C 8803
:2005
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
C 8803
:2005
(2)
目 次
ページ
1.
適用範囲
1
2.
引用規格
1
3.
定義
1
4.
表示の種類
1
5.
表示
1
5.1
カタログ表示
1
5.2
銘板表示
1
日本工業規格
JIS
C
8803
:2005
りん酸形燃料電池発電設備の表示方法
Indication of phosphoric fuel cell power facility
1.
適用範囲 この規格は,定格出力 1 000 kW 程度以下の,パッケージで覆われたりん酸形燃料電池発電
設備の表示方法について規定する。
2.
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS C 8800
燃料電池発電用語
3.
定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 8800 によるほか,次による。
a)
熱出力 燃料電池発電設備から回収できる排熱回収熱量。
b)
保管時 燃料電池発電設備が,停止中に燃料電池スタックの中のりん酸が凍結しないように電気ヒー
タなどによって燃料電池スタックを保温している状態。
c)
カタログ 製品を紹介するための資料。製品の主な仕様が記載される。
4.
表示の種類 表示の種類は,次の 2 種類とする。
a)
カタログ表示 カタログへの表示方法。
b)
銘板表示 銘板表示への表示方法。
5.
表示
5.1
カタログ表示 カタログへの表示項目は,表 1 による。
5.2
銘板表示 銘板への表示項目は,表 2 による。燃料電池パッケージの見やすい適切なところに,図 1
の例に従って,
表 2 の事項を容易に消えない方法で明示した銘板を取り付けなければならない。
2
C 8803
:2005
図 1 燃料電池発電設備の銘板(一例)
表 1 カタログの表示項目
表示項目
単位
凡例
備考
1)
一般事項
1.
名称
燃料電池発電設備
2.
種類
りん酸形常圧式
電池圧力及び冷却方式の表示を含むが,冷却
方式は省略してもよい。
3.
形式
PC25C
製造業者が定めた形式又は記号。
4.
構造
パッケージ形,プラント形
5.
寸法
m
又は mm
縦 3.0 m×横 5.5 m×高さ 3.0 m
パッケージの代表寸法で表示する。
注釈が必要な場合は,備考に書く。
6.
質量
t
又は kg 18
t
運転時の質量で表示する(有効数字 2 けた)
。
必要がある場合は,乾燥質量を併記してよい。
7.
設置条件
設置場所
周囲温度
℃
屋内又は屋外
0
〜40 ℃
8.
附属ユニット
冷却塔
本体パッケージと一体で機能し制御され,製
作出荷されるものがある場合は,記載する。
2)
燃料電池発電
設備仕様
9.
定格出力
kW 200
kW
送電端出力(有効電力)で表示する。
10.
出力範囲
%
0
〜100 %
送電端出力で表示する。
11.
定格電圧
V AC210
V
DC210 V
送電端電圧で表示する。
12.
相数
相
3
相
送電端の相数で表示する。
13.
周波数
Hz 50
Hz
60 Hz
送電端の周波数で表示する。
3
C 8803
:2005
表 1 カタログの表示項目(続き)
表示項目
単位
凡例
備考
14.
熱出力
温水
a)
温度
b)
熱出力
蒸気
a)
温度
b)
熱出力
℃
kW
℃
kW
60
℃(出口)/40 ℃(戻り)
120 kW
170
℃(飽和蒸気)
80 kW
− この項目は,特に必要な場合だけ記載
する。
− 燃料電池発電設備から回収できる排熱
の種類及び熱量(出口温度/戻り温度)
を表示する。
− 温度レベルが複数となる場合もある。
− 蒸気の場合は,蒸気圧力又は飽和蒸気
であることを表示する。
− 取合いはパッケージ端面を原則とする
が,特殊なものについては注記を付け
る。
15.
効率
5A
送電端熱効率
%
(定格時,LHV)
40
%
定格時,送電端,LHV で表示する。
15B
排熱回収熱効
率
%
(定格時,LHV)
40
%
定格時,パッケージ配管接続端,LHV で表
示する。
15C
総合熱効率
%
( 定 格 時 , 送 電
端,LHV)
80
%
送電端熱効率と排熱回収熱効率との合計値
とする。
16.
高調波
%(定格時)
総合電流ひずみ率 5 %以下
各次電流ひずみ率 3 %以下
定格運転時に力率 1.0 の負荷につないだ場
合の高調波ひずみ率を示す。
同上
各次は,最大の値を示す。
17.
原燃料の種類
メタノール
都市ガス 13 A
LPG(1
号 1 種)
ガスの種類(13 A,1 号 1 種など)も表記す
る。原燃料切換えの場合,常用/非常用の
順で表示する。
18.
原燃料使用量
m
3
/h 又は kg/h 43
m
3
/h
定 格 時 , 基 準 状 態 ( 温 度 15 ℃ , 圧 力
101.325 kPa)
に換算した値を表記する。
19.
運転方式
全自動運転
無人運転可能(随時巡回方式による。),常
時監視方式など必要あれば併記する。
ボイラタービン主任技術者の要否を欄外に
記載する。
20.
運転形態
系統連系運転/独立運転
系統連系運転/独立運転を表示する。
21.
起動時間(冷
機)
時間
4
時間以内
機器の温度が常温に近い状態からの冷機起
動時間を表示する。
22.
負荷追従性
出力変化速度
±kW 又は%
%/分
%/秒
独立運転時
±100 kW
系統連系運転時
(0
→100 %)/15 秒
独立運転時の瞬時負荷追従変化幅を示す。
系統連系運転時の設定出力変化速度を示
す。
23.
騒音
dB
(A) 65
dB
(A)
燃料電池発電設備本体から 1 m の位置で,
定格運転時に測定した平均値で表示する。
24.
排ガス性状
NO
X
SO
X
ダスト濃度
ppm
ppm
g
/m
3
N
NO
X
10
ppm
以下
(O
2
7
%換算値)
SO
X
検出限界以下
ダスト
検出限界以下
NO
X
排出濃度は O
2
7
%換算値で表示する。
4
C 8803
:2005
表 1 カタログの表示項目(続き)
表示項目
単位
凡例
備考
3)
ユーティリティ
25.
電力
a)
起動時
b)
保管時
kW
,kWh
kW
最大 22 kW,
延べ 40 kWh
冷機起動の電力で表示する。
保管期間中のセルスタック保温ヒータ負荷
などを表示する。
26.
原燃料
a)
起動時
m
3
/h
m
3
最大 50 m
3
/h,
延べ m
3
起動用ボイラ及び改質器昇温用バーナの使
用量を表示する。
27.
窒素消費量
a)
起動停止時
b)
保管時
m
3
N
m
3
N
/h
保管時の使用量
m
3
/h
1
起動停止時の使用量 m
3
N
と 7 m
3
詰め高圧
窒素ボンベ使用本数を併記する。
28.
補給水量
kg
/h
最大 kg/h
定常 kg/h
運転時補給水量の最大値及び定常値を表示
する。
29.
排水量
kg
/h
最大 kg/h
定常 kg/h
運転時排水量の最大値及び定常値を表示す
る。
30.
排水水質
pH
(25 ℃)
りん酸イオン
mg
/L
COD
又は BOD
mg
/L
運転時排水の水質を表示する。
表 2 銘板の表示項目
表示項目
単位
凡例
備考
1.
名称
燃料電池発電設備
2.
種類
りん酸形常圧式
電池圧力及び冷却方式の表示を含むが,冷却方式
は省略してもよい。
3.
形式
PC25C
製造業者が定めた形式又は記号を表示する。
4.
原燃料の種類
都市ガス 13 A
メタノール
LPG
ガスの種類(13 A など)も表記する。原燃料切換
えの場合,常用/非常用の順で表記する。
5.
定格出力
kW 200
kW
送電端出力(有効電力)で表示する。
6.
定格電圧
V AC210
V
DC210 V
送電端電圧で表示する。
7.
相数
相
3
相
送電端の相数で表示する。
8.
周波数
Hz 50
Hz
60 Hz
送電端の周波数で表示する。
9.
質量
t
又は kg 18
t
運転時の質量で表示する(有効数字 2 けた)
。
必要がある場合は,乾燥質量を併記してよい。
10.
製造番号
S
/N9039
H021201
製造業者の製造番号を表示する。
11.
製造年月
年月 2002 年 4 月
製造業者の製造年月(出荷時期)を表示する。
12.
製造業者
製造業者名を表示する。