られたデータは除く。

−  放射照度 400 W・m

2

以下

−  データ収集中に放射照度が 10 %を超えて変化した後の 10 分間

−  風速 1.0 m・s

1

±0.75 m・s

1

の範囲外


14

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

−  周囲温度 20  ℃±15  ℃の範囲外,又は 5  ℃より大きく変化しているもの

− 4

m・s

1

を超える突風の後の 10 分間

−  風向が東又は西±20°以内のもの

d)

放射照度 300 W・m

2

以上の 10 点以上の許容データ点を用いて,データ点が南中時刻の前と後との両

方のデータであることを確かめ,

T

J

T

amb

)を放射照度の関数としてプロットする。データ点を通る

回帰直線を引く。

e)

直線から 800 W・m

2

における(T

J

T

amb

)を求め,暫定的に NOCT の値を得るため 20  ℃を加える。

f)

許容データ点に対して,平均周囲温度(T

amb

)及び平均風速(V)を計算し,

図 から適切な補正係数

を決める。

g) 20

℃及び 1 m・s

1

に補正するため,暫定 NOCT 値に補正係数を加える。この和がモジュールの NOCT

である。

h)

別の日に全手順を繰り返し,NOCT の差が 0.5  ℃以内なら NOCT の二つの値を平均する。差が 0.5  ℃

よりも大きい場合は,更に,別の日に全手順を繰り返し,NOCT の三つの値を平均する。

10.6

基準状態(STC)及び NOCT における特性試験

10.6.1

目的

モジュールの電気特性が,

STC(JIS C 8904-3 の基準分光放射照度をもつ 1 000 W・m

2

セル温度 25  ℃)

NOCT 及び JIS C 8904-3 の基準分光放射照度をもつ 800 W・m

2

の放射照度において負荷とともに特性がど

のように変化するかを決めることを目的とする。

10.6.2

装置

STC 及び NOCT における特性の測定には,次の装置を用いる。

a)

照射光源(自然光又は IEC 60904-9 に適合するクラス BBB 以上のソーラシミュレータ)

b)  JIS C 8904-2

に適合する基準太陽電池。クラス BBB のソーラシミュレータを用いる場合,基準太陽電

池は,分光感度特性を合致させるために,同じセル技術で,同じサイズの基準モジュールでなければ

ならない。

c)

照射ビームと直角な面に,供試品と基準太陽電池とを支持する適切な架台。

d)  IEC 60904-1

の箇条 4(Apparatus)に従い,I-V 特性を測定する装置。

e)

供試品の温度を 10.5 で測定した NOCT 温度にするために必要な装置。

10.6.3

手順

STC 及び NOCT における特性の測定は,次の手順による。

10.6.3.1

基準状態(STC

モジュールを 25  ℃に保ち,自然光,又は IEC 60904-9 に適合するクラス BBB 以上のソーラシミュレー

タで,IEC 60904-1 によって,1 000 W・m

2

の放射照度における I-V 特性を測定する。


15

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

図 2NOCT 補正係数

10.6.3.2

公称動作セル温度(NOCT

モジュールを NOCT まで加熱し,均一温度とし,自然光又は IEC 60904-9 に適合するクラス BBB 以上

のソーラシミュレータで,IEC 60904-1 によって,800 W・m

2

(適切な基準太陽電池で測定)における I-V

特性を測定する。

基準太陽電池と試験モジュールとの分光感度特性が合致していない場合,JIS C 8904-7 に従ってスペク

トルミスマッチ補正を行う。

10.7

低放射照度における特性試験

10.7.1

目的

この試験は,モジュールの電気特性が,25  ℃及び 200 W・m

2

(適切な基準太陽電池で測定)の放射照

度において負荷とともにどのように特性が変化するかを,自然光又は IEC 60904-9 に適合するクラス BBB

以上のソーラシミュレータで IEC 60904-1 によって決定することを目的とする。

10.7.2

装置

低放射照度における特性の測定には,次の装置を用いる。

a)

照射光源(自然光,又は IEC 60904-9 に適合するクラス BBB 以上のソーラシミュレータ)

b)  IEC 60904-10

に適合し,分光放射照度分布及び放射照度の均一性に影響を与えずに,放射照度を

200 W・m

2

まで変えるのに必要な装置。


16

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

c)

JIS C 8904-2

に規定する基準太陽電池。

d)

照射ビームと直角な面に,供試品と基準太陽電池とを支持する適切な架台。

e)

IEC 60904-1

の箇条 に従い,I-V 特性を測定する装置。

10.7.3

手順

25  ℃±2  ℃及び 200 W・m

2

の放射照度(適切な基準太陽電池で測定)における I-V 特性を,自然光又

は IEC 60904-9 に適合するクラス BBB 以上のソーラシミュレータを用いて,IEC 60904-1 によって測定す

る。放射照度は中性フィルタ(ND フィルタ)又は分光放射照度分布に影響しない技術を用いて,規定レ

ベルまで下げなければならない(分光放射照度分布を変えないで放射照度を減らす指針に関する IEC 

60904-10

を参照)

10.8

屋外暴露試験

10.8.1

目的

この試験は,モジュールの屋外条件下での耐久性を一次評価し,また,試験機関では検出しにくい相乗

的な劣化効果を把握することを目的とする。

注記  試験期間が短いこと及び試験条件が環境によって変わることから,この試験に合格したことを

もってモジュール寿命を評価する場合には,注意を払う。この試験は,起こる問題に対する指

針又は指標として扱うにとどめる。

10.8.2

装置

屋外暴露試験には,次の装置を用いる。

a)

±50 W・m

2

未満の不確かさで放射照度を測定できる装置。

b)

積算日射量計と同一平面上に,製造業者が推奨するとおりにモジュールを取り付ける手段。

c) STC

でモジュールが最大出力点近くで動作するような負荷。

10.8.3

手順

屋外暴露試験の手順は,次による。

a)

モジュールに抵抗負荷を接続し,屋外の積算日射量計と同一平面に製造業者が推奨するように取り付

ける。モジュールを試験する前に,ホットスポット現象からモジュールを保護するために,製造業者

が推奨する何らかの装置を設けなければならない。

b)  JIS C 60721-2-1

で規定する一般的な屋外気候に適合する条件下で,積算日射量計で測った積算日射量

が 60 kWh・m

2

に達するまでモジュールをさらす。

10.8.4

最終測定

10.1

10.3 の試験を繰り返す。

10.8.5

要求事項

屋外暴露試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合がない。

− STC における最大出力は,製造業者が規定する最小値を超えなければならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

10.9

ホットスポット耐久試験

10.9.1

目的

この試験は,ホットスポット加熱の影響,例えば,はんだの溶融及び封止の劣化に対する,モジュール

の耐久性を確認することを目的とする。この不適合は,セルの不良,日陰又は汚損によって誘発される。

10.9.2

ホットスポットの作用


17

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

ホットスポットの加熱は,日陰にあるセル又は不良のセル(又はセル群)の減少した短絡電流(I

SC

)を

モジュールの動作電流が超えた場合,モジュール内で発生する。このような状態になった場合,影響を受

けたセル又はセル群は逆バイアスが印加されて電力を消費し,過熱を引き起こす。

注記 1  通常,バイパスダイオードは,連続的に接続した薄膜セルの内部接続回路には含まれない。

したがって,日陰にあるセル群の逆電圧は制限されないし,また,モジュール電圧は,セル

群を逆バイアスにさせる。

注記 2  薄膜モジュールの電気的性能は,短時間の日陰によってもマイナスの影響を受ける。最悪状

態の日陰条件で引き起こされる影響とホットスポット耐久試験とは明確に区別する。このた

め,P

max1

P

max2

及び P

max3

が収集される。

注記 3  温度及び相対電力損失は,この試験の判断基準ではないが,設計の安全性を確保するために

最も過酷なホットスポット条件を用いる。

図 は,連続して接続したセルをもつ薄膜モジュールにおいて,日陰に入るセルの数を変えたときのホ

ットスポット効果を示す。日陰セルで消費される電力は,モジュール電流,及び日陰セル群にわたって生

じる逆電圧の積に等しい。いかなる放射照度でも日陰セルを横切る逆電圧がモジュールの残りの照射され

たセルが発電する電圧に等しいとき,最大電力が消費される(最悪状態の日陰条件)

。これは日陰モジュー

ルの短絡電流が日陰のないモジュールの最大出力電流に等しい場合である。

最悪状態の日陰条件は,一度に 4 セルを日陰にした場合である。

図 3−連続して接続したセルをもつ薄膜モジュールにおけるホットスポット効果

10.9.3

セル内部接続の分類

モジュール中の太陽電池セルは,次の方法のいずれかで接続する。

ケース S

:  単一ストリング中の全セルの直列接続(最も一般的なケース)

バイパスダイオードは,

モジュール端子間だけに用いる。

ケース PS

:  並直列接続。すなわち,ある数のセルを直列接続した各ブロックを複数並列に接続す

る。バイパスダイオードは,各ブロックに対して用いる。

ケース SP

:  直並列接続。すなわち,ある数のセルを並列接続した各ブロックを複数直列に接続す

る。パイパスダイオードは,各ブロックに対して用いる。


18

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

各接続構成は,特定のホットスポット試験手順を必要とする。

10.9.4

装置

ホットスポット耐久試験には,次の装置を用いる。

a)

照射光源  自然光,又は IEC 60904-9 に適合する放射照度 1 000 W・m

2

,クラス CCB 以上の定常光式

ソーラシミュレータ

b)

モジュール用 I-V カーブトレーサ

c)

電流測定装置

d)

隣接した試験セル群を完全に覆う適切な大きさの不透明遮蔽板一式

e)

必要がある場合,適切な温度計

10.9.5

手順

ホットスポット試験は,モジュールを 800∼1 000 W・m

2

の照射光源にさらして行う。製造業者が推奨

するホットスポット保護装置は,モジュールを試験する前に取り付けなければならない。

10.9.5.1

ケース S

a)

全く覆われていないモジュールを 800∼1 000 W・m

2

の照射光源にさらす。熱的に安定したとき,モ

ジュールの I-V 特性を測定し,P>0.99 P

max1

の状態で最大出力電流範囲(I

min

II

max

)を決定する(モ

ジュール出力は,前処理後に測定する。

b)

モジュールを短絡し,短絡電流を監視する。

c)

モジュールの端から始めて,

遮蔽板を用いて一つのセルを完全に覆う。

セルに平行に遮蔽板を動かし,

日陰に入らないモジュールの最大出力電流範囲内に短絡電流が入るまで,日陰に入るモジュール面積

(日陰セルの数)を増す。この条件では,最大出力は選ばれたセル群内で消費される。

d)  c)

で決定したモジュール面積を遮蔽する遮蔽板を,セルに平行にモジュール全体に渡ってゆっくり動

かし,モジュール短絡電流を監視する。ある場所で短絡電流が日陰に入らないモジュール範囲の最大

出力電流を超える場合には,最大出力電流条件が再び得られるまでカバーの大きさを少しずつ減らす。

この作業中,放射照度は,±2 %を超えて変化してはならない。

注記  セルの逆バイアス操作は,接合部破壊を引き起こし,モジュール面積全体にわたって不規則

に広がる目に見える斑点の原因となる。これらの不適合は最大出力の低下をもたらす。

e)

遮蔽板の最終幅は,最悪状態の日陰条件を与える日陰の最小面積を決定する。この幅は,ホットスポ

ット試験に用いる日陰面積である。

f)

遮蔽板を取り除き,モジュールの外観を検査する。

g)

モジュール I-V 特性を再測定し,最大出力 P

max2

を決定する。

h)

遮蔽板をモジュール面上に置き,モジュールを短絡する。

i)

モジュールを再び 800∼1 000 W・m

2

の照射光源にさらす。この試験は,50  ℃±10  ℃のモジュール

温度範囲で実施しなければならない。必要がある場合,I

SC

の値に注目し,モジュールを最大出力電流

条件に保つ。I

SC

を a)において規定するレベル内に維持するために,日陰を再調整する。

j) 1

時間の試験時間の間,この条件を維持する。

k)

試験終了の前に,適切な温度検出器を用いて日陰セル上の最高温度部分を特定する。

10.9.5.2

ケース PS

a)

覆われていないモジュールを 800∼1 000 W・m

2

の照射光源にさらす。熱的に安定した後,モジュー

ルの I-V 特性を測定し,最大出力 P

max1

を決定する。

b)

モジュールを短絡し,モジュール内の並列ブロックの 10 %以上を無作為にとり,熱画像装置又はその


19

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

他の適切な手段を用いて最高温度が決定されるまで,日陰にするブロックの面積を増やしていく。

c)

モジュールの I-V 特性を再測定し,最大出力 P

max2

を決定する。

d)  b)

で見い出した日陰を適用し,照射時間を 1 時間として,この間この条件を維持する。

e)

試験終了の前に,適切な温度計を用いて,日陰セル上の最高温度部分を特定する。

10.9.5.3

ケース SP

a)

覆われていないモジュールを 800∼1 000 W・m

2

の照射光源にさらす。熱的に安定したとき,モジュ

ールの I-V 特性を測定し,P>0.99 P

max1

の状態で最大出力動作電流範囲(I

min

II

max

)を決定する。

b)

その後,適用する最大出力動作電流範囲[I(*)]を,次の式によって算出する。

I

min

 / NI

SC

×(N−1) / NI(*)<I

max

 / NI

SC

×(N−1) / 

ここに,

N: モジュールの並列ストリング数

c)

モジュールを短絡し,短絡電流を監視する。

d)

モジュールの端から始めて,

遮蔽板を用いて一つのセルを完全に覆う。

セルに平行に遮蔽板を動かし,

短絡電流が日陰に入らないモジュールの最大出力動作電流範囲[I(*)]内に入るまで,日陰に入るモジ

ュール面積(日陰セルの数)を増す。この条件では,最大出力は,選ばれたセル群内で消費される。

e)

遮蔽板を d)で決定した寸法に切断する。

f)

遮蔽板をセルに平行な方向にモジュール全体に渡ってゆっくり動かし,モジュール短絡電流を監視す

る。ある場所で,短絡電流が覆われていないモジュールの最大出力動作電流範囲[I(*)]を超える場合,

最大出力動作電流条件が再び成立するまで,遮蔽板を 1 セル分ずつ切断する。この作業中,日射強度

は,±2 %を超えて変化してはならない。

g)

モジュール I-V 特性を再測定し,最大出力 P

max2

を決定する。

h)

モジュール面上に遮蔽板を置き,モジュールを短絡する。

i)

モジュールを再び 800∼1 000 W・m

2

の照射光源にさらす。この試験は,50  ℃±10  ℃のモジュール

温度範囲で実施しなければならない。I

SC

の値に注目し,モジュールを最大出力消費条件に保つ。a)で

規定するレベル内に I

SC

を維持するために,必要がある場合,日陰を再調整する。

j)

照射時間は 1 時間とし,この間この条件を維持する。

k)

試験終了の前に,適切な温度検出器を用いて日陰セル上の最高温度部分を特定する。

10.9.6

最終測定

10.1

及び 10.3 の試験を繰り返す。

注記  ホットスポット試験後の出力を,診断目的のために測定してもよい。

10.9.7

要求事項

ホットスポット耐久試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

注記 1  ホットスポット試験中の電力損失に対する要求事項はない。

注記 2  ホットスポット試験中の逆バイアスによって生じるセルの損傷は,薄膜層のボイド又は腐

食とはみなさない。

10.10

紫外線前処理試験

10.10.1

目的

紫外線劣化に敏感なモジュール材料,及び接着による結合部を特定するために,温度サイクル及び結露

凍結試験前に,モジュールを紫外線照射によって前処理することを目的とする。


20

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

10.10.2

装置

紫外線前処理試験には,次の装置を用いる。

a)

紫外線照射中にモジュール温度を制御する装置。この装置は,モジュール温度を 60  ℃±5  ℃に保つ

ことができなければならない。

b)

モジュール温度を±2  ℃の精度で測定し記録するための手段。温度センサは,モジュールの前面又は

裏面の中央近くに取り付けなければならない。モジュールを複数個同時に試験する場合,1 枚の代表

モジュールの温度を監視すればよい。

c)

モジュール試験平面において,紫外線光源からの 280∼320 nm 及び 320∼400 nm の波長範囲の紫外放

射を±15 %の不確かさで測定できる計器。

d)

モジュール試験面全面において放射照度の場所むらが±15 %で,280 nm 未満に放射照度がほとんどな

く,かつ,10.10.3 で規定する対象の波長範囲の必要な照射ができる紫外線光源。

e) STC

においてモジュールが最大出力点近傍で動作するような大きさの負荷。

10.10.3

手順

紫外線前処理試験の手順は,次による。

a)

校正した放射計で,モジュール試験平面の 280∼385 nm の波長範囲の放射照度が 250 W・m

2

(すなわ

ち,自然光レベルの約 5 倍)以下であること,及び放射照度の場所むらが±15 %であることを確認す

る。

b)

抵抗負荷をモジュールに取り付け,試験平面の a)で測定した位置に,紫外線放射に対して直角にモジ

ュールを取り付ける。次に,モジュール温度が 60  ℃±5  ℃であることを確かめる。

c) 280

∼385 nm の波長の放射による積算照射量が 15 kWh・m

2

,かつ,280∼320 nm のエネルギーが全エ

ネルギーの 3∼10 %の範囲にある紫外線を,モジュールに照射する。その間,モジュール温度を規定

範囲に保つ。

10.10.4

最終測定

10.1

及び 10.3 の試験を繰り返す。

10.10.5

要求事項

紫外線前処理試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

10.11

温度サイクル試験

10.11.1

目的

この試験は,温度変化の繰返しに起因する熱的不整合,疲労及びその他のストレスに対するモジュール

の耐久性を調べることを目的とする。

10.11.2

装置

温度サイクル試験には,次の装置を用いる。

a)

自動制御装置,内部の空気を循環するための手段,及び試験中のモジュールへの結露を防止するため

の手段をもち,一つ以上のモジュールを

図 の温度サイクルにさらすことができる環境試験槽。

b)

周囲空気の自由な循環ができるように,試験槽内にモジュールを設置又は支持する手段。架台又は支

持体の熱伝導性は,モジュールに熱的に影響しない程度に低くなければならない。

c)

モジュール温度を,±1  ℃の精度で測定及び記録するための手段。

d)

試験中,各モジュールの内部回路の導通を監視するための手段。


21

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

図 4−温度サイクル試験

10.11.3

手順

温度サイクル試験の手順は,次による。

a)

室温のモジュールを,試験槽内に設置する。

b)

温度監視装置を温度センサに接続する。温度センサは,モジュールの前面又は背面のほぼ中央に取り

付けなければならない。複数のモジュールを同時に試験する場合,1 枚の代表モジュールの温度を監

視すればよい。

c)

試験槽を閉じ,

図 に示すようにモジュール温度を−40  ℃±2  ℃と+85  ℃±2  ℃との間で周期的に

変化させる。下限と上限との間の温度変化速度は 100  ℃/h 以下とし,モジュール温度は,各上下限で

10 分間以上維持しなければならない。1 サイクルの時間は,6 時間以下とする。サイクル数は,図 1

に示す値とする。

d)

試験中,モジュールの温度を記録し,かつ,各モジュールの内部回路の導通状態を監視する。

10.11.4

最終測定

1 時間以上の回復時間の後に,10.1 及び 10.3 の試験を繰り返す。

10.11.5

要求事項

温度サイクル試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

−  試験中に,内部回路の開放故障があってはならない。

10.12

結露凍結試験

10.12.1

目的

この試験は,高温及び高湿度の後に,温度が 0  ℃以下に低下した場合のモジュールの耐久性を調べるこ

とを目的とする。これは熱衝撃試験ではない。

10.12.2

装置

結露凍結試験には,次の装置を用いる。


22

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

a)

自動温湿度制御をもち,一つ以上のモジュールを

図 の結露凍結サイクルにさらすことができる環境

試験槽。

b)

モジュールを試験槽中に取り付けるか又は支える手段。周囲空気の自由な循環ができ,取付台又は支

持台の熱伝導を非常に低くし,実質的にモジュールを熱絶縁しなければならない。

c)

モジュール温度を,±1  ℃の精度で測定及び記録するための手段(複数のモジュールを同時に試験す

る場合,1 枚の代表モジュールの温度を監視すればよい。

d)

試験中,各モジュールの内部回路の導通状態を監視するための手段。

図 5−結露凍結サイクル試験

10.12.3

手順

結露凍結試験の手順は,次による。

a)

適切な温度センサを,モジュールの前面又は裏面のほぼ中央に取り付ける。

b)

モジュールを,室温で環境試験槽に設置する。

c)

温度監視装置を,温度センサに接続する。

d)

試験室を閉じ,

図 に示すようにモジュールに 10 サイクルを施す。温度の上限及び下限は,規定値

±2  ℃,相対湿度は,最高温度(85  ℃)において規定値±5 %に保たなければならない。

e)

試験中,モジュールの温度を記録し,かつ,各モジュールの内部回路の導通状態を監視する。

10.12.4

最終測定

2∼4 時間の回復時間の後で,10.1 及び 10.3 の試験を繰り返す。

10.12.5

要求事項

結露凍結試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

−  試験中に,内部回路の開放故障があってはならない。

10.13

高温高湿試験

10.13.1

目的


23

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

この試験は,湿度の長期にわたる浸透に対するモジュールの耐久性を調べることを目的とする。

10.13.2

手順

高温高湿試験は,JIS C 60068-2-78 に規定するとおりに,次の条件に従って行う。

a)

前処理  室温のモジュールを,前処理なしに試験槽に入れる。

b)

条件  次の条件を適用する。

試験温度:85  ℃±2  ℃

相対湿度:

(85±5)%

試験時間:1 000 時間

10.13.3

最終測定

2∼4 時間の回復時間の後に,10.3 及び 10.15 の試験を繰り返す。その後,10.1 の試験を繰り返す。

10.13.4

要求事項

高温高湿試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

−  湿潤漏れ電流試験は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

10.14

端子強度試験

10.14.1

目的

この試験は,端子及びモジュール本体への端子の取付けの,通常の組立又は取扱作業中に加わりやすい

ストレスに対する耐久性を調べることを目的とする。

10.14.2

端子の種類

モジュール端子は,次の三つに分類される。

−  タイプ A:電線又は接続リード

−  タイプ B:タグ,ねじ付きスタッド,ねじなど

−  タイプ C:コネクタ

10.14.3

手順

端子強度試験の手順は,次による。

前処理:標準的な大気条件に 1 時間さらす。

10.14.3.1

タイプ 端子

引張試験:JIS C 60068-2-21 の試験 Ua

1

に規定するとおりに,次の条件に従って行う。

−  全ての端子を試験する。

−  引張力は,モジュール重量を超えてはならない。

曲げ強さ試験:JIS C 60068-2-21 の試験 Ub に規定するとおりに,次の条件に従って行う。

−  全ての端子を試験する。

−  JIS C 60068-2-21 に規定する方法 1 を 10 サイクル(1 サイクルは各逆方向に 1 回曲げ)

10.14.3.2

タイプ 端子

引張試験及び曲げ強さ試験:

a)

端子が露出しているモジュールの場合,各端子はタイプ A 端子と同様に試験する。

b)

端子が保護箱に入っている場合,次の手順を適用する。

製造業者が推奨する太さ及び種類のケーブルを適切な長さに切って,製造業者が推奨する手順で箱

内の端子に接続する。用意したケーブル押さえ装置を用いて接続線を押さえ,ケーブルを端子箱のケ


24

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

ーブルグランド孔を通して引き出す。箱の蓋を元に戻す。この状態でタイプ A 端子と同様の試験を行

う。

トルク強さ試験:JIS C 60068-2-21 の試験 Ud に規定するとおりに,次の条件に従って行う。

−  全ての端子を試験する。

−  トルクは,JIS C 60068-2-21 

表 5(トルクの厳しさ)の厳しさ 1 を適用する。

ナット又はねじは,永久取付用に特別に設計されていない限り,後で緩めることができることが望まし

い。

10.14.3.3

タイプ 端子

製造業者が推奨する太さ及び種類のケーブルを適切な長さに切って,コネクタの出力端に接続し,タイ

プ A 端子の試験を行わなければならない。

10.14.4

最終測定

10.1

及び 10.3 の試験を繰り返す。

10.14.5

要求事項

端子強度試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

10.15

湿潤漏れ電流試験

10.15.1

目的

この試験は,湿潤運転条件下でのモジュールの絶縁性能を評価すること,及び腐食,地絡又は災害の原

因となる湿気(雨,霧,露又は融雪)がモジュールの充電部に入らないことの検証を目的とする。

10.15.2

装置

湿潤漏れ電流試験には,次の装置を用いる。

a)

フレーム付きモジュールを溶液中に水平に配置できるような十分な大きさの浅い水槽又は容器。試験

中のモジュール表面を濡らすために,容器には次の要求事項を満たす十分な水又は湿潤活性溶液を入

れる。

体積抵抗率:3 500 Ω・cm 以下

温度 :22  ℃±3  ℃

溶液の深さは,浸せきを考慮して設計していない接続箱の入り口を除く全ての表面を覆うのに十分

でなければならない。

b)

同じ溶液が入った噴霧器

c) 500

V 又はモジュールの最大定格システム電圧のいずれか大きい方の電圧を印加することができる直

流電圧源(電流制限付き)

d)

絶縁抵抗測定装置

10.15.3

手順

全ての接続は,推奨する屋外配線と同等とし,モジュールに取り付けた計測用の配線から,漏れ電流が

生じてはならない。湿潤漏れ電流試験の手順は,次による。

a)

浸せきを考慮して設計していない接続箱の入り口を除く全ての表面を覆うのに十分な深さまで,モジ

ュールを規定の溶液を入れた容器中に浸す。配線口は,溶液で完全に噴霧しなければならない。モジ

ュールが接続用コネクタ付きの場合,コネクタを試験中浸せきすることが望ましい。

b)

短絡したモジュールの出力端子を,試験装置の正極端子に接続する。適切な金属線を用いて試験溶液


25

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

を試験装置の負極端子に接続する。

c) 500

V・s

1

以下の上昇速度で 500 V 又はモジュールの最大定格システム電圧のいずれか大きい方の電

圧まで印加電圧を上げる。この電圧を 1 分間維持し,絶縁抵抗を決定する。

d)

モジュールの残存電荷を放電させるために,印加電圧を 0 に下げ,試験装置の端子を短絡する。

追加の試験を続ける前に,溶液は全てモジュールから確実に洗い落とす。

10.15.4

要求事項

湿潤漏れ電流試験の要求事項は,次による。

−  面積が 0.1 m

2

未満のモジュールの場合,絶縁抵抗は 400 MΩ 以上とする。

−  面積が 0.1 m

2

より大きいモジュールの場合,

(絶縁抵抗の測定値)×(モジュール面積)は,40 MΩ・m

2

以上とする。

10.16

機械的荷重試験

10.16.1

目的

この試験は,モジュールの風,雪,静的荷重又は氷荷重に対する耐久性を調べることを目的とする。

注記  ここでは,“荷重”は,太陽電池の片面に広く分布し,かつ,面に垂直方向に加わる単位面積当

たりの力(単位:Pa)を表す。

10.16.2

装置

機械的荷重試験には,次の装置を用いる。

a)

モジュールの前面を上又は下にして取り付けることができる剛性のある試験台。試験台は,力を加え

ている間,モジュールが自由に変形することができなければならない。

b)

試験中,モジュールの電気導通性を監視する装置。

c)

ゆっくりと一様に力を加えることができる,適切なおもり又は荷重発生装置。

10.16.3

手順

機械的荷重試験の手順は,次による。

a)

内部回路の導通を試験中に連続して監視できるようにモジュールをセットする。

b)

製造業者が指定する方法によって,丈夫な支持構造体にモジュールを取り付ける(様々な可能性があ

る場合,固定点間の距離が最大となる最悪の方法を用いる。

c)

モジュールの表面に,一様な力を 2 400 Pa になるまで徐々に加える。この力を,1 時間保持する。

d)

モジュールを丈夫な支持構造体から取り外すことなく,モジュールの裏面に同じ手順を適用する。

e)

ステップ c)及び d)を,3 サイクル繰り返す。

2 400 Pa は,突風に対する安全係数 3 を加味した 130 km・h

1

の風圧(約±800 Pa)に相当する。モジュ

ールが雪及び氷荷重に耐えることが必要である場合,この試験のモジュール表面に加える力は,2 400 Pa

から 5 400 Pa に増やす。

モジュールが 2 400 Pa を超える雪又は風荷重を伴う地域で一般的に使用する場合の適格性確認を必要と

する場合,2 400 Pa より厳しい試験条件が必要になる可能性がある。例えば,雪荷重に対する要求事項は,

該当する建築基準法施工令など又は雪荷重マップから決定することができる。

モジュールに対して異なる取付方法を許容する場合,試験は想定の取付方法の範囲を代表する異なる試

験構成で行ってもよい。

10.16.4

最終測定

10.1

及び 10.3 の試験を繰り返す。

10.16.5

要求事項


26

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

機械的荷重試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

10.17

降ひょう(雹)試験

10.17.1

目的

この試験は,モジュールがひょうの衝撃に耐え得ることを検証することを目的とする。

10.17.2

装置

降ひょう試験には,次の装置を用いる。

a)

所定の直径の氷球を作るための適切なジグ。氷球の標準直径は 25 mm とするが,特殊な環境に対して,

表 に規定する以外の直径を規定してもよい。

b)

−10  ℃±5  ℃に制御できる冷凍装置。

c)

氷球を−4  ℃±2  ℃で蓄えておく貯蔵庫。

d)

モジュールを規定の位置で打撃するように,規定速度(±5 %)で氷球を発射することができる発射

装置。発射装置からモジュールまでの氷球の軌道は,試験要件を満足する場合,水平,垂直又は任意

の中間の角度であってもよい。

e)

発射した氷球の軌道に対して垂直に打撃面を配置できる,製造業者が指定する方法で,試験モジュー

ルを支持するための架台。

f)

氷球の質量を,±2 %の精度で計量するためのはかり。

g)

氷球の速度を±2 %の精度で測定するための装置。速度センサは,試験モジュールの表面から 1 m 以

内に設置しなければならない。

装置の概要例を,

図 に示す。装置は,水平に設置した空気圧式発射機,垂直のモジュール取付フレー

ム,及び氷球が 2 本の光線間を通過するのに要する時間を電子的に測定する速度計(光電速度計測システ

ム)からなる。

表 2−氷球質量及び試験速度

直径

mm

質量

g

試験速度

m・s

1

直径

mm

質量

g

試験速度

m・s

1

12.5 0.94  16.0  45

43.9 30.7

15 1.63 17.8 55  80.2

33.9

25 7.53 23.0 65 132.0

36.7

35 20.7 27.2 75 203.0

39.5


27

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

図 6−降ひょう試験装置の概要例

10.17.3

手順

降ひょう試験の手順は,次による。

a)

氷用の型及び冷凍装置を用いて,発射装置の事前調整用を含めて,試験のために十分な数の規定寸法

の氷球を作る。

b)

氷球の全数について,亀裂,大きさ及び質量を検査する。許容する氷球は,次の基準を満足しなけれ

ばならない。

−  裸眼で見える亀裂がない。

−  直径は,

表 の該当する直径に対して±5 %。

−  質量は,

表 の該当する質量に対して±5 %。

c)

貯蔵庫に氷球を入れ,使用前に 1 時間以上保管する。

d)

氷球発射装置の氷球が接触する全ての面の温度が室温付近であることを確認する。

e)

g)

に従って模擬ターゲットに向かって数回試射し,規定位置の速度センサで測定した氷球の速度が

2

の該当する降ひょう試験速度±5 %になるまで,発射装置を調整する。

f)

打撃面が氷球の軌道に垂直になるように,室温のモジュールを規定の取付フレームに取り付ける。

g) 1

個の氷球を貯蔵庫から取り出し,発射装置に入れる。

表 に規定する打撃位置を的にして発射する。

氷球を貯蔵庫から取り出してモジュールに当てるまでの時間は,60 秒を超えてはならない。

h)

打撃領域の損傷についてモジュールを点検し,目に見える打撃の影響を記録する。規定位置(的)か

らの誤差は 10 mm までは許容する。

i)

モジュールに損傷がない場合,

表 及び図 に示す全てのほかの打撃位置について,g)及び h)を繰り

返す。


28

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

表 3−打撃位置

打撃番号

位置

1

モジュールガラスの隅,保護ガラスの隅,フレームから 50 mm 以内

2

モジュールの端部,フレームから 12 mm 以内

3,4

セルのエッジ上

5,6

セル内部接続近傍の上

7,8

モジュール取付け点近傍の回路上

9,10

取付け点から最も遠い回路の中央

11

ひょうに対して特に弱いと思われる点(位置は,試験者が設定する。

図 7−打撃位置

10.17.4

最終測定

10.1

及び 10.3 の試験を繰り返す。

10.17.5

要求事項

降ひょう試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗が,初期測定の場合と同じ要求事項を満たさなければならない。

10.18

バイパスダイオード温度試験

10.18.1

目的

この試験は,モジュールのホットスポット作用を保護するために用いるバイパスダイオードの熱設計の

妥当性,及び比較的長期の信頼性を評価することを目的とする。

バイパスダイオードを組み込んであるために,試験中にバイパスダイオードにアクセスできないモジュ

ールタイプの場合,この試験用に特別なサンプルを準備することができる。このサンプルは,ダイオード

に対して,試験中の標準生産モジュールと同じ温度環境を備えるように作らなければならないが,太陽電

池モジュールに通電する必要はない。ただし,ダイオードの温度を測定するため,試験中にアクセスでき

なければならない。この特別な試験サンプルは,バイパスダイオード温度試験だけに用い,試験シーケン

スのその他の試験に用いてはならない。

10.18.2

装置

バイパスダイオード温度試験には,次の装置を用いる。

a)

モジュールを,75  ℃±5  ℃の温度に加熱する装置。


29

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

b)

モジュール温度を,±1  ℃の精度で測定して記録するための装置。

c)

モジュールに取り付けているバイパスダイオードの温度を測定する装置。ダイオード温度の測定は,

温度センサを用いて直接行うか,又はダイオード間の電圧降下の温度係数を測定することによって行

う。ダイオードの特性変化又は熱移動を最小にするよう注意しなければならない。

d)

バイパスダイオードの電圧を,±0.2 %の精度で測定する装置。

e)

試験中,モジュールの STC における短絡電流(I

SC

)の 1.25 倍に等しい電流を供給する装置,及び試

験中にモジュールを流れる電流を監視する装置。

10.18.3

手順 1

バイパスダイオード温度試験の手順 1 は,次による。

a)

モジュールに組み込んであるブロッキングダイオードを,電気的に短絡させる。

b)

ラベル又は取扱説明書を参照して,モジュールの STC で測定した短絡電流値を決定する。

c)

試験中,バイパスダイオードの温度及び電圧を測定する。

d)

製造業者の推奨する最小線径の電線を,モジュールの出力端子に接続する。配線区画への電線の配線

に対する製造業者の推奨事項に従い,配線区画のカバーを取り替える。

注記 1  モジュールによっては共通のバイパスダイオード回路をもっている。この場合には,全て

の電流が一つのバイパスダイオードに流れることを確実にするために,ジャンパ線を取り

付けることが必要な場合がある。

e)

モジュールを 75  ℃±5  ℃に加熱する。STC で測定したモジュールの短絡電流±2 %に等しい電流を流

す。1 時間後,各バイパスダイオードの温度及び電圧を測定する。

f)

ダイオード製造業者が提供する情報を用いて,測定したケース温度及びダイオードで消費した電力か

らジャンクション温度を,次の式によって算出する。

T

j

T

case

R

THjc

×V

D

×I

D

ここに,

T

j

ダイオードジャンクション温度(℃)

T

case

測定したダイオードケース温度(℃)

R

THjc

ジャンクション温度をケース温度に関係付ける製造業
者の特性値

V

D

ダイオード電圧(V)

I

D

ダイオード電流(A)

モジュールが,

ダイオードの運転温度を下げるために,

特別に設計したヒートシンクを備えている場合,

1 000 W・m

2

,周囲温度 43  ℃±3  ℃,及び無風の条件でヒートシンクが到達する温度で,この試験を実施

してもよい。

g)

モジュール温度を,75  ℃±5  ℃に維持しながら,STC で測定したモジュールの短絡電流の 1.25 倍の

電流を流す。1 時間,電流を流し続ける。

h)

ダイオードが依然として動作することを検証する。

注記 2  ダイオードの動作は,その後行うホットスポット耐久試験(10.9)によって検証できる。

10.18.4

手順 2

バイパスダイオード温度試験の手順 2 は,次による。

a)

モジュールに組み込んであるブロッキングダイオードを電気的にショートさせる。

b)

ラベル又は取扱説明書を参照して,モジュールの STC で測定した短絡電流値を決定する。

c)

図 に示すように,ダイオードの両端子に V

D

及び I

D

用のリード線を接続する。


30

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

図 8−バイパスダイオード温度試験

d)

接続は,モジュールの製造業者が推奨する方法で行う。

リード線が原因で,端子箱からの熱放散を引き起こしてはならない。

e)

モジュール温度が飽和するまで,30  ℃±2  ℃に設定した試験槽に,モジュールを入れる。

f)

モジュールの STC 短絡電流に等しいパルス電流(パルス幅 1 ms)を加える。ダイオードの順方向電圧

V

D1

を測定する。

g)

同じ手順で,50  ℃±2  ℃における V

D2

を測定する。

h)

同じ手順で,70  ℃±2  ℃における V

D3

を測定する。

i)

同じ手順で,90  ℃±2  ℃における V

D4

を測定する。

j)

次に,V

D1

V

D2

V

D3

及び V

D4

から最小二乗近似曲線によって,V

D

対 T

j

を得る。

注記 1  この V

D

対 T

j

特性は,製造業者認証をもつダイオード製造業者によって提供される。

k)

モジュールを 75  ℃±5  ℃に加熱する。STC で測定したモジュールの短絡電流±2 %に等しい電流を流

す。1 時間後,各ダイオードの順方向電圧を測定する。

l)

j)

で得られた V

D

対 T

j

を用いて,k)の試験におけるダイオードの T

j

を得る。

m)

モジュール温度を 75  ℃±5  ℃に維持しながら,STC で測定したモジュールの短絡電流の 1.25 倍の電

流を流す。

n) 1

時間,電流を流し続ける。

o)

試験終了後,ダイオードが依然として動作することを検証する。

注記 2  ダイオードの動作は,その後行うホットスポット耐久試験(10.9)によって検証できる。

10.18.5

最終測定

10.1

及び 10.3 の試験を繰り返す。

10.18.6

要求事項

バイパスダイオード温度試験の要求事項は,次による。

−  10.18.3 f)又は 10.18.4 l)で決定した T

j

は,ダイオード製造業者の最大ジャンクション温度定格(連続運

転)以下でなければならない。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

−  試験終了後もダイオードは,ダイオードとして機能しなければならない。

10.19

光照射試験

10.19.1

目的

自然太陽光又は模擬太陽光の照射によって,モジュールの電気的特性を安定化させることを目的とする。

10.19.2

装置


31

C 8991

:2011 (IEC 61646:2008)

光照射試験には,次の装置を用いる。

a)  IEC 60904-9

に規定するクラス CCC のソーラシミュレータ,又は自然光。

b)

積算照射量を監視する,積算機能付きの適切な基準デバイス。

c)

製造業者が推奨する,モジュールを基準デバイスと同一面に取り付ける手段。

d)

±1  ℃の精度でモジュール温度を測定する装置。

e) STC

においてモジュールが最大出力点近傍で動作するような大きさの負荷。

10.19.3

手順

光照射試験の手順は,次による。

a)

抵抗負荷をモジュールに取り付け,製造業者の推奨に従って基準デバイスとともにソーラシミュレー

タの試験面にそれらを取り付ける。

b)

ソーラシミュレータを用いる場合,基準デバイスを用いて,放射照度を 600∼1 000 W・m

2

の間に設

定し,放射照度を記録する。

c)

ソーラシミュレータの照射中は,モジュールの温度を 50  ℃±10  ℃の範囲に保つ。

d)

各モジュールの最大出力値が安定するまで,モジュールを照射光にさらす。温度が 40∼60  ℃の範囲

で,43 kWh・m

2

以上の積算照射量を一つの区間として,二つの連続する区間の測定値が(P

max

P

min

) /

P

average

<2 %を満足する場合に,安定化したとみなす。途中の全ての最大出力測定は,±2  ℃以内の任

意のモジュール温度で繰り返さなければならない。

e)

出力が安定に達した時点までの積算照射量を記録する。

10.19.4

最終測定

10.1

10.3 及び 10.6(STC における性能)の試験を繰り返す。

10.19.5

要求事項

光照射試験の要求事項は,次による。

−  箇条 で規定する著しい目視上の不適合があってはならない。

−  絶縁抵抗は,初期測定の場合と同じ要求事項を満足しなければならない。

−  最後の光照射後の STC における最大出力は,箇条 で製造業者が規定する最小値の 90 %を下回って

はならない(箇条 参照)

 
 
 
 
 
 
 
 

参考文献  IEC 60904-5,Photovoltaic devices−Part 5: Determination of the equivalent cell temperature (ECT) of

photovoltaic (PV) devices by the open-circuit voltage method

IEC 60904-8

,Photovoltaic devices−Part 8: Measurement of spectral response of a photovoltaic (PV)

device

IEC 61853

,Photovoltaic (PV) module performance testing and energy rating−Part 1: Irradiance and

temperature performance measurements and power rating

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