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C 8155:2019  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 3 

3 用語及び定義 ··················································································································· 4 

4 表示······························································································································· 7 

5 寸法······························································································································· 9 

6 試験条件························································································································· 9 

7 電気的特性 ····················································································································· 11 

8 光出力··························································································································· 12 

9 光源色及び演色性 ············································································································ 13 

10 光束維持率区分及び耐久性評価 ························································································ 14 

11 検査 ···························································································································· 18 

12 照明器具設計に関する情報 ······························································································ 18 

附属書A(規定)LEDモジュール特性の測定方法······································································ 19 

附属書B(参考)照明器具設計に関する情報············································································· 22 

附属書C(参考)メディアン光束維持時間Lx及び不点灯故障率AFVに関する情報 ·························· 23 

附属書D(参考)光学特性コードの説明 ·················································································· 29 

附属書E(規定)基本波力率の測定 ························································································ 30 

附属書F(参考)基本波力率の説明 ························································································· 30 

附属書G(参考)LEDダイ及びLEDパッケージの例 ································································· 31 

附属書H(参考)温度測定方法 ······························································································ 33 

附属書I(参考)光束維持率及び色座標維持データに対するIES LM-80の使用方法 ·························· 34 

参考文献 ···························································································································· 36 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 37 

C 8155:2019  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

照明工業会(JLMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。これによって,JIS C 8155:2010は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本工業規格          JIS 

C 8155:2019 

一般照明用LEDモジュール−性能要求事項 

LED modules for general lighting-Performance requirements 

序文 

この規格は,2014年に第1版として発行されたIEC 62717及びAmendment 1:2015を基とし,技術的内

容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補(amendment)については,編集し,一体とし

た。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

1.1 

総則 

この規格は,LEDモジュールに関する性能要求事項,その試験方法及び判定基準について規定する。次

に示す三つのタイプのLEDモジュールを対象とする(図1参照)。 

タイプ1: 250 V以下の直流電源又は1 000 V以下の50 Hz若しくは60 Hzの交流電源で使用する制御装置

内蔵形LEDモジュール 

タイプ2: 商用電源に接続されるJIS C 8147-2-13に規定する制御装置と組み合わせて動作させる制御装

置一部内蔵形LEDモジュール(定電圧,定電流又は定電力で動作する制御部を内部に備えてい

る。) 

タイプ3: JIS C 8147-2-13に規定する制御装置と組み合わせて定電圧,定電流又は定電力で動作させる制

御装置非内蔵形LEDモジュール 

background image

C 8155:2019  

・ 制御装置一部内蔵形LEDモジュール(タイプ2)の制御装置の電源部は,設計の範囲内の

電流,電圧又は電力を制御する電子回路装置である。 

・ 制御装置一部内蔵形LEDモジュール(タイプ2)の制御装置の制御部は,LEDへの電気的

エネルギーを制御する電子回路装置である。 

・ 外部制御装置と組み合わせるLEDモジュールは,制御装置非内蔵形モジュール(タイプ3)

又は制御装置一部内蔵形モジュール(タイプ2)のいずれかである。 

図1−LEDモジュールの分類 

この規格に規定する要求事項は,形式試験だけに関係する。 

なお,全数検査及びロット抜取検査に対する推奨は,検討中である。 

この規格は,白色光を発するLEDモジュールに適用する。OLED(有機EL)には,適用しない。 

LEDモジュールの一般にいう寿命時間には,光束低下又は不点灯,光色の変化又は演色性の劣化,安全

に関わる信頼性の低下など,多くの要素を含んでいる。中でも影響が大きい光束維持時間の判定は,多く

の場合,実用的な時間で終了する他の試験と比べて極めて長い試験時間となる。結果として,製造業者又

は責任ある販売業者(以下,製造業者などという。)の公表する寿命時間(例えば,光束維持時間)は,実

用的な試験時間内で得られる結果の適用方法が標準化されていないため,信頼性を確保した検証を行うこ

とができない。したがって,6.1に規定する点灯時間以降の,製造業者などが公表する寿命時間(光束維持

時間)に対する合格又は不合格の検証は,この規格の適用範囲外である。 

この規格は,寿命特性の一つであるメディアン光束維持時間の代わりに,現実的な試験時間で適合性の

確認ができる光束維持率区分を採用する。光束維持率区分は,メディアン光束維持時間を保証するもので

はない。光束維持率区分とは,事前に,製造業者などが納入仕様書などで提示する光束減退特性である。 

メディアン光束維持時間を検証するためには,試験データの外挿が必要となる。6.1に規定する試験時間

を超える特性を推定するための一般的な方法は,検討中である。 

この規格で規定する寿命働程中の光出力特性に関する合否判定の手順は,今までの製造業者などが宣言

していた特性に関する合否判定の手順と異なる。 

この規格で推奨する寿命働程中の光出力特性に関する説明は,附属書Cを参照。 

C 8155:2019  

注記 照明器具内でLEDモジュールを点灯動作する場合,公表されているLEDモジュールの性能は,

照明器具における構成部品の影響などのため,この規格によって確認した性能と一致しない場

合がある。 

この規格は,タイプ2及びタイプ3のLEDモジュールに対応する外部制御装置の試験には適用しない。 

水の浸入及びじんあいの侵入に対する保護は,B.3を参照。 

1.2 

一般事項 

この規格に適合する制御装置内蔵形LEDモジュール(図1のタイプ1)は,定格入力電圧の92 %〜106 %

の範囲で始動し,点灯する。この規格に適合するLEDモジュール(図1のタイプ2及びタイプ3)は,JIS 

C 8147-2-13及びJIS C 8153に適合する外部制御装置を用いて始動し点灯する。この規格に適合する全て

のLEDモジュールは,LEDモジュールの製造業者などが宣言する条件下において,JIS C 8105-1に適合す

る照明器具内で始動し点灯する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 62717:2014,LED modules for general lighting−Performance requirements及びAmendment 

1:2015(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7516 金属製直尺 

JIS C 7801 一般照明用光源の測光方法 

JIS C 8105-1 照明器具−第1部:安全性要求事項通則 

注記 対応国際規格:IEC 60598-1,Luminaires−Part 1: General requirements and tests 

JIS C 8105-5 照明器具−第5部:配光測定方法 

JIS C 8147-2-13:2014 ランプ制御装置−第2-13部:直流又は交流電源用LEDモジュール用制御装置

の個別要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 61347-2-13,Lamp controlgear−Part 2-13: Particular requirements for d.c. or 

a.c. supplied electronic controlgear for LED modules 

JIS C 8152-2 照明用白色発光ダイオード(LED)の測光方法−第2部:LEDモジュール及びLEDラ

イトエンジン 

JIS C 8153 LEDモジュール用制御装置−性能要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 62384,DC or AC supplied electronic control gear for LED modules−

Performance requirements 

JIS C 8154:2015 一般照明用LEDモジュール−安全仕様 

注記 対応国際規格:IEC 62031:2008,LED modules for general lighting−Safety specifications 

JIS C 60068-2-14:2011 環境試験方法−電気・電子−第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N) 

注記 対応国際規格:IEC 60068-2-14,Environmental testing−Part 2-14:Tests−Test N: Change of 

temperature 

C 8155:2019  

JIS C 60068-3-5:2006 環境試験方法−電気・電子−第3-5部:温度試験槽の性能確認の指針 

注記 対応国際規格:IEC 60068-3-5:2001,Environmental testing−Part 3-5: Supporting documentation 

and guidance−Confirmation of the performance of temperature chambers 

JIS C 62504 一般照明用LED製品及び関連装置の用語及び定義 

注記 対応国際規格:IEC 62504,General lighting−Light emitting diode (LED) products and related 

equipment−Terms and definitions 

JIS Z 8113 照明用語 

JIS Z 8724 色の測定方法−光源色 

JIS Z 8725 光源の分布温度及び色温度・相関色温度の測定方法 

JIS Z 8726 光源の演色性評価方法 

JIS Z 9112:2012 蛍光ランプ・LEDの光源色及び演色性による区分 

IEC 60081,Double-capped fluorescent lamps−Performance specifications 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 8154,JIS C 62504及びJIS Z 8113によるほか,次による。 

3.1 

試験電圧,試験電流又は試験電力(test voltage, current or power) 

試験を行うときの入力電圧,入力電流又は入力電力。 

注記 試験電圧,試験電流又は試験電力は,A.2を参照。 

3.2 

光束維持率(luminous flux maintenance factor, lumen maintenance factor) 

LEDモジュールの点灯中におけるある時点での光束の値を,LEDモジュールの光束の初期値で除した値。

光束の初期値に対する百分率x(単位%)で表す。 

注記 LED光源の光束維持率は,光学部品の劣化,LED光源に複数のLEDパッケージが含まれてい

る場合は個々のLEDパッケージの光束出力の減少,及び故障の影響を含む。 

3.3 

初期値(initial value) 

エージング後及び/又は点灯状態が安定したときの光学的特性及び電気的特性。 

注記 この用語の出典は,IEC 62612:2013の3.4であるが,部分的に内容を変更(測色に関する記載

と注記とを削除)して新たな定義としている。 

3.4 

維持値(maintained value) 

規定の試験条件で点灯した場合の,ある点灯時間(安定するまでの時間を含む。)における光学的特性及

び電気的特性。 

注記 試験条件は,この規格で規定している。 

3.5 

光束維持故障(parametric failure, luminous flux) 

LEDモジュールが光束維持率xを満たさない状態で動作を続ける故障。 

注記1 この規格におけるLED製品とは,LEDモジュールである。 

注記2 光束維持故障による漸減的故障モードの図解を図C.1に示す。 

C 8155:2019  

3.6 

不点灯故障(abrupt failure) 

LED製品の動作又は発光の故障。 

注記1 この規格におけるLED製品とは,LEDモジュールである。 

注記2 通常,“完全な故障”も同義で使用される。 

注記3 不点灯故障モードの図解を図C.1に示す。 

3.7 

(LEDモジュールの)メディアン光束維持時間,Lx[median useful life (of LED modules)] 

母集団のうち50 %(B50)のLEDモジュールが光束の初期値に対してxパーセントとなるまでの時間。 

注記1 メディアン光束維持時間は,動作中のLEDモジュールだけを対象とする。 

注記2 この用語の出典は,IEC 60050-845:1987の845-07-61であるが,部分的に内容を変更して新

たな定義としている。 

注記3 適合性評価に用いる場合は,直接の試験評価値でなく製造業者などの公表(又は宣言)によ

る。 

3.8 

不点灯故障確率,F(t)(abrupt failure probability) 

LEDモジュールをこの規格で規定する時間(t)又は製造業者などが指定する時間(t),動作させた場合

に不点灯が発生する確率。 

注記 LSF(t)=1−F(t) ここで,LSFはLamp Survival Factorである。CIE 097を部分的に変更してい

る。 

3.9 

不点灯故障率,AFV(abrupt failure value) 

LEDモジュールがLxのときに不点灯となる故障率。不点灯故障率(AFV)は,百分率で表す。 

注記1 AFVはF(Lx)×100 %であり,LSF(Lx)は次式である。 

LSF(Lx)=1−F(Lx) 

注記2 例: Lxが20 000 hであって,AFV[F(20 000 h)×100 %]が7 %の場合,LSFは次となる。 

LSF(20 000 h)=1−0.07=0.93 

3.10 

不点灯故障時間,Cy(time to abrupt failure) 

母集団のうちy %のLEDモジュールが不点灯となるまでの時間。 

注記1 不点灯故障時間は,不点灯となったLEDモジュールだけを対象とする。 

注記2 CAFV=Lx 

3.11 

組合せ故障率,CFV(combined failure value) 

LEDモジュールがLxのときの光束維持故障と不点灯故障とを組み合わせた故障率。組合せ故障率(CFV)

は,百分率で表す。 

注記1 CFV=50+0.5×AFV 

注記2 AFV=15 %の場合,CFVは次式となる。 

CFV=50+0.5×15=57.5 % 

C 8155:2019  

3.12 

combined life 

(この規格では不採用) 

3.13 

median combined life 

(この規格では不採用) 

3.14 

photometric code 

検討中。 

注記 この用語はJIS C 62504でも検討中である。 

3.15 

tp点(tp-point) 

性能温度tp及びLEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedを測定するために,LEDモジュール表面に指定

された点。 

3.16 

tp温度(tp temperature) 

LEDモジュールの性能に関係する,tp点の温度。 

注記1 tp及びtcの位置が同じ場合,tp≦tcである。tcについては,JIS C 8154の3.10(定格最高許容

温度)を参照。 

注記2 この規格で規定する光束維持時間,又は製造業者などが指定する光束維持時間に対応する, 

tp温度は変数ではなく,固定値である。 

注記3 宣言する光束維持時間に依存して,tpは複数であってもよい。 

3.17 

LEDモジュール推奨最高動作温度,tp rated(recommended maximum LED module operating temperature value) 

製造業者などが宣言する最高動作温度。 

注記 tp rated及びtcの位置が同じ場合,tp rated≦tcである。tcについては,JIS C 8154の3.10を参照。 

3.18 

LEDダイ(LED die) 

LEDの発光に寄与する半導体の部分。 

注記 LEDダイの構造図は,図G.1参照。 

3.19 

displacement factor 

(削除。この規格では不採用。) 

3.20 

スケーラブルLEDモジュール(scaleable LED module) 

一定の設計規則を適用し,全光束,消費電力などの特性を幾何学的な寸法に比例するように設計した

LEDモジュール。 

注記 例えば,直線状の形状であり,次のように単位長さ当たりの特性(消費電力及び全光束)が一

定となるように設計しているとともに,複数を一つの大きなユニットの一部として用いるLED

モジュールは,スケーラブルLEDモジュールとみなす。 

C 8155:2019  

・ 50 cmの長さで10 Wの電力で点灯させたとき,500 lmの全光束となるLEDモジュール 

・ 100 cm(50×2)の長さで20 W(10×2)の電力で点灯させたとき,1 000 lm(500×2)の

全光束となるLEDモジュール 

3.21 

ファミリー(family) 

同じ特性及び制御方法(内蔵形,一部内蔵形又は非内蔵形)をもつ,LEDモジュールのグループ。この

グループは,材料,部品及び/又はプロセスの共通性で区分する。 

注記 JIS C 62504の3.11には,次の用語及び定義がある。 

ファミリー(family) 

同じ特性及び制御方法(内蔵形,一部内蔵形又は非内蔵形)をもつ,LED光源及びLED照

明器具のグループ。このグループは,材料,部品及び/又はプロセスの共通性で区分する。 

表示 

4.1 

一般事項 

製造業者などは,表1に示す表示内容の情報を規定した場所に表示しなければならない。 

j),n)及びo)以外の情報は,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedと関連付けられていなければならな

い。 

この情報は,JIS C 8154の表示事項に追加する。 

スケーラブルLEDモジュールは,技術文書に基準寸法を表示する(6.1参照)。 

メディアン光束維持時間Lxは,“光束維持時間Lx(B50)”又は“光束維持時間Lx”として表示してもよ

い。 

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C 8155:2019  

表1−表示内容及び表示場所a) 

表示内容 

LED 

モジュール 

包装 

技術文書 

(データシート,リー
フレット又はウェブ・

サイトを含む。) 

a) 光束(lm)の定格値 

− 

×e) 

× 

b) 光源色及び演色性の種類d)(JIS Z 9112を参照) 

− 

×e) 

× 

c) メディアン光束維持時間(median useful life),Lx(h) 

及び光束維持率x(%) 

− 

− 

× 

d) 不点灯故障率(abrupt failure value),AFV(%) 

(メディアン光束維持時間Lx時における) 

− 

− 

× 

e) 光束維持率区分(表6参照) 

− 

− 

× 

f) 色度座標区分の定格値(初期値及び維持値)(表5参照) 

− 

− 

× 

g) 相関色温度(K) 

− 

− 

× 

h) 平均演色評価数Raの定格値(初期値) 

− 

− 

× 

i) 

LEDモジュール推奨最高動作温度tp rated(℃)c) 

×b) 

− 

× 

j) tp点 

×c) 

− 

×c) 

k) エージング時間(h)(0時間でない場合) 

− 

− 

× 

l) 

周囲温度範囲(最高周囲温度及び最低周囲温度) 

− 

− 

× 

m) −[定格効率(削除)] 

n) 寸法(許容差を含む。) 

− 

− 

× 

o) ヒートシンクの必要性 

− 

− 

× 

s) −[基本波力率(削除)] 

− 

− 

− 

t) 温度サイクル試験の試験条件(1 K/min又は10 K/min) 

− 

− 

× 

記号の“×”は必要,“−”は不要を表す。 
注a) 地域の要求事項を優先して適用してもよい。 

b) モジュール上のスペースが十分大きくない場合,包装だけに表示すれば十分である。 

c) tp及びtcが同じ場所の場合,tpを分離してモジュールに表示せず,製品データシートに表示する。tp点の表示

は,製品,製品データシート,リーフレット又はウェブ・サイトのいずれかから選択できる。 

d) (削除) 

e) この表のa)及びb)に従った表示は,一般消費者に販売されない製品(の包装)である場合,要求しない。 

4.2 

追加表示 

製造業者などは,放熱構造手段にかかわらず,表1に基づく器具組込み形及び器具一体形のLEDモジュ

ールのtp点におけるLEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedを含む少なくとも三つの温度と,それぞれの

メディアン光束維持時間との関係を表示してもよい。表2に例を示す。 

製造業者などは,独立形LEDモジュールについて,25 ℃を含む,少なくとも三つの周囲温度に対応す

る(tp点で測定した)tp温度とそれぞれのメディアン光束維持時間との関係を表示してもよい。表2に例

を示す。 

表2−LEDモジュールのメディアン光束維持時間に関する情報の表示例 

tp点で測定したtp温度(℃) 

XX a) 

XX a) 

XX a) 

メディアン光束維持時間(h) 

XX XXX a) 

XX XXX a) 

XX XXX a) 

注a) LEDモジュールの製造業者による宣言値 

LEDモジュールの製造業者によるtp温度及びメディアン光束維持時間に関する追加情報は,表としても

よい。選択したメディアン光束維持時間に対し,tp温度は,固定値である。 

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C 8155:2019  

注記1 現時点で,この規格は,tp温度及びメディアン光束維持時間に関する情報(表2)を検証する

ための,試験方法などを規定していない。 

注記2 表2は不点灯故障に関する情報を含めない。 

4.1に追加して,表3に示す項目を表示してもよい。 

表3−任意で追加してもよい表示内容及び表示場所 

表示内容 

本体 

包装 

技術文書など 

(データシート,技術文書又

はウェブ・サイトを含む。) 

a) 配光 

− 

− 

× 

b) ビーム角 

− 

− 

× 

c) 最大光度 

− 

− 

× 

記号の“×”は必要,“−”は不要を表す。 

寸法 

試料となるLEDモジュールの寸法は,製造業者などが宣言している許容差を満たさなければならない。 

試験は,JIS B 7516に規定する金属製直尺又はこれと同等以上の測定具によって測定する。 

試験条件 

6.1 

一般試験条件 

この規格に適合するLEDモジュールは,安全仕様であるJIS C 8154に適合しなければならない。 

注記1 JIS C 8154において,“一体形”又は“組込み形”のいずれの規定を適用するかは,照明器具

に組み込んだ状態でJIS C 8105-1の規定を満足する範囲において,製造業者などが選択して

よい。 

高調波を除くEMC(Electromagnetic compatibility,電磁両立性)要求事項への適合基準は,地域ごとの

規定による。関連規格は,参考文献を参照。 

次のいずれかに該当するLEDモジュールだけがEMC要求事項(エミッション及びイミュニティを含

む。)について配慮する必要がある。 

− 能動素子を搭載し,かつ,商用電源に直接接続するLEDモジュールは,高調波電流に留意することが

望ましい。 

− 商用電源(又はバッテリ)に直接接続する制御装置内蔵形LEDモジュール(タイプ1)は,放射妨害

波及び妨害波電圧に留意することが望ましい。 

− 商用電源(又はバッテリ)に直接接続する制御装置内蔵形LEDモジュール(タイプ1)は,イミュニ

ティに留意することが望ましい。 

光学特性の試験時間は,メディアン光束維持時間として宣言した定格値の25 %に相当する時間とし,最

大6 000時間とする。 

なお,代替手段として,製造業者などの技術文書(例えば,附属書I)がある場合,光学特性の維持値

の要求に対する試験結果として用いてもよい。 

注記2 試験期間を短縮するために,同じファミリー(3.21参照)に属する試験の一部として扱って

もよい。同じファミリーであることを確認するには表4を参照し,ファミリーに関する試料

数は表7を参照。 

10 

C 8155:2019  

電気的特性,光学的特性,光束維持率又は耐久性評価に関する試験は,附属書Aによる。 

全ての試験は,同じ形式のn個のLEDモジュールで実施する。nは,表7に示す最小試料数である。耐

久性試験に用いたLEDモジュールは,他の試験には用いてはならない。 

タイプ2及びタイプ3のLEDモジュールの場合,それぞれ,試験は,分離された試験用電源装置及び試

験用制御を用いて実施することが望ましい。LEDモジュールは,標準的な電源及び標準的な制御装置によ

って点灯して試験する。 

調光機能を備えたLEDモジュールでは,全ての試験を最大の光出力に調節して行わなければならない。 

調色機能を備えたLEDモジュールは,製造業者などが指定する値に調整しなければならない。 

長さが非常に長いスケーラブルLEDモジュールは,50 cm(又は近い寸法)で試験する。長さが50 cm

に調整できない場合には,50 cmに最も近い寸法で試験する。LEDモジュール製造業者は,その長さに対

して適切な試験用の電源及び制御装置に関する情報を提示しなければならない。 

6.2 

試験を低減するためのLEDモジュールにおけるファミリーの構築 

6.2.1 

一般事項 

ファミリーの導入は,6.1による点灯時間で試験した既存製品のデータを基準として利用することを可能

とすることによって,LEDモジュールの製造業者のプラットフォームを設計するための方向付けを目的と

している。先行して,この規格に適合したLEDモジュールが基準製品とみなし,ファミリーの一部である

と指定する。 

6.2.2 

一つのファミリー内での仕様の変動 

LEDモジュールのファミリーは,ケース バイ ケースで判断する。ファミリーの対象となるLEDモジ

ュールは,同一の製造業者などによって同一の品質保証システムの下で製造することが望ましい。形式違

い(例えば,相関色温度)で同一ファミリーの対象となるものは,使用材料,使用部品及び構造が本質的

に同一であることが望ましい。形式試験用の試料は,製造業者及び試験機関が協力して選択することが望

ましい。 

形式試験におけるLEDモジュールのファミリーの要件は,3.21及び表4に示す。 

表4の条件に一致する特性項目の範囲内の変化である場合,そのLEDモジュールはファミリー製品とみ

なし,そのファミリー内の試験時間は1 000 h(検討中)に短縮してもよい。重要構成部品は,“同じ部品”

又は“同じ技術で,かつ,同等以上の材料を用いた部品”でなければならない。 

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表4−ファミリー内の許容される仕様の変更条件 

変更しようとする部分的な特性 

許容される条件 

外郭/シャーシ,ヒートシンク
/熱の管理(放熱手法) 

LEDモジュールの製造業者などが指定した位置で測定したLEDパッケージの温
度及び他の部品の温度は基準製品と同じかそれ以下である。 
外郭/シャーシ,ヒートシンクなどを変更したLEDモジュールのメディアン光
束維持時間が基準製品と同じかそれ以上であることを製造業者などが指定し,技
術文書に記載してある(注記1も参照)。 

光学(注記2参照) 

光学材料の変更による影響の有無を示す試験結果は,製造業者の技術文書に明記
していなければならない。 

LEDパッケージ 

tp温度は,基準製品と同じかそれ以下である。 

LEDパッケージを変更したLEDモジュールのメディアン光束維持時間が基準製
品と同じかそれ以上であることを製造業者又は販売責任者が指定し,技術文書に
記載してある(注記1も参照)。 

制御装置 
(タイプ1又はタイプ2のLED
モジュールに適用する。) 

tp温度は,基準製品と同じかそれ以下でなければならない。 

制御装置を変更したLEDモジュールのメディアン光束維持時間が基準製品と同
じかそれ以上であることを製造業者又は販売責任者が指定し,技術文書に記載し
てある。 
統計上の故障は,基準製品と同じかそれ以下でなければならない。 

注記1 LED部の測定温度とtp温度との相関が明確であれば,tp値を使用できる(相関の評価手順は検討中)。 
注記2 光学部材には,例えば二次的光学(レンズ),反射材,トリム(バッフル),ガスケット(パッキン)及び

それらの組合せを含む。これらの変更は,光束,最大光度,配光,ビームの開き,色度座標のシフト及び
相関色温度のシフト(演色評価数を削除)に関係することがある。 

ファミリーとして扱う部品の許容範囲内での変更内容は,製造業者の技術文書としておかなければなら

ない。 

6.2.3 

ファミリー内の適合性試験 

同一のファミリー内の製品に対し,次に示す初期値及び短縮した試験時間後の値(例えば,6 000時間で

なく,1 000時間後の値)は,LEDモジュールの製造業者などが宣言する値(初期値及び維持値)と一致

しなければならない。 

− 色度座標 

− (この規格では,平均演色評価数は不採用とし削除) 

− 光束維持率区分 

− 高温動作試験 

文書化したデータは,製造業者の技術文書に加えなければならない。 

合否判定は,次による。 

試験した全てのLEDモジュールに対して,初期値及び短縮した試験時間後の値が,製造業者などが宣言

する値(初期値及び維持値)に適合しなければならない。測定値は,製造業者などが宣言する区分(色度

範囲区分又は光束維持率区分)に対し,同等以上でなければならない。 

電気的特性 

7.1 

LEDモジュールの電力 

測定条件に関しては,附属書Aを参照する。 

合否判定は,次による。 

試料が消費する電力の初期値(個々の値)は,製造業者などが電力の定格値を宣言している場合,その

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定格値の110 %以下でなければならない。 

なお,LEDモジュールが分離した制御装置(図1のタイプ2の制御装置の電源部及びタイプ3の制御装

置)と組み合わせて使用する場合であっても,上記の要求事項は,その分離した制御装置を適用しないこ

とに,留意する必要がある。 

7.2 

基本波力率 

(この規格では不採用) 

光出力 

8.1 

光束 

光束は,附属書Aによって測定する。 

合否判定は,次による。 

試料の光束の初期値(個々の値)は,光束の定格値の90 %以上でなければならない。 

8.2 

配光,最大光度及びビーム角 

8.2.1 

一般事項 

8.2.4及び8.2.5は,指向性の(スポット)配光をもつLEDモジュールに適用する。 

注記 LEDモジュールの配光特性は,用途による。 

8.2.2 

測定 

測定は,配光測定装置によって様々な方向のLEDモジュールの光度として測定する。LEDモジュール

の全ての測光データは,A.1によってLEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedで点灯した場合のデータを

宣言しなければならない。 

測定値の許容範囲は,製造許容差を考慮することが望ましい。 

8.2.3 

配光 

配光は,製造業者などが公表した配光に適合しなければならない。測定は,A.3.3による。 

合否判定は,検討中。 

8.2.4 

最大光度値 

試験は,附属書Aによって測定する。 

合否判定は,次による。 

製造業者などが最大光度の定格値を公表する場合,各試料の最大光度値は,その定格値の75 %以上でな

ければならない。 

8.2.5 

ビーム角 

試験は,附属書Aによって測定する。 

合否判定は,次による。 

製造業者などが,ビーム角の定格値を公表する場合,各試料のビーム角は,その定格値の±25 %でなけ

ればならない。 

8.3 

エネルギー消費効率 

(この規格では不採用) 

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光源色及び演色性 

9.0A JIS Z 9112による光源色 

JIS Z 9112の光源色の区分(光源色の種類)を用いる場合,色度座標及び相関色温度は,JIS Z 9112の

箇条5(LEDの光源色による区分)による。 

9.1 

色度座標 

色度座標は,初期値を測定した後,6.1に規定する条件で維持値を測定する。測定値を基に算出した色度

座標(初期値又は維持値)は,種別ごとの色度座標点の定格値を中心とするマクアダム(MacAdam)だ(楕)

円に対応した四つの区分(表5を参照)における宣言した区分になければならない。だ(楕)円の大きさ

(nステップで表記)は,種別ごとの公差又は偏差に関する尺度である。 

ファミリーとして扱うLEDモジュールの合否は,6.2.3による。 

色度座標の試料は,四つ以上の製造ロットから選択することが望ましい。 

注記1 初期値及び維持値の区分は,異なってもよい(附属書D参照)。 

注記2 四つ以上の製造ロットとは,長期間の生産ばらつきと同等であるような試料である。 

表5−色度座標の定格値の許容値区分 

マクアダムだ(楕)円サイズ(SDCM) 
[だ(楕)円中心:色度点の定格値] 

色度範囲区分 

初期値 

維持値 

3-ステップ 

5-ステップ 

7-ステップ 

7-ステップ超 

7+ 

7+ 

LEDモジュールの色度座標の挙動は,色度座標の初期値及び維持値の二つの測定結果によって表す。 

この規格は,個別の使用用途で要求されるIEC 60081に規定されていない相関色温度のLEDモジュール

も対象としている。 

なお,IEC 60081で規定していない相関色温度の中心座標の標準化は,検討中である。 

注記1 許容される色度範囲は,1943年に米国光学学会誌で公表された,マクアダムが定義しただ円

に基づいており,蛍光ランプ及び他の放電ランプに一般的に適用されている。 

注記2 LEDモジュールに対する色度座標の測定方法は,附属書Aによる。 

注記2A 形式試験に関する試料数の一例を,表7に示す。 

9.2 

相関色温度 

互換性を確保するための適切な相関色温度は,検討中である。附属書Dの光学特性コードを用いる場合,

4桁の相関色温度値を100で除した値の小数部分を切り捨て,整数値に丸める。 

ファミリーとして扱うLEDモジュールの合否は,6.2.3による。 

個々の試料の相関色温度は,製造業者などが宣言した値を満足しなければならない。 

注記 形式試験に関する試料数の一例を,表7に示す。 

9.3 

演色性 

平均演色評価数Raは,初期値を測定する(維持値に関する測定要求を削除)。 

ファミリーとして扱うLEDモジュールの合否は,6.2.3を参照する。 

試料の平均演色評価数Raは,次の値以上でなければならない。 

− 初期値は,平均演色評価数の定格値(表1参照)から3を減じた値 

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− (維持値に関する基準を削除) 

なお,光学特性コードを用いる場合,附属書Dによる。 

注記 形式試験に関する試料数の一例を,表7に示す。 

10 光束維持率区分及び耐久性評価 

10.1 一般事項 

LEDモジュールの“使用できない状態”とは,材料劣化などに起因する徐々に暗くなっていく故障(10.2

参照)と,電子部品の故障などに起因する全く点灯しない故障(10.3参照)との組合せによって決まるた

め,両方の要因に関わる試験を行う。 

なお,LEDモジュールの“使用できない状態”については,附属書Cによる。 

“光束維持率”及び“メディアン光束維持時間”は,3.2及び3.7を参照する。LEDモジュールの“メデ

ィアン光束維持時間”における母集団の一部の変量(B50)は,10.2及び10.3の要求に適合しない場合が

ある。 

1.1で規定しているように,この規格は,“メディアン光束維持時間”を算出するために必要となる試験

方法及び合否判定基準を規定していない。 

10.2 光束維持率区分 

光束維持率区分の定格値は,LEDモジュールの用途によって,異なってもよい。光束維持率区分は,製

造業者が宣言することが望ましい。 

注記1 通常,LEDモジュールの典型的な“メディアン光束維持時間”は非常に長い時間となるため,

規格として,この“メディアン光束維持時間”(例えば,L70)までの光束減退特性を試験で

確認することは,時間がかかりすぎ,非現実的なものとなる。よって,この規格では,適用

範囲でも規定したように現実的な時間で確認できる“光束維持率区分”を採用した。 

注記2 LEDモジュールの実際の光束維持率は,形式及び製造業者によって大きく異なる。全ての

LEDモジュールの光束維持率を簡単で一般的な数式で表すことは不可能である。LEDモジュ

ールにおける初期の急激な光束低下は,必ずしも,製造業者などが宣言している“メディア

ン光束維持時間”の定格値を満足しないことを示唆するものではない。 

注記3 LEDモジュールの光束維持率低下の先進的な推定方法は,検討中である。 

この規格は,6.1で規定した点灯時間における光束維持率による“光束維持率区分”(図2参照)を採用

している。光束維持率に応じて,三つの光束維持率区分に分類している(表6参照)。 

表6−6.1で規定した点灯時間時点の光束維持率区分 

光束維持率(%) 

光束維持率区分 

≧90 

≧80 

≧70 

最初に,光束の初期値を測定し,この光束の値を最初の測定値として,100 %とする。次に,6.1で規定

した時間(“メディアン光束維持時間”として宣言した定格値の25 %に相当する時間であって,最大は6 000

時間)における光束の維持値を測定して,そのときの光束の初期値に対する百分率(光束維持率)を算出

する。 

光束は,6.1で規定した時間になるまで,1 000時間ごとに測定することが望ましい。 

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注記4 光束を1 000時間ごとに測定することによって,測定値の信頼性は高くなる。しかし,信頼

性がどれだけ高くなっても,メディアン光束維持時間の25 %に相当する時間(最大6 000時

間)の光束維持率に対応する“光束維持率区分”は,“メディアン光束維持時間”を予測する

ものとならない。 

例えば,光束維持率区分として“9”を表示するLEDモジュールの“メディアン光束維持

時間”は,光束維持率区分として“7”を表示するLEDモジュールの“メディアン光束維持

時間”より,短い場合もある。 

光束維持率(x)及び光束維持率区分の表示は,表1を参照。 

合否は,“メディアン光束維持時間Lx”として宣言した定格値の25 %に相当する時間(最大6 000時間)

で判定する。 

ファミリーとして扱うLEDモジュールの合否は,6.2.3を参照する。 

LEDモジュールは,次の評価基準に適合した場合,試験に合格したとみなす。 

a) “メディアン光束維持時間LX”として宣言した定格値の25 %に相当する時間(最大6 000時間)にお

ける光束の値は,光束維持率(x)を乗じて求めた光束の値を下回ってはならない。 

注記5 光束維持率(x)を乗じて求めた光束の値とは,例えば,メディアン光束維持時間をL70=

24 000時間と宣言している場合,実際に測定した光束の初期値10 000(lm)に,光束維持

率70 %を積算した値7 000(lm)(10 000×0.7)となる。 

b) 光束維持率の値は,製造業者などが宣言する光束維持率区分における光束維持率の値以上でなければ

ならない。 

LEDモジュールの試料の90 %以上が合格しなければならない。 

 (1) 光束の初期値 

(2) 6.1で規定する時間での光束の値 
(3) 下限の線は,メディアン光束維持時間であって,L70時点における光束維持率(70 %)の場合 
 

図2−光束維持率(メディアン光束維持時間及び光束維持率区分) 

10.3 耐久性評価 

10.3.1 一般事項 

LEDモジュールには,10.3.2〜10.3.4の試験を行う。 

初期値に対する%で
表した光束の値 

メディアン光束維持時間の定格値(h)

光束維持率区分 

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これらの試験の代替手段として,製造業者などの技術文書がある場合,それらの要求に対する試験結果

として用いてもよい。 

注記 全ての試験は,異なるLEDモジュールを用いて並行して行うことができる。 

10.3.2 温度サイクル試験 

10.3.2.1 一般事項 

温度サイクル試験は,JIS C 60068-2-14の箇条8(試験Nb:定速温度変化試験)及び次による。試験方

法は,10.3.2.2又は10.3.2.3のいずれか一方を選択してよい。 

10.3.2.2 試験方法1(定速温度変化10 K/minの場合) 

10.3.2.2.1 試験準備 

LEDモジュールを,適切なヒートシンクに取り付けてJIS C 60068-3-5で規定する温度試験槽(以下,

恒温槽という。)の中に置き,試験電圧に対応した公称電流で点灯し,この規格で要求しているtp温度と

なるようにする。ヒートシンクは,40 ℃±10 ℃の恒温槽内でLEDモジュール推奨最高動作温度,tp rated

(±10 K)(表2による。)で安定するものでなければならない。このときの恒温槽の温度を,温度サイク

ル試験の最高周囲温度とする。最低周囲温度は,最高周囲温度から50 Kを差し引いて得られる。これらの

二つの温度を温度サイクル試験に用いる。 

製造業者が技術文書においてtp温度に範囲を公表している場合,この範囲内の最高及び最低の温度で試

験する。 

試験は,250サイクル行う。 

10.3.2.2.2 試験手順 

試験手順は,次による。 

a) 最高周囲温度(10.3.2.2に示す温度)で,LEDモジュールの動作が安定した後,LEDモジュールの電

源を遮断し,恒温槽内の温度を,温度勾配が毎分10 Kで最低周囲温度まで低下させる。 

b) LEDモジュールの電源を遮断した状態で,最低周囲温度付近で50分間おいた後,LEDモジュールの

電源を10秒間投入・50秒間遮断のサイクルで10回行う。 

c) LEDモジュールの電源を入れる。 

d) 恒温槽内の温度を,温度勾配10 K/minで最高周囲温度まで上昇させる。 

e) LEDモジュールの電源を投入した状態で,最高周囲温度付近で50分間おいた後,LEDモジュールの

電源を10秒間投入・50秒間遮断のサイクルで10回行う。 

f) 

a)〜e)を249回繰り返す。 

合否判定は,次による。 

試験終了時,全てのLEDモジュール試料は,公表する光束維持率区分に対応する光束で,少なくとも

15分間点灯できなければならない。また,クラック又はラベルの剝れのような,温度サイクルによる物理

的影響があってはならない。 

なお,A.1に規定する温度に関する要求事項は適用しない。 

10.3.2.3 試験方法2(定速温度変化1 K/minの場合) 

LEDモジュールを−10 ℃〜+50 ℃(周囲温度範囲は検討中。製造業者が,最高及び最低周囲温度によ

る周囲温度範囲を技術文書などで公表している場合は,その値を採用することが望ましい。)で変化する恒

温槽内に設置する。4時間を1サイクルとし,250サイクル,すなわち,1 000時間(検討中)の試験を行

う。 

LEDモジュールは,+50 ℃の恒温槽内で,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedとなる適切なヒート

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シンクに装着する。 

1サイクルの構成は,最高及び最低周囲温度で各々1時間,最高及び最低周囲温度までの移行時間を1

時間(1 K/min)とする。この間,LEDモジュールの電源は,17分間投入・17分間遮断のサイクルを繰り

返す。 

合否判定は,次による。 

試験終了時,全てのLEDモジュール試料は,公表する光束維持率区分に対応する光束で少なくとも15

分間点灯を維持しなければならない。また,クラック又はラベルの剝れのような,温度サイクルによる物

理的影響があってはならない。 

注記1 恒温槽の温度サイクルと合わないようにする目的で,LEDモジュールの電源に対する投入・

遮断のサイクルを,34分(17分間投入・17分間遮断)とした。 

注記2 A.1に規定する温度に関する要求事項は,適用しない。 

注記3 ヒートシンクを必要としないLEDモジュール及びヒートシンクと一体化したLEDモジュー

ルは,+50 ℃の恒温槽内で,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedに達しない場合がある。 

10.3.3 電源開閉試験 

試験電圧,試験電流又は試験電力で,LEDモジュールの電源を30秒間投入・30秒間遮断のサイクルを

繰り返す。サイクル数は,メディアン光束維持時間の定格値を半分にした数(単位を,時間からサイクル

に替える。)とする(例えば,メディアン光束維持時間の定格値が20 000時間であれば,10 000サイクル

となる。)。 

A.1に規定する温度に関する要求事項を適用する。 

合否判定は,次による。 

試験終了時,全てのLEDモジュール試料は,公表する光束維持率区分に対応する光束で少なくとも15

分間点灯を維持しなければならない。 

10.3.4 高温動作試験 

LEDモジュールは,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedに10 K(この細分箇条の最終段落を参照)

を加えた温度に相当する周囲温度において,試験電圧を変更せずに1 000時間連続点灯させる。試験の間,

いき(閾)値温度がLEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedを超える場合,LEDモジュールの電源の遮断

又は光出力を低下させる熱的保護手段の起動を行ってはならない。 

合否判定は,次による。ファミリーとして扱うLEDモジュールの合否は,6.2.3による。 

試験が終了し,LEDモジュールの温度が,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedとなった後,全ての

試料(LEDモジュール)の光束は,その初期値の80 %以上で少なくとも15分間点灯できなければならな

い。 

A.1に規定する温度に関する要求事項は,適用しない。 

高温動作試験において,通常の使用状態で起こる現象に関連しない故障モード又は故障メカニズムを引

き起こさないことが望ましい。例えば,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedを過度に超える温度では,

実際の使用状態では起こらない化学的又は物理的な現象を引き起こす場合がある。 

LEDモジュール製造業者などは,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedを超える温度を表示すること

ができるが,前述の影響に留意しなければならない。 

注記 この試験は,不点灯故障を確認するためのものである。 

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11 検査 

形式試験に関する試料数の一例を,表7に示す。試料は,製造業者の製品を代表するものでなければな

らない。 

表7−試料数(一例) 

箇条 

試験 

基準製品の最小試料数 

ファミリー製品の最小試料数 

4.1 i) 

LEDモジュール推奨最高動作温度,tp rated 

1 a) 

1 a) 

4.1 j) 

tp点 

寸法(許容差を含む。) 

8.2.3 

配光 

5 a) 

8.2.4 

最大光度値 

8.2.5 

ビーム角 

電力 

10 a) 

3 a) 

8.1 

全光束 

8.3 

−(この規格では,エネルギー消費効率
は不採用) 

9.1 

色度座標(初期値及び維持値) 

9.2 

相関色温度 

9.3 

平均演色評価数(初期値) 

10.2 

光束維持率区分 

10.3.2 

温度サイクル試験 

10.3.3 

電源開閉試験 

10.3.4 

高温動作試験 

注a) 同一の試料に対して枠内の試験を行う。 

12 照明器具設計に関する情報 

照明器具設計に関する情報は,附属書Bによる。 

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附属書A 

(規定) 

LEDモジュール特性の測定方法 

A.1 一般事項 

全ての測定は,特に規定がない場合,温度25±1 ℃,相対湿度最大65 %以下の通風のない部屋で行う。

LEDモジュールは,安定点灯状態とする。 

気流に関する要求事項は,JIS C 7801の5.2(試験場所の条件及び状態)又はJIS C 8105-5の7.2(試験

室の環境)参照。 

温度測定は,附属書Hに記載の設備を用いてもよい。 

10.2及び10.3.3は,tp点の温度が,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedから5 ℃を減じた値とtp rated

との範囲(tp rated−5,tp rated)で,製造業者が指定した定格の最高周囲温度(許容差は,+0 K,−5 Kとす

る。)で行う。最高周囲温度の定格値がない場合,(20〜25 ℃)の周囲温度で行う。電源断続試験時は,温

度に関する要求事項は電源投入期間にだけ適用できる。試験中,LEDモジュール推奨最高動作温度tp rated

を超えてはならない。正確なLEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedを得るには,適切なヒートシンクを

用いるか又は加熱する必要がある。tp点は,容易に試験できる位置に設ける。tp点とtc点とが異なっても,

最高許容温度tcの定格値を超えてはならない。 

全ての試験結果は,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedによる結果として報告する。製造業者など

が提供するデータにLEDモジュール推奨最高動作温度tp rated及び別のtpとの関係が明確に示されていれば,

試験は別のtpで行ってもよい。疑義がある場合,基準とする測定は,LEDモジュール推奨最高動作温度tp rated

で行う。LEDモジュール製造業者が用いる制御装置機種に依存する場合,tp温度測定は最悪条件で行う。

LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedの値は,箇条4によって公表する。 

製造業者は,要求に応じてtp点における宣言した特性の再現方法を提供しなければならない。 

試験電圧,試験電流又は試験電力の許容差は,次のとおりとする。 

a) 安定化期間中:±0.5 % 

b) 測定時:±0.2 % 

c) エージング及び光束維持率試験時:±2 % 

電源の全高調波ひずみは3 %以内とする。電源の全高調波ひずみは,基本波を100 %とし,高調波成分

全ての実効値の総和から定義される。全ての試験は,定格周波数で行う。周波数に範囲がある場合,LED

モジュールの温度が最も高くなる周波数で行う。 

安定化は,次のステップで行う。 

d) LEDモジュールに内蔵又は外付けの熱管理機能があるか確認する。 

e) LEDモジュールを点灯し,時間に対する光束(光出力値)変化を記録し,点灯状態を確認する。 

f) 

安定化中,光出力の測定は少なくとも1分間隔で行う。光出力の最大値と最小値との差が15分間以上

の間,0.5 %未満となった場合,LEDモジュールが安定状態になったとみなす。45分以内に安定状態

とならない場合,測定を開始してもよく,変動状況を記録する。 

g) 同じ形式の他のLEDモジュールを効率よく測定するため,f)で確認した安定状態になるまでの時間を

基に,事前点灯ができる。事前点灯後,試験システムに設置し,点灯15分後として測定することがで

きる。 

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注記1 通常,安定化の過程では,温度が安定するまで光出力が緩やかに減少する。 

また,電子回路,電子部品によって温度安定化付近でも変動が生じ,安定化の判断基準に

合致しないことがある。 

注記2 安定化の条件は,関連するCIE規格の策定によって変更されることがある。 

製造業者などの指定がない場合,光束維持率試験を含む全ての試験は通風のない環境で行う。また,メ

ディアン光束維持時間の間及び測定時の測定阻害を防ぐため,試料のじんあいなどの汚れは取り除く。 

A.2 電気特性 

A.2.1 試験電圧,試験電流又は試験電力 

試験するときの電圧,電流又は電力は,定格値とする(許容差は,A.1参照)。定格に範囲がある場合,

測定はLEDモジュールの温度が最も高くなる定格値で行う。 

A.2.2 エージング 

LEDモジュールは,試験前のエージングは必要ない。ただし,製造業者などは,500時間以下のエージ

ング時間を定めてもよく,エージング時間を定めているLEDモジュールは,試験前にエージングを行う。 

A.3 光学特性 

A.3.1 試験電圧,試験電流又は試験電力 

A.2.1を参照する。 

A.3.2 全光束 

全光束の初期値及び維持値は,LEDモジュールが安定した後に,測定する。また,全光束の試験方法は,

JIS C 8152-2又はJIS C 8105-5によって測定する。 

なお,JIS C 8105-5を用いる場合,JIS C 8105-5における“照明器具”は,“LEDモジュール”に読み替

える。 

注記 CIE 84を参照。IES LM-79-08は,全光束の測定に関する有益な情報を含んでいる。 

LEDモジュールが,加熱又は放熱を必要とする場合,規定のtp温度を維持するために測定装置などを調

整することが望ましい。また,製造業者は,要求に応じてtp温度における宣言した特性の再現方法に関す

る情報を提供することが望ましい。 

A.3.3 配光 

配光は,JIS C 8105-5によって測定する。 

配光データは,LEDモジュール及びそのLEDモジュールと併せて使用する指定された光学的付加部材

及び装飾部材との全ての組合せに利用できなければならない。配光データは,国際的又は地域で確立され

たフォーマットによって扱われる。ファイルフォーマットに関する情報は,IEC 62722-1のAnnex A(Use of 

regional standards)を参照することが望ましい。測光データ及びそのフォーマットに関する情報は,IEC 

62722-1の箇条6(Photometric data),IEC 62722-1のAnnex A,JIS C 8105-5の箇条10(測定結果の報告)

及びJIS C 8105-5の附属書D(電子フォーマット)を参照することが望ましい。 

A.3.4 最大光度 

最大光度は,JIS C 8105-5の8.2.2(最大光度の測定手順)によって測定する。 

A.3.5 ビームの開き 

ビームの開きは,JIS C 8105-5の8.2.3(ビームの開きの測定手順)によって測定する。 

ビームの開きは,指定された平面極座標上の光度分布の相対値が最大光度に対して,ある指定されたパ

21 

C 8155:2019  

ーセント値(10 %又は50 %)をとる二つの方向のなす角によって決定されることに注意する。 

注記 配光特性が複雑な照明器具におけるビームの開きについては,IEC/TR 61341を参照。 

A.3.6 演色性 

試験条件及び測定方法は,JIS Z 8724及びJIS Z 8726による。 

なお,全光束に対応する平均演色評価数Raの場合には,その試験条件及び測定方法として,JIS C 8152-2

を用いてもよい。 

A.3.7 色度座標 

色度座標の試験条件及び測定方法は,JIS Z 8724による。 

なお,全光束に対応する色度座標の場合には,その試験条件及び測定方法として,JIS C 8152-2を用い

てもよい。 

9.0Aの場合,色度座標は,JIS Z 9112による。 

LEDモジュールの色度座標は,角度に依存する場合がある。特に規定がない場合,空間的な平均色度座

標が用いられる。積分球の測光法又は他の公表された手段によってもよい。 

A.3.7A 相関色温度 

相関色温度の試験条件及び測定方法は,JIS Z 8724及びJIS Z 8725による。 

なお,全光束に対応する相関色温度の場合には,その試験条件及び測定方法として,JIS C 8152-2を用

いてもよい。 

22 

C 8155:2019  

附属書B 

(参考) 

照明器具設計に関する情報 

B.1 

温度安定性 

LEDモジュール性能温度tpを超えないように保護することが望ましい。 

B.2 

白色LEDの色の区分の手続き 

IEC 62707-1を参照する。 

B.3 

水気及びじんあいの侵入に対する保護 

特定のIP分類が適用される“器具組込み”LEDモジュールが照明器具の外郭の一部を形成する場合,

LEDモジュールの仕様は,外郭の一部であることを反映することが望ましい。最終的な評価は,照明器具

で行われる。 

LEDモジュールのIPコードに関する設計は,LEDモジュールの製造業者とLED照明器具の製造業者と

で指定することが望ましい。 

“独立形”として分類するLEDモジュールは,JIS C 8105-1によって指定されたIPコードに対して試

験することが望ましい。 

“一体形”として分類するLEDモジュールは,分離して試験しないことが望ましい。 

23 

C 8155:2019  

附属書C 
(参考) 

メディアン光束維持時間Lx及び不点灯故障率AFVに関する情報 

C.1 一般 

LEDモジュールの“光束維持時間”とは,この規格で規定する試験条件下において,個々のLEDモジ

ュールが,ある光束の値(製造業者などが宣言する光束維持率x %に光束の初期値を乗じた値)以上で点

灯し続ける時間を表す。 

注記1 例えば,製造業者などが宣言する光束維持率の値xが90 %,光束の初期値が1 000 lmのとき,

“ある光束の値”は,900 lm(0.90×1 000)となる。この場合の光束維持時間は,900 lm以

上で点灯し続ける時間となる。 

通常,LEDモジュールは,徐々に暗くなっていき,ある光束の値(光束維持率に光束の定格値を乗じた

値)を下回る故障(“光束維持故障”)又は全く点灯しない故障(“不点灯故障”)によって,“使用できない

状態”となる。 

注記2 一般に,製品の“使用できない状態(寿命に関連する状態)”とは,安全面及び性能面の双方

の機能喪失による故障などから生じるものである。 

一方,この規格における故障では,意図して(性能規格として規定できる合理的な範囲と

して),安全面での機能喪失による故障,及び光束以外の一部の性能面での機能喪失による故

障(例えば,配光,色度座標,相関色温度,平均演色評価数などの劣化,不安全を生じない

破損など)によって生じる“使用できない状態”は,対象としていない。 

LEDモジュールの“不点灯故障”とは,LEDモジュール内の一つのLEDパッケージが点灯しなくなる

状態ではなく,LEDモジュール内の全てのLEDパッケージが点灯しなくなる状態とする。LEDモジュー

ル内でLEDパッケージが一つずつ点灯しなくなっていく状態は,複数のLEDパッケージをもつLEDモジ

ュールの光束の低下要因(“光束維持故障”を引き起こす要因)となる。LEDモジュールの“光束維持故

障”とは,LEDモジュールの光束の値が,ある光束の値(製造業者などが宣言する光束維持率xパーセン

トに光束の初期値を乗じた値)より低下している状態とする。図C.1に,一つのLEDモジュールで構成さ

れた照明器具における“光束維持故障”及び“不点灯故障”を示す。 

background image

24 

C 8155:2019  

注a) 光束が低下する要因には,LED照明器具を構成する光学部品類の劣化なども含む。光束の値が,製造業者など

が宣言する光束維持率に光束の初期値を乗じた値より低下したときに,“光束維持故障”となる。 

図C.1−一つのLEDモジュールで構成されたLED照明器具における二つの故障 

“LED製品”の“光束維持時間”(ある一定以上の光束を維持する時間)は,一般的な試験(形式試験,

設計確認のための評価試験など)に比べて非常に長い時間となる。また,光束低下(の特性)が製造業者

(における“LED製品”の設計)ごとに異なるため,一般的な予測方法を確立することは,困難である。 

注記3 この規格では,分かりやすく読めるよう,LEDを光源にもつ照明製品の意味で“LED製品”

という語彙を使用している。 

この規格では,(“光束維持時間”の代用特性として,)6.1に規定する時間までの光束の低下である“光

束維持率区分”を採用することとした。限られた時間であるため,製造業者が宣言する光束維持時間を確

認するものではなく否定するものでもない。10.2に規定する合否判定基準などをより理解しやすくするた

め,LED製品の“光束維持時間”及び故障(“光束維持故障”,“不点灯故障”など)について,その背景

を含めて次に説明する。 

LED製品において,より詳細に光出力の挙動を知ることで,標準化された手法によって,不点灯故障を

除く光束維持率を規定することが期待される。 

C.2 LEDモジュールの光束維持時間(Lx By) 

光束維持故障が母集団のyパーセントとなる時間を“By時間”と呼び,光束の初期値のxパーセントを

満たさなくなる光束維持故障が母集団のyパーセントとなる光束維持時間を“LxBy”で表す。 

LEDモジュールの光束の値が,ある光束の値(製造業者などが宣言する光束維持率xパーセントに初期

“光束維持故障a)” 

“不点灯故障” 

個々のLEDパッケ
ージの光束が低下
した状態a) 

個々のLEDパッケージ
の光束低下及び幾つかの
LEDパッケージが不点灯
故障となった状態a) 

完全な故障 

(不点灯故障) 

光束の値 1〜99 % 

光束の値 0 % 

又は 

初期状態のLED照明器具 

(例 一つのLEDモジュール) 

(複数のLEDパッケージを
もつ一つのLEDモジュール) 

光束の値 100 % 

background image

25 

C 8155:2019  

光束を乗じた値)より低下している状態を,“光束維持故障”と呼ぶ。“B10時間”は,母集団の10 %の製

品が,“光束維持故障”となる時間である。母集団の50 %の製品が,“光束維持故障”となる時間“LxB50

時間”を,メディアン光束維持時間Lxと呼ぶ。ただし,このときの母集団は,点灯しているLEDモジュ

ールだけとし,光束がゼロのLEDモジュールは含めない。 

例 Lx By時間 

“L70B10”とは,光束の初期値の70 %を満たさなくなる“光束維持故障”が,同じ形式の母集

団(“不点灯故障”を除く。)の10 %となる時間である。 

図C.2−LxB50(光束の値が,光束の初期値のxパーセンタイルとなる“B50時間”) 

図C.2の確率密度関数(pdf: probability density function)の形状及び予測曲線の形状は,一例として示し

ている。確率密度関数は,測定データ及び選択した予測方式に応じ,ワイブル分布,対数分布,指数分布,

正規分布などを用いることができる。 

故障関数F(t)又は累積分布関数CDF(t)(CDF: cumulative distribution function)は,時間tまでに故障する

確率を示す関数である。この関係は,次の式で表す。 

=

=

t

dt

t

pdf

t

CDF

t

F

0

)

(

)

(

)

(

定義によって,tが無限大では,F(t)は1(100 %)となる。すなわち,時間がゼロから無限大までの確率

密度関数における下側の面積は1となり,全数が故障することを意味している。 

LxByを例によって説明する。 

例 “L70B10時間”とは,光束の初期値の70 %を満たさなくなる“光束維持故障”が,母集団の10 %

となる時間であり,図C.2の灰色で示す部分がその故障数のイメージを示している。“L70B10時間”

における故障関数F(L70 B10)及び信頼度R(t)を,次の式によって示す。 

=

=

=

10

70

0

70

10

70

10

70

%

10

1.0

)

(

)

(

)

(

B

L

dt

t

pdf

B

L

CDF

B

L

F

信頼度関数 

:R(t)=1−F(t) 

(例えば70 %)

個々のLED製品の予測曲線 

確率密度関数 

Bは,漸減的な光出力低下のパーセンタイル値 

B50の点を結んだ 

光束維持曲線 

(B50は,50パーセンタイル

又は中央値) 

測定データ 

10パーセンタイル 
[F(t)=0.1となる時間] 

50パーセンタイル 

相対光束 

点灯時間 

 LxB10 

LxB50 

LxB90 

background image

26 

C 8155:2019  

信頼度 

R(t):時間tまで故障しない確率 

故障関数 F(t):時間tまでに故障する確率 

C.3 LEDモジュールの不点灯故障時間(Cy) 

LEDモジュールにおける光束がゼロとなる“不点灯故障”が,母集団のyパーセントとなる時間を,“不

点灯故障時間”又は“Cy時間”と呼ぶ。図C.3を参照。 

例 “Cy” 

“C10”とは,光束がゼロとなる“不点灯故障”が,同じ形式の母集団(“光束維持故障”を除

く。)の10 %となる時間である。 

図C.3−Rabrupt曲線(時間tまで故障しない確率)及び不点灯故障時間Cy 

C.4 Combined gradual and abrupt light output degradation 

(この箇条を不採用。)(図C.4及び図C.5を削除。) 

C.5 LED製品におけるメディアン光束維持時間Lx及び不点灯故障率AFV 

照明業界において,使用者と情報を共有するため,様々な照明製品ごとに,異なる光束維持時間などの

算出方法が採用されている。照明市場において専門的な顧客は,照明製品ごとの“不点灯故障”及び“光

束維持故障”における双方の故障関数による予測時間を要求する。これらの故障関数の値を使用して,保

守計画を含め,施設における照明環境を維持することができる。 

LED製品における照明環境を維持するために必要となる指標などの概要を図C.6に示す。上側の枠Aは,

(一般的に,製品とともに市場へ提供する)専門家が関心をもつ情報(光束維持時間LxBy,不点灯故障時

間Cy)を表し,下側の枠Bは,市場との一般的な情報共有を図るための簡単な指標(メディアン光束維持

時間Lx,不点灯故障率AFV,メディアン組合せ故障率CFVなど)を表す。 

10 %の故障 

50

%



確率密度関数 

点灯時間 

90

%



C10 

C50 

C90 

Rabrupt 

R(t) 

background image

27 

C 8155:2019  

図C.6−(LED製品における)照明環境を維持するために必要となる指標などの概要 

C.6 メディアン光束維持時間Lx及び不点灯故障率AFVの表記例 

メディアン光束維持時間Lx(3.7)及び不点灯故障率AFV(3.9)の導入は,LED製品の寿命働程中の光

出力に関わる特性を表す指標などを通知するための包括的な定義一式を提供するものである。 

メディアン光束維持時間Lxにおける光束維持率x又は不点灯故障率AFVなどの代表値を,表C.1及び

表C.2に示す。LED製品内にある個々のLEDパッケージ又はLEDダイにおける寿命働程中の光出力に関

わる特性を表す指標などを定めていない。 

多くのLED製品において,様々な寿命働程中における特性(光束維持率及びメディアン光束維持時間

Lx,又は光束維持率及び不点灯故障率AFV)は,相互に関連するものとなる。光束維持率の水準が上がる

ごとに,メディアン光束維持時間Lx及び不点灯故障率AFVは,通常,減少傾向を示す(表C.4参照)。 

注記 ある一定の光束を出力する機能をもつLEDモジュールは,検討中。 

メディアン光束維持時間(Lx) 

光束維持故障が,母集団の 

50 %となるまでの時間 

(単位:時間) 

不点灯故障率(AFV) 

Lx(時間)における 

不点灯故障率 

(単位:パーセント) 

組合せ故障率(CFV) 

Lx(時間)における組合せ故障率 

LEDモジュール 

(LED照明器具) 

光束維持故障 

(初期の光束のxパーセントを

満たさなくなる状態) 

不点灯故障 

(光束がゼロとなる状態) 

光束維持時間(LxBy) 

光束維持故障が,母集団のy 

パーセントとなるまでの時間 

不点灯故障時間(Cy) 

不点灯故障が,母集団のy 

パーセントとなるまでの時間 

A 市場に提供する製品データの

ための,寿命働程中の光出力に
関わる特性を表す指標等の一
般的なセット 

B 市場との情報共有を図るため

の標準的なセット 

メディアン光束維持時間のとき 

y=50のとき 

メディアン光束維持時間のとき 

次による。 

次による。 

background image

28 

C 8155:2019  

表C.1−光束維持率xの表記例 

単位 % 

(Lxの)x 

70 

80 

90 

注記 x(光束維持率)に対応するLxの表記例を,次に示す。 

x=70のとき L70 

x=80のとき L80 

x=90のとき L90 

表C.2−不点灯故障率の表記例 

単位 % 

AFV 

10 

注記 AFV(不点灯故障率)の表記例を,次に示す。 

AFV=3 
AFV=5 
AFV=10 

表C.3 (削除) 

(この規格では不採用) 

表C.4−メディアン光束維持時間Lx及び不点灯故障率AFVの表記例 

L70=30 000(h) 
AFV=3(%) 

L80=20 000(h) 
AFV=2(%) 

L90=10 000(h) 
AFV=1.5(%) 

(Lxの)x 光束維持率 

(%) 

70 

80 

90 

Lx(LxB50) メディアン光束維持時間 (h) 

30 000 

20 000 

10 000 

AFV 

不点灯故障率 

(%) 

1.5 

background image

29 

C 8155:2019  

附属書D 
(参考) 

光学特性コードの説明 

光学特性コードの例として“830/359”の意味は,次のとおりである。 

− 平均演色評価数の初期値 例えば87の先頭文字 

− 相関色温度の初期値 3 000 Kの先頭2文字 

− 色度座標の初期値範囲のマクアダムだ円ステップ数:3 

− 色度座標の維持値範囲のマクアダムだ円ステップ数:5 

[メディアン光束維持時間の25 %(ただし,最大6 000時間)時点] 

− メディアン光束維持時間の25 %時点(ただし,最大6 000時間) 

光束維持率区分。この例は0時間値の90 %以上を表す。 

平均演色評価数は,次の範囲を1文字で表す。 

 平均演色評価数=70〜79 → 7 

 平均演色評価数=80〜89 → 8 

 平均演色評価数≧90 

→ 9 

最大値は,9である。 

注記 我が国では,色区分及び表示に関する要求事項は,JIS Z 9112で規定している。 

30 

C 8155:2019  

附属書E 

(規定) 

基本波力率の測定 

(この規格では不採用) 

附属書F 

(参考) 

基本波力率の説明 

(この規格では不採用) 

background image

31 

C 8155:2019  

附属書G 
(参考) 

LEDダイ及びLEDパッケージの例 

G.1 

LEDダイ 

図G.1にLEDダイの概略図を示す。 

a) 薄膜フリップチップLED 

b) フリップチップLED 

c) 積層薄膜LED(サブマウントタイプ) 

n-GaN 

p-GaN 

アノード電極/カソード接点 

n-電極配線パターン 

MQW活性層領域(多重量子井戸) 

n-GaN粗面 

サファイア 

ワイヤボンディング 

導電性基板/サブマウント 

10 サブマウント/パッケージ 
11 サブマウント/パッケージ 
12 パッケージ 

図G.1−LEDダイの概略図 

background image

32 

C 8155:2019  

G.2 

LEDパッケージ 

図G.2にLEDパッケージの概略図を示す。 

a) リード端子付き表面実装LEDパッケージ 

 1 

LEDパッケージ 

プリント基板(PCB) 

LEDダイ 

ダイ接着材 

モールド樹脂 

ヒートシンク 

リード端子 

銅はく(箔)パターン 

b) リード端子なし表面実装LEDパッケージ 

 1 

LEDパッケージ 

プリント配線板基板(PCB) 

シリコーンレンズ 

LEDダイ 

セラミック基板 

サーマルパッド 

電気的接続部 

銅はく(箔)パターン 

図G.2−LEDパッケージの概略図 

33 

C 8155:2019  

附属書H 
(参考) 

温度測定方法 

H.1 一般 

この附属書は,風防容器の中でLEDモジュールの温度測定を行う方法に関する推奨である。それらは

JIS C 8105-1の附属書K(温度測定方法)から導かれたものであるが,LEDモジュールに対して特に適し

た測定方法として発展させたものである。同様以上の精度及び確度が確立されている場合は,他の方法を

用いてもよい。 

H.2 測定方法及び測定手順 

測定の不確かさが±2.5 ℃を達成できる測定方法を用いることを推奨する。 

固形材料の温度は,通常,熱電対を使用して測定する。出力電圧は,ポテンショメータのような高イン

ピーダンス装置で読みとる。直読式計器を用いる場合,その入力インピーダンスが熱電対のインピーダン

スに対して適切かどうかを確認することが重要である。化学的な温度指示計は,現在のところ,測定の粗

い検査だけに適している。 

熱電対は,JIS C 1602に規定した種類のうち,K又はTの記号の熱電対が適している。二つの線の各々

の端部形状(通常,平板形状又は円形の断面形状)は,0.3 mmの孔に十分通せる細いものとする。放射に

さらされがちとなる導線端部は,高反射率金属仕上げが望ましい。各線間の絶縁は,測定する温度及び電

圧に適した,薄くて,丈夫なものとする。 

熱電対を熱的な相互影響が最小で,熱抵抗が低い状態で測定点に固定する。 

次に示す方法が,熱電対の接合部の固定に有効であることが知られている。LEDモジュールの仕様(特

に,測定点への応力及び熱などの集中に関するもの)に応じて,適切な接着剤の量を選択することが望ま

しい。 

a) 金属面へのはんだ付け(最小の量のはんだを用いる。)。(通電部へのはんだ付けは,避けることが望ま

しい。) 

b) 接着剤(必要とする最小の量で)。接着剤によって熱電対を測定点から離さないことが望ましい。透光

材料に使用する接着剤は,可能な限り透光性であることが望ましい。ガラスに使用する適切な接着剤

は,水を媒体としたけい酸ナトリウム1部と硫化カルシウム2部とから形成する。非金属部分では,

測定点からの熱の流れを補償するために熱電対の末端部20 mmの部分を面に接着させる。 

風防容器内の周囲温度の平均値は,LEDモジュールの中心と同じ高さの,多孔壁の側面近傍の気温を採

用する。通常,温度は,磨いた金属製の上下を開放した2重円筒によって放射から遮蔽した30 gの金属塊

にはんだ付けした熱電対で測定する。 

34 

C 8155:2019  

附属書I 

(参考) 

光束維持率及び色座標維持データに対するIES LM-80の使用方法 

I.1 

一般事項 

LEDモジュールの初期値及び維持値は,9.1及び10.2によって測定する。LEDモジュールの維持値を取

得する試験時間(メディアン光束維持時間の25 %で最大6 000時間)を短縮するために,IES LM-80によ

るLEDパッケージのデータは,I.2及びI.3の要求を満足することが望ましい。 

I.2 

IES LM-80の使用のための判断基準 

I.2.1 

LEDモジュールへLEDパッケージデータ使用について 

LEDモジュールのメディアン光束維持時間の25 %の時間(最大6 000時間)に相当するIES LM-80の

試験データがあるLEDパッケージの場合,LEDモジュールの1 000時間のテストで6.1の試験条件を適用

できる。 

1 000時間後の判断基準は,I.3による。 

I.2.2 

IES LM-80データのあるLEDモジュール 

LEDモジュールがIES LM-80の試験データがある場合,6.1の試験時間は免除することができる。 

IES LM-80の試験報告書からの,メディアン光束維持時間の25 %,最大6 000時間の色度座標及び光束

維持率のデータは,それぞれ9.1,10.2に要求される維持値の要求事項を満たすものとして扱われる。 

I.2.3 

限度(境界)条件 

I.2.3.1 

一般 

IES LM-80試験報告にある最大入力電流(実効値)と最高はんだ温度との組合せは,LEDモジュールの

最も厳しい条件と一致していることが望ましい。 

I.2.3.2 

温度 

この規格における全性能データは,LEDモジュール推奨最高動作温度tp ratedに連動している。LEDモジ

ュール推奨最高動作温度tp ratedは,LED製造業者などによって指定された参照点位置tp-pointで測定する。 

LEDモジュール固有のtp ratedで動作するLEDモジュールにおいて,IES LM-80の定義によるLEDパッ

ケージのケース温度Tsを測定する。LEDモジュール内部のLEDパッケージケース温度Tsの測定最高値は,

IES LM-80報告に指定された上限温度Tsを超えないほうがよい。 

表4によるLEDモジュールのファミリー内で,Ts温度の測定は,温度Tsが最高になるLEDモジュール

で行うことが望ましい。 

I.2.3.3 

LEDパッケージの入力電流 

LEDモジュール内のパッケージへの最大入力電流の実効値は,IES LM-80で(の一部として)試験した

電流値を超えないことが望ましい。 

光束維持率及び色度座標の維持値を得るためにIES LM-80を使用する場合,時間の経過とともに光出力

の低下を自動的に補正する制御装置の制御回路は無効にすることが望ましい。 

35 

C 8155:2019  

I.3 

適合基準 

I.3.1 

色度座標 

LEDモジュールは,I.2.1で指定している維持試験期間を9.1によって評価し,製造業者などが表5に従

い宣言した色分類の初期値に適合することが望ましい。 

I.3.2 

平均演色評価数(削除) 

I.3.3 

光束維持率 

LEDモジュールは,I.2.1で指定している維持試験期間を10.2によって評価し,製造業者などが表6に

従い宣言した光束維持率区分に適合することが望ましい。 

36 

C 8155:2019  

参考文献 

JIS C 1602 熱電対 

IEC 60050-845,International Electrotechnical Vocabulary−Lighting 

IEC 60598-1,Luminaires−Part 1: General requirement and tests 

IEC 62612:2013,Self-ballasted LED lamps for general lighting services with supply voltages > 50 V- Performance 

requirements 

IEC 62707-1,LED-binning−Part1: General requirements and white colour grid 

IEC 62722-1,Luminaire performance−Part 1: General requirements 

IEC 62722-2-1,Luminaire performance−Part 2-1: Particular requirements for LED luminaires 

IEC/TR 61341,Method of measurement of centre beam intensity and beam angle(s) of reflector lamps 

CIE 84:1989,The Measurement of Luminous Flux 

CIE 097:1989,Guide on the Maintenance of Indoor Electric Lighting Systems 

IES LM-79-08,Electrical and photometric measurements of solid state lighting products 

IES LM-80,Approved Method: Measuring Luminous Flux and Color Maintenance of LED Packages, Arrays and 

Modules 

Journal of the Optical Society of America, 1943 

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37 

C 8155:2019  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS C 8155:2019 一般照明用LEDモジュール−性能要求事項 

IEC 62717:2014,LED modules for general lighting−Performance requirements,
Amendment 1:2015 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 
3.7 

メディアン光束維持時
間 

3.7 

(median useful life) 

変更 

規定内容を適切な語彙で表すため,
Median useful lifeをメディアン光束維持
時間と規定した。 

IEC規格を補完するものであ
り,整合しているため,IEC
への提案は行わない。 

3 用語及び
定義 
3.12 
3.13 

− 

3.12 
3.13 

[combined life (of 
LED lamps)] 
[median combined life 
(of LED lamps)] 

削除 

電球形LEDランプのIEC規格で主に審議
され,採用される予定であるため,この
規格では採用しないことした。 

IECへ提案(削除)する。 

4 表示 
4.1 

一般事項 

4.1 

− 

追加 

メディアン光束維持時間Lxの表示方法に
関する次の規定を追加した。 
“メディアン光束維持時間Lxは,“光束
維持時間Lx(B50)”又は“光束維持時間

Lx”として表示してもよい。” 

IEC規格を補完するものであ
り,整合しているため,IEC
への提案は行わない。 

4 表示 
表1のb) 

光源色及び演色性の種
類 


表1 
b) 

(Photometric code) 

変更 

光源色及び演色性の種類に関し,国内規
格JIS Z 9112に対応するため,変更した。 

対応国際規格には,9.2に我が
国の状況を説明した次の
country noteが記されている。 
In Japan, the requirements on 
colour 

classification 

and 

indication are specified in JIS Z 
9112. 
IECへの提案は行わない。 

4 表示 
表1のd) 

不点灯故障率AFV(%) 
(メディアン光束維持
時間Lx時における) 


表1 
d) 

(Rated abrupt failure 
value) 

追加 

3.9(不点灯故障率)で規定している内容
(AFV等の記号を含む)を,追加した。 

IEC規格を補完するものであ
り,整合しているため,IEC
への提案は行わない。 

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C

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1

5

5

2

0

1

9

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C 8155:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

4 表示 
表1のh) 

平均演色評価数 

Raの定格値(初期値) 


表1 
h) 

(Rated colour rendering 
index) 

追加 

“(初期値)”を追加し,規定を明確にし
た。 

IEC規格を補完するものであ
り,IECへの提案は行わない。 

4 表示 
表1のl) 

周囲温度範囲(最高周
囲温度及び最低周囲温
度) 


表1 
l) 

(Ambient 

temperature 

range) 

追加 

最高周囲温度及び最低周囲温度を記載す
る旨を追加した。 

IEC規格を補完するものであ
り,整合しているため,IEC
への提案は行わない。 

4 表示 
表1のm) 

− 


表1 
m) 

エネルギー消費効率 
(Rated efficacy) 

削除 

IEC規格の改正予定事項を先取りして,
削除した。 

IEC規格の改正予定事項を先
取りした。 

4 表示 
表1のs) 

− 


表1 
s) 

基本波力率 
(Displacement factor) 

削除 

我が国では利用されていない指標である
ため,削除した。 

我が国では利用されていない
指標であるため,IECへの提
案は行わない。 

5 寸法 

(試験に必要となる測
定具への要求) 

− 

追加 

試験に必要となる測定具を明確にするた
め,次の要求(適合すべきJIS等)を追
加した。 
試験は,JIS B 7516に規定する金属製直尺
又はこれと同等以上の測定具によって測
定する。 

IEC規格では明確にしていな
い事項を,追加したものであ
り,IECへの提案は行わない。 

6 試験条件 代替手段に関わる要求

等 

− 

追加 

国際規格となっていないIES LM-80を引
用する附属書Iを参考扱いとするととも
に,我が国のJISで用いている代替手段
(製造業者などの技術文書による代替
等)である次の要求事項を追加した。 
代替手段として,製造業者などの技術文
書(例えば,附属書I)がある場合,光学
特性の維持値の要求に対する試験結果と
して用いてもよい。 

IEC規格を補完するものであ
り,趣旨等が整合しているた
め,IECへの提案は行わない。 

7 電気的特
性 
7.2 

− 

7.2 

基本波力率 
(Displacement factor) 

削除 

[4の表1のs)と同様] 

[4の表1のs)と同様] 

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5

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0

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C 8155:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

8 光出力 
8.3 

− 

8.3 

エネルギー消費効率 
(Rated efficacy) 

削除 

[4の表1のm)と同様] 

[4の表1のm)と同様] 

9 光源色及
び演色性 

9.0A 
JIS Z 9112の光源色の
区分(光源色の種類)
を用いる場合,色度座
標及び相関色温度は,
JIS Z 9112の箇条5に
よる。 

− 

− 

追加 

光源色及び演色性の種類に関し,国内規
格JIS Z 9112に対応するため,“JIS Z 
9112による光源色の色区分名を用いる場
合,色度座標及び相関色温度は,9.1及び
9.2に代えて,JIS Z 9112に適合する”と
の規定を定めるとともに,その細分箇条
(9.0A)を追加した。 

[4の表1のb)と同様] 

9 光源色及
び演色性 
9.3 

− 

9.3 

維持値への要求事項 
[5 points from the 
rated CRI value (see 
Table 1) for maintained 
CRI values.] 

削除 

IEC規格にある維持値への要求事項を削
除した。 

IEC 62717 Ed.1.2のCDV案で
は削除する方向であるため先
取りした。 

10 光束維
持率区分及
び耐久性評
価 

箇条名 
光束維持率区分及び耐
久性評価 

10.1 

(LED module life) 

変更 

IECでは,箇条10を“(LED module)life”
としており,そこで,光束維持率若しく
は光束維持率区分(lumen maintenance or 
its code)及び耐久性評価(endurance tests)
を規定している。 
よって表題の“LED module life”を“光束
維持率区分及び耐久性評価”へと変更し
た。 

IEC規格の内容と整合してい
る表題となっているため,IEC
への提案は行わない。 

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C

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1

5

5

2

0

1

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C 8155:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

10 光束維
持率区分及
び耐久性評
価 
10.1 

一般事項 
(LEDモジュールの
life) 

10.1 

− 

変更 

“LEDモジュールのlife”を,“LEDモジ
ュールの使用できない状態”と規定(変
更)した。 
IECでは,この規格にて,“LEDモジュー
ルのlife”を,光出力に関わる故障等(光
束維持故障,不点灯故障,故障率及びそ
の時間)だけに関わる概念と定めた。 
結果,この規格の“LEDモジュールのlife”
は,光出力に関わる故障以外のもの(安
全面及び光束以外の性能面での機能喪失
による故障等)を含まない概念となり,
我が国の“寿命”とかい(乖)離した。 
通常,“life”の訳文は,“寿命”とする事
が一般的であるが,上記理由などによっ
て,この規格では,そうできない点に,
注意が必要である。 

IEC規格を補完するものであ
り,整合しているため,IEC
への提案は行わない。 

10 光束維
持率区分及
び耐久性評
価 
10.2 
図2 
10.3 

メディアン光束維持時
間 

10.2 
図2 
10.3 

“rated life” 

変更 

IEC規格の改正予定事項を先取りするた
め,“rated life”を“rated median useful life”
へ変更した。 

我が国の市場を考慮して,IEC
規格の改正予定事項を先取り
した。 

10 光束維
持率区分及
び耐久性評
価 
10.2 

光束維持率区分に対す
る要求等 
(initial) 

10.2 

− 

追加 

IEC規格の改正予定事項を先取りするた
め,“光束の初期値に”を追加した。 

我が国の市場を考慮して,IEC
規格の改正予定事項を先取り
した。 

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C

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1

5

5

2

0

1

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41 

C 8155:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

10 光束維
持率区分及
び耐久性評
価 
10.3.1 

一般事項 
(代替手段) 

10.3.1 

− 

追加 

我が国のJISで用いている代替手段(製
造業者などの技術文書による代替等)を
追加した。 

IEC規格を補完するものであ
り,趣旨等が整合しているた
め,IECへの提案は行わない。 

11 検査 

試験の品質水準に関わ
る試料数等 
 
形式試験に関する試料
数の一例を,表7に示
す。 
 
表7−サンプル数(一
例) 

11 
表7 

 
 
 
(The minimum sampling 
size for type testing shall 
be as given in Table 7.) 
 
(Table 7−Sample sizes) 

変更 

IECは,各国の品質水準に関わるものを
規定してはならないものであるため,そ
れらの事項等(試料数等)を,参考表現
(“一例”などの文言追加を含む)となる
ように変更した。 

IECの規格開発ポリシーに関
わるものである。IECへの提
案は行わない。 

附属書A 
A.3.6 

A.3.6 演色性 

A.3.6 

− 

変更 

注記のCIE 13.3及びCIE 177を削除。ま
た,IEC規格にはない試験方法に関する
関連JISを,次の規定にて追加した。 
平均演色評価数Raの測定方法は,JIS C 
8152-2,JIS Z 8724に規定する方法によっ
て分光分布を測定し,JIS Z 8726によって
算出する。 

我が国において,一般に使用
される光学的特性の測定方法
及び算出方法を規定するJIS
を引用した。 

附属書A 
A.3.7 

A.3.7 色度座標 

A.3.7 

− 

変更 

IEC規格にはない試験方法に関連する
JISを追加した。 
色度座標は,JIS C 8152-2,JIS Z 8724に
規定する試験を行い,JIS Z 8724に規定す
る方法によって色度座標を算出する。 
9.0Aの場合,色度座標は,JIS Z 9112に
よる。 

我が国において,一般に使用
される光学的特性の測定方法
及び算出方法を規定するJIS
を引用した。 

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C

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1

5

5

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42 

C 8155:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

附属書A 
A.3.7 

− 

A.3.7 

IEC 60081,附属書D
(色度座標)による
(Reference is made to 
IEC 60081, Annex D: 
Chromaticity 
coordinates.) 

削除 

IEC 60081,附属書D(色度座標)による
を削除した。 

IEC 60081の整合JISでは,附
属書Dが削除されているた
め,削除した。 

附属書C 

(附属書の名称等) 
 
メディアン光束維持時
間Lx及び不点灯故障
率AFVに関する情報 

(附
属書
の名
称等) 

 
 
(Explanation 

of 

recommended 

LED 

product lifetime metrics) 

変更 

表示要求のある“メディアン光束維持時
間Lx”及び“不点灯故障率AFV”が,こ
の附属書に記載していることを明確化す
るため,“Explanation of recommended 
LED product lifetime metrics”を“メディア
ン光束維持時間Lx及び不点灯故障率AFV
に関する情報”へ変更した。 

IEC規格を補完するものであ
り,整合しているため,IEC
への提案は行わない。 
WTO/TBTに関する影響はな
い。 

附属書C 
C.1 
注記1 

(光束維持時間) 

C.1 
注記 

− 

追加 

“光束維持時間”に関する次の補足情報
を追加した。 
注記1 
例えば,製造業者などが宣言する光束維
持率の値xが90 %,光束の初期値が1 000
ルーメンのとき“ある光束の値”は,900
ルーメン(0.90×1 000)となる。この場
合の光束維持時間は,900ルーメン以上で
点灯し続ける時間となる。 

IEC規格を補完するものであ
り,整合しているため,IEC
への提案は行わない。 
WTO/TBTに関する影響はな
い。 

附属書C 
C.1 
注記2 

(LEDモジュールの
使用できない状態) 

C.1 
注記 

− 

追加 

この規格の“使用できない状態(寿命に
関連する状態)”は,限定的な範ちゅう
(疇)で用いられている旨を明確化する
ために,注記を追加した。 

IEC規格を補完するものであ
り,整合しているため,IEC
への提案は行わない。 
WTO/TBTに関する影響はな
い。 

8

C

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1

5

5

2

0

1

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43 

C 8155:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

附属書C 
C.1 
C.2 
C.3 
C.5 
図C.1 
図C.2 
図C.3 
図C.6 
表C.1 
表C.2 
表C.4 

細分箇条,図及び表の
名称等(補足説明の追
加等) 

C.1 
C.2 
C.3 
C.5 
図C.1 
図C.2 
図C.3 
図C.6 
表C.1 
表C.2 
表C.4 

− 

変更 

理解を容易にするため,細分箇条,図及
び表の名称等(補足説明の追加を含む)
を変更した。 

IEC規格を補完するものであ
り,整合しているため,IEC
への提案は行わない。 
WTO/TBTに関する影響はな
い。 

附属書C 
C.4 

− 

C.4 

細分箇条,図及び表等 
・図C.4 
・図C.5 
・表C.3 

削除 

3.12,3.13の内容と同様 

3.12,3.13の内容と同様 

附属書D 

光学特性コードの説明  

D.1 

− 

変更 

光源色及び演色性の種類に関し,国内規
格JIS Z 9112に対応するため,光学特性
コードの説明に関するこの附属書を,
(規定)から(参考)へ変更した。 

[4の表1のb)と同じ] 

附属書E 
附属書F 

− 

Annex
.E 
Annex
.F 

基本波力率の測定 
基本波力率の説明 

削除 

[4の表1のs)と同様] 

[4の表1のs)と同様] 

附属書H 
H.2 

温度測定方法 

H.2 

変更 

使用する熱電対の規定を,材料組成から
種別へ修正した。 

我が国で入手可能な試験部材
を明確にするため。IECへの
提案は行わない。 

8

C

 8

1

5

5

2

0

1

9

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44 

C 8155:2019  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評
価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

附属書I 
I.1 

光束維持率及び色座標
維持データに対する
IES LM-80の使用方法 

I.1 

変更 

国際規格となっていないIES LM-80を引
用する附属書I(光束維持率及び色座標維
持データに対するIES LM-80の使用方
法)を参考扱いとするため,この附属書
を,(規定)から(参考)へ変更した。 

IECの規格開発ポリシーに関
わるものである。IECへの提
案は行わない。 
WTO/TBTに関する影響はな
い。 

附属書I 
I. 3.2 

− 

I.3.2 

演色評価数(CRI)の
I.2.1で指定されている
維持試験期間(1 000 h)
への要求事項 

削除 

IEC規格の改正予定事項(平均演色評価
数の維持値を削除する内容)を先取りす
るため,削除した。 

我が国の市場を考慮して,IEC
規格の改正予定事項を先取り
した。 
WTO/TBTに関する影響はな
い。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 62717:2014,Amd.1:2015,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

8

C

 8

1

5

5

2

0

1

9