サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

C 8152-3:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試料······························································································································· 3 

4.1 一般 ···························································································································· 3 

4.2 識別表示 ······················································································································ 3 

4.3 サンプリング ················································································································ 3 

5 寿命点灯試験 ··················································································································· 3 

5.1 一般 ···························································································································· 3 

5.2 環境条件 ······················································································································ 3 

5.3 電気条件 ······················································································································ 3 

5.4 故障の確認 ··················································································································· 4 

6 光束維持率試験 ················································································································ 4 

6.1 一般 ···························································································································· 4 

6.2 全光束又は色度測定 ······································································································· 4 

7 測定の不確かさ ················································································································ 5 

8 試験結果の報告 ················································································································ 5 

附属書A(規定)LEDの温度測定方法 ····················································································· 6 

附属書B(参考)光束維持率の推定(外挿)方法 ········································································ 8 

C 8152-3:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本照明工業会(JLMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS C 8152の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS C 8152-1 第1部:LEDパッケージ 

JIS C 8152-2 第2部:LEDモジュール及びLEDライトエンジン 

JIS C 8152-3 第3部:光束維持率の測定方法 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 8152-3:2013 

照明用白色発光ダイオード(LED)の測光方法− 

第3部:光束維持率の測定方法 

Photometry of white light emitting diode for general lighting- 

Part 3: measurement methods for lumen maintenance 

適用範囲 

この規格は,照明用途の白色の発光ダイオード(LED)の光束維持率及び色度変化を測定する方法につ

いて規定する。この方法は,LED照明器具にも適用することができる。 

注記1 被測定光源には,LEDパッケージ,LEDモジュール,LEDライトエンジン,電球形LEDラ

ンプなどがある。 

注記2 LEDモジュールにおける光束維持率の個別の測定条件はJIS C 8155に,電球形LEDランプ

における光束維持率の個別の測定条件はJIS C 8157に,それぞれ規定されている。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 8152-1 照明用白色発光ダイオード(LED)の測光方法−第1部:LEDパッケージ 

JIS Z 8103 計測用語 

JIS Z 8113 照明用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 8152-1,JIS Z 8103及びJIS Z 8113によるほか,次による。 

3.1 

照明用白色LED 

光束又はCIE平均化LED光度に対する光色が,次の条件を満たすLED。この規格では,特に記載がな

い場合,LEDは照明用白色LEDを表す。 

a) スペクトルは,可視域のほぼ全域に広がっていて,その間に欠落部分がない。 

b) 相関色温度の範囲は,2 500 K〜10 000 Kとする。 

c) b)に示す相関色温度での色度は,CIE 1960 UCS色度座標上[JIS Z 8113の番号03077(uv色度図)参

照]の黒体放射軌跡からの偏差(duv)が0.02以内の範囲とする。 

3.2 

LEDチップ 

LEDの発光に寄与する半導体の部分。 

注記 LEDダイと呼ばれる場合がある。 

C 8152-3:2013  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.3 

LEDパッケージ 

LEDチップを,ほかの回路,部品などと接続するために,プリント配線板などに取り付けられるよう外

部接続用端子と一体化すること及び一体化したもの。 

3.4 

LEDモジュール 

一つの光源として扱えるように,1個以上のLEDチップをプリント配線板などに平面的又は立体的に配

列して,機械的,電気・電子的,及び光学的な構造部品を含む多数の要素で構成したユニット又はその集

合体。 

注記1 LEDモジュールは,LEDパッケージをアレイ状又はクラスタ状に配列したものも含む。 

注記2 LEDモジュールは,点灯装置を含むものと含まないものとがある。 

3.5 

LEDライトエンジン 

LEDパッケージ又はLEDモジュールを点灯装置とともに平面的又は立体的に配列させ,かつ,多くの

機械的,電気・電子的,及び光学的構造部品からなる,LED照明器具の光源部ユニット。 

なお,このユニットには,点灯装置がないものもある。 

3.6 

電球形LEDランプ 

1個以上のLED,制御装置及びE形,B形又はGX53形の口金を一体化した構造のLED装置。 

注記 レトロフィットLEDランプという場合がある。 

3.7 

LED照明器具 

光源に,LEDパッケージ,LEDモジュール若しくはLEDライトエンジンを用いた照明器具,又は電球

形LEDランプを用いた照明器具。 

3.8 

標準光源 

全光束などが目盛付けしてあり,測光において,比較の基準として用いるランプ。 

3.9 

ジャンクション温度,Tj 

LEDチップのpn接合部の温度。 

注記 全光束などの光特性,及び順方向電圧などの電気特性は,ジャンクション温度の影響を受ける。 

3.10 

きょう(筐)体温度,Ts 

ジャンクション温度と相関がある,LEDにおける特定部位の温度。きょう(筐)体温度を測定する部位

は,製造業者などが指定する。 

注記 この温度は,はんだ接合部温度,ケース温度又は基板温度という場合がある。 

3.11 

周囲温度,Ta,Tamb 

ジャンクション温度と相関がある,LED近傍における空気又は媒体の温度。周囲温度を測定する場所は,

製造業者などが指定する。 

C 8152-3:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.12 

光束維持率 

規定の条件でランプを点灯したときの,寿命までの間の所定の時間におけるランプの光束のその初期光

束に対する割合。 

注記 この割合は,一般にパーセント(%)で表す。 

3.13 

寿命点灯試験 

寿命までの間の所定の時間に,規定の条件でランプを点灯して,点灯時間及び故障の状態を記録する試

験。 

試料 

4.1 

一般 

測定に用いる照明用白色LED(以下,被測定光源という。)の取扱いは,適切に行わなければならない。

静電気放電などの取扱いは,製造業者の指定による。 

4.2 

識別表示 

被測定光源には識別するための番号,記号などを表示し,試験期間中その状態を維持しなければならな

い。 

注記 識別の表示方法には,被測定光源又はその付帯物へのマーキング又は貼付ラベルがある。 

4.3 

サンプリング 

被測定光源は,試料全体を十分に代表できるものでなければならない。サンプリングの方法及び試料数

は,試験結果で報告する。 

寿命点灯試験 

5.1 

一般 

寿命点灯試験は,5.2及び5.3に規定する条件下で,被測定光源を点灯して,個別規格で規定する点灯の

累積時間及び被測定光源の状態(故障の有無)を記録する。 

5.2 

環境条件 

環境条件を個別規格で規定している場合を除き,環境条件は,次による。 

なお,LEDの温度条件は,個別規格で規定する周囲温度,きょう体温度又はジャンクション温度のいず

れかとする。LEDの温度測定方法は,附属書Aによる。 

a) LEDの温度条件は,周囲温度20〜30 ℃とする。 

b) 過度の振動及び衝撃の影響を受けないようにする。 

c) 点灯中は,被測定光源に直接風が当たらないようにする。 

d) 複数の被測定光源を配列して点灯する場合には,相互に熱の影響を受けないようにする。 

注記 熱の影響は気流が原因となる場合が多いため,被測定光源間の間隔を離したり,気流を妨げ

るような構造を設けることで,熱の影響を低減できる。 

5.3 

電気条件 

電気条件を個別規格で規定している場合を除き,電気条件(電圧,電流など)は,次による。 

a) 電気条件は,被測定光源の定格入力値とする。寿命点灯試験の間,電気条件を記録し,状態を維持す

る。 

C 8152-3:2013  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 交流電源の電圧変動は,2 %以下とする。ひずみ率は,3 %以下とする。 

c) 直流電源の電圧又は電流変動は,2 %以下とする。電圧又は電流のリップル1)は,2 %以下とする。 

注1) 電圧又は電流のリップルとは,全振幅(波形の最大値と最小値との幅)の,電圧又は電流の

平均値に対する割合をいい,単位は,パーセント(%)で表す。 

d) 外部駆動回路は,製造業者の指定がある場合には,指定するものを使用する。 

e) 点灯及び消灯の時間サイクルは,個別規格で規定する場合を除き,連続で点灯する。 

5.4 

故障の確認 

目視観察又は自動計測によって,被測定光源の状態(故障の有無)を確認する。故障がある場合には,

原因を調査して,被測定光源自体の故障なのか,不適切な取扱いによる故障なのかを区別する。被測定光

源自体の故障は記録して,試験結果で報告する。 

光束維持率試験 

6.1 

一般 

寿命点灯試験において,個別規格で規定する時間条件での光束維持率を測定する。必要に応じて,全光

束測定に加えて色度を測定して,寿命点灯試験にわたっての色度変化を測定する。光束維持率の測定は,

初期時間の全光束を基準にして,個別規格で規定する時間の全光束との比率を求めることによる。色度変

化の測定は,初期時間の色度を基準にして,個別規格で規定する時間の色度との差を求めることによる。

測定結果は,試験結果で報告する。 

注記1 時間条件は,初期時間,終了時間,時間間隔などを指定している。点灯及び消灯の時間サイ

クルを指定する場合もある。 

注記2 LEDモジュールの寿命推定の指標として,JIS C 8155は光束維持率を採用している。定格寿

命が24 000時間未満の試料では,定格寿命の25 %経過時点での光束維持率を用いている。

定格寿命が24 000時間以上では,6 000時間経過時点の値を用いている。また,製造業者な

どが提供するデータから算出した光束維持率の予測値を採用することもできるとしている。 

注記3 電球形LEDランプの寿命推定の指標として,JIS C 8157は光束維持率を採用している。点灯

時間が定格ランプ寿命の25 %(最大6 000時間)になるまでの光束維持率を用いている。 

注記4 試験結果から光束維持率を外挿する方法の例を,附属書Bに示す。 

6.2 

全光束又は色度測定 

全光束又は色度測定の条件が個別規格で規定している場合を除き,全光束又は色度の測定は,次による。 

a) 測定方法は,被測定光源の種類に応じて最適なものを選択する。 

注記1 測定方法を規定した試験規格には,被測定光源の種類別に,次の規格がある。 

− 電球形LEDランプの場合,JIS C 7801 

− LEDパッケージの場合,JIS C 8152-1 

− LEDモジュールの場合,JIS C 8152-2 

− LEDライトエンジンの場合,JIS C 8152-2 

− LED照明器具の場合,JIS C 8152-2又はJIS C 8105-5 

b) 被測定光源の点灯は,5.2 a)及び5.3 a)と同じ条件を用いる。 

c) 全光束測定時に個別規格で規定している温度条件が5.2 a)の温度条件と異なる場合には,規定の温度

条件を満たすように十分時間をおく。 

注記2 高温の温度条件で寿命点灯試験をした後の被測定光源の全光束を,室温で測定する場合,

C 8152-3:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

十分冷やすことが望ましい。 

d) 測定ごとにあらかじめ被測定光源の汚れの清掃などを行うことによって,被測定光源の汚れが全光束

の測定結果に影響しないようにする。 

e) 測定ごとの全光束測定の相関を確保するため,トレーサビリティを確保した標準光源を用いて,測定

ごとに全光束測定装置を校正する。全光束測定装置は,試験期間を通して同じものを用いることが望

ましい。 

注記3 相関を確保する方法として,寿命点灯試験を行わない同種の試料の全光束測定結果を参照

してもよい。 

測定の不確かさ 

測定の不確かさを評価する場合には,次の範ちゅうの不確かさ寄与成分(標準不確かさ)を含める。 

a) 標準光源の目盛,測定装置及び測定方法に関わる不確かさ(測定装置の検証及び標準光源の校正の不

確かさを含む。)。 

注記1 標準光源の目盛とは,JIS Q 17025に規定する参照標準を示している。 

b) 標準光源又は被測定光源の点灯条件に関わる不確かさ。 

c) 試験方法に関わる不確かさ(測定を行う場合の条件のばらつきなど)。 

注記2 不確かさの評価手順は,ISO/IEC Guide 98-3に記載がある。 

試験結果の報告 

試験結果は,次の事項を報告する。 

a) 試験した被測定光源の数 

b) 被測定光源の種類 

c) 設備の特定 

d) 時間条件 

e) 温度条件 

f) 

点灯電気条件 

g) 故障の状態及び時間を含む被測定光源の故障の内容 

h) 光束維持率試験のとき電気条件及び電気特性 

i) 

光束維持率(個々の被測定光源の結果,並びに被測定光源全体における平均値,標準偏差,最小値,

及び最大値) 

j) 

測定時の色度変化(試験を実施した場合) 

k) 測定の不確かさ(必要に応じて) 

l) 

全光束及び色度の測定方法(必要に応じて) 

C 8152-3:2013  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

LEDの温度測定方法 

A.1 一般 

この附属書は,LEDの温度測定を,各部の温度の相互関係から求める方法について規定する。この方法

によって,直接測定することが困難なジャンクション温度の測定が可能となる。 

A.2 温度の換算方法 

きょう体温度又は周囲温度とジャンクション温度との換算は,次による。 

a) ジャンクション温度Tjは,きょう体温度Tsを用いて,次の式によって求める。 

Tj=Ts+Rth, j, s×W 

ここに, 

Tj: ジャンクション温度(℃) 

Ts: きょう体温度(℃) 

Rth,j,s: LEDのpn接合部ときょう体温度測定点との間の熱抵抗 

(℃・W−1) 

W: LED点灯時の入力電力(W) 

b) ジャンクション温度Tjは,周囲温度Taを用いて,次の式によって求める。 

Tj=Ta+Rth, j, a×W 

ここに, 

Tj: ジャンクション温度(℃) 

Ta: 周囲温度(℃) 

Rth,j,a: LEDのpn接合部と周囲温度測定点との間の熱抵抗 

(℃・W−1) 

W: LED点灯時の入力電力(W) 

注記 各温度測定点間の熱抵抗は,製造業者の指定値を用いることができる。 

A.3 LEDの温度測定点 

LEDの温度測定点は,製造業者が指定する。LEDパッケージ及びLEDモジュールの温度測定点の例を,

図A.1に示す。熱電対などの温度センサを用いる場合には,次の点に留意する。 

a) 製造業者による温度測定点の指定が複数ある場合には,放熱経路側の測定点を優先する。 

b) きょう体温度Tsの測定点に設置する場合には,温度センサを直接接触させる。 

c) 温度センサを周囲温度Taの測定点に設置する場合には,ジャンクション温度との相関を考慮し,でき

るだけLEDの近傍がよい。 

background image

C 8152-3:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) LEDパッケージの例 

b) LEDパッケージプリント配線板実装の例 

c) LEDモジュールプリント配線板ヒートシンク設置の例 

図A.1−LEDの温度測定点の例 

C 8152-3:2013  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

光束維持率の推定(外挿)方法 

B.1 

はじめに 

長寿命の特徴をもつLEDでは,寿命までの間,光束維持率試験を実施することが困難な場合があるため,

特定時間の光束維持率特性を外挿して寿命を推定する方法を実施している。 

ここでは,光束維持率の推定(外挿)方法として,北米照明学会(IESNA)及びIECで検討されている

方法について説明する。 

なお,光束維持率の推定(外挿)方法に関するIEC規格は,制定されていない。 

B.2 

推定方法の例(IESNAの例) 

B.2.1 一般 

米国ENERGY STARプログラムにおける固体照明器具の要求規格“Requirements for Solid State Lighting 

Luminaries”(2007年9月制定)が制定され,LED照明に対する性能要求事項の整備が急速に進んでいる。

北米照明学会(IESNA)では,LM-80“IES Approved Method for Measuring Luminous, Photon and Radiant Flux 

Maintenance of LED Light Sources”(2008年9月制定),LM-82“IES Approved Method for the Characterization 

of LED Light Engines and LED Lamps for Electrical and Photometric Properties as a Function of Temperature”

(2012年3月制定)及びTM-21“Projecting Long Term Lumen Maintenance of LED Light Sources”(2011年9

月制定)が制定されており,この寿命推定の方法に関して取りまとめた。 

B.2.2 LM-80による光束維持率試験方法 

LM-80は,LED光源(LED パッケージ,LEDアレイ及びLEDモジュール)の光束維持率の測定方法に

ついて規定したものである。主な方法は,次による。 

a) 同一の駆動電流において,きょう(筐)体温度Tsは,55 ℃及び85 ℃の2種類の温度で実施する。よ

り高い精度の予測をするために,温度を追加して実施してもよい。 

b) きょう体温度Tsの許容差は−2 ℃以内,周囲温度Taはきょう体温度Tsに対し−5 ℃以内とする。湿

度は65 %以下に維持する。 

c) 電気的・光学的特性の測定は,きょう体温度Tsが 25±2 ℃で行う。温度の影響を小さくする場合に

は,ケース温度Tsが 25±0.25 ℃で実施する。 

d) 光束維持率試験は,6 000時間以上実施(10 000時間を推奨)する。光束維持率の測定間隔は,    

1 000時間を超えないものとする。 

B.2.3 LM-82による温度特性の測定方法 

LM-82は,LEDライトエンジン又は電球形LEDランプの電気的・光学的特性を,製造業者が指定する

モニタリング温度Tbの関数として決定する。これによって,Tbの温度を測ることで,広範囲の温度におけ

る電気的・光学的特性を見積もることができる。 

B.2.4 TM-21による光束維持率の推定方法 

TM-21は,LED光源の光束Φが経過時間に対して指数関数的に減少するもの[Φ(t)=B×e−αt]と仮定

して,寿命を推定する。LM-80によって求めた光束維持率データを用い,最小二乗法による直線近似によ

って,光束維持率の時間的な経過(寿命)を,次のように推定する。 

background image

C 8152-3:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試料数が20個以上では,光束維持率の実測試験時間の6倍までの推定をすることができる。試料数が

10〜19個では,5.5倍までとなる。これらを維持時間計算値とする。 

b) 寿命推定に使用するデータは,実測試験を6 000時間から10 000時間まで行った場合は,最後から5 000

時間分のデータを用い,1 000時間までのデータは用いない。10 000時間以上の場合は,実測試験時間

の最新50 %のデータを用いる。 

c) 推定値が実測試験時間の6倍(試料数10〜19個の場合は,5.5倍)を超える場合には,寿命は実測試

験時間の6倍(試料数10〜19個の場合は,5.5倍)までとする。これらを維持時間報告値とする。 

d) 報告書には,表B.1の内容を含める。 

表B.1−寿命推定結果報告書の内容 

LED光源の試験条件 

単位 

内容 

試料数 

− 

一つの条件の試験に用いる試料数 

故障数 

− 

LEDの故障数量 

試験駆動電流 

mA 

LED光源の駆動電流 

実測試験期間 

総試験時間 

推定のための試験時間 

推定に用いた試験時間 

LEDのきょう体温度 

℃ 

製造業者が指定するLEDの温度測定点 

α(減衰率定数) 

− 

最小二乗法で求めた減衰率定数 

B(推定初期定数) 

− 

最小二乗法で求めた推定初期定数 

70 %維持時間計算値[L70 (Dk)] 

計算で求めた初期出力の70 %を維持できる時間(寿命) 

70 %維持時間報告値[L70 (Dk)] 

初期出力の70 %を維持できる時間(寿命)の最終報告値 

B.3 

推定方法の例(IECの例) 

B.3.1 一般 

IECでは,加速試験による係数を用いて寿命の推定を行う方法[LED-Testing and prediction of lumen 

maintenance(案)]について,議論をしている。 

B.3.2 光束維持率の測定 

光束維持率の測定は,次による。 

a) 試験は,20個以上の試料について,2種類以上のきょう体温度Tsで行う。例えば,製品データシート

に記載する最大許容温度,製造業者が指定する温度などを用いる。試験時間は,6 000時間以上とする。 

b) 加速試験のため,製造業者が指定する,より高温のきょう体温度で行う試験を追加する(B.3.3参照)。 

c) 試験電流は,製品データシートの仕様から製造業者が指定する電流を用いる。試験温度によらず,駆

動電流は同じとする。 

d) 全光束は,少なくとも0時間,500時間,1 000時間,及び1 000 時間以後は1 000 時間ごとに測定し

て,その時間における試料の光束維持率の平均値を求める。 

e) 各測定時間での光束維持率のばらつきが大きい場合(標準偏差が平均値の20 %より大きい場合),試

料数を追加することが望ましい。 

B.3.3 温度上昇加速試験による光束維持率の推定 

温度上昇加速試験は,次による。 

a) B.3.2の方法で,光束維持率を測定する。 

b) 光束維持率の経時変化を,各温度条件で求める(図B.1参照)。 

c) 温度条件の異なる二つの曲線について,光束維持率が同じ値になる時間をそれぞれ求める(図B.1 参

background image

10 

C 8152-3:2013  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

照)。 

d) c)で求めた時間について,温度が高い方の時間と,温度が低い方の時間との比を求める。 

e) d)の方法で,五つ以上の光束維持率の値について比を求め,全体の平均値を加速係数とする。光束維

持率の値は,c)で求めた二つの曲線上で500 時間以上離れている時点のものとする。 

f) 

e)で求めた比の標準偏差が平均値の20 %を超える場合には,最後の2 000 時間のデータに限定して,

c)〜e)の方法で加速係数を求める。ばらつきが改善されない場合には,加速係数は,e)で求めた比の最

小値を用いる。 

g) 加速係数は,2種類の温度条件における光束維持率特性の時間軸上の比を示す。すなわち,高い温度

条件の光束維持率特性の時間に加速係数を乗じることで,低い温度の光束維持率特性を推定できる。 

h) 2種類の温度条件の光束維持率特性から補間することによって,中間の温度条件の特性を推定できる。 

図B.1−光束維持率を予測する方法の例 

参考文献 JIS C 7801 一般照明用光源の測光方法 

JIS C 8105-5 照明器具−第5部:配光測定方法 

JIS C 8152-2 照明用白色発光ダイオード(LED)の測光方法−第2部:LEDモジュール及び

LEDライトエンジン 

JIS C 8155 一般照明用LEDモジュール−性能要求事項 

JIS C 8157 一般照明用電球形LEDランプ(電源電圧50 V超)−性能要求事項 

JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項 

JIS Z 8720 測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源 

ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in 

measurement (GUM:1995) 

注記 対応標準仕様書:TS Z 0033:2012 測定における不確かさの表現のガイド(IDT) 

CIE 127,Measurement of LEDs