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C 8960:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 用語の分類 ······················································································································ 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

C 8960:2012  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

電機工業会(JEMA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS C 8960:2004

は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 8960:2012 

太陽光発電用語 

Glossary of terms for photovoltaic power generation 

序文 

この規格は,1997年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2004年に

行われたが,その後の関連JISにおける追加用語に対応するために改正した。 

なお,類似のIEC規格からの用語を取り込むために,IEC/TS 61836も参考として作成した。 

適用範囲 

この規格は,太陽光発電(PV)に用いる素子,機器及びシステムに関する用語について規定する。 

用語の分類 

用語は,次のとおり分類する。 

a) 素子 

1) 基本 

1.1) 一般 

1.2) 気象など 

2) 素子 

2.1) 一般 

2.2) 材料 

2.3) 構成 

2.4) 種類 

2.5) 製造 

3) 特性・評価 

3.1) セル・モジュール特性 

3.2) 日射 

3.3) 評価法 

3.4) 評価機器 

b) 機器 

1) パワーコンディショナ 

1.1) 構成 

1.2) インバータ種別 

1.3) 特性・性能 

2) 蓄電池 

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C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.1) 一般 

2.2) 特性・試験 

3) 評価機器 

4) その他機器 

c) システム 

1) システムの分類 

2) アレイ 

3) 連系 

4) 特性・性能 

用語及び定義 

用語及び定義は,次による。 

なお,参考のために慣用語及び対応英語を示す。また,用語欄で,用語の下の括弧付きの平仮名は,読

み方を示す。定義欄で,括弧付きで示した用語又は文章は,別の表現又は補足説明である。記号は,定義

欄に改行して示す。単位も定義欄に改行して示す。対応英語欄で,括弧付きの語は,対応英語の略号を示

す。また,IEC/TS 61836にある用語(対応英語)は太字で示す。 

a) 素子 

1) 基本 

1.1) 一般 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

101 

アクセプタ 

多数キャリアとして正孔を供給するため
の微量添加物。シリコン太陽電池の場合,
ボロンなどがある。 

acceptor 

102 

禁制帯幅 

半導体のエネルギーバンド中で電子が取
り得ない,エネルギー準位における帯状
範囲の幅。 

エネルギーギャップ, 
バンドギャップ 

energy gap,  
band gap 

103 

空乏層 

太陽電池セルのp形層とn形層との界面
で発生する,電界のある非常に薄い領域。 

depletion layer 

104 

シート抵抗 

正方形薄膜の一辺から対辺までの電気抵
抗。太陽電池セルの表面層のシート抵抗
は,直列抵抗を決める重要な因子の一つ
である。 

単位:Ω/□ 

sheet resistance 

105 

障壁エネルギー 

空乏層を通り抜けるとき,一つの電子が
放出するエネルギー。これはバリアの静
電電位の大きさである。 

単位:eV 

barrier energy 

106 

接合 

半導体材料の接する部分。一般に,互い
に異なる物性の半導体同士を合わせる。 

junction 

107 

太陽エネルギー 

太陽の放射エネルギー。太陽エネルギー
の源は水素の核融合反応であり,その放
射スペクトルは約6 000 Kの黒体のそれ
に近い。 

太陽放射エネルギー 

solar energy 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

108 

太陽光発電 

(たいようこうはつ

でん), 

(たいようひかりは

つでん) 

太陽光のエネルギーを直接電気エネルギ
ーに変換する発電方式。光起電力効果を
利用した太陽電池を用いるのが一般的で
ある。 

PV 

photovoltaic power 

generation 

109 

太陽電池 

太陽光などの光の照射を受けてそのエネ
ルギーを直接電気エネルギーに変える半
導体装置。光起電力効果を利用した光電
変換素子の一種。太陽電池セル,太陽電
池モジュール,太陽電池パネル,太陽電
池アレイなどの総称として用いる場合も
ある。 

cell,  
photovoltaic cell 

110 

ドーパント 

p形又はn形半導体を決定する微量添加
不純物。 

dopant 

111 

ドナー 

多数キャリアとして電子を供給するため
の微量添加物。シリコン太陽電池の場合,
リンなどがある。 

donor 

112 

半導体材料 

金属と絶縁体との間の導電率(電気伝導
度)をもち,その導電率が不純物の添加
及び少しのエネルギーの付与(例えば,
熱)によって変化する材料。 

semiconductor 

material 

113 

pin接合 

少数キャリアの再結合を減少させるため
にp形層とn形層との間に非ドープ層(i
形層)を設けた構造の接合。アモルファ
スシリコン太陽電池において,広く用い
られている。 

PIN junction 

114 

pn接合 

連続体である半導体において,一方がp
形,他方がn形の構造をもつ半導体の接
合。 

PN junction,  
cell junction 

115 

光起電力効果 

光電効果の一種で,光の照射によって起
電力が発生する現象。主に半導体の接合
で生じる。 

photovoltaic effect 

116 

光起電力材料 

光起電力効果をもつ材料。 

photovoltaic material 

117 

光起電力デバイス 

光起電力効果を利用するデバイス。例え
ば,太陽電池セル,モジュール及びアレ
イ。 

photovoltaic device 

118 

光電流 

光を照射することによって光電変換素子
の中で生成する電流。 

photovoltaic current,  
photo current 

119 

へテロ接合 

禁制帯幅の異なった2種類の半導体の接
合。 

heterojunction 

120 

ホモ接合 

同じ半導体材料(同じ禁制帯幅をもつ)
によって形成されるpn接合。 

homojunction 

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1.2) 気象など 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

151 

アルベド 

ある表面の入射光に対する反射光の強さ
の比。全波長成分についての平均値で表
す。太陽光発電の分野においては太陽光
に対する地表面の反射率をいう。 

albedo 

152 

エアマス 

地球大気に入射する直達太陽光が通過す
る路程の,標準状態の大気(標準気圧  
1 013 hPa)に垂直に入射した場合の路程
に対する比。AMと略記することが多い。 

air mass (AM) 

153 

周囲温度 

通気された容器内で太陽光の放射から隔
離した状態において温度計によって測定
した空気の温度。 

単位:℃ 

外気温度 

ambient temperature 

154 

大気透過率 

単位距離として鉛直方向の大気の厚さ
(エアマス=1)をとったときの,入射光
に対する透過光の比。 

単位:% 

atmospheric 

transmissivity 

155 

太陽高度 

水平面と太陽像中心とのなす角度。 

solar elevation,  
solar altitude 

156 

太陽スペクトル 

太陽エネルギーの波長に対する分布。 

太陽放射スペクトル 

solar spectrum 

157 

太陽定数 

(たいようていす

う), 

(たいようじょうす

う) 

地球が太陽からの平均距離にあるとき,
地球大気の上端において太陽光線に直角
な単位面積が単位時間に受ける太陽エネ
ルギーの量。 

solar constant 

2) 素子 

2.1) 一般 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

201 

太陽電池サブモジ

ュール 

分割できない一つの基板に複数個同時に
形成した太陽電池セル群の最小単位。 

submodule,  
photovoltaic submodule 

202 

太陽電池セル 

太陽光発電に用いる太陽電池の構成要素
の最小単位。 

cell,  
photovoltaic cell 

203 

太陽電池モジュー

ル 

太陽電池セル又は太陽電池サブモジュー
ルを,耐環境性のため外囲器に封入し,
かつ,規定の出力をもたせた最小単位の
発電ユニット。 

module,  
photovoltaic module 

2.2) 材料 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

211 

アモルファス 

原子配列に長距離秩序をもたない固体の
準安定状態。 

非結晶, 
非晶質 

amorphous 

212 

ウェハ 

インゴットから切り出して作った半導体
材料の薄板。結晶系太陽電池の基本構造
を構成する。 

wafer 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

213 

基板 

太陽電池を作製するときの基本的材料。
結晶系太陽電池の場合には,一般に半導
体ウェハを指し,この上に接合及び電極
を形成して太陽電池となる。薄膜太陽電
池の場合には,薄膜を成長させる支持体
のことであり,ガラス,ステンレスなど
を用いる。太陽電池モジュールにおいて
は,モジュールの機械的強度を保持する
ための板材を指す。 

214 

太陽電池級シリコ

ン 

結晶系太陽電池用基板の原料に用いるシ
リコン。 

solar grade silicon 

(SOG silicon) 

215 

多結晶 

多数の単結晶がいろいろな結晶方位をも
って集合してできた結晶。 

multicrystal,  
polycrystal 

216 

単結晶 

結晶材料全体を構成する原子の配列が規
則正しくて,単一の結晶軸を選ぶことが
可能な結晶。 

single crystal,  
monocrystal 

217 

リボン結晶 

シリコン溶融槽から平行な2本のリボン
によって引き上げて連続的に作製する薄
板状シリコン結晶。 

ribbon 

2.3) 構成 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

231 

拡散層 

pn接合を形成するために不純物を拡散さ
せてできたp形層又はn形層の部分。 

diffusion layer 

232 

カバーガラス 

太陽電池表面を保護するために用いるガ
ラス。 

cover glass 

233 

グリッドライン 

太陽電池セルの表面に配置し,バスバー
に電流を供給する金属線。フィンガとも
いう。 

grid line 

234 

テクスチャ構造 

表面反射損失の低減,及び光閉込め効果
による光吸収の増大を図るために,太陽
電池セルの表面及び裏面を凹凸形状にし
た構造。単に凹凸形状をもつ太陽電池セ
ルの表面又は裏面のことを指すこともあ
る。 

textured surface,  
textured structure 

235 

透明電極 

太陽電池セルの光入射側表面に設ける導
電率が高く,かつ,光透過率が大きい性
質をもつ電極。 

transparent conducting 

electrode,  

transparent electrode 

236 

透明導電性酸化層 

薄膜太陽電池セルの電極として用いる透
明な導電性酸化物の層。透明ガラス上に
堆積させる。 

TCO 

transparent 

conducting oxide 
layer 

237 

バスバー 

グリッドライン(フィンガともいう。)の
電流を集め,インタコネクタへ伝送する
ためのセル上のライン。インタコネクタ
は,はんだ付けなどでバスバーに結合す
る。バスラインとも呼ぶ。 

バスライン 

bus bar,  
bus lines 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

238 

反射防止膜 

太陽電池セルの表面における光の反射損
失を減少させるために形成する膜。 

anti-reflective coating 

(AR coating),  

antireflection coating,  
antireflective film  

(AR film) 

239 

BSF効果 

太陽電池セルの基板裏面電極付近に設け
た不純物濃度の高い領域によって,内蔵
電界を形成し,裏面近傍での光生成キャ
リアを有効に収集する効果。 

back surface field 

effect 

240 

光閉込め効果 

テクスチャ構造などを用いて,光を太陽
電池セル内部に閉じ込めることによっ
て,光の吸収を高め,短絡電流が増大す
る効果。 

light confinement 

effect,  

light trapping effect 

2.4) 種類 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

251 

MIS形太陽電池 

ショットキーバリア形太陽電池で,基板
半導体と電極金属との間にごく薄い絶縁
物を挟み込んだ構造をもつ太陽電池。 

metal-insulator- 

semiconductor cell 

252 

化合物太陽電池 

複数の元素から成る化合物半導体を用い
た太陽電池。その構成元素によって,III-V
族化合物太陽電池,II-VI族化合物太陽電
池,I-III-VI2族化合物太陽電池などに分類
する。主なものとして,GaAs太陽電池,
InP太陽電池,CdS太陽電池,CdTe太陽
電池,CIS系太陽電池などがある。 

化合物半導体太陽電

池 

compound 

semiconductor cell 

253 

結晶系太陽電池 

単結晶又は多結晶を用いた太陽電池の総
称。 

crystalline photovoltaic 

cell 

254 

建材一体形太陽電

池モジュール 

屋根材,壁材などの建築用部材として一
体化した太陽電池モジュール。 

建材一体形モジュー

ル 

building integrated cell 

module,  

building integrated 

photovoltaic module 

255 

CIS系太陽電池 

主材料としてCu-In-Se化合物の薄膜を用
いた太陽電池セル。 

CIS photovoltaic cell 

256 

色素増感太陽電池 

色素を使って太陽光を電気エネルギーに
変換する電池。太陽光を色素に照射する
ことによって,色素から電子が励起する
現象を利用している。 

dye-sensitized 

photovoltaic cell 

257 

湿式太陽電池 

半導体との接合に電解液を用いた太陽電
池。材料を選択することによって,半導
体と電解液との界面ではショットキー接
合のような整流特性が得られ,ここに光
を照射することによって発電できる。 

photoelectro-chemical 

cell,  

liquid junction cell 

258 

集光形太陽電池 

レンズなどで集光した太陽光を照射して
発電させる太陽電池。 

concentrator 

photovoltaic cell 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

259 

集積形太陽電池 

1枚の基板上に多数のセルを直列接続し
た構造の太陽電池。この構造を採用して
いる代表的な太陽電池としては,アモル
ファスシリコン太陽電池がある。 

integrated type PV cell 

260 

ショットキーバリ

ア形太陽電池 

金属−半導体界面のショットキー接合を
利用した太陽電池。 

schottky barrier 

photovoltaic cell 

261 

シリコン太陽電池 

半導体材料としてシリコンを用いた太陽
電池。主なものとして,単結晶シリコン
太陽電池,多結晶シリコン太陽電池及び
アモルファスシリコン太陽電池がある。 

silicon photovoltaic 

cell 

262 

多接合太陽電池 

複数個の太陽電池セルを積層し,入射光
がこれらのセルを順次透過し,吸収され
るようにした構造の太陽電池。2層の場合
を“タンデム形太陽電池”と呼ぶことも
ある。 

スタック形セル, 
タンデム形セル, 
積層形太陽電池 

stacked photovoltaic 

cell,  

tandem photovoltaic 

cell,  

multi-junction cell 

263 

薄膜太陽電池 

薄膜半導体を用いた太陽電池。主なもの
として,アモルファスシリコン太陽電池,
CdS太陽電池,CdTe太陽電池,CIS系太
陽電池などがある。 

thin film photovoltaic 

cell 

264 

pn接合形太陽電池 半導体のpn接合を利用した太陽電池。 

PN junction 

photovoltaic cell 

265 

フレキシブル太陽

電池 

柔軟性をもち,破壊することなく折曲げ
が可能な太陽電池。 

flexible photovoltaic 

cell 

266 

へテロ接合形太陽

電池 

異なる2種類の半導体のへテロ接合を利
用した太陽電池。 

heterojunction 

photovoltaic cell 

267 

有機太陽電池 

植物の光合成のように,有機物を分子レ
ベルで光化学反応させることによって,
光発電現象を行う太陽電池。 

organic photovoltaic 

cell 

2.5) 製造 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

281 

キャスト法 

立方体のるつぼに溶融したシリコンの冷
却速度を制御して固化することによっ
て,多結晶シリコンインゴットを製造す
る方法。立方体に形成されたインゴット
から正方形又は長方形の多結晶ウェハに
スライスする。 

directional 

solidification 

282 

チョクラルスキー

法 

シリコン溶融槽に接する種結晶を回転さ
せながら引き上げることによって単一の
結晶構造のシリコンインゴットを製造す
る方法。インゴットは円柱状となり,通
常,円形又は擬似四角形のウェハにスラ
イスする。 

CZ法 

czochralski process 

283 

電磁キャスト法 

るつぼを用いずに電磁誘導溶解によって
シリコンを溶融固化する多結晶インゴッ
トの製造方法。連続的に材料を追装し,
長尺のインゴットの製造が可能である。 

electromagnetic 

casting  

background image

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

284 

浮遊帯域融解法 

原料となる多結晶シリコンを上部から供
給し,高い周波数の電磁波を多結晶と単
結晶との間に形成した融液に吸収させる
ことによって加熱融解した後,その融液
の下方を冷却して単結晶インゴットを製
造する方法。るつぼを使用しないため,
結晶中に酸素などの不純物が混入しにく
く,非常に高純度という特徴がある。 

FZ法 

float zone melting 

3) 特性・評価 

3.1) セル・モジュール特性 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

301 

安定化後変換効率 

太陽電池セル及びモジュール(以下,太
陽電池セル・モジュールという。)におい
て,規定した光照射条件下で,規定する
時間,光照射した後の変換効率。特に,
アモルファスシリコン太陽電池で用い
る。 

単位:% 

劣化後変換効率 

stabilized conversion 

efficiency 

302 

暗電流 

光を照射しない状態で,太陽電池に流れ
る電流。 

dark current 

303 

開放電圧 

太陽電池セル・モジュールの出力端子を
開放したときの両端子間の電圧。 

量記号:VOC 
単位 :V 

open circuit voltage 

304 

曲線因子 

最大出力を,開放電圧と短絡電流との積
で除した値。次の式で表す。 

SC

OC

max

FF

I

V

P

×

ここに,FF :曲線因子 

Pmax :最大出力(W) 
VOC :開放電圧(V) 
ISC :短絡電流(A) 

太陽電池の特性を表すパラメータの一つ
で,主に内部直列抵抗,並列抵抗及びダ
イオード因子に左右される。FFとも呼ぶ。 

fill factor (FF) 

305 

最大出力 

太陽電池セル・モジュールの電流電圧特
性曲線上で電流と電圧との積が最大にな
る点での出力。 

量記号:Pmax(又はPm) 
単位 :W 

maximum power,  
peak power 

306 

最大出力温度係数 太陽電池セル・モジュールの温度が1 ℃

変化したときの最大出力の変動値。シス
テムで用いる。 

量記号:αPmax 
単位 :W・℃−1(又は%・℃−1) 

maximum power 

temperature 
coefficient 

background image

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

307 

最大出力動作電圧 

太陽光発電システムの最大出力点での電
圧値。 

量記号:VPmax(又はVPm) 
単位 :V 

最適動作電圧 

maximum power 

voltage 

308 

最大出力動作電流 

太陽光発電システムの最大出力点での電
流値。 

量記号:IPmax(又はIPm) 
単位 :A 

最適動作電流 

maximum power 

current 

309 

実効変換効率 

最大出力(Pmax)を,太陽電池セル・モジ
ュール全面積(At)と放射照度(G)との
積で除した値。単に“変換効率”という
ときは,通常は,実効変換効率を指す。 

量記号:η t 

単位 :% 

G

A

P

×

t

t

max

η

ここに, η t :実効変換効率 

At :太陽電池セル・モジュー

ルの全面積(m2) 

Pmax :最大出力(W) 

G :放射照度(W・m−2) 

conversion efficiency 

310 

収集効率 

単位時間に太陽電池の外部回路に流れ出
る電子数の,照射されたフォトン数に対
する比。次の式で表す。 

量記号:Pe 
単位 :% 

h

S

e

P

I

P=

ここに, Pe :収集効率 
 

IS :短絡電流を電子電荷で除し

た値 

Ph :単位時間当たりの入射フォ

トン数 

表面反射分を補正した場合を内部収集効
率,補正しない場合を外部収集効率と呼
ぶ。波長の関数として,収集効率のスペ
クトル特性を求めることもある。 

量子効率 

collection efficiency,  
quantum efficiency 

311 

出力電圧温度係数 

太陽電池セル・モジュールの温度が1 ℃
変化したときの開放電圧の変動値。 

量記号:β 
単位 :V・℃−1(又は%・℃−1) 

voltage-temperature 

coefficient 

312 

出力電流温度係数 

太陽電池セル・モジュールの温度が1 ℃
変化したときの短絡電流の変動値。 

量記号:α 
単位 :A・℃−1(又は%・℃−1) 

current-temperature 

coefficient 

313 

初期変換効率 

太陽電池セル・モジュールにおいて,作
製直後の状態での変換効率。特に,アモ
ルファスシリコン太陽電池で用いる。 

initial conversion 

efficiency 

background image

10 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

314 

真性変換効率 

最大出力(Pmax)を,太陽電池セル・モジ
ュールのアパーチャ面積又は指定照射面
積(Ae)と放射照度(G)との積で除した
値。真性変換効率は,太陽電池素子自体
の評価のために用いる。 

量記号:η a 
単位 :% 

G

A

P

×

e

max

a=

η

ここに, η a :真性変換効率 

Ae :大陽電池セル・モジュー

ルのアパーチャ面積又は
指定照射面積(m2) 

Pmax :最大出力(W) 

G :放射照度(W・m−2) 

実用変換効率 

total area conversion 

efficiency 

315 

短絡電流 

太陽電池セル・モジュールの出力端子を
短絡したときの両端子間に流れる電流。
単位面積当たりの短絡電流を特にJSCで
表すこともある。 

量記号:ISC 
単位 :A 

short circuit current 

316 

直列抵抗 

太陽電池に対し直列的に作用する抵抗。
直列抵抗は,主に表裏面にあるオーミッ
ク電極及び薄い表面層に起因している。
直列抵抗が大きくなった場合,変換効率
は低下する。 

量記号:Rs 
単位 :Ω 

series resistance 

317 

電流電圧特性 

太陽電池の出力電圧に対する出力電流の
関係を示す特性。 

I-V特性, 
I-V特性曲線, 
I-Vカーブ 

current-voltage 

characteristic,  

I-V curve 

318 

分光感度特性 

太陽電池出力の入射光波長依存性を表し
た特性で,短絡電流の入射単色光入力に
対する比。 
なお,分光感度のピーク値を基準に相対
値で示す値を,相対分光感度という。 
相対分光感度の場合は波長での相対値で
表す。 

単位:A・W−1 

分光感度, 
スペクトル感度, 
スペクトル応答度 

spectral response 

319 

並列抵抗 

太陽電池に対し並列的に作用する抵抗。
並列抵抗は,主に接合面の不純物及び結
晶の品質に起因している。並列抵抗が小
さくなった場合,変換効率は低下する。 

量記号:Rsh 
単位 :Ω 

shunt resistance 

background image

11 

C 8960:2012  

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

320 

ミスマッチ損失率 

直列又は並列に接続した太陽電池セル・
モジュールの最大出力が,電流電圧特性
の不均一性のため,同一条件下で測定し
た個々のセル・モジュールの最大出力の
合計よりも少なくなることによる損失
率。次の式で表す。 

s

t

m

1PP

L

=

ここに, Lm :ミスマッチ損失率 
 

Pt :全体の最大出力 

Ps :個々のセル・モジュールの

最大出力の合計 

mismatch loss factor 

321 

モジュール充塡率 モジュール中の全セル面積とモジュール

面積との比。 

module packing factor 

3.2) 日射 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

331 

傾斜面日射強度 

水平面に対して傾いた面での日射強度。
傾斜面直達日射強度,傾斜面散乱日射強
度,並びに地上及び地物からの反射光に
よる日射強度の和である。測定には,傾
斜面に平行に設置した全天日射計を使用
する。 

単位:W・m−2 

傾斜面全天日射量, 
斜面日射量 

total solar irradiance,  
total irradiance 

332 

散乱日射 

太陽光線が大気を通過する間に,空気分
子,雲,エアロゾル粒子などによって散
乱される結果生じる日射。 

diffuse solar radiation 

333 

散乱日射強度 

散乱日射による日射強度。通常は水平面
での日射強度を指すが,これを明示する
必要があるときには,水平面散乱日射強
度という。測定には,遮蔽環又は遮蔽板
を付けた全天日射計を使用する。 

単位:W・m−2 

散乱日射量, 
拡散日射量, 
天空日射量 

diffuse solar irradiance, 
diffuse irradiance 

334 

積算照射量 

ある一定期間(1時間,1日,1週間,1
か月,1年など)の放射照度の積分値。 
単位などは“日射量”(340)を参照。 

irradiation 

335 

全天日射 

直達日射と散乱日射とを合わせた日射。  

global solar radiation 

336 

全天日射強度 

水平面での全天日射による日射強度。水
平面直達日射強度と水平面散乱日射強度
との和である。測定には,全天日射計を
使用する。 

単位:W・m−2 

全天日射量 

global solar irradiance, 
global irradiance 

337 

直達日射 

太陽から地表に直接到達する日射。 

direct solar radiation 

background image

12 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

338 

直達日射強度 

直達日射による日射強度。通常は太陽光
線に垂直な入射面での日射強度を指す
が,これを明示する必要があるときには,
法線面直達日射強度という。測定には,
直達日射計を使用する。“直達日射計”の
定義(394)に示すように,測定値には,
太陽の周辺光成分も含む。 

単位:W・m−2 

直達日射量 

direct solar irradiance,  
direct irradiance 

339 

日射強度 

表面の単位面積当たりに,単位時間に,
太陽から入射する放射エネルギー。“直
達”,“散乱”,“全天”,“傾斜面”及び“ア
レイ面”の接頭語を付けて使用する。主
として,太陽光を利用するシステムで用
いる。 

量記号:G 
単位 :W・m−2 

日射量 

irradiance,  
solar irradiance 

340 

日射量 

ある一定期間(1時間,1日,1週間,1
か月,1年など)の日射強度の積分値。 
日射強度と同様に,“直達”,“散乱”,
“全天”,“傾斜面”及び“アレイ面”の
接頭語を付けて使用する。必要に応じて
“日積算”,“年積算”などの接頭語を付
ける(例えば,日積算全天日射量)。主と
してシステムで用いる。 

量記号:H 
単位 :J・m−2(又はWh・m−2) 

積算日射量 

irradiation,  
solar irradiation 

341 

放射照度 

表面の単位面積当たりに,単位時間に,
太陽又は人工光源から入射する放射エネ
ルギー。 

量記号:G 
単位 :W・m−2 

irradiance 

3.3) 評価法 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

351 

一次基準太陽電池

セル 

セルの短絡電流を,分光感度特性と基準
太陽光との分光放射照度分布を基に校正
した基準セル。 

primary reference 

photovoltaic cell 

352 

開口角 

直達日射計の受感部の中心において,円
筒の開口部が張る角度の半分の角度。 
注記 全角で表す場合もあるので,注意が

必要である。 

視野角 

aperture angle,  
view angle,  
field of view (FOV) 

353 

擬似基準太陽電池

セル 

化学的に安定な太陽電池(例えば,結晶
系シリコン太陽電池)に,特性変化の生
じない光学フィルタを装着して,擬似的
に分光感度特性をアモルファス太陽電池
に合致させた基準太陽電池セル。 

pseudo reference 

amorphous cell 

background image

13 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

354 

基準状態 

太陽電池セル・モジュールの特性を測定
するときの基準として用いる,次の全て
を満足する状態。 
a) セル温度 25 ℃ 
b) 分光分布 基準太陽光 
c) 放射照度(日射強度) 1 000 W・m−2 

標準試験条件 

standard test 

conditions (STC) 

355 

基準太陽光 

太陽電池セル・モジュールの出力特性を
共通の条件で表現するために,放射照度
及び分光放射照度分布を規定した,仮想
の太陽光。 
この基準太陽光の分光放射照度分布を,
太陽電池セル・モジュールの出力特性測
定の基準として用いる。 

標準太陽光 

reference solar 

radiation,  

standard sunlight 

356 

基準太陽電池サブ

モジュール 

一次基準太陽電池セルを用いて,ソーラ
シミュレータ又は自然太陽光で校正した
太陽電池サブモジュール。 

reference submodule 

357 

基準太陽電池セル 

太陽電池セル・モジュールの測定に当た
って,測定用光源の放射照度を基準光換
算で決定するために使用する太陽電池セ
ル。被測定セル・モジュールと相対的に
同じ分光感度をもつ。基準太陽電池セル
は,原則として,被測定太陽電池と同一
基板・同一条件で製造した一群のうちか
ら選定する。セル温度の制御及び受光面
保護のために,指定の容器に取り付け,
測定方法で規定した基準太陽光によって
短絡電流の校正を行う。基準太陽電池セ
ルは,その校正方法によって,一次基準
太陽電池セルと二次基準太陽電池セルと
に分類する。 

レファレンスセル, 
基準セル, 
標準太陽電池 

reference cell 

358 

基準太陽電池モジ

ュール 

太陽電池モジュールを比較測定するとき
に,基準として用いる同種類又は分光感
度が類似の太陽電池モジュール。ソーラ
シミュレータの放射照度を,基準太陽光
換算で決定するために使用する。 

reference photovoltaic 

module 

359 

傾斜角 

太陽電池モジュール又は太陽電池アレイ
を設置するとき,水平面(地面)となす
角度。 

tilt angle 

360 

公称動作セル温度 

日射強度800 W・m−2,外気温20 ℃,風
速1 m/sで電気的に開放状態でラックに
設置した太陽電池モジュールに,南中時
に日射が垂直に入射したと仮定したと
き,熱平衡状態に達したモジュール内の
太陽電池セルの平均温度。 

単位:℃ 

NOCT 

nominal operating 

photovoltaic cell 
temperature 
(NOCT) 

361 

指定照射セル面積 

集光形セルなどの周囲電極などを含めて
マスクし,指定した部分だけを光が照射
するときのセル面積。 

designated illumination 

area 

background image

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

362 

集光比 

太陽光などを凹面鏡,フレネルレンズな
どを用いて集光したときの放射照度の,
集光しないときの放射照度に対する比。
集光形太陽電池の集光の度合いを表すパ
ラメータである。 
この定義は,より正確には“エネルギー
密度集光比”であり,単なる開口面積の
集光部面積に対する比で定義する“幾何
学的集光比”と,集光系の光学的効率と
の積に等しい。 

concentration ratio 

363 

スペクトル合致度 

ある波長帯でのスペクトルの合致度。次
の式で表す。 

j

i

j

i

d)

(

d)

(

O

S

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

λ

E

E

M=

j

i

ここに, Mi−j :λi〜λjの波長帯でのスペ

クトル合致度 

λ 

:光の波長(nm) 

ES  :波長λでの基準太陽光の

分光放射照度 

(W・m−2・nm−1) 

EO :波長λでのソーラシミュ

レータの分光放射照度 

(W・m−2・nm−1) 

spectral coincidence 

364 

スペクトルミスマ

ッチ誤差 

基準太陽電池セルを用いて被測定太陽電
池セルの出力特性を測定するときに,基
準太陽電池セルと被測定太陽電池セルと
の間での相対分光感度のずれ,及び基準
太陽光と測定光源との分光放射照度分布
のずれが原因で生じる測定誤差。 

spectral response 

mismatch error 

365 

積分放射照度 

分光放射照度をある特定の波長範囲で連
続して積分して得た放射照度。波長範囲
を示さなければならない。波長区間の明
示がない積分放射照度は,いわば全波長
範囲又はそれにほとんど等しい範囲にお
ける放射照度である。したがって,放射
源の含有するスペクトル範囲に正しく感
応する放射計(日射の場合は日射計)の
測定値を積分放射照度と呼ぶこともあ
り,単に放射照度ということもある。 

単位:W・m−2 

integrated spectral 

irradiance,  

integrated irradiance 

366 

セルアパーチャ面

積 

ガラス基板などのセルの周囲から光が回
り込まないようマスクを付け,電極を含
むセル全体を,このマスクの内側に位置
するようにしたときの,マスク内のセル
面積。 

cell aperture area 

367 

全セル面積 

正面からの光の投影,又は反射によって
測定したセル全体の面積。これを通常“セ
ル面積”と呼ぶ。 

total cell area 

background image

15 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

368 

太陽電池セル温度 

直接太陽電池セルに接触させた温度セン
サ,又は開放電圧の測定から求めた太陽
電池セルの接合部温度。 

量記号:Tj 
単位 :℃ 

太陽電池接合部温度 

cell junction 

temperature,  

cell temperature,  
junction temperature 

369 

太陽電池セル面積 

太陽電池セルの面積。太陽電池セルの変
換効率を算出するときに重要な数値であ
る。 
注記 従来は,全受光面積(セル面積全体)

と有効受光面積(セル面積全体−電
極面積)とに分けて,変換効率と真
性変換効率とを求めていた。しか
し,ガラス基板のセル・集光形セル
などの出現によって,その変換効率
を的確に表すため,全セル面積・セ
ルアパーチャ面積・指定照射セル面
積の用語の定義が導入された。 

cell area 

370 

等価セル温度 

太陽電池セル・モジュール又は太陽電池
アレイ中の全ての太陽電池セルの接合が
同一温度で均一に動作している場合に,
基準状態で測定した出力が得られたとき
の接合部温度。 

単位:℃ 

equivalent 

photovoltaic cell 
temperature (ECT) 

371 

二次基準太陽電池

セル 

自然太陽光又はソーラシミュレータを用
いて,一次基準太陽電池セルを基準とし
て校正した基準セル。 

secondary reference 

photovoltaic cell 

372 

入射角 

日射を受ける面の法線と太陽像中心の方
向とのなす角度。0〜90°の範囲で法線と
太陽像中心の方向が一致するとき(垂直
入射)を0°とする。 

angle of incidence 

373 

白色バイアス光 

被測定太陽電池セルにチョッピングした
単色光を照射して分光感度特性を測定す
るとき,太陽電池セルを動作状態にして
測定するためにチョッピング単色光に重
畳して照射する定常白色光。 

white bias light 

374 

分光放射照度 

多数の波長成分を含有する放射照度のう
ちの特定の波長成分だけを分離して示
す,波長幅(∆λ)当たりの放射照度。面

積及び波長幅の単位の取り方によって
W・m−2・μm−1,W・m−2・nm−1などを用い

る。 

spectral irradiance 

波長の関数としてプロットしたものを分
光放射照度分布(spectral irradiance 
distribution)という。 

量記号:Nλ(又はEλ) 
単位 :W・m−2・μm−1 

    (又はW・m−2・nm−1) 

(∆λを明示し,W・m−2で表すこともあ

る。) 

background image

16 

C 8960:2012  

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

375 

ホットスポット 

太陽電池モジュールにおいて,太陽光が
局部的に遮られたり,モジュールを構成
する太陽電池セルの一部に欠陥又は特性
劣化が発生したりする場合に,局部的に
温度が上昇する部分。 

hot spot 

376 

モジュール温度 

太陽電池モジュールを構成する太陽電池
セル全てが,一定温度になったときの温
度。モジュールの中央付近のセル温度で
代替することもある。 

量記号:Tm 
単位 :℃ 

module temperature 

377 

モジュール面積 

フレームまで含めた太陽電池モジュール
の正面投影面積。 

単位:cm2 

module area 

378 

有効照射面 

ソーラシミュレータに規定されている光
学的仕様を満足する照射面。 

effective irradiated area 

3.4) 評価機器 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

391 

絶対放射計 

放射計を構成する要素の物理定数が既知
であり,物理法則に基づいて放射エネル
ギーの絶対量を直接測定又は計算を用い
て求めることができる放射計。 
物理定数には,例えば,エレメントの熱
容量,温度係数,熱伝導率,比熱,密度,
吸収面の分光吸収特性などがある。 

absolute radiometer 

392 

全天日射計 

水平面の全天日射強度,又はある所定の
角度で傾けた入射面での,地上からの反
射光も含んだ傾斜面日射強度を測定する
ための放射計。 

日射計 

pyranometer 

393 

ソーラシミュレー

タ 

試験目的に応じて要求される放射照度,
均一性,及びスペクトル合致度を満足す
る,太陽電池などへの照射光源。太陽電
池の特性試験,信頼性試験などを屋内で
行うために使用する。装置の構成は,光
源としてキセノン,ハロゲン又はメタル
ハライドランプを用い,エアマス値補正
フィルタ及びインテグレータレンズ系か
ら成る。 

人工光源, 
人工太陽光源 

solar simulator 

background image

17 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

394 

直達日射計 

太陽面の視半径に近い開口角をもつ筒の
底部に,筒と垂直な面をもつ受感部を付
け,筒口を通して入射する法線面直達日
射強度を測る日射計。 
測定技術上の理由で,筒の開口部は太陽
視半径よりもある程度大きいため,測定
値には太陽周辺光も含む。世界気象機関
(WMO)では,直達日射計の開口角が4°
未満であることを規定している。 

垂直入射放射照度計 

pyrheliometer,  
normal incidence 

pyrheliometer (NIP) 

395 

分光放射照度計 

波長の関数としての放射照度分布を測定
するための装置。 

スペクトロラジオメ

ータ 

spectroradiometer 

396 

放射計 

標準ランプ又は絶対放射計で校正した,
熱電対又は熱電堆を用いた,波長依存性
がない熱形計測器。 

radiometer 

b) 機器 

1) パワーコンディショナ 

1.1) 構成 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

401 

ACモジュール 

交流出力パワーコンディショナを組み
込んで,直接交流出力を発生するように
した太陽電池モジュール。 

AC module 

402 

インバータ 

直流電力を交流電力に変換する装置。 

逆変換装置, 
直交変換装置 

inverter 

403 

系統連系保護装置 

系統連系形太陽光発電システムにおい
て,商用電力系統と接続するために必要
な保護装置。 

utility interactive 

protection unit 

404 

交流−交流インタフ

ェース 

インバータの出力側と交流負荷との間
のインタフェース。交流−交流電圧変換
部,補助交流電源の接続部,フィルタな
どで構成する。 

AC/AC interface 

405 

交流系統インタフェ

ース 

インバータの出力側と電力系統との間
のインタフェース。商用電力系統と接続
し,交流−交流電圧変換部,フィルタ,
系統連系保護装置などで構成する。 

utility interface 

406 

主幹制御監視装置 

システム及びインバータの起動及び停
止制御,蓄電池充放電制御,系統及び負
荷の電力制御,自動・手動切換,太陽電
池アレイ追尾及びデータ収集,データ通
信,表示などの一部又は全てによって構
成し,太陽光発電システム全体の制御及
び監視機能を備えた装置。 

システム制御装置 

master control and 

monitoring (MCM) 
system controller 

407 

昇圧用コンバータ 

低い電圧のストリングを,同じ太陽電池
アレイ中の他のストリングの電圧に合
わせるために用いる,直流−直流電圧変
換装置。 

DC/DC converter 

background image

18 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

408 

直流−直流インタフ

ェース 

直流コンディショナの出力側と直流負
荷との間のインタフェース。開閉器,補
助直流電源の接続部,フィルタなどで構
成する。 

DC/DC interface 

409 

直流コンディショナ 開閉器などの直流機器,直流−直流電圧

変換,最大出力追従などの一部又は全て
を備えた装置。 

DC conditioner 

410 

パワーコンディショ

ナ 

主幹制御監視装置,直流コンディショ
ナ,インバータ,直流−直流インタフェ
ース,交流−交流インタフェース,交流
系統インタフェースなどの,一部又は全
てで構成し,太陽電池アレイ出力を所定
の電力に変換する機能を備えた装置。 

太陽光発電用パワー

コンディショナ 

power conditioner 

(PC),  

power conditioning 

sub-system (PCS),  

power conditioner unit 

(PCU) 

1.2) インバータ種別 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

421 

高周波絶縁方式 

入力側と出力側との間を,高周波絶縁変
圧器を用いて電気的に絶縁するインバー
タ方式。 

high frequency link 

type 

422 

自励式 

アームをトランジスタなどで構成し,自
励転流で動作するインバータ方式。 

self-commutation type 

423 

商用周波絶縁方式 

出力側と負荷側,又は出力側と系統側と
を,商用周波絶縁変圧器を用いて電気的
に絶縁するインバータ方式。 

utility frequency link 

type 

424 

電圧形 

直流回路が電圧源特性をもつインバータ
方式。 

voltage stiff type,  
voltage source type 

425 

電圧制御形 

PWM制御などによって出力電圧を規定
の振幅,位相及び周波数をもつ正弦波と
なるように制御するインバータ方式。 

voltage control type 

426 

電流形 

直流回路が電流源特性をもつインバータ
方式。 

current stiff type,  
current source type 

427 

電流制御形 

PWM制御などによって出力電流を規定
の振幅,位相及び周波数をもつ正弦波と
なるように制御するインバータ方式。 

current control type 

428 

トランスレス方式 

絶縁変圧器を用いないインバータ方式。
インバータの直流側と交流側とは非絶縁
状態となる。 

transformerless type 

429 

他励式 

バルブアーム(アーム)をサイリスタな
どで構成し,他励転流で動作するインバ
ータ方式。 

line commutation type 

background image

19 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1.3) 

特性・性能 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

441 

イミュニティレベ

ル 

パワーコンディショナが要求される性能
で動作できる電磁妨害の最大印加レベ
ル。 

ノイズ耐量 

immunity level 

442 

加重平均効率(系統

連系形) 

系統連系形(蓄電池なし,かつ,逆潮流
あり)システムでは,指定された日射持
続曲線(日射強度と累積時間との関係を
表す特性)から求めた各重み係数と,対
応するパワーコンディショナの部分負荷
効率との積の和で表す,入力電力量に対
する出力電力量の比。 

単位:% 

weighted average 

conversion 
efficiency at 
grid-connected 
system 

443 

加重平均効率(独立

形) 

独立形(蓄電池あり)システムでは,指
定された期間の負荷パターンから求めた
各重み係数と,対応するパワーコンディ
ショナの部分負荷効率との積の和で表
す,入力電力量に対する出力電力量の比。 

単位:% 

weighted average 

conversion 
efficiency at 
standalone system 

444 

過入力耐量 

定格を超える入力電力に対する耐量。定
格直流入力電力に対する直流入力電力の
百分率(%)と,許容できる時間(min)
とで表す。 

over input power 

445 

過負荷耐量 

定格を超える出力電力に対する耐量。定
格負荷(出力)電力に対する過負荷(出
力)電力の百分率(%)と,許容できる時
間(min)とで表す。 

出力過電流耐量 

overload capability,  
over current capability 

446 

高周波エミッショ

ン 

パワーコンディショナから高周波の電磁
エネルギーが放出する現象。空間的に放
射するものと,導体を伝導するものとに
分けられ,それぞれの強さは電界強度及
び妨害電圧で表す。 

high frequency 

emission,  

high frequency noise 

447 

最大許容入力電圧 

許容し得る最大直流入力電圧。 

単位:V 

maximum input 

voltage 

448 

最大出力追従制御 

日射強度及び温度で変化する太陽電池の
最大出力動作電圧などに,自動的に追従
制御し,太陽電池から得られる電力を最
大にする制御方式。 

maximum power point 

tracking (MPPT) 

449 

雑音端子電圧 

パワーコンディショナが発生する高周波
エミッションの,端子における電圧値。 

単位:dB 

妨害波雑音電圧 

conducted emission 

disturbance voltage 

450 

実効効率 

一定期間における,直流入力電力量に対
する交流出力電力量(有効電力量)の比。 

量記号:ηPCO 
単位:% 

effective energy 

efficiency 

451 

自動起動・停止 

日射強度又は太陽電池の出力に応じて,
自動的に起動又は停止する機能。 

automatic start/stop 

452 

出力力率 

交流出力における,皮相電力に対する有
効電力の比。 

AC output power factor 

background image

20 

C 8960:2012  

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

453 

自励転流 

インバータの構成要素から転流電圧を与
える転流。デバイス転流を含む。 

自己転流 

self-commutation 

454 

ソフトスタート 

パワーコンディショナの起動及び再起動
時に,系統側又は負荷側に対する,交流
出力電流による衝撃を緩和する機能。 

soft-start 

455 

待機損失 

パワーコンディショナが待機状態時に消
費する電力損失。 

単位:W 

standby loss 

456 

他励転流 

インバータの外部から転流電圧を与える
転流。 

電源転流, 
外部転流 

line commutation,  
external commutation 

457 

直流リプル率 

定格直流入力電圧又は定格直流入力電流
が含む交流成分の,直流成分に対する比。 

単位:% 

次の式で表す。 

d

A

A

A

2

min

max−

=

μ

ここに, μ 

:直流リプル率(%) 

Amax :リプルを含んだ直流電圧

又は直流電流の最大値 

Amin :リプルを含んだ直流電圧

又は直流電流の最小値 

Ad :リプルを含んだ直流電圧

又は直流電流の平均値 

脈動率 

DC ripple factor 

458 

定格負荷効率 

定格負荷における,直流入力電力に対す
る交流出力電力(有効電力)の比。 

単位:% 

rated load efficiency 

459 

入力運転電圧範囲 

出力電圧,周波数などの定格諸量を満足
し,安定に運転できる直流入力電圧の範
囲。 

単位:V 

input voltage 

operating range 

460 

入力電圧一定制御 

あらかじめ設定した太陽電池最大出力動
作電圧の近傍の値に,直流入力電圧を制
御する方式。 

入力定電圧制御 

fixed voltage operation 

461 

PWM制御 

出力周波数の1周期中の各パルス列の幅
及び繰返し周波数の,一方又は両方を変
調させて行うパルス制御。 

パルス幅変調制御 

pulse width 

modulation control 

462 

高調波ひずみ 

交流量の基本波成分又は基準基本波成分
の実効値に対する,高調波含有量の実効
値の比。 

単位:% 

次の式で表す。 

l

2

n

A

A

d

=

ここに, d :高調波ひずみ率 
 

An :第n次高調波実効値 

(n≧2) 

Al :基本波実効値 

total harmonic 

distortion (THD) 

background image

21 

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番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

463 

不整合損失 

パワーコンディショナ入力端の直流電圧
又は電流が,太陽電池の最大出力動作電
圧又は電流と異なることによって生じる
等価的な損失。 

単位:W 

mismatch loss 

464 

部分負荷効率 

指定した負荷率における,直流入力電力
に対する交流出力電力(有効電力)の比。 

単位:% 

partial load efficiency 

465 

放射エミッション 

パワーコンディショナが発生する高周波
雑音が,パワーコンディショナ自身,及
び太陽電池アレイ又は配電線に伝導して
放射し,周囲空間に影響を及ぼす電界強
度。 

単位:dB 

放射妨害, 
ふく(輻)射妨害 

radiated emission 

466 

無負荷損失 

交流出力電力をゼロにしたときに,パワ
ーコンディショナ内で消費する電力。 

単位:W 

no load loss 

467 

連系運転範囲 

系統連系時,系統側の電圧変動及び周波
数変動に対して追従運転できる範囲。 

utility interactive 

operation range 

2) 蓄電池 

2.1) 一般 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

501 

時間率 

電池の充放電電流の大きさ。具体的には,
電流iで放電し,放電終止電圧に至るまで
の時間が,t時間であるとすれば,この放
電をt時間率(t hR)放電といい,iをt
時間率放電電流という。 

hour rate 

502 

制御弁式鉛蓄電池 

電池の内部圧力が高くなると開放する弁
構造を備え,負極で酸素を吸収する機能
をもつ鉛蓄電池。 

密閉形鉛蓄電池, 
陰極吸収式シール形

鉛蓄電池 

valve regulated 

lead-acid (VRLA) 
battery 

503 

太陽光発電用鉛蓄

電池 

太陽光発電システムに用いる鉛蓄電池の
総称。狭義には,太陽光発電システムの
要求品質を満足させるように設計した鉛
蓄電池をいう。 

lead-acid battery for 

photovoltaic 
systems 

504 

ベント形鉛蓄電池 

防まつ構造をもつ排気栓を用いて,酸霧
が脱出しないようにした鉛蓄電池。 

vented lead-acid 

battery 

background image

22 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.2) 特性・試験 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

511 

アンペアアワー効

率 

充電電気量に対する放電電気量の比。 

単位:% 

次の式で表す。 

c

c

d

d

Ah

T

I

T

I

×

×

η

ここに,ηAh :アンペアアワー効率(%) 

Id :放電電流(A) 

Td :放電時間(h) 

Ic :充電電流(A) 

Tc :充電時間(h) 

ampere-hour 

efficiency 

512 

残存容量 

部分放電又は長期保存した後の蓄電池か
ら取り出し得る容量。 

residual capacity 

513 

自己放電率 

満充電状態における容量に対する,放置
による容量の減少量の比。 

単位:% 

自己放電率は,次の式で表す。 

1

2

1

C

C

C−

=

η

ここに, η :自己放電率(%) 
 

C1 :満充電状態の蓄電池の実容

量(Ah) 

C2 :一定条件で放置した後の蓄

電池の実容量(Ah) 

self discharge rate 

514 

充電I-V特性 

充電電流と蓄電池電圧との関係を示す特
性。 

charging I-V 

characteristic 

515 

充電効率 

アンペアアワー効率及びワットアワー効
率の総称。 

単位:% 

注記 アンペアアワー効率の意味に用い

ることが多い。 

charging efficiency 

516 

蓄電池定格容量 

既定条件下で放電したときに取り出せ
る,蓄電池製造業者が指定する蓄電池の
電気量。 

単位:Ah 

rated capacity for 

battery 

517 

部分充電状態 

蓄電池が満充電に至っていない状態。 

partial state of charge 

(PSOC) 

518 

放電I-V特性 

放電電流と蓄電池電圧との関係を示す特
性。 

discharging I-V 

characteristic 

519 

放電深度 

蓄電池の放電状態を表す数値。一般に,
定格容量に対する放電量の比。 

単位:% 

depth of discharge 

520 

満充電状態 

利用できる活物質が十分に充電された状
態。 

full charge 

background image

23 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

521 

ワットアワー効率 

充電電力量に対する放電電力量の比。次
の式で表す。 

単位:% 

cav

dav

Ah

cav

c

c

dav

d

d

V

V

V

T

I

V

T

I

×

×

×

×

×

η

η

Wh

ここに,ηWh :ワットアワー効率(%) 

ηAh :アンペアアワー効率(%) 

Id :放電電流(A) 

Td :放電時間(h) 

Vdav :平均放電電圧(V) 

Ic :充電電流(A) 

Tc :充電時間(h) 

Vcav :平均充電電圧(V) 

watt-hour efficiency 

3) 評価機器 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

531 

交流系統模擬電源

装置 

系統の電圧,相数,周波数,ひずみ率,
インピーダンスなどを設定し模擬できる
交流電源装置。 

系統シミュレータ 

AC utility power 

simulator 

532 

太陽電池模擬電源

装置 

太陽電池の電流電圧特性を設定し,模擬
できる直流電源装置。 

アレイシミュレータ 

photovoltaic array 

simulator 

4) その他機器 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

541 

アレイ出力開閉器 

太陽電池サブアレイ又は太陽電池アレイ
の出力端に設置し,負荷側の設備と電気
的に区分するための開閉器。 

DC side switch 

542 

アレイ保護装置 

太陽電池サブアレイ又は太陽電池アレイ
回路に発生する地絡,短絡,過電流など
の異常を検出し,これらを分離,除去又
は警報するための装置。 

array protection unit 

543 

中継端子箱 

複数のストリング出力側と負荷側とを,
又は複数のアレイ出力側と負荷側とを端
子で中継し,必要に応じて逆流防止素子,
直流開閉器などを収納した密閉箱。 

接続箱, 
集電箱 

junction box 

c) システム 

1) システムの分類 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

601 

一般負荷システム 

ある範囲の不特定の負荷を対象として構成
及び設計したシステム。 

photovoltaic system for 

common load 

background image

24 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

602 

オンサイトシステム 太陽光発電システムと同一構内に設置した

負荷だけを対象とし,その構内で電力を発
電消費するシステム。 

photovoltaic system for 

on-site load 

603 

切換形システム 

太陽光発電電力が不足した場合だけ,ここ
に接続していた負荷を太陽光発電から切り
離して,商用電力系統側に切り替えるシス
テム。直流側切替システム及び交流側切替
システムの二つの方式がある。 

grid backed-up  

photovoltaic system, 

utility backed-up 

photovoltaic system 

604 

系統連系形太陽光発

電システム 

商用電力系統に接続し,電力の送出及び受
取を行う太陽光発電システム。 

並列連系システム 

grid-connected 

photovoltaic system, 

utility connected 

photovoltaic system,  

utility interactive 

photovoltaic system 

605 

交流側切換形システ

ム 

電力系統からの交流を,太陽光発電システ
ムのインバータ出力(交流出力)側で切り
替えるシステム。 

AC side switch-over 

photovoltaic system 

606 

集中配置システム 

太陽光発電システムを1か所に集中して設
置するシステム。 

centralized 

photovoltaic system 

607 

専用負荷システム 

既知の特定な負荷の要求だけに合わせて構
成及び設計したシステム。 

PV system for specific 

load 

608 

太陽光発電アレイ分

散配置システム 

分散配置した複数の太陽電池アレイを並列
に接続し,パワーコンディショナを集中配
置したシステム。 

dispersed array 

system 

609 

太陽光発電システム 

(たいようひかりは

つでんしすてむ), 

(たいようこうはつ

でんしすてむ) 

光起電力効果によって太陽エネルギーを電
気エネルギーに変換し,負荷に適した電力
を供給するために構成した装置,及びこれ
らに附属する装置の総体。 

PVシステム 

photovoltaic system,  
photovoltaic power 

system,  

photovoltaic power 

generating system 

610 

太陽光発電システム

分散配置システム 

分散配置した複数の太陽光発電システム
を,共通のシステム制御に基づき,配電線
を通して並列運転するシステム。 

multi-photovoltaic 

system 

611 

直流側切換形システ

ム 

電力系統からの交流を整流回路で直流に変
換して,太陽光発電システムの直流側で切
り替えるシステム。 

DC side switch-over 

photovoltaic system 

612 

独立形太陽光発電シ

ステム 

商用電力系統から独立して電力を供給する
太陽光発電システム。 

stand-alone 

photovoltaic system 

613 

ハイブリッド形太陽

光発電システム 

ディーゼル発電,風力発電などのほかの電
源を組み合わせた太陽光発電システム。 

hybrid photovoltaic 

system 

614 

分散配置システム 

分散配置した複数の小規模又は中規模太陽
光発電システム又は太陽電池アレイを一つ
の発電所のように運転するシステム。分散
配置システムには,太陽光発電システム分
散配置システム及び太陽光発電アレイ分散
配置システムがある。 

dispersed photovoltaic 

system 

615 

分散負荷システム 

小規模の配電線を設置して,太陽光発電シ
ステムと同一構内以外の負荷に対しても,
太陽光発電によって得た電力を融通するシ
ステム。 

photovoltaic system for 

distributed multi-load 

background image

25 

C 8960:2012  

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2) アレイ 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

621 

アレイ基本回路 

1個又は複数個のストリング又は単位並列
回路を,並列又は直列に接続した回路。太
陽電池アレイ電気回路の基本をなす。 

array basic circuit 

622 

アレイ集電回路 

ストリング又は単位並列回路からの出力を
集電し,太陽電池サブアレイとしてまとめ
るための回路,又は太陽電池サブアレイか
らの出力を集電し,太陽電池アレイとして
まとめるための回路。中継のための回路を
含む。 

array collection circuit 

623 

アレイ設置形態 

地上又は建物に太陽電池モジュールを設置
する形態。ダイレクト形,スタンドオフ形
及びラック形の3種がある。 

array installation mode 

624 

アレイ用支持物 

太陽電池モジュールを支持することを目的
とした単柱,架台などの工作物の総称。 

structures for 

photovoltaic array 

625 

壁材一体形アレイ 

太陽電池モジュールと壁建材とを接着剤,
ボルトなどで一体構造にしたもの。太陽電
池モジュールと壁建材とを物理的に分割す
ることが可能である。 

facade integrated type 

626 

壁材形アレイ 

太陽電池自体又は太陽電池モジュールの構
成材料が壁建材を兼ねるもの。太陽電池モ
ジュールと壁建材とを物理的に分割するこ
とが不可能である。 

facade material type 

627 

壁設置形アレイ 

壁に支持物を介して太陽電池モジュールを
設置したもの。 

facade mount type 

628 

壁用アレイ 

壁に太陽電池モジュールを設置した太陽電
池アレイ。さらに,構造又は用途によって
壁設置形,壁材一体形及び壁材形に分けら
れる。 

photovoltaic array for 

facade 

629 

逆流防止素子 

太陽電池モジュール,太陽電池パネル,太
陽電池サブアレイ又は太陽電池アレイへの
電流の逆流を防止するために直列に挿入す
る素子。 

blocking device 

630 

緊結固定線方式 

太陽電池アレイの設置方法の一つで,アレ
イを建物主要構造材に固定線で緊結する方
式。 

binding wire type 

631 

支持金具方式 

建物への太陽電池アレイの設置方法の一つ
で,建材又は建物の主要構造材の一部にア
レイ取付用の支持金具を取り付けてアレイ
を固定する方式。各種の屋根材への対応が
可能である。 

support fitting type 

632 

集光形太陽電池ア

レイ 

集光形太陽電池を用いた太陽電池アレイ。  

concentrating 

photovoltaic array 

633 

スタンドオフ形 

モジュールを建物などと平行に空隙を設け
て間接に設置する形態。 

stand-off mount mode 

634 

ストリング 

太陽電池アレイ又は太陽電池サブアレイが
所定の出力電圧を満足するよう,太陽電池
モジュールを直列に接続した回路。 

string 

background image

26 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

635 

太陽電池アレイ 

太陽電池架台及び/又は基礎,その他の工
作物をもち,太陽電池モジュール又は太陽
電池パネルを機械的に一体化し,結線した
集合体。太陽光発電システムの一部を形成
する。 

photovoltaic array 

636 

太陽電池アレイフ

ィールド 

1個又は複数個の太陽電池アレイを直列及
び/又は並列に接続し,適切な配置で設置
している現場。 

photovoltaic array 

field 

637 

太陽電池架台 

太陽電池モジュール又は太陽電池パネルを
取り付けるための支持物。 

support structure for 

photovoltaic 
panel/module,  

support structure 

638 

太陽電池サブアレ

イ 

太陽電池アレイの構成要素を備え,アレイ
出力の一部を受け持つ一つのユニット。 

photovoltaic subarray,  
sub-array 

639 

太陽電池パネル 

現場取付けができるように複数個の太陽電
池モジュールを機械的に結合し,結線した
集合体。 

photovoltaic panel 

640 

耐雷対策回路 

雷サージ電圧などの異常電圧の侵入によっ
て,太陽電池,パワーコンディショナなど
が損傷しないように異常電圧を吸収又は低
減する回路。 

surge protection circuit 

641 

ダイレクト形 

モジュールを建物などに空隙なしに直接設
置する形態。 

サージ保護回路 

direct installation mode 

642 

単位並列回路 

太陽電池アレイ又は太陽電池サブアレイが
所定の出力電流を満足するよう,太陽電池
モジュールを並列に接続した回路。 

unit parallel circuit 

643 

追尾式太陽電池ア

レイ 

太陽光を追尾する装置をもつ太陽電池アレ
イ。 

tracking photovoltaic 

array 

644 

バイパス素子(シス

テムレベル) 

部分的な日陰,太陽電池モジュール内のト
ラブルによる太陽電池アレイ全体の出力低
下,太陽電池モジュールなどの発熱又は焼
損の防止のため,太陽電池アレイ内に配置
する,出力電力をバイパスする素子。 

bypass device (on a PV 

system level) 

645 

バイパス素子(モジ

ュールレベル) 

部分的な日陰,太陽電池モジュール内のト
ラブルによる太陽電池アレイ全体の出力低
下,太陽電池モジュールなどの発熱又は焼
損の防止のため,主回路の一部を,バイパ
スする素子。 

bypass device (on a 

module level) 

646 

BOS 

太陽光発電システムの構成機器のうち,太
陽電池モジュールを除いた,架台,開閉器,
蓄電池,パワーコンディショナ,計測器な
どの周辺機器の総称。 

周辺機器 

balance of system 

647 

窓用アレイ 

窓に太陽電池モジュールを設置した太陽電
池アレイ。太陽電池自体又は太陽電池モジ
ュールの構成材料が窓材を兼ねる。 

photovoltaic array for 

window, 

window material type 

background image

27 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

648 

屋根置き形アレイ 

既存の屋根に支持物を介して太陽電池モジ
ュールを設置した屋根用アレイ。さらに,
仕上がり状態でアレイ周囲の屋根面とアレ
イ面とを同一レベルにして,支持物及び配
線材を隠蔽する方式のアレイは“見掛け屋
根一体形”と呼ぶ。また,屋根置き形アレ
イは次のように分けられる。 
1) 陸屋根用アレイ 屋根面が水平又は水

平に近い屋根用アレイ。 

2) 勾配屋根用アレイ(傾斜屋根用) 切

り妻,寄せ棟など屋根面が傾斜してい
る屋根用アレイ。 

roof mount type 

649 

屋根材一体形アレ

イ 

太陽電池モジュールと屋根建材とを接着
剤,ボルトなどで一体構造にした屋根用ア
レイ。太陽電池モジュールと屋根建材を物
理的に分割することが可能である。 

roof integrated type 

650 

屋根材形アレイ 

太陽電池自体又は太陽電池モジュールの構
成材料が屋根建材を兼ねる屋根用アレイ。
太陽電池モジュールと屋根建材とを物理的
に分割することが不可能である。 

roof material type 

651 

屋根用アレイ 

屋根に太陽電池モジュールを設置した太陽
電池アレイ。さらに構造又は用途によって
屋根置き形,屋根材一体形及び屋根材形の3
種がある。 

photovoltaic array for 

roof 

652 

ラック形 

地上又は建物に架台によって角度をもたせ
て設置する形態。 

rack mount mode 

3) 連系 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

671 

逆潮流 

需要家構内から電力系統側へ向かう電力。  

reverse power flow 

672 

系統連系運転 

自家用発電設備を商用電力系統に接続し,
運転している状態。 
注記 連系している商用電力系統の電圧階

級及び形態によって,低圧連系,高圧
連系,特別高圧連系,スポットネット
ワーク連系などに区分することもあ
る。 

grid-connected 

operation,  

utility connected 

operation 

673 

自立運転 

系統連系した自家用発電設備を電力系統か
ら切り離した状態で,一時的に需要家構内
単独で運転する状態。 

isolated operation 

674 

単独運転 

自家用発電設備が接続される一部の電力系
統を,系統電源から切り離した状態におい
て,自家用発電設備から,線路負荷に電力
供給又は電圧を印加している状態。 

islanding operation 

675 

独立運転 

商用電力系統と接続していない負荷に,電
力供給している状態。 

stand-alone operation 

background image

28 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4) 特性・性能 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

701 

アレイ寄与率 

総合システム入力電力量のうち,アレイ出
力電力量の占める割合。 

単位:% 

次の式で表す。 

τ

τ

τ

in,

A,

A,

E

E

F=

ここに,FA,τ :アレイ寄与率 
 

EA,τ :アレイ出力電力量(Wh) 

Ein,τ :総合システム入力電力量 

(Wh) 

太陽エネルギー依

存率 

fraction of total system 

input energy 
contributed by 
photovoltaic array 

702 

アレイ出力電力量 

一定の期間に太陽電池アレイが発電する電
力量。 

単位:Wh 

array output energy 

703 

アレイ損失 

太陽電池アレイで生じる損失。等価日太陽
日照時間と等価日アレイ運転時間との差で
表す。 

単位:h・d−1 

array capture losses 

704 

温度補正係数 

総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,太陽電池モジュール温度の変化に伴
う出力電力量の変化を補正する係数。次の
式で表す。 
  KPT=1+αPmax×(TCR−TS) 
  TCR=TA+∆TCR 

ここに,KPT :温度補正係数 
 

αPmax :最大出力温度係数 

TCR :日射による加重平均温度 

(℃) 

∆TCR :加重平均電池温度上昇 

(℃) 

TA :周囲温度(℃) 

TS :標準試験条件における温度 

(=25 ℃) 

cell temperature factor 

705 

基準アレイ面日射

強度 

標準試験条件における太陽電池アレイ面へ
の日射強度。 

standard irradiance in 

array plane 

706 

逆潮流電力量 

需要家から商用電力系統へ向かう電力量。 

単位:Wh 

energy to utility grid 

707 

経時変化補正係数 

総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,太陽電池モジュールガラス表面の汚
れ又は劣化による出力電力量の低下,太陽
光の分光分布の変動に伴う出力電力量の変
化,モジュールガラス表面の反射又は透過
による出力電力量の変化,充塡材による吸
収などを補正する係数。 

efficiency deviation 

factor 

708 

系統受電電力量 

商用電力系統からの受電電力量。 

単位:Wh 

energy from utility grid 

background image

29 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

709 

公称システム出力 

直流出力であって,標準動作条件のとき,
規定した太陽電池アレイ出力によって規定
する負荷に接続したときに得られる太陽光
発電システムの出力。 

単位:W 

nominal system power 

710 

公称システム出力

電圧 

公称システム出力の条件におけるシステム
出力電圧。 

単位:V 

nominal system output 

voltage 

711 

公称システム出力

電流 

公称システム出力の条件におけるシステム
出力電流。 

単位:A 

nominal system output 

current 

712 

システム出力係数 

パワーコンディショナ出力電力量を,アレ
イ面日射量と標準アレイ太陽電池出力との
積で除した値。太陽光発電システムの性能
を示す指標として用いる。次の式で表す。 

AS

A

S

PCO

R

P

H

G

E

P

×

×

=

ここに, PR :システム出力係数 
 

EPCO :パワーコンディショナ出力

電力量 

HA :アレイ面日射量 

PAS :標準アレイ太陽電池出力 

GS :標準試験条件における日射

強度 

性能比 

performance ratio 

713 

システム発電効率 

総合システム出力電力量を,アレイ面日射
量とアレイ面積との積で除した値。 

単位:% 

次の式で表す。 

τ

τ

τ

η

H

A

E

×

a

use,

  

S,=

ここに, ηS,τ :システム発電効率 
 

Euse,τ :総合システム出力電力量 

(Wh) 

Aa :アレイ面積(m2) 

Hτ :アレイ面日射量(Wh・m−2) 

system efficiency 

714 

システム利用率 

総合システム出力電力量を,標準太陽電池
アレイ出力と時間との積で除した値。 

単位:% 

次の式で表す。 

τ

τ

τ

×

0

use,

S,

P

E

L=

ここに,LS,τ :システム利用率 
 

Euse,τ :総合システム出力電力量 

(Wh) 

P0 

:標準太陽電池アレイ出力 

(W) 

τ 

:時間(h) 

capacity factor 

background image

30 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

715 

実効太陽電池アレ

イ出力 

標準動作条件における,太陽電池アレイの
最大出力点における出力。 

単位:W 

SOC photovoltaic array 

maximum power 

716 

実効太陽電池アレ

イ出力電圧 

標準動作条件における,太陽電池アレイの
最大出力点の出力電圧。 

単位:V 

SOC photovoltaic array 

maximum power 
voltage 

717 

総合システム効率 

平均アレイ効率とパワーコンディショナ実
効効率との積。 

単位:% 

total system efficiency 

718 

総合システム出力

電力量 

パワーコンディショナから出力する総電力
量。 

単位:Wh 

次の式で表す。 

Euse,τ=EL,τ+ETUN,τ+ETSN,τ 

ここに, Euse,τ :総合システム出力電力量 
 

EL,τ :負荷への出力電力量(Wh) 

ETUN,τ :商用電力系統へのネット電 

力量(Wh) 

ETSN,τ :蓄電池へのネット電力量 

(Wh) 

システム発電電力

量 

total system output 

energy 

719 

総合システム入力

電力量 

パワーコンディショナに入力する総電力
量。 

単位:Wh 

次の式で表す。 

Ein,τ=EA,τ+EBU,τ+EFUN,τ+EFSN,τ 

ここに,Ein,τ 

:総合システム入力電力量 

EA,τ 

:アレイ出力電力量(Wh) 

EBU,τ :バックアップ電力量(Wh) 

EFUN,τ :商用電力系統からの 

ネット電力量(Wh) 

EFSN,τ :蓄電池からのネット電力

量(Wh) 

total system input 

energy 

720 

総合設計係数 

太陽光発電システムの,ある期間の日射量
に見合った標準試験条件で発電可能な電力
量を推定するために,日射量年変動補正係
数,経時変化補正係数,温度補正係数,負
荷整合補正係数,日陰補正係数などの低減
要素を見込んで乗じる係数。 

total design factor 

721 

蓄電池寄与率 

総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,アレイ出力電力量に対する,蓄電池
充電電力量の比で表し,蓄電池のエネルギ
ー貢献度を補正するための係数。次の式で
表す。 

BD

Bi

Bi

BA

E

E

E

γ

ここに,γBA :蓄電池寄与率 

EBD :蓄電池バイパス電力量(Wh) 
EBi :蓄電池充電電力量(Wh) 

battery contribution 

ratio 

background image

31 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

722 

直流コンディショ

ナ実効効率 

総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,直流コンディショナの,入力電力量
に対する出力電力量の比。 

単位:% 

次の式で表す。 

DDI

DDO

DDO

E

E

η

ここに, ηDDO :直流コンディショナ実効効

率 

EDDO :直流コンディショナ出力電

力量(Wh) 

EDDI :直流コンディショナ入力電

力量(Wh) 

DC/DC converter 

effective energy 
efficiency 

723 

定格システム出力 

次の2種の定義がある。 
a) 独立形太陽光発電システムの場合 
 

太陽光発電システムが交流出力,かつ,
定格負荷に接続したときに得られる出
力。 

b) 系統連系形太陽光発電システムの場合 
 

標準動作条件の下で,連続的に出力し
得るシステムの最大の出力。 

単位:W  

rated system power 

注記 独立形太陽光発電システムにおいて

は,日射条件は任意とする。 

724 

定格システム出力

周波数 

定格システム出力の条件におけるシステム
出力周波数。 

単位:Hz 

rated system frequency 

725 

定格システム出力

電圧 

定格システム出力の条件におけるシステム
出力電圧。 

単位:V 

rated system output 

voltage 

726 

定格システム出力

電流 

定格システム出力の条件におけるシステム
出力電流。 

単位:A 

rated system output 

current 

727 

定格負荷 

製造業者が指定した定格システム出力を実
現するときの負荷条件。 

rated load 

728 

等価日アレイ運転

時間 

1日の積算したアレイ出力電力量を負荷又
は系統に供給するとき,標準太陽電池アレ
イ出力で,太陽電池アレイを運転したとき
の1日当たりの時間数。 

単位:h・d−1 

photovoltaic array yield, 
array yield 

729 

等価日システム運

転時間 

1日の積算した総合システム出力電力量の
うち,太陽電池アレイが供給するシステム
出力電力量を,標準太陽電池アレイ出力で
除した値。アレイが標準太陽電池アレイ出
力で運転したときの,システムの1日当た
りの時間数を表す。 

単位:h・d−1 

photovoltaic system 

yield 

background image

32 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

730 

等価日太陽日照時

間 

基準アレイ面日射強度で日積算アレイ面日
射量を供給するのに必要な1日当たりの時
間数。 

単位:h・d−1 

reference yield 

731 

日射量年変動補正

係数 

総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,長期における気象の変動に伴う日射
量の不足を見込む係数。次の式で表す。 

G,

HG

H

HD1

H

d

K

ρ

ここに,KHD :日射量年変動補正係数 

dH 

:日射変動係数 

ρHG :年数に対する年間水平面日

射量の標準偏差 

HG,a :年数に対する年間水平面日

射量の平均値 

a

G,

HG

H

ρ

 :日射変動度 

annual irradiation 

deviation factor 

732 

ネット電力量 

決められた方向の電力量の総和。 

単位:Wh 

正味電力量 

net energy 

733 

バックアップ電力

量 

他の電源からの補完電力量。 

単位:Wh 

back-up energy 

734 

パワーコンディシ

ョナ実効効率 

総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,インバータの入力電力量に対する出
力電力量の比。 

単位:% 

次の式で表す。 

PCI

PCO

PCO

E

E

η

ここに,ηPCO :パワーコンディショナ実効

効率 

EPCO :パワーコンディショナ出力

電力量(Wh) 

EPCI :パワーコンディショナ入力

電力量(Wh) 

power conditioner 

effective energy 
efficiency 

background image

33 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

735 

BOS効率 

BOSのエネルギー効率で,負荷,蓄電池及
び系統への電力量を,太陽電池アレイ及び
バックアップ電力量で除した値。 

単位:% 

次の式で表す。 

τ

BU,

τ

A,

τ

FUN,

τ

TUN,

τ

FSN,

τ

TSN,

τ

L,

BOS

E

E

E

E

E

E

E

+

+

+

=

η

ここに,ηBOS :BOS効率 
 

EL,τ :負荷への入力電力量(Wh) 

ETSN,τ :蓄電池へのネット電力量 

(Wh) 

EFSN,τ :蓄電池からのネット電力量 

(Wh) 

ETUN,τ :商用電力系統へのネット電

力量(Wh) 

EFUN,τ :商用電力系統からのネット

電力量(Wh) 

EA,τ :アレイ出力電力量(Wh) 

EBU,τ :バックアップ電力量(Wh) 

BOS efficiency 

736 

BOS損失 

BOS構成要素で生じる損失。次の式で表す。 

    LBOS=YA×(1−ηBOS) 

ここに,LBOS :BOS損失 

ηBOS :BOS効率 
YA :等価日アレイ運転時間 

BOS loss 

737 

日陰部分等価面積 

アレイ内の陰がない部分が受ける陰の影響
を考慮して見積もった日陰部分の面積。 

738 

日陰補正係数 

総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,日陰がないときの発電電力量に対す
る,日陰があるときの発電電力量の比。 

shading factor 

739 

日陰率 

太陽電池アレイ面積に対する,太陽電池ア
レイ面の日陰部分等価面積の比。次の式で
表す。 

m

m

A

k

k=

ここに,k :日陰率 

km:日陰部分等価面積(m2) 

Am :太陽電池アレイ面積(m2) 

shadow cover rate 

740 

標準試験条件 

日射強度1 000 W・m−2,エアマス1.5及び太
陽電池アレイ代表温度25±2 ℃の試験条
件。 

STC 

standard test 

conditions (STC) 

741 

標準太陽電池アレ

イ開放電圧 

標準試験条件における太陽電池アレイの開
放電圧。 

単位:V 

open-circuit voltage 

under standard test 
conditions 

742 

標準太陽電池アレ

イ出力 

標準試験条件における太陽電池アレイの最
大出力点における出力。 

単位:W 

maximum power 

under standard test 
conditions 

background image

34 

C 8960:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

743 

標準太陽電池アレ

イ出力電圧 

標準試験条件における太陽電池アレイの最
大出力点の出力電圧。 

単位:V 

maximum power 

voltage under 
standard test 
conditions 

744 

標準動作条件 

日射強度1 000 W・m−2,エアマス1.5及びア
レイ代表温度が公称動作セル温度の動作条
件。 

SOC 

standard operating 

conditions (SOC) 

745 

負荷整合補正係数 

総合設計係数の算出に用いる補正係数の一
つで,太陽電池アレイ出力の最適動作点か
らのずれによって生じる出力電力量の変化
を補正する係数。 

load matching factor 

746 

不日照想定期間 

蓄電池があり,補助電源がない太陽光発電
システムで,システム設計のときに,連続
して発電が得られないと想定した期間。 

単位:日又は時間 

注記1 不日照想定期間は,蓄電池だけで仕

様書に想定した負荷をバックアッ
プすることになる。 

注記2 システム設計の際の必要蓄電池容

量の計算は,完全充電状態からの容
量で計算する場合,及びシステム運
用で想定する部分充電状態からの
残容量で計算する場合がある。 

assumed non-sunshine 

period,  

assumed no-storage 

period 

747 

平均アレイ効率 

太陽電池アレイのエネルギー効率で,アレ
イ出力電力量を,アレイ面日射量とアレイ
面積との積で除した値。 

単位:% 

太陽電池アレイ変

換効率 

mean array efficiency 

748 

無効電力潮流量 

発電設備設置者の構内から系統側へ向かう
電力の内の無効電力分,又は系統側から構
内に向かう電力の内の無効電力分。 

quantity of reactive 

power current 

749 

有効電力潮流量 

発電設備設置者の構内から系統側へ向かう
電力の内の無効電力分,又は系統側から構
内に向かう電力の内の有効電力分。 

quantity of effective 

power current 

参考文献 IEC/TS 61836:2007,Solar photovoltaic energy systems−Terms, definitions and symbols