日本工業規格
JIS
C
8701
-1975
可搬鉛蓄電池
Lead Acid Batteries for General Service
1.
適用範囲 この規格は,電気通信,実験,医療などの電源に使う可搬のペースト式鉛蓄電池(以下,
蓄電池という。
)について規定する。
備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであ
る。
引用規格:
JIS C 2202
鉛蓄電池用ガラスマット
JIS C 2313
鉛蓄電池用隔離板
JIS C 2380
電気絶縁用コンパウンド
JIS K 1305
精製希硫酸
2.
種類 蓄電池の種類は,形式,電圧,容量及び寸法により表のとおりとする。
表
外形寸法 mm(最大)
形式
電圧
V
10
時間率容量
A
・h{KC}
*
総高さ
箱高さ
幅
長さ
質量
電解液を
除く
(約)kg
電解液量
(約)l
12
{ 43.2}
24
{ 86.4}
36
{ 129.6}
133
69
1.6
2.1
2.7
1.1
1.0
0.9
48
{ 172.8}
60
{ 216.0}
72
{ 259.2}
134 104
3.5
4.1
4.7
1.5
1.4
1.3
84
{ 302.4}
96
{ 345.6}
PS 1-2
PS 2-2
PS 3-2
PS 4-2
PS 5-2
PS 6-2
PS 7-2
PS 8-2
PS 9-2
2
108
{ 388.8}
226 187
135 156
5.8
6.4
7.1
2.2
2.1
2.0
12
{ 43.2}
24
{ 86.4}
151
4.1
5.9
1.8
1.6
36
{ 129.6}
202
8.1
2.5
48
{ 172.8}
254
10.2
3.2
60
{ 216.0}
72
{ 259.2}
134
305
12.3
13.8
3.8
3.6
84
{ 302.4}
96
{ 345.6}
PS 1-6
PS 2-6
PS 3-6
PS 4-6
PS 5-6
PS 6-6
PS 7-6
PS 8-6
PS 9-6
6
108
{ 388.8}
226 187
135 474
17.3
19.1
21.1
6.5
6.2
5.9
2
C 8701-1975
注
*
国際単位系 (SI) への換算は,1A・h=3.6KC とする。
備考1. 形式に用いた数字及び文字は,それぞれ次の意味を表す。
最初の文字 P
2
番目の文字 S
3
番目の数字
末尾の数字
:ペースト式
:合成樹脂電そう
:単電池当たりの陽極板の数
:電圧
2. 10
時間率容量は,5.により試験して得た値とする。
3.
質量及び電解液量は,参考のための値を示したものである。
3.
性能 容量は,5.に規定した試験で試験回数 5 回以内に 10 時間率容量の数値の 95%以上でなければな
らない。この性能についての試験は,受渡当事者間の協定により行う。
4.
構造 構造は,次の各項に適合しなければならない。
(1)
構造一般 蓄電池は,陽極板,陰極板,隔離板,ガラスマット,電そう,電そうふたなどからなり,
電そうとふたとの間を封口用コンパウンドなどで密封したもので,陽極端子と陰極端子各 1 個を備え
たものとし,6V 蓄電池では接続かんにより単電池間を接続したものとする。6V 蓄電池の形状の一例
を
付図に示す。
(2)
極板 極板は,鉛合金の格子に作用物質を充てんしたペースト式とし,規定の性能を発揮するものと
する。
(3)
隔離板 隔離板は,JIS C 2313(鉛蓄電池用隔離板)に規定されたもの又はこれと同等以上の性能を
もつものとする。
(4)
ガラスマット ガラスマットは,JIS C 2202(鉛蓄電池用ガラスマット)に規定されたものとする。
(5)
電そう 電そうは,液面を透視できる耐酸性合成樹脂製とする。
(6)
封口用コンパウンド 封口用コンパウンドは,JIS C 2380(電気絶縁用コンパウンド)に規定された
もの又は用途に適合した他の耐酸性コンパウンドとする。
(7)
電解液 電解液は,JIS K 1305(精製希硫酸)に規定されたものとする。
電解液の比重は,蓄電池が完全充電状態にあるとき,20℃において 1.240±0.010 を基準とする。
(8)
端子 端子は鉛合金製で,接続用のボルト及びナットを取り付けたものとする。
5.
容量試験 蓄電池の容量試験は,次の条件の下で放電終止電圧まで連続放電を行う。
(1)
放電前の電解液比重 20℃に換算して 1.240±0.005 とする。温度換算は,次の式による。
D
20
=D
t
+0.0007 (t−20)
ここに
D
20
: 20℃における電解液の比重
D
t
: t℃における電解液の比重
t
: 比重を測定したときの電解液の温度 (℃)
(2)
放電開始の時期 充電完了後,約 1 時間静置した後とする。
(3)
放電電流 10 時間率電流(10 時間率で示した容量の数値を 10 で除して得たアンペア数の一定電流)
(4)
放電終止電圧 単電池当たり平均 1.80V とする。
(5)
放電中の電解液温度 25±2℃を標準温度とする。
(6)
容量の温度換算 標準温度以外の温度で放電を行うときは,次の式により換算した容量を標準温度に
おける容量とする。ただし,この換算式は,10〜40℃の温度範囲の場合において適用する。
3
C 8701-1975
(
)
25
008
.
0
1
C
C
25
−
+
=
t
t
ここに
C
25
: 標準温度に換算した容量〔A・h {KC}〕
C
t
: t℃における容量〔A・h {KC}〕
t
: 放電中の最後の 3 時間における電解液の平均温度 (℃)
6.
表示 蓄電池には,次の事項を適当なところに表示しなければならない。
(1)
電圧,容量 N 及び PS 記号
例: 6V 24A・h PS {6V 86.4KC PS}
(2)
製造業者名又はその略号
備考 呼び方は,名称,形式による。
例:可搬鉛蓄電池 PS 2-6
付図
4
C 8701-1975
電気部会 すえ置蓄電池専門委員会 構成表(昭和 44 年 5 月 1 日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
笛 木 和 雄
東京大学工学部
滝 原 幹 夫
日本国有鉄道鉄道技術研究所
久 留 義 雄
通商産業省重工業局
中 川 隆
工業技術院標準部
田 代 龍 雄
日本蓄電池製造株式会社埼玉工場
長 崎 芳 久
神戸電機株式会社守口工場
笹 川 隆 資
古河電池株式会社
寿栄松 憲 昭
日本電池株式会社技術部
布 田 栄太郎
湯浅電池株式会社技術部
染 谷 七 郎
松下電器産業株式会社蓄電池事業部
沢 村 平三郎
蓄電池協会
内 山 友 和
日本電信電話公社技術局
高 岡 祥 夫
東京電力株式会社工務部
岩 城 鉄 夫
日本放送協会技術本部
倉 岡 澄
中部電力株式会社工務部
伊 藤 充 江
日本国有鉄道技術局
(事務局)
江 原 一 雄
工業技術院標準部電気規格課
花 里 健 一
工業技術院標準部電気規格課
(事務局)
村 田 照 夫
工業技術院標準部電気規格課(昭和 50 年 11 月 1 日改正のとき)
高 橋 和 敬
工業技術院標準部電気規格課(昭和 50 年 11 月 1 日改正のとき)