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C 8910 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実

用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録

出願にかかわる確認について,責任はもたない。


C 8910 : 2001

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  一次基準太陽電池セルの構造

8

5.

  一次基準太陽電池用セルの選別方法

10

6.

  一次基準太陽電池用セルの校正方法

10

6.1

  基準状態

11

6.2

  設置

11

6.3

  校正方法

11

6.4

  校正手順

11

7.

  短絡電流の放射照度依存性(リニアリティー)の測定

12

8.

  測定結果の表示方法

12

9.

  一次基準太陽電池セルの管理方法

13


日本工業規格

JIS

 C

8910

 : 2001

一次基準太陽電池セル

Primary reference solar cells

序文  規格を適用するに当たっては,その規格が引用している規格も同時に参照しなければならない。ま

た,同類の規格があれば,これとの比較検討が必要なことも多い。

1.

適用範囲  この規格は,平面・非集光形の電力発電を目的とする地上用結晶系・アモルファス太陽電

池セル,及び地上用結晶系・アモルファス太陽電池モジュール(以下,太陽電池セル・モジュールという。

の出力測定に用いる二次基準結晶系・アモルファス太陽電池セル(以下,二次基準太陽電池セルという。

を校正するために用いる一次基準太陽電池セルについて規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格はその最新版(追補を含む。

)を適用する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS C 1102-1

  直動式指示電気計器  第 1 部:定義及び共通する要求事項

JIS C 1102-2

  直動式指示電気計器  第 2 部:電流計及び電圧計に対する要求事項

JIS C 1602

  熱電対

JIS C 3312

  600V ビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル

JIS C 8912

  結晶系太陽電池測定用ソーラシミュレータ

備考  IEC 60904-9 : 1995, Photovoltaic devices−Part 9 : Solar simulator performance rcquirements を元

に国際規格には規定されていない規定項目(測定手順などの測定方法)を追加している。

JIS C 8915

  結晶系太陽電池分光感度特性測定方法

備考  IEC 60904-8 : 1995, Photovoltaic devices−Part 8 : Guidance for the measurement of a photovoltaic

(PV) device

がこの規格と一致している。

JIS C 8933

  アモルファス太陽電池測定用ソーラシミュレータ

JIS C 8936

  アモルファス太陽電池分光感度特性測定方法

JIS Z 8103

  計測用語

JIS Z 8113

  照明用語

JIS Z 8120

  光学用語

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8103JIS Z 8113 及び JIS Z 8120 の規定によるほ

か,次による。

a)

二次基準太陽電池用セル  同一基板材料を用い,同一構成で製作された一群の太陽電池セルのうち,

一定の選別方法によって選別したもの。


2

C 8910 : 2001

備考  分光感度特性に変化が生じない安定な基準アモルファス太陽電池が得られない場合には,安定

な太陽電池(例えば,結晶シリコン太陽電池)に特性変化がない適切な光学フィルターを装着

して擬似的に分光感度特性を合致させた擬似アモルファス太陽電池を含む。

b)

二次基準太陽電池セル  一次基準太陽電池セルと JIS C 8912 及び JIS C 8933 に規定のソーラシミュレ

ータを用いて,二次基準太陽電池用セルを校正したもの。

c)

一次基準太陽電池用セル  二次基準太陽電池用セルのうち,一定の選別方法によって選別したもの。

備考  分光感度特性に変化が生じない安定な基準アモルファス太陽電池が得られない場合には,安定

な太陽電池(例えば,結晶シリコン太陽電池)に特性変化がない適切な光学フィルターを装着

して擬似的に分光感度特性を合致させた擬似アモルファス太陽電池を含む。

d)

一次基準太陽電池セル  一次基準太陽電池用セルの短絡電流を,そのセルの絶対分光感度特性と基準

太陽光の分光放射照度分布を基に値付けしたもの。

e)

擬似アモルファス太陽電池セル  分光感度特性及び入力光放射照度に対する出力電流の直線性に関し

て変化が生じない安定な太陽電池が得られない場合,他の種類の安定な太陽電池(例えば,結晶系シ

リコン太陽電池)に特性変化が生じない光学フィルタを装着して擬似的に分光感度特性をアモルファ

ス太陽電池に合致させた太陽電池セル。

f)

基準太陽光  太陽電池セルの出力特性を共通の条件で表現するために,放射照度及び分光放射照度分

布を規定した自然太陽光。この基準太陽光の分光放射照度分布は,大気状態が,

可降水分量

:1.42cm

大気オゾン含有量

:0.34cm

混濁係数(波長 0.5

µm の場合)

:0.27

エアマス

:1.5

で,測定条件が,

アルベド

:0.2

測定面(水平面に対して)

:37°

であるときの 1 000W/m

2

の全天日射(直達日射と散乱日射を含む。

)を表す。その分光放射照度分布

表 及び図 に示す。


3

C 8910 : 2001

表 1  基準太陽光の分光放射照度分布

波長

µm

分光放射照度

W

・m

2

µm

1

分光ホトン放射照度

cm

2

・s

1

µm

1

累積積分放射照度

W

・m

2

0.305 0

9.5

1.459 E

+015 0.06

0.310 0

42.3

6.602 E

+015 0.19

0.315 0

107.8

1.710 E

+016 0.57

0.320 0

181.0

2.916 E

+016 1.29

0.325 0

246.8

4.038 E

+016 2.36

0.330 0

395.3

6.567 E

+016 3.97

0.335 0

390.1

6.579 E

+016 5.93

0.340 0

435.3

7.451 E

+016 7.99

0.345 0

438.9

7.623 E

+016 10.18

0.350 0

483.7

8.523 E

+016 12.49

0.360 0

520.3

9.430 E

+016 17.51

0.370 0

666.2

1.241 E

+017 23.44

0.380 0

712.5

1.363 E

+017 30.33

0.390 0

720.7

1.415 E

+017 37.50

0.400 0

1 013.1

2.040 E

+017 46.17

0.410 0

1 158.2

2.391 E

+017 57.02

0.420 0

1 184.0

2.504 E

+017 68.74

0.430 0

1 071.9

2.320 E

+017 80.01

0.440 0

1 302.0

2.884 E

+017 91.88

0.450 0

1 526.0

3.457 E

+017 106.02

0.460 0

1 599.6

3.704 E

+017 121.65

0.470 0

1 581.0

3.741 E

+017 137.55

0.480 0

1 628.3

3.935 E

+017 153.60

0.490 0

1 539.2

3.797 E

+017 169.44

0.500 0

1 548.7

3.898 E

+017 184.88

0.510 0

1 586.5

4.074 E

+017 200.55

0.520 0

1 484.9

3.887 E

+017 215.91

0.530 0

1 572.4

4.196 E

+017 231.20

0.540 0

1 550.7

4.216 E

+017 246.81

0.550 0

1 561.5

4.324 E

+017 262.38

0.570 0

1 501.5

4.309 E

+017 293.01

0.590 0

1 395.5

4.145 E

+017 321.98

0.610 0

1 485.3

4.561 E

+017 350.78

0.630 0

1 434.1

4.549 E

+017 379.98

0.650 0

1 419.9

4.647 E

+017 408.52

0.670 0

1 392.3

4.696 E

+017 436.64

0.690 0

1 130.0

3.925 E

+017 461.86

0.710 0

1 316.7

4.707 E

+017 486.33

0.718 0

1 010.3

3.652 E

+017 495.64

0.724 4

1 043.2

3.805 E

+017 502.21


4

C 8910 : 2001

波長

µm

分光放射照度

W

・m

2

µm

1

分光ホトン放射照度

cm

2

・s

1

µm

1

累積積分放射照度

W

・m

2

0.740 0

1 211.2

4.512 E

+017 519.79

0.752 5

1 193.9

4.523 E

+017 534.82

0.757 5

1 175.5

4.483 E

+017 540.75

0.762 5

643.1

2.469 E

+017 545.29

0.767 5

1 030.7

3.983 E

+017 549.48

0.780 0

1 131.1

4.442 E

+017 562.99

0.800 0

1 081.6

4.356 E

+017 585.12

0.816 0

849.2

3.489 E

+017 600.56

0.823 7

785.0

3.255 E

+017 606.85

0.831 5

916.4

3.836 E

+017 613.49

0.840 0

959.9

4.059 E

+017 621.46

0.860 0

978.9

4.238 E

+017 640.85

0.880 0

933.2

4.134 E

+017 659.97

0.905 0

748.5

3.410 E

+017 680.99

0.915 0

667.5

3.075 E

+017 688.07

0.925 0

690.3

3.215 E

+017 694.86

0.930 0

403.6

1.890 E

+017 697.60

0.937 0

258.3

1.218 E

+017 699.91

0.948 0

313.6

1.497 E

+017 703.06

0.965 0

526.8

2.559 E

+017 710.20

0.980 0

646.4

3.189 E

+017 719.00

0.993 5

746.8

3.735 E

+017 728.41

1.040 0

690.5

3.615 E

+017 761.82

1.070 0

637.5

3.434 E

+017 781.74

1.100 0

412.6

2.285 E

+017 797.49

1.120 0

108.9

6.140 E

+016 802.71

1.130 0

189.1

1.076 E

+017 804.20

1.137 0

132.2

7.567 E

+016 805.32

1.161 0

339.0

1.981 E

+017 810.98

1.180 0

460.0

2.733 E

+017 818.57

1.200 0

423.6

2.559 E

+017 827.40

1.235 0

480.5

2.988 E

+017 843.22

1.290 0

413.1

2.683 E

+017 867.80

1.320 0

250.2

1.663 E

+017 877.75

1.350 0

32.5

2.209 E

+016 881.99

1.395 0

1.6

1.124 E

+015 882.75

1.442 5

55.7

4.045 E

+016 884.11

1.462 5

105.1

7.738 E

+016 885.72

1.477 0

105.5

7.845 E

+016 887.25

1.497 0

182.1

1.372 E

+017 890.12

1.520 0

262.6

2.010 E

+017 895.24

1.539 0

274.2

2.125 E

+017 900.34

1.558 0

275.0

2.157 E

+017 905.56


5

C 8910 : 2001

波長

µm

分光放射照度

W

・m

2

µm

1

分光ホトン放射照度

cm

2

・s

1

µm

1

累積積分放射照度

W

・m

2

1.578 0

244.6

1.943 E

+017 910.75

1.592 0

247.4

1.983 E

+017 914.19

1.610 0

228.7

1.854 E

+017 918.48

1.630 0

244.5

2.006 E

+017 923.21

1.646 0

234.8

1.946 E

+017 927.05

1.678 0

220.5

1.863 E

+017 934.33

1.740 0

171.5

1.502 E

+017 946.48

1.800 0

30.7

2.782 E

+016 952.55

1.860 0

2.0

1.873 E

+015 953.53

1.920 0

1.2

1.160 E

+015 953.63

1.960 0

21.2

2.092 E

+016 954.07

1.985 0

91.1

9.104 E

+016 955.48

2.005 0

26.8

2.705 E

+016 956.66

2.035 0

99.5

1.019 E

+017 958.55

2.065 0

60.4

6.279 E

+016 960.95

2.100 0

89.1

9.420 E

+016 963.57

2.148 0

82.2

8.889 E

+016 967.68

2.198 0

71.5

7.912 E

+016 971.52

2.270 0

70.2

8.023 E

+016 976.62

2.360 0

62.0

7.367 E

+016 982.57

2.450 0

21.2

2.615 E

+016 986.32

2.494 0

18.5

2.323 E

+016 987.19

2.537 0

3.2

4.087 E

+015 987.66

2.941 0

4.4

6.515 E

+015 989.19

2.973 0

7.6

1.138 E

+016 989.38

3.005 0

6.5

9.834 E

+015 989.60

3.056 0

3.2

4.923 E

+015 989.85

3.132 0

5.4

8.515 E

+015 990.18

3.156 0

19.4

3.082 E

+016 990.48

3.204 0

1.3

2.097 E

+015 990.98

3.245 0

3.2

5.228 E

+015 991.07

3.317 0

13.1

2.188 E

+016 991.66

3.344 0

3.2

5.387 E

+015 991.88

3.450 0

13.3

2.310 E

+016 992.75

3.573 0

11.9

2.141 E

+016 994.30

3.765 0

9.8

1.858 E

+016 996.38

4.045 0

7.5

1.527 E

+016 998.79

1

000.00


6

C

 8910 :

 20
01

図 1  基準太陽光の分光放射照度分布 


7

C

 8910 :

 20
01

図 1  基準太陽光の分光放射照度分布(続き)



C 8910 : 2001

g)

エアマス  (AM)    地球大気に入射した太陽直達光が通過した路程の長さ。標準状態の大気(標準気

圧:1 013hPa)に垂直に入射した太陽直達光が通過した路程の長さを AM1.0 として,それに対する倍

率で表す。

エアマスが 4 以下の場合,次の式で表す。

( )

Z

b

b

AM

sec

0

×

ここに,

b

0

:  標準気圧 (hPa)

b

:  測定時の気圧 (hPa)

Z

:  太陽の天頂角(度)

h)

ソーラシミュレータ

  人工的に,基準太陽光の放射照度と分光分布を模擬した光源。規格は

JIS C 8912

及び

JIS C 8933

による。

i)

短絡電流

  (I

sc

)

  太陽電池セルの出力端子を短絡したときに両端子間に流れる電流。

j)

分光感度特性

  太陽電池出力を入射光の波長依存性で表した特性で,短絡電流 I

sc

 (

λ)  を入射単色光入

力 P (

λ)  との比として表示したもの。

なお,単位は絶対分光感度又はある波長で規格化した相対値(相対分光感度)として表す。

k)

放射照度

  (E

r

)

  太陽電池セル面に入射する放射束を,その面の面積で除した値。

l)

スペクトルミスマッチ誤差

  基準太陽電池セルを用いて被測定太陽電池セルの出力特性を測定すると

きに,基準太陽電池セルと被測定太陽電池セルとの間での相対分光感度のずれ,及び基準太陽光と測

定光源との間での分光放射照度分布のずれが原因で生じる測定誤差。

m)

分光放射照度標準電球

  黒体との比較測定により波長 0.25∼2.5

µm の分光放射照度の値がつけられた

分光放射照度電球で,国の標準器によって直接校正されたもの,又は,国際照明委員会 (CIE) によっ

て同等性を有すると認められたもの。

n)

放射計

  測定面に到達する放射束を測定する装置。特に,装置内に基準となるヒーターを持ち入射放

射束の絶対値を直接測定するものを絶対放射計という。

o)

世界放射計測基準 (World Radiometric Reference) 

  世界放射計測基準 (World Radiometric Reference)

はデザインの異なる 4 種類以上の絶対放射計群 WSG (World Standard Group)  による直達日射強度の測

定結果により確立された基準としての直達日射強度を表す。年 1 回,群内での比較測定を行い,WRR

の補正を行う。

備考

各国の基準となる絶対放射計は 5 年に 1 回,世界放射センター  (World Radiation Centre DAVOS)

に持ち寄り,比較測定を行うことにより WRR への補正を行う。

4.

一次基準太陽電池セルの構造

  一次基準太陽電池セルは,周囲の温度及び光学的環境変化の影響を受

けにくく,かつ,保管しやすいパッケージ内に封入され,次の条件を満たすものとする。パッケージの代

表的な構造の一例を

図 2

に示す。


9

C 8910 : 2001

品番

名称

品番

名称

ケース本体

ケーブル押さえ

ガラス押さえ

ホロセットねじ

O

リング

接続端子板

ガラス窓

ポッティング

コバール板

端子

プラグコネクタ

十字穴付きなべ小ねじ

袋ナット

キャノンプラグ

O

リング

十字穴付きなべ小ねじ

ホース接続口

十字穴付き皿小ねじ

熱電対

21

十字穴付き皿小ねじ

キャブタイヤケーブル

図 2  一次基準太陽電池セルのパッケージ構造の一例 

(寸法は参考値)

a)

太陽電池セルの温度を一定に保持できる構造をもち,温度を±1℃の精度で測定できるものとする。

b)

パッケージの開口角は 160°(全角)以上とする。

c)

太陽電池セルの感度波長域で入射光の 95%以上が吸収されること。

d)

太陽電池セルの出力端子は電流端子,電圧端子を別々に備えた構造とする。

e)

太陽電池セルの温度を測定するための熱電対(

JIS C 1602

参照)は,特性測定上,光を遮らない場所

に熱的に良好な状態で接触されていること。

f)

セルの出力端子は,

図 3

に示す構造と寸法のプラグを用い,各リード線は図に示したとおり接続され

ていること。


10 
C 8910 : 2001

図 3  プラグの構造

なお,リード線は,

JIS C 3312

に規定する 4 心ビニル絶縁ケーブル又はこれと同等以上のものを用

いる。

5.

一次基準太陽電池用セルの選別方法

  一次基準太陽電池用セルの選別は,同一基板材料を用い,同一

構成で製作された一群の太陽電池セルから,次のいずれかの方法によって行う。

備考

擬似アモルファス太陽電池セルの場合には,方法

(2)

によって行う。

a)

2

光源方法

(分光感度特性の測定を要しない選別方法)  この方法の選別手順は,次による。

1)

あらかじめ開放電圧,短絡電流,曲線因子,外観などがセル群の平均値から極端に異なるものを取

り除く。

2)

太陽電池セル群から,20 枚程度を無作為に抜き取る。

3)

分光放射照度分布が異なる二つの安定な光源を用いて短絡電流 I

sc1

 (A)

及び I

sc2

 (A)

を測定する。こ

の際の放射照度は,いずれも 800W/m

2

以上でなるべく近い放射照度であること。

4)

2

光源下での短絡電流の比

1

2

sc

sc

I

I

R

を 枚(約 20 枚)の太陽電池セルについて測定し,これらの比の平均値

n

R

R

i

n

1

=

å

を求める。

5)

R

の値の分布が平均値を 中心に±

3%

以内であるとき,が に最も近い

2

個を一次基準太陽電池

用セルとする。

6)

R

の値の分布が平均値 を中心に±

3%

を超えるときには,製作された一群の太陽電池をあらかじめ

幾つかの群に類別した上で,改めてそれぞれの群において,の値の分布が平均値 を中心に±

3%

以内であるとき,が に最も近い

2

個を群の一次基準太陽電池用セルとする。

b)

スペクトルミスマッチ誤差計算による方法(分光感度特性の測定を要する選別法)  ソーラシミュレ

ータを用いて太陽電池セルの出力特性を測定するときのスペクトルミスマッチによる測定誤差が±

1%

以内である標準的な太陽電池セルを数個選別し,一次基準太陽電池用セルとする。

6.

一次基準太陽電池用セルの校正方法


11

C 8910 : 2001

6.1

基準状態  基準状態は次のとおりとする。

a)

太陽電池セル温度:

25

b)

分光分布        :基準太陽光

c)

放射照度        :

1 000W/m

2

6.2

設置  設置は,次による。

a)

電圧計,電流計,バイアス用電源,標準抵抗器,温度計,ソーラシミュレータ及び分光放射照度標準

電球に基づいて校正されたスペクトロラジオメータを用意する。電圧計及び電流計は,JIS C 1102-1

及び JIS C 1102-2 で規定する

0.5

級以上の許容差で,電圧計の内部抵抗値は

20k

Ω/V

以上とし,電圧計

及び電流計の最大目盛は測定値の

3

倍以内のものとする。

また,標準抵抗器は抵抗値

0.1

以下,確度±

0.1%

,温度計は確度±

1

℃のものであること。ソーラ

シミュレータは,JIS C 8912 及び JIS C 8933 に規定する等級

A

のものとする。

b)

一次基準太陽電池用セルを用意する。後述する

WRR

に基づく校正方法を採用する場合には,

WRR

トレーサブルな絶対放射計(ソーラシミュレータ光の広がり角よりも広い開口角をもつ絶対放射計で

あること)を用意する。

6.3

校正方法  校正方法として,以下の二つの方法のどちらかを採用する。

a)

分光放射照度標準電球に基づく屋内校正方法  この一次基準太陽電池セル校正方法の基本的な校正

原理は,一次基準太陽電池セルの分光感度特性

  [

Q

  (

λ) ]

,短絡電流

  [

I

sc

  (

m

) ]

,そして短絡電流を測

定したときのソーラシミュレータの絶対分光放射照度

  [

φ

m

 (

λ) ]

を測定し,これらの測定値と基準太陽

光の分光放射照度

  [

φ

s

 (

λ) ]

から,次の式を用いて,一次基準太陽電池用セルの短絡電流

  [

I

sc

 (

c

) ]

を算

出し,その値を校正値とする。

( )

( )

( ) ( )

( ) ( )

ò

ò

λ

λ

λ

φ

λ

λ

λ

φ

d

d

s

m

Q

Q

m

I

c

I

sc

sc

b)

世界放射計測基準 (WRR) に基づく屋内校正方法  この方法は世界放射計測基準 (World Radiometric

Reference)

に基づく校正方法である。WRR に基づく校正方法を採用する場合は,a)の測定に加えて,

さらに WRR にトレーサブルな絶対放射計を使用してソーラシミュレータの絶対放射照度  [E

m

]

を測

定し,次の式で表される分光放射照度標準電球の校正係数 a(ほとんど “1” に近い値)を求める必要

がある。

( )

ò

λ

λ

φ

d

m

m

E

a

続いて,次の式を用いて一次基準太陽電池用セルの短絡電流 I

sc

 (c)

を算出し,その値を校正値とす

る。

( )

( )

( ) ( )

( ) ( )

ò

ò

λ

λ

λ

φ

λ

λ

λ

φ

d

d

m

s

Q

a

Q

m

I

c

I

sc

sc

6.4

校正手順

  校正は,次の順序に従って行う。

a)

分光感度特性 Q (

λ

の測定

JIS C 8915

及び

JIS C 8936

に従って行う。

b)

短絡電流 I

sc

 (m

の測定

  短絡電流の測定手順は,次の順序に従って行う。

1)

JIS C 8912

及び

JIS C 8933

で規定している等級 A のソーラシミュレータを用意し,ソーラシミュレ


12 
C 8910 : 2001

ータの放射照度をサーモパイルなどの熱的受光器を用いて約 1 000W/m

2

に設定する。分光分布,放

射照度及び放射照度均一性が共に安定状態になるまで十分に予熱を行う。

2)

一次基準太陽電池用セルはソーラシミュレータの所定の位置に,その受光面が入射光に対し垂直に

なるように置き,一次基準太陽電池用セルの温度が 25℃になるよう附属の温度制御装置で一定に保

つ。

3)

一次基準太陽電池用セルの電流端子は 0.1

の標準抵抗器で短絡し,この標準抵抗器の両端に確度

0.1%

以上の電圧計を接続する。

4)

一次基準太陽電池用セルの温度を測定するため,温度測定器を所定の方法で接続する。

5)

以上の接続のもとで短絡電流 I

sc

  (m)

を 10 回以上,繰返し測定し,平均値を求める。ただし,測定

値の分布が平均値を中心に±1%を超えるときには,再度,校正手順を繰り返す。

c)

ソーラシミュレータの分光放射照度

φ

m

  (

λ

の測定

  短絡電流の測定に用いられるソーラシミュレー

タの絶対分光放射照度の測定は,次の手順で行う。

1)

分光放射照度測定装置は十分に予熱した後,分光放射照度標準電球を用いて標準校正を行う。

2)

校正された分光放射照度測定装置によるソーラシミュレータの絶対分光放射照度の測定は,ソーラ

シミュレータの有効照射面のうち,一次基準太陽電池用セルが設置される照射面について行う。

3)

測定結果は,各測定波長ごとの電気出力として記録する。

d)

ソーラシミュレータの絶対放射照度の測定

  WRR に基づく校正方法を採用する場合には,ソーラシ

ミュレータの分光放射照度

φ

m

 (

λ)  に加えて,WRR にトレーサブルな絶対放射計(ソーラシミュレータ

光の広がり角よりも広い開口角をもつ絶対放射計であること。

を使用してソーラシミュレータの絶対

放射照度 E

m

を測定し,分光放射照度標準電球の校正係数 を求める。分光放射照度測定と絶対放射

照度測定の受光面が一致していることが重要である。また,分光放射照度測定装置は,ソーラシミュ

レータ光の全スペクトル分布を測定できる性能(少なくとも,Xe ソーラシミュレータの場合の測定波

長範囲は 250nm∼2 500nm)をもつことが必要である。

e)

測定値の平均化

1)

I

sc

 (m)

φ

m

 (

λ)  ,及び E

m

測定は測定精度を向上させるため,交互に繰り返し測定を 2 回行う。

2)

I

sc

 (m)

は 2 回測定の平均値を採用する。

3)

分光放射照度

φ

m

 (

λ)  及び絶対放射照度 E

m

の 2 回の測定値を用いて前述した校正式に従って,

校正短

絡電流値を求める。これらの値の差が±1%以内である場合にこれらの測定値から求められた校正短

絡電流値の平均値を校正値とする。2 回の校正短絡電流値の差が 1%を超える場合は,校正システム

の安定化を図り,その上で再度,校正手順を繰り返す。

7.

短絡電流の放射照度依存性(リニアリティー)の測定

  一次基準太陽電池セルは放射照度を基準状態

(1 000W/m

2

)

に設定する目的で校正されるが,その短絡電流値が放射照度に対してリニアリティーがある

場合には,そのリニアリティーが確認された範囲において,一次基準太陽電池セルを放射照度の測定に使

用することができる。また,リニアリティーがない場合でも,その短絡電流値と放射照度の関係が確認さ

れている範囲で,放射照度の測定に使用することができる。

短絡電流値が放射照度の増大に対して直線的に増大するリニアリティーの確認は,分光放射照度測定装

置又は,絶対放射計を使用してソーラシミュレータの放射照度を順次設定し,そのときの一次基準太陽電

池セルの短絡電流値を測定して行う。その測定手順は,

5.4

の校正手順に従う。

8.

測定結果の表示方法

  校正方法及び校正結果は,

表 2

のように表示する。


13

C 8910 : 2001

なお,一次基準太陽電池セルを放射照度測定に使用する場合には,短絡電流の放射照度依存性の測定デ

ータを添付する。

表 2  測定結果の表示方法

測定項目

結果

一次基準太陽電池用セルの選別方法

一次基準太陽電池セルの校正方法

セル温度 25℃

分光放射照度分布

クラス A のソーラーシミュレータ

放射照度 1

000W/m

2

校正短絡電流値

□mA

備考1.  結果の△は,一次基準太陽電池用セルの選別方法,校正方法を表す。

2.

結果の□は,校正短絡電流値を表す。

9.

一次基準太陽電池セルの管理方法

  一次基準太陽電池セルの管理は,次の方法で行う。

a)

一次基準太陽電池セルは,環境変化の少ない場所に保管する。

b)

一次基準太陽電池セルの管理は,定期的に校正を行い,その校正値の変動範囲が±1%以下であること

を確認する。

c)

各校正値の記録は,校正値に校正日を付記し,経歴表としてまとめておく。

(参考) 

一次基準太陽電池セルの管理方法

  二次基準結晶系・アモルファス太陽電池セルを校正するとき基準器と

して利用される一次基準太陽電池セルの校正方法は,通商産業省工業技術院電子技術総合研究所(現,独

立行政法人産業技術総合研究所)と財団法人日本品質保証機構が共同で確立し,財団法人日本品質保証機

構が維持し,一次基準太陽電池セルの管理をしていた。


14 
C 8910 : 2001

JIS C 8910

(一次基準太陽電池セル)原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

下  川  隆  一

通商産業省工業技術院電子技術総合研究所電子デバイス部

有  賀  保  夫

財団法人電力中央研究所狛江研究所需要家システム部

猪  狩  真  一

財団法人日本品質保証機構ソーラーテクノセンター

石  原      隆

三菱電機株式会社先端技術総合研究所薄膜応用技術部

井  原  卓  郎

株式会社富士電機総合研究所太陽電池プロジェクト室

大  山  秀  明

松下電池工業株式会社技術本部 PV 研究開発センター

岡  田  健  一

京セラ株式会社滋賀工場八日市ブロック太陽電池研究課

岡  本      諭

シャープ株式会社技術本部エコロジー技術開発センター

亀  田  正  明

社団法人日本電機工業会技術部新エネルギー課

高  倉  秀  行

立命館大学理工学部光工学科

高  橋  昌  英

株式会社四国総合研究所

根  上  卓  之

松下電器産業株式会社先端技術研究所次世代電子デバイス

研究グループ

中山田  光  行

新エネルギー・産業技術総合開発機構太陽技術開発室

八  田      勲

通商産業省工業技術院標準部

濱  川  圭  弘

立命館大学

増  田  勝  彦

通商産業省工業技術院ニューサンシャイン計画推進部

水  上  誠志郎

鐘淵化学工業株式会社電材事業部 PV 事業推進プロジェクト

三  宅  行  美

英弘精機株式会社

柳  浦  聡  生

三洋電機株式会社ニューマテリアル研究所電子材料研究部

山  瀬      修

昭和シェル株式会社中央研究所開発研究室開発 3 課

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

吉  川  重  夫

日本放送協会エンジニアリングサービス

渡  邊  直  史

株式会社ワコム電装光装置部

(オブザーバー)

井  村  好  宏

財団法人日本品質保証機構ソーラーテクノセンター

(オブザーバー)

芳  野  公  明

松下電池工業株式会社技術本部

(事務局)

増  田  岳  夫

財団法人光産業技術振興協会

山  口  尊  士

財団法人光産業技術振興協会