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C 8513

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  安全性に関する要求事項  

4

4.1

  設計  

4

4.2

  品質計画書  

4

5

  サンプリング  

4

5.1

  一般  

4

5.2

  試験試料数  

4

6

  試験及び要求事項  

5

6.1

  一般  

5

6.2

  試験評価基準  

6

6.3

  試験及び要求事項−概要  

7

6.4

  正常使用試験  

8

6.5

  誤使用試験  

10

6.6

  他の規格で引用する場合に規定するのがよい情報  

16

6.7

  評価及び報告  

16

7

  安全性に関する情報  

16

7.1

  機器の設計における安全性に関する注意事項  

16

7.2

  電池取扱いの安全性に関する注意事項  

17

7.3

  包装  

19

7.4

  電池包装箱の取扱い  

19

7.5

  輸送  

19

7.6

  陳列及び貯蔵  

20

7.7

  廃棄  

20

8

  使用上の注意事項  

21

9

  表示 

21

9.1

  通常の電池  

21

9.2

  小形電池  

21

9.3

  安全図記号  

21

附属書 A(参考)高出力リチウム一次電池の安全性に関する設計指針  

22

附属書 B(参考)リチウム一次電池を使用する機器設計者への指針  

23

附属書 C(参考)陳列及び貯蔵についての補足事項  

25

附属書 D(参考)安全図記号  

26


C 8513

:2015  目次

(2)

ページ

参考文献  

28

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

29


C 8513

:2015

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人電池

工業会(BAJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 8513:2010 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 C

8513

:2015

リチウム一次電池の安全性

Safety of primary lithium batteries

序文 

この規格は,

2014

年に第 4 版として発行された IEC 60086-4 を基とし,

我が国の実情を反映させるため,

対応国際規格に規定されていない事項の追記など,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,リチウム一次電池の正常使用時及び誤使用時における安全性を確保するために,必要な要

求事項及び試験方法について規定する。

注記 1  リチウム一次電池とは,JIS C 8500 の表 に示す電池系記号 B,C,E,F,G,W 及び Y の

7

種類の電池系をいう。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60086-4:2014

,Primary batteries−Part 4: Safety of lithium batteries(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格はその最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 8500

  一次電池通則

注記  対応国際規格:IEC 60086-1,Primary batteries−Part 1: General(MOD)

JIS C 8515

  一次電池個別製品仕様

注記  対応国際規格:IEC 60086-2,Primary batteries−Part 2: Physical and electrical specifications

(MOD)

IEC 62281

,Safety of primary and secondary lithium cells and batteries during transport

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

電池(battery)

1

個又は電気的に接続した複数個の素電池で構成され,外装,端子,表示,保護素子などを備えたもの


2

C 8513

:2015

の総称。

IEV482-01-04:2004,修正)

3.2 

コイン(素電池又は電池)[coin (cell or battery)]

総高が直径未満のコイン形状の円筒形の素電池又は電池。

注記  英語圏では,コイン(素電池又は電池)は,リチウム電池に対して用いられ,ボタン(素電池

又は電池)は,リチウム電池以外に用いられる。英語圏以外では,電池系によってこのような

区別をしないことが多い。我が国では,英語圏と同様の区別をし,コイン(素電池又は電池)

は,リチウム電池に対して用いる。

IEV482-02-40:2004,修正)

3.3 

素電池(cell)

化学エネルギーの直接変換によって得る電気エネルギー源をいい,電極,電解液,容器,端子及びセパ

レータから構成する基本単位。

IEV482-01-01:2004)

3.4 

構成素電池(component cell)

電池を構成する素電池。

3.5 

円筒形(素電池又は電池)[cylindrical (cell or battery)]

総高が直径以上の円筒形の素電池又は電池。

IEV482-02-39:2004,修正)

3.6 

放電深度(depth of discharge,DOD)

製造業者が指定する条件に従って素電池又は電池から放電した放電容量の公称容量に対する割合。

3.7 

完全放電(fully discharged)

素電池又は電池を,放電深度 100 %になるまで放電した状態。

3.8 

危害(harm)

人体が受ける物理的傷害,健康障害又は財産若しくは環境が受ける害。

3.9 

危険源(hazard)

危害の潜在的根源。

注記  危険源の用語は,予期される危害の発生源又は性質を定義するために用いることが,一般的に

認められている(例えば,感電,押しつぶし,切断,毒性,火災,浸水などの危険源)

3.10 

正常使用(intended use)

供給者が提供する情報に従った電池の使用。


3

C 8513

:2015

3.11 

大形電池(large battery)

総質量が 12 kg を超える電池。

3.12 

大形素電池(large cell)

総質量が 500 g を超える素電池。

3.13 

リチウム素電池(lithium cell)

負極作用物質がリチウムである非水溶液系電解液を用いた素電池。

IEV482-01-06:2004)

3.14 

公称電圧(nominal voltage)

電池系の固有な電圧に基づいて規定する電池電圧。

IEV482-03-31:2004)

3.15 

開路電圧,OCV(open-circuit voltage,off-load voltage)

外部回路へ電流が全く流れていないときの電池端子間の電圧。

IEV482-03-32:2004,修正)

3.16 

非円形(素電池又は電池)[prismatic (cell or battery)]

JIS C 8515

に規定する電池区分 6 に適合する,断面が円形ではない素電池又は電池。

3.17 

保護素子(protective devices)

ヒューズ,ダイオード又はほかの電気的若しくは電子的に電流制御を行う素子で,電気回路において電

流の中断,電流の一方向化又は電流を制限することで電流の流れを阻止するもの。

3.18 

公称容量(nominal capacity)

製造業者が指定する条件に従って測定した素電池又は電池の容量で,製造業者が公表した値。

IEV482-03-15:2004,修正)

3.19 

誤使用(reasonably foreseeable misuse)

供給者が意図しない方法であり,供給者が容易に予測し得る,使用者の誤った電池の使用方法。

3.20 

リスク(risk)

危害が発生する確率と危害の大きさとの組合せ。

3.21 

安全(safety)

受入不可能なリスクがないこと。

3.22 

未放電(undischarged)


4

C 8513

:2015

素電池又は電池の放電されていない状態。

安全性に関する要求事項 

4.1 

設計 

リチウム一次電池は,化学組成(正極,負極及び電解液)及び内部構造(ボビン形及びスパイラル形)

によって分類する。また,形状には,円筒形,コイン形及び非円形がある。リチウム一次電池の安全性へ

の要求事項は,内部構造,形状,容量などによって異なるため,電池の設計段階においてそれら全ての安

全面を十分に考慮する必要がある。

リチウム一次電池の安全性に関する設計上の共通指針を,次に示す。

a)

製造業者が決めた限界温度を超える異常な温度上昇を阻止する。

b)

電流の流れを遮断することによって,電池内部の温度上昇を制御する。

c)

電池内部の圧力が極度に上昇した場合に,電池内部のガスを外部に放出する弁などの導入によって,

輸送時,正常使用又は誤使用において,激しい破裂を防止する。

詳細は,

附属書 を参照。

4.2 

品質計画書 

製造業者は,材料及び部品,素電池,並びに完成電池の検査手順を規定した品質計画書を作成する。そ

の品質計画書は,該当する電池の製造工程全てを網羅しなければならない。

サンプリング 

5.1 

一般 

試料は,一般的な統計的手法によって,製造ロットから抜き取る。

5.2 

試験試料数 

試験試料数は,

表 による。試験 A∼試験 E では,同じ素電池又は電池を繰り返し使用する。試験 F∼

試験 M では,それぞれの試験ごとに新しい素電池又は電池を使用する。

表 1−試験試料数 

単位  個

試験項目

放電状態

素電池又は 1 個の素電池から

なる電池

a)

複数個の素電池からなる電池

試験 A∼試験 E

未放電 10

4

完全放電 10

4

試験 F 又は

試験 G

未放電 5

5

(構成素電池)

完全放電 5

5

(構成素電池)

試験 H

完全放電 10

10

(構成素電池)

試験 I∼試験 K

未放電 5

5

試験 L

未放電 20

b)

試験 M 50

%

放電済み 20

c)

75 %

放電済み 20

d)

略号の説明

−:規定しない。 

a)

電池を構成する素電池が全ての試験に合格している場合,その結果を電池の試験結果として代用することが

できる。ただし,試験結果に影響を与えるような加工が行われた場合は電池として試験の実施が必要。

b)

  4

個の電池を直列に接続し,その中の 1 個を逆向きに接続する(5 組)

c)

  4

個の電池を直列に接続し,その中の 1 個を 50 %放電済みの電池とする(5 組)

d)

  4

個の電池を直列に接続し,その中の 1 個を 75 %放電済みの電池とする(5 組)


5

C 8513

:2015

試験及び要求事項 

6.1 

一般 

6.1.1 

試験の適用 

素電池及び電池に適用する試験は,

表 による。

表 2−試験の適用 

種類

試験項目

正常使用試験

誤使用試験

A B C D E

F

G

H

I J K L M

s

a)

a)

b)

c)

m

a) d)

a) d)

d)

注記 
正常使用試験の場合

A

:高度シミュレーション

B

:温度サイクル

C

:振動

D

:衝撃

誤使用試験の場合

E

:外部ショート

F

:衝突

G

:圧壊

H

:強制放電

I

:異常充電

J

:自由落下

K

:高温使用

L

:逆装塡

M

:過放電

略号の説明

種類

s

:素電池又は 1 個の素電池からなる電池

m

:複数個の素電池からなる電池

試験の適用

○  :適用

−  :非適用

a)

この試験は,F 又は G のどちらかの試験を適用する。

b)

この試験は,CR17345(CR123A)

,CR15H270(CR2)及び類似の電池に適用する。類似の電池とは,CR17345

(CR123A)及び CR15H270(CR2)と同様に,電極がスパイラル構造であって,一般の消費者が購入し機器

へ逆装塡されるおそれがある電池とする。

c)

この試験は,CR17345(CR123A)

,CR15H270(CR2)及び類似の電池に適用する。類似の電池とは,CR17345

(CR123A)及び CR15H270(CR2)と同様に,電極がスパイラル構造であって,一般の消費者が購入し新旧

混用によって過放電されるおそれがある電池とする。

d)

この試験は,構成素電池に適用する。


6

C 8513

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6.1.2 

試験実施者への安全警告 

この規格で規定する試験を実施するときは,身体に危害を与えるおそれがあるため,適切な予防措置を

講じなければならない。この規格の試験は,適切な要件を満たし,経験をもつ専門家が,適切な保護装置

を装備した上で実施しなければならない。

6.1.3 

試験温度 

特に指定がない限り,試験温度は 20±5  ℃とする。

6.1.4 

パラメータの測定許容差 

規定又は実際のパラメータについて,制御(管理)又は測定する値の総合的な精度の許容差は,次によ

る。

なお,この許容差には,使用する計測器及び測定技術の精度,並びに実際の試験でのその他全ての誤差

要因を含む。

a)

電圧 :±1 %

b)

電流 :±1 %

c)

温度 :±2  ℃

d)

時間 :±0.1 %

e)

寸法 :±1 %

f)

容量 :±1 %

6.1.5 

予備放電 

予備放電の必要な試験では,公称容量が得られる負荷抵抗又は製造業者が指定する負荷電流によって,

素電池又は電池を,規定の放電深度まで放電する。

6.1.6 

試験用補助電池 

試験用補助電池には,試験電池と同じ種類の素電池又は電池を使用する。可能な場合,試験用補助電池

には,試験電池と同じ製造ロットの素電池又は電池を使用する。

6.2 

試験評価基準 

6.2.1 

ショート 

素電池又は電池を試験したときに,試験後の開路電圧が試験直前の電圧の 90 %以下に低下した場合,シ

ョートが発生したとみなす。この要求は,完全放電した素電池又は電池の試験には適用しない。

6.2.2 

過度の温度上昇 

素電池又は電池の外装ケースの温度が 170  ℃を超えた場合,過度の温度上昇が発生したとみなす。

6.2.3 

漏液 

試験中に,素電池又は電池から電解液,ガス又はその他の物質が目視で確認できるほど漏出した場合,

漏液とみなす。また,電池ケース,附属品又はラベル以外の物質が素電池又は電池から失われ,質量の減

少が

表 に示す質量減少率の最大値を超えた場合,漏液とみなす。

質量の減少率

Δm/の算出は,次の式による。

 

m

m

m

m

m

100

 /

1

×

=

Δ

%

ここに,

m

試験前の電池質量(g)

m

1

試験後の電池質量(g)

Δm: 電池質量の減少分(g)


7

C 8513

:2015

表 3

質量減少率の最大値 

電池質量 

g

質量減少率

Δm/の最大値 

%

m

< 1

0.5

1

≦ m≦75 0.2

m

>75 0.1

6.2.4 

弁作動 

安全性確保の一つの機能として素電池又は電池から過剰なガスを放出することがあり,ガスが放出され

た場合,弁が作動したとみなす。このガスは,危険となるような物質を含んでいるおそれがある。

6.2.5 

発火 

素電池又は電池から炎が発する状態を,発火とする。

6.2.6 

破断 

素電池容器又は電池ケースの一部に(その原形を保つ程度に)破れを生じ,ガス,電解液及び固形物質

が漏出する状態を,破断とする。

6.2.7 

破裂 

素電池容器又は電池ケースが裂け,数片に割れ,電池を構成する固形物が電池の中心から 250 mm 以上

離れた距離まで猛烈な勢いで放出する現象を,破裂とする。

注記

放出された距離が 250 mm 未満の場合は,破断とみなす。

図 1

針金製のかご 

(この規格では不要であり,不採用とした。

6.3 

試験及び要求事項−概要 

正常使用(試験 A∼試験 D)及び誤使用(試験 E∼試験 M)における安全性試験を規定する。

試験項目及び要求事項は,

表 4

による。


8

C 8513

:2015

表 4

試験項目及び要求事項 

試験項目

要求事項

正常使用試験 A

高度シミュレーション NC,NL,NV,NF,NR,NE

B

温度サイクル NC,NL,NV,NF,NR,NE

C

振動 NC,NL,NV,NF,NR,NE

D

衝撃 NC,NL,NV,NF,NR,NE

誤使用試験 E

外部ショート NT,NF,NR,NE

F

衝突 NT,NF,NE

G

圧壊 NT,NF,NE

H

強制放電 NF,NE

I

異常充電 NF,NE

J

自由落下 NV,NF,NE

K

高温使用 NF,NE

L

逆装塡 NF,NE

M

過放電 NF,NE

−  試験 A∼試験 E では,同じ素電池又は電池を続けて使用する。試験 F∼試験 M では,それぞれの

試験ごとに新しい素電池又は電池を使用する。

−  試験 F 又は試験 G は,いずれか一つの試験だけを適用する。

−  記号

NC

:ショートなし

NT

:過度の温度上昇なし

NL

:漏液なし

NV

:弁作動なし

NF

:発火なし

NR

:破断なし

NE

:破裂なし

詳細な試験評価基準は,6.2 を参照。

6.4 

正常使用試験 

6.4.1 

試験 A:高度シミュレーション 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,航空輸送時の低圧雰囲気を想定している。

b) 

試験方法

  この試験で使用する素電池又は電池を温度 20±5  ℃,気圧 11.6 kPa 以下の雰囲気に 6 h 以

上貯蔵する。

c) 

要求事項

  試験中にショート,漏液,弁作動,発火,破断及び破裂があってはならない。

6.4.2 

試験 B:温度サイクル 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,素電池又は電池の密封性及び内部の電気的接続性を評価する。

b) 

試験方法

  この試験で使用する素電池又は電池は,

試験 A

(高度シミュレーション)を行ったものを

用い,次の方法で試験する(

図 2

参照)

1)

素電池又は電池を試験装置に入れて,試験雰囲気温度を 72  ℃に 6 h 以上(t

2

)保つ。大形素電池及

び大形電池の場合,t

2

は 12 h 以上とする。

2)

試験雰囲気温度を,72  ℃から−40  ℃まで 30 min 以内(t

1

)に下げて,その温度に 6 h 以上(t

2

)保

つ。大形素電池及び大形電池の場合,t

2

は 12 h 以上とする。

3)

試験雰囲気温度を 30 min 以内(t

1

)に 72  ℃に上げる。


9

C 8513

:2015

4)

この一連のサイクル[

1)

3)

]を更に 9 回繰り返す(合計 10 回)

5)

さらに,試験した素電池又は電池は,20±5  ℃に 24 h 以上放置する。

t

1

≦30 min

t

2

≧6 h(大形素電池及び大形電池は 12 h)

注記  この図は,10 サイクルのうちの 1 サイクルを示す。

図 2

温度サイクル 

c) 

要求事項

  試験中にショート,漏液,弁作動,発火,破断及び破裂があってはならない。

6.4.3 

試験 C:振動 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,輸送中の振動を想定している。この試験条件は,国際民間航空機関:

ICAO

が規

定する振動試験に基づいている。

注記

この試験の関連事項については,

JIS C 60068-2-6

を参照。

b) 

試験方法

  この試験で使用する素電池又は電池は,

試験 A

(高度シミュレーション)及び

試験 B

(温

度サイクル)を行ったものを用い,次の方法で試験する(

表 5

参照)

1)

素電池又は電池を,変形させることなく,振動が確実に伝わるように,振動装置のプラットフォー

ム(振動台)に固定する。

2)

印加する振動は,

表 5

に示す正弦波形の対数掃引とし,1 サイクル 15 min で,周波数を 7 Hz(f

1

から 200 Hz(f

4

)に増加させ,その後 7 Hz(f

1

)まで戻す。

3)

このサイクルを素電池又は電池の互いに垂直な 3 方向それぞれについて,12 回繰り返す(試験時間

は各方向 3 h の合計 9 h)

4)

振動の方向の一つは,端子面に対し垂直でなければならない。ただし,素電池又は電池の端子面が

不明確な場合は,平面に対して垂直であればよい。


10

C 8513

:2015

表 5

正弦波振動試験 

周波数範囲

加速度又は振幅

掃引時間/1 サイクル

(7 Hz−200 Hz−7 Hz)

方向

サイクル数

(回)

f

1

=7 Hz

f

2

a

1

=1 g

n

 15

min  X

12

f

2

f

3

s

=0.8 mm

Y

12

f

3

f

4

=200 Hz

a

2

 Z

12

f

1

=7 Hz へ戻る

計 36

f

1

:下限周波数

f

4

:上限周波数

f

2

f

3

:クロスオーバー振動数[f

2

≒17.62 Hz,f

3

≒49.84 Hz(大形素電池又は大形電池以外)

f

3

≒24.92 Hz(大形素電

池又は大形電池)

a

1

a

2

:加速度/[a

2

=8 g

n

(大形素電池又は大形電池以外)

a

2

=2 g

n

(大形素電池又は大形電池)

s

:振幅

注記 1  加速度を一定(a

1

=1 g

n

)にして,周波数を f

1

(7 Hz)から f

2

(約 18 Hz)に増加させる。次に,振幅 s[片

振幅 0.8 mm(全振幅 1.6 mm)

]を一定にして,加速度が a

2

に達するまで,周波数を f

2

から f

3

に増加させる。

さらに,加速度を一定(a

2

)にして,周波数を f

3

から f

4

(200 Hz)に増加させる。その後,f

1

(7 Hz)まで

周波数を戻すことによって 1 サイクルが終了する。

注記 2  g

n

=9.806 65 m/s

2

c) 

要求事項

  試験中にショート,漏液,弁作動,発火,破断及び破裂があってはならない。

6.4.4 

試験 D:衝撃 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,輸送時の乱暴な取扱いを想定している。

注記

この試験の関連事項については,

JIS C 60068-2-27

を参照。

b) 

試験方法

  この試験で使用する素電池又は電池は,

試験 A

(高度シミュレーション)

試験 B

(温度サ

イクル)及び

試験 C

(振動)を行ったものを用い,次の方法で試験する。

1)

素電池又は電池が動かないように固定できるジグに電池を固定し,そのジグを試験装置に装着する。

2)

素電池又は電池には,

表 6

に従い,素電池又は電池の互いに垂直な 3 方向について,それぞれ正方

向及び負方向に 3 回ずつ,合計 18 回の衝撃を与える。

なお,それらの衝撃を与える方向のうちの 1 方向は,電池の端子面に対して垂直でなければなら

ない。ただし,電池の端子面が不明確な場合は,平面に対して垂直であればよい。

表 6

衝撃パルス 

波形

ピーク加速度

g

n

パルス幅

ms

回数/正又は

負の片側方向

大形を除く素電池又は電池

正弦半波 150

6

3

大形素電池又は大形電池

正弦半波 50

11

3

c) 

要求事項

  試験中にショート,漏液,弁作動,発火,破断及び破裂があってはならない。

6.5 

誤使用試験 

6.5.1 

試験 E:外部ショート 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,外部ショートを想定している。

b) 

試験方法

  この試験で使用する素電池又は電池は,

試験 A

(高度シミュレーション)

試験 B

(温度サ


11

C 8513

:2015

イクル)

試験 C

(振動)及び

試験 D

(衝撃)を行ったものを用い,次の方法で試験する。

1)

素電池又は電池の外装ケースの温度を,55  ℃に保持する。

2)

素電池又は電池を,55  ℃で回路抵抗の合計が 0.1

Ω未満の回路に接続し外部ショート状態にする。

3)

素電池又は電池の外装ケースの温度が 55  ℃に戻ってから,更にこの外部ショート状態を 1 h 以上保

持する。

4)

試験終了後,6 h 試験電池を観察する。

c) 

要求事項

  試験中及びこの試験後 6 h 以内に,過度の温度上昇,発火,破断及び破裂があってはなら

ない。

6.5.2 

試験 F:衝突 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,内部ショートを想定している。

b) 

試験方法

  この試験で使用する素電池又は電池は,他の試験を行っていないものを用い,次の方法で

試験する。この試験は,直径 20 mm を超える円筒形素電池又は電池に適用する。

1)

試験する素電池又は電池を平板に置き,直径 15.8±0.1 mm で,316 系又は同等のステンレス鋼の丸

棒を試験電池との中央部に交差させて置く(

図 3

参照)

丸棒の寸法条件は,次のとおりとする。

−  電池が 60 mm 未満のときの丸棒は 60 mm 以上

−  電池が 60 mm 以上のときの丸棒は電池長さ以上

2)

質量が 9.1±0.1 kg のおもりを,610±25 mm の高さから電池と丸棒との交点に落下させる。おもり

が,ほぼ摩擦なしで垂直に落下するような管などを使用する。電池は,水平に置かれた平板と電池

の中心軸が平行になるように置き,丸棒は電池の中心軸と垂直に交差するよう電池の中央部に置く。

3)

衝突は,1 回限りとする。

4)

試験終了後,6 h 試験電池を観察する。


12

C 8513

:2015

図 3

衝突試験の例 

c) 

要求事項

  試験中及びこの試験後 6 h 以内に,過度の温度上昇,発火及び破裂があってはならない。

6.5.3 

試験 G:圧壊 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,内部ショートを想定している。

b) 

試験方法

  この試験で使用する素電池又は電池は,他の試験を行っていないものを用い,次の方法で

試験する。この試験は,非円形電池,コイン電池及び直径 20 mm 以下の円筒形電池に適用する。

1)

試験を実施する素電池又は電池を,2 枚の平板の間に置く。

2)

平板が試験電池の表面に接触する時点で約 15 mm/s の速度になるように加圧する。圧壊は,次のい

ずれかに達するまで続ける。

−  加圧力が 13±0.78 kN に達する。

圧壊力 13 kN は,直径が 32 mm のピストンをもつ圧力ラムを使用し,17 MPa の圧力まで

かけた場合に得られる。

−  試験電池の電圧降下が 100 mV 以上になる。

−  試験電池が最初の厚さの 50 %以下につぶされる。

上記の 3 項目のうち,1 項目でも該当したら,圧力を解放しなければならない。

非円形電池は,最も広い面に圧力を加える。コイン電池は,平らな面に圧力を加える。円筒形電

池は,中心軸に垂直に圧力を加える(

図 4

参照)


13

C 8513

:2015

3)

圧壊は,1 回限りとする。

4)

試験終了後,6 h 試験電池を観察する。

注記  2 枚の平板の間に試験する素電池又は電池を置いて,ピストンから圧力を加える様子を示す。

図 4

圧壊試験での装置及び電池の配置例 

c) 

要求事項

  試験中及びこの試験後 6 h 以内に,過度の温度上昇,発火及び破裂があってはならない。

6.5.4 

試験 H:強制放電 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,素電池又は電池の強制放電状態に対する耐久力を評価する。

b) 

試験方法

  この試験は,完全放電した素電池又は電池を用い,次の方法で試験する。

1)

素電池又は電池を 12 V の直流電源に直列に接続し,製造業者が指定する最大連続放電電流に等しい

初期放電電流によって,20±5  ℃で強制放電する。その初期放電電流になるように,適切な大きさ

及び定格の負荷抵抗を試験電池と直流電源とに直列に接続する。

2)

強制放電の時間は,公称容量を初期放電電流で除した時間とする。

c) 

要求事項

  試験中及びこの試験後 7 日間の観察中に,発火及び破裂があってはならない。

6.5.5 

試験 I:異常充電 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,電池を機器に装

し,外部電源から充電電圧がかかった場合を想定している。例

えば,

7.1.1

に規定するメモリバックアップ機器の保護回路において,ダイオードが損傷した場合。

注記

この試験条件は,

UL 1642

に基づいている。

b) 

試験方法

  試験電池を直流電源装置に極性が逆になるように接続し,製造業者が指定する最大許容充

電電流 I

c

の 3 倍の充電電流を流す。電源装置が設定電流を供給できない場合には,その充電電流は,

適切な大きさ及び定格の負荷抵抗を直列に接続することによって得られる。この試験は,未放電の素

電池及び電池を使用する。

a)

  非円形 

b)

  コイン形 

c)

  円筒形 

平板

試験電池

ピストン

平板


14

C 8513

:2015

試験時間は,次の式で算出する。

×

×

=

c

n

3

5

.

2

d

I

C

t

ここに,

t

d

試験時間(

h

(時間を短縮するために,

7

日を超えないよ

うに試験条件を調整できる。

C

n

公称容量(

Ah

I

c

製造業者が指定する最大許容充電電流(

A

注記

試験時間が

7

日を超えても技術的な問題はないが,試験時間が長くなりすぎることを回避す

る必要がある場合は,試験条件の調整を行ってもよい。

c) 

要求事項

  試験中に発火及び破裂があってはならない。

6.5.6 

試験 J:自由落下 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,電池が不慮に落下した場合を想定する。

注記

この試験の関連事項については,

JIS C 60068-2-31

に基づいている。

b) 

試験方法

  この試験で使用する素電池又は電池は,未放電のものを用い,次の方法で試験する。

1)

試験電池を,

1 m

の高さからコンクリート面に落下させる。非円形電池の場合は,

6

面を各

1

回ずつ

(合計

6

回)落下させる。円筒形電池の場合は,

図 5

に示す

3

軸(

X

Y

Z

)方向に向けて,それ

ぞれ

2

回ずつ(合計

6

回)落下させる。

2)

落下した電池は,

1 h

放置する。

図 5

円筒形電池の自由落下時の XY 

c) 

要求事項

  試験中及び

1 h

の観察中に,弁作動,発火及び破裂があってはならない。

6.5.7 

試験 K:高温使用 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,電池を極端な高温にさらした場合を想定している。

b) 

試験方法

  試験電池を恒温槽に入れ,

恒温槽の温度を

130

℃になるまで

5

/min

の割合で上昇させ,

この温度で

10 min

保存する。この試験は,未放電の素電池及び電池を使用する。

c) 

要求事項

  試験中に発火及び破裂があってはならない。

6.5.8 

試験 L:逆装塡 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,

1

個の電池を逆装

した場合を想定している。

b) 

試験方法

図 6

に示すように,試験電池と同一銘柄,かつ,同一形式の未放電の試験用補助電池

3


15

C 8513

:2015

を直列に接続し,これに試験電池を逆接続する。回路抵抗は,

0.1

Ω

以下とする。試験は,

24 h

又は試

験電池の表面温度が

20

±

5

℃に戻るまで閉回路にする。

B

1

:試験電池

B

2

,B

3

,B

4

:未放電の試験用補助電池

図 6

逆装塡(電池 個の直列接続) 

c) 

要求事項

  試験中に発火及び破裂があってはならない。

6.5.9 

試験 M:過放電 

試験は,次による。

a) 

目的

  この試験は,通常

1 A

以上の電流が流れるモータ駆動の機器において,放電した電池

1

個を,

未放電の電池に直列に接続し,強制的に過放電する場合を想定している。

注記 CR17345

CR123A

)及び

CR15H270

CR2

)は,

1 A

以上の電流が流れる機器に広く使用さ

れる。

JIS

で規定していない電池の場合は,機器の特性に応じた電流値を規定する必要があ

る。

b) 

試験方法

  この試験で使用する素電池又は電池は,放電深度

50 %

及び放電深度

75 %

のものを用い,

次の方法で試験する。放電深度

50 %

及び

75 %

の試験電池は,

6.1.5

に従って準備する。

1)

図 7

に示すように,試験電池と同一形式の未放電の試験用補助電池

3

個を直列に接続し,これに,

放電深度

50 %

の試験電池及び負荷抵抗

R

1

を接続する。その抵抗値は,

表 7

に規定する値から選択

する。

2)

試験は,

24 h

又は試験電池の表面温度が

20

±

5

℃に戻るまで閉回路にする。

3)

続けて,放電深度

75 %

の試験電池を

1)

及び

2)

と同様の手順で試験する。

表 7

負荷抵抗(過放電試験) 

単位

Ω

電池形式

負荷抵抗 R

1

CR17345

(CR123A)

8.20

CR15H270

(CR2)

8.20

電極がスパイラル構造の電池で,新たに JIS で規定する電池に対しては,それ

に適した負荷抵抗値を規定する。

なお,既に JIS で規定している CR17345(CR123A)及び CR15H270(CR2)に

対する負荷抵抗 R

1

は,次によって求めた。

図 の回路で,各電池の終止電圧を 2.0 V(JIS C 8515 参照),回路に流れる電流
を 1 A に想定した場合,次の式によって を算出した。

R

=4×2.0 V / 1 A

R

1

は,

JIS C 8500

の 6.4 に示す負荷抵抗の中で に一番近い数値とした。

+

+

+

B

1

B

2

B

3

B

4

+


16

C 8513

:2015

B

1

:試験電池(放電深度 50 %又は放電深度 75 %)

B

2

,B

3

,B

4

:未放電の試験用補助電池

R

1

:負荷抵抗

図 7

過放電(電池 個の直列接続) 

c) 

要求事項

  試験中に発火及び破裂があってはならない。

6.6 

他の規格で引用する場合に規定するのがよい情報 

この規格を引用する場合,適用できる限り,次に示す事項を示さなければならない。

a)

6.1.5

の製造業者が指定する予備放電電流又は負荷抵抗及び終止電圧。

b)  6.5.2

及び

6.5.3

において,試験方法を選択する根拠となる形状,非円形,コイン形,円筒形(直径

20 mm

を超えるもの又は

20 mm

以下のもの)の明確化。

c)

6.5.4

において,製造業者が指定する最大連続放電電流。

注記 1

電池の強制放電は,複数個の電池が直列に接続され,ダイオードのバイパス接続による保

護がない場合に起こる。

d)  6.5.4

において,製造業者が指定する公称容量。

e)

6.5.5

において,製造業者が指定する最大許容充電電流。

注記 2

電池の異常充電は,複数個の電池を直列に接続し,一つの電池を逆装

した場合,又は電

池を電源と並列に接続し,保護素子が正常に機能しない場合に起こり得る。

f)

製造業者が許容する全使用期間の総充電量。

注記 3

電源と並列に接続された場合,

7.1.1

のようにダイオードを用いても,漏れ電流によって電

池が充電される可能性がある。

6.7 

評価及び報告 

(この規格では不要と判断し,不採用とした。

安全性に関する情報 

7.1 

機器の設計における安全性に関する注意事項 

附属書 B

を参照。

7.1.1 

充電に対する保護回路 

リチウム一次電池を主電源と並列に回路に組み込む場合は,主電源による電池の充電を避けるために,

電流阻止ダイオード及び電流制限抵抗器,又はその他の保護素子を使用する。例を次に示す。

a)

電流阻止ダイオード及び電流制限抵抗器を使用する[

図 8 a)

参照]

b)

二つの電流阻止ダイオードを直列に接続して使用する[

図 8 b)

参照]

c)

二つ以上の独立した保護素子を使い,

a) 

又は

b) 

と同等の機能をもつ回路を使用する。

+

+

+

B

1

B

2

B

3

B

4

R

1

 

+


17

C 8513

:2015

ダイオードは,漏れ電流の小さいものを選定し,漏れ電流による電池の充電量が製造業者の指定する許

容充電量を超えないよう設計する。保護抵抗器は,ダイオードが故障したときに電池に流れる逆向きの電

流が,製造業者の指定する最大許容充電電流を超えないよう設計する。保護回路は,一つの保護素子が故

障しても他の保護素子が電池の充電を防ぐよう,複数の保護素子を用いて設計しなければならない。

a)

  電流阻止ダイオードと電流制限抵抗器とを 

直列に使用する場合 

b)

  電流阻止ダイオードを直列に使用する場合 

 D

:電流阻止ダイオード

 R

:電流制限抵抗器,又はその他の保護素子

 RAM

:主記憶装置 

図 8

充電に対する保護回路 

7.1.2 

並列接続 

電池室は,電池の並列接続を避けるように設計することが望ましい。並列接続が必要な場合には,電池

製造業者に助言を求めなければならない。

7.2 

電池取扱いの安全性に関する注意事項 

リチウム一次電池は,正しく使用した場合には安全で信頼できる電源となる。ただし,誤使用又は異常

使用すると,漏液,弁作動又は極端な場合には,破裂又は発火のおそれがある。電池取扱いの安全性に関

する注意事項は,次による。また,電池室に関する機器設計上の注意事項は,

附属書 B

を参照。

なお,これら安全に関する事項のうち,必要に応じて,個別規格の表示で注意事項などとして規定する。

a) 

電池は,乳幼児の手の届くところに置かない

  乳幼児が飲み込む可能性がある電池,特に

図 9

に示す

飲み込み判定ゲージに入る電池は,

乳幼児の手の届くところに置かない。

電池を飲み込んだ場合には,

直ちに医師に連絡し,指示を受ける。コイン形リチウム一次電池を飲み込むと,化学やけど,粘膜組

織の貫通など,最悪の場合は死に至ることがある。電池を飲み込んだ場合は直ちに取り出さなければ

ならない。

D

D

R

D

D

D

RAM

+

RAM

+


18

C 8513

:2015

単位  mm

図 9

飲み込み判定ゲージ 

b) 

大人が監視していないところで,子供に電池の交換をさせない

c) 

電池の(+),(−)の逆装塡をしない

  電池及び機器に示す極性(+)及び/又は(−)の表示に従

い,常に正しい方向に電池を装

する。電池を機器の中に誤った方向で装

すると,外部ショート又

は充電され,急激な電池温度の上昇によって,弁作動,漏液,破断,破裂,発火などが生じ,身体的

傷害を引き起こすことがある。

注記

身体的障害の例には,電解液による失明又はけが,電池破損によるけがなどがある。

d) 

電池を外部ショートさせない

  電池の(+)と(−)とが電気的に接触すると,その電池は外部ショ

ートする。例えば,包装していない電池と,かぎ又は硬貨がポケットの中に一緒に入っている場合,

外部ショートする可能性がある。外部ショートすると,弁作動,漏液,破裂,発火などが生じ,身体

的傷害を引き起こすことがある。

e) 

電池を充電しない

  充電式ではない電池(一次電池)を充電すると,電池の内部でガスが発生し,発

熱の原因となり,弁作動,漏液,破裂,発火などが生じ,身体的傷害を引き起こすことがある。

f) 

電池を強制放電しない

  外部電源によって電池を強制放電すると,電池電圧が極端に低くなることが

ある。また,電池内部のガス発生によって弁作動,漏液,破裂,発火などが生じ,身体的傷害を引き

起こすことがある。

g) 

新旧電池又は異なる種類・銘柄の電池を混用しない

  電池を交換する場合には,全ての電池を同じ銘

柄の同じ種類の新しい電池を使い同時に交換する。異なる銘柄又は異なる種類の電池を一緒に機器に

した場合,又は新しい電池,使いかけの電池,使用済み電池などを一緒に装

した場合,電圧,

容量などの違いによって,幾つかの電池が過放電することになり,弁作動,漏液,破裂,発火などが

生じ,身体的傷害を引き起こすことがある。

h) 

使い切った電池は直ちに機器から取り外して適切に処分する

  使い切った電池を長い間機器の中に

放置すると,漏液が生じ,機器損傷又は身体的傷害を引き起こすことがある。

i) 

電池を加熱しない

  電池を加熱すると,弁作動,漏液,破裂などが生じ,発火又は身体的傷害を引き

起こすことがある。

j) 

電池に直接,溶接又ははんだ付けをしない

  電池に直接,溶接又ははんだ付けをすると,熱によって


19

C 8513

:2015

内部ショートを引き起こし,弁作動,漏液,破裂などが生じ,発火又は身体的傷害を引き起こすこと

がある。

k) 

電池を分解しない

  電池を分解又は破砕すると,構成材料との接触によって,発火又は身体的傷害を

引き起こすことがある。

l) 

電池を変形させない

  電池の押しつぶし,穴あけ,切断などをすると,弁作動,漏液,破裂などが生

じ,発火又は身体的傷害を引き起こすことがある。

m) 

電池を火中に投棄しない

  電池を火中に投棄すると,加熱によって破裂及び/又は発火し,身体的傷

害などを引き起こすことがある。

特別に準備した焼却炉での焼却を除き,

電池を焼却してはならない。

n) 

外装ケースの破損しているリチウム一次電池を水に浸さない

  リチウム金属が水と接触すると水素

ガスが発生し,発火,破裂などが生じ,身体的傷害を引き起こすことがある。

o) 

電池を密閉容器へ封入するなど追加加工しない

  電池を密閉容器へ封入するなど追加加工すると,弁

作動が妨害され,電池の破裂が生じ,身体的傷害を引き起こすことがある。電池を機器に組み込む業

者が,電池に何らかの処理を加える場合又は追加加工する必要がある場合には,事前に製造業者に相

談する。

p) 

未使用の電池は元の包装のまま貯蔵し,包装から取り出した電池は金属に近づけない,また,開封済

み電池を乱雑に混ぜない

  包装から取り出した電池を乱雑に混ぜる又は金属物と混ぜると,電池が外

部ショートして弁作動,漏液,破裂,発火などが生じ,身体的傷害を引き起こすことがある。これら

を防止するため,未使用の電池は,元の包装のまま貯蔵する。

q) 

非常用を除き,長期間使用しない機器から電池を取り外す

  機器が満足に動かなくなった場合又は機

器を長期間使用しない場合には,直ちに電池を機器から取り外した方がよい(

  ビデオカメラ,カ

メラフラッシュなど)

7.3 

包装 

包装は,電池の輸送,荷扱い及び積重ねのときに,電池に機械的な損傷を与えない適切なものでなけれ

ばならない。包装材料及び包装仕様は,意図しない電気的接触,外部ショート,ずれ及び端子腐食を防止

し,雨などの荒天からの保護も考慮しなければならない。

7.4 

電池包装箱の取扱い 

電池包装箱は丁寧に取り扱う。電池包装箱を乱暴に取り扱うと,電池が外部ショートしたり,損傷を受

ける。これによって漏液,破裂,発火などを引き起こすことがある。

7.5 

輸送 

7.5.1 

一般 

リチウム一次電池の輸送についての試験方法及びその要求事項は,

IEC 62281

による。リチウム一次電

池の国際的な輸送に関する規則は,

“危険物輸送についての国連勧告”を基にしている。輸送に関する規則

は変更されることがあるので,リチウム一次電池の輸送については,

7.5.2

7.5.4

に示す規則の最新版を参

照する。

7.5.2 

航空輸送 

リチウム一次電池の航空輸送に関する規則は,国際民間航空機関[

ICAO

International Civil Aviation

Organization

]の危険物の安全な空輸についての技術指示書及び国際航空運送協会:

IATA

International Air

Transport Association

)の危険物に関する規則[

DGR

Dangerous Goods Regulations

]による。

7.5.3 

海上輸送 

リチウム一次電池の海上輸送に関する規則は,国際海事機関[

IMO

International Maritime Organization


20

C 8513

:2015

の国際海上危険物規程[

IMDG

コード

International Maritime Dangerous Goods Code

]による。

7.5.4 

陸上輸送 

リチウム一次電池の道路及び鉄道輸送に関する規則は,国ごと又は多国間で定めている。危険物輸送に

ついての国連勧告を採用する国が増えているが,その国独自の規則も存在するので,出荷前にその国独自

の輸送規則も調査するのが望ましい。

7.6 

陳列及び貯蔵 

陳列及び貯蔵上の注意事項は,次による。

a) 

電池は換気のよい,乾燥した涼しい場所に貯蔵する

  電池を高温又は高湿の場所に貯蔵すると,電池

性能の劣化又は表面腐食を引き起こすことがある。

b) 

電池包装箱を規定の高さ以上に積み上げない

  電池包装箱を規定の高さ以上に高く積み上げると,下

段の包装箱の中にある電池が変形して漏液することがある。

c) 

電池を貯蔵又は陳列するときには,直射日光及び雨水を避ける

  電池が水にぬれると,さびが発生す

ることがある。また,熱は劣化の原因になる。

d) 

オリジナルのこん包状態で電池を貯蔵及び陳列する

  包装していない電池を乱雑に混ぜると,外部シ

ョートを起こしたり,損傷を受けたりするおそれがある。

e) 

その他の参考事項

附属書 C

を参照。

7.7 

廃棄 

リチウム一次電池は,一般ごみとして処理してもよいことになっているが,自治体の条例などの定めが

ある場合は,条例に従って廃棄しなければならない。廃棄物の輸送,貯蔵及び取扱いに関する安全性上の

注意事項は,次による。

a) 

電池を分解しない

  リチウム一次電池の材料の一部は,可燃性があり有害なものもある。これは,身

体的傷害,発火,破断,破裂などを引き起こすことがある。

b) 

特別に準備された焼却炉を除いては,電池を火中に投棄しない

  金属リチウムは激しく燃えるため,

リチウム一次電池は火中で破裂するおそれがある。リチウム一次電池の燃焼物は,毒性及び腐食性を

もつ場合がある。

c) 

収集した電池は,直射日光及び過度の熱の影響を受けない,清潔で乾燥した場所に貯蔵する

汚れた

湿気の多い場所は,外部ショート及び発熱を引き起こす場合があり,発熱は可燃性ガスの漏出を引き

起こすことがある。これによって,発火,破断,破裂などを引き起こすことがある。

d) 

収集した電池は,換気のよい場所に貯蔵する

  使用済み電池の中には,放電容量が残っているものも

あり,外部ショート,充電,強制放電などによって可燃性ガスが発生することがある。収集容器又は

貯蔵場所の換気が適切に行われていないと,可燃性ガスが充満し,発火源があると,発火,破断,破

裂などを引き起こすことがある。

e) 

収集した電池を,ほかの物質と一緒にしない

  使用済み電池の中には,放電容量が残っているものも

あり,外部ショート,充電,強制放電などによって発熱し,油布,紙,木材などの可燃性廃棄物の発

火のおそれがある。

f) 

電池端子の絶縁

  使用済みの電池を廃棄するときには,特に電圧の高い電池は端子の絶縁を配慮しな

ければならない。絶縁していない端子は,外部ショート,充電及び強制放電を引き起こすことがある。

これは,漏液,発火,破断,破裂などを引き起こすことがある。


21

C 8513

:2015

使用上の注意事項 

使用上の注意事項は,次による。

a)

使用用途に最も適した正しい大きさ及び種類の電池を選択しなければならない。適切な電池を選択す

るための情報が機器に添付されているので,これを参考のために保管しておくのがよい。

b)

一組になっている電池の全てを同時に交換する。

c)

電池を装

する前に,電池端子及び機器端子を清掃する。

d)

電池の(+)及び(−)の極性を,正しく装

していることを確認する。

e)

使い切った電池は,機器から速やかに取り外す。

表示 

9.1 

通常の電池 

通常の電池の表示は,

JIS C 8500

による。ただし,小形電池は除く。

9.2 

小形電池 

JIS C 8515

に規定する電池区分

3

,電池区分

4

及び飲み込み判定ゲージ(

図 9

参照)に当てはまる小形

電池への表示は,

JIS C 8500

による。

9.3 

安全図記号 

電池取扱いの安全性に関する注意事項の表示で,文章の代わりに使用できる安全図記号を,

附属書 D

記載する。


22

C 8513

:2015

附属書 A

(参考)

高出力リチウム一次電池の安全性に関する設計指針

高出力リチウム一次電池の開発段階における安全性に関する設計指針を,

図 A.1

に示す。

具体的な対策の例

設計

電池温度の異常な上昇を阻止する。

電池は設計限界を超える電流が流れると,
異常な温度上昇が起こる。これを電池設計

によって阻止しなければならない。有効な

方法の一つは,復帰可能な PTC 素子を組み
込むことである。この素子は,電池の設計

限界以上の電流が流れた場合,直ちに作動

する。

温度が上昇した場合には,電池内部を変化

させ電流を流れなくする。

電池の温度が,その設計限界を超える場合,

電流を確実に制限できるように設計するこ
とが望ましい。有効な方法の一つは,高温

において電流を遮断する特性をもつセパレ

ータシステムを組み込むことである。

温度が更に上昇して,内部圧力が異常に上
昇した場合には,電池の部品の中の一部分

を開放することによって,電池の破裂を防

止する。

電池は一般に,漏液を避けるために完全密
閉構造となっている。

したがって,電池設計ではその設計限界に

相当する温度範囲において,過剰な内部圧
力を放出する必要がある。

試作

実際の電池が設計品質どおりに製造できる
ことを確認する。

電池を安全に使用するために必要な条件を
確立する。

大量生産

設計品質に合致する電池を大量生産する。

機器製造業者に対して,これらの必要な条

件を遵守するように要望する。

製造工程において不良品を除去する。

これらの情報を一般消費者に表示などで周
知する。

検査

生産された電池が設計品質に合致すること

を確認する。

検査によって不良品を除去する。

図 A.1

設計指針 


23

C 8513

:2015

附属書 B

(参考)

リチウム一次電池を使用する機器設計者への指針

リチウム一次電池を使用する機器設計者への指針を,

表 B.1

に示す。

表 B.1

リチウム一次電池を使用する機器設計者への指針 

大項目

具体項目

推奨

設計が不適切であった場合に

起こる危険性

1

主 電 源 と

し て 使 用 す

る場合

1.1

適切な電

池の選択

機器の電気的特性を考慮して最も適切
な電池を選択する。

電池が発熱することがある。

1.2

使用する

電 池 数 及 び

使用方法

a)

複数の素電池からなる電池[2CR5,

CR-P2

,2CR13252(2CR-1/3N)など]

の場合,1 個だけ使用する。

直列使用で電池の容量差がある場合,容

量の小さい電池を過放電して漏液,発

熱,破断,破裂又は発火するおそれがあ
る。

b)

円筒形電池[CR17345(CR123A)な

ど]の場合,使用個数は,3 個以下
とする。

c)

コ イ ン 電 池 [ CR2016 , CR2025 ,

CR11108

(CR-1/3N)など]の場合,

使用個数は,3 個以下とする。

d)

複数個使用する場合,異品種の電池

を混用しない。

e)

電池を並列に接続して使用する場合
には,充電保護装置を組み込む。

並列使用で電池の容量差がある場合,容
量の小さい電池を充電して漏液,発熱,

破断,破裂又は発火するおそれがある。

1.3

回路設計

a)

電池回路をほかの電源回路から分離

する。

電池回路を分離しないと,ほかの電源回

路からの電流で電池が充電され,漏液,

発熱,破断,破裂又は発火するおそれが
ある。

b)

回路中にヒューズなどの保護素子を

組み込む。

電池が外部ショートすると,漏液,発熱,

破断,破裂又は発火するおそれがある。

2

補 助 電 源

と し て 使 用

する場合

2.1

回路設計

主電源によって,強制放電又は充電をさ

れない独立回路にする。

電池を転極するまで過放電したり,充電

すると,漏液,発熱,破断,破裂又は発

火するおそれがある。

2.2

回路設計

( メ モ リ バ

ッ ク ア ッ プ

用)

電池を主電源回路に接続し,充電が起こ
るおそれのある場合,電池への充電防止

のため,ダイオード 1 個及び保護抵抗器

を設ける。 
ダイオードの漏れ電流の累積値は,電池

の全使用期間で電池の公称容量の 2 %以

下にする。

電池を充電すると,漏液,発熱,破断,
破裂又は発火するおそれがある。

3

電池ホルダ及び電池室

a)

電池室は,電池を逆装塡した場合,

電気接続しない構造にする。電池室
には,電池の正しい装塡方向を明確

に消えないように表示する。

電池の逆装塡に対しての保護をしてい

ない場合,電池の漏液,発熱,破断,破
裂,発火などによって機器が損傷するこ

とがある。

b)

電池室は,ほかのサイズの電池が装
塡できない又は接続できない構造に
する。

機器が損傷したり作動しなくなったり

することがある。


24

C 8513

:2015

表 B.1

リチウム一次電池を使用する機器設計者への指針(続き) 

大項目

具体項目

推奨

設計が不適切であった場合に

起こる危険性

3

電池ホルダ及び電池室

(続き)

c)

電池室は,発生したガスが抜ける構
造にする。

ガス発生によって電池の内圧が上昇し
すぎると,電池室が破損することがあ

る。

d)

電池室は,水が入らない構造にする。

e)

電池室は,密閉性が高いときには防
爆機能を付ける。

f)

電池室は,機器の熱源から離れた場

所に設ける。

加熱によって電池が変形し,漏液するこ

とがある。

g)

電池室は,子供が簡単に電池を取り

出せない構造にする。

子供が電池を機器から取り出して,飲み

込むおそれがある。

4

接点及び端子

a)

電気的接触が十分な材質及び形状に

する。

接触不良のために端子部が発熱するこ

とがある。

b)

附属回路は,電池の逆装塡ができな

いように設計する。

機器が故障したり作動しなくなったり

することがある。

c)

電池の逆装塡ができない形状にす
る。

機器の故障又は電池が漏液,発熱,破断,
破裂若しくは発火することがある。

d)

電池に直接はんだ付け又は溶接をし
ない。

電池が漏液,発熱,破断,破裂又は発火
するおそれがある。

5

注 意 事 項

の記載

5.1

機器本体

電池室へ電池装塡方向(極性)を明示す

る。

電池を逆装塡し,充電すると,漏液,発

熱,破断,破裂又は発火するおそれがあ

る。

5.2

取扱説明

電池取扱いに関する注意事項を記載す

る。

不適切な取扱いは,電池の事故の原因と

なる。


25

C 8513

:2015

附属書 C 
(参考)

陳列及び貯蔵についての補足事項

電池の製造業者,販売業者,使用者及び機器設計者への提言として,

7.6

に関連するリチウム一次電池の

陳列及び貯蔵の補足事項を,次に記載する。

a)

電池の貯蔵場所は清潔で,涼しく,乾燥しており,換気され,また,水,雪などの流入を防ぐことが

望ましい。

b)

通常,電池の貯蔵温度は,

10

℃∼

25

℃が適切であり,

30

℃以下が望ましい。極端な湿度条件(相対

湿度が

95 %

以上,又は

40 %

以下)に長期間放置すると,電池又は包装に悪影響を与えるので避ける

のがよい。また,電池を,ラジエータ及びボイラの近辺又は直射日光の当たる場所に貯蔵しないほう

がよい。

c)

電池の貯蔵寿命は,室温貯蔵でも十分優れているが,特別な注意を払って,低温で貯蔵すると更によ

くなる。電池を特別な保護包装(例えば,密封したプラスチック袋など)に入れて低温で貯蔵した場

合,通常の周囲温度に戻すときに,電池表面に結露が起こらないように注意する。急速に暖めること

は好ましくない。

d)

冷所に貯蔵した電池は,室温に戻してから使用したほうがよい。

e)

電池製造業者が適切と判断した場合には,電池を機器,包装などに入れた状態で貯蔵してもよい。

f)

電池の包装箱の積み重ね高さは,包装材の強度によって異なるが,一般的には,段ボール箱の場合に

1.5 m

,木箱の場合には

3 m

以内とするのがよい。

g)

a)

f)

の補足事項は,長時間輸送時の貯蔵にも当てはまる。電池は,船のエンジンから離れた場所に

貯蔵しなければならない。また,夏季に,換気が十分でないコンテナの中に長時間貯蔵しないほうが

よい。

h)

電池を製造後,速やかに流通を経て消費者に出荷しなければならない。長期在庫とならないように,

先入れ先出しを励行し,貯蔵場所及び陳列方法の適切な配慮が望まれる。また,包装には,製造時期

などを適切に表示するのがよい。


26

C 8513

:2015

附属書 D 
(参考)

安全図記号

電池取扱いの安全性に関する注意事項を,図記号で表す場合の推奨例について記載する。

D.1 

一般 

表 D.1

の注意事項の欄には,各図記号が意図する内容を記載している。近年は,製品の安全な使用方法

を伝えるための補足又は代替手段として,図記号が使われることが多くなってきている。

この附属書の目的は,次による。

a)

統一した図記号を定め,意味を明確に規定し,長期に渡って使い続けることができるようにする。

b)

安全に関する図記号の種類が際限なく増えることを防止する。

c)

図記号の推奨例を定めた背景として,製品の安全及び注意を伝える文章の代わりに,安全図記号を使

うことが多くなってきている。

D.2 

図記号 

推奨する図記号及びそれぞれが意図する注意事項を

表 D.1

に記載する。

表 D.1

安全図記号 

参考番号

図記号

注意事項

A

電池を充電しない

B

電池を変形させない

C

電池を火中に投棄しない

D

電池の(+)

(−)の逆装塡をしない


27

C 8513

:2015

表 D.1

安全図記号(続き) 

参考番号

図記号

注意事項

E

電池は乳幼児の手の届くところに置かない

F

異なる種類,銘柄の電池を混用しない

G

新旧の電池を混用しない

H

電池を分解しない

I

電池を外部ショートさせない

J

正しい方向に電池を装塡する

注記  安全図記号を色付き又は黒の紙に印刷する場合は,背景色と安全図記号とのコントラストを確保するのがよい。

D.3 

使用方法 

安全図記号を使う場合は,次に留意する。

a)

図記号は,明瞭で見やすくなければならない。

b)

カラーは使用してもよいが,表示が見えにくくなってはならない。カラーにする場合,図記号

J

の背

景色は青とし,他の図記号では,円及び斜線を赤にするのがよい。

c)

図記号は,電池の種類など必要に応じて使えばよく,全てを使う必要はない。特に,図記号

D

J

は,同じ目的のものなので,いずれかを使えばよい。


28

C 8513

:2015

参考文献

JIS C 8514:2014

  水溶液系一次電池の安全性

注記

対応国際規格:

IEC 60086-5:2011

Primary batteries

Part 5: Safety of batteries with aqueous

electrolyte

MOD

JIS C 60068-2-6

  環境試験方法−電気・電子−第

2-6

部:正弦波振動試験方法(試験記号:

Fc

注記

対応国際規格:

IEC 60068-2-6:1995

Environmental testing

Part 2: Tests

Test Fc: Vibration

(sinusoidal)

IDT

JIS C 60068-2-27

  環境試験方法−電気・電子−第

2-27

部:衝撃試験方法(試験記号:

Ea

注記

対応国際規格:

IEC 60068-2-27:1987

Environmental testing. Part 2: Tests. Test Ea and guidance:

Shock

IDT

JIS C 60068-2-31

  環境試験方法−電気・電子−第

2-31

部:落下試験及び転倒試験方法(試験記号:

Ec

注記

対応国際規格:

IEC 60068-2-31:2008

Environmental testing

Part 2-31: Tests

Test Ec: Rough

handling shocks, primarily for equipment-type specimens

IDT

ISO 8124-1

Safety of toys

Part 1: Safety aspects related to mechanical and physical properties

ISO/IEC GUIDE 50:2002

Safety aspects

Guidelines for child safety

ISO/IEC GUIDE 51:1999

Safety aspects

Guidelines for their inclusion in standards

IEC 60027-1:1992

Letter symbols to be used in electrical technology

Part 1: General

IEC 60050-482:2004

International Electrotechnical Vocabulary (IEV)

Chapter 482: Primary and secondary cells

and batteries

IEC 60617 (all parts) [DB]

Graphical symbols for diagrams

IEC 61960

Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes

Secondary lithium

cells and batteries for portable applications

IEC 62133

Secondary cells and batteries containing alkaline or other non-acid electrolytes

Safety requirements

for portable sealed secondary cells, and for batteries made from them, for use in portable applications

IATA

International Air Transport Association

Quebec: Dangerous Goods Regulations (revised annually)

ICAO

International Civil Aviation Organization

Montreal: Technical Instructions for the Safe Transport of

Dangerous Goods by Air (revised biennially)

IMO

International Maritime Organization, London: International Maritime Dangerous Goods (IMDG) Code

(revised biennially)

UL 1642

Underwriters Laboratories, Standard for Lithium Batteries

United Nations: Recommendations on the Transport of Dangerous Goods, Model Regulations (revised biennially)

United Nations: Recommendations on the Transport of Dangerous Goods, Manual of Tests and Criteria, Chapter

38.3

Battery Association of Japan: Guideline for the design and production of safe Lithium batteries for camera

application, 2nd edition, March 1998


29

C 8513

:2015

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 8513:2015

  リチウム一次電池の安全性

IEC 60086-4:2014

,Primary batteries−Part 4: Safety of lithium batteries

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3

用 語 及

び定義

3

JIS

とほぼ同じ

変更

JIS

の非円形(3.16)は,JIS C 

8515

に規定する電池区分 6 に

適合する,断面が円形ではな

い素電池と変更して規定し,

また,誤使用(3.19)について,

JIS

は電池に限定した。

実質的な技術的差異はない。

6

試 験 及

び 要 求 事

6.1.1

試験の適用

6.1.1  JIS

とほぼ同じ。

追加

我が国独自の形式を IEC 形式

に併記した。

我が国独自の形式については,従

来から JIS で固有に規定しており,

我が国で広く普及しているため,
これらを IEC 形式に併記した。

6.2.7

破裂  6.2.7

針金製のかご及びそのか

ごを用いた状態で判断す

る規定を記載している。

変更

IEC 60086-5

及び JIS C 8514 

の規定内容に置き換え,Figure

1

−Mesh screen を削除した。

かごを用いた状態では実施困難な

試験があるため変更した。国際規

格の見直しの際提案を検討する。

 6.3

表 4

6.3

Table

4

JIS

とほぼ同じ。

追加

JIS

は,規定内容を理解しやす

く す る た め に 説 明 を 追 加 し

た。

実質的な技術的差異はない。

 6.4.3

試験 C:振動

6.4.3

JIS

とほぼ同じ。

追加

JIS

は,内容を理解しやすくか

つ正確にするため追加した。

国際規格の見直しの際提案を検討

する。

 6.4.4

試験 D:衝撃

6.4.4

JIS

とほぼ同じ。

追加

衝撃の方向のうちの 1 方向は,
電池の端子面に対して垂直で

あることを追加した。

規定内容を正確に理解しやすくす
るため追加したもので,技術的差

異はない。国際規格の見直しの際

提案を検討する。

29

C

 851

3


2

015


30

C 8513

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

6

試 験 及

び 要 求 事

(続き)

6.5.9

試験 M:過放

 6.5.9

JIS

とほぼ同じ。

追加

我が国独自の形式を IEC 形式

に併記した。

我が国独自の形式については,従

来から JIS で固有に規定しており,
我が国で広く普及しているため,

これらを IEC 形式に併記した。

6.7

Evaluation

and

report

(評

価及び報告)

削除

JIS

では不要と判断し,削除し

た。

我が国では,JIS マーク認証,取引

先対応などにおいてこの規格だけ
に規定するのは不適切との理由か

ら不要と判断した。

7

安 全 性

に 関 す る
情報

7.2

電池取扱いの安

全 性 に 関 す る 注 意
事項

 7.2

JIS

とほぼ同じ。

追加

JIS

は,より具体的かつ分かり

やすくするため字句を追加し
た。

実質的な技術的差異はない。

9

表示

9

JIS

とほぼ同じ。

変更

JIS

は,JIS C 8500 との重複規

定による矛盾発生を避け,整

合させるために,

JIS C 8500

による”とした。

IEC

規格は,重複を避けることを

考慮していないため,JIS 独自の対

応とする。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60086-4: 2014,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

30

C

 851

3


2

015