>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

C 8480

:2016

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  使用状態  

5

4.1

  標準使用状態  

5

4.2

  特殊使用状態  

5

5

  種類 

6

5.1

  キャビネットを構成する材質区分 

6

5.2

  施設場所による区分  

6

5.3

  施設方式による区分  

6

6

  定格 

6

7

  性能 

6

7.1

  絶縁抵抗  

6

7.2

  耐電圧  

6

7.3

  動作確認  

7

7.4

  温度上昇  

7

7.5

  短時間耐電流  

7

8

  構造及び収納機器  

7

8.1

  材料  

7

8.2

  構造一般  

7

8.3

  ガタースペース  

8

8.4

  保護構造  

8

8.5

  接地  

8

8.6

  帯状導体の電流密度  

9

8.7

  絶縁電線の最小太さ  

10

8.8

  導体の定格電流  

10

8.9

  中性母線  

11

8.10

  導電接続部  

11

8.11

  充電部の間隔  

11

8.12

  配線用遮断器  

11

8.13

  漏電遮断器  

11

8.14

  その他の収納機器  

11

8.15

  絶縁抵抗測定のための構造  

12

8.16

  用途名称ホルダ  

12


C 8480

:2016  目次

(2)

ページ

8.17

  図面ホルダ  

12

9

  試験 

12

9.1

  試験場所  

12

9.2

  構造試験  

12

9.3

  絶縁抵抗試験  

12

9.4

  耐電圧試験  

12

9.5

  動作確認試験  

13

9.6

  温度試験  

13

9.7

  短時間耐電流試験  

13

9.8

  保護構造試験  

13

10

  検査  

13

10.1

  検査の種類  

13

10.2

  試験項目  

14

11

  表示  

14

附属書 A(参考)ねじの呼び径及びガタースペースの概要 

15

附属書 B(規定)雷インパルス耐電圧試験  

17

附属書 C(規定)キャビネット形分電盤の温度試験  

18

附属書 D(参考)三相 線式回路の中性線電流  

20

附属書 E(参考)サージ防護デバイス(SPD)の選定及び適用方法  

21

附属書 F(規定)400 V 級キャビネット形分電盤  

25


C 8480

:2016

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

配電制御システム工業会(JSIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日

本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。

これによって,JIS C 8480:2009 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 C

8480

:2016

キャビネット形分電盤

Box-type switchgear assemblies for low-voltage distribution purpose

序文 

この規格は,1967 年に制定され,その後 7 回の改正を経て現在に至っている。前回の改正は 2009 年に

行われたが,その後の技術の進展,設備の大形化及び電気事業法の規定に基づく,電気設備に関する技術

基準を定める省令を具体的に示した,電気設備の技術基準及びその解釈の構成変更に対応するため,今回

改正を行った。

なお,この規格は,国内の使用条件及び実績に基づいて作成した日本工業規格である。

適用範囲 

この規格は,主に電気設備技術の熟練者及び技能者が取り扱う周波数 50 Hz 又は 60 Hz,定格電圧 600 V

(対地電圧 300 V)以下,基準定格電流 630 A 以下及び定格短時間耐電流 35 kA 以下のもの,又は直流 125

V 以下及び基準定格電流 50 A 以下の電路に用いるキャビネット形分電盤(以下,分電盤という。)につい

て規定する。ただし,住宅用分電盤には適用しない。

なお,定格電圧が 300 V 以下は本体を適用し,定格電圧が 300 V を超え 600 V 以下は

附属書 による。

注記  熟練者及び技能者については,JIS C 60364-5-51 参照。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0920

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

JIS C 1302

  絶縁抵抗計

JIS C 3307

  600 V ビニル絶縁電線(IV)

JIS C 3316

  電気機器用ビニル絶縁電線

JIS C 3317

  600 V 二種ビニル絶縁電線(HIV)

JIS C 3612

  600 V 耐燃性ポリエチレン絶縁電線

JIS C 8201-2-1

  低圧開閉装置及び制御装置−第 2-1 部:回路遮断器(配線用遮断器及びその他の遮断

器)

JIS C 8201-2-2

  低圧開閉装置及び制御装置−第 2-2 部:漏電遮断器

JIS C 60664-1

  低圧系統内機器の絶縁協調−第 1 部:基本原則,要求事項及び試験

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態


2

C 8480

:2016

   

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

キャビネット形分電盤 

主過電流遮断器及び分岐過電流遮断器を基板に集合して取り付け,キャビネット内に収めた分電盤。こ

の中には,主開閉器及び分岐開閉器を併置したもの,並びに電磁接触器などの制御機器又は電力量計を設

けたものも含める。

3.2 

定格電圧 

母線に加わる供給電圧の公称値。

3.3 

定格絶縁電圧 

回路の絶縁設計で基準となる電圧とし,製造業者が機器又はその部分について指定する線間電圧の実効

値。この値は,その絶縁の長時間耐性能力を表す。

3.4 

定格電流 

連続して通電でき,安全に使用することができる電流。

3.5 

基準定格電流 

各定格電流を規定するための基準となる電流。

3.6 

母線の定格電流 

母線に連続して安全に通電することができる電流。

3.7 

母線分岐導体の定格電流 

母線分岐導体に連続して安全に通電することができる電流。

3.8 

分岐導体の定格電流 

分岐導体に連続して安全に通電することができる電流。

3.9 

定格短時間耐電流 

規定の回路条件の下で,規定する短時間,分電盤に通電しても,扉の開放,極度の変形などキャビネッ

トに異常が認められない電流。

3.10 

ボックス 

分電盤の上下左右の面及び背面を覆う部分。


3

C 8480

:2016

3.11 

前面枠 

分電盤の前面を覆うものの中で,ドア及び保護板以外の部分。

3.12 

ドア 

分電盤の前面にあって,丁番などで支持することで開閉する部分。

3.13 

キャビネット 

ボックス,及び前面枠並びに/又はドアから成り立つもの。

3.14 

保護板 

ドアを開いた状態で過電流遮断器,開閉器などの取っ手によって開閉操作などを行うとき,外部から充

電部に触れることができないよう安全のため,分電盤の前面に設けた覆い。ただし,機器取付けスペース

部に設けられた樹脂製カバーなどは,保護板に含めない。

3.15 

基板 

過電流遮断器,開閉器などの機器を取り付ける枠又は板。

3.16 

取っ手舌片 

取っ手と連動して動き,ドアが閉じた状態を保つための金具。

3.17 

ガタースペース 

分電盤内で,外部電線を接続するために要する空間。

3.18 

屋内用分電盤 

屋内の使用に適する性能をもつ分電盤。

3.19 

屋外用分電盤 

屋外の使用に適する性能をもつ分電盤。

3.20 

露出形分電盤 

ボックスの全部又は一部を造営材の面から露出して施設する構造の分電盤。

3.21 

埋込形分電盤 

ボックスの全部を造営材中に埋め込んで施設する構造の分電盤。

3.22 

主過電流遮断器 

母線に生じた過電流で,母線を保護する過電流遮断器。主過電流遮断器には,配線用遮断器,漏電遮断

器などがある。


4

C 8480

:2016

   

3.23 

主開閉器 

母線の電源側に取り付ける開閉器。

3.24 

分岐過電流遮断器 

分岐回路に生じた過電流から,その分岐回路を保護する過電流遮断器。分岐過電流遮断器には,配線用

遮断器,漏電遮断器などがある。

3.25 

分岐開閉器 

分岐回路に取り付ける開閉器。

3.26 

サージ防護デバイス(SPD 

サージ電圧を制限し,サージ電流を分流することを目的とした,1 個以上の非線形素子を内蔵している

デバイス。

3.27 

導体 

電気を通す性質をもつ物体。導体としては,電線及び銅帯がある。

3.28 

母線 

分電盤内で複数の分岐過電流遮断器

(開閉器を兼ねるものを含む。

に電気を供給するために設けた導体。

3.29 

母線分岐導体 

分岐過電流遮断器が二群以上に分かれて存在するとき,それぞれの群と母線との間を接続するための導

体。

3.30 

分岐導体 

母線又は母線分岐導体と分岐過電流遮断器などとの間を接続するための導体。

3.31 

ターミナルラグ 

電線と機械器具の端子とを完全に接続するために用いるもの。圧着端子などがある。

3.32 

中性母線 

中性点に接続し,電気を供給するために設けた導体。保護接地導体の機能を併せもつ。

3.33 

補助回路 

機器の制御,測定,信号及び調整の回路に含まれる主回路以外の全ての導電部。

3.34 

接地端子 

キャビネットと電気的に接続され,分電盤内接地線及び接地線を接続できるように意図した端子。


5

C 8480

:2016

3.35 

接地母線 

分電盤内に取り付けた接地のための母線。キャビネットと電気的に接続され,母線上に分電盤内接地線

及び接地線を接続できるようにした導体。

3.36 

分電盤内接地線 

分電盤に取り付けた機器の接地接続部位又は接地回路を接続した端子と,分電盤の接地端子又は接地母

線との間を接続する分電盤内の接続線。

3.37 

接地線 

分電盤に取り付けた接地端子又は接地母線と,地中に埋設した接地極との間を接続する接続線。

使用状態 

4.1 

標準使用状態 

4.1.1 

屋内用分電盤の標準使用状態 

屋内用分電盤の標準使用状態とは,次に該当する使用状態をいう。

a)

周囲温度の範囲は,−5∼40  ℃とする。また,24 時間を通じて測定した平均値は,35  ℃以下とする。

b)

標高は,2 000 m 以下とする。

c)

相対湿度の範囲は,45∼85 %とする。また,分電盤内部の結露は,通常発生しないものとする。

4.1.2 

屋外用分電盤の標準使用状態 

屋外用分電盤の標準使用状態とは,次に該当する使用状態をいう。

a)

周囲温度の範囲は,−25∼40  ℃とする。また,24 時間を通じて測定した平均値は,35  ℃以下とする。

b)

標高は,2 000 m 以下とする。

c)

分電盤外部の相対湿度は特に規定しない。ただし,分電盤内部に結露が発生しても内部機器に影響が

あってはならない。

4.2 

特殊使用状態 

特殊使用状態とは,次のいずれかに該当する場合とする。特殊使用状態で用いる場合,使用者は製造業

者に対して,事前に特殊使用状態を指定する必要がある。

a)

周囲温度,湿度及び/又は標高が 4.1 に規定する標準使用状態以外の場合。

b)

温度又は気圧の急変が発生する場合。

c)

過度の水蒸気,油蒸気,煙,じんあい,塩分又は腐食性物質が空気中にある場合。

d)

爆発性,可燃性又はその他有害なガスが空気中にあるか,又はそのおそれがある場合。

e)

過度な積雪又は霜にさらされる場合。

f)

強度な電界又は磁界にさらされる場合。

g)

異常な振動又は衝撃を受ける場合。

h)

車両などに積載して用いる場合。

注記  数値が規定しているもの意外は,条件指定した場合を特殊状態と判断する。


6

C 8480

:2016

   

種類 

5.1 

キャビネットを構成する材質区分 

材質区分は,金属とする。

5.2 

施設場所による区分 

施設場所による区分は,屋内用又は屋外用のいずれかによる。

5.3 

施設方式による区分 

施設方式による区分は,露出形又は埋込形のいずれかによる。

定格 

分電盤の定格は,次による。

a) 

定格電圧  定格電圧の標準値は,表 による。

表 1−定格電圧 

単位  V

相数

線式

定格電圧

交流

直流

単相

2 線式 100 又は 200

100

単相

3 線式 100/200

三相

3 線式 200

三相

4 線式 100/173

b) 

定格絶縁電圧  主回路の定格絶縁電圧は 100 V 以上,補助回路の定格絶縁電圧は 250 V 以下とする。

c) 

定格周波数  定格周波数は,50 Hz 又は 60 Hz とする。

d) 

定格電流  定格電流は,性能によって製造業者が決定する。ただし,主過電流遮断器をもつ場合は,

主過電流遮断器の定格電流の 80 %の電流とすることができる。

e) 

定格短時間耐電流及びその最大波高値  定格短時間耐電流及びその最大波高値の標準値は,表 によ

る。

表 2−定格短時間耐電流及びその最大波高値 

定格電圧

V

定格短時間耐電流

(交流分実効値)kA

最大波高値

(定格短時間耐電流の倍数)

100,173

又は 200

5 以下 1.5

  5 を超え 10 以下 1.7 
10 を超え 20 以下 2.0 
20 を超え 35 以下 2.1

性能 

7.1 

絶縁抵抗 

絶縁抵抗は,9.3 に従って試験を行い,5 MΩ 以上とする。

7.2 

耐電圧 

耐電圧は,次によって行う。

a) 

商用周波耐電圧  商用周波耐電圧は,9.4.1 に従って試験を行い,この試験電圧に耐えなければならな

い。


7

C 8480

:2016

b) 

雷インパルス耐電圧  雷インパルス耐電圧は,9.4.2 に従って試験を行い,地絡,フラッシュオーバな

どの異常があってはならない。

7.3 

動作確認 

動作は,9.5 に従って試験を行い,分電盤は製造業者が意図した動作以外の動作を行ってはならない。

7.4 

温度上昇 

温度上昇は,9.6 に従って試験を行い,各部の温度上昇値は,

表 に規定する値以下とする。この場合の

温度上昇限度は,分電盤外部の周囲温度 40  ℃を基準とする。ただし,収納機器及び

表 以外の材料の温

度上昇は,その機器及び材料の適用規格の規定値とする。

表 3−温度上昇 

場所・部材

温度上昇限度

K

最高許容温度

母線・母線分岐導体及び分岐導体 65

105

ねじ締めなどによる 
接続部

裸銅 50

90

銀めっき又はニッケルめっき

75 115

すずめっき 65

105

接触部

裸銅 35

75

銀めっき又はニッケルめっき

65 105

すずめっき 50

90

ねじなどによって外部導
体に接続する端子

裸銅 50

90

銀めっき,ニッケルめっき

又はすずめっき

65 105

キャビネットの外郭 30

70

7.5 

短時間耐電流 

短時間耐電流によるキャビネット強度検証は,9.7 に従って試験を行い,導体及び支持絶縁部品は使用に

支障のある変形などの異常があってはならない。ただし,キャビネットの変形は,構造上及び絶縁上の問

題がないものとする。

構造及び収納機器 

8.1 

材料 

材料は,次の要求事項に適合しなければならない。

a)

キャビネットは,標準使用状態で生じる機械的,電気的及び熱的影響に耐える材料でなければならな

い。

b)

ねじ類を含み金属の部分には,塗装,めっき又はその他同等の方法によって,有効なさび止め処理が

施されていなければならない。ただし,ステンレス鋼及びアルミニウムは有効なさび止め処置が施さ

れているとみなす。

c)

保護板は,金属製とする。

d)

母線及び接続導体の絶縁支持物は,無機絶縁物又は難撚性有機絶縁物を用いて,短絡時に起こり得る

衝撃などに十分耐えるものとする。

e)

パッキン,絶縁材料などは,吸湿性が低く,絶縁性能が劣化しにくいものとする。

8.2 

構造一般 

分電盤は構造が堅牢で,各部は容易に緩まないように堅固に組み立てられ,かつ,次の要求事項に適合


8

C 8480

:2016

   

しなければならない。

a)

キャビネットは,造営材に堅固に取り付ける構造とし,ドアの開閉を頻繁に行っても容易に破損する

おそれがない。

b)

キャビネットに用いる鋼板の呼び厚さは,正面の面積に応じて

表 の規定する値以上とする。

1)

折曲げ,リブ加工などで補強したもの,又はステンレス鋼などを用いたものは,括弧内の値を適用

することができる。

2)

使用者と製造業者との協定によって,括弧の値を適用することができる。

表 4−鋼板の呼び厚さ 

正面の面積

m

2

鋼板の呼び厚さ

mm

0.1 以下 1.0(0.8)

0.1 を超え 0.2 以下 1.2(1.0) 
0.2 を超えるもの 1.6(1.2)

c)

過電流遮断器,開閉器などの機器は基板などに配置して堅固に取り付け,操作が安全な構造とする。

なお,外部電線の接続,開閉の操作,ヒューズの取り替えなどは,容易にできる。

d)

配線用遮断器,開閉器,漏電遮断器などの取っ手は,その移動範囲でドアに接触しない。

e)

配線用遮断器,開閉器,漏電遮断器などの取っ手は,開閉を明瞭に表示する。

f)

複数の電源回路がある場合は,回路ごとに表示又は区分けする。

g)

各部のねじの作用している山数は,2 以上,又はこれと同等以上の強度をもつ。ただし,ねじの呼び

径が 8 mm 以上の場合,ねじが作用している部分の長さは,ねじの呼び径の 40 %以上とする。

h)

各部のねじは,緩むおそれがない。

8.3 

ガタースペース 

ガタースペースは,指定する外部電線が通常の寿命を縮めることなく,接続するスペースをもっていな

ければならない(

附属書 の表 A.2 参照)。

なお,受渡当事者間の協定によって,ガタースペースを変更することができる。

8.4 

保護構造 

分電盤の保護構造は,次による。

a)

屋内用であって,ドアを閉じた状態では JIS C 0920 に規定する IP2XC 以上とする。

b)

屋外用であって,ドアを閉じた状態では JIS C 0920 に規定する IP23C 以上とする。

c)

ドアを開いた状態では,充電部が露出する部分に感電防止の処置を施す。ただし,露出する部分の最

大使用電圧が 60 V 以下の場合には,感電防止の処置を除くことができる。

8.5 

接地 

8.5.1 

分電盤の接地 

分電盤の接地は,次による。

a)

ボックス内にはキャビネットを接地するために,溶接又は金属ねじ締付けによってキャビネット及び

電気的に接続した接地端子,又は接地母線を設け,接地線によって接地する。

b)

機器を取り付けないドアなどは,金属ねじの接続,金属製丁番などによって導通を確保する。

c)

機器を取り付けるドアなどは,ボックスと電線とで接続するのが望ましいが,等価電気的接続(例え


9

C 8480

:2016

ば,腐食保護を施した金属製丁番の使用,歯付き座金の使用又は金属支持面の金属ねじ締付け)でも

よい。

8.5.1.1 

接地端子の構造 

接地端子は,分電盤内接地線又は接地線を接続し得る圧着端子締付け方式又は電線締付け方式による構

造とする。

なお,接地線をねじで接続するものは,溝付き六角頭ねじで,その頭部に緑色を施す。ただし,ねじ近

傍に“保護接地”を表す記号又は同等の記号を表示する場合は,ねじ頭部に緑色を施さなくてもよい。

8.5.1.2 

接地端子ねじの呼び径及び接地線の太さ 

基準定格電流に対する締付けねじの呼び径及び接地線の太さは,

表 に規定する値以上とする。

表 5−締付けねじの呼び径及び接地線の太さ 

基準定格電流

A

ねじの呼び径

接地線の太さ

呼び径

mm

公称断面積

mm

2

 30 以下 M

4

1.6

2

 30 を超え

50 以下 M

5

2

3.5

 50 を超え 100 以下 M

5

2.6

5.5

100 を超え 250 以下 M

6

− 14

250 を超え 400 以下 M

6

− 22

400 を超え 630 以下 M

8

− 38

8.5.2 

接地母線の構造 

接地母線を設ける場合は,銅帯とし,分電盤内接地線及び接地線が接続し得る圧着端子締付け方式又は

電線締付け方式による構造とする。

8.5.3 

負荷用の接地 

負荷用接地端子を設ける場合は,ねじ締端子台(セルフアップ端子台を含む。

)又は銅帯(接地線用銅帯)

とする。

なお,負荷用接地端子は M3 以上とする。また,その頭部は緑色を施した六角頭ねじを用いなくてもよ

い。

8.6 

帯状導体の電流密度 

母線・母線分岐導体及び分岐導体に帯状導体を使用する場合は,導電率 96 %IACS 以上のものとし,基

準定格電流に対する電流密度は,

表 に示す。ただし,母線・母線分岐導体及び分岐導体の温度上昇が,

7.4

に適合する場合は除く。


10

C 8480

:2016

   

表 6−電流密度 

基準定格電流

A

電流密度

A/mm

2

125 以下 3.0 以下

125 を超え 250 以下 2.5 以下 
250 を超え 400 以下 2.0 以下 
400 を超え 630 以下 1.7 以下

注記  材料の面取り及び成形のための電流密度増は,+5 %まで許容する。

なお,帯状導体の途中にねじ穴の類があっても,その部分の断面積

の減少が 1/2 以下である場合は,これを考慮しなくてもよい。

8.7 

絶縁電線の最小太さ 

母線又は分岐導体に絶縁電線を使用する場合は,JIS C 3307JIS C 3316JIS C 3317 及び JIS C 3612

で規定する絶縁電線とし,最小の太さを

表 に示す。ただし,過電流遮断器など保護機器の特性に影響を

与えず,7.4 に適合する場合は除く。

なお,基準定格電流が 400 A 以上の絶縁電線であって,並列に接続する場合は,絶縁電線は 2 本とし,

同一太さ及び同一長さとし,その端子部及び分岐点は,電気的に接続していなければならない。

表 7−絶縁電線の最小太さ 

基準定格電流

A

絶縁電線の最小太さ

単線の呼び径

mm

より線の公称断面積

mm

2

 15 以下 1.6

2

 20

2

3.5

 30 又は 32 2.6

5.5

 40

3.2

8

 50,60 又は 63

− 14

 75

− 22

100

− 38

125 又は 150

− 60

175 又は 200

− 100

225,250 又は 300

− 150

350

− 200

400

− 250 又は 150×2 本

500

− 400 又は 150×2 本

630

− 500 又は 200×2 本

8.8 

導体の定格電流 

8.8.1 

母線の定格電流 

母線の定格電流は,次による。

a)

主過電流遮断器又は主開閉器をもつ場合は,その定格電流とする。

b)

主過電流遮断器又は主開閉器のいずれももたない場合は,分岐過電流遮断器及び分岐開閉器の定格電

流の総和に 2/3 を乗じた値以上とする。

8.8.2 

母線分岐導体の定格電流 

母線分岐導体の定格電流は,次による。


11

C 8480

:2016

a)

分岐群に主過電流遮断器又は主開閉器をもつ場合は,その定格電流とする。

b)

分岐群に主過電流遮断器又は主開閉器のいずれももたない場合は,分岐過電流遮断器及び分岐開閉器

の定格電流の総和に 2/3 を乗じた値以上とする。

8.8.3 

分岐導体の定格電流 

分岐導体の定格電流は,分岐過電流遮断器又は分岐開閉器の定格電流とする。

8.9 

中性母線 

中性母線は,次による。

a)

定格電流は,他の母線の定格電流以上とする。ただし,三相 4 線式回路の場合は他の母線の定格電流

の 1.2 倍以上とする(

附属書 を参照)。

b)

中性母線には,過電流遮断器を設けてはならない。ただし,各極が同時に開閉するか,又は中性極が

他の極に対して早入りかつ遅切りとなっているものは除く。

c)

上記 a)及び b)の要求事項は,多線式母線から分岐する電路についてもこれを適用する。

8.10 

導電接続部 

母線・母線分岐導体と分岐導体及びその他機器の導電部との接続は,基準定格電流及び機器の定格電流

を満足し,次のいずれかによる。

a)

ねじ締め(ばね座金併用)

b)

差込み

c)

a)

又は b)と同等以上の機能を保持するもの

注記  ねじ締めによる場合は,附属書 の表 A.1 を参照。

8.11 

充電部の間隔 

充電部と非充電金属体との間隔,及び異極充電部間の空間距離並びに沿面距離は 10 mm 以上とする。た

だし,次の場合を除く。

a)

過電流遮断器及びその他の器具に,次の 1)又は 2)によってターミナルラグを使用する場合。

1)

幹線及び分岐回路に接続する母線・母線分岐導体,分岐導体などにターミナルラグを用い,その間

に絶縁性隔壁がないものは,ターミナルラグ及び非充電金属部が 30°傾いた場合でも,ターミナル

ラグと非充電金属部との間及び異極ターミナルラグ間の距離は 10 mm 以上とする。ただし,各ター

ミナルラグが複数のねじで取り付けているか,又はそれに振れ止めがある場合を除く。

2)

端子部にターミナルラグを締め付けた状態での充電部の間隔が 10 mm 未満の場合は,ターミナルラ

グに厚さ 0.5 mm 以上の絶縁キャップなどを用いて絶縁しなければならない。それを取り付けた状

態の充電部の間隔は,2 mm 以上とする。

b)

過電流遮断器及び開閉器の遮断又は開閉のとき,異常を生じないように距離を十分確保するか,又は

十分な絶縁処理を施してある場合。

c)

9.4.2

に従って試験を行い,JIS C 60664-1 で規定する過渡過電圧に耐える空間距離に適合する場合。

8.12 

配線用遮断器 

配線用遮断器は,JIS C 8201-2-1 に適合するもの,又はこれに準じたものを使用し,その用途に適した

ものとする。

8.13 

漏電遮断器 

漏電遮断器は,JIS C 8201-2-2 に適合するもの,又はこれに準じたものを使用し,その用途に適したも

のとする。

8.14 

その他の収納機器 


12

C 8480

:2016

   

必要に応じて分電盤に機器を収納する場合は,関連する規格に適合しているもの,又はこれに準じたも

のとする。

なお,電源にサージ防護デバイス(SPD)を用いる場合は,

附属書 を参照。

注記  関連する規格には,JIS C 8360JIS C 8361NECA C 2811 などがある。

8.15 

絶縁抵抗測定のための構造 

分岐回路の絶縁抵抗測定を適切に行うため,

各分岐過電流遮断器の負荷側の端子部又は導電部金属体に,

容易かつ安全に測定器のリード線を接続できる構造とする。

なお,測定器のリード線を接触する場合,カバーなどを外す必要があるときは,その操作が容易に行え

る構造とする。

8.16 

用途名称ホルダ 

適切な位置に用途名称ホルダ又はこれに類するものを設ける。

8.17 

図面ホルダ 

適切な位置に図面ホルダ又はこれに類するものを設ける。

試験 

9.1 

試験場所 

試験は,特に指定がある場合を除き,JIS Z 8703 に規定する常温 5∼35  ℃及び常湿 45∼85 %,並びにそ

の他試験の結果に著しい影響を及ぼすおそれがない場所で行う。ただし,使用者と製造業者との協定によ

って,試験結果に影響を及ぼすおそれがないと判断された場合は除く。

9.2 

構造試験 

構造試験は,分電盤及び分電盤の構成部品の構造を目視,計測などによって確認する。また,構成部品

に添付する文書などによって,箇条 及び箇条 11 に規定する事項を確認する。

9.3 

絶縁抵抗試験 

絶縁抵抗試験は,主過電流遮断器,分岐過電流遮断器などを閉路の状態で,JIS C 1302 に規定する絶縁

抵抗計を用いて,電路電圧相当の定格測定電圧を使用し,充電部相互間及び充電部と非充電金属部との間

の絶縁抵抗値を測定する。ただし,試験電圧で試験を行うことが不適切な電子部品などがある場合は,こ

れらの回路を切り離して測定することができる。

9.4 

耐電圧試験 

9.4.1 

商用周波耐電圧試験 

商用周波耐電圧試験は,周波数が 50 Hz 又は 60 Hz の正弦波に近い

表 に示す試験電圧を 9.3 の試験箇

所に 1 分間印加して行う。ただし,分電盤の中に

表 に示す試験電圧で試験を行うことが不適切な電子部

品などがある場合は,それらを除いて試験を行うことができる。

なお,主回路から直接供給しない補助回路については,

表 に示す試験電圧を 9.3 の試験箇所に 1 分間

印加して行う。

表 8−主回路及び主回路から直接供給する補助回路の耐電圧試験電圧 

単位  V

定格絶縁電圧  U

i

耐電圧試験電圧  交流 r.m.s

60 以下 1

000

60 を超え 250 以下 1

500


13

C 8480

:2016

表 9−主回路から直接供給しない補助回路の耐電圧試験電圧 

単位  V

定格絶縁電圧  U

i

耐電圧試験電圧  交流 r.m.s

 12 以下 250 
 12 を超え 60 以下 500

60 を超え 250 以下 1

500

9.4.2 

雷インパルス耐電圧試験 

雷インパルス耐電圧試験は,

附属書 による。ただし,8.11 に規定する空間距離及び沿面距離が 10 mm

以上の場合には適用しない。

9.5 

動作確認試験 

動作確認試験は,分電盤を製造業者の意図した動作を行う場合の端緒となる信号の入力又は操作者によ

って操作を行ったとき,分電盤は製造業者の意図した動作をすることを確認する。

9.6 

温度試験 

温度試験は,

附属書 による。ただし,表 に適合する場合は除く。

9.7 

短時間耐電流試験 

短時間耐電流試験は,

表 に示す電流を母線に 0.2 秒間通電する。母線に過電流遮断器をもつものは,

その引き外し装置によって定まる最長時間とする。ただし,次のいずれかの場合は除く。

a)

定格短時間耐電流が 10 kA 以下の場合。

b)  8.1

及び 8.2 の要求事項に適合し,内容積が

表 10 に示す値以上のキャビネットは,取っ手又はその近

傍をドアの垂直方向に 200 N の力で引いたとき,ドアが開かず各部に著しい永久変形を生じない場合。

表 10−キャビネットの内容積 

単位  m

3

ドアとボックスと

の隙間

キャビネットの内容積

定格短時間耐電流

18 kA 以下

定格短時間耐電流

22 kA 以下

定格短時間耐電流

35 kA 以下

あり 28×10

3

 28×10

3

 80×10

3

なし 64×10

3

 72×10

3

注記  ドアとボックスとの隙間なしの状態とは,ドアとボックスとの間をパッキ

ンなどで密閉した構造のものをいう。

9.8 

保護構造試験 

保護構造試験は,JIS C 0920 による。

なお,試験は別の供試品で行ってもよい。

10 

検査 

10.1 

検査の種類 

検査の種類は,次による。

a) 

形式検査  形式検査は,その形式について,この規格が要求する構造,性能などが箇条 及び箇条 8

の規定に適合することを検査する。検査は,同一試験品について各項目を箇条 の試験方法によって

行い,それぞれの試験の要求事項に適合しなければならない。


14

C 8480

:2016

   

なお,検査結果は同等形式の共通する要求項目へ適用することができる。

b) 

受渡検査  受渡検査は,表 11 で要求する試験項目が満足することを検査する。

10.2 

試験項目 

この規格に定めた構造及び性能に関する事項全般にわたり,試験を行う。試験項目は

表 11 を標準とする。

表 11−試験項目 

試験項目

形式検査

受渡検査

概要

構造試験

9.2 

絶縁抵抗試験

9.3 

商用周波耐電圧試験

9.4.1 

雷インパルス耐電圧試験

9.4.2 

8.11

に適合する場合は,省略できる。

動作確認試験

9.5 

温度試験

9.6 

8.6

表 に適合する場合は,省略できる。

短時間耐電流試験

9.7 

9.7

の a)又は b)に適合する場合は,省略できる。

保護構造試験

9.8 

8.4

に適合する場合は,省略できる。

11 

表示 

分電盤には,ドアの表面又は裏面の見やすいところに容易に消えない方法で,次の事項を表示しなけれ

ばならない。ただし,複数の電源回路がある分電盤の場合,b)d)は各電源に表示する。

a)

名称

b)

定格電圧,相数による方式,線式

1)

c)

定格周波数

1)

d)

定格電流

e)

定格短時間耐電流

1)

2)

f)

保護等級

2)

(ドアを閉じた状態)

g)

製造業者名又はその略号

h)

製造年月又はその略号

1)

直流用の分電盤は,b)は定格電圧だけとし,c)及び e)は省略する。

2)

表示が複数枚になる場合は,e)及び f)は 1 か所への表示だけでもよい。


15

C 8480

:2016

附属書 A

(参考)

ねじの呼び径及びガタースペースの概要

A.1 

基準定格電流に対する導電接続部のねじの呼び径 

ターミナルラグと母線・母線分岐導体又は分岐導体との接続,その他の導電接続部をねじ締めとする場

合は,そのねじ(スタッドを含まない。

)の呼び径は,

表 A.1 の規定する値以上とする。

表 A.1−ねじの呼び径 

基準定格電流

A

ねじの呼び径

ねじ 1 本

ねじ 2 本

ねじ 4 本

 30 以下

M 4

M 3.5

 30 を超え 63 以下

M 5

M 4

 63 を超え 125 以下

M 6

M 5

125 を超え 300 以下

M 8

M 6

300 を超え 400 以下

(M 10)

M 8

M 6

400 を超え 630 以下

(M 12)

M 10

M 8

注記  括弧を付けたものは,できる限り用いないことが望ましい。


16

C 8480

:2016

   

A.2 

絶縁電線の太さに対するガタースペース 

絶縁電線の太さに対するガタースペースの概要を,

図 A.1 及び表 A.2 に示す。

図 A.1−ガタースペース 

表 A.2−ガタースペースの基準値 

単位  mm

公称

断面積

mm

2

ビニル絶縁電線 CV・VV・CVT  ケーブル

幹 線 を 上 か ら 引 き 入

れる場合

幹 線 を 下 か ら 引 き 入

れる場合

幹 線 を 上 か ら 引 き 入

れる場合

幹 線 を 下 か ら 引 き 入

れる場合

a b c a b c a b c a b c 

5.5 75 50

25 50

75

25

100 50

25

50

100 25

8 75

75

50

75

75

50

125

75

50

75

125

50

14  100 75

50 75

100 50

150 75

50

75

150 50

22  100

100 75

100

100 75

200

100 75

150

200 75

38  140

100 80

125

125 80

225

100 80

175

225 80

60

150 140 100 140 140 100 250 140 100 200 250 100

100

225 150 100 150 200 100 350 150 100 200 350 100

150

250 200 125 200 225 125 425 200 125 225 400 125

200

275 200 150 200 250 150 450 200 150 225 425 150

250

300 200 150 250 275 150 525 200 150 250 500 150

注記 1  は上方,は下方のガタースペースを示し,は右側及び左側のガタースペースを示す(図 A.1 参照)。
注記 2  公称断面積が 250 mm

2

を超えるものは,十分スペースをとるほうが望ましい。

c

c

a

b


17

C 8480

:2016

附属書 B

(規定)

雷インパルス耐電圧試験

B.1 

雷インパルス電圧 

雷インパルス電圧は,±1.2/50 μs 単極性全波電圧とする。

B.2 

波形及び波高値の裕度 

インパルス電圧波形及び波高値の裕度は,

表 B.1 による。

表 B.1−インパルス電圧波形及び波高値の裕度 

電圧波形

波頭長

波尾長

波高値

雷インパルス電圧

±30 %

±20 %

±3 %

B.3 

試験 

雷インパルス耐電圧試験は,主過電流遮断器,分岐過電流遮断器などを閉路の状態とし,

表 B.1 及び表

B.2

の試験電圧を正・負極性別に各 3 回充電部と非充電金属部との間に印加して行う。ただし,分電盤の

中に

表 B.2 の試験電圧で試験を行うことが不適切な電子部品などがある場合は,それらを除いて試験を行

う。

表 B.2−雷インパルス耐電圧値 

定格電圧

V

インパルス耐電圧

kV

三相系統

単相 3 線系統

幹線及び分岐回路の機器

(過電圧カテゴリ III)

100/173 100/200

2.5

200 又は

230/400

− 4

注記  JIS C 60364-4-44 の表 44.B(機器の必要な定格インパルス耐

電圧)を参照。


18

C 8480

:2016

   

附属書 C 
(規定)

キャビネット形分電盤の温度試験

C.1 

概要 

温度試験は,その形式の分電盤の定格電流を通電し,温度が一定となったとき温度計法によって各部の

温度を測定する。

C.2 

試験方法 

試験方法の詳細は,次による。

a) 

試験電流  各分岐導体に通じる電流は,各過電流遮断器の定格電流の 2/3 以上とし,その 1 相の合計

電流が,主過電流遮断器の定格電流以下となるように分岐回路数を算出し,その通電する回路は主過

電流遮断器の直近側から選定する。選定した回路以外の分岐回路には通電しない。温度試験の通電電

流例を,

表 C.1 に示す。

表 C.1−温度試験の通電電流例 

分電盤の構成内容

温度試験の

ための通電電流

主過電流遮断器

定格電流

100 A

定格電流

80 A

分岐過電流遮断器

定格電流

20 A×16 回路

分岐回路への通電電流

回路

12

A

13

3

2

A

20

×

×

通電しない

4 回路

b) 

試験の継続時間  温度試験は,温度変化が 1 時間当たり 1 K 以内になったとき,試験を終了し,測定

した各部の温度と周囲温度との差を各部の温度上昇とする。

c) 

接続電線  通電のために接続する電線の接続長さは,1.5 m 以上とし,その最小太さは 8.7 の表 によ

1φ3W  100/200 V


19

C 8480

:2016

る。

d) 

測定箇所  分電盤の温度試験は,分電盤を設置した状態でドアを開閉することなく,分電盤外部に測

定線を引き出して温度を測定する。測定箇所は,次による。

1)

周囲温度の測定点は,

図 C.1 に示す 2 か所(A 点及び B 点)とし,周囲温度は,その測定値の平均

とする。

2)  7.4

表 に規定した場所・部材で,最も温度が上がると思われる箇所について測定する。

図 C.1−周囲温度の測定点 


20

C 8480

:2016

   

附属書 D 
(参考)

三相 4 線式回路の中性線電流

三相 4 線方式で中性線と各ラインとの間に単相負荷を接続している場合,中性線にライン電流よりもか

なり大きな電流が流れる場合がある。これは負荷に半導体(整流器)使用機器を接続した場合,これらの

機器から第 3 調波を含む高調波電流が著しく流れるために生じる。正弦波電流の場合,中性線の合成電流

は,お互い打ち消し合って,僅かな電流となるが,第 3 調波電流の場合は,打ち消されず算術和となるた

めこのような現象が起こる。これらの負荷を想定する場合は,あらかじめ中性線のケーブルを太くしてお

くなど対策を考慮する必要がある。

ここで,基本波に対して第 3 調波電流を 60 %含む同様の負荷が,U 相,V 相及び W 相と中性線に接続

されている場合の中性線の電流を求めてみると,次のとおりとなる。

I

I

I

I

=

=

=

w

v

u

(

)

2

1

2

1

6

.

0

I

I

I

×

+

=

1

n

6

.

0

3

I

I

×

×

=

ここに,

I

負荷電流

I

1

基本波電流

I

n

中性線電流

1.543

1.36

1

0.6

3

n

=

×

×

=

I

求めた結果,負荷電流の

154 %

に達することになる(

図 D.1 参照)。

図 D.1−三相 線式回路の中性線電流 

注記

半導体(整流器)使用機器からは,大量の第

3

次高調波電流が発生し,数学的な位相特性に基

づき,第

3

次高調波電流によって,中性線電流は相殺されず,逆に大きくなるため,中性線に

は大きな電流が流れる場合がある。理論の上では,中性線の高調波電流だけで,電源ラインに

流れる全定格電流の

1.7

倍にも達する(JIS C 61000-3-2 参照)

I

v

I

w

I

u

I

u

+I

v

+I

w

=I

n


21

C 8480

:2016

附属書 E

(参考)

サージ防護デバイス(SPD)の選定及び適用方法

この附属書は,JIS C 5381-11 及び JIS C 5381-12 に基づき,キャビネット形分電盤の電源回路に,サー

ジ防護デバイス(以下,

SPD

という。

)を設置する場合の選定及び適用方法についてまとめたものである。

E.1 SPD

の選定 

E.1.1 

電源の種類 

SPD

の指定がある場合を除き,

SPD

の最大連続使用電圧(U

C

)及び電圧防護レベル(U

p

)は,分電盤の

相数,線式及び定格電圧によって決定し,その関係は,

表 E.1 による。

表 E.1−電源の種類に対する SPD の U

C

及び U

p

 

相数

線式

定格電圧 V

SPD の最大連続使用電圧  U

C

 SPD の電圧防護レベル  U

p

単相

2 線式 100 又は 200 AC

220

V 以上 1

500

V 以下

単相

3 線式 100/200

AC

220

V 以上 1

500

V 以下

三相

3 線式 200

AC

220

V 以上 1

500

V 以下

三相

3 線式

(400)

(AC 440 V 以上)

(2 500 V 以下)

三相

4 線式 100/173

AC

220

V 以上 1

500

V 以下

三相

4 線式

(230/400)

(AC 440 V 以上)

(2 500 V 以下)

注記  括弧内の 300 V を超える定格電圧は,この規格の適用範囲外である。

E.1.2 SPD

の試験クラス 

SPD

の指定がある場合を除き,分電盤に適用する

SPD

の試験クラスは,クラス

II

とし,公称放電電流

I

n

5 kA

以上とする。

注記 1

 SPD

の適切な試験クラス及び公称放電電流

I

n

及び/又はインパルス電流

I

imp

は,

SPD

を設

置する箇所における想定雷サージ電流の検討によって決定することが望ましい。

注記 2

雷保護システム(

LPS

)をもつ建築物内設備の接地が

LPS

の接地と共通となっており,かつ,

その接地抵抗が比較的高い場合,低圧配電線を引き込む受電盤に適用する

SPD

の試験クラス

は,クラス

I

とすることが望ましい。

注記 3

落雷頻度の高い地域にある分電盤,又は重要度の高い設備の分電盤には,より大きな公称放

電電流 I

n

を選定することが望ましい。

E.2 SPD

分離器 

SPD

が過大な雷サージなどによって短絡故障となった場合,故障した

SPD

を電源回路から切り離すため

SPD

分離器を

SPD

と直列に設置する(

図 E.1 参照)。

SPD

分離器は,

SPD

製造業者が推奨する

SPD

の動作協調が確認された

SPD

分離器を使用する。

SPD

分離器は,

SPD

の一次側遮断器との動作協調,

SPD

設置点での推定回路短絡電流に対する遮断容量,

SPD

の公称放電電流 I

n

以上の耐量などを考慮して選定す

る。

注記 1

クラス

IISPD

用の

SPD

分離器は,例えば,定格電流

30 A

のような,定格電流の比較的小さ

いヒューズを用いることが望ましい。


22

C 8480

:2016

   

注記 2

配線用遮断器は,雷サージ電流によって引き外しコイルに発生した過電圧が分電盤の負荷に

印加すること,及びヒューズに比べて動作時間に遅延があって,

SPD

の焼損又は波及停電の

リスクが高いことから,ヒューズの使用が望ましい。

E.3 SPD

の設置方法 

E.3.1 SPD

の接続方法 

SPD

の接続方法は,

図 E.1 に示す接続タイプ

1

及び接続タイプ

2

とがあり,どちらを選定してもよい。

また,必要な

SPD

は,電源の相数,線式及び定格電圧によって異なるため,

表 E.2 から選定,又は,接続

タイプ

1

若しくは接続タイプ

2

の接続方法が可能な

SPD

を選定する。

図 E.1SPD の接続方法 

表 E.2−必要な SPD 

相数

線式

定格電圧 V

接続タイプ 1

接続タイプ 2

SPD11

SPD12

SPD13

SPD14

SPD21

SPD22 SPD23 SPD24

単相

2 線式 100  200

中性線あり

単相

2 線式 100  200

中性線なし

単相

3 線式 100/200

三相

3 線式 200  中性線あり

三相

3 線式 200  中性線なし

三相

3 線式  (400  中性線あり)

三相

3 線式  (400  中性線なし)

三相

4 線式 100/173

三相

4 線式

(230/400)

○:適用する 
注記 1  単相 2 線式及び三相 3 線式で中性線の有無が不明の場合,中性線なしで接続タイプ 1 の配線が望ましい。

この配線の場合,中性線の有無に影響なく,雷保護が可能である。

注記 2  この表は TT 系統及び TN-S 系統に適用する。 
注記 3  括弧内の 300 V を超える定格電圧は,この規格の適用範囲外である。

L1 
L2 
L3 
N

SPD 分離器

11

SPD

12

13

14

PE

L1 
L2 
L3 
N

SPD 分離器

21

SPD

22

23

PE

24

SPD

接続タイプ 1

接続タイプ 2

L1∼L3:ライン 
N:中性線 
PE:接地極 
11∼14:SPD 
21∼23:SPD 
24:SPD (電圧スイッチ
ング形)


23

C 8480

:2016

E.3.2 SPD

の設置箇所 

SPD

及び

SPD

分離器は,指定がある場合を除き,主幹遮断器の

2

次側に接続する。ただし,主幹遮断器

が漏電遮断器で,雷サージ電流通過による不要動作のおそれがある場合,主幹遮断器(漏電遮断器)の

1

次側に接続する。

注記

 SPD

及び

SPD

分離器は主幹遮断器の

1

次側に接続してもよい。この場合,

SPD

分離器の遮断容

量は,主幹遮断器

1

次側の短絡電流以上とする。

E.4 SPD

の配線方法 

E.4.1 

配線長 

最適な過電圧防護を行うために,

SPD

及び

SPD

分離器の接続導体はできるだけ短くする。

SPD

及び

SPD

分離器の合計接続導体長は

0.5 m

以下が望ましい。

分電盤の配線例を

図 E.2 に示す。

SPD

及び

SPD

分離器は,主幹遮断器の近傍に設置する。電路から

SPD

分離器,

SPD

及び機器接続用接地端子までの間の各接続導体は,最短距離で接続する。

注記 1

接続導体をできるだけ短くするのは,雷サージ電流の通電時に接続導体のインダクタンスに

よって生じた過電圧は,保護対象機器に印加されるためである。

注記 2

ブスバー及びボンディングバーは接続導体に比べ,インダクタンスが十分に小さいため,接

続導体長には含まない。

図 E.2SPD の配線例 

合計接続導体長 

0.5 m

以下が望ま

しい

接地極へ

SPD

接地端子 

主幹 

遮断器 

SPD 

分離器 

接地母線 

母線 


24

C 8480

:2016

   

E.4.2 

配線サイズ 

接続導体の断面積は,クラス

IISPD

の場合は

3.5 mm

2

以上,クラス

ISPD

の場合は

5.5 mm

2

以上とする。

E.5 

試験時の注意 

E.5.1 

絶縁抵抗試験 

500 V

の絶縁抵抗試験を行う場合,定格電圧

100 V

及び

200 V

SPD

は,

SPD

の内部回路構成によって

は動作する場合がある。そのため,

SPD

分離器(遮断器又はヒューズホルダ)は開路の状態,又は,

SPD

を取り外して測定を行う。

E.5.2 

商用周波耐電圧試験 

2 000 V

の商用周波耐電圧試験を行う場合,

SPD

分離器(遮断器又はヒューズホルダ)が開路の状態で

あったとしても

SPD

分離器の開路機構部分の離隔距離によっては導通(絶縁破壊)する場合がある。その

ため,

SPD

は取り外して試験を行う。


25

C 8480

:2016

附属書 F

(規定)

400 V

級キャビネット形分電盤

この附属書は,本文及びその他の附属書と併読し適用する。

この附属書の箇条などの番号は,本文と対応している。本文に対する変更は,次の表現を用いた。

置換”は,本文の該当する箇所の要求事項を,この附属書の規定に置き換えることを意味する。

追加”は,本文の該当する箇所の要求事項に,この附属書の規定を追加することを意味する。

F.1 

適用範囲 

置換(箇条 全て)

この附属書は,主に熟練者及び技能者が取り扱う周波数

50 Hz

又は

60 Hz

,定格電圧

300 V

を超え

600 V

以下(対地電圧

300 V

以下)

,基準定格電流

630 A

以下及び定格短時間耐電流

35 kA

以下の電路に使用する

キャビネット形分電盤について規定する。

F.6 

定格 

定格は,次を除き,箇条 による。

置換(表 を,次に置換する。)

表 1−定格電圧 

単位  V

相数

線式

定格電圧

交流

三相

3 線式 400

三相

4 線式 230/400

置換[b)及び e)を,次に置換する。]

b) 

定格絶縁電圧  主回路の定格絶縁電圧は,

500 V

又は

600 V

とする。

e) 

定格短時間耐電流及びその最大波高値  定格短時間耐電流及びその最大波高値の標準値は,表 に示

す値とする。

置換(表 を,次に置換する。)

表 2−定格短時間耐電流及び最大波高値 

定格電圧

V

定格短時間耐電流

(交流分実効値)kA

最大波高値

(定格短時間耐電流の倍数)

400

5 以下 1.5

  5 を超え 10 以下 1.7 
10 を超え 20 以下 2.0 
20 を超え 35 以下 2.1

F.8 

構造及び収納機器 

構造及び収納機器は,次を除き,箇条 による。


26

C 8480

:2016

   

F.8.2 

構造一般 

追加[8.2 の h)の後に,次を追加する。]

i)

ドアは,上下棒及び取っ手舌片の

3

点を用いて閉鎖し,容易に破損するおそれがないものとする。

j)

遮断器電源側の排気口から噴出される消弧ガス(通称:ホットガス)の排出を妨げないように,遮断

器電源側は絶縁距離(アークスペース)を考慮した空間を十分に確保する。遮断器電源側及び裸導体

間に十分な絶縁空間が確保できない場合は,絶縁バリア,チューブ,テープなどで確実に絶縁しなけ

ればならない。

F.8.11 

充電部の間隔 

置換(8.11 全て)

充電部と非充電金属体との間隔,及び異極充電部間の間隔は,定格電圧が

400 V

の場合は,次に規定す

る値以上,又は 9.4.2 に従って試験を行い,JIS C 60664-1 で規定する過渡過電圧に耐える空間距離に適合

しなければならない。

空間距離は,

10 mm

以上

沿面距離は,

20 mm

以上

F.9 

試験 

試験は,次を除き,箇条 による。

F.9.4.1 

商用周波耐電圧試験 

置換(“9.4.1 の商用周波耐電圧”から始まる段落の“表 に示す試験電圧”を,“試験電圧

2 000 V

”に置

換する。

F.9.7 

短時間耐電流試験 

置換(9.7 全て)

短時間耐電流試験は,

表 に示す電流を母線に

0.2

秒間通電する。ただし,母線に過電流遮断器をもつ

ものは,その引き外し装置によって定まる最長時間とする。

なお,8.1 及び 8.2 に適合し,キャビネットはドアとボックスとの隙間があり,内容積が

100

×

10

3

 mm

3

の値以上で,取っ手をドアの垂直方向に

200 N

の力で引き,ドアが開かず各部に著しい永久変形を生じる

ことがなく,定格短時間耐電流が

10 kA

以下のキャビネットの場合は除く。

注記

キャビネットのドアは,上下棒及び取っ手舌片の

3

点で固定する。


27

C 8480

:2016

参考文献  JIS C 0445  文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の

識別法 

JIS C 0446

  色又は数字による電線の識別

JIS C 0617-7

  電気用図記号−第

7

部:開閉装置,制御装置及び保護装置

JIS C 5381-11

  低圧サージ防護デバイス−第

11

部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防

護デバイスの要求性能及び試験方法

JIS C 5381-12

  低圧サージ防護デバイス−第

12

部:低圧配電システムに接続する低圧サージ防

護デバイスの選定及び適用基準

JIS C 8314

  配線用筒形ヒューズ

JIS C 8319

  配線用ねじ込みヒューズ及び栓形ヒューズ

JSIA 300

  分電盤通則

JSIA 307

400 V

級キャビネット形分電盤

JEC 0222

  標準電圧

JEM 1265

  低圧金属閉鎖形スイッチギヤ及びコントロールギヤ

JEM 1460

  配電盤・制御盤の定格及び試験

JEAC 8001

  内線規程

電気設備の技術基準(省令及び解釈)の解説