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C 8954

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


C 8954

:2006

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  アレイ回路構成

2

5.

  構成要素

3

5.1

  基本回路

3

5.1.1

  基本回路の構成

3

5.1.2

  基本回路の構成条件

4

5.1.3

  基本回路電気設計

4

5.2

  逆流防止素子

4

5.2.1

  設置条件

4

5.2.2

  選定条件

4

5.3

  バイパス素子

4

5.3.1

  設置条件

4

5.3.2

  選定条件

5

5.4

  集電回路

5

5.5

  アレイ出力開閉器

5

5.6

  保護装置

5

5.7

  接地回路

5

5.7.1

  接地回路の種類

5

5.7.2

  主回路接地

6

5.7.3

  保護接地

6

5.8

  耐雷対策回路

6

 
 


日本工業規格

JIS

 C

8954

:2006

太陽電池アレイ用電気回路設計標準

Design guide on electrical circuits for photovoltaic arrays

序文  この規格は,1997 年に発行された TR C 0005 “太陽電池アレイ用電気回路設計標準”について,

過年度の研究成果及び既に設置されている多数の太陽電池アレイの実態を参考に見直しを行い作成した日

本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,地上又は構造物に設置する系統連系用太陽電池アレイ(以下,アレイという。)

で,標準太陽電池アレイ開放電圧が 30 V 以上 750 V 以下,かつ,標準太陽電池アレイ出力が 100 W 以上

のアレイ電気回路の一般的な設計標準について規定する。

備考1.  この規格は,集光式アレイには適用しない。

2.

この規格でいう電気回路設計とは,アレイ電気回路の構成機器,構成方法,設計条件などを

いう。

3.

この規格に規定する太陽電池アレイの電気的出力特性値は,JIS C 8951 による。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 3307

  600 V ビニル絶縁電線(IV)

JIS C 3327

  600 V ゴムキャブタイヤケーブル

JIS C 3342

  600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル(VV)

JIS C 3401

  制御用ケーブル

JIS C 3605

  600 V ポリエチレンケーブル

JIS C 8305

  鋼製電線管

JIS C 8430

  硬質塩化ビニル電線管

JIS C 8918

  結晶系太陽電池モジュール

JIS C 8939

  アモルファス太陽電池モジュール

JIS C 8951

  太陽電池アレイ通則

JIS C 8952

  太陽電池アレイの表示方法

JIS C 8960

  太陽光発電用語

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 8951 及び JIS C 8960 によるほか,次による。

a)

ストリング  アレイ又は太陽電池サブアレイ(以下,サブアレイという。)が所定の出力電圧を満足す

るよう,太陽電池モジュールを直列に接続した回路。

b)

基本回路  ストリングを 1 個又は複数並列に接続した回路で,アレイ電気回路の基本をなす回路。


2

C 8954

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c)

集電回路  ストリングからの出力を集電し,サブアレイとしてまとめるための回路又はサブアレイか

らの出力を集電してアレイとしてまとめるための回路。中継のための回路を含む。

d)

集電損失  配線,中継端子台などを含む集電回路各部で発生する損失。

e)

アレイ出力開閉器  サブアレイ又はアレイの出力端に設置し,負荷側の設備と区分するための開閉器。

f)

アレイ保護装置  サブアレイ又はアレイ回路に発生する地絡,短絡,過電流などの異常を検出し,こ

れらを分離若しくは除去又は警報するための装置。

g)

耐雷対策回路  雷サージ電圧などの異常電圧の侵入によって,太陽電池,パワーコンディショナなど

が損傷しないように異常電圧を吸収・低減する回路。

4.

アレイ回路構成

a)

アレイ規模  標準太陽電池アレイ出力が大規模アレイは 100 kW 以上,中規模アレイは 20 kW 以上 100

kW

未満及び小規模アレイは 20 kW 未満とする。

b)   

回路構成  太陽電池アレイの回路構成例を,図 に示す。大規模アレイ及び中規模アレイは,複数の

サブアレイで構成する。小規模アレイの回路構成例を,

図 に示す。

1  太陽電池アレイ電気回路の構成例


3

C 8954

:2006

Ds

:逆流防止素子,Db:バイパス素子,SA:避雷素子

2  小規模アレイの回路図

c)

構成要素  アレイ回路の一般的な構成要素は,次のとおりである。

1)

基本回路

2)

逆流防止素子

3)

バイパス素子

4)

集電回路

5)

アレイ出力開閉器

6)

接地回路

7)

アレイ保護装置

8)

耐雷対策回路

d)

主回路  基本回路,逆流防止素子,集電回路及び出力開閉器をもってサブアレイ又はアレイの主回路

を構成する。

e)

附属回路  バイパス素子,接地回路,保護装置及び耐雷対策回路をもって附属回路を構成する。

5.

構成要素

5.1

基本回路

5.1.1

基本回路の構成  回路は,図 に示す回路構成を基本とした。


4

C 8954

:2006

3  基本回路の構成

5.1.2

基本回路の構成条件  太陽電池モジュールは,JIS C 8918 若しくは JIS C 8939 に適合するものか又

はこれと同等の性能をもった同一特性のものを使用する。ただし,異形の太陽電池モジュールなどの特性

の異なったものは,あらかじめ設計条件(性能など)が明示されていれば使用可能とする。

5.1.3

基本回路電気設計

a)

各ストリングの標準太陽電池出力電圧はできる限り等しくしなければならない。

b)

標準太陽電池アレイ出力電圧は,使用するパワーコンディショナの入力電圧範囲内とする。

5.2

逆流防止素子

5.2.1

設置条件  基本回路内並びにサブアレイ及びアレイの出力端には逆流防止ダイオード又はこれに

代わる機能をもつ素子を設ける(

図 及び図 参照)。

a)

基本回路内  基本回路内の各ストリングに 1 個又は必要に応じ複数個設置する。

b)

サブアレイ及びアレイの出力端  サブアレイ及びアレイの出力端に 1 個又は必要に応じ複数個設置す

る。ただし,負荷側から電圧の加わるおそれがない場合であって,かつ,小規模なアレイですべての

ストリングに逆流防止素子を設ける場合,又は中規模以上のアレイですべてのサブアレイの出力端に

逆流防止素子を設ける場合は,アレイ出力端の逆流防止素子を省略してもよい。

5.2.2

選定条件  逆流防止素子は,アレイ開放電圧 V

α

の最大値(特に冬期)に十分耐える逆耐圧容量,

及び各部の短絡電流に十分耐える電流容量をもたなければならない。順方向損失は,標準太陽電池アレイ

出力の 1  %以下であることが望ましい。ただし,小規模なアレイでは,順方向損失に関する条件を省略し

てもよい。

5.3

バイパス素子

5.3.1

設置条件  図 及び図 に示すとおり,基本回路にバイパスダイオード又はこれに代わる機能をも

つ素子を設ける。

a)

基本回路内の各ストリングにおいて,少なくとも各モジュールごとに JIS C 8918 に準じてバイパス素

子を設ける。


5

C 8954

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5.3.2

選定条件  バイパス素子が保護する各回路の短絡電流 I

α

を十分にバイパスできる定格電流をもち,

かつ,バイパス素子逆耐圧は,セル特性,モジュール特性,設置地域,バイパス素子取付箇所及びバイパ

ス素子温度特性を考慮して選定しなければならない。

5.4

集電回路

a)

集電損失率  集電損失率 L

W

は,次の式で表す。

)

(

100

t

i

W

×

å

P

L

L

ここに,

L

W

集電損失率

P

t

サブアレイ又はアレイの標準太陽電池アレイ出力

L

i

サブアレイ又はアレイ主回路の損失

集電損失率は,4  %以下とすることが望ましい。

b)

電線サイズ  アレイ主回路内の電線サイズは,集電損失率が 4  %以下になるよう選定する。

なお,最小電線サイズを 2 mm

2

とする。また,5.6 に示す短絡保護回路を設けない場合は,各部の

短絡電流に十分耐えるものを使用する。

c)

電線種別  アレイ回路に使用する電線は,JIS C 3307JIS C 3327JIS C 3342JIS C 3401 及び JIS C 

3605

に示す線種又はこれらと同等の性能をもつ線種を使用する。

d)

電線の電気的接続方法  電線を接続する場合は,接続管,コネクタなどその他の器具を使用し電気的

に確実に接続するとともに,接続点に張力が加わらないように配慮する。

なお,接続箇所は絶縁耐力があるもので十分に被覆する。

e)

電線の保護  電線を地上,地中,建物内及び構造物に沿って敷設する場合には,JIS C 8305 及び JIS C 

8430

に規定する示す電線管又はこれらと同等の性能をもつ電線管によって保護する。ただし,電線に

ケーブルを使用し,かつ,ケーブルに重量物による圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがない

場合は,この限りでない。

f)

中継端子台など  集電の各段階で必要となる中継端子台などは,屋外にあっては防水構造の箱に収容

するとともに,線間及び対地共に十分な絶縁距離並びに耐力をもつものを使用する。

g)

極性表示  集電用電線,中継端子箱などを含むアレイ主回路の極性表示は,JIS C 8952 の 4.3.1(主回

路)による。

5.5

アレイ出力開閉器  サブアレイ及びアレイの出力端にアレイ出力開閉器を設ける。アレイ出力開閉

器は,アレイから流入する短絡電流を遮断するのに十分な容量をもち,かつ,アレイの開放電圧に対して

十分な絶縁性能をもつものを使用する。

5.6

保護装置

a)

地絡保護及び短絡保護  アレイ内の地絡又は短絡事故を検出し,警報又は事故部分を分離及び遮断す

るための保護回路を設ける。ただし,短絡保護は,短絡電流に耐え得る電路であれば省略できる。ま

た,アレイが小規模で,インバータなどの他の負荷側設備の近傍にあって,負荷側設備に一括して遮

断器並びに地絡保護装置及び短絡保護装置,又はこれに準じる分離機能及び遮断機能をもつときは,

これを省略してもよい。

b)

事故分離機能  アレイを複数のサブアレイで構成するときは,事故部分をほかと分離及び遮断するた

め,必要に応じ,サブアレイごとにアレイ出力開閉器を設ける。

5.7

接地回路

5.7.1

接地回路の種類  接地回路を次の二種類に区分する。


6

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a)

主回路接地  アレイの発生電力を出力する主回路の接地をいう。

b)

保護接地  耐雷対策回路の接地,保護装置など各種附属回路の二次側回路の接地,太陽電池モジュー

ル,架台などの金属部分の接地をいう。

5.7.2

主回路接地  アレイ主回路は,通常接地しない。ただし,回路構成上必要な場合で,適切な保護が

なされている場合は,この限りでない。

5.7.3

保護接地  アレイの保護接地は,次の各項によって行う。

a)

接地の種類  接地の種類は,次による。

1)

標準太陽電池アレイ開放電圧が 300 V 以下の場合:D 種接地工事

2)

標準太陽電池アレイ開放電圧が 300 V を超える場合:C 種接地工事

b)

接地線のサイズ  雷サージ電流などに留意したサイズの電線を使用する。接地回路の電線サイズは,

表 による。

1  接地工事と接地線のサイズ

接地工事の種類

接地線のサイズ

C

種接地工事及び D 種接地工事

引張強さ 0.39 kN 以上の金属線又は直径 1.6 mm 以上
の軟銅線

c)

接地線の種類  接地線の種類は,5.4 c)に示す集電用電線と同等とする。

d)

接地線の色  接地線の色は,緑とする。

e)

接地表示  保護接地回路の表示は,JIS C 8952 の 4.3.2(保護接地回路)による。

5.8

耐雷対策回路  襲雷頻度の高い場合は,アレイの架台を接地するとともに,必要に応じて避雷素子

をアレイ主回路内に分散設置する。

なお,避雷素子は,最大制限電圧が最大許容回路電圧の 2 倍以下で,サージ耐量が 1 kA 以上の定格をも

つアレスタ,サージアブソーバなどを使用する。

関連規格  JIS C 2810  屋内配線用電線コネクタ通則−分離不能形