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C 8946

:2009

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  測定条件

2

4.1

  標準状態 

2

4.2

  基準状態 

2

5

  測定装置

2

6

  測定

3

6.1

  測定項目 

3

6.2

  測定方法 

3

6.3

  測定手順 

4

6.4

  放射照度の計算

5

7

  測定データの処理方法 

5

7.1

  測定データの補正

5

7.2

  補正式

5

7.3

  各パラメータの算出方法 

6


C 8946

:2009

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及び財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

8946

:2009

多接合太陽電池セル・モジュール屋外出力測定方法

Outdoor measuring method of output power for

multi-junction solar cells and modules

適用範囲 

この規格は,JIS C 8941 に規定する二次基準多接合太陽電池要素セル(以下,二次基準要素セルという。

を用いて自然太陽光の下で,平面・非集光形の電力発電を目的とする地上用多接合太陽電池セル,地上用

多接合太陽電池サブモジュール及び地上用多接合太陽電池モジュール(以下,太陽電池セル・モジュール

という。

)の出力特性を測定する方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 8912

  結晶系太陽電池測定用ソーラシミュレータ

JIS C 8913

  結晶系太陽電池セル出力測定方法

JIS C 8941

  二次基準多接合太陽電池要素セル

JIS C 8942

  多接合太陽電池測定用ソーラシミュレータ

JIS C 8945

  多接合太陽電池出力電圧・出力電流の温度係数測定方法

JIS Z 8103

  計測用語

JIS Z 8113

  照明用語

JIS Z 8120

  光学用語

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8103JIS Z 8113 及び JIS Z 8120 によるほか,次による。

3.1 

基準要素セル校正値比 

測定に用いる複数の二次基準要素セルの校正値で規格化した電流値の比。

例として,二接合型太陽電池の各要素セルを模擬した 2 個の二次基準要素セルの場合の基準要素セル校

正値比を式(1)で表す。

)

/

(

)

 /

(

bcal

bm

tcal

tm

I

I

I

I

CR

=

 (1)

ここに,

CR: 基準要素セル校正値比

I

tm

基準要素セル(上部発電層に対応)の電流値

I

tcal

基準要素セル(上部発電層に対応)の校正値

I

bm

基準要素セル(下部発電層に対応)の電流値


2

C 8946

:2009

I

bcal

基準要素セル(下部発電層に対応)の校正値

測定条件 

4.1 

標準状態 

太陽電池セル・モジュールの測定条件は,次による。

a)

セル・モジュール温度

10

∼70  ℃

b)

放射照度

800

W/m

2

以上

c)

基準要素セル校正値比

0.98

∼1.02

d)

採光条件  直達日射,水平面全天日射,傾斜面全天日射のいずれの光も使用できるが,二次基準要素

セル及び被測定太陽電池セル・モジュールは,太陽光線と垂直(±10°以内の範囲)となるように置

く。また,測定中の放射照度の変動は,1  %以内とし,地表面,周囲の建物などから直達日射が直接

反射しないようにする。

4.2 

基準状態 

基準状態は,次による。

a)

セル・モジュール温度   

25

b)

分光分布 

基準太陽光(JIS C 8941 参照)

c)

放射照度 

1 000 W/m

2

測定装置 

測定装置は,次による。

a)

電圧計及び電流計は,±0.5  %の精度を有するものとする。

なお,抵抗器の精度は,±0.2  %以内とする。

b)

電圧計は,測定中のいかなる場合でも,電圧計に流入する電流が,短絡電流 I

sc

の 0.1  %を超えないよ

うに,入力インピーダンスが高くなければならない。

c)

温度の測定には精度±1  ℃の温度計を用いる。

d)

二次基準要素セルは,JIS C 8941 の規定に従って校正したものを用いる。ただし,JIS C 8942 に規定

する等級 MS 若しくは等級 MA,又は JIS C 8912 に規定する等級 A のソーラシミュレータの下での要

素セルとのスペクトルミスマッチ誤差が±1  %以下であるものを用いる。また,屋外測定に用いる二

次基準要素セルは,周囲の温度及び環境変化の影響を受けにくく,かつ,保管しやすいパッケージ内

に封入し,次の条件を満たさなければならない。その他の条件は,JIS C 8941 の規定による。

1)

パッケージのフロントカバーと二次基準要素セルとの間は,安定で透明の充てん材で埋め,充てん

材の屈折率は,フロントカバーの屈折率と類似(10  %以内)しているものを用いる。さらに,二次

基準要素セルの感度波長領域で,入射光の 95  %以上が二次基準要素セルに吸収されるようにする。

2)

二次基準要素セルは,温度を±1  ℃の精度で維持できる構造とする。

なお,JIS C 8945 の規定によって,1 000 W/m

2

の放射照度で温度係数を測定しておく。

e)

バイアス用電源(バイポーラ電源を含む。

)は,被測定太陽電池セル・モジュールの可変負荷(電子負

荷を含む。

)として用いることができるもので,

図 の I-V 特性曲線上の A 点(電圧が負の値を示す

点)と B 点(電流が負の値を示す点)との間で電圧をステップ状又は連続的に掃引できなければなら

ない。

注記  被測定太陽電池セル・モジュールにかかる逆バイアス電圧によって,被測定太陽電池セル・


3

C 8946

:2009

モジュールは,特性劣化又は破壊を起こす場合があるので,被測定太陽電池セル・モジュー

ルの種類ごとに逆バイアス電圧の最大値を制御できることが望ましい。ただし,逆バイアス

電圧については,太陽電池モジュール製造業者の指定する値を用いることが望ましい。

a)

  A

点の電圧値は,7.2 に規定する補正をした

後でも,負であるように設定することが望ま
しい。

b)

  B

点の電流値は,7.2 に規定する補正をした

後でも,負であるように設定することが望ま
しい。

c)

  C

:I-V 特性曲線と電流軸との交点

d)

  D

:I-V 特性曲線と電圧軸との交点

図 1I-V 特性曲線 

測定 

6.1 

測定項目 

次の項目について,被測定太陽電池セル・モジュールの特性値を測定する。

a)

短絡電流  I

sc

(mA 又は A)

b)

開放電圧  V

oc

(mV 又は V)

c)

最大出力  P

m

(mW 又は W)

d)

最大出力動作電圧  V

pm

(mV 又は V)

e)

最大出力動作電流  I

pm

(mA 又は A)

f)

曲線因子  FF

g)

太陽電池セル・モジュール変換効率

η

 (

%)

h)

電圧規定電流  I

v

(mA 又は A)

i)

電流規定電圧  V

i

(mV 又は V)

6.2 

測定方法 

測定方法は,次による。

a)

被測定太陽電池セル・モジュールの接続は,4 端子法を用いる。プローブ,リード線などの接続は,

被測定太陽電池セル・モジュールを遮へいしないよう,集電電極など発電に寄与しない部分に配置し,


4

C 8946

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遮へいされる面積が,被測定太陽電池セル・モジュールの有効面積の 3  %以上にならないようにする。

b) I-V

特性曲線の測定は,

図 の回路を使用し,その測定点数は,FF の推定精度が±2  %以内となるよ

うに選定する。

図 2I-V 特性曲線の測定回路の一例 

c)

バイポーラ電源及び電子抵抗負荷は,連続的又はステップ状に変化させる。その電圧の範囲は,短絡

電流付近から開放電圧までとする。

d)

バイポーラ電源及び電子抵抗負荷をステップ状に変化させる場合,電圧・電流のサンプリング遅延時

間は,被測定太陽電池セル・モジュールの時定数の 4 倍以上とする。

e)

ガラス基板の多接合太陽電池では,測定誤差を最小にするため,セル周辺部の非発電部分は,黒色板

などで遮へいし,発電部以外に照射された光の回り込みを防ぐ。

なお,バイパスダイオード及び逆流防止ダイオードは,通常,取り外す。ただし,取り外すことのでき

ない場合は,短絡電流又は開放電圧は外挿して求める。

6.3 

測定手順 

測定手順は,次による。

a)

二次基準要素セル及び被測定太陽電池セル・モジュールに,地表面,周囲の建物などから直達日射の

直接反射がないことを確認する。

b)

二次基準要素セル及び被測定太陽電池セル・モジュールの面は,±5°以内で同一平面に設定する。

c)

二次基準要素セル及び被測定太陽電池セル・モジュールの面は,法線方向を直達日射に対し±10°以


5

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内に設定する。

d)

二次基準要素セルの出力電流値及び温度を測定し,式(2)によって放射照度を決定する。

(

)

1

25

000

1

2

1

T

I

I

E

ref

ref

ref

×

=

α

 (2)

ここに,

E: 放射照度 (W/m

2

)

I

ref1

標準状態(測定状態)での二次基準要素セルの短絡電流 
(mA)

I

ref2

基準状態での二次基準要素セルの短絡電流 (mA)

T

1

標準状態(測定状態)での二次基準要素セルの温度  (℃)

α

ref

放射照度 1 000 W/m

2

での二次基準要素セルの短絡電流の温

度係数 (mA/℃)

e) 

各二次基準要素セルによって測定した放射照度が 800 W/m

2

以上であること,及び基準要素セル校正値

比が,

4.1 c) 

に示す範囲であることを確認する。

f)

被測定太陽電池セル・モジュールの I-V 特性曲線及び温度を測定する。

g)

測定中の放射照度の変動が±1  %以内であること,二次基準要素セル及び被測定太陽電池セル・モジ

ュールの温度の変動が±2  ℃以内であることを確認する。また,測定後,基準要素セル校正値比が,

4.1 c) 

に示す範囲であることを確認する。

6.4 

放射照度の計算 

放射照度 は,式(2)によって算出する。

測定データの処理方法 

7.1 

測定データの補正 

箇条

6

で測定したデータは,必要な場合には,

7.2

に示す補正式によって基準状態へ補正する。

ただし,次の

a)

及び

b)

を満足する場合は,補正を行わなくてもよい。

a)

被測定太陽電池セル・モジュール温度が,25±2  ℃の範囲にあるとき。

b)

放射照度が,1 000±10 W/m

2

の範囲にあるとき。

7.2 

補正式 

直線補間の方法によって,次の温度補正及び照度補正を行い,基準状態の I-V 特性曲線へ補正する。た

だし,放射照度 E

1

は 800 W/m

2

以上とし,どの条件においても各二次基準要素セルで測定された基準要素

セル校正値比は,

4.1 c) 

に示す範囲でなければならない。

なお,

4.1 c) 

の条件が困難であれば,放射照度 E

2

は暗状態(0 W/m

2

)

でもよい。

a) 

温度補正 1

放射照度(E

1

)

の条件で,温度が異なる I-V 特性を二つ測定する(

図 3

の 1,2)

。二つの異

なる温度 T

1

T

2

における短絡電流値を I

sc1

I

sc2

とし,それぞれの I-V 特性上の電圧値,電流値を(V

1

I

1

)

及び(V

2

,  I

2

)

とする。ただし,I

2

I

1

+(I

sc2

I

sc1

)

となるように I

1

及び I

2

を選ぶ。これらによって,式(3)

及び式(4)を用いて,

T

3

(

=25  ℃)のときの I-V 特性上の電圧値及び電流値(V

3

I

3

)

を計算する

図 3

の 5)

b) 

温度補正 2

別の放射照度(E

2

)

で,

a) 

と同様に温度が異なる I-V 特性を二つ測定する(

図 3

の 3,4)

この二つの I-V 特性から,

a) 

と同様に,T

3

(

=25  ℃)のときの I-V 特性に換算する(

図 3

の 6)

c)

照度補正

温度補正で求めた二つの I-V 特性(

図 3

の 5,6)上の電圧値,電流値を(V

1

,  I

1

)

及び(V

2

,  I

2

)

とする。ただし,V

2

V

1

となるように V

1

及び V

2

を選ぶ。これらによって,式(5)を用いて照度 E

3

のと


6

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きの I-V 特性上電圧値及び電流値(V

3

I

3

)

を計算する(

図 3

の 7)

[

]

)

(

)

(

)

(

)

(

1

1

2

2

1

2

1

3

1

1

3

3

I

V

I

V

T

T

T

T

I

V

I

V

×

+

=

 (3)

なお,式(3)の I

1

I

2

及び I

3

は,次の条件を満たす値とする。

)

(

1

2

1

2

1

3

1

3

I

I

T

T

T

T

I

I

×

+

=

 (4)

[

]

)

(

)

(

)

(

)

(

1

2

1

2

1

3

1

3

V

I

V

I

E

E

E

E

V

I

V

I

×

+

=

 (5)

図 3

直線補間法の説明図 

7.3 

各パラメータの算出方法 

短絡電流(I

sc

)

,開放電圧(V

oc

)

,最大出力(P

m

)

,最大出力動作電圧(V

pm

)

,最大出力動作電流(I

pm

)

,曲線因子

(FF)

,太陽電池セル・モジュール変換効率(η),電圧規定電流(I

v

)

及び電流規定電圧(V

i

)

を,

JIS C 8913

6.4

(各パラメータの算出方法)によって算出する。