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C 8915 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS C 8915-1989 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実

用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録

出願にかかわる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

8915

 : 1998

結晶系太陽電池分光感度特性測定方法

Measuring methods of spectral response

for crystalline solar cells and modules

序文  規格を適用するに当たっては,その規格が引用している規格も同時に参照しなければならない。ま

た,同類の規格があれば,これとの比較検討が必要なことも多い。

この規格は,1995 年に発行された IEC 60904-8, Photovoltaic devices−Part 8 : Guidance for the measurement of

spectral response of a photovoltaic (PV) device

を元に,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格

である。

1.

適用範囲  この規格は,平面・非集光の電力発電を目的とする積層形を除く地上用結晶系太陽電池セ

ル・モジュール(以下,太陽電池セル・モジュールという。

)の相対分光感度特性を測定する方法について

規定する。

備考  この規格の引用規格を次に示す。

JIS C 8913

  結晶系太陽電池セル出力測定方法

JIS C 8914

  結晶系太陽電池モジュール出力測定方法

JIS Z 8103

  計測用語

JIS Z 8113

  照明用語

JIS Z 8120

  光学用語

2.

用語の定義  この規格で用いる用語の定義は,JIS C 8913JIS C 8914JIS Z 8103JIS Z 8113 及び

JIS Z 8120

によるほか,次による。

(1)

白色バイアス光  被測定太陽電池セル・モジュールにチョッピングした単色光を照射して分光感度特

性を測定するとき,太陽電池セル・モジュールを動作状態にして測定するためにチョッピング単色光

に重畳して照射する定常白色光。

(2)

放射照度の場所むら  場所による放射照度のむらは,次の式で表す。

100

min

max

min

max

×

+

±

=

E

E

E

E

E

ここに,

E

放射照度の場所むら (%)

E

max

放射照度の最大値 (W/m

2

)

E

min

放射照度の最小値 (W/m

2

)

(3)

放射計  標準ランプ又は絶対放射計で校正された,熱電対又は熱電たい(堆)を使用した波長依存性

がない熱形放射計。

(4)

すその透過比  干渉フィルタの透過中心波長より±100nm 離れた波長での透過率と最大透過率との比。


2

C 8915 : 1998

(5)

分光感度  太陽電池の入射単色光放射照度に対する短絡電流出力を波長依存性で表す特性。

なお,分光感度のピーク値を基準に相対値で示す値を,相対分光感度という。

3.

測定条件  測定条件は,次による。

(1)

単一の太陽電池セルについては単色光入力を全面又はその一部に均一に照射する。この場合の太陽電

池セルは試料を切り出すか,又は同一製作条件によって作られたものでもよい。

太陽電池サブモジュールについては,単色光入力を全面に均一に照射する。ただし,単色光を全面

均一に照射できない場合には太陽電池サブモジュールを構成する太陽電池セルを切り出すか,又は同

一製作条件によって作られたものを 3.(3)によって複数個測定し,6.に基づいて測定結果を処理する。

太陽電池モジュールについては,サブモジュールの測定に準じる。

(2)

単色放射照度は,約 0.2W/m

2

以上が望ましく,単色光の照射面上の放射照度の場所むらは,±2.5%以

内とする。ただし,分光感度比較測定方法を用いて,分光感度測定用セルと被測定サンプル,又は部

分照射面がほぼ同一面積であり,かつ,両者の測定が同一テスト面上で行われる場合は,照射面上の

放射照度の場所むらは±5%以内でもよい。

(3)

部分照射及び切り出しサンプルを用いる場合の測定区分とサンプル数又は測定箇所は,

表 による。

表 1  太陽電池セル・モジュールの測定区分

太陽電池セル・モジュール

測定

部分照射

5

か所以上

区分

切 り 出 し
サンプル

5

サンプル以上

(4)

太陽電池セル・モジュールの測定では,放射光源として単色光と共に白色バイアス光を用いること。

(5)

白色バイアス光は,できるだけ基準太陽光に近似した光源を用い,その受光面での白色バイアス光放

射照度は約 50%に下げても分光感度特性が変化しない範囲の強度とし白色バイアス光の放射照度の場

所むらは±3%以内とする。

(6)

測定時の温度・湿度は,25±5℃,相対湿度 40∼80%とする。

(7)

干渉フィルタ型モノクロメータを用いる場合は,半値幅は 5nm 以下,測定の波長間隔は 25nm 以下,

すその透過比は,測定波長域が 350nm 以上 400nm 未満の領域で 0.02%以下,400nm 以上で 0.2%以下

とする。

4.

測定装置  測定装置は,次による。

(1)

放射光源

(2)

モノクロメータ  回折格子,プリズムによる分散型又は干渉フィルタ型。

(3)

放射計

(4)

短絡電流測定回路  図 による。抵抗値は両端の直流電圧降下が開放電圧の 3%を超えないように選

ぶ。

(a)

単色光をチョッピングする場合  図の電圧測定器は交流電圧計又はロックイン検出器を用いる。

(b)

単色光をチョッピングしない場合  図の電圧測定器は直流電圧計を用いる。


3

C 8915 : 1998

図 1  短絡電流測定回路

5.

測定方法  測定方法は,次のいずれかによる。ただし,チョッピング法を用いる場合は,測定値の変

化のない範囲のチョッピング周波数を用いること。

(1)

放射計方法  この方法は,被測定試料に入る単色光の放射照度  [E

in

 (

λ

)]

を熱形放射計によって測定し,

そのときの短絡電流値  [I

sc

 (

λ

)]

の比をある波長の値で規格化し,次の式によって求める。

( )

)

(

)

(

)

(

)

(

1

in

1

sc

2

in

2

sc

λ

λ

λ

λ

λ

E

I

E

I

Q

=

ここに,

Q

 (

λ

)

相対分光感度

E

in

 (

λ

)

単色光入力の放射照度 (W/m

2

)

I

sc

 (

λ

)

短絡電流(mA 又は A)

λ

1

規格化する波長 (nm)

λ

2

測定波長 (nm)

(2)

分光感度比較測定方法  あらかじめ(1)の方法で測定された相対分光感度をもつ分光感度測定用セル

と被測定太陽電池セル・モジュールを用いて,次の式によって求める。ただし,分光感度測定用セル

としては単結晶セルを用いる。

)

(

)

(

)

(

)

(

scr

sct

r

λ

λ

λ

λ

I

I

Q

Q

=

ここに,

Q

 (

λ)  : 相対分光感度

Q

r

 (

λ)  : あらかじめ(1)の方法で測定された分光感度測定用セル

の相対分光感度

I

sct

 (

λ)  : 被測定太陽電池セル・モジュールの短絡電流の測定値

I

scr

 (

λ)  : 分光感度測定用セルの短絡電流の測定値

6.

太陽電池セル・モジュールの測定結果の処理  太陽電池セル・モジュールの測定で,部分照射を行う

場合又は切り出しサンプルを用いる場合の測定結果の処理は,次による。

(1)

被測定太陽電池セル・モジュールを同一テスト面上で測定する場合の短絡電流 I

sc

  (

λ)  のばらつきが,

測定全波長域で±5%以内であるとき,各波長での短絡電流の平均値 I

sc

  (

λ)  を用いて相対分光感度 Q

(

λ)  を求める。

(2)

被測定太陽電池セル・モジュールを同一テスト面上で測定する場合の短絡電流 I

sc

  (

λ)  のばらつきが,

測定波長域のどこかで±5%を超える場合,照射される面積がセル全面積の 30%以上になるように部分

照射箇所又は切り出しサンプルの数を増やし,各波長での短絡電流の平均値 I

sc

 (

λ)  を用いて相対分光

感度 Q (

λ)  を求める。


4

C 8915 : 1998

7.

記録  バイアス光照射の有無及び最高感度を示す波長を付記した次のデータを記録する。

(1)

分光感度データ(数値)

(2)

特性曲線(波長対相対分光感度)

専門委員会委員  構成表

氏名

所属

猪  狩  真  一

財団法人日本品質保証機構

石  原      隆

三菱電機株式会社

大  山  秀  明

松下電池工業株式会社

大  山  芳  正

社団法人日本電機工業会

岡  田  健  一

京セラ株式会社

兼  岩      実

シャープ株式会社

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

栗谷川      悟

昭和シェル石油株式会社

小  林  広  武

財団法人電力中央研究所

下  川  隆  一

工業技術院電子総合研究所

高  倉  秀  行

立命館大学

髙  橋  昌  英

株式会社四国総合研究所

中  村      昇

三洋電機株式会社

橋  爪  邦  隆

工業技術院標準部

(後  藤  王  喜)

畠  中  正  人

新エネルギー・産業技術総合開発機構

濱      敏  夫

株式会社富士電機総合研究所

濱  川  圭  弘

立命館大学

水  上  誠志郎

鐘淵化学工業株式会社

宮  沢  和  男

工業技術院

三  宅  行  美

英弘精機株式会社

吉  川  重  夫

日本放送協会

根  上  卓  之

松下電器産業株式会社

増  田  岳  夫

財団法人光産業技術振興協会

平  原  奎治郎

財団法人光産業技術振興協会

堀  切  賢  治

財団法人光産業技術振興協会

生  沢  正  克

財団法人日本品質保証機構

池  田  光  佑

株式会社松下テクノリサーチ