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C 8712

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  パラメータの測定許容差  

5

4A

  測定器具  

5

5

  安全性に関する一般事項  

6

5.1

  一般  

6

5.2

  絶縁及び配線  

6

5.3

  弁作動  

6

5.4

  温度,電圧及び電流の管理  

6

5.5

  端子接続部  

7

5.6

  組電池への単電池組込み  

7

5.7

  品質計画  

7

6

  試験項目及び試験数量  

8

7

  要求事項及び試験(ニッケル系)  

9

7.1

  試験を行うための充電手順  

9

7.2

  通常使用  

9

7.3

  予見可能な誤使用  

11

8

  要求事項及び試験(リチウム系)  

13

8.0A

  一般事項  

13

8.1

  試験を行うための充電手順  

13

8.2

  通常使用  

14

8.3

  予見可能な誤使用  

16

9

  安全に関する情報  

21

10

  表示  

21

10.1

  単電池の表示  

21

10.2

  組電池の表示  

22

10.3

  その他の情報  

22

附属書 A(規定)安全に使用するためのリチウム二次電池の充電域  

23

附属書 B(参考)機器製造業者及び組電池組立業者への推奨  

34

附属書 C(参考)使用者(消費者)への推奨  

35

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

37


C 8712

:2015

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人電池

工業会(BAJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 8712:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。

−  氏名:パナソニック株式会社

−  住所:大阪府門真市大字門真 1006 番地

−  氏名:ソニー株式会社

−  住所:東京都港区港南 1 丁目 7 番 1 号

−  氏名:三洋電機株式会社

−  住所:大阪府守口市京阪本通 2 丁目 5 番 5 号

上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施

の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対

しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。


日本工業規格

JIS

 C

8712

:2015

ポータブル機器用二次電池(密閉型小型二次電池)

の安全性

Safety requirements for portable sealed secondary cells,

and for batteries made from them, for use in portable applications

序文 

この規格は,2012 年に第 2 版として発行された IEC 62133 を基とし,かつ,我が国の電気用品安全法の

技術基準の解釈(以下,電安法という。

)を取り込んで作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,ポータブル機器用に使用する(ボタン形以外の)ニッケル・カドミウム蓄電池,ニッケル・

水素蓄電池及びリチウム二次電池の単電池及び組電池の,通常使用時及び予見可能な誤使用時における安

全な作動の要求事項及び試験方法について規定する。

なお,この規格では,ニッケル・カドミウム蓄電池及びニッケル・水素畜電池をニッケル系といい,ま

た,リチウム二次電池をリチウム系という。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 62133:2012

,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes−

Safety requirements for portable sealed secondary cells, and for batteries made from them, for use

in portable applications(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7411-1

  一般用ガラス製温度計−第 1 部:一般計量器

JIS B 7507

  ノギス

JIS C 1102-2

  直動式指示電気計器  第 2 部:電流計及び電圧計に対する要求事項

JIS C 6065

  オーディオ,ビデオ及び類似の電子機器−安全性要求事項

JIS C 6950-1

  情報技術機器−安全性−第 1 部:一般要求事項

JIS C 8705

  密閉形ニッケル・カドミウム蓄電池

注記  対応国際規格:IEC 61951-1,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid


2

C 8712

:2015

electrolytes−Portable sealed rechargeable single cells−Part 1: Nickel-cadmium(MOD)

JIS C 8708

  密閉形ニッケル・水素蓄電池

注記  対応国際規格:IEC 61951-2,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid

electrolytes−Portable sealed rechargeable single cells−Part 2: Nickel-metal hydride(MOD)

JIS C 8711

  ポータブル機器用リチウム二次電池

注記  対応国際規格:IEC 61960,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid

electrolytes−Secondary lithium cells and batteries for portable applications  (MOD)

JIS K 6253-3

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第 3 部:デュロメータ硬さ

JIS Z 8051

  安全側面−規格への導入指針

注記  対応国際規格:ISO/IEC GUIDE 51,Safety aspects−Guidelines for their inclusion in standards

(IDT)

IEC 60050-482

,International Electrotechnical Vocabulary−Part 482: Primary and secondary cells and

batteries

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,IEC 60050-482 及び JIS Z 8051 によるほか,次による。

3.1

安全性(safety)

受入れ不可能なリスクがないこと。

3.2

危険性(risk)

危害の発生する確率と危害の程度との組合せ。

3.3

危害(harm)

人体の受ける身体的障害,健康障害,又は財産若しくは環境が受ける害。

3.4

危険源(hazard)

危害を引き起こす潜在的根源。

3.5

通常使用(intended use)

仕様書,取扱説明書,又は供給元から提供される情報に基づく条件下での製品の使用。

3.6

予見可能な誤使用(reasonably foreseeable misuse)

供給元の意図しない目的又は条件下で,供給元で予想し得る,製品の誤った使用。

3.7

単電池(secondary cell)

電極,セパレータ,電解液,容器,端子などで構成し,充電することによって化学エネルギーを電気エ

ネルギーに転換して電気エネルギー源を供給するシステムの基本構成ユニット。

3.8

組電池(secondary battery)


3

C 8712

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電気エネルギー源として使用できるよう単電池を単数又は複数用いて組み立てたもので,電圧,寸法,

端子配列,容量及び放電性能によって特徴付けるもの。

3.9

漏液(leakage)

目に見える電解液の電池からの漏出。

3.10

弁作動(venting)

過剰な内部圧力を低下し,開裂又は破裂を防止するための単電池又は組電池のガス排出弁の作動。

3.11

開裂(rupture)

内部又は外部の要因によって,電池容器が破れ,内容物が露出又は流出する現象。

3.12

破裂(explosion)

電池容器が猛烈な勢いで破れ,内容物が強制的に放出される現象。

3.13

発火(fire)

電池から炎が放出される現象。

3.14

ポータブル組電池(portable battery)

手軽に持ち歩くことができる装置又は器具に用いられる組電池。

3.15

ポータブル単電池(portable cell)

ポータブル組電池に組み込むことを意図した単電池。

3.16

ポリマー単電池(polymer cell)

液体状の電解液ではなく,ゲル状電解質又は固体電解質を用いた単電池。

3.17

定格容量(rated capacity)

0.2 I

t

 A の標準試験電流で,製造業者が指定する放電終止電圧まで放電する際に単一の単電池から取り出

すことのできる,製造業者が指定する電気量 C

5

 Ah(アンペア時)。

注記  I

t

A は,IEC 61434 によって次の公式で定義されている。

I

t

A=C

5

 Ah/1h

3.18

上限充電電圧(upper limit charging voltage)

リチウム系において,

安全性の見地から,

単電池製造業者が指定する単電池に対する充電時の上限電圧。

3.19

最大充電電流(maximum charging current)

安全性の見地から,単電池製造業者が指定する単電池に対する電流の上限値。

3.19A

標準温度域(standard temperature range)


4

C 8712

:2015

リチウム系において,単電池製造業者が指定する上限充電電圧及び最大充電電流で充電できる単電池表

面の温度領域。

3.19B

下限試験温度(lower limit test temperature)

リチウム系において,標準温度域の下限で行う試験に用いる周囲温度。

注記  下限試験温度は,表 に規定されている。

3.19C

上限試験温度(upper limit test temperature)

リチウム系において,標準温度域の上限で行う試験に用いる周囲温度。

注記  上限試験温度は,表 に規定されている。

3.19D

下限充電温度(lower limit charging temperature)

リチウム系において,安全性の見地から,単電池製造業者が指定する充電が許容可能な単電池表面温度

の下限値。

3.19E

上限充電温度(upper limit charging temperature)

リチウム系において,安全性の見地から,単電池製造業者が指定する充電が許容可能な単電池表面温度

の上限値。

3.19F

低温度域(low temperature range)

リチウム系において,安全性の見地から,最大充電電流及び/又は上限充電電圧を変えることによって

充電が許容可能な単電池表面の温度領域で,上限は標準温度域に隣接し,下限は下限充電温度で規定する

領域。

3.19G

高温度域(high temperature range)

リチウム系において,安全性の見地から,最大充電電流及び/又は上限充電電圧を変えることによって

充電が許容可能な単電池表面の温度領域で,下限は標準温度域に隣接し,上限は上限充電温度で規定する

領域。

3.19H

モデル

リチウム系において,材料,部品,それらの使用量,寸法,配置などが同じように設計された製品の一

群。

3.19I

電池ブロック

リチウム系の組電池内において,並列接続された複数個の単電池の集まり。

3.19J

保護素子

PTC 素子,ヒューズなどの電流制御(遮断)素子。この素子は,電池が異常な高温となった場合に通電

を阻止し,電池の破裂又は発火を防止する。


5

C 8712

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3.19K

保護回路

過充電時の過電圧を,検出し充放電を停止する機能,過放電による低電圧時の放電を停止する機能,過

大電流の充放電を防止する機能,温度を検知して動作を制御する機能などをもつ電子回路。

3.19L

特殊な構造の組電池

はんだ付けその他の接合方法によって,容易に取り外すことができない状態で機器に固定して用いられ

る組電池,端子配置が固定されていない組電池,又は部品を保持できる十分な強度をもった電池容器をも

たない組電池。これらの組電池は,使用者(消費者)が交換できるように設計されていない。

パラメータの測定許容差 

規定又は実測するパラメータに対する制御値又は測定値の精度は,次に示す許容差範囲になければなら

ない。

a)

電圧:±1 %

b)

電流:±1 %

c)

容量

1)

:±1 %

d)

温度:±2  ℃

e)

時間:±0.1 %

f)

寸法:±0.1 mm

1)

  容量は,電流と時間との積で表す。

これらの許容差は,測定器具,使用する測定技術及び試験の手順における,その他全ての誤差の発生源

によって生じる総合的な精度である。

測定器具類を選択するとき,アナログ器具では JIS C 1102-2 に規定する器具を用い,デジタル器具では,

アナログ器具と同等の精度をもつ器具を用いる。

試験結果の報告にも,使用した器具類の詳細を記載する。

4A 

測定器具 

試験に用いる測定器具は,測定値の大きさに応じて選択する。次に規定する精度を確保するために,器

具を定期的に校正しなければならない。

使用した測定器具類の詳細は,試験結果報告に記載する。

a)

電圧の測定  電圧の測定に用いる器具は,アナログ器具では JIS C 1102-2 に規定する階級 0.5 級又は

これと同等以上の精度をもつ電圧計でなければならない。デジタル器具の場合は,アナログ器具と同

等の精度をもつ電圧計とする。

電圧計の抵抗値は,10 kΩ 以上とする。

b)

電流の測定  電流の測定に用いる器具は,アナログ器具では JIS C 1102-2 に規定する階級 0.5 級又は

これと同等以上の精度をもつ電流計でなければならない。デジタル器具の場合は,アナログ器具と同

等の精度をもつ電流計でなければならない。この精度は,電流計,シャント抵抗及び導線を組み立て

たものについて維持しなければならない。

c)

温度の測定  温度の測定に用いる器具は,JIS B 7411-1 に規定する許容差±1  ℃若しくはこれと同等

以上の精度をもつ一般ガラス棒状温度計,又は最小読取値が 1  ℃以下のデジタル式温度計でなければ


6

C 8712

:2015

ならない。

デジタル器具の場合は,アナログ器具と同等の精度をもつ温度計でなければならない。

d)

時間の測定  時間の測定器具は,許容差が 1 時間で±1 秒又はこれと同等以上の精度をもたなければ

ならない。

e)

寸法の測定  寸法の測定に用いる器具は,JIS B 7507 に規定する 0.05 mm 目盛のノギス,又はこれと

同等以上の精度をもつ器具でなければならない。

安全性に関する一般事項 

5.1 

一般 

単電池又は組電池の安全性に関して,次の適用条件を想定する必要がある。

−  通常使用

−  予見可能な誤使用

単電池及び組電池を,通常使用及び予見可能な誤使用の双方の場合に安全であるように設計し,製造し

なければならない。単電池又は組電池は,予見可能な誤使用の後に機能を失う場合があるが,その際,次

に示すような潜在的危険に対し,7.3 及び 8.3 に規定する要求事項を満たさなければならない。また,単電

池又は組電池が通常使用される場合は,安全で,かつ,機能を継続しなければならない。

a)

発火

b)

破裂

c)

漏液

d)

弁作動

e)

外部加熱による発火

f)

内容物が露出するような組電池容器の開裂

5.2

5.7 に合致しているかどうかは,ニッケル系は箇条 の試験,リチウム系は箇条 の試験,更に JIS 

Z 8051

によって確認する。

5.2 

絶縁及び配線 

正極端子と組電池外部に露出した金属表面(電気的接触面を除く。

)との間の絶縁抵抗は,直流 500 V を

60 秒間印加後に 5 MΩ 以上とする。

内部配線及びその絶縁は,予想される最大の電流,電圧及び温度に関する要求事項に耐えなければなら

ない。配線には,各々の接続器の間に適切な間隙と沿面距離とを保つものを用いなければならない。また,

内部接続の機械的強度は,通常使用に対して対応できなければならない。

5.3 

弁作動 

組電池の容器及び単電池には,内部圧力を低下する機構を設けるか,又は内部圧力が破裂又は発火を予

防するために設けた数値又は割合に至ったときに,過剰な内部圧力を低下するように設計しなければなら

ない。外側容器の内部において単電池が支持材で固定されている場合,支持材の種類及び支持の方法は,

組電池が通常の作動において過熱を引き起こすものであってはならず,また,圧力低下を妨害するもので

あってはならない。

5.4 

温度,電圧及び電流の管理 

5.4.1 

ニッケル系 

ニッケル系の組電池は,異常な温度上昇が発生しないように設計しなければならない。組電池製造業者

は,機器製造業者に対して組電池の仕様及び充電条件を提供しなければならない。


7

C 8712

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5.4.2 

リチウム系 

リチウム系の組電池は,異常な温度上昇が発生しないように設計しなければならない。また,組電池は,

電流制限装置が作動して安全なレベルに制限する対策を備えなければならない。ただし,機器などに電流

制限装置が作動して安全なレベルに制限する対策を備えている場合,組電池に備えなくてもよい。

さらに,単電池業者は,組電池製造業者に温度,電圧及び電流の制限値を提供しなければならない。組

電池製造業者は,機器製造業者に温度,電圧及び電流の制限値を提供しなければならない。

5.5 

端子接続部 

端子には,組電池の外部表面にプラス(+)及びマイナス(−)を明示しなければならない。端子接続

部は,接続部で予想される最大電流を確実に流すことができる寸法及び形状でなければならない。外部の

端子接続面は,良好な機械的強度及び耐腐食性を備えた導電材料によって構成する。端子接続部は,短絡

の危険性を最小限にしなければならない。

注記  例外:外部連結器(コネクタ)が逆接続防止を担う場合,組電池は極性表示を付ける必要はな

い。

5.6 

組電池への単電池組込み 

5.6.1 

一般 

組電池内に用いる単電池は,ほぼ同等の容量をもち,同一の型式,同一の品種及び同一の銘柄(製造業

者,製品)のもので構成するのが望ましい。組電池は制御機能及び保護機能をもたなければならない。た

だし,充電器などがそれらの機能をもつ場合は,適用しない。単電池製造業者は,組電池製造業者及び組

電池設計者が適切な設計及び組立ができるように,

電流,

電圧及び温度の制限値を示さなければならない。

直列に接続された単電池の一部を選択して放電するよう設計した組電池は,不均等放電によって単電池の

転極が起こらないようにしなければならない。保護回路の部品は機器にあってもよい。組電池を試験する

ときは,組電池製造業者がこの規格に従って,適合性を確認する試験報告書を作成しなければならない。

適合性は,この規格の組電池の試験によって判定する。

5.6.2 

リチウム系の組電池に関する設計上の留意事項 

組電池を構成する各単電池又は各電池ブロックの電圧は,

表 に規定する上限充電電圧を超えてはなら

ない。ただし,上限充電電圧を超えない機能が機器側にある場合には,機器側で上限充電電圧を超えてい

ないことを確認しなければならない。

次に示すことを組電池設計時に考慮しなければならない。

a)

電池ブロックからなる組電池は,単電池の充電電圧が

表 に規定する充電電圧の上限値を超えてはな

らない。

b)

直列接続された複数の単電池,又は直列接続された複数の電池ブロックからなる組電池は,全ての単

電池又は全ての電池ブロックの電圧を監視し,単電池又は電池ブロックの電圧が

表 に規定する充電

電圧の上限値を超えてはならない。

c)

直列接続された複数の単電池,又は直列接続された複数の電池ブロックからなる組電池は,全ての単

電池又は全ての電池ブロックの電圧を測定し,単電池又は電池ブロックが充電電圧の上限値を超えた

ときに充電が停止しなければならない。

5.7 

品質計画 

単電池製造業者及び組電池製造業者は,単電池又は組電池の型式ごとの生産工程内に,材料,構成要素,

並びに単電池及び組電池の検査手順を規定する品質計画を策定し,実施しなければならない。単電池製造

業者及び組電池製造業者は,自社の工程能力を把握し,製品の安全性に関連する必要な工程管理をするこ


8

C 8712

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とが望ましい。

試験項目及び試験数量 

試験は,ニッケル系に対しては

表 1,リチウム系に対しては表 にそれぞれ規定する個数の単電池又は

組電池に対し行う。この単電池又は組電池は,製造してから 6 か月以内のものとする。特に指定がない限

り,試験は周囲温度 20±5  ℃で行う。

注記  製造から 6 か月以内の単電池又は組電池を使用するのは,試験の再現性を高めるために制限し

たもので,6 か月を過ぎると電池の安全性が低下することを意味するものではない。

表 1−試験項目及び試験数量(ニッケル系) 

試験項目

試験数量(個)

適用箇条

単電池

組電池

連続低率充電 5

7.2.1 

振動 5

5

7.2.2 

高温下での組電池容器の変形

− 3

7.2.3 

温度サイクル 5

5

7.2.4 

単電池の誤った接続

4 個を 5 セット

7.3.1 

外部短絡

試験温度ごとに 5

試験温度ごとに 5

7.3.2 

自然落下 3

3

7.3.3 

衝撃 5

5

7.3.4 

加熱 5

7.3.5 

圧壊

円筒形 5

角形 10

7.3.6 

低圧 3

7.3.7 

過充電 5

5

7.3.8 

強制放電 5

7.3.9 

表 2−試験項目及び試験数量(リチウム系) 

試験項目

試験数量(個)

適用

箇条

単電池

組電池

充電温度

試験時の

周囲温度

試験 
数量

充電温度

試験時の

周囲温度

試験

数量

連続定電圧充電 20±5  ℃

上限試験温度

5

8.2.1 

高温下での組電池

容器の変形

− 20±5  ℃ 70±5  ℃ 3 8.2.2 

振動 20±5  ℃ 20±5  ℃ 5 20±5  ℃ 20±5  ℃ 5 8.2.2A

温度サイクル 20±5  ℃

− 5

20±5  ℃

− 5

8.2.2B

外部短絡

上限試験温度 55±5  ℃ 5

8.3.1 

下限試験温度 55±5  ℃ 5

上限試験温度

20±5  ℃ 5 8.3.2 

下限試験温度

20±5  ℃ 5

自然落下 20±5  ℃ 20±5  ℃ 3 20±5  ℃ 20±5  ℃ 3 8.3.3 

加熱

上限試験温度 130±2  ℃ 5

8.3.4 

下限試験温度 130±2  ℃ 5


9

C 8712

:2015

表 2−試験項目及び試験数量(リチウム系)(続き) 

試験項目

試験数量(個)

適用
箇条

単電池

組電池

充電温度

試験時の

周囲温度

試験 
数量

充電温度

試験時の

周囲温度

試験

数量

圧壊

上限試験温度

上限試験温度

円筒形 5

角形 10

8.3.5 

下限試験温度

下限試験温度

円筒形 5

角形 10

過充電

− 20±5  ℃ 5 8.3.6 

上限試験温度

5

8.3.6A

下限試験温度

5

強制放電

上限試験温度

5

8.3.7 

下限試験温度

5

強制内部短絡

上限試験温度

上限試験温度

5∼10

a)

[10∼20

b)

8.3.8 

下限試験温度

下限試験温度

5∼10

a)

[10∼20

b)

衝撃 20±5  ℃ 20±5  ℃ 5 20±5  ℃ 20±5  ℃ 5 8.3.8A

低圧 20±5  ℃

− 3 −

8.3.8B

高率充電

上限試験温度

5

8.3.8C

下限試験温度

5

機器に装着した組
電池の落下

− 20±5  ℃ 20±5  ℃ 3 8.3.8D

過充電保護

− 20±5  ℃ 1 8.3.8E

a)

  初期電圧から 50 mV 以上の降下が生じたセルが 5 個に達するか,又は試験試料が 10 個に到達するまで試験

を行う。

b)

  活物質層との対向部分に露出した正極アルミニウムはく部が存在する場合は,更に 5∼10 個が必要である。

要求事項及び試験(ニッケル系) 

7.1 

試験を行うための充電手順 

特に指定がない限り,試験を行うための充電手順は,周囲温度 20±5  ℃で製造業者が指定する方法によ

る。単電池及び組電池を充電に先立ち,周囲温度 20±5  ℃かつ 0.2  I

t

  A の定電流で,規定する放電終止電

圧まで放電する。

警告  これらの試験は,適切な対策を怠った場合,試験者に危害を及ぼすおそれがある。試験は,適

切な資格及び経験をもつ専門家だけが,適切な保護措置を装備した上で実施することを前提と

している。火傷を防ぐために,試験の結果で,単電池及び組電池の外装が 75  ℃を超える場合

があることに注意を払わなければならない。

7.2 

通常使用 

7.2.1 

連続低率充電(単電池) 

単電池の連続低率充電試験は,次による。

a)

要求事項  連続低率充電で,発火又は破裂を引き起こさない。

b)

試験  満充電した単電池に対し,製造業者が指定する充電条件で充電を 28 日間行う。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。


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7.2.2 

振動 

単電池及び組電池の振動試験は,次による。

a)

要求事項  運搬中に受ける振動によって,発火,破裂又は漏液を引き起こさない。

b)

試験  満充電した単電池又は組電池に対し,次に示す条件並びに表 に規定する試験条件及び順番で

振動試験を行う。振幅 0.76 mm 及び最大全振幅 1.52 mm の単振動を単電池又は組電池に加える。振動

数は,10∼55 Hz の範囲を 1 分間に 1 Hz の割合で変化させる。それぞれの取付位置(振動の方向)で,

振動数の全範囲(10∼55 Hz)を 90±5 分間試験する。互いに垂直な 3 方向のそれぞれについて,次に

示す順番で振動させる。

第 1 段階  −  単電池又は組電池の電圧が,充電後の電圧であることを確認する。

第 2 段階∼第 4 段階  −

表 に規定する振動を加える。

第 5 段階  −  単電池又は組電池を 1 時間放置し,その後に目視検査を行う。

c)

判定基準  発火,破裂又は漏液があってはならない。

表 3−振動試験条件 

段階

振動の方向

振動数の範囲

Hz

振動時間

min

保管時間

h

目視検査

1

試験前に実施

2 X 軸方向

10∼55

90±5

3 Y 軸方向

10∼55

90±5

4 Z 軸方向

10∼55

90±5

5

− 1

試験後に実施

注記  第 2 段階∼第 4 段階の順序が入れ替わってもよい。

7.2.3 

高温下での組電池容器の変形(組電池) 

組電池の高温下での容器の変形試験は,次による。

a)

要求事項  高温で使用したとき,内容物の露出を引き起こす組電池容器の変形がない。

b)

試験  組電池容器の堅ろう(牢)さを評価するために,満充電した組電池を高温下に放置する。組電

池を温度 70±2  ℃の空気循環式オーブンの中に 7 時間放置する。この後,オーブンから取り出し,20

±5  ℃に戻す。

c)

判定基準  内容物の露出を引き起こす組電池容器の変形があってはならない。

7.2.4 

温度サイクル 

単電池及び組電池の温度サイクル試験は,次による。

a)

要求事項  高温及び低温の環境に繰り返し置いても,発火,破裂又は漏液を引き起こさない。

b)

試験  満充電した単電池又は組電池を,次の手順及び図 の温度プロフィールに従って試験を行う。

ここに示す温度は,単電池又は組電池を放置するチャンバ内の温度とする。

第 1 段階  −  単電池又は組電池を 75±2  ℃の中に 4 時間放置する。

第 2 段階  −  30 分間以内に 20±5  ℃に変え,最低 2 時間放置する。

第 3 段階  −  30 分間以内に−20±2  ℃に変え,4 時間放置する。

第 4 段階  −  30 分間以内に 20±5  ℃に変え,最低 2 時間放置する。

第 5 段階  −  第 1 段階から第 4 段階までを 1 サイクルとし 4 回繰り返す。ただし,第 4 段階から

第 1 段階への移行時間は 30 分間以内とする。

第 6 段階  −  5 回目のサイクルの後,単電池又は組電池を保管し,24 時間以上放置した後に目視


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検査する。

注記  この試験では,温度の変化する単一のチャンバを使っても,異なる三つの温度を保持する三

つの別々のチャンバを用いてもよい。

c)

判定基準  発火,破裂又は漏液があってはならない。

図 1−温度サイクル試験の温度プロフィール(サイクル)(ニッケル系) 

7.3 

予見可能な誤使用 

7.3.1 

単電池の誤った接続(単電池) 

単電池を逆接続する試験は,次による。

a)

要求事項  単電池を電池ホルダ内に複数個挿入して使用する場合などで,単電池を誤った極性に挿入

して用いる場合でも,発火又は破裂を引き起こさない。

b)

試験  満充電した複数個の単電池を用い,その中の一つを逆接続して評価を行う。同じ銘柄(例えば,

製造業者,製品など)

,種類,サイズ及び製造履歴の 4 個の満充電した単電池を,このうち 1 個だけを

逆方向にして直列に接続する。このように直列に接続した単電池を,ガス排出弁が開くまで又は逆向

きに接続した単電池の温度が周囲温度に戻るまで 1 Ω の抵抗に接続する。別の方法として,逆向きに

接続した単電池に加えられる条件をシミュレートするために,直流安定化電源を用いてもよい。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

7.3.2 

外部短絡 

単電池及び組電池の外部短絡試験は,次による。

a)

要求事項  正極端子と負極端子との短絡によって,発火又は破裂を引き起こさない。

b)

試験  2 個の単電池又は 2 組の組電池を,それぞれ 20±5  ℃及び 55±5  ℃の周囲温度の中に放置する。

単電池又は組電池を,正極端子及び負極端子を総計 80±20 mΩ の外部抵抗に接続して短絡させる。単

電池又は組電池は 24 時間を経過するか,又は電池容器の温度が最高温度から最大温度上昇幅(最高温

度と周囲温度との差)の 20 %低下するか,そのいずれかになるまで放置する。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

7.3.3 

自然落下 


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単電池及び組電池の自然落下試験は,次による。

a)

要求事項  単電池又は組電池を落下させても(例えば,作業台の上から落下),発火又は破裂を引き起

こさない。

b)

試験  満充電した単電池又は組電池を,高さ 1 000±10 mm の地点から任意の方向でコンクリートの

床に 3 回落下させる。試験後,そのサンプルを最低 1 時間放置し,目視検査を行う。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

7.3.4 

衝撃 

単電池及び組電池の衝撃試験は,次による。

a)

要求事項  取扱い又は運搬のときに衝撃を受けても,発火,破裂又は漏液を引き起こさない。

b)

試験  満充電した単電池又は組電池を,電池が動かないように固定できる治工具に電池をしっかり固

定し,その治工具を試験機器に装着する。単電池又は組電池に,同じ大きさの衝撃を互いに直角な 3

方向にそれぞれ 1 回加える。それぞれの電池の表面に対して,直角の方向に衝撃を加える。

なお,それらの衝撃試験のうち 1 回は,電池の平面に対して垂直でなければならない。

単電池又は組電池は,それぞれの衝撃において最初の 3 ms の間に最低平均加速度が 735 m/s

2

となる

ように加速する。加速のピーク値は,1 226∼1 716 m/s

2

とする。周囲温度 20±5  ℃で試験する。試験

後,そのサンプルを最低 1 時間放置し,目視検査を行う。

c)

判定基準  発火,破裂又は漏液があってはならない。

7.3.5 

加熱(単電池) 

単電池の加熱試験は,次による。

a)

要求事項  異常高温によって発火又は破裂を引き起こさない。

b)

試験  満充電した単電池を 20±5  ℃に安定させた後,恒温槽中に置き,恒温槽の温度を 1 分間に 5±

2  ℃の昇温速度で 130±2  ℃まで上昇させる。その後,恒温槽の温度を 130±2  ℃で 10 分間保持する。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

7.3.6 

圧壊(単電池) 

単電池の圧壊試験は,次による。

a)

要求事項  単電池が激しく圧壊されても(例えば,廃棄物圧縮機で処分されても),発火又は破裂を引

き起こさない。

b)

試験  満充電した単電池を 2 枚の平板間に入れ,圧壊装置によって最大 13±1 kN の力で加圧する。試

験開始時の電圧の 3 分の 1 まで急激に電圧降下した後,又は,最大の圧力が加わった後,加圧力を解

放する。円筒形又は角形単電池をその縦軸が圧壊装置の平板と平行になるように加圧する。角形単電

池に,その縦軸の周りに 90°回転して同様の試験を施し,電池の長側面及び短側面の双方が加圧力を

受けるようにする。一つの試料は 1 方向だけに加圧力を受けるものとし,個々の試験において別々の

試料を使用する。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

7.3.7 

低圧(単電池) 

単電池の低圧試験は,次による。

a)

要求事項  低圧(例えば,空輸の際)によって,発火,破裂又は漏液を引き起こさない。

b)

試験  満充電した単電池を,周囲温度 20±5  ℃の真空チャンバ内に置く。チャンバを閉めた後,徐々

に減圧して内部圧力 11.6 kPa(高度 15 240 m に相当)以下まで減圧し,この圧力下で 6 時間保存する。

試験後,目視検査を行う。


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c)

判定基準  発火,破裂又は漏液があってはならない。

7.3.8 

過充電 

単電池及び組電池の過充電試験は,次による。

a)

要求事項  製造業者が推奨する充電電流値より大きい電流値で,かつ,長時間充電しても,発火又は

破裂を引き起こさない。

b)

試験  放電した単電池又は組電池に対し,製造業者が許容する最大充電電流の 2.5 倍の高率充電で,

定格容量の 250 %まで通電する。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

7.3.9 

強制放電(単電池) 

単電池の強制放電試験は,次による。

a)

要求事項  複数の単電池を用いる用途で,単電池の極性を逆にして充電しても,発火又は破裂を引き

起こさない。

b)

試験  放電した単電池に対し,1 I

t

 A の電流で 90 分間逆充電を行う。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

要求事項及び試験(リチウム系) 

8.0A 

一般事項 

試験する単電池又は組電池の個数は

表 に規定する値とし,試験温度条件は箇条 の各試験項目の規定

とする。ただし,これらの試験は,過酷な条件又は試験結果が厳しくなる方法で行ってもよい。また,単

電池及び組電池はモデルごとに試験を行う。ただし,組電池の構造の一部を変更した場合であって,かつ,

変更前の試験結果が代用でできるものについては,この箇条に規定する試験を省略してもよい。

8.1 

試験を行うための充電手順 

8.1.0A 

一般事項 

試験を行うための充電手順として,第一手順及び第二手順を定める。

なお,充電プロセスが試験の目的である 8.3.68.3.6A8.3.78.3.8C 及び 8.3.8E は,これらの充電手順

によらない。

8.1.1 

第一手順 

周囲温度 20±5  ℃で製造業者が指定する方法によって,単電池及び組電池を充電する。充電に先立ち,

周囲温度 20±5  ℃かつ 0.2 I

t

 A の定電流で,製造業者が指定する設計上の放電終止電圧まで放電する。

なお,この充電手順は,8.2.18.2.28.2.2A8.2.2B8.3.38.3.8A8.3.8B 及び 8.3.8D に適用する。

8.1.2 

第二手順 

周囲温度が

表 に規定する上限試験温度及び下限試験温度の状態で 1∼4 時間安定させた後,上限充電電

圧及び最大充電電流で,定電圧充電制御時における電流値が 0.05 I

t

 A になるまで充電する。

組電池の外部短絡試験は,周囲温度が

表 に規定する上限試験温度及び下限試験温度の状態で,組電池

又は機器の設計上の満充電の状態まで充電する。充電に先立ち,周囲温度 20±5  ℃かつ 0.2  I

t

  A の定電流

で,製造業者が指定する設計上の放電終止電圧まで放電する。

なお,この充電手順は,8.3.18.3.28.3.48.3.5 及び 8.3.8 に適用する。


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表 4−充電手順の条件 

上限充電電圧

最大充電電流

上限試験温度

下限試験温度

4.25 V/単電池

単電池製造業者指定値

45  ℃ 10

上限充電電圧,上限試験温度又は下限試験温度を新たに適用・変更する場合,

附属書 A

に規定する手順に従って求めた根拠資料を単電池製造業者が保管した上で,当該値を上限
充電電圧,上限試験温度又は下限試験温度とする。

警告  これらの試験は,適切な対策を怠ると,危害を及ぼすおそれがある。試験は,適切な資格及び

経験をもつ専門家だけが,適切な保護措置を装備した上で実施することを前提としている。火

傷を防ぐために,試験の結果,その外装が 75  ℃を超える場合がある単電池又は組電池に注意

を払わなければならない。

8.2 

通常使用 

8.2.1 

連続定電圧充電(単電池) 

単電池の連続定電圧充電試験は,次による。

a)

要求事項  連続定電圧充電で,発火,破裂又は漏液を引き起こさない。

b)

試験  8.1.1 の手順に従って充電した単電池に対し,上限充電電圧及び上限試験温度で充電を 28 日間

行う。試験後,目視検査を行う。

c)

判定基準  発火,破裂又は漏液があってはならない。

8.2.2 

高温下での組電池容器の変形(組電池) 

組電池容器の堅ろう(牢)さを評価するために行う高温下での組電池容器の変形試験は,次による。

a)

要求事項  高温で使用したとき,内容物の露出を引き起こす組電池容器の変形がない。ただし,特殊

な構造の組電池については,適用しない。

b)

試験  8.1.1 の手順に従って充電した組電池を高温下に放置する。組電池を温度 70±2  ℃の空気循環式

オーブンの中に 7 時間放置する。この後,オーブンから取り出し,20±5  ℃に戻す。

c)

判定基準  内容物の露出を引き起こす組電池容器の変形があってはならない。

8.2.2A 

振動 

単電池及び組電池の振動試験は,次による。

a)

要求事項  運搬中に受ける振動によって,発火,破裂又は漏液を引き起こさない。ただし,特殊な構

造の組電池については,適用しない。

b)

試験  8.1.1 の手順に従って充電した単電池又は組電池に対し,次に示す条件並びに表 4A に規定する

試験条件及び順番で,振動試験を行う。振幅 0.76 mm 及び最大全振幅 1.52 mm の単振動を単電池又は

組電池に加える。振動数は,10∼55 Hz の範囲を 1 分間に 1 Hz の割合で変化させる。それぞれの取付

位置(振動の方向)で,振動数の全範囲(10∼55 Hz)を 90±5 分間試験する。互いに垂直な 3 方向の

それぞれについて,次に示す順番で振動させる。

第 1 段階  −  単電池又は組電池の電圧が,充電後の電圧であることを確認する。

第 2 段階∼第 4 段階  −

表 4A に規定する振動を加える。

第 5 段階  −  単電池又は組電池を 1 時間放置し,その後に目視検査を行う。

c)

判定基準  発火,破裂又は漏液があってはならない。


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表 4A−振動試験条件 

段階

振動の方向

振動数の範囲

Hz

振動時間

min

保管時間

h

目視検査

1

試験前に実施

2 X 軸方向 10∼55 90±5

3 Y 軸方向 10∼55 90±5

4 Z 軸方向 10∼55 90±5

5

− 1

試験後に実施

注記  第 2 段階∼第 4 段階の順序が入れ替わってもよい。

8.2.2B 

温度サイクル 

単電池及び組電池の温度サイクル試験は,次による。

a)

要求事項  高温及び低温の環境に繰り返し置いても,発火,破裂又は漏液を引き起こさない。

b)

試験  8.1.1 の手順に従って充電した単電池又は組電池を,次の手順及び図 1A の温度プロフィールに

従って試験を行う。ここに示す温度は,単電池又は組電池を放置するチャンバ内の温度とする。

第 1 段階  −  単電池又は組電池を 75±2  ℃の中に 4 時間放置する。

第 2 段階  −  30 分間以内に 20±5  ℃に変え,最低 2 時間放置する。

第 3 段階  −  30 分間以内に−20±2  ℃に変え,4 時間放置する。

第 4 段階  −  30 分間以内に 20±5  ℃に変え,最低 2 時間放置する。

第 5 段階  −  第 1 段階から第 4 段階までを 1 サイクルとし 4 回繰り返す。ただし,第 4 段階から

第 1 段階への移行時間は 30 分間以内とする。

第 6 段階  −  5 回目のサイクルの後,単電池又は組電池を 20±5  ℃で 7 日間保管し,その後に目

視検査を行う。

注記  この試験では,温度の変化する単一のチャンバを使っても,異なる三つの温度を保持する三

つの別々のチャンバを用いてもよい。

c)

判定基準  発火,破裂又は漏液があってはならない。

図 1A−温度サイクル試験の温度プロフィール(サイクル)(リチウム系) 


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8.3 

予見可能な誤使用 

8.3.1 

外部短絡(単電池) 

単電池の外部短絡試験は,次による。

a)

要求事項  正極端子と負極端子との短絡によって,発火又は破裂を引き起こさない。

b)

試験  8.1.2 の第二手順に従って充電した単電池を,55±5  ℃の周囲温度の中に放置する。それぞれの

単電池を,正極端子及び負極端子を総計 80±20 mΩ の外部抵抗に接続して短絡する。単電池は 24 時

間を経過するか,又は単電池表面の温度が最高温度から最大温度上昇幅(最高温度と周囲温度との差)

の 80 %低下するか,そのいずれか短い間放置する。

c)

判定条件  発火又は破裂があってはならない。

8.3.2 

外部短絡(組電池) 

組電池の外部短絡試験は,次による。

a)

要求事項  正極端子と負極端子との短絡によって,発火又は破裂を引き起こさない。ただし,特殊な

構造の組電池については,適用しない。

b)

試験  8.1.2 の第二手順に従って充電した組電池をそれぞれ 20±5  ℃の周囲温度の中に放置する。それ

ぞれの組電池を,正極端子及び負極端子を総計 80±20 mΩ の外部抵抗に接続して短絡する。組電池は

24 時間を経過するか,又は組電池表面の温度が最高温度から最大温度上昇幅(最高温度と周囲温度と

の差)の 80 %低下するか,そのいずれか短い間放置する。ただし,電流が停止している場合は,電流

が停止してから 1 時間を経過するまでの間放置する。

c)

判定条件  発火又は破裂があってはならない。

8.3.3 

自然落下 

単電池及び組電池の自然落下試験は,次による。

a)

要求事項  単電池又は組電池を落下させても(例えば,作業台の上から落下),発火又は破裂を引き起

こさない。ただし,質量が 7 kg を超える組電池及び特殊な構造の組電池については,適用しない。

b)

試験  8.1.1 の手順に従って充電した単電池又は組電池を,高さ 1 000±10 mm の地点から任意の方向

でコンクリートの床に 3 回落下させる。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

8.3.4 

加熱(単電池) 

単電池の加熱試験は,次による。

a)

要求事項  異常高温によって発火又は破裂を引き起こさない。

b)

試験  8.1.2 の第二手順に従って充電した単電池を 20±5  ℃に安定させた後,恒温槽中に置き,恒温槽

の温度を 1 分間に 5±2  ℃の昇温速度で 130±2  ℃まで上昇させる。

その後,

恒温槽の温度を 130±2  ℃

で 10 分間保持する。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

8.3.5 

圧壊(単電池) 

単電池の圧壊試験は,次による。

a)

要求事項  単電池が激しく圧壊されても,発火又は破裂を引き起こさない。

b)

試験  上限試験温度及び下限試験温度で行う。8.1.2 の第二手順に従って充電した単電池を 2 枚の平板

間に入れて,圧壊装置によって最大 13±1 kN の力で加圧する。試験開始時の電圧の 3 分の 1 まで急激

に電圧降下した後,最初の寸法と比較して 10 %の変形が起きた後,又は最大の圧力が加わった後,加

圧力を解放する。円筒形又は角形リチウム二次単電池をその縦軸が圧壊装置の平板と平行になるよう


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C 8712

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に加圧する。さらに,角形リチウム二次単電池に,その縦軸の周りに 90°回転して同様の試験を施し,

電池の長側面及び短側面の双方が加圧力を受けるようにする。一つの試料は 1 方向だけに加圧力を受

けるものとし,個々の試験において別々の試料を使用する。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

8.3.6 

過充電(組電池) 

組電池の過充電試験は,次による。

a)

要求事項  製造業者が推奨する充電時間よりも長時間充電しても,発火又は破裂を引き起こさない。

ただし,特殊な構造の組電池については,適用しない。

b)

試験  周囲温度 20±5  ℃かつ 0.2  I

t

  A の定電流で,製造業者が指定する設計上の放電終止電圧まで放

電した組電池に対し,2.0 I

t

 A の定電流で充電する。試験の間又は電源電圧に達するまで,2.0 I

t

 A の定

電流を維持する電源を用いる。電源電圧は推奨する充電器の最大電圧(推奨する充電器の最大電圧が

入手できない場合は,単電池当たり 5.0 V とする。

)を超えない値を用いる。組電池には熱電対を装着

し,組電池の容器温度を計測する。試験は,容器の温度が定常状態(30 分間の温度変化が 10  ℃未満)

に達するか,20±5  ℃に戻るまで続ける。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

8.3.6A 

過充電(単電池) 

単電池の過充電試験は,次による。

なお,当該単電池を使用する機器又は組電池に保護素子が装着されている場合は,単電池に当該保護素

子を装着してもよい。

a)

要求事項  製造業者が推奨する充電時間よりも長時間充電しても,発火又は破裂を引き起こさない。

b)

試験  上限試験温度及び下限試験温度で行う。製造業者が指定する設計上の放電終止電圧まで放電し

た単電池に対し,10 V 以上で使用できる電源を用いて製造業者が推奨する充電電流によって定格容量

の 250 %又は試験電圧に達するまで通電する。ただし,単電池に内蔵された保護素子が動作し,電圧

が試験電圧に達した場合は,その時点で試験を終了してもよい。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

8.3.7 

強制放電(単電池) 

単電池の強制放電試験は,次による。

なお,当該単電池を使用する機器又は組電池に保護素子が装着されている場合は,単電池に当該保護素

子を装着してもよい。

a)

要求事項  複数の単電池を用いる用途で,単電池の極性を逆にして充電しても,発火又は破裂を引き

起こさない。

b)

試験  上限試験温度及び下限試験温度で行う。製造業者が指定する設計上の放電終止電圧まで放電し

た単電池に対し,1 I

t

 A の電流で 90 分間逆充電を行う。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

8.3.8 

強制内部短絡(単電池) 

単電池の強制内部短絡試験は,次による。ただし,ポリマー単電池については,適用しない。

a)

要求事項  円筒形及び角形の単電池において強制的な内部短絡によって発火を引き起こさない。

b)

試験

1)

強制内部短絡試験の充電  8.1.2 の第二手順に従って充電した単電池を用いる。

2)

ニッケル小片による電極体の圧縮  ニッケル小片による電極体の圧縮は,次による。


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この試験は,ニッケル小片を正極活物質と負極活物質との間に挿入する。ただし,活物質層との

対向部分に露出した正極アルミニウムはく部が存在する場合は,当該部分での試験も実施する。

i)

試験準備

A

試料準備の手引きを A.5

図 A.5 及び図 A.8 に示す。予備加熱用恒温槽は表 に規定する温度

に設定する。恒温槽に密閉式のアルミニウムラミネートパックに入れた電極体を投入し,45±

15 分間放置する。

B

密閉式のアルミニウムラミネートパックから電極体を取り出し,電圧測定用の端子及び熱電対

の端子を取り付け,マーキング位置に加圧ジグの中央が当たるように,電極体を加圧装置に設

置する。この作業は,電解液の蒸発を防ぐため,2 分以内に行う。

C

短絡防止の絶縁フィルムを引き抜き,恒温槽を閉じる。

表 5−単電池試験の周囲温度

a)

試験手順

下限試験温度での試験

上限試験温度での試験

適用箇条

充電時 10

℃ 45

b) 1) 

試料準備時 5

℃ 50

b) 2) i) A 

試験開始時 10

℃ 45

b) 2) ii) A 

a)

  この試験は,表 の条件で実施している。

ii)

内部短絡

A

電極体の温度が

表 に規定する温度の範囲内に入ったことを確認し,試験を開始する。

B

加圧装置の可動部分の底面はニトリルゴム又はアクリル製であり,幅 10 mm×10 mm のステン

レス角柱に取り付けられている。加圧ジグの詳細を,

図 に示す。底面がニトリルゴム製のジ

グは円筒形電池用であり,角形単電池用には先端に大きさ 5 mm×5 mm,厚さ 2 mm のアクリ

ル板を追加した加圧ジグを用いる。単電池電極体の電圧を随時測定し,1 秒間に 0.1 mm の速度

で加圧ジグを降下させる。内部短絡による電圧降下を検出した時点で,加圧ジグの降下を停止

し,30 秒後に加圧を解放する。電圧測定間隔は 100 ポイント/秒以上とし,初期電圧から 50 mV

以上の降下を検出した場合を短絡とする。短絡が認められない場合の加圧力の上限は,円筒形

の場合は 800 N,角形の場合は 400 N とし,各々の加圧力に達した時点で,加圧ジグの降下を

停止する。

単位  mm

a)

  円筒形電池の加圧ジグ b)  角形電池の加圧ジグ 

図 2−加圧ジグの形状 

c)

判定基準  発火があってはならない(発火しない場合は,短絡が生じた時点の圧力を記録する。)。


19

C 8712

:2015

8.3.8A 

衝撃 

単電池及び組電池の衝撃試験は,次による。

a)

要求事項  取扱い又は運搬のときに衝撃を受けても,発火,破裂又は漏液を引き起こさない。ただし,

特殊な構造の組電池については,適用しない。

b)

試験  8.1.1 の手順に従って充電した単電池又は組電池を,それぞれ全ての面を支持する固定治工具に

よって,試験機器に固定する。単電池又は組電池に,同じ大きさの衝撃を互いに直角な 3 方向にそれ

ぞれ 1 回加える。それぞれの電池の表面に対して,直角の方向に衝撃を加える。単電池又は組電池は,

それぞれの衝撃において最初の 3 ms の間に最低平均加速度が 735 m/s

2

となるように加速する。加速の

ピーク値は,1 226∼1 716 m/s

2

とする。周囲温度 20±5  ℃で試験する。試験後,目視検査を行う。

c)

判定基準  発火,破裂又は漏液があってはならない。

8.3.8B 

低圧(単電池) 

単電池の低圧試験は,次による。

a)

要求事項  低圧(例えば,空輸の場合)によって,発火,破裂又は漏液を引き起こさない。

b)

試験  8.1.1 の手順に従って充電した単電池を,周囲温度 20±5  ℃の真空チャンバ内に置く。チャンバ

を閉めた後,徐々に減圧して内部圧力 11.6 kPa(高度 15 240 m に相当)以下まで減圧し,この圧力下

で 6 時間保存する。試験後,目視検査を行う。

c)

判定基準  発火,破裂又は漏液があってはならない。

8.3.8C 

高率充電(単電池) 

単電池の高率充電試験は,次による。

なお,当該単電池を使用する機器又は組電池に保護素子が装着されている場合は,単電池に当該保護素

子を装着してもよい。

a)

要求事項  充電器の故障で,単電池を並列に接続した組電池に過剰な電流が流れても,単電池が発火

又は破裂を引き起こさない。

b)

試験  上限試験温度及び下限試験温度で行う。放電した単電池を,製造業者が推奨する最大充電電流

の 3 倍の充電電流で満充電にするか,又は満充電する前に対応する機器若しくは組電池で保護素子を

もつ場合は,保護素子の安全装置が作動して充電電流を遮断するまで充電を行う。

c)

判定基準  発火又は破裂があってはならない。

8.3.8D 

機器に装着した組電池の落下(組電池) 

組電池の機器に装着した組電池の落下試験は,次による。

a)

要求事項  組電池を想定する最大本体質量に相当する負荷に装着した状態で,落下又は衝撃が加わっ

た場合,組電池の内部において外部短絡を生じない,かつ,組電池内の単電池において内部短絡を生

じない。

b)

試験  8.1.1 の手順に従って充電した組電池を,使用を想定するポータブル機器に装着又は装着を模擬

し,かつ,用途に応じて JIS C 6950-1 又は JIS C 6065 に規定する落下試験の高さから,コンクリート

の床へ組電池に最も悪影響を与えると判断される落下方向へ 1 回落下させるか,又は同等の負荷を当

該組電池に与える。組電池を落下させる床として,コンクリートに代わり,鉄板を用いてもよい。

注記  落下試験の高さは,JIS C 6950-1 の 4.2.6(落下試験),又は JIS C 6065 の 12.1.4(ドロップ試

験)を参照する。ただし,電池を装着した機器の質量が,ポータブル機器にあっては 7 kg を

超えるもの,卓上機器(携帯する可能性があるものを除く。

)が 5 kg を超えるものには,適

用できない。


20

C 8712

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c)

判定基準  組電池の内部において外部短絡を生じない,かつ,組電池内の単電池において内部短絡を

生じない。

8.3.8E 

過充電保護(組電池) 

組電池の過充電保護試験は,次による。

a)

要求事項  組電池内の単電池又は単電池を並列に接続した電池ブロックは,パラメータ測定許容差に

かかわらず

表 の上限充電電圧を超えてはならない。ただし,機器などにおいて,上限充電電圧を超

えないよう制御を行う場合は,適用しない。

b)

試験  周囲温度 20±5  ℃において,1)3)のいずれかの方法で試験を行う。過充電の保護機能を評価

するための回路構成例を,

図 2A に示す。ただし,この回路構成はあくまで例示であることから,実

際の測定においては電池製造業者と評価者との間であらかじめ試験方法を決定して実施してもよい。

また,この試験の目的は,組電池の制御として適切な過充電保護機能が備えられていることを確認す

るものであり,過充電の保護機能は組電池に備えるか,又は組電池を装着した機器若しくは充電器に

備えてもよい。

1)

組電池が単電池又は 1 段の電池ブロック構成の場合,充電時に単電池又は電池ブロックに印加され

る電圧を測定する。

2)

組電池が,単電池又は電池ブロックを直列に 2 個以上接続した構造の場合,各単電池又は電池ブロ

ックの電圧を計測しながら充電を行い,同時に一つの単電池又は電池ブロックを徐々に強制的に放

電させ,その他の各単電池又は電池ブロックの電圧を測定する。

3)

組電池が,単電池又は電池ブロックを直列に 2 個以上接続した構造の場合,各ブロックの電圧を計

測しながら

表 の上限充電電圧を超える電圧を単電池に印加し充電が停止するときの電圧を測定す

る。

c)

判定基準  上限充電電圧を超えてはならない。ただし,電池内でリチウムイオンの移動が追従しない

電圧変動は含まない。例えば,リップル,ノイズなどを想定した 50 kHz 以上の交流成分の電圧変動は

含まない。


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C 8712

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図 2A−過充電保護機能を評価するための回路構成例 

安全に関する情報 

ニッケル・カドミウム蓄電池,ニッケル・水素蓄電池,リチウム二次電池などのアルカリ電解液又は酸

以外の電解液を使用している,ポータブル機器用密閉型単電池及び組電池の使用,特にその常軌を逸した

使用は,危険源を生み出し,危害を及ぼすおそれがある。単電池製造業者は,製品の電流・電圧・温度限

界に関する情報を提供しなければならない。組電池製造業者は,機器製造業者に又は使用者に直接に販売

する場合には,使用者にかかる危害を最低限度に抑えて緩和する情報(例えば,一般社団法人電池工業会

発行の小型二次電池の安全確保のための表示ガイドラインなど)を提供しなければならない。単電池及び

組電池を内蔵する機器の使用に関わる危険源について,機器製造業者には使用者に知らせる責務がある。

特別な組電池設計を行う場合,機器製造業者は,製品の使用期間中に発生するおそれがある危険源を回

避するためにシステム解析を行うのが望ましい。システム解析に基づく,危険回避に関わる情報も使用者

に提供することが望ましい。

起こり得る危害については,IEC/TR 62188 にポータブル組電池の設計及び生産に関するガイダンスが示

されている。また,

附属書 及び附属書 には,全てを網羅したわけではないが有益な助言が記載してあ

る。

この規定に適合しているかどうかは,製造業者の文書によって確認できる。

10 

表示 

10.1 

単電池の表示 

ニッケル系の単電池の表示は,JIS C 8705 又は JIS C 8708 による。

リチウム系の単電池の表示は,JIS C 8711 による。この表示は,目視によって検査する。

注記  単電池製造業者と組電池製造業者との合意,及び取扱説明書,仕様書などに記載がある場合は,


22

C 8712

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単電池に表示を省略してもよい。

10.2 

組電池の表示 

ニッケル系の組電池及びリチウム系の組電池の表示は,これらを構成する単電池の表示(10.1 参照)に

従い,適切なものでなければならない。これに加え,適切な警告を表示しなければならない。

さらに,リチウム系の組電池は,組電池表面の見やすい箇所に容易に消えない方法で表示しなければな

らない。ただし,組電池の表面に表示することができない場合は,包装容器の表面の見やすい箇所に表示

しなければならない。包装容器に表示する場合は,電池を包装する最小単位の包装容器に表示する。

この表示は,目視によって検査する。

10.3 

その他の情報 

組電池製造業者は,次に示す情報を組電池に表示するか,機器製造業者に提供しなければならない。

−  保管及び廃棄に関する指示

−  推奨する充電方法に関する指示

この表示は,単電池製造業者又は組電池製造業者の文書,及び包装又は製品の表示を目視によって検査

する。


23

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附属書 A

(規定)

安全に使用するためのリチウム二次電池の充電域

A.1 

一般事項 

この附属書は,本体及び附属書の両方を補足するものであり,この規格の規定の一部を構成する。

A.2 

リチウム二次電池の安全性 

リチウム二次電池の安全使用を保証するために,リチウム単電池及びリチウム組電池を設計する製造業

者は,この規格で規定する要求項目を厳密に遵守しなければならない。上限充電電圧が異なる(リチウム

コバルト酸化物系の 4.25 V 以外の)場合には,試験基準を満足させるために,上限充電電圧及び上限充電

温度を変更することが適切な場合がある。

A.3 

充電電圧に関する留意点 

A.3.1 

一般事項 

リチウム二次電池の充電電圧は,充電中に化学反応が促進されるように,適用する必要がある。ここで,

充電電圧が高すぎる場合,過度の化学反応又は副反応が起こり,リチウム二次電池は熱的に不安定になる

(熱暴走が発生するおそれがある。

。したがって,リチウム二次単電池製造業者が指定する充電電圧値よ

りも高くしないことは非常に重要であり,リチウム二次単電池製造業者は,指定した充電電圧で充電され

たリチウム二次電池の安全性を確認しなければならない。

A.3.2 

上限充電電圧 

A.3.2.1 

一般事項 

リチウム二次単電池は,正極活物質としてリチウムコバルト酸化物,負極活物質として炭素が主に使用

されている。このリチウム二次単電池において,8.1.2 に規定する上限充電電圧は,安全性の見地からの許

容可能な値(4.25 V)に基づいて定義される。

図 A.1 に,リチウムコバルト酸化物を正極活物質,炭素を

負極活物質として構成される典型的なリチウム二次単電池(以下,典型的なリチウム二次単電池という。

に関して,推奨する基本的な作動領域を示す。

A.3.2.2 

安全に関する説明 

リチウム二次単電池が上限充電電圧より高い電圧で充電される場合,正極活物質(層間化合物)のリチ

ウムイオンが,過剰に脱離し,結晶構造が崩壊しやすくなる。その際,正極活物質から酸素が放出し,ま

た,負極活物質(炭素材料)表面上にリチウムが析出する。

これらの条件下で,内部短絡が起こると,熱暴走が起こりやすくなる。

したがって,リチウム二次単電池を,リチウム二次単電池製造業者が指定する上限充電電圧より高い電

圧で,充電してはならない。また,充電器による充電制御故障を想定し,適切な保護装置を備える必要が

ある。

なお,50 kHz 以上の交流(リプルを想定)については,リチウムイオンの移動がそれに応答しないため,

対象としない。


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図 A.1−典型的なリチウム二次単電池の作動領域 

A.3.2.3 

異なる上限充電電圧を適用する場合の安全要求事項 

リチウム二次単電池は,次のような場合,4.25 V 以外の充電電圧も設定できる。

−  リチウムコバルト酸化物以外の正極活物質の場合

−  設計上,正極と負極との容量比を変更している場合

新規の上限充電電圧で,使用可能であることを確認するため,上限充電電圧の変更理由を説明する次の

根拠資料を,保管しなければならない。

a)

新規の上限充電電圧で充電されたリチウム二次単電池の正極活物質(リチウムコバルト酸化物を含

む。

)の構造安定性,電解液の構造安定性,負極活物質のリチウム受入性などが,4.25 V で充電された

典型的なリチウム二次単電池と比べて,同等以上の安全性をもっていることを示す試験結果。

b)

表 に規定する上限充電電圧を超える場合の変更理由を説明する根拠資料は,次による。

1)

新規の上限充電電圧で,上限試験温度に+5  ℃を加えた温度で充電されたリチウム二次単電池が,

上限試験温度に+5  ℃を加えた温度で試験し,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に適合することを証明

する試験結果。

2)

新規の上限充電電圧で,下限試験温度に−5  ℃を加えた温度で充電されたリチウム二次単電池が,

下限試験温度に−5  ℃を加えた温度で試験し,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に適合することを証明

する試験結果。

3)  8.3.1

8.3.48.3.5 及び 8.3.8 による単電池の試験を高温度域の上限で実施し,それぞれに規定する

要求事項に適合することを証明する試験結果。

なお,高温度域の上限での試験充電電圧及び試験充電電流は,電池製造業者が指定する。

c)

表 に規定する上限充電電圧より低い場合の変更理由を説明する根拠資料は,次による。

1)

新規の上限充電電圧で,上限試験温度に+5  ℃を加えた温度で充電されたリチウム二次単電池が,

上限試験温度に+5  ℃を加えた温度で試験し,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に適合することを証明

する試験結果。

2)

新規の上限充電電圧で,下限試験温度に−5  ℃を加えた温度で充電されたリチウム二次単電池が,


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下限試験温度に−5  ℃を加えた温度で試験し,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に適合することを証明

する試験結果。

3)  8.3.1

8.3.48.3.5 及び 8.3.8 による単電池の試験を高温度域の上限で実施し,それぞれに規定する

要求事項に適合することを証明する試験結果。

なお,高温度域の上限での試験充電電圧及び試験充電電流は,電池製造業者が指定する。

A.4 

温度及び充電電流の留意点 

A.4.1 

一般事項 

充電は化学反応を起こし,温度の影響を受ける。同じ上限充電電圧及び充電電流の場合でも,副反応又

は充電状態は,温度に依存する。

したがって,上限充電電圧及び/又は最大充電電流が,低温度域及び高温度域で,低く,又は小さくな

らなければならない。これらは,安全性の見地から,標準温度域よりも,厳しい条件である。

安全に充電された,典型的なリチウム二次単電池の基本的な作動領域を,

図 A.1 に示す。

A.4.2 

標準温度範囲 

A.4.2.1 

一般事項 

標準温度域内では,リチウム二次単電池は安全性の見地から,定義した上限充電電圧及び最大充電電流

で,充電が可能である。

典型的なリチウム二次単電池の標準温度範囲は,10∼45  ℃である。

A.4.2.2 

異なる標準温度範囲を適用する場合の安全性留意点 

リチウム二次単電池において,電解液及び他の因子の熱安定性の違いによって,10∼45  ℃と異なる温度

範囲を推奨している場合がある。新規の標準温度範囲を適用する場合,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に規

定する試験は,異なる試験温度で充電された電池を用いて行われなければならない。ただし,新規の上限

試験温度より高い試験温度又は新規の下限試験温度より低い試験温度で,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 

規定する単電池の試験結果がある場合には,この箇条の同じ上限充電電圧を用いた,新規の上限試験温度

又は新規の下限試験温度での 8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に規定する単電池の試験を省略することができ

る。さらに,異なる温度で使用するため,試験温度の変更理由を説明する根拠資料を,保管しなければな

らない。

試験温度の変更理由を説明する根拠資料の例は,次による。

a)

表 に規定する上限試験温度を超える場合の変更理由を説明する根拠資料は,次による。

1)

新規の上限試験温度で充電された電池の,リチウムコバルト酸化物の構造安定性又は電解液の構造

安定性が,45  ℃で充電された電池と,同等かそれ以上であることを証明する試験結果。

2)

試験温度の新規の上限値(45  ℃+5  ℃以上)で充電され,上限充電電圧で,8.3.18.3.48.3.5 

び 8.3.8 に規定する方法で充電時と同じ温度で試験した,それぞれに規定する要求事項に適合するこ

とを証明する試験結果。

b)

表 に規定する下限試験温度より低い場合の変更理由を説明する根拠資料は,次による。

1)

新規の下限試験温度で充電された電池の負極活物質のリチウム受入性又は電解液のリチウムイオン

移動度が,10  ℃で充電された電池と,同等かそれ以上であることを証明する試験結果。

2)

試験温度の新規の下限値(10  ℃−5  ℃未満)で充電され,上限充電電圧で,8.3.18.3.48.3.5 

び 8.3.8 に規定する方法で充電時と同じ温度で試験した,それぞれに規定する要求事項に適合するこ

とを証明する試験結果。


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A.4.3 

高温度域 

A.4.3.1 

一般事項 

高温度域の温度は,標準温度域より高い。高温度域において,充電は最大充電電流及び/又は上限充電

電圧を変えることによって行うことができる。

A.4.3.2 

安全面の説明 

リチウム二次単電池を同条件で標準温度域より高い温度で充電する場合,より多くリチウム量が正極活

物質から移動する。移動するリチウム量が増すにつれ,正極の結晶構造の安定性の劣化につながるため,

電池の安全性能が減少傾向となる。

同様に,高温度域と熱暴走が発生する温度域との間の温度差が相対的に小さくなる。その結果として,

内部短絡のような事象が発生した場合,電池が熱暴走しやすくなる。

結果的に,高温度域での充電条件は,次のとおり,リチウム二次単電池の表面温度で異なる。

−  リチウム二次単電池の表面温度が上限試験温度より高い場合,高温度域向けに特別に規定した,別の

充電条件を用いる。

−  リチウム二次単電池の表面温度が高温度域の上限より高い場合,いかなる充電電流でも充電してはな

らない。

A.4.3.3 

高温度域の充電条件を規定する場合の安全性の考察 

高温度域の充電条件は,電解液及び他の因子の熱安定性を基に規定する場合がある。高温度域の充電条

件を規定する場合,電池製造業者が定めたこれらの条件で充電し,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に規定す

る試験を実施し,それぞれに規定する要求事項に適合しなければならない。

A.4.3.4 

高温度域に新規の上限を規定する場合の安全性の考察 

正極活物質及びその他の要因の熱安定性の違いによって,

図 A.1 に示す高温度域と違った上限を適用す

る場合がある。高温度域に新規の上限を適用する場合,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に規定する試験を実

施し,それぞれに規定する要求事項に適合しなければならない。さらに,新規の高温域で使用可能である

ことを示すため,変更理由を説明する根拠資料を,保管しなければならない。

高温度域の変更理由を説明する根拠資料の例は,次による。

a)

高温度域の新規の上限で充電した単電池の,リチウムコバルト酸化物の結晶構造の安定性が,現行の

高温度域の上限で充電した単電池と,同等かそれ以上であることを証明する試験結果。

b)

高温度域の新規の上限に+5  ℃加えた温度で充電し,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に規定する方法で

試験した単電池は,それぞれに規定する要求事項に適合することを証明する試験結果。

なお,このときの試験充電電圧及び試験充電電流は,電池製造業者が指定する。

A.4.4 

低温度域 

A.4.4.1 

一般事項 

低温度域の温度は,標準温度域より低い。低温度域において,充電は,標準温度域で規定する上限充電

電圧及び/又は最大充電電流を変更して行うことができる。

A.4.4.2 

安全面の説明 

リチウム二次単電池を低温度域で充電する場合,物質移動速度が減少し,負極活物質(炭素材料)のリ

チウムイオン受入性が悪くなる。その結果,金属リチウムがカーボン表面に生成されやすくなる。この条

件において,電池は熱安定性が低くなり,過熱及び熱暴走を起こす可能性がある。

同様に,低温度域において,リチウムイオンの受入性は温度に大きく依存する。直列接続した複数の単

電池で構成するリチウム二次単電池において,温度の違いによってリチウムイオンの受入性は異なる。こ


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の場合,十分な安全性が確保できない可能性がある。

結果的に,低温度域での充電条件は,次のとおり,リチウム二次単電池の表面温度で異なる。

−  リチウム二次単電池の表面温度が下限試験温度より低い場合,低温度域向けに特別に規定した,別の

充電条件を用いる。

−  リチウム二次単電池の表面温度が下限温度域より低い場合,いかなる充電電流でも充電してはならな

い。

A.4.4.3 

低温度域の充電条件を規定する場合の安全性の考察 

低温度域の充電条件は,

負極活物質のリチウムイオン受入性などの設計要因を基に規定する場合がある。

低温度域の充電条件を規定する場合,電池製造業者が定めたこれらの条件で充電したリチウム二次単電池

を 8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に規定する方法で試験を実施し,それぞれに規定する要求事項に適合しな

ければならない。

A.4.4.4 

低温度域で新規の下限を規定する場合の安全性の考察 

負極活物質及びその他の要因のリチウムイオン受入性の違いによって,

図 A.1 に示す低温度域と違った

低温域の下限を適用する場合がある。低温度域に新規の下限を適用する場合,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8

に規定する試験を行い,それぞれに規定する要求事項に適合しなければならない。さらに,その変更理由

を説明する根拠資料を,保管しなければならない。

低温度域の変更理由を説明する根拠資料の例は,次による。

a)

低温度域の新規の下限で充電した単電池の,負極活物質へのリチウムイオン受入性が,現行の低温度

域の下限で充電した単電池と,同等かそれ以上であることを証明する試験結果。

b)

低温度域の新規の下限に−5  ℃加えた温度で充電し,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に規定する方法で

試験した単電池は,それぞれに規定する要求事項に適合することを証明する試験結果。

なお,このときの試験充電電圧及び試験充電電流は,電池製造業者が指定する。

A.4.5 

充電電流の適用範囲 

A.4.2

A.4.4 に規定する充電電流は,50 kHz 以上の交流(リプルを想定)については,リチウムイオン

の移動がそれに応答しないため,対象としない(50 kHz 以上のリプル電流は対象外とする。

A.4.6 

モデル採用の決定 

a)

モデル採用の決定の考え方は,次による。

表 に規定する上限充電電圧,上限試験温度及び下限試験温度は,現在主流である正極材料にコバ

ルト酸リチウム及び負極材料に炭素を用いたモデルに基づき定めたものである。

−  単電池の性能特性の変更のため,

表 に規定する上限充電電圧,上限試験温度及び下限試験温度の

ままで,電池の材料構成を変更したモデルを採用する場合がある。

−  変更したモデルに対する根拠資料は次の資料を取得し,保管する。ただし,材料構成が同じモデル

は,根拠資料を共通に使用することができる。

b)

モデル採用を決定する根拠資料の例は,次による。

1)

材料に関する根拠  正極材料の構造安定性,負極材料のリチウム受入性,電解液の構造安定性の一

つ又は組合せの材料特性が,正極材料にコバルト酸リチウムを用いた単電池を

表 に規定する上限

充電電圧で充電した状態の材料特性と比較し,同等以上の安全性をもつことを証明する試験結果。

2)

単電池に関する根拠  上限試験温度に 5  ℃加えた温度及び,下限試験温度に−5  ℃加えた温度にお

いて,上限充電電圧を 8.1.2 の第二手順に適用し,上限試験温度に 5  ℃及び,下限試験温度に−5  ℃

加えた試験温度で,8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に規定する単電池の試験結果が,それぞれに規定


28

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する要求事項に適合することを確認する。

なお,上限試験温度より高い試験温度又は下限試験温度より低い試験温度で,8.3.18.3.48.3.5

及び 8.3.8 に規定する単電池の試験結果がある場合には,同じ上限充電電圧を用いた,上限試験温度

又は下限試験温度での 8.3.18.3.48.3.5 及び 8.3.8 に規定する単電池の試験を省略することができ

る。

A.5 

試験サンプルの準備 

A.5.1 

一般事項 

8.3.8

に規定する試験の試験サンプルの準備について,規定する。

A.5.2 

内部短絡用ニッケル小片の配置作業 

内部短絡用ニッケル小片の配置作業は,周囲温度 20±5  ℃,露点−25  ℃以下で行う。

A.5.3 

充電済み単電池の解体 

充電済み単電池を解体し,電極体(電極及びセパレータで構成した巻取体)を取り出す(

図 A.5 及び図

A.8

参照)

A.5.4 

ニッケル小片の形状及び材質 

ニッケル小片の形状を,

図 A.2 に示す。

寸法:高さ 0.2 mm,幅 0.1 mm,一辺 1 mm(各辺の許容差は 5 %)の L 字形(角は 90±10°)

材質:純度 99 %(質量分率)以上。

単位  mm

図 A.2−ニッケル小片の形状 

A.5.5 

円筒形リチウム二次単電池へのニッケル小片の配置 

A.5.5.1 

電極体へのニッケル小片の配置 

電極体へのニッケル小片の配置は,次による。

a)

円筒形リチウム二次単電池の正極活物質部と負極活物質部との間に,ニッケル小片を配置する(

図 A.5

参照)

1)

最外周に正極アルミニウムはくがある場合は,正極活物質と負極活物質との間で短絡させるため,

アルミニウムはくを正極活物質とアルミニウムはくとの境界部でカットする。

2)

正極活物質部とセパレータとの間に,ニッケル小片を配置する。ニッケル小片の配置は,

図 A.3 

示す。ニッケル小片の位置はアルミニウムはくのカット端から 20 mm とし,ニッケル小片の向きは

L 字の角が巻込み方向とする。

 
 
 
 
 
 
 
 


29

C 8712

:2015

単位  mm

図 A.3−円筒形リチウム二次単電池のニッケル小片の配置場所 

(正極活物質部−負極活物質部間) 

b)

円筒形リチウム二次単電池の正極アルミニウムはく部(塗布していない)と負極活物質部との間に,

ニッケル小片を配置する。

最外周に露出したアルミニウムはくと負極活物質の対向面が存在する場合,次のとおり実施する。

1)

最外周に露出したアルミニウムはくは,正極活物質部とアルミニウムはくとの境界部で,アルミニ

ウムはくを 10 mm 残してカットする。

2)

アルミニウムはくとセパレータとの間に,ニッケル小片を配置する。ニッケル小片の配置は,

図 A.4

に示す。ニッケル小片の位置は正極活物質部の端から 1 mm のアルミニウムはく上とし,ニッケル

小片の向きは L 字の角が巻込み方向とする。

単位  mm

図 A.4−円筒形リチウム二次単電池のニッケル小片の配置場所 

(正極アルミニウムはく部−負極活物質部間) 

A.5.5.2 

電極体最外周上のニッケル小片位置のマーキング 

マーキング手順は,次による。

a)

短絡防止処理として,

ニッケル小片部分と対向するセパレータと負極との間に,

絶縁フィルムを挟む。

b)

ニッケル小片を所定位置に保ちながら,電極及びセパレータを手作業で巻き戻し,その電極体をテー

プで固定する。

c)

電極体の上から,ニッケル小片位置にマーキングをする。

d)

チャック付きポリエチレン製袋に電極体を入れる。電解液の乾燥を防ぐために,チャック付きポリエ

チレン製袋を密閉式のアルミニウムラミネートパックに入れる。

注記  円筒形リチウム二次単電池の解体から電極体の封入までの作業は,30 分以内に行うのがよい。


30

C 8712

:2015

図 A.5−円筒形単電池の解体 

負極タブ

正極タブ

取り出した電極体

カット

10 mm

カット

20 mm

正極カット端

ニッケル小片

絶縁フィルム

セパレータの下にニッケル小片

が位置する

テープ

ニッケル小片挿入位置の
マーキング

正極活物質部−負極活物質部間の短絡試験

正極アルミニウムはく部−負極活物質部間の短絡試験


31

C 8712

:2015

A.5.6 

角形リチウム二次単電池へのニッケル小片の配置 

角形リチウム二次単電池へのニッケル小片の配置は,次による。

a)

ニッケル小片を配置する前に,短絡防止処理として,ニッケル小片部分と対向するセパレータと負極

との間に絶縁フィルムを挟む(

図 A.8 参照)。

b)

電極体へのニッケル小片の配置

1)

角形リチウム二次単電池の正極活物質部と負極活物質部との間にニッケル小片を配置する(

図 A.8

参照)

i)

最外周の正極活物質部とセパレータとの間,又は負極活物質部とセパレータとの間にニッケル小

片を配置する。電池外装がアルミニウム缶の場合には,正極活物質部とセパレータとの間にニッ

ケル小片を配置する。

ii)

正極活物質部とセパレータとの間にニッケル小片を配置する。ニッケル小片の配置は,

図 A.6 

示す。ニッケル小片の位置は,電極体の平面部の中心(対角線の交点)とし,ニッケル小片の向

きは L 字の角が巻込み方向とする。

図 A.6−角形リチウム二次単電池のニッケル小片の配置場所 

(正極活物質部−負極活物質部間) 

2)

角形リチウム二次単電池の正極アルミニウムはく部(塗布していない)と負極活物質部との間にニ

ッケル小片を配置する。最外周に露出した正極アルミニウムはくと負極活物質部との対向面が存在

する場合,次のとおり実施する。

i)

露出したアルミニウムはくとセパレータとの間にニッケル小片を配置する。

ii)

ニッケル小片の配置は,

図 A.7 に示す。ニッケル小片の位置は電極体の平面部の中心(幅方向の

中心点)とし,ニッケル小片の向きは L 字の角が巻込み方向とする。


32

C 8712

:2015

図 A.7−角形リチウム二次単電池のニッケル小片の配置場所 

(正極アルミニウムはく部−負極活物質部間) 

マーキング手順は,次による。

iii)

ニッケル小片を所定位置に保ちながら,電極及びセパレータを手作業で巻き戻し,その電極体を

テープで固定する。

iv)

電極体の上から,ニッケル小片位置にマーキングをする。

v)  2

枚重ねたポリイミドテープ(基材厚さ 25 μm,テープ幅 10 mm)をマーキング位置に置く。

vi)

チャック付きポリエチレン製袋に電極体を入れる。電解液の乾燥を防ぐために,チャック付きポ

リエチレン製袋を密閉式のアルミニウムラミネートパックに入れる。

注記  角形リチウム二次単電池の解体から電極体の封入までの作業は,30 分以内に行うのがよ

い。


33

C 8712

:2015

最外周を取り外し,絶縁フィルムを負極表面上に配置

セパレータを巻き戻した後,へん(扁)平巻回の平面部の中心にニッケル小片を配置

電極及びセパレータを巻き戻し,2 枚重ねたポリイミドテープをニッケル小片位置に置く

図 A.8−角形リチウム二次単電池の解体 

取り出した電極体

負極タブ

正極タブ

絶縁フィルム

ニッケル小片をセパレータ上に配置


34

C 8712

:2015

附属書 B

(参考)

機器製造業者及び組電池組立業者への推奨

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。単電池及び組電池の製造

業者から,機器製造業者及び組電池組立業者への有益な助言を記載している。この助言は,代表的なもの

であって,全てを網羅しているものではない。

a)

単電池を分解又は改造してはならない。組電池の分解は,訓練を受けた者だけによって行うのが望ま

しい。複数の単電池を内蔵した組電池の容器は,特別な治工具を用いなければ開くことができないよ

うに設計することが望ましい。

b)

単電池又は組電池を短絡させてはならない。単電池又は組電池を,互いに短絡させるような,又は導

電性物質によって短絡を引き起こすような状態で,箱又は引出しの中に無秩序に保管してはならない。

c)

単電池又は組電池は,製造業者のこん包状態で保管し,作業前に取り出すことが望ましい。

d)

単電池又は組電池を加熱したり,火中に投下したりしてはならない。また,直射日光の当たる場所に

保管することは避けることが望ましい。

e)

単電池又は組電池に衝撃を与えてはならない。

f)

単電池から漏液がある場合,電解液に直接触れてはならない。万一皮膚に付着又は目に入った場合,

接触部を大量の水で洗い流し,医師の助言を受けることが望ましい。

g)

機器には,単電池又は組電池の誤った挿入を防止する設計をしなければならない。明瞭な極性の表示

を付けなければならない。常に,単電池,組電池及び機器に明示されたプラス(+)及びマイナス(−)

の表示を確認し,正しい接続を確実にする。

h)

単一の組電池の中に,異なる銘柄,容量,型式及び品種の単電池を混在させてはならない。

i)

単電池又は組電池を誤って飲み込んだ場合,直ちに医師の診察を受けなければならない。

j)

単一の組電池の中に組み込んだ単電池の最大数及び単電池の最も安全な接続方法について,単電池及

び組電池の製造業者に問合せを行う。

k)

機器には,専用充電器を用意する。販売する単電池及び組電池には,例外なく,充電に関する完全な

取扱説明書を付ける。

l)

単電池及び組電池は,清浄で湿気の少ない場所に保管する。

m)

単電池又は組電池の端子が汚れていた場合,乾いた布で拭き取る。

n)

単電池及び組電池を使用前に充電する。常に,単電池及び組電池の製造業者の取扱説明書を参照し,

正確な充電手順で行う。

o)

単電池及び組電池の充電終了後には,専用充電器から取り外し,つないだまま放置しないことが望ま

しい。

p)

長期間保存した場合,単電池又は組電池に対し充放電を繰り返さないと,規定の性能が得られない場

合がある。

q)

単電池及び組電池の取扱説明書を保管し,必要なときに参照する。

r)

機器は,使用済みの電池の取外しが容易な構造にする。


35

C 8712

:2015

附属書 C 
(参考)

使用者(消費者)への推奨

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。単電池及び組電池の製造

業者から,使用者(消費者)への有益な助言を記載している。この助言は,代表的なものであって,全て

を網羅しているものではない。

a)

単電池又は組電池を分解又は改造してはならない。

b)

単電池又は組電池を加熱したり,火中に投下したりしてはならない。また,直射日光の当たる場所に

保管することは避けることが望ましい。

c)

単電池又は組電池を短絡させてはならない。電池を,互いに短絡させるような,又は導電性物質によ

って短絡を引き起こすような状態で,箱又は引出しの中に無秩序に保管してはならない。

d)

単電池又は組電池を製造業者が施したこん包状態で保管し,使用前に取り出すことが望ましい。

e)

単電池又は組電池に衝撃を与えてはならない。

f)

単電池から漏液がある場合,電解液に直接触れてはならない。万一皮膚に付着又は目に入った場合,

接触部を大量の水で洗い流し,医師の助言を受けることが望ましい。

g)

機器製造業者が指定した専用充電器以外で充電を行ってはならない。

h)

常に,単電池,組電池及び機器に明示されたプラス(+)及びマイナス(−)の表示を確認し,正し

い接続を確実にしなければならない。

i)

機器に指定されている以外の単電池又は組電池を用いてはならない。

j)

単一の機器の中に,異なる銘柄,容量,型式及び品種の単電池を混在させてはならない。

k)

単電池又は組電池を小児が使用する際は,監督することが望ましい。

l)

単電池又は組電池を誤って飲み込んだ場合,直ちに医師の診察を受ける。

m)

単電池又は組電池を交換する場合,常に機器製造業者が推奨する単電池又は組電池を使用する。

n)

単電池及び組電池は,清浄で湿気の少ない場所に保存する。

o)

単電池又は組電池の端子が汚れていた場合,乾いた布で拭き取る。

p)

単電池及び組電池を使用前に充電する。常に,製造業者が指定する充電器を使用し,適切な充電手順

について製造業者の指示又は機器の取扱説明書を参照する。

q)

単電池及び組電池の充電終了後には,専用充電器から取り外し,つないだまま放置しないことが望ま

しい。

r)

長期間保存した場合,単電池又は組電池に対し充放電を繰り返さないと,規定の性能が得られない場

合がある。

s)

製品の取扱説明書を保管し,必要なときに参照する。

t)

単電池又は組電池を意図された用途だけに使用する。

u)

電池の取外し可能な機器で,使用しない場合は,機器から組電池を取り外しておくことが望ましい。


36

C 8712

:2015

参考文献 

JIS C 8714

  携帯電子機器用リチウムイオン蓄電池の単電池及び組電池の安全性試験

IEC/TR 62188

,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes−Design and

manufacturing recommendations for portable batteries made from sealed secondary cells

IEC 61434

,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes−Guide to designation

of current in alkaline secondary cell and battery standards


37

C 8712

:2015

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 8712:2015

  ポータブル機器用二次電池(密閉型小型二次電池)の安全性

IEC 62133:2012

,Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid

electrolytes−Safety requirements for portable sealed secondary cells, and for batteries 
made from them, for use in portable applications

(I)JIS の規定

(II)

国際

規格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと

の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3  用語及び
定義

31 個の用語を定義。   3  19 個の用語を定義。

追加

・次の項目を追加 
標準温度域

下限試験温度

上限試験温度 
下限充電温度

上限充電温度

低温度域 
高温度域

モデル

電池ブロック 
保護素子

保護回路

特殊な構造の組電池

・定格容量の定義に用いられている

I

t

A の定義を注記に追加した。

本文中に何度も同じ言葉が出て
おり,定義を明確にするために追

加した。IEC 規格の次回改正時

に提案するか継続検討する。

I

t

A の定義を明確にするために,

IEC 61434

の該当する内容を記

載した。

4  パラメー
タの測定許
容差

4

JIS

とほぼ同じ。

変更

寸法規定を 1 %から,0.1 mm に変

更した。

JIS C 8711

に合わせた。大きな寸

法では精度が低く,小さい寸法で
は 0.02 mm 以下をノギスでは測

定できないために変更した。IEC

規格の次回改正時に提案する予
定である。

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C

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2


2

015


38

C 8712

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

4A  測 定 器

測定器具を規定。

追加

試験に用いる測定器具を追加した。 総合精度を容易に得るため。

5  安全性に
関する一般

事項

5.4.1  ニッケル系 
5.4.2  リチウム系

 5.4

変更

ニッケル系とリチウム系とに分け
て規定した。

リチウム系において,理解を容易に

するため注記内容を本文へ記載し
た。

理解を容易にするため。

5.6.1  一般 
組電池内に用いる単電

池に関する規定及び組
電池に要求される保護

機構に関する規定。

充電器などに同様の保
護機能をもつ場合の例

外規定,並びに適合性確

認のための要求試験に
関する記載を含む。

 5.6.1

組電池内に用いる単電

池に関する規定及び組

電池に要求される保護
機構に関する規定。

追加

組電池に要求される制御機能及び

保護機能については,充電器などに

同等の機能をもつ場合は,組電池に
対しての要求は不要としている。

適合性確認のための要求試験を具

体的に指定している。

組電池に要求される保護機構が

追加されたが,実使用上の適用外

が記されていない。IEC 規格の
次回改正時に提案するか継続検

討する。

5.6.2  リチウム系の組電
池に関する設計上の留

意事項 
組電池の上限充電電圧

の管理に関する要求事

項を規定。

 5.6.2

組電池の充電上限電圧

の管理に関する推奨事

項を規定。

変更

規定の内容は同じだが,要求とする

か推奨とするかの差異がある。

IEC

規格の次回改正時に提案す

るか継続検討する。

6  試験項目
及び試験数

単電池及び組電池に対
して要求される試験項

目及び試験数量につい

て規定。

 6 単電池及び組電池に対

して要求される試験項

目及び試験数量につい

て規定。

追加

リチウム系電池の試験に追加した
項目を追加。

電気用品安全法の技術基準の解
釈に関係する試験項目を表 2 へ

追記した。

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C

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2


2

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C 8712

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

7  要求事項
及 び 試 験
(ニッケル

系)

7.2.2 振動

7.2.2

JIS

とほぼ同じ。

追加

振動試験条件を示す表 3 に“振動の

方向”“振動数の範囲”を記載。注
記で第 2 段階∼第 4 段階で順序が入

れ替わってもよい旨追記。

表 3 に具体的な条件を記載する

ことを,IEC に提案する。

 7.2.4 温度サイクル  7.2.4

JIS

とほぼ同じ。

変更

試験後の検査を目視検査に変更。

検査方法を明確に記載すること

を IEC に提案する。

 7.3.3 自然落下

7.3.3

JIS

とほぼ同じ。

変更

落下試験の高さを 1 000±10 mm に
変更した。

許容差を明確にするために記載
した。IEC 規格の次回改正時に

提案するか継続検討する。

 7.3.4 衝撃

7.3.4

JIS

とほぼ同じ。

変更

衝撃の試験方法での加速度の単位

を“m/s

2

”に変更。

SI 単位を用いるよう,IEC に提
案する。

8  要求事項
及 び 試 験

(リチウム

系)

8.0A  一般事項 
規定された試験個数,試

験温度と同等以上の過

酷な試験条件で行って
もよいことを規定。

試験はモデルごとに行

うこと,組電池の構造の
一部を変更した場合で

あって,かつ,変更前の

試験結果が代用ででき
るものについては,この

項の試験を行わなくて

もよいことを規定。

 8

追加

電気用品安全法の技術基準の解釈
に規定され,IEC 規格には規定され

ていない試験個数,試験温度の過酷

化を許容する規定,及び試験対象単
位としてのモデルの考え方を追加。

電気用品安全法の技術基準の解
釈で規定されている試験個数,試

験温度の過酷化の許容,及びモデ

ルの考え方は適切であると考え
られる。IEC 規格の次回改正時

に提案するか継続検討する。

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C

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2


2

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C 8712

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

8  要求事項
及 び 試 験
(リチウム

系)

(続き)

8.1  試 験 を 行 う た め の
充電手順 
試験を行うための充電

手順として,第一手順及

び第二手順を定めるこ
と,充電プロセスが試験

の 目 的 で あ る 8.3.6 ,
8.3.6A,8.3.7,8.3.8C 及
び 8.3.8E は,これらの

充電手順によらないこ

とを記載。

 8.1

変更

IEC

規格では試験を行うための充

電手順として,まず第二手順に適用
される試験の箇条番号を記載し,第

一手順は,第二手順で規定したもの

以外で,かつ,特に規定のある試験
を除いた試験に適用すると定めて

おり,やや分かりにくい。

これをより分かりやすくするため,
第一手順,第二手順にそれぞれが適

用される試験の箇条番号を明記し,

これら以外の充電手順が適用され
る試験の箇条番号を 8.1 に明記し

た。

充電手順の定めをより分かりや

すくするために記載した。IEC
規格の次回改正時に提案するか

継続検討する。

 8.1.1

第一手順

8.2.1 , 8.2.2 , 8.2.2A ,
8.2.2B,8.3.3,8.3.8A,
8.3.8B 及び 8.3.8D に適
用する充電手順につい
て規定。

 8.1.1

第一手順は 8.1.2 の第二

手順を適用しない試験
項目に適用する。ただし

特に規定のある試験項

目は除く。

追加

この充電条件を適用する試験の箇

条番号を追記した。

電気用品安全法の技術基準の解

釈との関係があり,かつ,利用者
の利便性を考慮した。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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C

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C 8712

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

8  要求事項
及 び 試 験
(リチウム

系)

(続き)

8.1.2  第二手順 
8.3.1,8.3.2,8.3.4,8.3.5
及び 8.3.8 に適用する充

電手順について規定。

単電池及び組電池に適
用することを規定。

上限試験温度及び/又

は下限試験温度を超え
る値を適用する場合,異

なる上限充電電圧を適

用する場合,表 4 で附属
書 A に規定する手順に

従うことを規定。

 8.1.2

上限充電電圧,上限試験

温度及び下限試験温度
による充電手順を規定。

単電池に適用すること

を規定。 
上限試験温度及び/又

は下限試験温度を超え

る値を適用する場合,異
なる上限充電電圧を適

用する場合の手順を規

定。

変更

IEC

規格には規定されていない組

電池への適用も規定。 
表 4 で異なる上限充電電圧を適用

する場合,上限試験温度及び/又は

下限試験温度を超える値を適用す
る場合の手順は,附属書 A に規定

する手順を参照することとし,8.1.2

の記載を簡略化した。

上限充電電圧,上限試験温度及び

下限試験温度の変更に関する規
定は附属書 A にまとめた。

8.2.1  連 続 定 電 圧 充 電
(単電池) 
上限充電電圧及び上限

試験温度で充電を 28 日

間行う。

8.2.1

上限充電電圧で充電を
7 日間行う。

変更

連続充電日数を 7 日間から 28 日間

に変更。IEC 規格の改正前の充電日
数と同じ。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

 8.2.2

高温下での組電池

容器の変形(組電池)

 8.2.2

追加

特殊な構造の組電池の除外を追記
した。

電気用品安全法の技術基準の解
釈に対応した。

 8.2.2A

振動

運搬中における振動に

対する安全性を規定。

− 8.3.8 の輸送試験で類似

の試験を行うことから

試験を省略している。

追加

振動試験の規定は残した。また,特

殊な構造の組電池の除外を追記し

た。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

8.2.2B  温度サイクル 
高温及び低温の環境に

繰り返し置かれる際の

安全性を規定。

− 8.3.8 の輸送試験で類似

の試験を行うことから

試験を省略している。

追加

温度サイクル試験の規定は残した。 電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

 
 

41

C

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42

C 8712

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

8  要求事項
及 び 試 験
(リチウム

系)

(続き)

8.3.1  外部短絡(単電池) 
単電池の外部短絡に対
する安全性を規定。

 8.3.1

第二手順で充電した単

電池を周囲温度で試験
する。

変更

第二手順で充電した単電池を 55±
5  ℃で試験することとした。 
試験後の放置を,

“24 時間を経過す

るか,又は単電池表面の温度が最高

温度から最大温度上昇幅(最高温度
と周囲温度との差)の 80 %低下す

るか,そのいずれか短い間放置す

る。

”こととした。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

 8.3.2

外部短絡(組電池)

組電池の外部短絡に対

する安全性を規定。

 8.3.2

第二手順で充電した組
電池を 55±5  ℃で試験

する。

試験後,24 時間を経過
するか,又は組電池表面

の温度が最大温度上昇

幅の 20 %低下するか,
そのいずれか短い間放

置する。

変更

第二手順で充電した組電池を 20±
5  ℃で試験することとした。 
試験後の放置を,

“24 時間を経過す

るか,又は組電池表面の温度が最高
温度から最大温度上昇幅(最高温度

と周囲温度との差)の 80 %低下す

るか,そのいずれか短い間放置す
る。

”こととした。

電気用品安全法の技術基準の解
釈に対応した。

IEC

規格の 8.1.2 では,組電池の

充電手順が記載されていないた
め,IEC 規格の次回改正時に提

案するか継続検討する。

8.3.3  自然落下 
単電池及び組電池の落
下時の安全性を規定。

8.3.3

JIS

と同じだが,質量が

7 kg を超える組電池の
除外規定はない。

追加

削除

質量が 7 kg を超える組電池の除外

規定を追加。ただし,国内法で規定
していない落下後 1 時間の放置は

削除した。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

変更

落下試験の高さを 1 000±10 mm に

変更した。

許容差を明確にするために記載

した。IEC 規格の次回改正時に
提案するか継続検討する。

8.3.5  圧壊(単電池) 
単電池が激しく破壊さ

れたときの安全性を規
定。

 8.3.5

上限試験温度で充電し

た電池を直ちに試験す

る。 
角 形 単 電 池 を 縦 軸 の
90°回転させて同様の
試験を別の単電池で行
う規定はない。

変更

上限試験温度で充電した電池を上

限試験温度で,下限試験温度で充電

した電池を下限試験温度でそれぞ
れ試験する。

角形単電池を縦軸の 90°回転させ

て同様の試験を別の単電池で行う
規定を追加。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

42

C

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2


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015


43

C 8712

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

8  要求事項
及 び 試 験
(リチウム

系)

(続き)

8.3.6  過充電(組電池)

8.3.6

追加

特殊な構造の組電池の除外を追記

した。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

 8.3.6A

過充電(単電池)

単電池の長時間充電時

の安全性を規定。

前回の改正で削除され
ている。

追加

単電池の過充電試験を規定。保護素
子の装着について追記した。

電気用品安全法の技術基準の解
釈に対応した。

 8.3.7

強制放電(単電池)

単電池の極性を逆にし
て充電した際の安全性

を規定。

 8.3.7

追加

保護素子の装着について追記した。 電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

8.3.8

輸送のための安全性試

験として国連勧告,IEC 

62281

が 別 に 規 定 さ れ

ていることを説明。

削除

輸送の安全性試験として国連勧告

の試験手順,IEC 62281 が別に規定
されていることを説明しているだ

けであり,規定項目の記載ではない

ので削除した。

8.3.8  強制内部短絡(単
電池)

単電池を強制的に内部

短絡させても安全であ
ることを規定。

8.3.9 
a)

単電池製造業者は要求
事項に適合する記録を

保管しなければならな

い。新しい設計評価は単
電池製造業者又は第三

者の試験期間によって

試験が実施された後,単
電池製造業者によって

行われなければならな

い。

削除

要求事項として不要と判断でき
るので削除する。

8.3.9 
b)

強 制 内 部 短 絡 試 験 は
10  ℃及び 45  ℃の環境
で次の手順に従い行う。

削除

表 5 に温度条件が記載されてい
るので削除する。

43

C

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2


2

015


44

C 8712

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

8  要求事項
及 び 試 験
(リチウム

系)

(続き)

8.3.9 
b) 1)

試験数量

削除

8.3.9 b) 1)を削除し,表 2 の注

a)

“初

期電圧から 50 mV 以上の降下が生
じたセルが 5 個に達するか,又は試

験試料が 10 個に達するまで試験を

行う。

”と記載した。

1)“試験数量”で“試験数量 n
5”と記載され,箇条 6“試験”
の表 2“試験項目及び試験数量

(リチウム系)”に試験数量“5

∼10”と示され,その注

a)

に“5

個短絡した時点で試験を終了す

る”と異なる数量が記載されてい

るため。

8.3.9 
b) 2)

充電手順

削除

8.3.9 b) 2)を削除し,8.3.8 b) 1)に
“8.1.2 の第二手順に従って充電し

た単電池を用いる。

”を追記した。

表 5 の温度条件が統一され,

8.1.2

の第二手順と条件が等しくなっ

たため。

8.3.9 
b) 3)

ニッケル小片による電

極体の圧縮

追加

“この試験は,ニッケル小片を正極

活物質と負極活物質との間に挿入
する。ただし,活物質層との対向部

分に露出した正極アルミニウムは

く部が存在する場合は,当該部分で
の試験も実施する。

”を追記した。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

8.3.9 
b) 3)

試験準備

追加

密閉式のアルミニウムラミネート

パックから電極体を取り出し,電極

体を加圧装置に設置するまでを 10
分以内から 2 分以内に変更した。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

表 5−単電池試験の周

囲温度

削除

測定許容差(±2)を削除した。

測定許容差の記載は電気用品安

全法の技術基準の解釈になく,ま

た,箇条 4 に記載されている標準
測定許容差と等しいため。

8.3.8A

− 8.3.8 の輸送試験で類似

の試験を行うことから

試験を省略している。

追加

衝撃(衝突危険)の規定は残した。 電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

8.3.8B

圧(単電池)

− 8.3.8 の輸送試験で類似

の試験を行うことから

試験を省略している。

追加

低圧の規定は残した。

電気用品安全法の技術基準の解
釈に対応した。

44

C

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2


2

015


45

C 8712

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

8.3.8C

率充電(単
電池)

追加

高率充電の規定を記載した。保護素

子の装着について追記した。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

8.3.8D

器に装着し

た組電池の
落下(組電

池)

適用範囲外であるとし

て,Annex B に推奨とし

て記載されている。

追加

機器に装着した組電池の落下試験

を規定。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

8.3.8E

充 電 保 護
(組電池)

追加

過充電保護(組電池)を規定。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

10  表示 10.1

単電池の表示 10.1

変更

ニッケル系とリチウム系を並列に

表記した。

参照規格を区別するため。

追加

“単電池製造業者と組電池製造業

者との合意,及び取扱説明書,仕様
書などに記載がある場合は,単電池

に表示を省略してもよい。”を追記

した。

単電池及び組電池の表示内容の

省略に関する記載内容は IEC 
格にはないため,IEC 規格の次

回改正時に提案する予定である。

10.2  組電池の表示 10.2

JIS

とほぼ同じ。

追加

“さらに,リチウム系の組電池は,
組電池表面の見やすい箇所に容易

に消えない方法で表示しなければ

ならない。ただし,組電池の表面に
表示することができない場合は,包

装容器の表面の見やすい箇所に表

示しなければならない。包装容器に
表示する場合は,電池を包装する最

小単位の包装容器に表示する。

”を

追記した。

45

C

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2


2

015


46

C 8712

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

11

削除

包装の説明としては国連勧告など

で別に規定されていることを説明
しており,規定項目の記載ではない

ので削除した。

IEC

規格の次回改正時に提案す

るか継続検討する。

附属書 A

(規定)

A.3.2.3 異なる上限充電
電圧を適用する場合の
安全要求事項

A.3.2.3

変更

作動領域変更時の試験実施温度が

異なる。

電気用品安全法の技術基準の解

釈が引用する JIS C 8714 に対応
した。

A.4.2.2 異なる標準温度
範囲を適用する場合の

安全性留意点

A.4.2.2

追加

“ただし,新規の上限試験温度より
高い試験温度又は新規の下限試験

温度より低い試験温度で,8.3.1,
8.3.4,8.3.5 及び 8.3.8 に規定する単
電池の試験結果がある場合には,こ

の箇条の同じ上限充電電圧を用い

た,新規の上限試験温度又は新規の
下限試験温度での 8.3.1,8.3.4,8.3.5

及び 8.3.8 に規定する単電池の試験

を省略することができる。”を追記
した。

電気用品安全法の技術基準の解
釈が引用する JIS C 8714 に対応

した。

A.4.3.1  高温度域の一般
事項

 A.4.3.1

変更

高温度域の変更条件に最大充電電

流を追記した。

電気用品安全法の技術基準の解

釈が引用する JIS C 8714 に対応

した。

A.4.6  モデル採用の決定

追加

モデル採用の決定の考え方を追加。 電気用品安全法の技術基準の解

釈が引用する JIS C 8714 に対応

した。

附属書 B

(参考)

 Annex

B

s)

削除

機器に装着した組電池の落下(組電

池)を本文に規定したため,附属書
B から削除した。

電気用品安全法の技術基準の解

釈に対応した。

附属書 C

(参考)

Annex 
C

v)

削除

我が国では,資源有効利用促進法に

対応しているため,“適切に廃棄す

る”を削除した。

46

C

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2


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C 8712

:2015

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 62133:2012,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD  国際規格を修正している。

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