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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

(1) 

目  次

ページ

序文  

1

1  一般 

1

1.1  適用範囲及び目的  

1

1.2  引用規格  

2

2  用語及び定義  

3

2.1  ヒューズ及びその構成部品  

3

2.2  一般用語  

4

2.3  特性  

7

3  使用状態の条件  

10

3.1  周囲温度(T

a

  

10

3.2  標高  

10

3.3  大気条件  

10

3.4  電圧  

10

3.5  電流  

10

3.6  周波数,力率及び時定数  

10

3.7  装置の状態  

10

3.8  用途区分  

11

3.9  ヒューズリンクの動作協調  

11

4  類別 

11

5  ヒューズの特性  

11

5.1  特性の概要  

11

5.2  定格電圧  

11

5.3  定格電流  

12

5.4  定格周波数(6.1 及び 6.2 参照)  

13

5.5  ヒューズリンクの定格ワット損及びヒューズホルダの定格受容ワット損  

13

5.6  時間−電流特性の制限  

13

5.7  遮断領域及び遮断容量  

15

5.8  限流特性及び I

2

t

特性  

16

6  表示 

16

6.1  ヒューズホルダの表示  

16

6.2  ヒューズリンクの表示  

16

6.3  表示記号  

17

7  構造の標準条件  

17

7.1  機械的設計  

17

7.2  絶縁性能及び絶縁適合性  

18


C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)  目次

(2) 

ページ

7.3  ヒューズリンクの温度上昇及びワット損並びにヒューズホルダの定格受容ワット損  

18

7.4  動作  

19

7.5  遮断容量  

20

7.6  限流特性  

20

7.7  I

2

t

特性  

20

7.8  ヒューズリンクの過電流選択性  

21

7.9  感電に対する保護  

21

7.10  耐熱性  

23

7.11  機械的強度  

23

7.12  耐食性  

23

7.13  耐異常熱及び耐火炎  

23

7.14  電磁両立性  

23

8  試験 

24

8.1  一般  

24

8.2  絶縁性能及び絶縁適合性の検証  

28

8.3  温度上昇及びワット損の検証  

30

8.4  動作の検証  

33

8.5  遮断容量の検証  

36

8.6  限流特性の検証  

41

8.7  I

2

t

特性及び過電流選択性の検証  

41

8.8  外箱の保護の級別検証  

41

8.9  耐熱性の検証  

41

8.10  接触部の不劣化の検証  

42

8.11  機械的試験及びその他の試験  

42

附属書 A(参考)短絡力率の測定  

54

附属書 B(参考)“gG”,“gM”,“gD”及び“gN”ヒューズリンクの溶断 I

2

t

値計算及び 

低電圧での動作 I

2

t

値の計算  

56

附属書 C(参考)限流値−時間特性の計算  

57

附属書 D(参考)ヒューズリンクの性能に周囲温度又は環境変化が及ぼす影響  

60

附属書 E(規定)外部銅導体用のねじなし端子付きヒューズホルダの個別要求事項  

61


C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

(3) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

電機工業会(JEMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。これによって,JIS C 8269-1:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 8269 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

8269-1  第 1 部:通則

JIS

C

8269-2  第 2 部:専門家用ヒューズの追加要求事項(主として工業用ヒューズ)−標準化された

ヒューズシステム A∼K


   

日本工業規格

JIS

 C

8269-1

:2016

(IEC 60269-1

:2006

,Amd.1

:2009

,Amd.2

:2014

)

低電圧ヒューズ−第 1 部:通則

Low-voltage fuses-Part 1: General requirements

序文 

この規格は,2006 年に第 4 版として発行された IEC 60269-1,Amendment 1(2009)及び Amendment 2

(2014)を基に,技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,追補

(amendment)については,編集し,一体とした。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

一般 

1.1 

適用範囲及び目的 

この規格は,定格遮断容量 6 kA 以上で,公称電圧 1 000 V 以下の商用周波の交流回路又は公称電圧 1 500

V 以下の直流回路の保護を目的とする包装限流ヒューズリンクを用いるヒューズに適用する。

この規格群のほかの部では,特殊な使用状態又は適用条件で用いるヒューズに対する補足規定も含む。

IEC 60947-3 に準拠したコンビネーションスイッチに用いるヒューズリンクも,この規格による。

注記 1  “a”ヒューズリンクにおける直流回路での性能の詳細(2.2.4 参照)は,使用者と製造業者

との協定によるのがよい。

注記 2  特定用途用の一部のタイプのヒューズ,例えば,車両用又は高周波数回路用のヒューズに必

要なこの規格の修正及び補足は,必要な場合,個別の規格で取り扱う。

注記 3  この規格は,JIS C 6575 の規格群が適用されるミニチュアヒューズには,適用しない。

この規格の目的は,寸法に互換性がある場合,同一の特性をもつほかのヒューズ及びヒューズ部品(ヒ

ューズホルダ,ヒューズキャリヤ及びヒューズリンク)と置き換えることができるようにヒューズ及びヒ

ューズ部品の特性を規定することにある。この目的のため,この規格は,特に次の事項について規定する。

−  ヒューズの特性

・  定格値

・  絶縁

・  通常の使用状態における温度上昇

・  ワット損及び受容ワット損

・  時間−電流特性

・  遮断容量

・  限流特性及び I

2

特性

−  ヒューズの特性検証のための形式試験

−  ヒューズの表示

注記 4  この規格は,JIS C 60364 建築電気設備規定に対応するヒューズを対象とする。


2

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

注記 5  JIS C 60364 建築電気設備規定とは,電気事業法に基づく電気設備の技術基準の解釈の第 218

条の規定をいう。

注記 6  この規格を適用する場合,適用するヒューズを適用範囲に含む他の規格と混用してはならな

い。

混用できない規格の例を,次に示す。

−  JIS C 8352  配線用ヒューズ通則

−  JIS C 8313  配線用つめ付きヒューズ

−  JIS C 8314  配線用筒形ヒューズ

−  JIS C 8319  配線用栓形ヒューズ

注記 7  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60269-1:2006,Low-voltage fuses−Part 1: General requirements,Amendment 1(2009)及び

Amendment 2(2014)(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

1.2 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0617  電気用図記号

注記  対応国際規格:IEC 60617,Graphical symbols for diagrams(IDT)

JIS C 0920:2003  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

注記  対応国際規格:IEC 60529:1989,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)

JIS C 1602:2015  熱電対

注記  対応国際規格:IEC 60584-1:1995,Thermocouples−Part 1: Reference tables

JIS C 8269-2  低電圧ヒューズ−第 2 部:専門家用ヒューズの追加要求事項(主として工業用ヒューズ)

−標準化されたヒューズシステム A∼K

注記  対応国際規格:IEC 60269-2,Low-voltage fuses−Part 2: Supplementary requirements for fuses for

use by authorized persons (fuses mainly for industrial application)−Examples of standardized 
systems of fuses A to K(IDT)

JIS C 60364-5-52:2006  建築電気設備−第 5-52 部:電気機器の選定及び施工−配線設備

注記  対応国際規格:IEC 60364-5-52:2001,Electrical installations of buildings−Part 5-52: Selection and

erection of electrical equipment−Wiring systems(IDT)

JIS C 60664-1  低圧系統内機器の絶縁協調−第 1 部:基本原則,要求事項及び試験

注記  対応国際規格:IEC 60664-1:2002,Insulation coordination for equipment within low-voltage

systems−Part 1: Principles, requirements and tests

JIS C 60695-2-11:2004  耐火性試験−電気・電子−最終製品に対するグローワイヤ燃焼性試験方法

注記  対応国際規格:60695-2-11:2000,Fire hazard testing−Part 2-11: Glowing/hot-wire based test

methods−Glow-wire flammability test method for end-products(IDT)

JIS C 60695-2-12:2004  耐火性試験−電気・電子−材料に対するグローワイヤ燃焼性試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60695-2-12:2000,Fire hazard testing−Part 2-12: Glowing/hot-wire based test


3

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

methods−Glow-wire flammability test method for materials(IDT)

JIS C 60695-2-13:2004  耐火性試験−電気・電子−材料に対するグローワイヤ着火性試験方法

注記  対応国際規格:IEC 60695-2-13:2000,Fire hazard testing−Part 2-13: Glowing/hot-wire based test

methods−Glow-wire ignitability test method for materials(IDT)

IEC 60038:1983,IEC standard voltages

IEC 60050-441:1984,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Chapter 441: Switchgear, controlgear

and fuses 及び Amendment 1 (2000)

IEC 60269-3,Low-voltage fuses−Part 3: Supplementary requirements for fuses for use by unskilled persons

(fuses mainly for household or similar applications)−Examples of standardized systems of fuses A to F

IEC 60269-4,Low-voltage fuses−Part 4: Supplementary requirements for fuse-links for the protection of

semiconductor devices

IEC 60269-5,Low-voltage fuses−Part 5: Guidance for the application of low-voltage fuses 
IEC 60269-6,Low-voltage fuses−Part 6: Supplementary requirements for fuse-links for the protection of solar

photovoltaic energy systems

IEC 60364-3:1993,Electrical installations of buildings−Part 3: Assessment of general characteristics 
ISO 3:1973,Preferred numbers−Series of preferred numbers 
ISO 478:1974,Paper−Untrimmed stock sizes for the ISO-A Series−ISO primary range

ISO 593:1974,Paper−Untrimmed stock sizes for the ISO-A Series−ISO supplementary range 
ISO 4046:1978,Paper, board, pulp and related terms−Vocabulary

注記  対応日本工業規格:JIS P 0001:1998  紙・板紙及びパルプ用語(MOD)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,IEC 60050-441 によるほか,次による。

2.1 

ヒューズ及びその構成部品 

2.1.1 

ヒューズ(fuse)

ある一定値を超える電流が,ある時間流れたとき,特別に設計された一つ又はそれ以上の可溶部分の溶

断によって,電流を遮断し回路を開放する装置。ヒューズは,装置を構成する全ての部品からなる(IEV 

441-18-01)。

2.1.2 

ヒューズホルダ(fuse-holder)

ヒューズベースとヒューズキャリヤとの組合せ(IEV 441-18-14

注記  この規格で“ヒューズホルダ”とある場合には,特に明確な区別が不要な場合は,ヒューズベ

ース及び/又はヒューズキャリヤを示す。

2.1.2.1 

ヒューズベース[fuse-base (fuse-mount)]

接触部及び端子を備えるヒューズの固定部分(IEV 441-18-02

注記  必要な場合,ヒューズベースの部品にカバーを含む。

2.1.2.2 

ヒューズキャリヤ(fuse-carrier)


4

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

ヒューズリンクを保持するように設計されたヒューズの可動部分(IEV 441-18-13

2.1.3 

ヒューズリンク(fuse-link)

ヒューズエレメント(単数又は複数)を含み,ヒューズが動作した後,交換されるヒューズの部分(IEV 

441-18-09)。

2.1.4 

ヒューズ接触部(fuse-contact)

ヒューズリンクとそれに対応するヒューズホルダとの間の回路の連続性を確実にするように設計された

2 個又はそれ以上の導電部分。 
2.1.5 

ヒューズエレメント(可溶体)(fuse-element)

一定値を超える電流が一定時間流れたとき溶解するように設計されたヒューズリンクの部分(IEV 

441-18-08)。

注記  ヒューズリンクは,数個の並列のヒューズエレメントからなっている場合がある。

2.1.6 

表示器(インジケータ)[indicating device (indicator)]

ヒューズが動作したかどうかを表示するヒューズの部品(IEV 441-18-17

2.1.7 

ストライカ(striker)

ヒューズが動作したとき,

ほかの機器若しくは表示器を動作させるか,

又はインタロックを行うために,

エネルギーを放出するように,ヒューズリンクの一部を構成する機械的な装置(IEV 441-18-18

2.1.8 

端子(terminal)

外部回路と電気的に接続するために設けられたヒューズの導電部。

注記  端子は,それが用いられる回路の種類(例えば,主回路端子,接地端子など)及びその設計(例

えば,ねじ端子,プラグ端子など)によって区別されることがある。

2.1.9 

ダミーヒューズリンク(dummy fuse-link)

ワット損及び寸法を限定した試験用のヒューズリンク。

2.1.10 

試験リグ(test rig)

規定された試験用のヒューズベース。

2.1.11 

ゲージピース(gauge-piece)

ある程度の非互換性をもたせるためのヒューズベースの追加部品。

2.1.12 

連結ヒューズキャリヤ(linked fuse-carrier)

ヒューズベースに機械的に連結され,

ヒューズリンクに所定の着脱動作を行うためのヒューズキャリヤ。

2.2 

一般用語 


5

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

2.2.1 

包装ヒューズリンク(enclosed fuse-link)

その定格の範囲内において,ヒューズリンクが動作した際に,アークの伸展又はガス,炎若しくは金属

粒子の放出による外部への有害な影響がないようにヒューズエレメントを密閉したヒューズリンク(IEV 

441-18-12)。

2.2.2 

限流ヒューズリンク(current-limiting fuse-link)

規定された電流の範囲において,その動作によって電流を固有電流の波高値より十分低い値に抑制する

ヒューズリンク(IEV 441-18-10

2.2.3 

g”ヒューズリンク(全領域遮断容量ヒューズリンク,従来の一般用ヒューズリンク)[“g”fuse-link

(full-range breaking-capacity fuse-link, formerly general purpose fuse-link)]

規定された条件の下で,ヒューズエレメントが溶断を始める電流から,その定格遮断容量までの全ての

電流を遮断できる限流ヒューズリンク。

2.2.4 

a”ヒューズリンク(部分領域遮断容量ヒューズリンク,従来のバックアップヒューズリンク)[“a”

fuse-link (partial-range breaking-capacity fuse-link, formerly back-up fuse-link)]

規定された条件の下で,動作時間−電流特性に示された最小電流(

図 の k

2

I

n

)から,その定格遮断容

量までの全ての電流を遮断できる限流ヒューズリンク。

注記  “a”ヒューズリンクは,一般に,短絡保護用として用いられる。図 の k

2

I

n

より小さな過電流

の保護が必要な場合は,小さな過電流を遮断できるほかの適切な開閉装置と組み合わせて用い

る。

2.2.5 

温度 

2.2.5.1 

周囲温度,T

a

(ambient air temperature)

周囲温度 T

a

は,ヒューズの周りの空気の温度(ヒューズ又は容器がある場合にはその容器から約 1 m の

距離をとる。

2.2.5.2 

周囲流体温度,T

e

(fluid environmemt temperature)

周囲流体温度 T

e

は,ヒューズの構成部分(接触部,端子など)を冷却している流体の温度。ヒューズの

構成部分(接触部,端子など)が容器の中にある場合は,周囲温度 T

a

とヒューズの構成部分に接している

内部流体の周囲温度を基準とした温度上昇 ΔT

e

との和とする。容器の中にない場合には,T

e

は T

a

に等しい

とする。

2.2.5.3 

ヒューズの構成部分の温度,T(fuse-component temperature)

ヒューズの構成部分(接触部,端子など)の温度 は,該当する部分の温度。

2.2.6 

過電流動作協調(overcurrent discrimination)

所定の限度内の過電流が発生した場合に,あらかじめ定められた保護装置が動作し,ほかの過電流保護

装置は動作しないような,二つ以上の過電流保護装置の動作特性の協調をとること。


6

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

2.2.7 

ヒューズシステム(fuse system)

ヒューズリンクの形状,接触部のタイプなどに関して,基本的に同一の物理的設計原則に従った一群の

ヒューズ。

2.2.8 

サイズ(size)

ヒューズシステムの中の規定された寸法の組合せ。個々のサイズは,ヒューズの規定された寸法を変え

ないで,与えられた定格電流の範囲を網羅する。

2.2.9 

ヒューズリンクの同形シリーズ(homogeneous series of fuse-links)

同形シリーズの全てのヒューズリンクを代表させて,特定のヒューズリンクの一つ又は少ない数を試験

することを規定できるように,互いに特性だけが異なるように規定されたサイズの中でのヒューズリンク

のシリーズ(IEV 441-18-34,修正)

注記  同形ヒューズリンクの特性の逸脱,及びヒューズリンクが試験される細目は,試験と関連して

規定する(

表 12 及び表 13 参照)。

2.2.10 

(ヒューズリンクの)用途区分[utilization category (of a fuse link)]

ヒューズリンクがその役割を果たすために規定する要求事項と選定する実際の適用の特性グループとの

組合せ(5.7.1 参照)

2.2.11 

専門家用ヒューズ[fuses for use by authorized persons (formerly called fuses for industrial application)]

専門家だけがヒューズリンクに接近し,

交換することができる設備に用いるように意図されたヒューズ。

注記 1  非互換性及び充電部への不注意な接触に対する保護は,構造上の手法によって保証する必要

はない。

注記 2  専門家とは,IEC 60364-3 の BA4 の“教育された”

1)

 及び BA5 の“熟練した”

2)

 の範ちゅう

(疇)の者である。

1)

  教育された:  熟練した人から,電気による危険を避けることができるように十分に助言を受

け,教育された人(運転員及び保守員)

2)

  熟練した:

電気による危険を避けることができるように技術知識又は十分な経験をもつ

人(技師及び技術者)

2.2.12 

非専門家用ヒューズ[fuses for use by unskilled persons (formerly called fuses for domestic and similar)]

ヒューズリンクに,非熟練者が接近及び交換することができる装置に用いるように考慮されているヒュ

ーズ。

注記  これらのヒューズは,充電部への直接接触に対する保護が推奨される。また,非互換性が要求

されることもある。

2.2.13 

非互換性(non-interchangeability)

所定の電気的特性以外の特性のヒューズリンクを,ある特定のヒューズホルダに不注意で用いることを

避けるための形状及び寸法の制限(IEV 441-18-33


7

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

2.3 

特性 

2.3.1 

定格(rating)

試験を基本として使用条件を明らかにするとともに,装置を設計する上で特性値を指定するために用い

られる一般的な用語(IEV 441-18-36

注記  低圧ヒューズについて通常規定される定格値には,電圧,電流,遮断容量,ワット損,受容ワ

ット損及び交流における周波数がある。交流の場合,定格電圧及び定格電流は,実効値で示す。

直流の場合,リプルがある場合には,定格電圧は平均値で示し,定格電流は実効値で示す。ほ

かに指定がない場合には,上記の電圧及び電流の値を適用する。

2.3.2 

固有電流(ヒューズに関する回路の)[prospective current (of a circuit with respect to a fuse)]

各相のヒューズをインピーダンスが無視できる導体に置き換えたとき,その回路に流れる電流。

交流の場合,固有電流は,交流分実効値で表示する(IEV 441-17-01,修正)

注記  遮断容量及び通常引用するヒューズの特性,例えば,I

2

及び限流特性は固有電流で表される

8.5.7 参照)

2.3.3 

ゲート(gates)

例えば,時間−電流特性を規定するための規定値。

2.3.4 

ヒューズの遮断容量(breaking capacity of a fuse)

ヒューズが規定の使用条件及び使用状態の下で,所定の電圧において遮断し得る固有電流値(IEV 

441-17-08,修正)。 
2.3.5 

遮断領域(breaking range)

ヒューズリンクの遮断容量が保証されている固有電流の範囲。

2.3.6 

限流値(cut-off current)

固有電流波高値に到達する前に,ヒューズリンクの遮断動作中に抑制された電流の最大到達瞬時値。

2.3.7 

限流特性(cut-off current characteristic; let-through current characteristic)

規定された状態の下で,固有電流の関数として限流値を示した曲線(IEV 441-17-14

注記  交流の場合,限流値は,非対称の程度に関係なく,到達する最大値である。直流の場合には,

限流値は,規定された時定数に関連して,到達する最大値である。

2.3.8 

(ヒューズホルダの)耐電流波高値[peak withstand current (of a fuse-holder)]

ヒューズホルダが耐えることができる限流値。

注記  耐電流波高値は,そのヒューズホルダに組み合わされるいかなるヒューズリンクの限流値の最

大値以上である。

2.3.9 

溶断時間(pre-arcing time; melting time)


8

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

ヒューズエレメントが溶断するに足りる大きさの電流の流れ始めからアークが発生する瞬時までの期間

IEV 441-18-21

2.3.10 

ヒューズのアーク時間(arcing time of a fuse)

ヒューズにアークが発生した瞬時から最終に消弧するまでの期間(IEV 441-17-37,修正)

2.3.11 

動作時間(operating time; total clearing time)

溶断時間とアーク時間との和(IEV 441-18-22

2.3.12 

I

2

t

(ジュール積分)[I

2

t (joule integral)]

ある規定時間中の瞬時電流の二乗の積分(IEV 441-18-23

=

1

0

2

2

t

t

dt

i

t

I

注記 1  溶断

I

2

t

とは,溶断時間に対する

I

2

t

注記 2  動作

I

2

t

とは,動作時間に対する

I

2

t

注記 3  ヒューズで保護される回路の 1  Ω の抵抗で消費されるジュール単位のエネルギーは,A

2

s で

表した動作

I

2

t

の値とほぼ等しい。

2.3.13 

I

2

t

特性(

I

2

t

 characteristic)

規定された動作状態の下で,固有電流の関数として示した

I

2

t

値(溶断

I

2

t

及び/又は動作

I

2

t

)の曲線。

2.3.14 

I

2

t

ゾーン(

I

2

t

 zone)

規定された条件の下で,最小溶断

I

2

t

特性と最大動作

I

2

t

特性とで挟まれた領域。

2.3.15 

ヒューズリンクの定格電流,I

n

(rated current of a fuse-link)

規定された条件の下で,ヒューズリンクが劣化しないで連続して流し得る電流値。

2.3.16 

時間−電流特性(time-current characteristic)

規定された動作状態の下で,固有電流の関数として示した溶断時間又は動作時間の曲線(IEV 441-17-13

注記 0.1 秒より長い時間における溶断時間と動作時間との差は,実用上無視できる。

2.3.17 

時間−電流ゾーン(time-current zone)

規定された条件の下で,最小溶断時間−電流特性と最大動作時間−電流特性とで挟まれた領域。

2.3.18 

協約不溶断電流,I

nf

(conventional non-fusing current)

規定された時間(協約時間)内に,ヒューズリンクが溶断することなく通電できるものとして規定され

た電流値(IEV 441-18-27

2.3.19 

協約溶断電流,I

f

(conventional fusing current)

規定された時間(協約時間)内に,ヒューズリンクが動作するものとして規定された電流値(IEV 


9

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

441-18-28)。 
2.3.20 

a”ヒューズリンクの過負荷曲線(overload curve of an“a”fuse-link)

“a”ヒューズリンクが劣化することなく通電できる時間と電流との関係を示す曲線(8.4.3.4 及び

図 2

参照)

2.3.21 

ワット損(ヒューズリンクの)[power dissipation (in a fuse-link)]

規定された使用及び動作条件の下で,ヒューズリンクに指定電流を通電したとき放出される電力(IEV 

441-18-38,修正)。

注記  規定された使用及び動作条件は,通常,定常温度状態に到達した後の一定実効値電流である。

2.3.22 

受容ワット損(ヒューズベース又はヒューズホルダの)

[acceptable power dissipation (of a fuse-base or a fuse-

holder)]

規定された使用及び動作条件の下で,ヒューズベース又はヒューズホルダが受容できるヒューズリンク

のワット損(IEV 441-18-39

2.3.23 

回復電圧(recovery voltage)

電流遮断後にヒューズの端子間に現れる電圧(IEV 441-17-25,修正)

注記  この電圧は,二つの連続する期間で考慮する。一つは過渡回復電圧(2.3.23.1 参照)が存在する

期間,続いてもう一つは,商用周波回復電圧又は直流回復電圧(2.3.23.2 参照)が存在する期間

である。

2.3.23.1 

過渡回復電圧(略語 TRV)[transient recovery voltage (abbreviation TRV)]

明確な過渡特性をもつ時間内の回復電圧(IEV 441-17-26

注記 1  過渡回復電圧は,回路及びヒューズの特性によって振動したり振動しなかったり又は両方の

組合せとなる。これには,多相回路の中性点の電圧移動も含む。

注記 2  三相回路の過渡回復電圧は,特に言及しない場合は,最初に溶断した相の回復電圧である。

なぜならば,その電圧は一般にほかの二相に現れる電圧より明らかに高いからである。

2.3.23.2 

商用周波回復電圧又は直流回復電圧(power-frequency or d.c. recovery voltage)

過渡電圧現象が収まった後の回復電圧(IEV 441-17-27,修正)

注記  商用周波回復電圧又は直流回復電圧は,定格電圧のパーセンテージで示す。

2.3.24 

ヒューズのアーク電圧(arc voltage of a fuse)

ヒューズの端子間に,アーク時間中に現れる電圧の瞬時値(IEV 441-18-30

2.3.25 

絶縁距離(ヒューズの)[isolating distance (for a fuse)]

ヒューズリンク及びヒューズキャリヤを除去したヒューズで,ヒューズベースの接触部間又はそれに接

続する導電部間の最短距離(IEV 441-18-06


10

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

使用状態の条件 

この規格に適合するヒューズは,後述の制限を除き,次の条件で満足に機能するものとする。また,こ

れらの条件は,箇条 に特に規定のない限り,試験にも適用する。

3.1 

周囲温度(T

a

 

周囲温度

T

a

2.2.5.1 参照)は 40  ℃を超えず,24 時間を通じての平均値は 35  ℃以下で,1 年間を通じ

ての平均値は,それ以下とする。

周囲温度の最低値は,−5  ℃とする。

注記 1  時間−電流特性は,周囲温度 20  ℃を基準として示す。この時間−電流特性は,概略値とし

て 30  ℃の温度まで適用可能とする。

注記 2  温度条件が,これらの値と著しく相違する場合には,動作の観点から温度上昇を考慮する(附

属書 参照)。

3.2 

標高 

ヒューズの設置場所の標高は,海抜 2 000 m を超えないものとする。

3.3 

大気条件 

空気は清浄で,最高温度 40  ℃において,相対湿度は 50 %を超えてはならない。

低い温度においては,より高い相対湿度が許容される。例えば,20  ℃において 90 %。

これらの条件の下で,温度の変化によっては,一時的に度を越さない結露があってもよい。

注記  特に,屋外暴露のように 3.13.2 及び 3.3 に規定する条件と異なる条件の下でヒューズが用い

られる場合には,製造業者と協議するのがよい。このことは,海水による塩分付着又は工業排

出物が付着する場合にも適用する。

3.4 

電圧 

系統電圧の最大値は,ヒューズの定格電圧の 110 %を超えないものとする。交流を整流して得た直流に

ついては,リプルは定格電圧の 110 %を平均値として上方に 5 %,下方に 9 %以上変化してはならない。

定格 690 V のヒューズに対しては,系統電圧の最大値はヒューズの定格電圧の 105 %を超えてはならな

い。

注記  ヒューズリンクが定格電圧よりかなり低い電圧で動作する場合には,ヒューズの表示器又はス

トライカは,動作しないことがあるので注意を要する(8.4.3.6 参照)

3.5 

電流 

通電及び遮断する電流は,7.4 及び 7.5 に規定する範囲内とする。

3.6 

周波数,力率及び時定数 

3.6.1 

周波数 

交流の場合,周波数は,ヒューズリンクの定格周波数とする。

3.6.2 

力率 

交流の場合,力率は,固有電流に対応する

表 20 の値による。

3.6.3 

時定数 

直流の場合,時定数は,

表 21 に規定する値による。

時定数は,用途によって

表 21 の限度を超えることがある。このような場合の適用は,要求する時定数で

の試験で検証し,それを表示したヒューズリンクを用いる。

3.7 

装置の状態 

ヒューズは,製造業者が指定する取付方法によって取り付ける。


11

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

ヒューズが使用上異常な振動又は衝撃を受けるおそれがある場合には,製造業者と協議することが望ま

しい。

3.8 

用途区分 

用途区分(例えば,

“gG”

)は,5.7.1 に規定する。

3.9 

ヒューズリンクの動作協調 

0.1 秒より長い時間における動作協調の限界は,表 及び表 による。

“gG”及び“gM”ヒューズリンクの溶断

I

2

t

値は

表 により,また,動作

I

2

t

値はこの規格群のほかの部

による。ほかの遮断領域及び用途区分は,この規格群のほかの部による。

類別 

ヒューズは,箇条 及びこの規格群のほかの部によって類別する。

ヒューズの特性 

5.1 

特性の概要 

ヒューズの特性は,適用可能な場合には,5.1.15.1.3 の項目を規定する。

5.1.1 

ヒューズホルダ 

a)  定格電圧(5.2 参照)

b)  定格電流(5.3.2 参照) 
c)  交流・直流の別,交流の場合は定格周波数(5.4 参照) 
d)  定格受容ワット損(5.5 参照)

e)  寸法又はサイズ 
f)  単極より多い場合の極数 
g)  最大耐電流

5.1.2 

ヒューズリンク 

a)  定格電圧(5.2 参照) 
b)  定格電流(5.3.1 参照)

c)  交流・直流の別,交流の場合は定格周波数(5.4 参照) 
d)  定格ワット損(5.5 参照) 
e)  時間−電流特性(5.6 参照)

f)  遮断領域(5.7.1 参照) 
g)  定格遮断容量(5.7.2 参照) 
h)  限流特性(5.8.1 参照)

i)

I

2

t

特性(5.8.2 参照)

j)  寸法又はサイズ 
5.1.3 

完成品ヒューズ 

保護等級は,JIS C 0920 による。

5.2 

定格電圧 

交流の定格電圧の標準値は,

表 による。


12

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

表 1−ヒューズの交流定格電圧の標準値 

単位  V

系列 I

系列 II

− 120

a)

− 208

230

a)

 240

− 277

a)

400

a)

 415

500 480

a)

690

a)

 600

1 000

a)

 347

a)

  IEC 60038 による値。当面は,表のほかの値も

用いることができる。

直流の定格電圧の推奨値を,

表 22 に示す。

表 22−ヒューズの直流定格電圧の推奨値 

単位  V

系列 I

系列 II

− 110

a)

220

a)

− 250 
400

440

a)

 460

500

− 600

a)

750

a)

1 000

− 1

200

1 500

a)

a)

  IEC 60038 による値。当面は,表のほかの値も

用いることができる。

注記  ヒューズリンクの定格電圧は,用いるヒューズホルダの定格電圧と異なる値でよい。ヒューズ

の定格電圧は,その部品(ヒューズホルダ及びヒューズリンク)のうちの最低値である。

5.3 

定格電流 

5.3.1 

ヒューズリンクの定格電流 

ヒューズリンクの定格電流は,アンペアで表し,次の値から選択することが望ましい。

2,4,6,8,10,12,16,20,25,32,35,40,50,63,80,100,125,160,200,250,315,400,500,

630,800,1 000,1 250

上記の数値より低い値,中間の値,又は高い値が必要な場合は,ISO 3 の R10 の系列から選択すること

が望ましい。例外として,ISO 3 の R20 の系列から選択することが望ましい。

5.3.2 

ヒューズホルダの定格電流 

ヒューズホルダの定格電流は,アンペアで表し,この規格群のほかの部で特に規定がない場合には,ヒ


13

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

ューズリンクの定格電流の系列から選択することが望ましい。

“gG”及び“aM”ヒューズのヒューズホル

ダの定格電流は,使用を意図するヒューズリンクの最大定格電流を表示する。

5.4 

定格周波数(6.1 及び 6.2 参照) 

定格周波数の表示がない場合には,ヒューズは,周波数が 45∼62 Hz で,この規定の条件に適合するこ

とを意味する。

5.5 

ヒューズリンクの定格ワット損及びヒューズホルダの定格受容ワット損 

ヒューズリンクの定格ワット損は,この規格群のほかの部で特に規定がない場合には,製造業者の指定

による。規定する試験条件でこの値を超えてはならない。

ヒューズホルダの定格受容ワット損は,この規格群のほかの部で特に規定がない場合には,製造業者の

指定による。ヒューズホルダの最大ワット損は,規定する試験条件で規定の温度上昇を超えずに耐えるこ

とができるものとする。

5.6 

時間−電流特性の制限 

時間−電流特性は,周囲温度

T

a

=20  ℃を基準とする。

5.6.1 

時間−電流特性,及び時間−電流ゾーン 

時間−電流特性及び時間−電流ゾーンは,ヒューズリンクの設計に依存する。さらに,特定のヒューズ

リンクでは,周囲温度及び冷却条件にも依存する。

注記 1  3.1 による温度範囲から外れる周囲温度における場合は,製造業者との協議を必要とする。

この規格群のほかの部で規定する時間−電流ゾーンに適合しないヒューズリンクについては,製造業者

は,許容差を含み,次のいずれかを提供することが望ましい。

−  溶断時間−電流特性,及び動作時間−電流特性

−  時間−電流ゾーン

注記 2 0.1 秒未満の溶断時間については,製造業者は,許容差を付した

I

2

t

特性を提供することが望

ましい(5.8.2 参照)

0.1 秒以上の溶断時間について時間−電流特性を表示する場合には,電流を横軸に,時間を縦軸として示

すことが望ましい。両座標軸とも,対数目盛を用いる。

対数目盛の値が 10 倍になる寸法が長い方を横軸とし,その寸法の比率が 2:1 となる両対数目盛とする。

グラフは,ISO 478 又は ISO 593 に従った A3 又は A4 とする。

対数目盛の値が 10 倍になる寸法は,次の系列から選択する。

2 cm,4 cm,8 cm,16 cm,及び 2.8 cm,5.6 cm,11.2 cm

注記 3  可能な限り,2.8 cm(縦軸)及び 5.6 cm(横軸)の値を選んで用いることを推奨する。

5.6.2 

協約時間及び協約電流 

“gG”及び“gM”ヒューズリンクの協約時間及び協約電流は,

表 による。


14

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

表 2−“gG”及び“gM”ヒューズリンクの協約時間及び協約電流 

gG の定格電流  I

n

協約時間

協約電流

gM の特性電流  I

ch

b)

I

nf

I

f

A h

    I

n

 < 16

1

a) b) 

 16

≦ I

n

 ≦ 63

1

 63

< I

n

 ≦ 160

2

1.25 I

n

1.6 I

n

 160

< I

n

 ≦ 400

3

 400

< I

n

 4

a)

 16

A 未満の定格電流のヒューズリンクに対する値は,ほ

かの部に示す。

b)

  “gM”ヒューズリンクについては,5.7.1 参照。

注記 4  対応国際規格では,表 の表題に“gK”が含まれているが,明らかに間違いであるため削除

した。

5.6.3 

ゲート 

“gG”及び“gM”ヒューズリンクのゲートは,

表 による。

表 3−“gG”及び“gM”ヒューズリンクの規定溶断時間に対するゲート

a)

単位  A

gG の I

n

I

min

(10 s)

c)

I

max

(5 s)

I

min

(0.1 s)

I

max

(0.1 s)

gM の I

ch

b)

16 33  65 82 150 
20 42  85 110 200 
25 52 110 150 260 
32 75 150 200 350 
35 83 175 225 445 
40 95 190 260 450 
50 125  250 350  610 
63 160  320 450  820 
80 215  425 610

1

100

100 290  580 820

1

450

125

355

715

1 100

1 910

160

460

950

1 450

2 590

200

610

1 250

1 910

3 420

250

750

1 650

2 590

4 500

315

1 050

2 200

3 420

6 000

400

1 420

2 840

4 500

8 060

500

1 780

3 800

6 000

10 600

630

2 200

5 100

8 060

14 140

800

3 060

7 000

10 600

19 000

1 000

4 000

9 500

14 140

24 000

1 250

5 000

13 000

19 000

35 000

a)

 16

A 未満の定格電流のヒューズリンクに対する値は,ほかの部に示す。

b)

  “gM”ヒューズリンクについては,5.7.1 参照。

c)

  I

min

(10 s)は,溶断時間が 10 秒以上の電流の最小値。


15

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

注記 5  対応国際規格では,表 の表題に“gK”が含まれているが,明らかに間違いであるため削除

した。

“aM”ヒューズの周囲温度 20  ℃を基準とした時間−電流特性のゲートは,

表 及び図 による。標準

化した係数

k

は,

k

0

=1.5,

k

1

=4 及び

k

2

=6.3 である。

表 4−“aM”ヒューズリンクのゲート(全定格電流) 

 4

I

n

 6.3

I

n

 8

I

n

 10

I

n

 12.5

I

n

19 I

n

動作時間

t

operating

− 60

s −

0.5 s

0.10 s

溶断時間

t

pre-arcing

 60

s  −

0.5 s

0.2 s

“gD”及び“gN”ヒューズリンクのゲートは,JIS C 8269-2 

ヒューズシステム による。

“gK”ヒューズリンクのゲートは,JIS C 8269-2 

ヒューズシステム による。

5.7 

遮断領域及び遮断容量 

5.7.1 

遮断領域及び用途区分 

最初の文字は,遮断領域を表す。

−  “g”ヒューズリンク(全領域が遮断可能なヒューズリンク)

−  “a”ヒューズリンク(部分領域が遮断可能なヒューズリンク)

第二の文字は,用途区分を示す。この文字は,時間−電流特性,協約時間及び協約電流並びにゲートを

明確にする。

例を次に示す。

− gG は,一般用の全領域が遮断可能なヒューズリンクを示す。

− gK は,一般用の全領域が遮断可能なヒューズリンクを示す。

− gM は,電動機回路保護用の全領域が遮断可能なヒューズリンクを示す。

− aM は,電動機回路保護用の部分領域が遮断可能なヒューズリンクを示す。

− gD は,タイムディレー特性の全領域が遮断可能なヒューズリンクを示す。

− gN は,非タイムディレー特性の全領域が遮断可能なヒューズリンクを示す。

注記 1  現在,“gG”ヒューズリンクは,特性が電動機の始動電流に耐えるのに適している場合には,

電動機回路の保護に用いられている。

注記 2  二重定格電流をもつ“gM”ヒューズリンクは,二つの電流値で区分する。最初の値

I

n

は,ヒ

ューズリンクの定格電流及びヒューズホルダの定格電流の両方を示し,

第 2 の値

I

ch

は,

表 2

表 及び表 のゲートで規定するヒューズリンクの時間−電流特性を示す。

二つの定格は,適用を明確にする一つの文字で区分する。

I

n

M

I

ch

は,G 特性(用途区分)をもち電動機回路保護を使用目的としたヒューズを表

す。最初の値

I

n

は,全体のヒューズについての最大連続電流に該当し,次の値

I

ch

は,

ヒューズリンクの G 特性に該当する。

注記 3  “aM”ヒューズリンクは,一つの電流値

I

n

並びに 8.4.3.3.1 及び

図 に示した時間−電流特性

で特徴付けられる。

5.7.2 

定格遮断容量 

ヒューズの定格遮断容量は,定格電圧に対応した値で,製造業者が指定する。最小定格遮断容量の値は,


16

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

この規格群のほかの部による。

5.8 

限流特性及び I

2

t

特性 

限流特性及び

I

2

t

特性の値は,製造上の許容差を考慮し,かつ,この規格群のほかの部で規定する使用条

件,例えば,電圧,周波数及び力率を考慮したものとする。

5.8.1 

限流特性 

限流特性は,使用中に発生すると想定される電流の最大瞬時値で表す(8.6.1 及び

附属書 参照)。

限流特性を要求し,かつ,この規格群のほかの部に規定がない場合には,製造業者が

図 に示す例に従

って固有電流を横軸とした両対数表示方法で示す。

5.8.2 

I

2

t

特性 

0.1 秒から定格遮断容量での溶断時間に相当する時間までの溶断

I

2

t

特性は,製造業者が提供する。それ

らは,使用中に発生すると想定される固有電流の関数として,最低値で表す。

規定の電圧をパラメータとした溶断時間が 0.1 秒以下の動作

I

2

t

特性は,

製造業者が提供する。

それらは,

使用中に発生すると想定される固有電流の関数として,最大値で表す。

図形で示す場合の

I

2

t

時性は,固有電流を横軸とし,

I

2

t

値を縦軸として表示する。両対数表示方法で示

す(対数目盛の使用は,5.6.1 参照)

表示 

表示は,耐久性があり,読みやすいものでなければならない。適合性は,目視及び次の試験によって確

認する。

表示を水に浸した布片を用いて手で 5 秒間こすり,更に脂肪族溶剤ヘキサンに浸した布片で 5 秒間こす

る。

注記  芳香族の体積含有率が最大 0.1 %以下,カウリ・ブタノール値が約 29,初留点が約 65  ℃,乾

点が約 69  ℃であって,かつ,比重が約 0.68 g/cm

3

の脂肪族溶剤ヘキサンを用いることが望まし

い。

6.1 

ヒューズホルダの表示 

全てのヒューズホルダに,次の事項を表示する。

−  製造業者名,又は製造業者が容易に確認できる商標

−  5.1.1 に基づく全ての特性を知るための製造業者の照会リスト

−  定格電圧

−  定格電流

−  必要な場合は,電流の種類及び定格周波数

注記  交流定格で表示するヒューズホルダは,直流にも使用できる。ヒューズホルダが取外しできる

ヒューズベース及びヒューズキャリヤで構成されている場合には,識別のために両者に別々に

表示することが望ましい。

6.2 

ヒューズリンクの表示 

小形のヒューズリンクで表示が不可能な場合を除いて,

全てのヒューズリンクに,

次の事項を表示する。

−  製造業者名,又は製造業者が容易に確認できる商標

−  5.1.2 に基づく全ての特性を知るための製造業者の照会リスト

−  定格電圧

−  定格電流(

“gM”形については,5.7.1 参照)


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

−  遮断領域及び適用する場合は,用途区分(文字コード)

5.7.1 参照)

−  交流・直流の別,交流の場合は定格周波数(5.4 参照)

注記  ヒューズリンクが交流及び直流両用である場合は,ヒューズリンクは,交流及び直流用を区別

して表示することが望ましい。

小形のヒューズリンクで全ての規定項目をその上に表示することが不可能な場合には,商標,製造業者

の照会リスト,定格電圧及び定格電流を表示する。

6.3 

表示記号 

交流・直流の別,及び周波数の表示記号は,IEC 60417 による。

注記  例えば,定格電流及び定格電圧は,次のように表示してもよい。

10 A  500 V,10/500 又は

500

10

構造の標準条件 

7.1 

機械的設計 

7.1.1 

ヒューズリンクの取換え 

ヒューズリンクは,十分な機械的強度をもち,かつ,接触部は,確実に固定する。ヒューズリンクは,

容易に,かつ,安全に取換えが可能でなければならない。

7.1.2 

端子を含む接続 

固定接続は,使用及び動作時に必要な接触力が保たれるものでなければならない。

絶縁材料の収縮又は変形を補償できる十分な弾性が金属部材にない場合,磁器,又は磁器と同等以上の

特性をもつほかの材料を除いて,絶縁材料を介して接続の接触力を伝達させてはならない。必要な場合,

試験をこの規格群のほかの部に規定する。

端子は,接続ねじを締め付けた場合に,回転又は移動せず,かつ,導体が移動してはならない。導体を

把持する部分は,金属とし,過度に導体に損傷を与えない形状でなければならない。

端子は,カバーがある場合には,それを外したときに,指定の取付状態で,容易に接続できるものでな

ければならない。

注記  外部銅導体用のねじなし端子付きヒューズホルダの個別要求事項は,附属書 に規定がある。

7.1.3 

ヒューズ接触部 

ヒューズ接触部は,使用及び作動状態で,特に 7.5 に対応する条件で,必要な接触圧を保持できるもの

でなければならない。

接触部は,7.5 に規定する条件で,作動中に生じる電磁力に対し,次の部分間の電気的接続を損なわない

ものでなければならない。

a)  ヒューズホルダとヒューズキャリヤとの間 
b)  ヒューズキャリヤとヒューズリンクとの間 
c)  ヒューズリンクとヒューズホルダ,又は必要がある場合には,ほかの支持物との間

さらに,ヒューズ接触部は,ヒューズを正しく取り付け,かつ,通常の使用条件の場合,次の条件で適

切な接触が維持できる材料で構成する。

d)  繰返し取付け及び取外しを行った後 
e)  長期間の使用状態で放置した後(8.10 参照)


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

銅合金のヒューズ接触部は,劣化によるひび割れを生じてはならない。

これらの要求事項は,8.108.11.2.1 及びこの規格群のほかの部の箇条 によって確認する。

7.1.4 

ゲージピースの構造 

ゲージピースがある場合,ゲージピースは,使用中に発生する通常の圧力に耐えるように設計する。

7.1.5 

ヒューズリンクの機械的強度 

ヒューズリンクは,十分な機械的強度をもち,かつ,接触部は,確実に固定する。

7.2 

絶縁性能及び絶縁適合性 

ヒューズは,通常の使用電圧で絶縁性能を損なってはならない。ヒューズが通常の開位置にある場合,

すなわち,ヒューズリンクがヒューズキャリヤ内にある場合,又はヒューズリンク,若しくは適用できる

場合,ヒューズキャリヤを外した場合,ヒューズは絶縁適合性がなければならない。適用する過電圧カテ

ゴリは,この規格群のほかの部で規定する。

ヒューズは,

8.2 による絶縁性能及び絶縁適合性検証試験に合格した場合に条件を満足したものとみなす。

絶縁材料又はシーリングコンパウンドの最小沿面距離,空間距離及び絶縁物を通しての距離は,この規

格群のほかの部で規定する値に適合しなければならない。

7.3 

ヒューズリンクの温度上昇及びワット損並びにヒューズホルダの定格受容ワット損 

ヒューズホルダは,標準使用状態で,ヒューズリンクの定格電流を超えない範囲で連続して通電できる

よう,次のように設計し,かつ,配置する。

−  製造業者が指定するか,又はこの規格群のほかの部で規定するヒューズホルダの受容ワット損におけ

る温度上昇限度は,

表 による。

ヒューズリンクは,通常使用状態で,その定格電流を超えない範囲で連続して通電できるよう,次のよ

うに設計し,かつ,配置する。

−  ヒューズリンクの定格ワット損は,製造業者が指定するか,又はこの規格群のほかの部で規定する。

特に,次の状態において,

表 に規定する温度上昇限度を超えてはならない。

−  ヒューズリンクの定格電流が,そのヒューズリンクを装着するヒューズホルダの定格電流と同一の場

合。

−  ヒューズリンクのワット損が,ヒューズホルダの定格受容ワット損と同一の場合。

これらの要求事項は,8.3 の試験によって確認する。


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

表 5−接触部及び端子の温度上昇限度  ΔT(TT

a

温度上昇

K

開放形

a)

密閉形

b)

接触部

g) i)

ばね接触

裸銅 40

45

裸黄銅 45

50

すずめっき 55

f)

 60

f)

ニッケルめっき 70

c) e) h)

 75

c) e) h)

銀めっき

c) c) 

ボルト締め

裸銅 55

60

裸黄銅 60

65

すずめっき 65

f)

 65

f)

ニッケルめっき 80

c) e) h)

 85

c) e) h)

銀めっき

c) c) 

端子

裸銅 55

60

裸黄銅 60

65

すずめっき 65

65

銀又はニッケルめっき

70

d)

 70

d)

a)

  T

e

T

a

の場合(2.2.5 参照)

b)

  ΔT

e

の値は,10∼30 K(10 K≦ΔT

e

≦30 K)の範囲で適用する。周囲温度 T

a

は,

40  ℃を超えないことが望ましい。

c)

  周辺部品への何らかの損傷を与えないための制限。

d)

  温度上昇の限度は,PVC 絶縁導体の仕様で決まる。

e)

  与えられた値は,この規格群のほかの部に規定する接触部の断面積及び材料

のヒューズシステムには適用しない。

f)

  不劣化検証試験期間中に接触部が実際の温度で劣化しないことが検証された

場合はこれらの限度を超えてもよい。

g)

  この値は,ある種の小さすぎる接触部では,失敗の危険なしで温度測定がで

きないので適用できない。

h)

  ニッケルめっきの接触部は,その電気抵抗が比較的高いので,その設計にお

いて比較的高い接触圧力の使用又はその他による適切な対応が必要である。

i)

  接触部の不劣化試験は,8.10 による。

7.4 

動作 

ヒューズリンクは,適切な試験配置で定格周波数及び周囲温度 20±5  ℃で試験したとき,次の機能をも

つように設計かつ配置する。

−  定格値を超えない電流を連続して流すことができる。

−  通常の使用状態で発生する過負荷条件に耐えることができる(8.4.3.4 参照)

“g”ヒューズリンクは,協約時間以内では,次を満足しなければならない。

−  協約不溶断電流(

I

nf

)以下で通電する場合,ヒューズリンクは動作しない。

−  協約溶断電流(

I

f

)と等しいか,又はそれ以上の電流で溶断する。

注記  時間−電流特性が必要な場合,考慮する。

“a”ヒューズリンクは,次を満足しなければならない。

−  過負荷曲線が示す時間に相当する間

k

1

I

n

以下で通電する場合,ヒューズリンクは動作しない(

図 


20

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

照)

−  電流値

k

1

I

n

k

2

I

n

との間では,溶断時間が溶断時間−電流特性に示した値より大きい場合には,ヒュ

ーズエレメントは溶断してよい。

−  ヒューズリンクは,

k

2

I

n

を超える電流では,アーク時間を含む時間−電流領域以内に動作する。

8.4.3.3 で測定した時間−電流値は,製造業者が提供する時間−電流特性領域以内に収まらなければなら

ない。

8.4 の試験に合格したヒューズリンクは,これらの条件を満足したものとみなす。

7.5 

遮断容量 

ヒューズは,定格周波数及び 8.5 に規定する回復電圧を超えない電圧において,次のいかなる固有電流

も遮断できなければならない。

−  “g”ヒューズリンクにおける電流

I

f

−  “a”ヒューズリンクにおける電流

k

2

I

n

−  交流の場合には,

表 20 に規定する固有電流値に対応する値以上の力率における遮断容量

−  直流の場合には,

表 21 に規定する固有電流値に対応する値以下の時定数における遮断容量

8.5 に規定する回路でヒューズリンクが動作中,アーク電圧は表 の値を超えてはならない。

注記  ヒューズリンクを定格電圧より低い電圧の系統電圧に用いる場合,系統電圧に対応する表 

アーク電圧値を超えないように配慮することが望ましい。

表 6−最大アーク電圧 

単位  V

ヒューズリンクの定格電圧  U

n

最大アーク電圧波高値

交流及び直流

60 以下 1

000

 61 以上 300 以下 2

000

 301 以上 690 以下 2

500

 691 以上 800 以下 3

000

 801 以上 1

000 以下 3

500

直流

1

001 以上 1

200 以下 3

500

 1

201 以上 1

500 以下 5

000

注記 16

A 未満の定格電流のヒューズリンクの最大アーク電圧は,この規格で規定しな

いが,検討中。

8.5 に規定する試験に合格したヒューズは,これらの条件を満足したものとみなす。

7.6 

限流特性 

この規格群のほかの部に規定がない場合,8.6 の規定で測定した限流値は,製造業者が指定した特性値以

下でなければならない(5.8.1 参照)

注記  実溶断時間の関数としての限流特性は,附属書 を参照。

7.7 

I

2

t

特性 

8.7 によって検証した溶断

I

2

t

値は,5.8.2 によって製造業者が提示した特性以上で,かつ,

表 の“gG”

及び“gM”ヒューズリンクに規定する限界以内でなければならない。溶断時間が 0.01 秒未満の場合は,

必要に応じてこの規格群のほかの部で規定する。

“gK”ヒューズリンクの値は,JIS C 8269-2 

ヒューズシ

ステム による。


21

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

“gD”及び“gN”ヒューズリンクの値は,JIS C 8269-2 

ヒューズシステム による。

8.7 によって検証した動作

I

2

t

値は,5.8.2 によって製造業者が提供した特性,又はこの規格群のほかの部

の規定値以下でなければならない。

表 7−“gG”及び“gM”ヒューズリンクの 0.01 秒における溶断 I

2

t

 

gG の I

n

最小 I

2

t

最大 I

2

t

gM の I

ch

a)

A 10

3

×(A

2

s) 10

3

×(A

2

s)

16 0.3

1.0

20 0.5

1.5

25 1.0

3.0

32 1.8

5.0

35 2.2

8.0

40 3.0

9.0

50 5.0

16.0

63 9.0

27.0

80 16.0

46.0

100 27.0

86.0

125 46.0

140.0

160 86.0

250.0

200 140.0

400.0

250 250.0

760.0

315 400.0

1

300.0

400 760.0

2

250.0

500

1 300.0

3 800.0

630

2 250.0

7 500.0

800

3 800.0

13 600.0

1 000

7 840.0

25 000.0

1 250

13 700.0

47 000.0

a)

  “gM”については,5.7.1 参照。

7.8 

ヒューズリンクの過電流選択性 

過電流選択性に関する要求事項は,ヒューズシステム,定格電圧及びヒューズの適用によって決まる。

関連の要求事項は,この規格群のほかの部で規定する。

7.9 

感電に対する保護 

感電に対する人体の保護には,次の三つの状態を考慮する。

−  完成品ヒューズが,ヒューズホルダ,ヒューズリンク,並びに必要な場合はゲージピース,ヒューズ

キャリヤ及びヒューズの閉鎖構造部分において,正しく据え付け,結線しているとき(正常の使用状

態)

−  ヒューズリンクの取替え中。

−  ヒューズリンク,及び使用している場合には,ヒューズキャリヤを取り外すとき。

定格電圧及びヒューズの過電圧カテゴリに該当する

表 による定格インパルス耐電圧は,この規格群の

ほかの部で規定する。

要求事項は,この規格群のほかの部で規定する。8.8 も参照。


22

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

表 8−定格インパルス耐電圧 

ヒューズの定格電圧

定格インパルス耐電圧  U

imp

(1.2/50 μs)

以下 kV

過電圧カテゴリ

V IV

III

II

I

230

4  2.5 1.5 0.8

400 6

4

2.5

1.5

690

8 6 4 2.5

000  12 8 6 4

7.9.1 

空間距離及び沿面距離 

空間距離は,過電流による破壊放電の危険を減少させるため,

表 の値以上とする。

表 9−大気中の最小空間距離 

定格インパルス耐電圧

U

imp

最小空間距離

mm

kV

不平等電界状態

0.8 0.8 
1.5 0.8 
2.5 1.5 
4.0 3.0 
6.0 5.5 
8.0 8.0

12.0 14.0

注記  大気中の最小空間距離の値は,標高 2 000 m の通常大気圧と同等の大気圧 80 kPa における,イン

パルス電圧 1.2/50 μs に基づく。

沿面距離は,JIS C 60664-1 の 4.8.1.3 で規定する材料グループ及び

表 10 の定格電圧に対応しなければな

らない。

表 10−最小沿面距離 

ヒューズの定格電圧

以下

長期間電圧が加わる機器の沿面距離

mm

V

材料グループ

I

材料グループ

II

材料グループ

III

230  3.2 3.6 4 
400 5  5.6 6.3 
690 8  9 10

1 000

12.5

14

16

7.9.2 

絶縁性適合ヒューズの漏れ電流 

絶縁性が適合する定格電圧 50 V 以上のヒューズは,漏れ電流を開状態で接触部の両極を通して測定する。

漏れ電流値は,定格電圧の 1.1 倍の試験電圧で,次の値を超えてはならない。

−  新しい状態でヒューズの極ごとに 0.5 mA


23

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

−  8.5 による試験を実施したヒューズの極ごとに 2 mA

7.9.3 

絶縁性が適合する連結ヒューズキャリヤのヒューズの追加構造要求事項 

ヒューズホルダは,JIS C 0617 の S00369 の図記号を表示する。

注記 1  図記号 JIS C 0617-S00369(DB:2001-07)(以前は,JIS C 0617-7 の図記号 07-21-08)

ヒューズが開位置のとき,ヒューズリンクを内蔵するヒューズキャリヤは,絶縁機能が一致するヒュー

ズ接触部間の絶縁距離を指定しなければならない。この位置の表示は,ヒューズキャリヤの位置によって

指定する。

この要求事項は,8.2 によって確認する。

ヒューズを絶縁位置でロックするために製造業者が指定したロック機構があるときは,ロックはその位

置だけで可能でなければならない。ヒューズは,ヒューズキャリヤが開位置及び閉位置の正確な表示をも

つヒューズホルダに取り付けられたままになるように設計する。

注記 2  閉位置のロックは,特定の場合に許容される。

電気回路に組み込むヒューズは,主極に接続し,絶縁試験の間は,電気回路を開放してよい。

7.10  耐熱性 

全ての部品は,通常の使用状態で発生する熱に十分耐えなければならない。

この規格群のほかの部に規定がない限り,8.9 及び 8.10 の試験で満足な結果が得られた場合には,この

要求事項に適合したものとみなす。

7.11 

機械的強度 

ヒューズの全ての部分は,通常使用時に発生する機械的応力に十分耐えなければならない。

この規格群のほかの部に規定がない限り,

8.38.5 及び 8.11.1 の試験で満足な結果が得られた場合には,

この要求事項に適合したものとみなす。

7.12  耐食性 

ヒューズの全ての金属部分は,通常使用時に発生する腐食の影響に耐えなければならない。

7.12.1  耐さび性 

鉄の部分は,関連する試験に適合するように保護する。

この規格群のほかの部に規定がない限り,8.2.2.3.2 及び 8.11.2.3 の試験で満足な結果が得られた場合には,

この要求事項に適合したものとみなす。

7.12.2  耐応力腐食割れ 

電流を通じる部分は,応力腐食割れに対して十分耐えなければならない。関連する試験は,8.2.2.3.2 

び 8.11.2.1 に規定する。

7.13  耐異常熱及び耐火炎 

ヒューズの全ての部分は,異常な熱及び火炎に対して十分耐えなければならない。関連する試験は,

8.11.2.2 に規定する。 
7.14  電磁両立性 


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

この規格が対象とするヒューズは,通常,電磁妨害に敏感ではない。したがって,イミュニティ試験を

必要としない。

ヒューズによって発生する重大な電磁妨害は,その動作瞬時に限定される。形式試験における動作期間

中の最大アーク電圧が 7.5 の要求事項に適合する場合,電磁両立性を満足したものとみなす。

試験 

8.1 

一般 

8.1.1 

試験の種類 

この箇条で規定する試験は,形式試験で,製造業者の責任で行う。

これらの試験中に,一つが不合格になっても,製造業者がそのヒューズの形式に特有の欠点ではなく,

試験試料に固有の欠点である証拠を提出できる場合は,関連の試験を再度実施できる。ただし,これは,

遮断試験には適用しない。

受渡試験は,使用者と製造業者との協定によって,形式試験から試験項目を選定する。

形式試験は,特定の形式のヒューズ又は同形シリーズ(8.1.5.2 参照)を構成するヒューズが,規定の特

性に合致し,通常の使用条件又は特定の条件で満足に動作することを検証するために行う。

形式試験に合格した場合は,全ての同一構造のヒューズが,この規格の要求事項に合致することが証明

されたものとみなす。

ヒューズの部品を変更した場合,実施済みの形式試験結果に反する影響を免れないときには,再び形式

試験を行う。

8.1.2 

周囲温度(T

a

 

周囲温度は,通風及び熱放射に対して保護された測定装置で,ヒューズの中心の高さで約 1 m 離して測

定する。各々の試験開始時には,ヒューズは,ほぼ周囲温度に等しくする。

8.1.3 

ヒューズの状態 

試験は,清浄で乾燥したヒューズで行う。

8.1.4 

ヒューズの配置及び寸法 

保護等級試験(8.8 参照)を除き,ヒューズは,自由空気の通風がない環境で,通常の使用状態(例えば,

垂直)で,かつ,特に指定がない限り,試験中のヒューズに外力を与えないで,試験中の力に耐える十分

堅固な絶縁材上に据え付ける。

ヒューズリンクは,通常の使用状態でそのヒューズリンクを用いるヒューズホルダに,又はこの規格群

のほかの部の関連箇条の規定に従った試験リグに取り付ける。

試験開始前に,規定の外形寸法を測定し,その結果を製造業者のデータシートの寸法,又はこの規格群

のほかの部に規定する寸法と比較する。

8.1.5 

ヒューズリンク試験 

ヒューズリンクは,この規格群のほかの部で特に規定がない限り,ヒューズリンクに対応した電流で試

験する。交流の場合は,定格周波数とする。

8.1.5.1  全項目試験 

試験開始前に全ての試料の内部抵抗

R

を周囲温度 20±5  ℃において,0.1

I

n

を超えない電流で測定する。

R

の値を試験報告書に記録する。

全試験の概要は,

表 11 による。

8.1.5.2  同形シリーズのヒューズリンクの試験 


25

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

次の条件が成り立つ場合には,異なる定格電流のヒューズリンクは,同形シリーズを形成しているとみ

なす。

−  ヒューズエレメントを除き,封入体が同一の寸法,形状及び構造である。この条件は,ヒューズリン

クの接触部だけが異なるときに適用できる。この場合の試験は,最も不利な試験結果が得られると想

定されるヒューズリンク接触部のヒューズリンクで行う。

−  消弧剤が同じで,かつ,充塡の完全さが同じである。

−  ヒューズエレメントが同一の材料である。長さ及び形状も同じである。

注記  例えば,異なる厚さの材料を同じ工具で成形した場合がある。

−  ヒューズエレメントの長さに沿って変化する断面積及びヒューズエレメントの数は,最大の定格電流

をもつヒューズエレメントの断面積及びエレメント数を超えてはならない。

−  隣接するヒューズエレメント間及びヒューズエレメントと筒の内面との間の最小距離は,最大定格電

流をもつヒューズリンクの最小距離以上とする。

−  与えられたヒューズホルダとともに用いるのに適している場合,又はヒューズホルダなしで用いる場

合,同形シリーズの全ての定格電流のものは,同一に調整している。

−  温度上昇試験に関して,発生する

RI

n

3/2

は,対応する同形シリーズの最大定格電流をもつヒューズリン

クの

RI

n

3/2

以下とする。ヒューズリンクの抵抗値

R

は,8.1.5.1 に規定する方法で測定する。

−  遮断容量試験に関して,定格遮断容量は同形シリーズ中で最大の定格電流をもつヒューズリンクの定

格遮断容量よりも大きくてはならない。これに適合しない場合は,大きな定格遮断容量をもつヒュー

ズリンクの中で,最大定格電流のヒューズリンクで試験 No.1 及び No.2 を行う。

同形シリーズのヒューズリンクの試験は,次による。

−  最大定格電流のヒューズリンクは,

表 11 によって試験する。

−  最小定格電流のヒューズリンクは,

表 12 によって試験する。

−  最大と最小との中間の定格電流のヒューズリンクは,

表 13 によって試験する。


26

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

表 11−ヒューズリンクの全項目試験の概要及び試験数 

試験項目

試験数

“g”ヒューズリンク

“a”ヒューズリンク

1 1 1 1 1 1 3 3 1 3 1 1 1 1 3 1  1  1  1  3  3  1 4 3 3

8.1.4  寸法

× × ×

× × ×

8.1.5.1  抵抗

× × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × × ×

8.3  温度上昇及びワット損

×

×

8.4.3.1 a)  協約不溶断電流

×

8.4.3.1 b)  協約溶断電流

×

8.4.3.2   定格電流

  ×

8.4.3.3   時間−電流特性,ゲート

“g”ヒューズリンクのゲート

 a)  I

min

(10 s)

×

 b)  I

max

(5 s)

×

 c)  I

min

(0.1 s)

×

 d)  I

max

(0.1 s)

×

“a”ヒューズリンクのゲート

×

8.4.3.4   過負荷

×

×

8.4.3.5   協約ケーブル過負荷保護

×

8.4.3.6   表示器

c)

× × × × ×

  × × × × ×

  ストライカ

c)

× × × × × ×

  × × × × × ×

8.5 No.5  遮断容量

a)

×

  ×

 No.4  遮断容量

a)

×

    ×

 No.3  遮断容量

a)

×

      ×

 No.2  遮断容量

b)

×

        ×

 No.1  遮断容量

b)

×

          ×

8.6  限流特性

d)

8.7  I

2

特性

d)

8.8  保護級別

d)

8.9  耐熱性

d)

8.10  接触部不劣化

d)

8.11.1  機械的強度

d)

8.11.2.1  耐応力腐食割れ性

d) e)

8.11.2.2  耐異常熱及び耐火炎

d)

×

×

8.11.2.3  耐さび性

d)

注記  ×は,試験を実施することを意味する。 

a)

  周囲温度が 15∼25  ℃である場合は,時間−電流特性にも有効(8.4.3.3 参照)。

8.4.3.3 の 3 a)4 a)  及び 5 a)  によって試験リグで試験されたヒューズリンクを用いてもよい。

b)

  限流特性及び I

2

特性にも有効(8.6 及び 8.7 参照)。

c)

  表示器又はストライカをもつヒューズリンクだけに限る。

d)

  ヒューズシステムに関連して 8.68.11 による試験は,この規格群のほかの部で規定。試験の試料数は,シス

テム及び材料によって決まる。

e)

  導電部が銅 83 %未満の圧延銅合金製のヒューズリンクの場合に適用。


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:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

表 12−同形シリーズの最小定格電流ヒューズリンクの試験の概要及び試験数 

試験項目

試験数

“g”ヒューズリンク

“a”ヒューズリンク

1

1

1

1

1

3

1

1

3

1

1

1

1

1

1

1

3

1

3

4

8.1.4  寸法

× × ×

  ×  ×  ×

8.1.5.1  抵抗

× × × × × × × × × × × × ×  ×  ×  ×  ×  × × ×

8.4.3.1 a)  協約不溶断電流

×

8.4.3.1 b)  協約溶断電流

×

8.4.3.2  定格電流

×

8.4.3.3.1  時間−電流特性

No.3a

d)

×

  ×

No.4a

d)

×

  ×

No.5a

d)

×

  ×

8.4.3.3.2    “g”ヒューズリンクのゲート 

 a)  I

min

(10 s)

×

 b)  I

max

(5 s)

×

 c)  I

min

(0.1 s)

×

 d)  I

max

(0.1 s)

×

  “a”ヒューズリンクのゲート

×

8.4.3.4  過負荷

×

×

8.4.3.5  協約ケーブル過負荷保護

×

8.4.3.6  表示器

c)

×

  ×

ストライカ

c)

× ×

  ×  ×

8.5  No.1  遮断容量

a)

×

  ×

8.6  限流特性

b)

8.7  I

2

特性

b)

8.8  保護級別

b)

8.9  耐熱性

b)

8.10  接触部不劣化

b)

8.11.1  機械的強度

b)

8.11.2.2  耐異常熱及び耐火炎

b)

8.11.2.3  耐さび性

b)

注記  ×は,試験を実施することを意味する。 

a)

  限流特性及び I

2

特性にも有効(8.6 及び 8.7 参照)。

b)

  ヒューズシステムに関連して 8.68.11 による試験は,この規格群のほかの部で規定。試験の試料数は,シス

テム及び材料によって決まる。

c)

  表示器又はストライカをもつヒューズリンクに限る。

d)

  “gD”,“gG”及び“gM”を除き,試験は適宜,ゲートの検証と関連して行う(8.4.3.3.2 参照)。


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表 13−同形シリーズの定格電流最大から最小までの中間のヒューズリンクの試験の概要及び試験数 

試験項目

試験数

“g”ヒューズリンク

“a”

ヒューズリンク

1 1 1 1 1 1 1 1  1  2  2

8.1.4  寸法

×

×

×

×

8.1.5.1  抵抗

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

8.4.3.1 a)  協約不溶断電流

×

8.4.3.2  定格電流

×

8.4.3.3.1  時間−電流特性

 No.4a

a)

×

×

8.4.3.3.2  ゲート,“g”ヒューズリンク

 a)  I

min

(10 s)

×

 b)  I

max

(5 s)

×

 c)  I

min

(0.1 s)

×

 d)  I

max

(0.1 s)

×

ゲート,

“a”ヒューズリンク

×

×

8.4.3.5  協約ケーブル過負荷保護

×

注記 1  ×は,試験を実施することを意味する。 
注記 2  この表の試験は,低減した電圧で実施してもよい。 

a)

  “gD”,“gG”及び“gM”を除き,試験は適宜,ゲートの検証と関連して行う(8.4.3.3.2 参照)。

8.1.6 

ヒューズホルダの試験 

ヒューズホルダは,

表 14 によって試験する。

表 14−ヒューズホルダの全項目試験の概要及び試験数 

試験項目

試験数

1 1 3 3

8.1.4

寸法

×

×

×

8.2

絶縁性能及び絶縁適合性

×

8.3

温度上昇及び受容ワット損

×

8.5

耐電流波高値

×

8.8

保護級別

×

8.9

耐熱性

×

8.10

接触部不劣化

×

8.11.1

機械的強度

×

×

×

×

8.11.2.1  耐応力腐食割れ性

a)

×

8.11.2.2  耐異常熱及び耐火炎

×

8.11.2.3  耐さび性

×

注記 1  ×は,試験を実施することを意味する。 
注記 2  特別のヒューズシステムには,この規格群のほかの部に規定する追加試験

が必要なこともある。試料数は,システム及び材料によって決まる。

a)

  導電部が銅 83 %未満の圧延銅合金製のヒューズホルダの場合に適用。

8.2 

絶縁性能及び絶縁適合性の検証 

8.2.1 

ヒューズホルダの配置 

8.1.4 の条件に次を追加する。


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ヒューズホルダには,該当するヒューズホルダの形式に対応する最大寸法のヒューズリンクを取り付け

る。

ヒューズホルダ自体を絶縁材にしている場合には,金属部分は,製造業者が指定するヒューズの装置の

状態に従って指定の位置に取り付ける。これらの部品は,装置のフレームの一部とみなす。製造業者の指

定がない限り,ヒューズホルダは,金属部分に固定する。

ヒューズリンクを充電中に取り替える可能性がある場合,取替え作業中に接触するヒューズリンクの表

面,取替器具又はヒューズキャリヤ(付いている場合)は,ヒューズを構成する部分とみなす。したがっ

て,これらの表面が絶縁材である場合は,金属でカバーし,かつ,測定器のフレームに接続する。金属製

の場合には,直接フレームに接続する。

追加絶縁装置,例えば,隔壁を製造業者が提供する場合,これらの絶縁装置は,試験中,所定の位置に

取り付ける。

ヒューズの絶縁適合性の検証は,ヒューズを通常開位置にし,ヒューズリンクを内蔵するヒューズキャ

リヤ又はヒューズリンク,及び適用できる場合,ヒューズキャリヤを除去する。

8.2.2 

絶縁性能の検証 

8.2.2.1  試験電圧印加箇所 

絶縁性能の検証のための試験電圧を,次の箇所に印加する。

a)  ヒューズリンク及びその取替器具又はヒューズキャリヤ(付いている場合)が取り付けられた状態で

の充電部とフレームとの間

b)  ヒューズが通常の開状態で,ヒューズリンクを内蔵するヒューズキャリヤ若しくはヒューズリンク及

びその取替器具,又はヒューズキャリヤ(付いている場合)が除去された状態での端子間

c)  多極ヒューズホルダの許容最大寸法のヒューズリンク及びその取替器具又はヒューズキャリヤ(付い

ている場合)が取り付けられた状態での異極充電部間

d)  多極ヒューズホルダにおいてヒューズリンクの作動によって異なる電位に達する場合には,ヒューズ

キャリヤ又は取替器具だけ(ヒューズリンクなし)を取り付けた状態での充電部相互間

8.2.2.2  試験電圧値 

試験電圧値は,ヒューズホルダの定格電圧の関数として

表 15 による。

表 15−試験電圧 

単位  V

ヒューズホルダの定格電圧  U

n

 A.C.

試験電圧  実効値 D.C.

試験電圧

交流及び直流

 60 以下

1 000

1 415

 61 以上 300 以下

1 500

2 120

 301 以上 690 以下

1 890

2 670

 691 以上 800 以下

2 000

2 830

 801 以上 1

000 以下

2 200

3 110

直流

1

001 以上 1

500 以下

− 3

820

8.2.2.3  試験方法 
8.2.2.3.1
  試験電圧は,漸増的に印加し,表 15 の値を 1 分間保持する。

注記  試験用の電源は,開路時の電圧に対応した設定において,0.1 A 以上の短絡電流をもつことが望

ましい。


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8.2.2.3.2  ヒューズホルダは,湿気がある大気条件に置く。

湿気処理は,相対湿度 91∼95 %の空気を含んだキャビネット中で行う。

試験試料が置かれる箇所の空気温度は,20∼30  ℃の間の任意の値

T

の+2 K 以内に保持する。

試験試料は,湿気がある場所に置く前に,上記の値

T

から+2 K 以内の温度にしておく。

試料は,キャビネットに 48 時間保持する。

これらの処理直後に結露による水滴を拭いとって,8.2.2.1 の測定点間に約 500 V の直流電圧を印加し,

絶縁抵抗を測定する。

8.2.3 

絶縁適合性の検証 

空間距離及び沿面距離は,寸法測定及び電圧試験によって検証する。

8.2.3.1  試験電圧印加箇所 

絶縁適合性の検証のための試験電圧を,ヒューズリンク及び取替器具若しくはヒューズキャリヤ(付い

ている場合)を取り付けた状態で,又は機器がヒューズリンクを内蔵するヒューズキャリヤをもつ通常の

開状態で,端子間に印加する。

8.2.3.2  試験電圧値 

定格インパルス耐電圧の検証のための試験電圧は,

表 16 による。

表 16−絶縁適合性の検証のための端子間試験電圧 

単位  kV

定格インパルス耐電圧  U

imp

試験電圧及び対応高度

U

1.2/50

海抜 0 m

海抜 200 m

海抜 500 m

海抜 1 000 m

海抜 2 000 m

0.8

1.8 1.7 1.7 1.6 1.5

1.5

2.3 2.3 2.2 2.2 2

2.5

3.5 3.5 3.4 3.2 3

4.0

6.2 6.0 5.8 5.6 5

6.0

9.8 9.6 9.3 9.0 8

8.0

12.3 12.1 11.7 11.1 10

12.0

18.5 18.1 17.5 16.7 15

8.2.3.3  試験方法 

表 16 による 1.2/50 μs インパルス電圧は,1 秒以上の間隔でそれぞれの極ごとに 5 回印加する。

8.2.4 

試験結果の評価 

8.2.4.1  表 15 による試験電圧を印加中,絶縁破壊又はフラッシオーバが生じてはならない。電圧低下を

伴わないグロー放電は,無視できる。

試験中,インパルス電圧による破壊放電があってはならない。

8.2.4.2  8.2.2.3.2 によって測定した絶縁抵抗値は,1 MΩ を下回ってはならない。

8.3 

温度上昇及びワット損の検証 

8.3.1 

ヒューズの配置 

製造業者の指定がない限り,1 個のヒューズを試験に用いる。

試験結果が特定の据付け条件からの影響を受けないことを確実にするため,

ヒューズは 8.1.4 の規定に基

づき,自由空気中に据え付ける。


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試験は,周囲温度 20±5  ℃で行う。

各ヒューズのいずれの側の接続も,長さが 1 m 未満であってはならない。2 個以上のヒューズを組み合

わせた試験が必要なときは,

ヒューズを直列に接続できる。

この直列にした 2 個のヒューズの端子間隔は,

約 2 m となる。ケーブルは,可能な限り真っすぐにする。

この規格群のほかの部に規定がない限り,断面積は,

表 17 に従って選択する。定格電流 400 A 以下の場

合は,単心銅導体黒色ポリ塩化ビニル(PVC)絶縁の単心銅ケーブルを接続に用いる。定格電流 500 A∼

800 A の場合は,単心銅導体黒色 PVC 絶縁又は裸銅バーを用いる。800 A を超える定格電流の場合は,無

光沢の黒色塗り銅バーだけを用いる。端子にケーブルをねじで接続するトルク値は,この規格群のほかの

部に規定する。

8.3.2 

温度上昇測定 

表 で規定するヒューズの端子及び接触部の温度上昇値は,最も適切な測定装置で測定する。測定装置

は,ヒューズの各部の温度に影響を与えてはならない。用いた測定方法は,試験報告書に記載する。

8.3.3 

ヒューズリンクのワット損測定 

ヒューズリンクは,ヒューズホルダに取り付けるか,又はこの規格群のほかの部で規定する試験リグに

取り付ける。試験の配置は,8.3.1 による。

ワット損は,ヒューズリンク上で最大値が得られるような測定点の間で,ワット単位で測定する。測定

点は,この規格群のほかの部で規定する。

8.3.4 

試験方法 

試験(8.3.4.1 及び 8.3.4.2 参照)は,安定した温度が得られるまで継続し,規定する温度限界を超えない

ことが明らかになるまで続ける。温度変化が 1 時間当たり 1 K を超えなくなったとき,温度が安定したと

みなす。測定は,試験の最後の 15 分間で行う。試験は,低い電圧で実施してもよい。

8.3.4.1  ヒューズホルダの温度上昇 

ヒューズホルダの定格電流で,ワット損が定格受容ワット損に等価になるヒューズリンク,又はこの規

格群のほかの部で規定されるダミーヒューズリンクを用いて,交流で温度上昇試験を行う。試験電流は,

ヒューズホルダの定格電流とする。

8.3.4.2  ヒューズリンクのワット損 

試験は,交流でヒューズリンクの定格電流で行う。


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C 8269-1

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表 178.3 及び 8.4 に対応する試験用銅導体の断面積 

定格電流

A

断面積

mm

2

又は mm×mm

2 1 
4 1 
6 1 
8 1.5

10 1.5 
12 1.5 
16 2.5 
20 2.5 
25 4 
32 6 
35 6 
40 10 
50 10 
63 16 
80 25

100 35 
125 50 
160 70 
200 95 
250 120 
315 185 
400 240 
500 2 本×150 又は 2 本×(30×5)

a)

630 2 本×185 又は 2 本×(40×5)

a)

800 2 本×240 又は 2 本×(50×5)

a)

1 000

2 本×(60×5)

a)

1 250

2 本×(80×5)

a)

a)

  銅バーを接続するのに適した設計のヒューズのための断面積

の推奨値。接続に用いた形及び配置を試験報告書に記載する。
無光沢で黒塗りの同極性の 2 本の並列導体間の距離は,約 5 
mm とする。

注記  表 17 及び温度上昇限界を規定する表 は,8.3.4 に規定する温度上昇試験に有効な値として考

慮することが望ましい。使用又は試験するヒューズが実際の据付けでは試験条件とは異なる形,

性質,配列などに接続されることもある。結果として,別の温度上昇限度を要求する,又は受

け入れることもある。

8.3.5 

試験結果の評価 

温度上昇は,

表 の値を超えてはならない。

ヒューズリンクのワット損は,定格ワット損又はこの規格群のほかの部で規定する値を超えてはならな

い。ヒューズホルダの受容ワット損は,そのヒューズホルダに用いるヒューズリンクの定格ワット損又は

この規格群のほかの部で規定する値以上でなければならない。

ヒューズは,試験終了後に,満足な状態でなければならない。特に,ヒューズホルダの絶縁部分は,周

囲温度まで冷えた後に,8.2 の試験電圧(

表 15 参照)に耐えなければならない。また,ヒューズには,正


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:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

しい操作を妨げる変形があってはならない。

8.4 

動作の検証 

8.4.1 

ヒューズの配置 

試験の配置は,8.1.4 による。

接続導体の長さ及び断面積は,8.3.1 の規定と同一とし,ヒューズホルダ又はヒューズホルダの定格電流

に適用したものを選択する(

表 17 参照)。

8.4.2 

周囲温度 

試験中の周囲温度は,20±5  ℃とする。

8.4.3 

試験方法及び試験結果の評価 

8.4.3.1  協約不溶断電流及び協約溶断電流の検証 

次の試験は,低い電圧で実施してもよい。

a)  ヒューズリンクは,協約不溶断電流(

I

nf

)を

表 に規定する協約時間の間,通電する。この時間中は,

溶断してはならない。

b)  周囲温度まで冷えた後のヒューズリンクに,協約溶断電流(

I

f

)を通電する。ヒューズリンクは,

表 2

に規定する協約時間以内に溶断しなければならない。

8.4.3.2  g”ヒューズリンクの定格電流の検証 

ヒューズリンクの定格電流の検証には,ヒューズを 8.4.1 によって据え付け,次の試験を行う。これらの

試験は,低い電圧で行ってもよい。

ヒューズリンクに周期的に負荷をかけるパルス試験を,1 個のヒューズリンクに対して 100 時間行う。

各周期は,通電時間を協約時間とし,休止時間を協約時間の 0.1 倍とし,試験電流をヒューズリンクの定

格電流の 1.05 倍とする。試験後にヒューズリンクの特性が変化してはならない。検証試験は,8.4.3.1 

a)  によって行う。 
8.4.3.3  時間−電流特性及びゲートの検証 
8.4.3.3.1  
時間−電流特性 

時間−電流特性は,8.5 に規定する試験実施中に得られるオシログラムの記録によって検証してもよい。

次の期間を測定する。

a)  回路の閉路の瞬時から,測定中の電圧がアークの開始を示す瞬時まで。 
b)  回路の閉路の瞬時から,回路が明確に切れた瞬時まで。

溶断時間及び動作時間として決定した値は,固有電流値を横軸とした座標で表し,製造業者が指定する

か,又はこの規格群のほかの部に規定する時間−電流ゾーン以内でなければならない。

同形シリーズ(8.1.5.2 参照)の複数のヒューズリンクに関して,8.5 による全項目試験を,最大定格電流

のヒューズリンクだけに行った場合は,それよりも小さな定格電流のヒューズリンクについては,溶断時

間の検証だけを行えばよい。この場合,補足試験を周囲温度 20±5  ℃で次の固有電流だけで行う。

−  “g”ヒューズリンク。ただし,ゲートの検証に関して適切な試験を行う“gD”

“gG”及び“gM”を

除く(8.4.3.3.2 参照)

3a)  試験  ヒューズリンクの定格電流の 10∼20 倍 
4a)  試験  ヒューズリンクの定格電流の 5∼8 倍

5a)  試験  ヒューズリンクの定格電流の 2.5∼4 倍

−  “a”ヒューズリンク:


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C 8269-1

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3a)  試験  ヒューズリンクの定格電流の 5

k

2

∼8

k

2

倍(

図 参照)

3b)  試験  ヒューズリンクの定格電流の 2

k

2

∼3

k

2

倍(

図 参照)

5a)  試験  ヒューズリンクの定格電流の

k

2

∼1.5

k

2

倍(

図 参照)

これらの試験は,低い電圧で実施してもよい。この場合には,溶断時間が 0.02 秒を超えるときは,試験

中に測定した電流を,固有電流の値とする。

8.4.3.3.2  ゲートの検証 

次の試験は,低い電圧で行ってもよい。

“gG”及び“gM”ヒューズリンクでは,8.4.3.3.1 の試験に加え

て,次の検証を行う。

a)  ヒューズリンクは表 3,列 2 の電流を 10 秒間通電し,溶断してはならない。 
b)  ヒューズリンクは表 3,列 3 の電流で 5 秒以内に溶断しなければならない。 
c)  ヒューズリンクは表 3,列 4 の電流を 0.1 秒間通電し,溶断してはならない。 
d)  ヒューズリンクは表 3,列 5 の電流で 0.1 秒以内に溶断しなければならない。

8.4.3.3.1 の試験に加えて,“aM”ヒューズリンクは,次の試験に適合しなければならない。これらの試

験は,低い電圧で実施してもよい。

e)  ヒューズリンクは表 4,列 2 の電流を 60 秒間通電し,溶断してはならない。 
f)  ヒューズリンクは表 4,列 3 の電流で 60 秒以内に溶断しなければならない。 
g)  ヒューズリンクは表 4,列 5 の電流を 0.2 秒間通電し,溶断してはならない。 
h)  ヒューズリンクは表 4,列 7 の電流で 0.10 秒以内に溶断しなければならない。

注記  試験 f)  及び g)  は,遮断容量試験 No.4 及び No.5 でそれぞれ確認してもよい。

“aM”ヒューズに対するこれらの試験は,

表 18 に規定する導体断面積をもつ導体で行う。


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

表 18−“aM”ヒューズの試験の銅導体の断面積 

定格電流

A

断面積

mm

2

又は mm×mm

2 1.5 
4 1.5 
6 1.5 
8 2.5

10 2.5 
12 2.5 
16 4 
20 6 
25 10 
32 16 
35 16 
40 25 
50 25 
63 35 
80 50

100 70 
125 95 
160 120 
200 185 
250 240 
315 2 本×150 又は 2 本×(30×5) 
400 2 本×185 又は 2 本×(40×5) 
500 2 本×240 又は 2 本×(50×5) 
630 2 本×(60×5) 
800 2 本×(80×5)

1 000

2 本×(100×5)

1 250

2 本×(100×5)

8.4.3.4  過負荷 

試験配置は,温度上昇試験(8.3.1 参照)と同一とする。3 個のヒューズリンクに同じ試験電流値及び同

一の時間長で 50 回パルス試験を行う。

“g”ヒューズリンクの試験電流は,製造業者が示す最小溶断時間−電流特性の溶断時間が 5 秒における

電流の 0.8 倍とする。各パルスの持続時間は 5 秒とし,かつ,パルスの通電時間は

表 の規定の協約時間

の 20 %とする。

“a”ヒューズリンクの試験電流は,

k

1

I

n

±2)%に等しい値とする。パルスの通電間隔は,製造業者が

示す

k

1

I

n

過負荷曲線に示された時間相当とする。パルスの通電時間は,パルス通電時間の 30 倍とする。

この試験は,低い電圧で行ってもよい。

注記  パルスの間隔は,製造業者の同意で短縮できる。

周囲温度まで冷やした後に,ヒューズリンクは過負荷試験と同じ電流値に等しい電流を通電する。この

電流を流したときの溶断時間が,製造業者が提示した時間−電流ゾーン内になければならない。

8.4.3.5  協約ケーブル過負荷保護試験(“gG”ヒューズリンクだけ) 

ヒューズリンクが過負荷に対しケーブルを保護できることを検証するために,次の協約試験を行う。各


36

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

ヒューズリンクは,8.4.1 によって,適するヒューズホルダ又は試験リグに取り付け,更に

表 19 に規定の

断面積をもつ PVC 絶縁の銅導体を付けて据え付ける。ヒューズ及び接続された導体は,事前にヒューズリ

ンクの定格電流で協約時間予熱する。

次に,試験電流を 1.45

I

z

I

z

表 19 に規定)まで増加する。ヒューズリンクは,協約時間未満で動作し

なければならない。

この試験は,低い電圧で行ってもよい。

表 19−協約ケーブル過負荷保護試験 

ヒューズリンクの I

n

A

銅導体の公称断面積

mm

2

I

z

a)

A

12 1

15

16

b)

 1.5

19.5

20

b)

 及び 25 2.5  27

32

b)

 及び 35 4

36

40

b)

 6  46

50

b)

 及び 63 10

63

80 16 85

100

b)

 25  112

125

b)

 35  138

160 50

168

200 70

213

250

b)

 120  299

315

b)

 185  392

400

b)

 240  461

a)

  2 本の負荷導体の通電容量 I

z

JIS C 60364-5-52 

表 A.52-2 参照)

b)

 1.45I

z

が協約溶断電流 I

f

より大きい場合,これらの電流定格については,試験は必要ない。

8.4.3.6  表示器及びストライカの動作(ある場合) 

表示器の正しい動作は,遮断容量の検証と組み合わせて検証する(8.5.5 参照)

ストライカの動作検証には,必要な場合,追加試料を次の電流で試験する。

−  “g”ヒューズリンクの場合

I

4

表 20 及び表 21 参照)

−  “a”ヒューズリンクの場合  2

k

1

I

n

図 参照)

回復電圧は,次による。回復電圧値は,10 %まで超えてもよい。

−  定格電圧  500 V 以下の場合 20 V

−  定格電圧  500 V を超える場合 0.04

U

n

ストライカは,全ての試験で次の回復電圧で動作しなければならない。

− 20

V 以上

これらの試験のうち一つの試験で失敗したとき,失敗がこの形のヒューズの形式特有のものでなく,そ

の試料だけの失敗である証拠を製造業者が提出する場合,試験結果は不合格としない。

8.5 

遮断容量の検証 

8.5.1 

ヒューズの配置 

試験の配置は,8.1.4 による。


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

適切な導体を,接続装置と同一平面上に,ヒューズ端子間の接続方向に約 0.2 m の長さで完成品ヒュー

ズの両端に取り付ける。0.2 m の区間において導体は堅固に支持しなければならない。この位置を過ぎた

導体は,直角に後方に曲げる。この配置は,この規格群のほかの部の規定の試験リグを使用の場合にも適

合する。

8.5.2 

試験回路の特性 

試験回路の例は,

図 による。

試験回路は単極形,すなわち,1 本のヒューズを定格電圧を基準とした電圧で試験する。

注記  単相試験は,三相回路の適用に対しても,十分な情報が得られるとみなせる。

試験回路に供給するエネルギー源は,規定する特性を検証できるような十分な容量をもっていなければ

ならない。

エネルギー供給源は,回路遮断器又は適切な装置 D で保護する。可変抵抗 R 及び直列の可変リアクトル

L は,試験回路の特性を調整する。回路は,適切な装置 C によって閉路する。

考慮する値を,

表 20 及び表 21 に示す。電流の種類ごとの試験回路は,次による。

交流の場合  ヒューズの定格周波数が 50 Hz 若しくは 60 Hz,又は表示がない場合(5.4 参照)の試験

は,供給周波数 45∼62 Hz の間で行う。ほかの周波数の表示がある場合は,その周波数の±20 %の範

囲内で試験を行う。

試験 No.1 及び No.2 のリアクトル L は,空芯リアクトルとする。

遮断後最初の全半波の商用周波回復電圧の波高値は,それに続く 5 回の波高値以内において,

表 20

に規定する実効値に関連する波高値と一致しなければならない。

直流の場合  遮断容量試験は,固有電流を調整する直列抵抗をもつ誘導性回路によって直流で行う。

インダクタンスは,直列及び並列接続のインダクタンスコイルで作る。コイルは,試験中に飽和しな

い場合は,鉄心形にしてもよい。

時定数は,

表 21 に規定する範囲になければならない。

直流回復電圧の平均値は,最後のアークが消滅後,100 ms の間,

表 21 の値以上でなければならな

い。

8.5.3 

測定装置 

電流の追跡は,測定回路(オシログラフ)O

1

を適切な測定装置の端子に接続して記録する。別の測定回

路(オシログラフ)O

2

を抵抗又は計器用変圧器によって,調整試験中は電源の端子に,かつ,ヒューズの

試験中はその端子に接続する。

試験 No.1 及び No.2 中に発生するアーク電圧は,適切な感度及び周波数応答性をもつ測定回路(すなわ

ち,変換器,伝送及び記録装置)によって測定する。これらの要求を満たせる場合,オシログラフを用い

ることができる。

8.5.4 

試験回路の調整 

試験回路は,その試験回路(

図 5)のインピーダンスと比較して無視できるインピーダンスの導体 A を,

試験するヒューズの位置に取り付けて調整する。

抵抗 R 及びリアクトル L は,希望する電流値が希望する瞬時に得られるように調整する。

交流の場合,希望する力率は,定格電圧 690 V のヒューズは(105

0

5

)%,その他の全ての定格電圧の

ヒューズは(110

0

5

)%における商用周波回復電圧で求める。力率は,

附属書 の方法のいずれか,又は

より精度の高いほかの方法によって測定する。

直流の場合,希望する時定数は,試験するヒューズの定格電圧の(115

9

5

)%における回復電圧の平均


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

値とする。

表 20−交流ヒューズの遮断容量試験値 

8.5.5.1 による試験

 No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

商用周波回復電圧

定格電圧 690 V のヒューズの定格電圧の(105

0

5

)%

a)

その他の定格電圧のヒューズの定格電圧の(110

0

5

)%

a)

試験

固有 
電流

“g”ヒューズリンク

I

1

I

2

I

3

=3.2I

f

I

4

=2.0I

f

I

5

=1.25I

f

“a”ヒューズリンク

I

3

=2.5k

2

I

n

  I

4

=1.6k

2

I

n

  I

5

k

2

I

n

電流許容差

0

10

%

a)

該当しない

±20 %

0

20

%

力率 0.2∼0.3: 固有電流

 20

kA 以下

0.1∼0.2: 固有電流 
 20

kA 超過

0.2∼0.3: 固有電流 
 20

kA 以下

0.1∼0.2: 固有電流 
 20

kA 超過

0.3∼0.5

b)

電圧ゼロ後の投入角

該当しない

(0

0

20

)%

規定しない

電圧ゼロ後の発弧角

c)

1 試験  40∼65° 
2 以上試験  65∼90°

該当しない

該当しない

a)

  この許容差は,製造業者の合意がある場合,超えてもよい。

b)

 0.3 より低い力率は,製造業者が合意する場合,用いてもよい。

c)

  電圧ゼロ後の発弧角 40∼65°に合致するのが困難な場合は,電圧ゼロ後の投入角 0

0

10

°で試験を行う。

この試験で電圧ゼロ後の発弧角 65°を超えて発弧が開始した場合は,必要な 40∼65°発弧角に代えて受け

入れる。ただし,発弧が 40°未満で開始した場合は,この表に規定する 3 回の試験を行う。

I

1

:定格遮断容量を指定するのに用いる電流(5.7 参照)

I

2

:最大アークエネルギーに近い結果を与える条件で試験を行うときの電流。

注記  アーク開始時の瞬間電流値が固有電流の 0.60 2 ∼0.75 2 倍(交流分実効値)に到達した場合,この条

件は満たされたとみなせる。

実用的な指針としては,I

2

電流の値は,半波溶断時間に対応する電流(対称分実効値)の 3∼4 倍で

ある。

I

3

I

4

I

5

:これらの電流による試験は,ヒューズが小さな過電流領域で満足に動作できることを検証したものとみ

なす。

I

f

5.6.2 

表 に規定する協約時間に対する協約溶断電流(8.4.3.1 参照)。

k

2

図 及び図 参照。


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

表 21−直流ヒューズの遮断容量試験値 

8.5.5.1 による試験

No.1 No.2 No.3 No.4 No.5

回復電圧の平均値

a)

定格電圧の(115

9

5

)%

b)

試験固有電流

I

1

I

2

I

3

=3.2I

f

I

4

=2.0I

f

I

5

=1.25I

f

電流許容差

0

10

%

b)

該当しない

±20 %

0

20

%

時定数

b)

固有電流が 20 kA を超える場合:15∼20 ms

固有電流が 20 kA 以下である場合:0.5(I

0.3

 ms で電流許容差が

0

20

%

b)

の単位は A)

a)

  この許容差は,リプルを含む。

b)

  この値は,製造業者の合意がある場合,超えてもよい。

I

1

:定格遮断容量を指定するのに用いる電流(5.7 参照)

I

2

:最大アークエネルギーに近い結果を与える条件で試験を行うときの電流。

注記  アーク開始時の電流値が固有電流の 0.5∼0.8 に到達した場合,この条件は満たされたとみ

なせる。

I

3

I

4

I

5

:これらの電流による試験は,ヒューズが小さな過電流領域で満足に動作できることを検証し

たものとみなす。

I

f

5.6.2 

表 に規定する協約時間に対する協約溶断電流(8.4.3.1 参照)。

時定数は,電流曲線の 0.632

I

に対応する点の横軸上の線分 OA[

図 7 a)  参照]で求まる。

鉄心リアクトルの使用では,

鉄心の残留磁気のため間違った結果を与えることがある。

このような場合,

リアクトル及び直列抵抗による短絡回路を必要な試験電流で充電し,リアクトルは試験回路を通して電流

が 0.368

I

に低下するまで短絡し,その時間を測定する。リアクトルを短絡したら,直ちに電源を切断する。

試験回路の電圧と電流との比が保証される場合は,試験回路は低い電圧で調整してもよい。

回路は,装置 D を閉じることによって準備されるが,装置 D を開くまでの時間中電流がほぼ安定状態に

達するように調整する。次に,装置 C を閉じ測定回路 O

1

で電流を記録し,かつ,測定回路 O

2

によって装

置 C を閉じる前及び装置 D の開路後の電圧を記録する。

電流値は,

附属書 のオシログラムから計算で求める。附属書 は,一例を示したものである。

8.5.5 

試験方法 

8.5.5.1  ヒューズリンクが 7.5 の条件を満たすことを検証するため,この規格群のほかの部で規定がない

限り,交流の場合は

表 20,直流の場合は表 218.5.2 参照)の値で,次のように試験 No.1∼No.5 を行う。

試験 No.1 及び No.2  各々の試験は,連続して,要求された試料で行う。

交流の場合,試験 No.1 実施中に試験 No.2 の要求事項に一つ以上の試験で適合した場合,試験 No.2

の相当部分は繰り返す必要はない。

直流の場合,試験 No.1 の試験中,電流 0.5

I

1

以上で溶断が開始した場合,試験 No.2 を行う必要はな

い。

交流の場合で,試験 No.2 に適応する固有電流が定格遮断電流より大きい場合,試験 No.1 及び No.2

は,電流

I

1

で,約 30°ずつ投入角を変えた 6 個の試料の試験に置き換えて行う。

ヒューズホルダの耐電流波高値の検証のため,試験 No.1 は,ヒューズホルダ及びヒューズリンク

8.1.6 参照)

,該当する場合はヒューズキャリヤ付きの完成品で試験する。これらの試験で電圧ゼロ後

の発弧角は,65∼90°とすることが望ましい。

試験 No.3No.5  各試験は,交流による場合,回路は,電圧ゼロ経過後,どの時点で閉路してもよい。

試験装置が,試験中,常時必要な全電圧で電流を維持できないとき,ヒューズを低い電圧で試験電


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

流に等しいか又はそれに近い電流で予熱してもよい。この場合,アーク発生前に,8.5.2 の試験回路に

切り換える。切換時間

T

1

(電流なしの間隔)は,0.2 秒を超えてはならない。電流が再び流れてから

発弧するまでの時間は,

T

1

の 3 倍以上とする。

8.5.5.2  試験 No.2 の 3 回の試験のうちの 1 回及び試験 No.4 については,回復電圧を次の値に維持する。

−  定格電圧 90 V のヒューズは(100

0

10

)%とし,その他の全ての定格電圧のヒューズは,

(100

0

15

)%

とする。

−  直流では,定格電圧の(100

0

20

)%。

印加時間は,次の値以上とする。

−  本体又は充塡剤に有機物を含まない場合は,動作後 30 秒以上。

−  その他の全ての場合は,ヒューズリンク動作後,5 分間以上。切換時間(無電圧で)が,0.1 秒を超え

ない場合,15 秒後に別の電源へ切り換えてもよい。

全てのほかの試験では,ヒューズの動作後 15 秒間,回復電圧を維持する。

動作後 6 分以上,10 分以内の経過時間で(ヒューズリンクが本体又は充塡物に有機物を含まない場合,

製造業者の同意によって短い時間が可能)

,接触部間の抵抗を測定して(8.5.8 参照)記録する。

8.5.6 

周囲温度 

試験結果を時間−電流特性(8.4.3.3 参照)の検証にも用いる場合,遮断容量試験は周囲温度 20±5  ℃で

行う。

この温度で試験できない場合,遮断容量試験を−5∼+40  ℃で行ってもよい。ただし,この場合は,溶

断特性を検証するため

表 20 及び表 21 の試験 No.4 及び No.5 を,周囲温度 20±5  ℃において,低い電圧で

再試験する。

8.5.7 

オシログラムの解釈 

異なるケースのオシログラム解釈方法の例を,

図 及び図 に示す。

回復電圧は,

試験したヒューズに対応するオシログラムから,

交流は

図 6 b)  及び図 6 c)  に,直流は図 7 b)

及び

図 7 c)  に示すように決定及び評価する。

交流回復電圧値は,乱されていない第二波の半波のピークとその後の半波のピークとを結んだ直線との

間で測定する。

直流回復電圧値は,最終アーク消滅後,100 秒間の平均値で測定する。

固有電流を決定するために,回路調整中に得られる電流波形[交流は

図 6 a),直流は図 7 a)]を,遮断

試験から得られる波形[交流は

図 6 b)  及び図 6 c),直流は図 7 b)  及び図 7 c)]と比較する。

交流固有電流値は,調整曲線の発弧瞬時に対応する交流分実効値である。

回路が閉じられた瞬間と発弧瞬時との時間間隔が半サイクルより短いときは,固有電流値は,半サイク

ルに等しい時間経過後の値を測定する。

直流で限流が生じないときの固有電流値は,発弧瞬時の調整オシログラムから測定する。リプルがある

場合には,実効値カーブを描き,このカーブの発弧瞬時に対応する最大値を固有電流値とみなす。

限流する場合は,固有電流値は,調整オシログラムから得られる最大定常値である。リプルがある場合

は,実効値カーブを描き,このカーブの最大値を固有電流値とみなす。

8.5.8 

試験結果の評価 

試験 No.1 及び No.2 でヒューズリンク動作中に発生するアーク電圧は,7.5 に規定する値(

表 6)を超え


41

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

てはならない。

ヒューズリンクは,次の規定を満足し,外部への影響又はヒューズ全体の構成部品に損傷を与えずに動

作しなければならない。

周囲に危険な持続的アーク,フラッシオーバ又は火炎の噴出があってはならない。

動作後に取り換えることを想定した部品を除き,ヒューズの構成部分は,動作後にその後の使用を妨げ

る損傷を受けてはならない。

ヒューズリンクは,取換え困難又は操作員が危険なほど損傷を受けてはならない。ヒューズリンク又は

その部分が,変色したり割れが生じてもよい。ただし,ヒューズリンクをヒューズキャリヤ又は試験リグ

から外すまで,一体の形にとどまっている場合に限る。

各々の試験(8.5.5.2 参照)後に,ヒューズリンクの端子間の抵抗を直流電圧約 500 V で測定した値は,

次の値以上でなければならない。

−  ヒューズリンクの定格電圧が 250 V 以下の場合,50 000 Ω

−  上記以外の全ての場合,100 000 Ω

8.6 

限流特性の検証 

8.6.1 

試験方法 

製造業者による限流特性の記載がある場合,この特性は,試験 No.1(8.5 参照)における固有電流によ

って検証する。関連する値は,オシログラムから算出する。

8.6.2 

試験結果の評価 

測定値は,製造業者(5.8.1 参照)が指定する値を超えてはならない。

8.7 

I

2

t

特性及び過電流選択性の検証 

8.7.1 

試験方法 

製造業者が示した

I

2

t

特性は,遮断容量試験結果から検証するか,又は使用条件を考慮して,測定値から

計算で求めることができる(

附属書 参照)。

8.7.2 

試験結果の評価 

測定した動作

I

2

t

値は,製造業者が指定する値,又はこの規格群のほかの部で規定する値以下でなければ

ならない。溶断

I

2

t

値は,製造業者が指定する最小溶断

I

2

t

値以上か,又は

表 に規定する限界値内でなけ

ればならない(5.8.2 及び

附属書 参照)。

遮断容量試験による動作

I

2

t

値は,B.3 の式を用いるほかの電圧計算値として用いることができる。

8.7.3 0.01 秒におけるヒューズリンクの適合性の検証 

表 への適合性は,B.1 に示すように,試験電流

I

2

及び 0.1 秒における溶断

I

2

t

値から決定する。

同形シリーズの小さな電流定格の試験電流

I

2

での溶断

I

2

t

値は,B.2 に示す式で計算できる。

8.7.4 

過電流選択性の検証 

ヒューズリンクの選択性は,時間−電流特性並びに溶断

I

2

t

値及び動作

I

2

t

値によって検証する。

注記  多くの場合,“gG”及び“gM”ヒューズの選択性は,溶断時間 0.01 秒を超える固有電流で生じ

る。

表 にある溶断

I

2

t

値に適合していると,これらの時間で定格電流の比が 1.6:1 のときに,

選択性を確保できるとみなせる。

8.8 

外箱の保護の級別検証 

ヒューズを外箱の中に取り付けた場合,5.1.3 で規定する保護等級は,JIS C 0920 に規定する条件で検証

する。

8.9 

耐熱性の検証 


42

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

この規格群のほかの部に規定がない限り,耐熱性は,全ての動作試験結果,特に,8.38.5 及び 8.10 

よって判定する。

8.10  接触部の不劣化の検証 

厳しい使用条件を代表する試験によって,接触部を長期間継続して用いても,劣化しないことを検証す

る。

8.10.1  ヒューズの配置 

この試験は,3 個の試料で行う。試験試料は,相互に影響しないように配置する。試験配置及びダミー

ヒューズリンクは,温度上昇及びワット損(8.1.48.3.1 及び 8.3.4.1 参照)の検証に用いたものと同一と

する。

試料は,ヒューズホルダに用いる最大の電流定格(この規格群のほかの部参照)の標準的ダミーヒュー

ズリンクを取り付ける。

8.10.2  試験方法 

試験サイクルは,協約時間を対象とした負荷時間及び無負荷時間による。負荷時間の試験電流及び無負

荷時間は,この規格群のほかの部で規定する。

試料は,最初,250 サイクルの試験を行う。この後で,試験結果が満足な場合,試験はそれで終了する。

試験結果が規定の制限を超えた場合は,試験は 750 サイクルまで継続する。

サイクル試験の前に,定格電流で安定した条件が得られたとき,この規格群のほかの部で規定する温度

上昇及び接触部間の電圧降下を測定する。試験は,250 サイクル後,及び必要な場合には 750 サイクルの

試験後も繰り返す。

ヒューズが小さく,接触部の信頼できる測定が期待できないときは,接続端子間の測定値を基準値とし

てもよい。

8.10.3  試験結果の評価 

250 サイクル後,かつ,必要な場合は,750 サイクル後の測定値は,この規格群のほかの部で規定する制

限値を超えてはならない。

8.11 

機械的試験及びその他の試験 

8.11.1  機械的強度 

この規格群のほかの部に規定がない限り,ヒューズ及びその部品の機械的特性は,遮断試験(8.5 参照)

の後に示した結果と同様に,通常の取扱い及び据付状態について判定する。

8.11.2  その他の試験 
8.11.2.1  
応力腐食割れ性の検証 

銅成分が 83 %未満の圧延銅合金製の通電部は,応力腐食割れを生じないことを検証するため,次の試験

を行う。

3 個の試料を適切な溶液(例  CH

2

Cl

2

又は C

2

Cl

4

)に 10 分間浸して,全ての油分を除去する。ヒューズ

リンクは,単独に試験し,ヒューズホルダは,完成したヒューズとしてだけで試験する。

試料は,温度 30±10  ℃の試験箱内に,4 時間入れる。

この後,試料を,底部に pH 値 10∼11 の塩化アンモニウム溶液の入った試験箱に,8 時間入れる。

適切な pH 値の 1 L の塩化アンモニウム溶液を作る方法は,次による。

塩化アンモニウム(NH

4

Cl p.a.)107 g を 0.75 L の蒸留水に混入し,水酸化ナトリウム(かせいソーダ)

(NaOH AR クラス及び蒸留水で作る。

)30 %を加えて 1 L にする。pH 値は,変化してはならない。pH 値の

測定は,ガラス電極による。


43

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

試験箱と溶液との容積比は,20:1 とする。

試料の青っぽい被膜を乾燥布で除去後,目視検査で目で見えるひび割れがあってはならない。ヒューズ

リンクの接触部キャップは,手で取り外せてはならない。

8.11.2.2  耐異常熱及び耐火炎の検証 

この規格群のほかの部に規定がない限り,次を適用する。

磁器を除く絶縁材料の部分は,通電部分に接触した場合も,通電部分を保持する必要がないものは,

8.11.2.2.5 a)  によって試験する。

注記  ヒューズの一部である封入体は,ヒューズと同様の試験を行うことが望ましい。ほかの場合,

封入体の試験は,JIS C 0920 によるのがよい。

通電部分,

及び接地回路の一部を決まった位置に保持することが必要な,

磁器を除く絶縁材料の部分は,

8.11.2.2.5 b)  によって試験する。

8.11.2.2.1  試験の一般的説明 

次の事項を確実にするために試験を行う。

−  関連機器を電気的に規定温度に熱するための規定するループ抵抗線(電気的試験線=グローワイヤ)

は,絶縁材料部分を着火させない。

−  絶縁材料の一部分が,規定する条件で電気的試験線の熱で着火するが,燃焼時間が限られ,炎,燃え

る落下物又は試料から落ちる白熱片によって延焼しない。

試験は,1 個の試料について行う。試験結果に疑義がある場合,更に 2 個の試料で試験を繰返し行う。

8.11.2.2.2  試験装置の説明 

グローワイヤは,ニッケル 80 %及びクロム 20 %を含有するニッケルクロムワイヤをループ状にしたも

ので構成する。ループは,先端に細かい裂け目ができないように作成する。

被覆の内部に溶接した部分がある全体外径 0.5 mm の被覆した細線の K 熱電対(クロメル及びアルメル

線)を,グローワイヤの温度測定に用いる。

熱電対付きグローワイヤを,

図 に示す。

被覆は,最低 960  ℃に耐える金属製とする。詳細を

図 の Z に示すように,熱電対は,グローワイヤの

先端にあけた直径 0.6 mm の穴に取り付ける。熱起電力は,JIS C 1602 

表 A.5(K の規準熱起電力)に適

合するものでなければならない。JIS C 1602 で規定する特性は,実用上,線形である。例えば,補償箱の

ような,ほかの信頼できる方法で所要温度が得られない場合,冷接点は,解けた氷につ(浸)けて維持す

る。熱電対の起電力測定器は,0.5 級が望ましい。

グローワイヤは,電気的に加熱する。先端を 960  ℃に加熱するのに必要な電流は,120∼150 A である。

試験装置は,グローワイヤを水平面に保ち,試料に 1 N の力を加えるように,設計する。この力は,7 mm

以上の距離にわたって,相互に水平方向に移動するときにも保持する。

試験試料に接触させたグローワイヤの 200 mm 下方に,一重のティシュペーパで覆った,約 10 mm 厚さ

の白松の板を置く。

ティシュペーパは,ISO 4046 の 6.86 による。薄く,柔らかく,比較的丈夫で,一般に繊細な物の包装に

用いるもので,坪量は,12∼30 g/m

2

とする。

試験装置の一例を,

図 に示す。

8.11.2.2.3  事前準備 

試験開始前に,試料は,温度 15∼35  ℃及び相対湿度 35∼75 %の大気中に 24 時間保管する。


44

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

8.11.2.2.4  試験手順 

試験装置は,試験中に発生する炎が見えるように,実質的に通風がない暗室内に置く。

試験開始前に,熱電対は,960  ℃で校正する。これは,純度 99.8 %,寸法 2 mm×2 mm×0.06 mm の銀

はくをグローワイヤ先端の上部に置いて校正する。

グローワイヤで熱されて銀はくが溶けたとき,960  ℃に到達する。しばらく時間をおいて熱電対の変質

及び接続の変更を補償するために,再校正を行う。膨張によるグローワイヤ先端の動きに熱電対が追随す

るように注意する。

試験では,

試料をグローワイヤ先端に接触する面が垂直になるように配置する。

グローワイヤの先端は,

通常の使用状態で発生する熱応力がかかる試料表面の一部に付ける。

グローワイヤは,断面が最も薄い箇所にくるようにする。ただし,試料の上端から 15 mm 以内の位置と

する。

これは,

機器の通常の使用状態で熱応力がかかる範囲が詳細に指定されていない場合にも適用する。

可能な場合は,グローワイヤの先端は,平らな表面にくるようにし,溝,打込部,狭い凹部及び鋭い端

部に付けないようにする。

グローワイヤは,電気的に規定温度に加熱する。温度は,校正した熱電対で測定する。試験開始前に,

温度及び加熱する電流が 60 秒間以上一定でなければならない。

放射熱がこの時間中又は調整中に試料に影

響を与えないように,例えば,十分な距離を与えるか又は適切な遮蔽によって,このことを確実にする。

続いて,グローワイヤの先端を試料に接触させて試験する。この間,加熱する電流を維持する。この後

に,グローワイヤを静かに試料から離し,試料がそれ以上に加熱されたり,試験結果に影響を与えたりす

る可能性がある空気の動きを避ける。

圧力によってグローワイヤの先端が試料に入り込む移動距離は,機械的に 7 mm までに制限する。

各々の試験後,グローワイヤ先端に残る絶縁材のかすを,例えば,ブラシで清掃することが必要である。

8.11.2.2.5  過酷性 

過酷性は,次のいずれかによる。

a)  グローワイヤ先端の温度及び試料を加熱する時間は,650±10  ℃及び 30±1 秒とする。 
b)  グローワイヤ先端の温度及び試料を加熱する時間は,960±10  ℃及び 30±1 秒とする。

その他の試験温度は,この規格群のほかの部の規定による。

注記  この温度及び時間は,JIS C 60695-2-1113 の厳しさの表から選択することが望ましい。

8.11.2.2.6  観察及び測定 

グローワイヤの試験中,及びそれに続く 30 秒間,試料,それを取り囲む部分及びその下に置いたティシ

ュペーパを観察する。

試料が,着火した時間,並びにグローワイヤ使用中及び使用後の炎が消える時間を記録する。

火炎の最大高さを測定し,記録する。発火開始時に高い火炎が約 1 秒間生じるのは,無視する。

火炎の高さは,グローワイヤを試料に接触させたとき,グローワイヤの上端から火炎の可視先端までを

測定した垂直距離とする。

次のいずれかの場合,試料は,グローワイヤ試験に耐えたとみなす。

−  可視火炎及び赤熱の継続がない。

−  試料の火炎又は白熱光がグローワイヤの除去後 30 秒以内に消滅する。

ティシュペーパの燃焼又は白松の板の焦げがあってはならない。

8.11.2.3  耐さび性の検証 

試験試料を,適切な脱脂材に 10 分間浸し,油分を全て除去する。次に,試料を温度 20±5  ℃の塩化ア


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

ンモニウム 10 %水溶液に 10 分間浸す。

乾燥せずに,水滴を振い落として,温度 20±5  ℃において水蒸気で飽和した空気のキャビネットに 10

分間入れる。

試料を 100±5  ℃の加熱キャビネットに 10 分間入れて乾燥させた後,試料の表面にさびの痕跡があって

はならない。

鋭い端部のさびの痕跡,及びこすって除去できる黄色い皮膜は,無視する。

小さなばね及び触れにくい摩滅部分は,さびを防ぐため,グリースを塗布してもよい。グリース被膜の

効果に疑義がある場合は,事前にグリースを除去しないで,上記の試験を行う。

図 1−ゲート電流を流して得た試験結果を用いた時間−電流特性の検証方法を示す図(一例) 

この規格に規定する時間-電流特性 
の領域を示す。


46

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

過負荷曲線の k

0

×I

n

と k

1

×I

n

との間は,定数 I

2

値一定に相当する。

図 2−“a”ヒューズリンクの過負荷曲線及び時間−電流特性 

時間


47

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

全ての定格電流について適用する。

図 3−“aM”ヒューズリンクの時間−電流ゾーン 

時間

t

(s)


48

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

I

n1

I

n2

I

n3

 :ヒューズの定格電流

I

c

:最大限流値

n

:力率によって決まる係数

図 4−一連の交流用ヒューズリンクの限流値特性の一般的表示方法 

電流の最大値

(波高値

kA)

(対数目盛)


49

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

A  :調整に用いる取外し可能なリンク 
C  :回路を閉じる装置 
D  :電源を保護する回路遮断器又はその他の装置 
F

:供試ヒューズ

L

:可変リアクトル

O

1

  :電流記録用測定回路

O

2

  :試験中の電圧記録測定回路

O'

2

  :調整中の電圧記録測定回路

R  :可変抵抗 
S

:電源

図 5−遮断容量試験に用いられる代表的な回路図(8.5 参照) 


50

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

a)  回路の調整 

b)  投入後電気角 180°より遅れて発弧した場合の遮断動作に対応するオシログラム 

c)  投入後電気角 180°より早く発弧した場合の遮断動作に対応するオシログラム 

図 6−交流遮断容量試験中に得られるオシログラムの解釈(8.5.7 参照) 

校正用供給電圧=B

00


51

C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

リプルがある場合,0.632に相当する値,A

1

及び A

2

の実効値曲線を求める。

a)  回路の調整 

電流 I=電圧 が B

1

における A

1

電圧値が一定にならない場合には,最終アーク消滅から 100 ms の間の平均値を測定する。

b)  遮断動作において電流が最大値を過ぎた後に発弧した場合に相当するオシログラム 

電流 I=電圧 が B

2

における A

2

電圧値が一定にならない場合には,最終アーク消滅から 100 ms の間の平均値を測定する。

c)  遮断動作において電流が最大値に到達する前に発弧した場合に相当するオシログラム 

図 7−直流遮断容量試験中に得られるオシログラムの解釈(8.5.7 参照) 


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

単位  mm

1  :3 にはんだ付けしたグローワイヤ 
2  :熱電対 
3  :埋込み金具

図 8−グローワイヤ及び熱電対の位置 


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C 8269-1

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1:位置決めクランプ

  :調節可能なストッパ

2:移動台

  7:火炎測定スケール

3:張力コード

  8:圧入測定スケール

4:ベースプレート

  :グローワイヤ(図 8

5:おもり 10:ベースプレートにあけられた,試験試料からの落下物の通過孔

図 9−試験装置の例 


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

附属書 A

(参考)

短絡力率の測定

短絡力率を正確に決定する方法はない。ただし,この規格における試験回路の短絡力率の決定の目的に

は,次の三つの方法のいずれかによって,十分な精度が得られる。

方法 I:回路定数からの計算 

力率は,cos

ϕ

で計算できる。

ここに,

ϕ

tan

1

X

/

R

X

短絡中の回路のリアクタンス

R

短絡中の回路の抵抗

過渡現象のために,

X

及び

R

の正確な値は得られない。ただし,この規格に適用する値は,次の方法に

よって求める。

R

は,直流によって試験回路で測定する。回路に変圧器を含むときは,一次回路の抵抗,及び二次回路

の抵抗を別に測定し,必要な抵抗

R

は,次の式で求める。

R

R

2

R

1

r

2

ここに,

R

1

一次回路の抵抗

R

2

二次回路の抵抗

r

変圧器の変圧比

X

は,次の式で求める。

I

E

X

R

2

2

I

E

(回路インピーダンス)は,

図 A.1

のオシログラムから求める。

方法 II:直流分からの決定 

角 ϕ は,短絡瞬時からアーク開始までの間の非対称電流の直流部分から,次のようにして求める。

直流分の式は,次による。

i

d

I

d0

e

Rt/L

ここに,

i

d

任意の瞬時の直流分の値

I

d0

直流分の初期値

L

/

R: 回路の時定数(

s

t: i

d

から I

d0

までの時間間隔(

s

e: 自然対数の底

時定数 L

/

は,上記の式から次のように確かめられる。

a)

短絡の瞬間における I

d0

及びアーク開始前の任意の時間 における i

d

を測定する。

b)

i

d

を I

d0

で除して e

Rt/L

を求める。

c)

e

x

値の表から i

d

/

I

d0

に対応する−を決める。

d)

値は,Rt

/

を表す。これから,R

/

は,を で徐して求める。よって,L

/

が決まる。


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

角 ϕ は,次の式で求める。

ϕ

tan

1

ωL

/

R

ここに,

ω: 実際の周波数の

2

π 

変流器で電流を測定した場合,この方法は適用できない。

方法 III:パイロット発電機での決定 

試験用発電機の同軸にパイロット発電機を用いたとき,最初に,オシログラム上のパイロット発電機の

電圧と試験用発電機の電圧とを同相で比較し,続いて,試験用発電機の電流と比較する。

パイロット発電機と試験用発電機との電圧角の差を一方とし,パイロット発電機電圧と試験用発電機電

流とを他方として,

試験用発電機の電圧と電流との間の相差角が得られる。

これらから力率が決定できる。

Z=

G

F

C

A

D

B

I

E

×

ここに,

Z: 回路インピーダンス

E: アーク開始時における回路の電磁力=B/2 2 (V)

I: 遮断電流=D/2 2 (A)

A: 供給電圧波高値の 2 倍の値(V)

C: 短絡開始時の電流の対称分波高値の 2 倍の値(A)

F: 給与電圧波形の半サイクルの持続時間(秒)

G: アーク開始時の電流波形の半サイクルの持続時間(秒)

図 A.1

方法 による力率計算のための回路インピーダンスの決定 

供給電圧


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

附属書 B

(参考)

“gG”,“gM”,“gD”及び“gN”ヒューズリンクの

溶断 I

2

t

値計算及び低電圧での動作 I

2

t

値の計算

B.1 0.01 秒における溶断 I

2

t

値の決定 

0.01

秒における溶断 I

2

値は,

0.1

秒における溶断 I

2

値及び試験

No.2

の測定値の関数として,次の式に

よって近似的に求める。

)

試験

(

)

(

)

(

No.2

s

0.1

s

0.01

2

2

2

t

I

t

I

F

t

I

×

×

ここに,

F: 時間−電流特性のこの時間領域の曲率を補正する係数

gG

”及び“

gM

”ヒューズリンクの場合  F

0.7

gD

”ヒューズリンクの場合  F

0.6

gN

”ヒューズリンクの場合  F

1.0

注記

対応国際規格では,の説明文に,

gK

”が含まれているが,明らかに間違いであるため削除

した。

B.2  試験 No.2 の条件下で溶断 I

2

t

値の計算 

要求事項で直接試験を規定していない同形シリーズの小さな定格のものの試験

No.2

の条件下での溶断

I

2

値の計算は,次の式で求める。

(

I

2

t

)

2

(

I

2

t

)

1

×

2

1

2

A

A

ここに,

(

I

2

t

)

2

小さな定格の試験

No.2

の条件下での溶断 I

2

t

(

I

2

t

)

1

遮断容量試験で測定された最大定格の試験

No.2

の条件

下での溶断 I

2

t

A

2

小さな定格のエレメントの最小断面積

A

1

最大定格のエレメントの最小断面積

計算した値は,

0.01

秒における I

2

値の決定に用いることができる(

B.1

参照)

B.3  低電圧での動作 I

2

t

値の計算 

動作 I

2

値は,次の公式を用いて

表 20

の試験

No.1

及び試験

No.2

の間で測定したよりも低い電圧で概算

できる。

減電圧 V

r

での動作 I

2

値=

t

I

t

I

t

I

V

V

V

2

2

2

溶断

溶断

での動作

試験電圧

×





t

r

t


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C 8269-1

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附属書 C 
(参考)

限流値−時間特性の計算

概観 

この規格の

7.6

は,

(引用する

8.6

において)限流特性を固有電流の関数として規定している。

この附属書の方法は,限流特性を実溶断時間の関数として計算する方法である。

得られる結果は,それぞれのヒューズリンクで異なる。そのため,この数値を共用性があるものとする

ために,計算はこの規格で許容する最大の I

2

値をベースにするのがよい。この方法は,溶断期間中のピー

ク電流は与えられるが,多くのヒューズ(特に,半導体保護用のもの)では,電流はアーク期間中も上昇

を続ける。したがって,この方法は,回路条件次第で多少低い評価値を与えることに留意する必要がある。

しかし,この方法は,必要なとき(例えば,接触部溶着の研究)に,当該特性値を計算できる良好な近

似値法である。

C.1  予備情報 

固有電流の関数としての限流特性は,

2.3.7

で定義している。特性は,

5.8.1

及び

図 4

で扱っており,試験

8.6

に規定している。

この特性の提供は,強制ではない。

さらに,それが与える情報は,特に限流が始まる領域(対称電流動作で約

5 ms

又は非対称電流動作で

10 ms

までの溶断時間)において,一般に正確でない。

持続時間が短くて,振幅が大きい電流(例えば,短絡回路が解除される前にヒューズに流れる電流)に

耐えるのが困難な構成部分(例えば,接触器)を保護する必要がある使用者は,

“ヒューズとその構成部品

との連携”を最も経済的に行うために,この電流遮断動作中に到達する最大瞬時値を正確に知る必要があ

る。

実際の溶断時間の関数としての限流値特性は,この目的に有用な情報を提供するものである。

C.2  定義 

実溶断時間の関数としての限流特性

cut-off current characteristic as a function of acutual pre-arcing time

対称動作における実溶断時間の関数としての限流値を示す曲線。

C.3  特性 

限流特性が実溶断時間の関数として示された場合,それを対称投入電流に関して計算する。また,それ

図 C.1

に示す例のように,電流を横軸,時間を縦軸に両対数目盛で表す。

C.4  試験条件 

溶断時間に対応する限流値は,短絡電流の非対称の程度に影響される。そして,投入条件と同じ数の特

性があるため,限りない試験が必要となる。

特定のヒューズリンクの特定の動作時間の範囲内では,限流値についての I

2

の値は,短絡電流の非対称

度の影響をほとんど受けない。


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

この理由によって,次の手順が考えられる。

a)

実溶断時間の関数として対称動作における限流特性を測定する。

b)

いかなる非対称度にも対応する限流特性を計算する。

C.5  測定値から計算 

実験に基づく特性から,限流値を溶断時間の関数として求める。

対称短絡の計算は,固有短絡電流及びジュール積分から容易に計算できる。

対称条件では,ψ

0

である場合,次による。計算は R及び ϕ 値に関係ない。

a)

I

c

I

ps

2 sin

ω

t

s

ここに,

I

c

限流値

I

ps

対称条件の場合の固有遮断電流

ω: 角速度

t

s

対称条件の溶断時間

b)

t

t

I

t

I

t

d

sin

2

d

2

0

2

ps

2

c

s

ω

=

非対称条件では,次による。

c)

(

)

[

]

(

)

φ

ψ

φ

ψ

ω

+

=

sin

e

sin

2

a

a

pa

c

L

Rt

t

I

I

ここに,

I

pa

非対称条件の場合の固有遮断電流

t

a

非対称条件の溶断時間

ψ: 電圧ゼロを原点とした投入角

ϕ: 電圧に対する電流の位相

R: 対称条件の抵抗

L: 対称条件のリアクタンス

d)

(

)

(

)

t

t

I

t

I

L

Rt

t

d

sin

e

sin

2

d

2

0

2

pa

2

a

+

=

φ

ψ

φ

ψ

ω

限流特性及びジュール積分値は,両方の条件に同一と仮定する場合,次による。

(式の右辺の)七つの値

が分かる場合,

(左辺の)二つの値を計算できる。

(

)

(

)

+

φ

ψ

φ

ψ

ω

ω

sin

e

sin

2

sin

2

a

a

pa

s

ps

L

Rt

t

I

t

I

(

)

(

)

t

t

I

t

t

I

L

Rt

t

t

d

sin

e

sin

2

d

sin

2

2

0

2

pa

2

0

2

ps

a

a

+

φ

ψ

φ

ψ

ω

ω

特に,実験及び計算によって得られた限流値及びジュール積分値から,非対称条件の溶断時間及び固有

短絡電流の計算ができる。

この仮定は,溶断時間が,1∼5 ms の範囲でおおよそ正しい。

溶断時間が 1 ms より短い場合,固有短絡電流の関数として表された限流値特性は,正確な情報である。


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

C.

1

実溶断時間の関数としての限流特性


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C 8269-1

:2016 (IEC 60269-1:2006,Amd.1:2009,Amd.2:2014)

   

附属書 D 
(参考)

ヒューズリンクの性能に周囲温度又は環境変化が及ぼす影響

D.1  周囲温度の上昇の影響 
D.1.1  
定格電流 

ヒューズリンクが

3.1

に規定する値を超える平均周囲温度で,長時間全負荷で用いる場合は,定格電流

の低減が必要である。定格の低減係数は,全ての状況を考慮して,製造業者と使用者とで合意したものと

する。

D.1.2  温度上昇 

平均周囲温度が上昇すると温度上昇も僅かであるが上昇する。

D.1.3  協約溶断電流及び協約不溶断電流(I

f

及び I

nf

 

平均周囲温度が上昇すると,一般に協約溶断電流及び協約不溶断電流(

I

f

及び

I

nf

)は,僅かであるが低

下する。

D.1.4  電動機始動条件 

電動機が始動することによってヒューズリンクの平均周囲温度が上昇しても,ヒューズリンクの定格を

低減する必要はない。

D.2  周囲温度降下の影響 

周囲温度が

3.1

の値より降下した場合には,定格電流を増加できる。ただし,これはまた,協約溶断電

流,協約不溶断電流及び小さな過電流の溶断時間の増加になる。増加の大きさは,ヒューズリンクの実際

の温度及び設計次第である。この場合は,全て製造業者と協議する。

D.3  据付条件の影響 

例えば,次に示すような異なる据付条件が動作条件に影響することがあるので考慮する。

a)

  箱で囲う又は開放空間に据え付ける

b)

  据え付ける表面の種類

c)

  同一の箱に取り付けるヒューズ個数

d)

  接続導体の断面積及び絶縁


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C 8269-1

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附属書 E

(規定)

外部銅導体用のねじなし端子付きヒューズホルダの個別要求事項

この附属書の要求事項は,本体の要求事項に追加して適用する。

E.1  適用範囲 

この附属書は,

1.1

に該当するヒューズホルダで,最大電流 63 A のねじなし端子を特徴とし,断面積が

16 mm

2

以下の未処理銅導体の接続を主に意図しているヒューズホルダに適用する。

この附属書において,ねじなし端子は端子と呼び,銅導体は導体と呼ぶ。

E.2  用語及び定義 

箇条

2

に加えて,次の定義を適用する。

E.2.1 

クランプユニット

(clamping unit)

適切な接触圧を確保するために必要な部品を含む,導体の機械的な締付け及び電気系接続に必要な端子

の一部。

E.2.2 

ねじなし端子

(screwless-type terminal)

一つのクランプユニットについて一つの導体を接続し,開放するための端子で,ばね,くさびなどによ

って直接的又は間接的に行う。

注記

図 E.2

にねじなし端子の例を示す。

E.2.3 

万能端子

(universal terminal)

全ての種類の導体(非可とう性及び可とう性)の接続及び開放用端子

E.2.4 

非万能端子

(non-universal terminal)

一定の種類の導体だけの接続及び開放用端子(

  非可とう性の単線導体だけ,又は非可とう性の単線

及びより線導体だけ)

E.2.5 

差込端子

(push-wire terminal)

非可とう性の単線又はより線導体を差し込んで接続する非万能端子。

E.2.6 

未処理導体

(unprepared conductor)

端子に取り付けるために一定長にわたって切断し,絶縁材を除去した導体。

注記 1

  端子に取り付けられるよう整形した導体,又はより線をねじって端部をまとめた導体は,未

処理導体とみなす。

注記 2

  “未処理導体”という用語は,素線のはんだ付け,ケーブルラグの使用,アイレットの形成

などによって処理されていない導体を意味する。


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C 8269-1

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E.6  表示 

箇条

6

に加えて,次の要求事項を適用する。

−  万能端子

・  表示なし

−  非万能端子

・  非可とう性の単線導体用の端子には,

“s”又は“sol”の文字を表示する。

・  非可とう性の単線及びより線導体用の端子には,

“r”の文字を表示する。

・  可とう性導体用の端子には,

“f”の文字を表示する。

表示は,ヒューズホルダ若しくは最小パッケージ,又は技術情報に行うのが望ましい。

端子へ導体を差し込む前に

ぐ絶縁材の長さを示す適切な表示は,ヒューズホルダに行う。製造業者は,

締め付けることができる導体の最大数に関する情報も,その印刷物で提供する。

E.7  構造の標準条件 

箇条

7

を,次のように変更して適用する。

E.7.1  端子を含む固定接続 

端子は,機器をその使用目的に従って使用する場合に生じる機械的負荷に耐えなければならない。導体

の接続又は開放は,次のいずれかで行う。

−  汎用ツール又は端子一体形の便利な器具を使って端子を開き,

導体の着脱を補助する

  万能端子)

−  非可とう性導体の場合,単純差込で行う。導体の開放については,導体を引くこと以外の動作が必要

となるようにする。

万能端子は,非可とう性の単線又はより線,及び可とう性の未処理導体を接続できなければならない。

非万能端子は,製造業者が指定した種類の導体を接続できなければならない。

適合性は,目視並びに

E.8.1

及び

E.8.2

の試験によって確認する。

E.7.2  接続可能導体の寸法 

接続可能な導体の寸法は,

表 E.1

による。

表中の導体の接続可能性は,目視並びに

E.8.1

及び

E.8.2

の試験によって確認する。

表 E.1

接続可能導体 

接続可能導体及びその理論的直径

基準

非可とう性

可とう性

断面積

単線直径φ

より線外径φ

断面積

より線外径φ

mm

2

 mm  mm mm

2

 mm

1.5 1.5 1.7  1.5 1.8 
2.5 1.9 2.2  2.5 2.3 
4.0 2.4 2.7  4.0 2.9

− 6.0

3.9

− 10  5.1

− 16  6.3

注記  非可とう性導体及び可とう性導体の最大直径は,JIS C 3664 の表 に基づいている。


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E.7.3  接続可能断面積 

締め付ける導体の公称断面積は,

表 E.2

による。

表 E.2

端子接続可能な銅導体の断面積 

定格電流

A

締め付ける公称断面積

mm

2

16 以下

1.5

以上

4 以下

 16 超 35 以下

4

以上 10 以下

 35 超 63 以下

6

以上 16 以下

適合性は,目視並びに

E.8.1

及び

E.8.2

の試験によって確認する。

E.7.4  導体の着脱 

導体の着脱は,製造業者の指示に従って行う。

適合性は,目視によって確認する。

E.7.5  端子の設計及び構造 

端子の設計及び構造は,次による。

−  各導体は,個々に締め付ける。

−  接続又は開放の動作中に,導体が同時に又は別々に着脱可能である。

−  導体の不十分な挿入を防止する。

規定の最大数まで,いずれの数の導体も確実に締め付けることができなければならない。

適合性は,目視並びに

E.8.1

及び

E8.2

の試験によって確認する。

E.7.6  耐老化性 

端子は老化に対する耐性をもたなければならない。

適合性は,目視及び

E.8.3

の試験によって確認する。

E.8  試験 
E.8.1  
端子信頼性試験 
E.8.1.1  
ねじなしシステムの信頼性 

試験は,

表 E.2

の断面積の銅導体を使って新しい三つの試料の電極の端子について行う。導体の種類は,

表 E.1

による。

接続した後,開放を最小径の導体で 5 回行い,続いて最大径のもので 5 回行う。

毎回新しい導体を使用するが,5 回目だけは,4 回目の取付けに使用した導体を同じ場所に固定する。端

子に取り付ける前に,非可とう性のより線の導体は整形し,可とう性の導体はねじって端をまとめる。

取付けは,毎回,可能な限り導体を端子に押し込むか,又は接続が十分であると分かるように行う。

取付け後,固定面の高さで導体の軸に沿って 90°回転させてから開放する。

これらの試験の後,端子に使用できないような損傷があってはならない。

E.8.1.2  接続信頼性試験 

新しい三つの試料の電極の端子に,

表 E.2

の断面積の新しい銅導体を取り付ける。

導体の種類は,

表 E.1

による。

端子に取り付ける前に,非可とう性のより線導体及び可とう性導体は再整形し,可とう性導体はねじっ


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て端部をまとめる。

導体の取付けは,万能端子の場合は過度の力を加えないで,差込端子の場合は手で必要な力で,端子に

挿入できなければならない。

導体は,端子に押し込めるだけ押し込むか,又は明らかに適切な接続ができるように挿入する。

試験の後,端子外に導体の素線が逃げてはならない。

E.8.2  外部導体の端子信頼性試験:機械的強度 

引抜試験については,新しい三つの試料の電極の端子に,

表 E.2

の最小及び最大の断面積の新しい導体

を取り付ける。

端子に取り付ける前に,非可とう性のより線導体及び可とう性導体は再整形し,可とう性導体はねじっ

て端部をまとめる。

次に,各導体に

表 E.3

に規定する数値の引張力をかける。引張力は,導体軸の方向に急激にではなく 1

分間加える。

表 E.3

引張力 

断面積

mm

2

引張力

N

1.5 40 
2.5 50 
4.0 60 
6.0 80

10 90 
16 100

導体は,試験中に端子から抜けてはならない。

E.8.3  サイクル試験 

試験は,

表 17

に従った断面積をもつ新しい銅導体で行う。

試験は,次に規定する必要数の新しい試料(1 試料が一つの電極)について,端子の種類に応じて行う。

−  非可とう性の単線及びより線の導体,並びに可とう性導体用の万能端子:それぞれ 3 試料(全部で 9

試料)

−  単線導体専用の非万能端子:3 試料

−  非可とう性の単線及びより線の導体用の非万能端子:それぞれ 3 試料(6 試料)

注記

  (対応国際規格の注記の内容は,我が国には関係がなく,削除した。)

−  可とう性導体専用の非万能端子:3 試料

表 17

に規定する断面積の導体を正常な使用方法に従って 3 個の試料のそれぞれに

図 E.1

に示すように直

列に接続する。

端子の電圧降下を測定するために試料に穴又は同等のものを一つ設ける。

導体を含む全試験配列を,あらかじめ 20±2  ℃に保った加熱槽に入れる。

試験配列が動くのを防ぐために,次の電圧降下試験が全て完了するまで,穴を共通台の上に固定するこ

とが望ましい。

冷却期間中を除いて,ヒューズホルダの定格電流と等しい試験電流を回路に通電する。

続いて,試料に 192 回の温度サイクルを加える。各サイクルは,次のとおり,約 1 時間とする。


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槽内空気温度を約 20 分間で 40  ℃に上げる。この値の±5  ℃に約 10 分間維持する。

続いて試料を約 20 分間で約 30  ℃まで冷却する。強制冷却を用いてもよい。その温度に約 10 分間維持

し,電圧降下の測定が必要な場合には,さらに 20±2  ℃まで冷却する。

192 サイクル終了時に各端子で測定した最大電圧降下値は,公称電流値で,次の二つの値の小さい方の

値を超えてはならない。

− 22.5

mV

− 24 回目のサイクル後の測定値の 1.5 倍

測定は,可能な限り,端子の接続部分に近い位置で行う。

接続点に近い位置で測定できない場合は,導体側の理想の測定点と実際の測定点との間の電圧降下を,

測定値から差し引く。

加熱槽内の温度は,試料から 50 mm 以上離れて測定する。

この試験の後,追加の倍率なしの正視力又は矯正視力の目視検査で,以後の使用に明らかに差し支える

ような割れ目,変形などの変化があってはならない。

図 E.1

接続試料 


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図 E.2

端子の例 

参考文献 JIS 

3664

:2007  絶縁ケーブルの導体

IEC 60127

,Cartridge fuse-links for miniature fuses

IEC 60947-3

:1998 , Low-voltage switchgear and controlgear − Part 3: Switches, disconnectors,

switch-disconnectors and fuse-combination units

IEC 60417

,Graphical symbols for use on equipment

JIS C 6575

(規格群)  ミニチュアヒューズ

a)  間接圧力をもつ端子 

b)  直接圧力をもつ端子 

c)  作動要素をもつ端子