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C 61300-3-6

:2011

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  概要

2

3.1

  OCWR 測定法

2

3.2

  OTDR 測定法

2

3.3

  OLCR 測定法

2

3.4

  OFDR 測定法

2

3.5

  基準測定法の選択

3

4

  機器及び記号

3

4.1

  供試品(DUT

3

4.2

  OCWR 測定法

3

4.3

  OTDR 測定法

5

4.4

  OLCR 測定法

5

4.5

  OFDR 測定法

6

5

  手順

8

5.1

  励振条件

8

5.2

  前処理

8

5.3

  試験 1OCWR 測定法

8

5.4

  試験 2OTDR 測定法

11

5.5

  試験 3OLCR 測定法

14

5.6

  試験 4OFDR 測定法

14

6

  個別規格に規定する事項

16

6.1

  OCWR による反射減衰量測定

16

6.2

  OTDR による反射減衰量測定

16

6.3

  OLCR による反射減衰量測定

17

6.4

  OFDR による反射減衰量測定

17

6.5

  測定手順

18

附属書 A(参考)四つの測定法によって検出できる反射減衰量の比較

19

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

20


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及

び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 61300

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 61300-1

  第 1 部:通則

JIS C 61300-2-12

  第 2-12 部:落下衝撃試験

JIS C 61300-2-14

  第 2-14 部:光パワー損傷のしきい値試験

JIS C 61300-2-17

  第 2-17 部:低温試験

JIS C 61300-2-18

  第 2-18 部:高温試験

JIS C 61300-2-19

  第 2-19 部:高温高湿試験(定常状態)

JIS C 61300-2-45

  第 2-45 部:浸水試験

JIS C 61300-2-48

  第 2-48 部:温湿度サイクル試験

JIS C 61300-3-3

  第 3-3 部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法

JIS C 61300-3-6

  第 3-6 部:反射減衰量測定

JIS C 61300-3-20

  第 3-20 部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定

JIS C 61300-3-28

  第 3-28 部:過渡損失測定

JIS C 61300-3-30

  第 3-30 部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置

測定

JIS C 61300-3-31

  第 3-31 部:光ファイバ光源の結合パワー比測定


日本工業規格

JIS

 C

61300-3-6

:2011

光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−

基本試験及び測定手順−第 3-6 部:反射減衰量測定

Fiber optic interconnecting devices and passive components-

Basic test and measurement procedures-

Part 3-6: Examinations and measurements-Return loss

序文

この規格は,2008 年に第 3 版として発行された IEC 61300-3-6 を基に,技術的内容を変更することなく

作成し,構成については一部変更して作成された日本工業規格である。

なお,変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,光ファイバ接続デバイス及び光受動部品の反射減衰量(RL)の測定手順について規定する。

注記 1  関連する試験及び測定方法の通則は,JIS C 61300-1 に規定する。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61300-3-6:2008

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and

measurement procedures−Part 3-6: Examinations and measurements−Return loss(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 61300-1

  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 1 部:通則

注記  対応国際規格:IEC 61300-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic

test and measurement procedures−Part 1: General and guidance(IDT)

IEC 60793-2 (all parts)

,Optical fibres−Product specifications

IEC 61300-3-1

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement

procedures−Part 3-1: Examinations and measurements−Visual examination

IEC 61300-3-39

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement

procedures−Part 3-39: Examinations and measurements−PC optical connector reference plug selection


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3

概要

この規格で反射減衰量(略記号 RL)とは,供試品に入力又は入射された光パワーP

i

と供試品から反射さ

れた総光パワーP

r

との比を意味し,デシベル単位で示す[式(1)参照]

⎟⎟

⎜⎜

×

=

i

r

log

10

P

P

RL

 (1)

反射減衰量は,正の値である。

反射減衰量を測定する方法として,次の四つの測定法について規定する。

− OCWR(Optical Continuous Wave Reflectometer,連続光反射率計)による測定法(試験 1)

− OTDR(Optical Time Domain Reflectometer,光時間領域反射率計)による測定法(試験 2)

− OLCR(Optical Low Coherence Reflectometer,光低コヒーレンス反射率計)による測定法(試験 3)

− OFDR(Optical Frequency Domain Reflectometer,光周波数領域反射率計)による測定法(試験 4)

これら四つの測定法はそれぞれ異なった特性をもち,また,空間分解能及び測定限界に関して,それぞ

れ異なるアプリケーションをもつ(

附属書 に,四つの測定法による反射減衰量の測定限界の比較を記述

する。

3.1

OCWR

測定法

この測定法は,式(1)で与える反射減衰量の定義に最も近い。この測定法では,入射光パワー及び反射光

パワーを直接測定する。測定器のデータ処理に影響されることはなく,また,参照反射光を用いることが

ないため,絶対的な測定値が得られる(手法 A)

。この測定法では,幾つかの制限要因がある。同一光軸上

にある二つの異なる反射点を空間的に見分けることができない。また,ダイナミックレンジは,光ブラン

チングデバイスの特性,及び供試品の出力ポートにおいて反射を抑制する終端の特性に依存する。

3.2

OTDR

測定法

この測定法は,OTDR を用いることによって,75 dB 以上(パルス幅に依存する)のダイナミックレン

ジで,メートル単位の空間分解能で,光軸上の複数の反射点からの反射減衰量を測定することができる。

3.3

OLCR

測定法

この測定法は,低コヒーレンス光の干渉を用い,高いダイナミックレンジ(90 dB 以上)で,マイクロ

メートル単位の空間分解能で,シングルモード光学素子の反射プロファイルを測定することを目的とする。

反射プロファイルを,シングルモード光学素子の独立した端面又は接続点における反射の分布として定

義する。ある点からの反射が−R dB のとき,その点における反射減衰量は R dB である。この測定法では,

ある点からの反射を,反射光と参照光との光学的干渉によって形成されるビート信号のパワーとして測定

する。分散した反射点をもつ部品を測定した場合は,各反射点を測定系の空間分解能より高い分解能で特

定し,測距することができる。

3.4

OFDR

測定法

この測定法は,OFDR を用いて,高いダイナミックレンジ(70 dB 以上)で,センチメートル単位の空

間分解能で,シングルモード光学素子の反射減衰量を測定することを目的とする。

この測定法の大きな利点は,測定対象である点からの反射を,供試品の接続点,無終端処理部などの測

定対象ではない点からの反射と空間的に区別して測定することができることである。さらに,OFDR 測定

法は,信頼性が高く,また,測定装置を小さくできる。

周波数領域での測定は,逆フーリエ変換によって時間領域の情報に変換する能力に基づいている。この

測定法では,数 kHz∼1 GHz で変調された光源を用いることによって,数センチメートルの分解能で光軸

上にある二つの反射点を分離することができる。


3

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3.5

基準測定法の選択

四つの測定法が異なる特徴と適用領域とをもつため,基準測定法は,供試品の種類によって異なる。反

射減衰量が 55 dB 以下の部品に対しては,試験 1 が基準測定法である。55 dB を超える反射減衰量の部品

に対しては,100 ns 以下のパルス幅を用いた試験 2 が基準測定法である。5 m 以内の距離で分離された反

射点を分解して測定する場合は,試験 3 が基準測定法である。

4

機器及び記号

4.1

供試品(DUT

供試品が組立部品の一端に実装された光コネクタである場合,基準プラグは,その供試品におけるテン

ポラリジョイント(TJ)の半分とみなし,測定する光コネクタと同一の端面をもち,被測定光コネクタと

して要求される最低限の光学特性を満たす。

供試品が光コネクタの有無にかかわらずピッグテールで終端されている組立部品である場合は,基準と

なるピッグテール付きプラグ及び必要がある場合は基準アダプタをこれらのポートに光コネクタ終端とと

もに取り付け,ピッグテール光コネクタ付きアセンブリとする。基準プラグは,テンポラリジョイントの

半分とみなし,測定する光コネクタと同一の端面をもち,被測定光コネクタとして要求される最低限の光

学特性を満たす。全ての使用されないポートは,4.2.5 に規定する方法で終端する。

その他の規定がない場合,基準プラグは,IEC 61300-3-39 に規定する要求事項に合致したものを用いる。

また,基準アダプタは,相当する JIS 又は IEC 規格に規定する光コネクタの寸法に合致し,繰り返し再現

性及び空間再現精度に優れたものを用いる。試験に用いるアダプタは,100 回の挿抜ごとに目視によって

検査し,500 回の挿抜後には交換することを推奨する。

4.2

OCWR

測定法

図 1OCWR による反射減衰量測定

図 に示す回路は,OCWR による反射減衰量測定に用いる代表的な(ただし,唯一ではない)測定系で

ある。測定する数値が,次の二つの条件を満たすことが要求条件である。

−  P

a

(光パワーメータ D

1

によって測定する光パワー)は,供試品からの反射光パワーP

r

と比例しており,

測定系において供試品以外から反射された光パワーP

0

を加えたものである[式(2)参照]

0

r

1

a

P

P

C

P

+

×

=

(mW)  (2)

−  P

ref

(光パワーメータ D

2

によって測定する光パワー)は,供試品への入射光パワーP

i

に比例しなけれ

ばならない[式(3)参照]

i

2

ref

P

C

P

×

=

(mW)  (3)

ここに,

P

r

供試品が反射する光パワー[式(1)]


4

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P

i

供試品に入射する光パワー[式(1)]

P

0

測定回路に起因するシステムの反射光パワー

C

1

光ブランチングデバイスの透過係数

C

2

光ブランチングデバイスの分岐比

OCWR による反射減衰量測定法で用いる機器及び部品は,4.2.14.2.5 による。

4.2.1

光ブランチングデバイス(BD

光ブランチングデバイスは,分岐比が安定であり,偏光依存性損失が 0.1 dB 以下であるものを用いる。

また,ディレクティビティが,測定しようとする最大反射減衰量より 10 dB 以上高いものを用いる(5.4.4

参照)

4.2.2

光パワーメータ(D

1

及び D

2

光パワーメータは,光電変換器,それに付随した電子回路及び光ファイバとの接続点で構成する。光学

的接続には,光コネクタ,光ファイバピッグテール又は光ファイバ素線アダプタのいずれかを用いる。

光パワーメータは,測定に必要なダイナミックレンジ全体に対して十分線形でなければならない。

なお,測定は,全て差分測定によるため,絶対値の校正は必要としない。測定に影響を与えないよう,

光パワーメータ D

2

からの反射光パワーは十分小さくなければならない。

測定中に光パワーメータを取り外して再接続した場合は,再接続の前後でその光パワーメータの結合効

率は一定でなくてはならない。

4.2.3

光源(S

1

及び S

2

光源は,光発生器,それに付随した駆動用電子回路,励起ユニット,及び光コネクタ又は光ファイバピ

ッグテールで構成する。第 2 の光源 S

2

は,

図 に示すとおり,校正のために用いる。S

2

の中心波長及びス

ペクトル幅は,S

1

と同等とする。

4.2.4

テンポラリジョイント(TJ

測定系に供試品を組み込む接続部。テンポラリジョイントの例としては,光コネクタ,融着接続,メカ

ニカルスプライス,真空チャック又はマイクロマニピュレータを用いる。テンポラリジョイントは,挿入

損失が安定しており,測定しようとする反射減衰量の最大値より 10 dB 以上高い反射減衰量をもたなけれ

ばならない(5.4.4 参照)

50 dB 以上の反射減衰量を測定しようとする場合は,規定の測定精度を保証するために融着接続を用い

ることが望ましい。

4.2.5

光終端器(T

T で表示する光終端器は,高い反射減衰量をもたなければならない。次の 3 種類の光終端器を推奨する。

−  光ファイバ端面を斜め処理する。角度の値は,光ファイバの種類によるが,12°以上が適切である。

−  光ファイバ端面に屈折率整合剤を用いる。

−  光ファイバに減衰器を入れる。例えば,マンドレルラップ(ただし,マルチモード光ファイバには適

用できない。

減衰機構を終端器として用いる場合は,部品間に用いてよい。例えば,

図 の P

0

を測定する場合,

図 8

に示すように,TJ

1

と供試品との間に減衰機構を用いてもよい。

光終端器は,測定しようとする反射減衰量の最大値より 20 dB 以上高い反射減衰量をもたなければなら

ない。

50 dB 以上の反射減衰量を測定しようとする場合は,規定の測定精度を保証するために光ファイバ内で

減衰させる方法を用いることが望ましい。


5

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4.3

OTDR

測定法

OTDR 測定法による反射減衰量測定系を,図 に示す。OTDR による反射減衰量測定法で用いる機器及

び部品は,4.3.14.3.3 による。

図 2OTDR による反射減衰量測定

OTDR によって測定した供試品からの反射量を,校正した値又は既知の反射量と比較する場合には,図

2

以外の測定系構成としてもよい。

4.3.1

OTDR

この測定機器は,光ファイバに沿って後方散乱される光のパワーを,時間の関数として測定することが

できる。この機器によって,光ファイバの一端からの測定だけで光軸上の種々の特性(損失,接続損失,

接続点,光ファイバの均一性,破断点など)を測定することが可能である。光ファイバ中の不連続点から

の反射減衰量は,OTDR によって測定できる諸量の一つである。

OTDR の受光レベルを超えないように光減衰器を組み込むことが望ましい(5.4.4 参照)。

4.3.2

光ファイバ区間(L

1

L

2

及び L

3

光ファイバ区間とは,OTDR の測定に必要となる区間である。L

1

区間の長さは,OTDR の影響を分離す

るために必要である。L

2

区間及び L

3

区間の長さは,OTDR によって供試品の反射減衰量を測定するのに必

要な分解能に合わせて用意する必要がある。a 点と b 点との間の光ファイバは,同一の後方散乱係数をも

つものを用いる[式(15)参照]

供試品が光コネクタによって終端されている場合は,光コネクタは供試品の一部とみなし,L

2

区間と L

3

区間との間に配置する。

4.3.3

テンポラリジョイント(TJ

測定系に供試品を組み込む接続部。テンポラリジョイントの例としては,光コネクタ,融着接続,メカ

ニカルスプライス,真空チャック又はマイクロマニピュレータを用いる。テンポラリジョイントは,通常,

a 点と b 点との間に設置してはならない。テンポラリジョイントは,挿入損失が安定しており,かつ,測

定範囲の OTDR 波形に影響を与えない程度に十分高い反射減衰量をもつことが必要である。

a 点と b 点との間にテンポラリジョイント TJ

1

又は TJ

2

を含まざるを得ない場合には,その損失の絶対値

は,一方向から OTDR で測定を行ったとき,

図 に示す供試品からの反射パワーによる立ち上がり軌跡 H

に対して 0.10以下でなければならない(5.4.4 参照)

。このように低い損失の値を得るためには,供試品

に接続されたピッグテールの後方散乱特性と整合するように,必要がある場合,幾つかの異なる光ファイ

バの組合せを試してもよい。

4.4

OLCR

測定法

図 に示す機器の詳細は,この測定法の原理だけを示したものである。

注記  実用的な測定システムでは,例えば,反射信号の偏光状態に依存しない測定ができるようにす

るなどの多くの改良を施す必要がある。

測定機器は,4.4.14.4.6 の部品で構成する。


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4.4.1

光源(S

光源には,光ファイバ出力形の広帯域光源(例えば,端面出射形 LED)を用いる。

4.4.2

光ブランチングデバイス(BD

光ブランチングデバイスは,光源からの光パワーを信号光ポートと参照光ポートとに分岐し,また,そ

れらのポートからの光パワーを合波して光パワーメータに導く。

4.4.3

光遅延線(ODL

光遅延線は,参照光の時間的遅延を線形に変化させるものである。

一般的な光遅延線は,平行光線を得るためのコリメータ(L)及び平行移動台に搭載した反射器(R)で

構成する。

図 3OLCR による反射減衰量測定

4.4.4

光パワーメータ(D

光パワーメータは,光ブランチングデバイスの出力端に接続する。

光パワーメータは,十分なダイナミックレンジをもつものを用いる。光パワーメータが出力する光電流

をデータ処理装置に送る。

4.4.5

テンポラリジョイント(TJ

測定系に供試品を組み込む接続部。テンポラリジョイントの例としては,光コネクタ,融着接続,メカ

ニカルスプライス,真空チャック又はマイクロマニピュレータを用いる。テンポラリジョイントは,挿入

損失が安定していなければならない。

4.4.6

データ処理装置

データ処理装置は,光パワーメータからのデータを収集して処理し,また,参照光の光学的遅延量を制

御する。

4.5

OFDR

測定法

OFDR 測定法による測定系は,図 に示すように,4.5.14.5.8 の部品で構成する。

4.5.1

高周波ネットワークアナライザ

高周波ネットワークアナライザは,ベクトル形のネットワークアナライザであり,反射光の強度及び位

相を測定できる。高周波の周波数変動は,測定精度の範囲内で最小化しなければならない。


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4.5.2

光学ヘッド−光源(S)及び光パワーメータ(D

共に適切な周辺駆動電子回路と,ネットワークアナライザ及び光ファイバとを接続する手段をもち,波

長が指定できる光源及び光電変換器で構成する。測定系のダイナミックレンジを,測定しようとする最小

の反射減衰量よりも 5 dB 以上大きくなるようにする。測定系のダイナミックレンジは,最大の信号光量,

すなわち,0 dB と時間領域測定での雑音フロアより 3 dB 高い信号光量との差分で規定する。

次の要因は,測定誤差及び測定の不確定性を引き起こす可能性がある。

−  温度変化に伴うレーザの波長変動

−  光パワーメータの線形出力範囲を超える反射減衰パワーの範囲

−  偏光依存性

図 4OFDR による反射減衰量測定

4.5.3

光可変減衰器(A)(オプション)

参照用反射量と供試品の反射量とが大きく異なる場合は,光パワーメータの応答特性が測定範囲で線形

性を保てない場合がある。このような場合は,

図 に示す測定系のように,光可変減衰器を用いなければ

ならない。

4.5.4

光増幅器(OA)(オプション)

光源の出力光パワーを増加して機器のダイナミックレンジを広げるために,光増幅器をブースタとして

光源の後に用いてもよい。

4.5.5

アイソレータ(I)(オプション)

光源に光アイソレータが組み込まれていない場合は,反射光パワーによって光源の性能を劣化させない

ように,光源の直前に光アイソレータを用いてもよい。

4.5.6

光ブランチングデバイス(BD

光ブランチングデバイスの分岐比は 50 %であり,偏光による特性変動が少なくなくてはならない(0.1 dB

未満)

。光ブランチングデバイスのディレクティビティは測定精度に影響を与えるため,その値に従って補

正する。

4.5.7

テンポラリジョイント(TJ

光ブランチングデバイスに供試品を接続する接続部。テンポラリジョイントの例としては,光コネクタ,

融着接続,メカニカルスプライス,真空チャック又はマイクロマニピュレータを用いる。テンポラリジョ


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イントは,挿入損失が安定しており,0.5 dB 以下でなければならない。テンポラリジョイントと供試品と

の間隔を,測定分解能より大きくする。

4.5.8

コンピュータ

ネットワークアナライザに組み込まれていない場合は,掃引測定したベクトルを逆フーリエ変換するた

め,コンピュータが必要である。

5

手順

5.1

励振条件

励振条件は,JIS C 61300-1 

附属書 B(励振条件)による。

励振条件は,その他の規定がない場合,一時的に発生する望ましくない高次モードを除去することを目

的とするモードフィルタを用いることによって得る。

シングルモード測定では,モードフィルタは,直径 50 mm で光ファイバを 2 周回させる。モードフィル

タは,テンポラリジョイントと供試品との間に挿入する。

5.2

前処理

供試品が一端に光コネクタをもつ場合は,光コネクタの端面を製造業者の指示に従って清掃し,IEC 

61300-3-1

に従って目視検査を行う。

供試品の出力ポートは,反射を抑制するように終端する。供試品の出力光ファイバの長さが選択した測

定法の空間分解能より短い場合は,特に注意する。

5.3

試験 1OCWR 測定法

5.3.1

OCWR

測定法の定義

OCWR[式(10)参照]によって測定する反射減衰量は,テンポラリジョイント TJ

1

において観測されるテ

ンポラリジョイント TJ

1

と光終端器 T

1

との間(

図 参照)の全反射減衰量である。

測定された光パワーは,ミリワット(mW)などの線形な単位で表す。

5.3.2

測定系の評価

測定を行うためには,パラメータ P

0

及び G5.3.2.1 及び 5.3.2.2 で定義)を測定することで測定系の特

性を評価する必要がある。これらのパラメータは,測定系自身が反射する光パワー,及び供試品が反射す

る光パワーのうち,光パワーメータ D

1

に至るまでの測定系による損失に関するものである。

5.3.2.1

測定系による反射光パワーの測定

供試品を測定系から切り離して,システムの反射光パワーP

0

を次によって測定する。

−  供試品を高反射減衰量の光終端器と交換する(

図 参照)か,又はマンドレルラップなどの高減衰量

の光減衰器を供試品とテンポラリジョイント TJ

1

との間に挿入することによって供試品からの反射光

パワーを除去する(

図 参照)。


9

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図 5−システムの反射光パワーを算出する方法

−  全反射光パワー(P

0

)及び基準光パワー(P

ref

)を光パワーメータ D

1

及び D

2

によって測定する。

−  正規化したシステムの反射光パワーを,式(4)によって算出する。

ref

0

0

P

P

'

P

=

 (4)

5.3.2.2

測定系の 係数の測定

測定系の

G

係数を測定するための二つの手法を,次に示す。

a)

手法 A

−  測定用光源 S

1

を光終端器 T

2

と入れ替えて,光源 S

2

を T

1

に接続して

P

aa

を測定する。

−  S

2

を発光させたまま,光ファイバの cp 点を切断し,光パワーメータ D

3

に接続して,

P

b

を測定する。

図 6−光ブランチングデバイスの伝達係数測定系

−  光ブランチングデバイスの伝達係数

C

1

を,式(5)によって算出する。

b

aa

1

P

P

C

=

 (5)

図 のように光パワーメータ D

3

を接続し,

P

c

及び

P

R

を測定する。


10

C 61300-3-6

:2011

図 7−光ブランチングデバイスの分岐比測定系

−  光ブランチングデバイスの分岐比

C

2

を,式(6)によって算出する。

c

R

2

P

P

C

=

 (6)

−  測定系の

G

係数を,式(7)によって算出する。

⎟⎟

⎜⎜

×

=

2

1

log

10

C

C

G

(dB)  (7)

光パワーメータの校正−この手順を用いることで,三つの光パワーメータの校正差を解消する。

b)

手法 B

既知の終端の反射減衰量

RL

c

を用いて,

G

を算出する。

図 における供試品を,既知の終端の反射減衰量

RL

c

をもつ光ファイバと入れ替える。

−  式(11)によって

P

a

'

  を確定する。

−  式(4)によって

P

0

'

  を算出する。

P

a

'

P

0

'

及び

RL

c

を式(10)に代入し,式(8)によって

G

を算出する。

[

]

'

P

'

P

RL

G

0

a

c

log

10

×

+

=

(dB) (8)

5.3.3

測定手順

OCWR による反射減衰量測定を,図 に示す。測定は,次の手順によって行う。 

図 8OCWR による反射減衰量測定

−  供試品を測定系に接続し,光終端器 T

1

からの反射を抑制する。

−  システム及び供試品からの全反射光パワー

P

a

を光パワーメータ D

1

を用いて測定し,また,光パワー

メータ D

2

で基準光パワー

P

ref

を測定する。

−  式(2)及び式(3)によって,

P

r

及び

P

i

P

a

及び

P

ref

を用いて表し,式(1)を次のように表す。


11

C 61300-3-6

:2011

(

)

⎟⎟

⎜⎜

×

+

⎟⎟

⎜⎜

×

=

×

=

2

1

ref

0

ref

a

ref

1

2

0

a

log

10

log

10

log

10

C

C

P

P

P

P

P

C

C

P

P

RL

G

P

P

P

P

+

⎟⎟

⎜⎜

×

=

ref

0

ref

a

log

10

(dB) (9)

したがって,供試品の反射減衰量は

(

)

G

'

P

'

P

RL

+

×

=

0

a

log

10

(dB)  (10)

ここに,

ref

a

a

P

P

'

P

=

正規化された

P

a

 (11)

ref

0

0

P

P

'

P

=

正規化された

P

0

[式(4)]

G

測定系の

G

係数(dB)

[式(7)]

である。

式(10)で,

P

a

'

及び

P

0

'

P

ref

によって正規化している。

P

a

を正規化する

P

ref

の値は,

図 の測定から求め

る。

P

0

を正規化する

P

ref

の値は,

図 の測定から求める。このことから,

P

a

P

0

との測定の間に生じる光

源の振幅の変動は許容することができる。

5.3.4

測定精度に関する考察

次の要因は,反射減衰量の測定における誤差の要因となる。

テンポラリジョイント  テンポラリジョイントの損失による誤差が 2 倍になることによる誤差。

光ブランチングデバイスの分岐比の偏光による特性変動  この変動は,

P

0

及び

P

a

の測定において,相

対基準光パワー

P

ref

が変動する要因となる。

システムの反射光パワー  システムの反射光パワー

P

0

は,

図 における供試品を除く系の内部で,光

源から光パワーメータ D

1

に到達する光パワーである。

P

0

の誤差が反射減衰量に与える影響は,

P

a

P

0

との差 Δ

P

でありデシベル(dB)単位で表す。

( )

( )

0

a

log

10

log

10

P

P

P

×

×

=

Δ

  (dB) (12)

Δ

P

が大きい値の場合は,相対的に Δ

P

の誤差が大きくても,反射減衰量に対する影響は無視できる。例

えば,

P

0

が 5 dB の誤差があり,Δ

P

が 25 dB から 30 dB に変化したとしても,反射減衰量の誤差は,0.014

dB となる。この測定法の精度は,

P

a

P

0

と同等か又はそれ以下になると低下する。ただし,Δ

P

が小さい

値の場合は,Δ

P

の誤差が小さくても重大な影響を与える。例えば,0.5 dB の誤差によって Δ

P

が 0.5 dB か

ら 1.0 dB に変化した場合は,反射減衰量の誤差は 3 dB になる。

光ブランチングデバイスを用いた反射減衰量の測定系としては,

P

0

ができるだけ小さい値になるように

設計する。

図 における反射光の源としては,次のものがある。

−  光ブランチングデバイス BD

−  光終端器 T

1

−  光ブランチングデバイス右側の光ファイバ(光ブランチングデバイス右側の光ファイバの長さが異な

る場合,

P

0

の値が変動する。

−  テンポラリジョイント TJ

1

−  光パワーメータ

5.4

試験 2OTDR 測定法

5.4.1

OTDR

測定の定義

OTDR 測定法による測定の結果,ある 1 点において反射が観測された場合に,これはその地点における


12

C 61300-3-6

:2011

反射量である。複数の反射が存在するとき,その距離が十分に離れている場合は,OTDR は独立した点と

して測定する。複数の密接した反射の場合は,OTDR は,その総和を測定する。

反射減衰量測定時の典型的な OTDR 波形を,

図 に示す。OTDR による反射減衰量の測定は,後方散乱

レベルに対する反射点の立ち上がり軌跡の高さを測定することに基づく。

図 9−典型的な OTDR 波形

5.4.2

後方散乱係数の評価

OTDR 波形の後方散乱レベルは,光ファイバ及び OTDR パルス長を含むレイリー後方散乱定数(

K

)で

ある。システム定数

K

は,次の二つの方法によって算出する。

a)

手法 A−終端が既知の反射減衰量

−  既知の反射減衰量

RL

0

をもつ光ファイバ端を用いて

H

を測定する。

−  式(13)において,

H

及び

RL

0

を代入し

K

を決定する。

0

5

1

10

log

10

RL

K

H

+

×

=

(dB)  (13)

b)

手法 B−レイリー後方散乱及びパルス幅による評価

レイリー後方散乱係数

B

及びパルス幅

t

を式(14)に代入し,定数

K

を算出する。

( )

t

B

K

log

10

×

=

(dB) (14)

B

はデシベル(dB)単位で表示し,パルス幅

t

に依存する。

B

の値を,式(15)によって算出する。

( )

×

×

=

− L

e

v

t

R

B

α

α

2

b

L

1

log

10

log

10

dB

 (15)

ここに,

R

L

光ファイバ長

L

における反射減衰量

α

光ファイバの損失定数

v

群速度

L

光ファイバ長

t

b

1 ns

: 式

(14)

における時間軸

R

L

は,4.1 の測定手順及び供試品の光ファイバ長

L

によって求める。

αL

1

のとき,式

(15)

は,次のよう

になる。


13

C 61300-3-6

:2011

( )

×

×

L

ν

t

R

B

2

log

10

log

10

b

L

dB

 (16)

この近似式は,

L

1 km

のシングルモード光ファイバに有効である。

一例として,次の近似値を IEC 60793-2 のタイプ

B1

のシングルモード光ファイバに,時間軸がナノ秒

の場合に適用できる。

 80

B

dB

(波長

1 300 nm

5

82.

B

dB

(波長

1 550 nm

5.4.3

測定手順

OTDR

によって反射減衰量を測定する手順は,次のとおりである。

 OTDR

のパルス幅を適切な値に設定する。パルス幅の選択は,空間分解能と反射減衰量とに依存する。

表 に,パルス幅に対する理論的な空間分解能及び測定可能な反射減衰量の最大値を示す。実際の空

間分解能は,理論値より大きな値をとり,直前の反射の立ち上がりの高さ及び

OTDR

波形の立ち上が

り後の回復時間に依存する。例えば,

10 ns

のパルスの場合は,

5 m

6 m

以下の距離を隔てた二つの

点からの軌跡を分離することは難しい。

表 1−幾つかのパルス幅に対する OTDR パラメータの例

測定可能な最大反射減衰量

dB

パルス幅

ns

理論的な

空間分解能

m

1 550 nm

1 300 nm

100

>10

≈ 63

≈ 60

10

>1

≈ 73

≈ 70

5

>0.5

≈ 75

≈ 72

供試品から反射された光パワーを,

OTDR

波形から立ち上がりの高さ

H

(デシベル単位)として測定

する。多くの

OTDR

は,波形上の二つの点をマーカで選択することによって

H

を算出することができ

る。

供試品の反射減衰量を,式

(17)

によって算出する。

K

RL

H

+

×

=

1

10

log

10

5

 (17)

注記 1

多くの

OTDR

は,反射信号の出力値を表示前に

2

で除算する。したがって,

OTDR

が行って

いる除算を補正するために,式

(17)

ではパルスの高さを

2

倍している。

注記 2

多くの

OTDR

では,測定器製造業者があらかじめ定めた設定値によって反射減衰量を自動的

に測定する。しかし,この場合においても,5.4.4 に示した測定精度に関する考察に留意する

ことが重要である。

H

が大きな値である場合,式

(17)

は単純化できる。

K

K

RL

H

H

H

+

⎥⎦

⎢⎣

⎛ −

×

=

+

×

=

5

5

5

10

1

10

log

10

1

10

log

10

K

H

K

H

H

H

+

⎛ −

×

×

=

+

⎛ −

×

×

=

5

5

5

10

1

log

10

2

10

1

log

10

10

log

10

dB

 (18)

したがって

K

H

RL

+

×

≈ 2

dB

 (19)


14

C 61300-3-6

:2011

単純化された式

(19)

は,

H

5 dB

より大きいときに反射減衰量に対する良い近似となる。

5.4.4

測定精度に関する考察

次の要因は,反射減衰量測定においてエラーの原因となる。

H

の測定精度

H

の測定精度は,

H

が非常に小さいときに特に重要になる。例えば,測定差が

H

0.5

dB

及び

H

1 dB

のとき,反射減衰量の差は

3 dB

となる。

H

が小さく,かつ,同時に供試品による損

失が大きいときは,更に精度が劣化する。

検出部の,短いパルスを確実に検出する性能  より大きな反射減衰量を測定するには,短いパルスを

用いる。

1

マイクロ秒未満の短いパルスに対しては,

OTDR

の光パワーメータの応答帯域が測定精度

の制限要因となる。この場合は,反射減衰量を基準となる反射体を用いて校正する。

信号の飽和

OTDR

光パワーメータが大きな

H

の値で飽和した場合は,小さな反射減衰量を測定する

場合に精度を欠くことになる。この場合,信号の飽和は,

OTDR

と供試品との間に光可変減衰器を置

くことによって避けることができる。

5.5

試験 3OLCR 測定法

5.5.1

校正手順

OLCR

を校正するため,次の手順を実施する。

a

)

既知の反射減衰量

RL

0

をもつ反射体を,ある長さの光ファイバを介して,信号光ポートに接続する。

RL

0

の典型的な値は,全反射の

0 dB

,又は光軸に対して直角な光ファイバ端面での

14.7 dB

である。

b

)

上記の光ファイバとほぼ等しい長さのシングルモード光ファイバを,光ファイバ遅延線として参照光

ポートに接続する。

c

)

光遅延量を線形に変化させる。一般的な光遅延線では,反射体を一定速度で平行移動させる。

d

)

光パワーメータ

D

の出力を取り込む周波数は,ミラーの平行移動に伴って発生するビート信号の周波

数に合わせて調整する。

e

)

光パワーメータ

D

からの出力をサンプリングし,光遅延量の関数としてデータ処理装置に蓄積する。

このとき,一般的な光遅延線を用いている場合は,反射体の位置によって光遅延量を求めることがで

きる。ピーク値

G

0

dB

)をデータ処理装置に記録する。

5.5.2

測定手順

OLCR

を用いて反射減衰量を測定するため,次の手順を実施する。

a

)

供試品を既知の反射体と置換して信号光ポートに接続する。必要がある場合,参照光ポートに接続し

たシングルモード光ファイバを供試品のピッグテールの長さとほぼ等しい長さのものに交換する。

b

)

5.5.1

の c

)

e

)

の手順と同じ手順を繰り返す。以上の手順を終えてから,供試品の所定の位置からの信

号ピーク値

G

dB

)を測定する。

c

)

供試品の反射減衰量を,これらの値を用いて式

(20)

によって算出する。

(

)

0

0

G

G

RL

RL

+

=

 (20)

5.5.3

測定精度に関する考察

OLCR

測定法における誤差の原因は,既知の反射減衰量とのテンポラリジョイントによる損失と,供試

品とのテンポラリジョイントによる損失との差である。したがって,この損失の差を最小化するように注

意する。

5.6

試験 4OFDR 測定法

5.6.1

校正手順

OFDR

を校正するため,次の手順を実施する。


15

C 61300-3-6

:2011

a

)

既知の反射減衰量

RL

0

をもつ反射体を,ある長さのシングルモード光ファイバで測定系に接続する。

RL

0

の典型的な値は,光軸に対して直角な光ファイバ端面での

14.7 dB

である。

b

)

反射信号による光検知器の飽和を避けるために光可変減衰器を挿入する場合は,損失

A

r

を記録する。

c

)

取得した周波数スペクトルから逆フーリエ変換によって時間領域での反射信号量を求め,その線形値

R

0

を記録する。

5.6.2

測定手順

OFDR

を用いて反射減衰量を測定するため,次の手順を実施する。

a

)

テンポラリジョイント

TJ

を介して接続されている既知の反射体を供試品に置換する。

b

)

光可変減衰器が挿入されている場合は,その損失を十分高い反射光パワーが得られるように調整し,

その損失

A

を記録する。

c

)

取得した周波数スペクトルから逆フーリエ変換によって時間領域での反射信号量を求め,その線形値

R

を記録する。

d

)

供試品の反射減衰量を,これらの値を用いて,式

(21)

によって算出する。

(

)

A

A

R

R

RL

RL

+

⎟⎟

⎜⎜

×

=

0

0

0

log

10

 (21)

5.6.3

測定精度に関する考察

OFDR

測定法における誤差の原因は,既知の反射減衰量とのテンポラリジョイントによる損失と,供試

品とのテンポラリジョイントによる損失との差である。したがって,この損失の差を最小化するように注

意する。

OFDR

測定で周波数領域で測定したデータは,逆フーリエ変換によって時間領域に変換する。したがっ

て,実距離は,供試品の屈折率を用いて算出する。二つの反射点の空間分解能は,周波数データを処理す

るときの周波数間隔(

F

)及びフィルタリング帯域幅(

f

)に依存する。

なお,周波数領域の応答帯域幅の制限によって,時間領域では,オーバーシュート及び/又はリンギン

グ(インパルス状のサイドローブ)が発生するため,フィルタリングが必要となる。フィルタリングによ

って,分解能の低下と引き替えにインパルス状のサイドローブを抑圧することで,ダイナミックレンジの

改善を得る。

空間分解能(

ΔL

)を,式

(22)

によって算出する。

F

n

f

c

L

×

×

×

=

2

Δ

 (22)

ここで,

c

は光速,

n

は屈折率である。例えば,窓係数

1.6

1 GHz

間隔では,空間分解能は,およそ

20

cm

である。周波数間隔が半減すると,空間分解能は,倍の

40 cm

に低下する。

測定可能な最大光ファイバ長

L

max

は,サンプリング周波数

Δf

に依存する。

f

n

c

L

Δ

2

max

×

×

=

 (23)

幾つかの測定系のデータの例を,

表 に示す。

表 2−測定系のデータ及び対応するダイナミックレンジの一例

入力光パワー

dBm

周波数間隔

GHz

中間周波数

帯域幅

Hz

平均化回数

校正法

測定系の

ダイナミックレンジ

dB

−3 1  30  8

フレネル法 55


16

C 61300-3-6

:2011

測定系のダイナミックレンジを広げるためには,送信端に光増幅器を用いることを推奨する(

図 参照)。

例えば,+13 dBm を出力するエルビウムドープ光増幅器を用いたとき,測定系のダイナミックレンジは,

およそ 71 dB となり,斜め研磨した光コネクタを空気中で測定することもできる。

注記  測定性能は,光源及び受信器のベクトルネットワークアナライザに依存する。また,システム

のダイナミックレンジ及び雑音フロアは,校正ルーチン及び用いる信号処理の特性(中間周波

数帯域幅,平均化回数,スムージングなど)に依存する。

6

個別規格に規定する事項

6.1

OCWR

による反射減衰量測定

必要がある場合,6.1.16.1.6 の事項を個別規格に規定する。

6.1.1

基準部品

−  光コネクタ形式

−  基準プラグの性能

−  基準アダプタの性能

6.1.2

光ブランチングデバイス

−  分岐比

−  ディレクティビティ

6.1.3

光パワーメータ

−  光源波長での最大感度

−  線形性

−  安定性

−  光学接続形式

6.1.4

光源

−  出力光パワー

−  パワー安定性

−  中心波長

−  スペクトル幅

6.1.5

テンポラリジョイント

−  最大損失量

−  最大反射減衰量

6.1.6

終端

−  終端形式

−  最小反射減衰量

6.2

OTDR

による反射減衰量測定

必要がある場合,6.2.16.2.4 の事項を個別規格に規定する。

6.2.1

基準部品

−  光コネクタ形式

−  基準プラグの性能

−  基準アダプタの性能


17

C 61300-3-6

:2011

6.2.2

OTDR

装置

−  中心波長

−  スペクトル幅

−  パルス幅

−  受信器入力の減衰器

−  光パワーメータが線形である反射光パワー範囲

−  光パワーメータの短パルスに対する応答特性

−  パルス長の精度

6.2.3

L

1

L

2

及び L

3

−  各区間の長さ

6.2.4

光ファイバ

−  形式

6.3

OLCR

による反射減衰量測定

必要がある場合,6.3.16.3.3 の事項を個別規格に規定する。

6.3.1

基準部品

−  光コネクタ形式

−  基準プラグの性能

−  基準アダプタの性能

6.3.2

光源

スペクトル幅及び光源からの出力光パワー

6.3.3

光ブランチングデバイス

−  過剰損失と分岐比との波長依存性

−  総遅延量(通常の光遅延線内のステージの総平行移動量)

−  光パワーメータの線形性

−  測定系に用いる導波路の分散

−  測定系の耐偏光特性

6.4

OFDR

による反射減衰量測定

必要がある場合,6.4.16.4.8 の事項を個別規格に規定する。

6.4.1

基準部品

−  光コネクタ形式

−  基準プラグの性能

−  基準アダプタの性能

6.4.2

ベクトルネットワークアナライザ

−  開始周波数

−  終了周波数

−  周波数間隔

−  時間領域への変換法(逆フーリエ変換)

(オプション)

6.4.3

光ブランチングデバイス

−  分岐比の 50 %からのずれ

−  ディレクティビティ


18

C 61300-3-6

:2011

6.4.4

光源

−  発光波長

−  出力光パワー

−  パワー安定性

6.4.5

光パワーメータ

−  受信器感度

−  線形性

−  安定性

6.4.6

光増幅器(オプション)

−  飽和利得

6.4.7

アイソレータ(オプション)

−  反射減衰量の要件

6.4.8

校正法

−  校正ルーチン

−  基準反射体

6.5

測定手順

−  反射減衰量の要求

−  反射減衰量の精度

−  試験手順からの変更点


19

C 61300-3-6

:2011

附属書 A

参考)

四つの測定法によって検出できる反射減衰量の比較

特定の試験方法を用いる場合には,個別規格に規定する。

図 A.1−四つの反射減衰量測定法によって検出できる反射減衰量,分解能及び測定できる距離

この図は,単なる参考情報としての手引きである。技術的な改善によって,この図に記載している数値

を変更する場合がある。


20

C 61300-3-6

:2011

附属書 JA

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 61300-3-6:2011

  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測

定手順−第 3-6 部:反射減衰量測定

IEC 61300-3-6:2008

  Fibre optic interconnecting devices and passive components−

Basic test and measurement procedures−Part 3-6: Examinations and measurements−
Return loss

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ご

との評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II)

国際
規格
番号

箇条
番号

内容

箇条ごと 
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

5.2 5.2

及 び
5.3

細分箇条番号以外は,JIS 
同じ

変更

IEC

規格の 5.2 及び 5.3 を JIS では

5.2 とした。ただし,内容の変更は
ない。

5  手順

5.3∼5.6

5.4∼
5.7

細分箇条番号以外は,JIS 
同じ

変更

IEC

規格の細分箇条は項番が繰り

上がり,内容は JIS と対応してい

る。

一連の JIS C 61300 規格群におい
て 細 分 箇条 の 構成 を 統一 する た

め,変更した。今後,IEC に修正
提案する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61300-3-6:2008,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  変更国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD国際規格を修正している。 

20

C

 61300-3-6


201

1