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C 8108:2008  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 種類······························································································································· 4 

5 要求事項 ························································································································· 5 

5.1 安全性 ························································································································· 5 

5.2 性能 ··························································································································· 10 

6 試験······························································································································ 10 

6.1 試験条件 ····················································································································· 10 

6.2 試験方法 ····················································································································· 11 

7 検査······························································································································ 14 

7.1 形式検査 ····················································································································· 14 

7.2 受渡検査 ····················································································································· 14 

8 製品の呼び方 ·················································································································· 15 

9 表示······························································································································ 15 

C 8108:2008  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電球

工業会(JELMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS C 8108:1991は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

C 8108:2008 

蛍光灯安定器 

Ballasts for fluorescent lamps 

序文 

この規格は,1953年に制定され,前回の改正は1991年に行われたが,その後,国際規格と整合したJIS 

C 8147-1,JIS C 8147-2-8及びJIS C 8118が制定されたため,これらの規格を引用し,国際規格と可能な

限り整合が図れるように改正した。 

1 適用範囲 

この規格は,JIS C 7601に規定する蛍光ランプ及びJIS C 7605に規定する殺菌用低圧水銀放電管(以下,

ランプと総称する。)の点灯に使用する磁気回路式安定器のうち,定格入力電圧が交流(50 Hz専用,60 Hz

専用,及び50 Hz・60 Hz共用)の300 V以下及び定格二次電圧が1 000 V以下で,一般の場所で使用する磁

気回路式安定器(以下,安定器という。)について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) 

JIS C 1102-1 直動式指示電気計器−第1部:定義及び共通する要求事項 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部:仕様 

JIS C 1509-2 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第2部:型式評価試験 

JIS C 1602 熱電対 

JIS C 7601 蛍光ランプ(一般照明用) 

JIS C 7605 殺菌用低圧水銀放電管 

JIS C 8118 蛍光灯安定器−性能要求事項 

JIS C 8147-1 ランプ制御装置−第1部:一般及び安全性要求事項 

JIS C 8147-2-8 ランプ制御装置−第2-8部:蛍光灯安定器の個別要求事項 

JIS Z 8113 照明用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8113によるほか,次による。 

3.1 

磁気回路式安定器(magnetic type ballast) 

変圧器及びチョークコイルを主体とし,必要に応じ,コンデンサなどと組み合わせて構成され,ランプ

C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

を適正に動作させるために使用するもの。雑音防止用コンデンサ,力率改善用コンデンサ,コンデンサ放

電抵抗,保護装置,始動用半導体素子などを含め,安定器という場合もある。 

3.2 

試験用安定器(reference ballast) 

安定器の試験及び試験用ランプの選定のために基準として使用するチョークコイル形安定器。 

3.3 

試験用ランプ(reference lamp) 

安定器を試験するために,事前に長時間点灯し,負荷として使用するために特性を安定させ,特性変化

を少なくしたランプ。 

3.4 

スタータ式安定器(starter type ballast) 

手動又は自動的に動作するスタータを用い,スタータのスイッチ作用によってランプの両陰極を予熱し,

パルス電圧が発生してランプを始動させ,点灯中は,陰極をランプ電流によって加熱する回路方式に用い

る安定器。 

3.5 

ラピッドスタート式安定器(rapid start type ballast) 

安定器の一部に設けた陰極加熱機構で,ランプの陰極を加熱して,陰極が電子放射するのに十分な温度

になったときに,放電を開始するよう両陰極間に十分な電圧を加え,点灯中は,陰極をランプ電流及び陰

極加熱機構によって加熱する回路方式に用いる安定器。 

3.6 

瞬時始動式安定器(instantaneous start type ballast) 

放電前に陰極を加熱せず,ランプ始動は,必要十分な電圧を両陰極間に加えて始動させ,点灯中は,陰

極をランプ電流によって加熱する回路方式に用いる安定器。 

3.7 

半導体スタート式安定器(semiconductor start type ballast) 

安定器に始動用半導体素子を含み,そのスイッチ作用によるか,又は陰極加熱用の巻線によって両陰極

を予熱し,半導体のスイッチ作用によってランプを始動させ,点灯中は,陰極をランプ電流及び陰極加熱

機構によって加熱する回路方式に用いる安定器。 

3.8 

低温度上昇形安定器(low temperature degree rise type ballast) 

巻線の許容温度上昇値を,一般温度上昇形の安定器の温度限度値より低くし,この分周囲温度が高い箇

所でも使用可能とした安定器。 

この規格では,A及びE種絶縁のものは15 ℃以上,B種絶縁のものは25 ℃以上低くしたものだけを規

定する。 

3.9 

変圧式安定器(transformer type ballast) 

変圧器の機能をもつ安定器。この安定器には,安定器の一次,二次間が内部において絶縁変圧器で絶縁

されているものと一次,二次間が絶縁されていないものとがある。 

3.10 

防まつ形安定器(splash protection type ballast) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS C 0920の第二特性数字4に対する試験によっても有害な影響を及ぼさない安定器。 

3.11 

防浸形安定器(underwater protection type ballast) 

JIS C 0920の第二特性数字7に対する試験のとき,有害な影響を生じる量の水の浸入がない安定器。 

3.12 

保護機能付き安定器(thermally protected ballasts) 

自動復帰形保護装置付き安定器,非復帰形保護機構付き安定器及び過熱保護形安定器の総称。 

3.13 

自動復帰形保護装置付き安定器(thermally protected ballasts of automatic resetting type) 

蛍光灯器具取付面の温度の過昇を防止するための熱的保護装置をもつ安定器。何らかの原因で安定器の

内部の温度が異常に上昇したとき,電源側回路を遮断し温度の上昇を防止するもので,遮断後内部温度が

降下し保護装置の復帰温度に達したとき,回路が自動的に復帰し再点灯するもの。 

3.14 

非復帰形保護機構付き安定器(thermally protected ballasts of non resetting type) 

蛍光灯器具取付面の温度の過昇を防止するための熱的保護装置を内蔵するか又は熱的保護機構をもつ材

料,機構などで構成する安定器。何らかの原因で安定器の内部の温度が異常に上昇したとき,電源側回路

を遮断し温度の上昇を防止するもので,一度回路が遮断されると,温度が降下しても復帰しない。 

3.15 

過熱保護形安定器(ballast with mean of protection against overheating) 

安定器が何らかの原因で過熱することを未然に防止する安定器で,熱的保護装置,熱的保護機構又は過

電流遮断機構(電流ヒューズなど)の動作時の安定器の表面温度を自動復帰形保護装置付き安定器及び非

復帰形保護機構付き安定器より幾分高くしたもの。この安定器には,自動復帰形のものと非復帰形のもの

とがある。 

なお,安定器に電流ヒューズを内蔵しなくても,銘板などに電流ヒューズと組み合わせて使用する旨を

明記するものは,過熱保護形安定器とみなす。 

3.16 

定格入力電圧(rated input voltage) 

安定器及びランプを含む入力端子間に加える電圧の基準値で,安定器に表示した値。 

3.17 

定格周波数(rated frequency) 

安定器及びランプを含む入力端子間に加える電圧の周波数の基準値で,安定器に表示した値。通常50 Hz

又は60 Hzとする。 

3.18 

定格入力電流(rated input current) 

周囲温度25 ℃において,試験用ランプを負荷として,定格周波数の定格入力電圧で点灯し,安定した

状態のときの入力電流の基準値で,安定器に表示した値。 

3.19 

定格入力電力(rated input power) 

周囲温度25 ℃において,試験用ランプを負荷として,定格周波数の定格入力電圧で点灯し,安定した

状態のときの入力電力の基準値で,安定器に表示した値。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.20 

定格二次電圧(rated secondary voltage) 

変圧式安定器に定格周波数の定格入力電圧を加えたとき,無負荷時に定常的に発生する電圧の基準値で,

安定器に表示した値。 

3.21 

定格二次電流(rated secondary current) 

変圧式安定器に定格周波数の定格入力電圧を加えたときのランプに流れる電流で,安定器に表示した適

合ランプの電流の基準値。 

3.22 

定格二次短絡電流(rated secondary short-circuit current) 

変圧式安定器に定格周波数の定格入力電圧を加えたときに定常的に流れる二次短絡電流の基準値で,安

定器に表示した値。 

3.23 

試験用基準電圧(test reference voltage) 

試験用安定器と試験用ランプとを組み合わせて諸特性を測定するときの,入力端子間に印加する電圧。 

種類 

安定器の種類は,表1による。 

表1−種類 

適合ランプによる区分 

始動方式に 
よる区分 

使用箇所に 
よる区分 

水に対する 
保護による区分 

回路力率に
よる区分 

温度上昇 
による区分 

保護機能による 
区分及びその記号 

直管形・環形及びコンパ
クト(スタータ非内蔵)
用 
 
直管形・環形用 
 
コンパクト形(スタータ
非内蔵)用 
 
コンパクト形(スタータ
内蔵)用 
 
スリムライン形用 
 

スタータ式 
 
ラピッドスタ
ート式(遅相回
路) 
 
ラピッドスタ
ート式(進相回
路) 
 
瞬時始動式 
 
半導体スター
ト式 

器具内用 
 
屋内用 

ないもの 
 
防まつ形 (SP) 
 
防浸形 (WT) 

低力率 
 
高力率 
 
 

一般温度上
昇形 
 
低温度上昇
形 
 

ないもの 
 
自動復帰形 
保護装置付 
き 
 
非復帰形 
保護機構付 
き 
 
過熱保護形 

 
 

 
 

 
 

 
 

注記1 直管形,環形,コンパクト形(スタータ非内蔵),コンパクト形(スタータ内蔵),スリムライン形ランプなど

の用語は,JIS C 7601と一致している。 

注記2 “始動方式による区分”欄のラピッドスタート式で,“遅相回路”とは,二次電圧波形がほぼ正弦波のもので

あり,また,“進相回路”とは,二次電圧波形に高調波が重畳されているもので,この“進相回路”が,“始動
に関して特別に考慮した安定器”と,一般的にいわれている。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

要求事項 

5.1 

安全性 

5.1.1 

構造 

構造は,JIS C 8147-1の15.1(木,綿,絹,紙及び同様な繊維質材料)によるほか,次による。 

a) 外郭内の充てん物は,耐水質で絶縁性があり,使用中にひび割れを生じたり,漏出するおそれがあっ

てはならない。 

b) 防まつ形及び防浸形のものは,水が外郭内に浸入するおそれがあってはならない。端子又は口出線部

分には,耐水質の絶縁カバー若しくは絶縁ブッシングを取り付けるか,又はこれと同等の防水保護を

施さなければならない。 

c) ステンレス鋼以外の鋼製又は鉄製の部品(鉄心は除く。)には,さび止めを施さなければならない。 

d) 口出線が箱を貫通する部分は,保護スプリング,保護ブッシング,その他の適切な保護部品を使用す

る場合を除き,口出線を損傷するおそれがないように面取り,その他の適切な保護加工を施さなけれ

ばならない。ただし,貫通部が金属以外のもので,その部分が滑らかであり,口出線を損傷するおそ

れがないものは除く。 

e) ランプの放電開始を促進するために,ランプに近接導体を設ける照明器具に使用する安定器は,ラン

プ回路と近接導体との間に定常的に流れる電流が1 mA以下でなければならない。 

f) 

保護機能付き安定器は,次の1)及び2)に適合しなければならない。 

1) 保護装置及び保護機構は,安定器の内部に組み込み,交換できない構造とする。ただし,銘板など

で電流ヒューズと組合せ使用を明記するものは除く。 

2) 保護機能のための構造及び材料は,取扱い及び輸送中の振動,点灯中の熱などによって性能の変化

が少ないものでなければならない。 

5.1.2 

端子 

端子は,次による。 

a) 接地用以外の端子は呼び径が4 mm以上(押し締めねじ形のものは3.5 mm以上)の銅製又は銅合金製

のねじ又はボルト・ナットで,導体径が2 mmの絶縁電線を確実に取り付けることができるものでな

ければならない。ただし,器具内用のものは,JIS C 8147-1の附属書1 表1.2(使用電線の種類)に示

す適合電線を確実に電気的接続ができる銅又は銅合金製で,次の1)又は2)に該当する端子でもよい。

また,屋内用のものは,JIS C 8147-1の附属書1 表1.2に示す適合電線を確実に電気的接続ができる

銅又は銅合金製で,次の2)に該当する端子でもよい。 

1) はんだ付けをするのに足りる十分な大きさをもつラグ端子又ははとめ類。 

2) 端子の機械的接触手段によって十分な圧力で電線導体を支持する丈夫な構造で,かつ,その安定器

に定格周波数の定格入力電圧を印加したとき,電線導体及び端子の接触部に流れる電流と電圧降下

とによって算出する接触抵抗が30 mΩ以下となる端子又はこれに類するもの。 

b) 接地用以外の端子は,適合電線を接続し,その接続方向及び垂直方向に20 Nの引張力を徐々に加えた

とき,単独でこれに十分耐えなければならない。 

5.1.3 

保護接地 

保護接地は,JIS C 8147-1の9.(保護接地)の9.B及び9.Cによるほか,次による。 

a) 接地端子又はその近くには,容易に消えない方法で,接地用である旨を表示(   ,PE,  ,E,

G,アース,接地,接地端子)しなければならない。 

b) 定格入力電圧又は定格二次電圧が150 Vを超えるもの,防まつ形のもの及び防浸形のものは,外郭の

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

外面,その他の適切な箇所に,接地用端子又は接地用の口出線を取り付けなければならない。ただし,

器具内用のものは除く。 

5.1.4 

口出線 

口出線は,JIS C 8147-1の附属書1の3.によるほか,次による。 

a) 器具内用で直接電源側に接続しない口出線は単線を用いることができる。 

b) 安定器外の長さは,150 mm以上でなければならない。ただし,器具内用は除く。 

c) 安定器内部で接続する部分には,口出線を動かしたとき直接力が加わらないようにしなければならな

い。ただし,器具内用で,口出線により線を用いるものは除く。 

d) 口出方向に20 Nの引張力を徐々に加えたとき,単独でこれに十分耐えるように取り付けてあり,かつ,

切断してはならない。 

5.1.5 

コンデンサ 

コンデンサは,JIS C 8147-2-8の4.1(コンデンサ及び他の部品)及び14.2(コンデンサ両端の電圧)に

よるほか,次による。 

a) 力率改善用コンデンサには,適切な放電装置を設け,電源回路が遮断されてから1分間以内に,コン

デンサの端子電圧が45 V以下となるようにする。ただし,安定器の回路特性上,この時間内に45 V

以下になるものは除く。 

b) 雑音防止用のコンデンサは,定格容量が0.006 μF以上0.5 μF以下(スタータ式のものでランプに並列

に接続する場合は,定格容量0.006 μF以上0.01 μF以下)でなければならない。 

5.1.6 

充電部との偶発接触からの保護 

充電部との偶発接触からの保護は,JIS C 8147-1の10.1によるほか,次による。 

a) 充電部(口出線及び端子を除く。)及び鉄心部は,耐火性をもつ外箱の中に収めなければならない。た

だし,器具内用のもので巻線を耐火性外被によって保護したものは除く。 

b) 屋内用のものの外箱,器具内用のものの外箱又は外被に用いる金属性外郭は,材料の呼び厚さが0.5 

mm以上でなければならない。 

c) 屋内用のものは,通常の使用状態で充電金属部に人が触れるおそれがあってはならない。 

5.1.7 

電源からの絶縁 

電源からの絶縁は,JIS C 8147-1の附属書1の1.(電源からの絶縁)による。 

5.1.8 

温度上昇 

温度上昇は,6.2.2によって試験を行ったとき,表示の不明りょう化及び充てん物の流出がなく,温度上

昇は,表2に適合しなければならない。 

なお,試験が終了してから,自然冷却によって温度が下がった後,再点灯に支障があってはならない。

ただし,tw(巻線の定格最高使用温度)及びtc(安定器の外部表面の最高許容温度)を表示する安定器は

JIS C 8147-2-8の14.1(予備試験,検査及び測定)及び14.3(安定器の温度上昇試験)による。 

表2−許容温度上昇値 

単位 K 

測定箇所 

平常温度上昇a) 

異常温度上昇 

定格入力電圧の100 %時 定格入力電圧の106 %時 

定格入力電圧の100 %時 


A種絶縁のもの 

60以下 

(45以下) 

70以下 

(55以下) 

125以下 

E種絶縁のもの 

75以下 

(60以下) 

85以下 

(70以下) 

140以下 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2−許容温度上昇値(続き) 

単位 K 

測定箇所 

平常温度上昇a) 

異常温度上昇 

定格入力電圧の100 %時 定格入力電圧の106 %時 

定格入力電圧の100 %時 

線 B種絶縁のもの 

85以下 

(60以下) 

95以下 

(70以下) 

150以下 

外郭 

50以下 

60以下 

105以下 

コンデンサ表面 M 

30以下 

40以下 

45以下 

35以下 

45以下 

50以下 

40以下 

50以下 

55以下 

45以下 

55以下 

60以下 

注記 コンデンサ表面の記号M,Y,H及びZは,JIS C 4908に規定する最高許容温度の区分の記号による。 
注a) 平常温度上昇で,数値に括弧の付いたものは,低温度上昇形のものに適用する。 

5.1.9 

絶縁抵抗 

絶縁抵抗は,6.2.3によって試験を行ったとき,5 MΩ以上でなければならない。ただし,温度上昇試験

を行わない場合の冷間絶縁抵抗の値は,30 MΩ以上でなければならない。 

注記 冷間絶縁抵抗とは,安定器の温度が周囲温度と平衡した状態の絶縁抵抗をいう。この平衡した

状態とは,通常,使用後12時間以上放置した状態である。 

5.1.10 耐電圧 

耐電圧は,6.2.4によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。 

5.1.11 耐湿性及び絶縁性 

耐湿性及び絶縁性は,JIS C 8147-1の11.(耐湿性及び絶縁性)によるほか,次の各項に適合しなければ

ならない。 

a) 6.2.4によって試験を行ったとき,これに耐えなければならない。 

b) 表示の消失及び著しいさびの発生があってはならない。 

5.1.12 沿面距離及び空間距離 

充電部相互間及び充電部と外箱との間の絶縁距離は,表3及び表4による。 

表3−コンデンサの外部端子部の空間距離(沿面距離を含む) 

線間電圧又は対地電圧 

空間距離 mm 

極性が異なる充電部間 

充電部と接地するおそれがある非充
電金属部との間 

固定している部分であ
ってじんあいが侵入し
にくく,かつ,金属粉
が付着しにくい箇所 

その他の
箇所 

固定している部分であ
ってじんあいが侵入し
にくく,かつ,金属粉が
付着しにくい箇所 

その他の
箇所 

50以下 

1.2 

1.2 

50を超え 

150以下 

1.5 

1.5 

1.5 

 150を超え 

300以下 

2.5 

 300を超え 

600以下 

 600を超え 1 000以下 

注記 “線間電圧又は対地電圧”とは,使用中に継続的に発生する電圧又は無負荷の電圧のうちいずれか

高いものをいう。また,“対地電圧”とは,接地式電路では,電線と対地との間の電圧をいい,ま
た,非接地式電路では,電線とその電路中の任意の他の電線との間の電圧をいう。 

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C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表4−コンデンサ以外の充電部の空間距離(沿面距離を含む) 










圧 

空間距離 mm 

電源電線の取付部 

出力側電線の取付部 

その他の部分 

使用者が
接続する
端子部間 

使用者が接続す
る端子部と接地
するおそれがあ
る非充電金属部
又は人が触れる
おそれがある非
金属部の表面と
の間 

製造業者が
接続する端
子部間 

製造業者が接続す
る端子部と接地す
るおそれがある非
充電金属部又は人
が触れるおそれが
ある非金属部の表
面との間 

使用者が接続
する端子部間 

使用者が接続する
端子部と接地する
おそれがある非充
電金属部又は人が
触れるおそれがあ
る非金属部の表面
との間 

製造業者が接続す
る端子部間及び使
用者が接続器によ
って接続する端子
部間 

製造業者が接続す
る端子部及び使用
者が接続器によっ
て接続する端子部
と接地するおそれ
がある非充電金属
部又は人が触れる
おそれがある非金
属部の表面との間 

極性が異なる充電
部間 

充電部と接地する
おそれがある非充
電部金属部又は人
が触れるおそれが
ある非金属部の表
面との間 

固定してい
る部分であ
って,じん
あいが侵入
し難く,か
つ,金属粉
が付着し難
い箇所 

その他
の箇所 

固定してい
る部分であ
って,じん
あいが侵入
し難く,か
つ,金属粉
が付着し難
い箇所 

その他
の箇所 

50以下 

− 

− 

− 

− 

1.2 

1.5 

1.2 

1.2 

 50を超え 
 

150以下 

2.5 

2.5 

1.5 

2.5 

1.5 

150を超え 
 

300以下 

2.5 

300を超え 
 

600以下 

− 

− 

− 

− 

10 

10 

600を超え 
 1 000以下 

− 

− 

− 

− 

10 

10 

8

C

 8

1

0

8

2

0

0

8

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.1.13 防水性 

防水性は,防まつ形安定器及び防浸形安定器について,6.2.5によって試験を行ったとき,絶縁抵抗が2 

MΩ以上で,かつ,6.2.4に示す電圧に耐えなければならない。 

5.1.14 保護機能 

5.1.14.1 自動復帰形保護装置及び非復帰形保護機構付き安定器の保護機能 

自動復帰形保護装置及び非復帰形保護機構付き安定器の保護機能は,次による。ただし,  (クラス

P熱的保護機能付きランプ制御装置)及び   (動作温度が宣言された熱的保護機能付きランプ制御装置)

を表示する安定器は,JIS C 8147-2-8の附属書B(熱的保護機能付きランプ制御装置の個別要求事項)に

よる。 

a) 不動作特性 不動作特性は,6.2.6 a),6.2.6 b)及び6.2.6 c)によって試験を行ったとき,充てん物が流出

したり,保護装置及び保護機構が動作してはならない。 

なお,試験前後の一般電気特性(入力電流,入力電力,ランプ電流など)の変化があってはならな

い。ただし,自動復帰形保護装置付き安定器は,6.2.6 c) 2)によって試験を行ったとき,保護装置が動

作してもよい。 

b) 動作特性 動作特性は,6.2.6 a),6.2.6 b)及び6.2.6 d) 1)によって試験を行ったとき,保護装置又は保

護機構が動作し,安定器の表面温度が135 ℃以下となるか,表面温度と時間との関係が表5を満足し,

180 ℃を超えてはならない。自動復帰形保護装置付き安定器は,保護装置再閉時の安定器の表面温度

は,110 ℃以下でなければならない。 

なお,保護装置又は保護機構が動作せず,安定器の表面温度が135 ℃以下のものは,6.2.6 d) 2)によ

って試験を行い,保護装置又は保護機構が動作し,かつ,安定器の表面温度が,180 ℃を超えてはな

らない。 

表5−最高表面温度に対する許容時間 

最高表面温度 

℃ 

許容時間 

min 

最高表面温度 

℃ 

許容時間 

min 

175を超え180以下 

15 

150を超え155以下 

50 

170を超え175以下 

20 

145を超え150以下 

60 

165を超え170以下 

25 

140を超え145以下 

90 

160を超え165以下 

30 

135を超え140以下 

120 

155を超え160以下 

40 

− 

− 

注記 許容時間は,安定器表面温度が135 ℃を超過してから,最高表面温度に達

するまでの最大時間。 

5.1.14.2 過熱保護形安定器の保護機能 

過熱保護形安定器の保護機能は,JIS C 8147-2-8の附属書3(過熱保護形安定器の要求事項)による。た

だし,表示については   又は   を表示することができる。 

5.1.15 巻線の熱耐久性 

巻線の熱耐久性は,JIS C 8147-2-8の13.(巻線の熱耐久性試験)によるほか,次による。 

絶縁抵抗試験後,表6に示す箇所に定格二次電圧(定格二次電圧のないものは定格入力電圧)の2倍の

電圧を印加し,1分間耐えなければならない。 

なお,twを表示しない安定器で絶縁の種類がA種のものはtw=105,E種のものはtw=120,B種のもの

はtw=130として,JIS C 8147-1の表2(熱耐久性試験期間30日を要する安定器に対する理論的試験温度)

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10 

C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

を適用する。 

表6−耐電圧試験箇所及び基準となる電圧 

安定器の種類 

試験電圧を印加する箇所 

試験電圧を決めるのに基準となる電圧 

一次,二次間を絶縁しない
もの 

一括した充電部及び非充
電金属部 

定格入力電圧又は定格二次電圧のいず
れか高い方 

安定器の一次,二次間を内
部において絶縁変圧器で
絶縁するもの 

一括した一次側充電部及
び非充電金属部 

定格入力電圧 

一括した二次側充電部及
び非充電金属部 

定格二次電圧 

一次・二次巻線相互間 

定格入力電圧又は定格二次電圧のいず
れか高い方 

5.2 

性能 

5.2.1 

二次電圧 

変圧式安定器の二次電圧は,6.2.7によって試験を行ったとき,定格二次電圧の値の90〜110 %の範囲内

になければならない。 

なお,定格二次電圧は,1 000 V以下とする。 

5.2.2 

始動電圧 

始動電圧は,JIS C 8118の箇条6(始動電圧)による。 

5.2.3 

予熱条件 

予熱条件は,JIS C 8118の箇条7(予熱条件)による。 

なお,スタータで始動するランプの場合は,試験用ランプを用いてもよい。 

5.2.4 

二次短絡電流 

二次短絡電流は,JIS C 8147-1の附属書1の2.1(二次短絡電流特性)による。 

5.2.5 

ランプ電力及び電流 

ランプ電力及び電流は,JIS C 8118の箇条8(ランプ電力及び電流)による。 

5.2.6 

ランプ電流波形 

ランプ電流波形は,JIS C 8118の12.2(ランプ電流波形)による。ただし,瞬時始動式安定器では,波

高率は1.9以下でなければならない。 

5.2.7 

入力電流 

入力電流は,JIS C 8118の箇条10(入力電流)及び12.1(入力電流波形)による。 

5.2.8 

回路力率 

回路力率は,JIS C 8118の箇条9(回路力率)による。 

5.2.9 

磁気遮へい 

磁気遮へいは,JIS C 8118の箇条13(磁気遮へい)による。 

5.2.10 騒音 

騒音は,6.2.8によって試験を行ったとき,実用上差し支えない程度でなければならない。 

試験 

6.1 

試験条件 

6.1.1 

周囲温度 

11 

C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験は,ほぼ無風状態の室内において,特に規定する以外は,20〜27 ℃の範囲内の周囲温度で行う。試

験用ランプを負荷として使用する試験については,特に規定がない場合は,ランプの周囲温度を25±1 ℃

とする。 

6.1.2 

試験用電源 

試験用電源は,JIS C 8147-1の附属書HのH.2(入力電圧及び周波数)によるほか,次による。 

安定器側から見た電源インピーダンスは,安定器のインピーダンスより十分に低い値でなければならな

い。 

6.1.3 

試験用ランプ及び試験用安定器の使用方法 

試験用ランプ及び試験用安定器の使用方法は,JIS C 8118の附属書D(試験用ランプ)及び附属書C(試

験用安定器)によるほか,次による。 

a) JIS C 8118の附属書Dの表D.1(試験用ランプ特性)の試験用ランプの場合は,使用中通常は水平点

灯とし,JIS C 8118の附属書Dの表D.2(試験用ランプ特性)の試験用ランプの場合は,口金を上方

にした鉛直点灯とし,試験中ソケットから外してはならない。ただし,JIS C 8118の附属書Dの表

D.2の試験用ランプでランプ長が300 mm以上のもので,測定に疑義を生じるおそれのない場合は,

水平点灯としてもよい。 

b) 試験用ランプは,使用前に特性を点検し,試験用ランプとして選定したときと同じ条件で接続する。 

c) 試験用ランプの温度の平衡及び安定な点灯を持続させるため,測定に先立ち,あらかじめJIS C 8118

の附属書Dの表D.1の試験用ランプの場合は,10〜30分間準備点灯を行い,また,JIS C 8118の附属

書Dの表D.2の試験用ランプの場合は,45〜60分間準備点灯を行う。ただし,安定器を切り換えたと

き,又は試験用ランプを消灯した場合は,消灯時間の長さに応じて準備点灯時間を適切に短縮しても

よい。 

d) 適合ランプの種別が複数ある安定器の試験は,すべての試験用ランプによって行う。ただし,ランプ

間において安定器の性能上相関関係が明らかな場合には,最も試験条件の厳しいランプを代表として

選定し,試験を行うことができる。 

6.1.4 

計器の特性 

計器の特性は,JIS C 8147-1の附属書HのH.7(計器の特性)によるほか,次による。ただし,適合ラ

ンプの定格電力が,10 W以下のものは適用しなくてもよい。 

計器は真の実効値指示形で,階級は特に指定がない限りJIS C 1102-1による精度階級は0.5又はこれと

同等以上とする。 

6.2 

試験方法 

6.2.1 

構造及び表示試験 

構造,保護接地,口出線,コンデンサ,充電部との偶発接触からの保護,電源からの絶縁,沿面距離及

び空間距離,及び表示の試験は,目視又は適切な測定器具によって行う。 

6.2.2 

温度上昇試験 

温度上昇試験は,次による。 

a) 平常温度上昇試験 平常温度上昇試験は,安定器及び試験用ランプの周囲温度を30±2 ℃に保ち,試

験用ランプを負荷とし,安定器の入力端子間に定格周波数の定格入力電圧及び定格入力電圧の106 %

の電圧を加え,各部の温度がほぼ一定になった後,表2に規定する測定箇所の温度上昇を測定する。 

b) 異常温度上昇試験 異常温度上昇試験は,安定器を次に示す四つの異常状態のうち最も温度が高くな

る状態とし,a)による試験を実施したときの温度上昇を測定し,外観を調べる。ただし,安定器の入

12 

C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

力端子間に加える電圧は,定格入力電圧とする。 

なお,自動復帰形保護装置付き安定器は,安定器の最高表面温度が表2に規定する値以下であれば,

保護装置が動作してもよい。 

1) スタータ式安定器では,スタータ(スタータが2個以上あるときはいずれか1個)を短絡する。 

2) ランプ(多数の場合はいずれか1個)を回路に接続しない。 

3) 陰極回路が完全であっても,ランプを始動させない。 

4) 電源と並列に接続されていない,力率改善用コンデンサを短絡する。ただし,コンデンサが2個以

上ある場合は,短絡したときにコンデンサを接続した回路に流れる電流が最も大きいものに限る。

また,安定器に定格入力電圧の90 %電圧以上で110 %電圧以下の範囲に変化させたとき,コンデ

ンサの端子電圧が,コンデンサの定格電圧以下のものを除く。 

c) 巻線の温度は抵抗法によって測定し,次の式によって温度上昇値を算出する。 

2

1

1

1

1

2

)

5.

234

(

t

t

t

R

R

R

T

ここに, 

T: 温度上昇値 (℃) 

t1: 最初の一定周囲温度 (℃) 

t2: 最終周囲温度 (℃) 

R1: t1 ℃における巻線の抵抗値 (Ω) 

R2: 温度が一定になったときの巻線の抵抗値 (Ω) 

d) 外郭及びコンデンサの表面温度は,JIS C 1602に規定する熱電対を使用し,測温接点を測定面に確実

に接触させ,かつ,外気に影響されないよう,その部分を少量のパテなどで覆って測定する。 

6.2.3 

絶縁抵抗試験 

絶縁抵抗試験は,平常温度上昇試験の直後に行い,一括した充電部と非充電金属部との間及び絶縁形変

圧器の巻線相互間の絶縁抵抗を,JIS C 1302に規定する500 Vの絶縁抵抗計又はこれと同等以上の方法で

測定する。 

なお,受渡試験では,5.2.2によって試験を行った後,冷間で行う。 

6.2.4 

耐電圧試験 

耐電圧試験は,絶縁抵抗試験の直後に行い,一次,二次間が絶縁されているか否かの別によって表6に

示す箇所に,JIS C 8147-1の表1(耐電圧試験電圧)に示す50 Hz又は60 Hzの電圧を1分間加えて試験す

る。 

なお,受渡試験は,JIS C 8147-1の表1の120 %の電圧を1秒間加えてもよい。 

6.2.5 

防水性試験 

防水性試験は,防まつ形安定器は,JIS C 0920の14.2.4(オシレーティングチューブ又は散水ノズルに

よる第二特性数字4に対する試験)によって散水試験を行い,防浸形安定器は,JIS C 0920の14.2.7(深

さ0.15〜1 mの一時的潜水状態での第二特性数字7に対する試験)によって浸水試験を行った後,表面の

水滴を吸取紙などで除き,それぞれ6.2.3及び6.2.4によって絶縁抵抗及び耐電圧を試験する。 

6.2.6 

保護機能試験 

保護機能試験は,安定器の周囲温度を40±3 ℃とし,次による。ただし,  及び   を表示する安

定器は,JIS C 8147-2-8の附属書Bによる。 

a) 供試安定器 供試安定器は,次に示す故障状態のうち最も厳しい状態とする。故障状態にするために

巻線及び結線の中間部にタップを設け,特別に作られたものを3台用意し,2台を試験に供する。 

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13 

C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

残りの1台は,試験の結果に疑義が生じた場合に用いる。 

1) チョークコイル式安定器は,その巻数の10 %に相当する巻回数を巻き終わりに近い部分で短絡す

る。ただし,コイルが2個以上からなる場合は,それぞれのコイルの巻数の10 %分を短絡する。 

2) 変圧式安定器は,一次巻数の10 %に相当する巻回数を巻き終わりに近い部分で短絡する。 

3) 変圧式安定器は,二次巻数の10 %に相当する巻回数を巻き終わりに近い部分で短絡する。 

4) ランプと直列に接続されている力率改善コンデンサを短絡する。 

b) 事前選別試験 保護機能試験に用いる保護装置は,定格動作温度より5 ℃低い周囲温度の場所に12

時間置き,動作しないものを用いなければならない。 

c) 不動作特性試験 不動作特性試験は,次による。 

1) 適合ランプを負荷とし,安定器の入力端子間に定格周波数の定格入力電圧の106 %電圧を加えてラ

ンプを点灯し,各部の温度が一定になるまで,この状態を継続する。 

2) 安定器を6.2.2 b)の異常状態で最も温度が高くなる状態(ただし,コンデンサの短絡状態を除く。)

とし,安定器の入力端子間に定格周波数の定格入力電圧の106 %電圧を加え,各部の温度が一定に

なるまで,この状態を継続する。 

d) 動作特性試験 動作特性試験は,次による。 

1) 適合ランプを負荷とし,安定器の入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加えて,正常状態で4

時間点灯した後,6.2.6 a)で設けたタップによって,故障状態を作り,この状態を各部の温度が一定

になるか,又は保護装置若しくは保護機構が動作し温度が下降し始めるまで継続し,安定器の最高

表面温度又は安定器最高表面温度と時間との関係を測定する。 

なお,自動復帰形保護装置付き安定器の場合で保護装置が動作するものは,3サイクル繰り返し

動作させる。 

2) 1)の試験の状態で,次に示すいずれかの方法で保護装置又は保護機構が動作するまで継続する。 

2.1) 安定器の入力電圧を定格入力電圧の10 %分ずつ増加させ,温度が安定するまで放置し,動作する

まで繰り返し継続する。 

2.2) 安定器の表面温度が135 ℃となるように恒温槽内の温度を調整し,十分安定するまで放置した後,

30分間に10 ℃以下の昇温速度で槽内の温度を上昇させ,動作するまで繰り返し継続する。 

6.2.7 

二次電圧試験 

二次電圧試験は,変圧式安定器を,例えば,図1のように接続し,入力端子間に,定格周波数の定格入

力電圧を加え,無負荷の状態においてランプの両端に接続する端子間の電圧を測定する。 

なお,ラピッドスタート式安定器については,4個の端子間の電圧のうち最高値をとる。 

             a) スタータ式安定器 

    b) ラピッドスタート式安定器 

図1−二次電圧測定回路 

14 

C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2.8 

騒音試験 

騒音試験は,適合ランプを負荷とし,安定器の入力端子間に定格周波数の定格入力電圧を加え,JIS C 

1509-1及びJIS C 1509-2に規定する騒音計又はこれらと同等以上の騒音計を用い,周波数補正回路のA特

性で測定する。 

検査 

7.1 

形式検査 

形式検査は,同一試験品につき,次の試験項目について行う。また,o) 及び p) については,必要に応

じ,特別に作られた安定器によって行う。 

a) 構造及び表示 

b) 端子 

c) 保護接地 

d) 口出線 

e) コンデンサ 

f) 

充電部との偶発接触からの保護 

g) 電源からの絶縁 

h) 平常温度上昇 

i) 

異常温度上昇 

j) 

絶縁抵抗 

k) 耐電圧 

l) 

耐湿性及び絶縁性 

m) 沿面距離及び空間距離 

n) 防水性(防まつ形及び防浸形のものに限る。) 

o) 保護機能(保護機能付き安定器に限る。) 

p) 巻線の熱耐久性 

q) 二次電圧(変圧式安定器に限る。) 

r) 始動電圧(変圧式安定器に限る。) 

s) 

予熱条件 

t) 

二次短絡電流(変圧式安定器に限る。) 

u) ランプ電力及びランプ電流 

v) ランプ電流波形 

w) 入力電流 

x) 回路力率(高力率形安定器に限る。) 

y) 磁気遮へい 

z) 騒音 

注記 巻線の熱耐久性は,巻線を構成する絶縁組織の耐久性を評価するものであり,絶縁組織の一部

又は全部を変更する場合に検査するものである。 

このため,同じ絶縁組織の他の機種で,巻線の熱耐久性が確認されているものは,その結果

の確認によって,当該機種も検査を満足するとみなす。 

7.2 

受渡検査 

15 

C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2.1 

検査項目 

受渡検査は,同一試験品を,次の項目について行う。ただし,検査項目の内容については受渡当事者間

の協定によって,その全部又は一部を省略してもよい。 

a) 構造及び表示 

b) 始動電圧(変圧式安定器に限る。) 

c) 絶縁抵抗 

d) 耐電圧 

7.2.2 

抜取検査 

抜取検査を必要とする場合,検査項目及び方法については,受渡当事者間の協定による。 

製品の呼び方 

製品の呼び方は,名称,適合ランプの種別及び本数,定格入力電圧,定格周波数及び使用箇所による。

ただし,名称は“安定器”と省略してもよい。 

例 蛍光灯安定器(又は安定器)FL40S 2灯用 100 V 50 Hz 屋内用 

表示 

安定器には,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。ただし,e),f)及びi)につい

ては,安定器の適合ランプの種別が複数ある場合で,同じ試験用安定器の区分に属するすべての直管形,

環形及びコンパクト形ランプを対象とするもの,並びに直管形及び環形ランプだけを対象とするものは,

直管形ランプで最もランプ電力の大きい種別のランプ(ただし,試験用安定器の区分が32aのものは,

FCL32/30。JIS C 8118参照。)を試験用ランプとして用いたときの値を表示する。また,コンパクト形ラン

プだけを対象としたものは,対象ランプの中で最もランプ電力の大きい種別のランプを試験用ランプとし

て用いたときの値を表示する。 

なお,ランプ電力の小さい種別のランプを試験用ランプとして用いたときの,そのランプの種別及び値

を併記してもよい。 

a) 名称[蛍光灯安定器(又は安定器)と記載する。半導体スタート式のものは“半導体スタート式”の

文字を入れる。] 

b) 適合ランプの種別(又は区分)及び本数 

(適合ランプの種別は,試験用ランプとしたランプの種別を代表として表示する。また,直管・環形

ランプだけを対象とするものは,“直管・環形ランプ用”又は“FL用”,また,コンパクト形ランプだ

けを対象としたものは,“コンパクト形ランプ用”又は“CF用”の文字を入れる。) 

c) 定格入力電圧 (V) 

d) 定格周波数 (Hz) 

e) 定格入力電流 (A) 

f) 

定格入力電力 (W) 

g) 力率による区分(高力率形安定器に限る。) 

h) 定格二次電圧(変圧式安定器に限る。) (V) 

i) 

定格二次電流(変圧式安定器に限る。) (A) 

j) 

定格二次短絡電流(変圧式安定器に限る。) (A) 

k) 接続図(単一チョークコイルのものは省略してもよい。コンデンサを別に接続するものは,その静電

16 

C 8108:2008  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

容量,定格電圧及び接続方法を含む。)及び口出線の色別。 

l) 

半導体スタート式安定器のもので,専用半導体スタータを要し,かつ,主要部分と分離されている場

合は,その旨。 

m) 器具内用,屋内用の別(取付けの向きを指定するものは,その旨。) 

n) 水に対する保護による区分[防水のものに限る。防まつ形のものは,防まつ形又は防水 (SP),防浸形

のものは,防浸形又は防水 (WT) と記す。] 

o) 絶縁の種類(A種以外のもの) 

p) 低温度上昇形のものは,∆t45又は∆t60 

q) 製造業者名又はその略号 

r) 保護機能をもつものは,表1に示すその記号 

s) 

記号twの後に巻線の定格最高使用温度の宣言値。この値は5 ℃の倍数とする。ただし,巻線の定格最

高使用温度を宣言するものに限る。 

t) tcの値。これが安定器の特定の位置に関係する場合には,この位置を明示する。ただし,安定器の外

部表面の最高許容温度を宣言するものに限る。 

参考文献 JIS C 4908 電気機器用コンデンサ