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C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  略語 

2

4

  一般事項  

2

5

  測定装置  

3

5.1

  変調位相シフト法  

3

5.2

  波長掃引干渉法  

6

5.3

  偏光位相シフト法  

8

6

  測定手順  

9

6.1

  変調位相シフト法  

9

6.2

  波長掃引干渉法  

12

6.3

  偏光位相シフト法  

15

6.4

  各波長における測定範囲(全ての測定方法に対しての共通事項)  

16

7

  解析 

18

7.1

  群遅延測定の雑音低減  

18

7.2

  位相変化の線形性  

18

7.3

  波長分散  

19

7.4

  位相リップル  

21

8

  測定例  

22

8.1

  50 GHz バンドパス薄膜フィルタ  

22

8.2

  平面導波路フィルタ部品  

22

8.3

  可変分散補償器[ファイバブラッググレーティング(FBG)]  

23

8.4

  ランダム偏光モード結合デバイス 

24

9

  個別に規定する事項  

25

附属書 A(参考)群遅延差の算出  

26


C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般財団法人光産業技術振興協会(OITDA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 61300

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

61300-1

  第 1 部:通則

JIS

C

61300-2-1

  第 2-1 部:正弦波振動試験

JIS

C

61300-2-2

  第 2-2 部:繰返しかん合試験

JIS

C

61300-2-4

  第 2-4 部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向引張り)

JIS

C

61300-2-5

  第 2-5 部:光ファイバクランプ強度試験(ねじり)

JIS

C

61300-2-6

  第 2-6 部:かん合部締結強度試験(軸方向引張り)

JIS

C

61300-2-7

  第 2-7 部:かん合部締結強度試験(曲げモーメント)

JIS

C

61300-2-9

  第 2-9 部:衝撃試験

JIS

C

61300-2-11

  第 2-11 部:光ファイバクランプ強度試験(軸方向圧縮)

JIS

C

61300-2-12

  第 2-12 部:落下衝撃試験

JIS

C

61300-2-14

  第 2-14 部:光パワー損傷のしきい値試験

JIS

C

61300-2-15

  第 2-15 部:結合部ねじり試験

JIS

C

61300-2-17

  第 2-17 部:低温試験

JIS

C

61300-2-18

  第 2-18 部:高温試験

JIS

C

61300-2-19

  第 2-19 部:高温高湿試験(定常状態)

JIS

C

61300-2-21

  第 2-21 部:混合温湿度サイクル試験

JIS

C

61300-2-22

  第 2-22 部:温度サイクル試験

JIS

C

61300-2-26

  第 2-26 部:塩水噴霧試験

JIS

C

61300-2-27

  第 2-27 部:ダスト試験(層流)

JIS

C

61300-2-40

  第 2-40 部:SM 調心円筒形斜め PC 端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク

リーニング試験

JIS

C

61300-2-41

  第 2-41 部:SM 調心円筒形直角 PC 端面光ファイバコネクタプラグの挿入損失スク

リーニング試験

JIS

C

61300-2-44

  第 2-44 部:光ファイバクランプ強度試験−繰返し曲げ

JIS

C

61300-2-45

  第 2-45 部:浸水試験

JIS

C

61300-2-46

  第 2-46 部:湿熱サイクル試験

JIS

C

61300-2-47

  第 2-47 部:熱衝撃試験

JIS

C

61300-2-48

  第 2-48 部:温湿度サイクル試験


C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

(3)

JIS

C

61300-3-1

  第 3-1 部:外観検査及び機械的検査

JIS

C

61300-3-2

  第 3-2 部:シングルモード光デバイスの光損失の偏光依存性

JIS

C

61300-3-3

  第 3-3 部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法

JIS

C

61300-3-4

  第 3-4 部:損失測定

JIS

C

61300-3-6

  第 3-6 部:反射減衰量測定

JIS

C

61300-3-7

  第 3-7 部:シングルモード光部品の光損失及び反射減衰量の波長依存性測定

JIS

C

61300-3-11

  第 3-11 部:結合力及び離脱力測定

JIS

C

61300-3-15

  第 3-15 部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の頂点偏心量測定

JIS

C

61300-3-16

  第 3-16 部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の曲率半径測定

JIS

C

61300-3-17

  第 3-17 部:斜め研磨光ファイバコネクタのフェルールの端面角度測定

JIS

C

61300-3-20

  第 3-20 部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定

JIS

C

61300-3-22

  第 3-22 部:フェルール押圧力測定

JIS

C

61300-3-23

  第 3-23 部:フェルール端面からの光ファイバ引込み量測定

JIS

C

61300-3-24

  第 3-24 部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタのキー位置精度測定

JIS

C

61300-3-25

  第 3-25 部:フェルール及び光ファイバ取付け直角 PC 端面フェルールの同心度測定

JIS

C

61300-3-26

  第 3-26 部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定

JIS

C

61300-3-27

  第 3-27 部:多心光ファイバコネクタプラグの穴位置測定

JIS

C

61300-3-28

  第 3-28 部:過渡損失測定

JIS

C

61300-3-30

  第 3-30 部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置

測定

JIS

C

61300-3-31

  第 3-31 部:光ファイバ光源の結合パワー比測定

JIS

C

61300-3-32

  第 3-32 部:光受動部品の偏波モード分散測定

JIS

C

61300-3-33

  第 3-33 部:ピンゲージを用いた割りスリーブのフェルール引抜力測定

JIS

C

61300-3-34

  第 3-34 部:ランダム接続時の挿入損失

JIS

C

61300-3-36

  第 3-36 部:光ファイバコネクタフェルールの内径及び外径の測定

JIS

C

61300-3-38

  第 3-38 部:群遅延,波長分散及び位相リップルの測定

JIS

C

61300-3-40

  第 3-40 部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタプラグの偏波消光比測

JIS

C

61300-3-43

  第 3-43 部:光ファイバ光源のモードトランスファファンクション測定


日本工業規格

JIS

 C

61300-3-38

:2015

(IEC 61300-3-38

:2012

)

光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−

基本試験及び測定手順−

第 3-38 部:群遅延,波長分散及び位相リップルの測定

Fiber optic interconnecting devices and passive components-

Basic test and measurement procedures-Part 3-38: Examinations and

measurements-Group delay, chromatic dispersion and phase ripple

序文 

この規格は,2012 年に第 1 版として発行された IEC 61300-3-38 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,光受動部品及び光ダイナミックモジュールの群遅延特性の測定方法について規定する。こ

の規格で規定する測定方法によって,群遅延リップル,線形位相偏差,波長分散,波長分散スロープ及び

位相リップルを求めることができる。偏光に基づいて,これらの光特性を測定することによって,JIS C 

61300-3-32

で規定する測定方法の代替として,群遅延差を測定することができる。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61300-3-38:2012

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and

measurement procedures−Part 3-38: Examinations and measurements−Group delay, chromatic 
dispersion and phase ripple(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

IEC 60050-731

,International Electrotechnical Vocabulary−Chapter 731: Optical fibre communication

IEC 61300-3-29

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement

procedures−Part 3-29: Examinations and measurements−Spectral transfer characteristics of DWDM

devices


2

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

略語 

この規格で用いる略語は,IEC 60050-731 及び IEC 61300-3-29 によるほか,次による。

APC

斜め PC(angled physical contact)

CD

波長分散(chromatic dispersion)

D

受光装置(detector)

DGD

群遅延差(differential group delay)

DUT

供試品(device under test)

DWDM

高密度波長分割多重(dense wavelength division multiplexing)

FBG

ファイバブラッググレーティング(fiber Bragg grating)

δ

波長可変光源の波長掃引ステップ幅(step size of the VWS during a wavelength swept measurement)

f

RF

変調周波数(modulation frequency)

GD

群遅延(group delay)

GDR

群遅延リップル(group delay ripple)

LN

ニオブ酸リチウム(LiNbO

3

MPS

変調位相シフト(modulation phase shift)

PBS

偏光ビームスプリッタ(polarizing beam splitter)

PDL

偏光依存性損失(polarization dependent loss)

PMD

偏波モード分散(polarization mode dispersion)

PPS

偏光位相シフト(polarization phase shift)

PSP

主偏光状態(principal states of polarization)

RBD

基準光ブランチングデバイス(reference branching device)

SOP

偏光状態(state of polarization)

SSE

光源の自然放出光(source spontaneous emission)

SWI

波長掃引干渉(swept wavelength interferometry)

Δθ

位相リップル(phase ripple)

TJ

テンポラリジョイント(temporary joint)

VWS

波長可変光源(variable wavelength source)

一般事項 

この規格は,光受動部品及び光ダイナミックモジュールの群遅延特性の測定に適用する。群遅延特性を

求めるために,振幅スペクトル分布を測定する必要がある。そのため,正しい波長分散測定値が得られる

よう,振幅スペクトル分布測定の波長範囲を包含する波長範囲で,光損失を測定する必要がある。

この規格では,例として C バンドにおける測定を記載しているが,この規格に記載する測定方法は,C,

L,O バンドなど,任意の波長帯域に適用可能である。

この規格は,測定方法及び測定データ分析の二つの部分によって構成する。測定方法として,変調位相

シフト(MPS)法,波長掃引干渉(SWI)法及び偏光位相シフト(PPS)法を規定する。波長ごとの測定結

果を得ることができるため,これらの測定方法を選択する。これらの中で,MPS 法は基準測定方法である。

波長ごとの測定結果は,光受動部品,特に波長選択性のある部品に必要である。

群遅延リップルを評価するためにふさわしい測定パラメータ,及び群遅延リップルの測定結果から位相

リップルを推定する方法を,7.4 に規定する。多くの可変分散補償器は干渉効果を用いているが,可変分散


3

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

補償器の干渉効果で生じる位相リップルは伝送品質に大きな影響を与えるため,光部品の群遅延(GD)特

性が光伝送品質に与える影響をはかる尺度として,GD から生じる位相リップルを測定することが重要で

ある。

測定装置 

5.1 

変調位相シフト法 

5.1.1 

一般事項 

MPS 法による光部品の GD の測定系を,図 に示す。この測定系に使用する測定器の詳細説明及び機能

を,5.1.25.1.13 に規定する。

図 1MPS 法測定系 

5.1.2 

波長可変光源  VWS 

波長可変光源(VWS)は,規定の波長範囲において,選択した特定の波長を出力することのできる,偏

光特性をもった光源である。VWS は,次による。

−  位相比較に影響を及ぼす測定誤差を生じないよう,選択波長において,光出力は十分に安定であると

する。

−  相対的な波長精度及び波長再現性は,VWS の設定及び波長モニタ測定によって決まり,測定範囲内で

3 pm の精度をもつとする。

−  波長の不確かさは,供試品の波長仕様に適合する。

−  光源の線幅は,100 MHz 未満とする。

− VWS の波長可変範囲は,供試品の規定波長範囲を含む。

−  光源は,可変する波長範囲でモードホッピングを起こさないものとする。

− VWS は,位相比較測定に十分な光出力を供給する。

− VWS の最小の波長可変ステップは,供試品の想定する群遅延リップル(GDR)周期の 1/10 に設定す

ることが望ましい。

5.1.3 

トラッキングフィルタ(オプション) 

供試品の透過特性及び VWS の広帯域な自然放出光(SSE)の影響によって,VWS 及び受光装置の測定

ダイナミックレンジが 40 dB 未満の場合,トラッキングフィルタを測定に用いてもよい。トラッキングフ


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C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

ィルタは,最大の SSE 抑圧及び最大の出力を得るように,測定波長範囲内で VWS の波長が変化したとき,

VWS の波長に追従する。受光装置のダイナミックレンジが 40 dB 以上となるように,トラッキングフィル

タの通過帯域形状は,通過帯域外の成分を十分に抑圧するものとする。

5.1.4 

基準光ブランチングデバイス  RBD1 及び RBD2 

基準光ブランチングデバイス(RBD)の端子構成は,1×2 又は 2×2 である。2×2 端子構成の場合,一

つの端子は,50 dB 以上の反射減衰量となるように終端する。RBD の分岐比は,波長に対して一定である

とする。偏光依存性は,測定に影響を与えないように小さく,偏光依存性損失は,デバイスの波長依存性

損失の 1/10 未満又は 0.1 dB 未満とする。また,ディレクティビティは,反射減衰量の最大値よりも 10 dB

以上大きいものとする。RBD の分岐比は,伝達関数の測定において,十分なダイナミックレンジを確保で

き,波長モニタに必要なパワーが得られる値とする。

5.1.5 

波長モニタ(オプション) 

この規格に規定する試験手順において,光源の波長精度を詳細にモニタする必要がある。VWS の波長可

変時の精度が不十分である場合,波長モニタが必要である。この試験手順では,デバイスの通過帯域内で

3 pm の精度で,どのような入力信号のスペクトルのピークも測定できる必要がある。許容できる波長モニ

タは,波長計又はガス吸収セル(アセチレンセルなど)を含む。ガス吸収セルを使用する場合,VWS の波

長精度は,吸収線の波長を決定するのに十分な精度をもつこととする。VWS の出力波長は,吸収線と吸収

線との間で線形であることとする。

この規格には,VWS 及びモニタの波長再現性を含む。試験装置が 30 pm の周期で 0.1 ps のリップルをも

つ場合,リファレンス測定時から供試品の測定にかけて,ランダムな 3 pm の変化が生じるということは,

群遅延特性に約 0.03 ps の測定雑音を含むことを意味する。測定雑音の概念図を,

図 1A に示す。

注記  群遅延が振幅 0.1 ps(peak-to-peak)かつ周期 30 pm の正弦波状に変化する場合,任意の 3 pm に

おける群遅延の最大変化量は 0.03 ps であり,これが測定雑音となる。

図 1A−測定雑音の概念図 

5.1.6 

供試品 

この規格の目的において,試験対象となる端子は単一の“入力−出力”経路とする。この規格に規定す

る測定方法は,m×の端子をもつ部品の測定に拡張することができる。複数端子をもつ部品は,光ファイ


5

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

バピッグテール又は光コネクタで接続することによって終端する。この測定系は反射の影響を受けやすい

ため,供試品内で発生する反射を正しく検出するよう,測定系で発生する反射を起こさないようにするこ

とは重要である。

多くの場合,DWDM 用の部品の特性は温度依存性をもつ。この規定における測定手順では,供試品は

一定温度に置くことを想定している。測定の不確かさは,一定温度に保つように加熱又は冷却するときの

温度精度によって制限を受ける。例えば,あるデバイスが 1  ℃当たり 0.01 nm の温度依存性をもち,測定

において温度が±1  ℃の範囲内に保たれる場合,

この測定で得られる結果は,

温度依存によって合計で 0.02

nm の不確かさをもつ。

5.1.7 

受光装置  D1 及び D2 

受光装置は,受光部分,それを制御する電気回路及び接続手段である光ファイバで構成する。受光装置

(D2)の使用はオプションであるが,6.1.3 に規定する手順 c)  及び手順 d)  による,光強度変調器と供試

品との間に挿入する装置の群遅延の不安定性を補正することができる。光コネクタプラグの場合は受光装

置のレセプタクルに直接接続する。光ファイバピッグテール,ベアファイバアダプタを用いて受光装置に

接続してもよい。受光装置 D1 及び D2 からの反射は,最小限となるようにする。適切な方法は,APC コ

ネクタを使用することであり,APC コネクタを使用することで空気に対して良好な終端を行うことができ

るが,端面での空気に対する特性から,PDL が約 0.03 dB 発生し,測定に影響する場合があることに留意

する。

受光装置のダイナミックレンジ及び感度は,変調光源が供給する光出力パワーによって,要求測定範囲

において十分な値をもつこととする。受光装置は,変調信号のパワーを精度よく測定するために十分な線

形性をもつこととする。受光装置は,光信号レベルに依存せず,光変調位相を高周波(RF)信号の位相に

対して安定に変換するものとする。

測定中に受光装置と測定系とを外して再接続する場合には,再接続時の挿入損失の再現性は,光コネク

タの接続再現性以下とする。

5.1.8 

高周波発生器 

高周波発生器は,光強度変調器を駆動するための電気信号を供給する。電気信号は参照信号として受光

装置 D1 及び D2 の位相比較器に入力する。高周波発生器は,例えば,正弦波変調波のような,単一フーリ

エスペクトルをもつ波形を生成する。一般的には,100 MHz∼3 GHz の周波数の正弦波を使用する。高周

波発生器は,その出力周波数が群遅延測定の時間的な基準を作り出すことを考慮した場合,十分な周波数

精度及び必要な測定精度が得られるように安定であることとする。

5.1.9 

光強度変調器 

光強度変調器は,高周波発生器からの変調信号を用いて,光源からの連続光を強度変調する。光強度変

調器は,高周波発生器からの変調信号を光変調信号に変換する。光強度変調器は整った正弦波変調信号を

生成するために,十分な線形性をもつ必要がある。また,変調振幅は,受光装置のダイナミックレンジを

超えてはならない。

5.1.10 

位相比較器(オプション) 

位相比較器は,光変調信号及び高周波信号の位相を比較するものであり,受光装置 D1 及び D2 とともに

用いる。一般的に,ネットワークアナライザ又はロックイン増幅器を位相比較器として用いる。位相検出

として知られる方法は,決まった参照信号の周波数及び位相において,単一信号を出力するものである。

参照信号の周波数以外の周波数成分をもつ雑音信号は除去して位相測定に影響を与えないようにする。高

周波信号出力は,位相測定に影響を与えないレベルとする。


6

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

5.1.11 

テンポラリジョイント  TJ1 及び TJ2 

テンポラリジョイントは,供試品へ入力信号を接続する部分及び供試品を受光装置(D1)に接続する部

分で用いる。テンポラリジョイントは一般的に,光コネクタ又はファイバ融着を用いるが,真空チャック,

微小調心機など,他の方法を用いることもできる。測定は,反射光の影響を大きく受けるので,これらの

方法によるテンポラリジョイントの反射減衰量は,50 dB を超えるものとする。

5.1.12 

偏光制御器(オプション) 

変調光信号の偏光状態を,ミュラー法におけるポアンカレ球上の四つの偏光状態に調整するために,偏

光制御器を用いてもよい。四つの偏光状態のうち三つは,0°,45°及び 90°の直線偏光状態となるよう,

ポアンカレ球の赤道上で 90°ずつ差をもつように配置する。四つ目の偏光状態は,円偏光としてポアンカ

レ球の極に配置する。

供試品が偏光モード分散特性をもつ場合,

直交する偏光状態での結果を平均処理し,

全ての入力偏光状態における群遅延量の平均として扱ってもよい。四つの偏光状態で群遅延測定を行った

結果から,群遅延差(DGD)を算出することができる。偏光制御器は,測定波長範囲において,測定に十

分な偏光安定性をもつものとする。

5.1.13 

基準光パッチコード 

基準光パッチコードは,シングルモード光ファイバを用い,光コネクタ,光ファイバピッグテール又は

光ファイバ素線を用いて接続する。基準光パッチコードは供試品と同じ光接続形態とする。

5.2 

波長掃引干渉法 

5.2.1 

一般事項 

SWI 法による光部品の GD の測定系を,図 に示す。この測定系に使用する測定器の詳細説明及び機能

を,5.2.25.2.7 に規定する。

図 では,二つの端子がある供試品の透過測定について示す。

通常,群遅延の測定は,波長依存性及び偏光依存性の測定に影響する。ただし,光ファイバネットワー

クを構成する光ファイバ及び機器の群遅延は,温度,圧力,機械的応力,雑音などの外的要因に敏感であ

る。このため,群遅延の測定系は,測定中に光ファイバが動かないように,かつ,外的変化を与えないよ

うにする。SWI 法は,光位相を追跡して測定する方法である。光位相は光ファイバの群遅延及び群遅延の

変化に敏感なため,測定系の安定性はこの測定において特に重要である。

図 2SWI 法測定系 

5.2.2 

波長可変光源  VWS 

SWI 法はコヒーレント干渉を用いるため,波長が可変な狭帯域光源が必要である。波長可変光源(VWS)


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C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

は,要求波長範囲において波長を変化させることができなければならない。標準的なコヒーレンス及び必

要な波長分解能を考慮すると,線幅は 1 MHz 未満とする。光ファイバピッグテールを含めた光受動部品に

光ファイバコードを接続した場合の標準的な長さである 10 m では,共振周波数間隔は約 10 MHz である。

正確な特性評価には十分に小さい分解能が必要である。6.2.1 に規定するように,供試品の長さ及び供試品

のもつ群遅延特性の範囲に依存するが,一般的に,狭い波長間隔で測定が必要であるため,連続的に光源

の波長を掃引して測定することを強く推奨する。したがって,測定系には,掃引中に規定の波長制御及び

波長モニタ機能を備える必要がある。

5.2.3 

波長モニタ 

VWS が適切な波長精度を備えていない場合は,波長モニタを使って高い精度で波長を測定する。波長モ

ニタは,波長掃引中の各測定点の波長精度及び相対波長精度を改善する。

5.2.4 

基準光ブランチングデバイス  RBD1RBD2 及び RBD3 

干渉計を構成するために,基準光ブランチングデバイス(RBD2 及び RBD3)を用いる。干渉計では,

光の一部が供試品を通過し,残りの光が基準光路に沿って伝搬するように光路を分岐する。二つの光路を

伝搬する光は再結合し,受光装置で干渉する。これらのブランチングデバイスは,標準的には 50 対 50 の

分岐比である。ブランチングデバイスは,波長モニタ用の光を分岐するためにも用いる。ブランチングデ

バイスは,1×2 又は 2×2 の端子構成である。基準光ブランチングデバイスの未使用の端子は,反射減衰

量が 50 dB を超えるように終端する。

5.2.5 

受光装置  D1 及び D2 

受光装置は,波長に対する光パワーを測定するために用いる。推奨する構成では,直交する二つの直線

偏光状態における光パワーを測定する。5.2.1 の規定によって,この測定では,一般的に,非常に短い波長

周期で光パワーが変化する。それゆえ,狭い波長間隔で光パワーを測定する必要がある。したがって,高

速でデータを取得する検出システムを推奨する。各測定方法における群遅延の算出では,出力信号が光パ

ワーに対応していることを前提としている。光パワーの相対変化を評価するため,実際の光入力パワーの

変化に対する,受光装置の光パワー測定値の変化の線形性がよいことが望ましく,飽和状態にならないよ

うに注意する。

5.2.6 

偏光制御器 

互いに直交する偏光の信号は干渉しないため,干渉計から十分な干渉信号を得るために,二つの光路か

らの光を確実に同じ偏光で結合する。一般に,供試品の出力光の偏光状態は定まらないため,偏光の制御

が必要である。偏光制御器及び 5.2.7 に規定する偏光アナライザは,この機能に適合している。一般に,

偏光制御器は,供試品に入力する偏光を定め,干渉計の参照経路から二つの受光装置における光パワーを

均等にするために用いる。偏光制御器は,例えば,ゼロ次の位相差板を使って,測定波長範囲において十

分な偏光安定性をもつこととする。偏光制御器と偏光アナライザとを組み合わせることで,異なる偏光条

件における一連の群遅延測定によって,群遅延差を算出することも可能となる。

5.2.7 

偏光アナライザ 

偏光アナライザは,偏光の観点から適切な干渉条件を実現するための二つ目の構成部分である。二つの

受光装置を組み合わせる偏光ビームスプリッタ(PBS)を使うことが一般的である。5.2.6 に規定する偏光

制御器によって,参照経路からそれぞれの受光装置に同等の光パワーが入力することが保証できる場合,

供試品の出力光もまた,それぞれの受光装置へ参照光と同じ偏光成分で分離する。これは観測しやすい干

渉信号を得るために重要である。


8

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

5.3 

偏光位相シフト法 

5.3.1 

一般事項 

PPS 法による光部品の GD の測定系を,図 に示す。この測定系に使用する測定器の詳細説明及び機能

を,5.3.25.3.8 に規定する。

図 3PPS 法測定系 

5.3.2 

波長可変光源  VWS 

光源として,VWS を使用し,出力する波長範囲は測定する波長範囲を十分にカバーする必要がある。測

定結果において,十分な SN 比及び波長分解能を得るために,VWS は,測定結果に要求する SN 比に対し

て十分な光パワーをもち,

要求される波長分解能に対して十分狭いスペクトル線幅をもつことが望ましい。

一般的には,完全内蔵形の温度制御器及び電流制御された波長安定化用外部共振器を備えている。VWS

の出力は,偏波面保存光ファイバを用いて光強度変調器に接続する。

VWS の波長ステップ幅は,供試品の群遅延リップル(GDR)の周期に対して,最適化する。

5.3.3 

高周波発生器 

高周波発生器は,光強度変調器に変調信号を印加するために用いる。変調信号の一部は,参照信号とし

て,強度及び位相比較器に供給する。一般的には 50 MHz∼3 GHz の周波数範囲をもつ正弦変調信号を生成

する必要があるため,高周波発生器は広帯域特性が必要である。変調周波数は,変調側波帯の影響及び色

分散の測定分解能を考慮して決める。

側波帯は,光信号の両側に,変調周波数 の差をもって現れる。

光スペクトルの広がりを表す実効的な波長分解能 Δλ(nm)は,側波帯によって制限を受け,一般的に

は,式(1)で表す。

c

f

×

×

=

2

2

Δ

λ

λ

  (1)

ここに,

λ

波長(

nm

f

変調周波数(

GHz

c

真空中の光の速度(

m/s

さらに,群遅延の測定分解能

ΔGD

ps

)も変調周波数

f

によって制限を受け,一般的には,式

(2)

で表す。

f

GD

π

2

10

Δ

Δ

3

×

= φ

  (2)


9

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

ここに,

Δ

φ: 位相比較器の位相分解能(rad)

f: 変調周波数(GHz)

5.3.4 

光強度変調器 

光強度変調器は,高周波発生器からの変調信号に同期して,VWS 出力を光強度変調する。挿入損失,

ON/OFF 消光比,偏光消光比などの光学特性は,測定する波長範囲全体にわたって要求値に適合する必要

がある。これらの特性に適合するために,一般に LiNbO

3

(LN)変調器を用いる。VWS を接続するための

入力用光ファイバとして,偏波面保存光ファイバを用いる。駆動電圧は,一般的に,LN 変調器の半波長

電圧から決定し,高周波発生器の出力は,光強度の変調度が約 20 %になるように調整する。

5.3.5 

偏光制御器 

偏光制御器は,供試品に対し,特定の偏光状態(SOP)の光を供給するために用いる。偏光制御器は,

偏光子,四分の一波長板及び二分の一波長板の三つの部品で構成する。二つの遅延板を回転することで,

あらゆる偏光状態を生み出すことができる。角度調整の分解能は±0.1°以内とし,偏光消光比は測定する

波長範囲において 20 dB を超えるものとする。

5.3.6 

偏光ビームスプリッタ  PBS 

PBS を供試品の後に置き,出力光を二つの直交する偏光信号,P 偏光と S 偏光とに分離する。それぞれ

の信号を,受光装置に入力する。PBS は,20 dB を超える高い偏光消光比をもつ方解石プリズムのような

異方性結晶で構成する。挿入損失は 1 dB 未満とする。PBS の偏光消光比,挿入損失などの光学特性は,測

定する波長範囲全域にわたって要求値に適合する必要がある。

5.3.7 

受光装置  D1 及び D2 

受光装置は,供試品の変調した出力光を電気信号に変換する。一般的に,高い線形性及び約 10 pA/(Hz)

1/2

という低い雑音密度をもつ PIN-PD を用いる。PIN-PD は,高周波発生器の変調周波数の応答に対して十分

な応答特性をもつものとする。さらに,高い SN 比を保証するために,受光装置の光検出部の後に広帯域

で低雑音の増幅器を用いる。

5.3.8 

強度及び位相比較器 

強度及び位相比較器は,信号をそれぞれの偏光ごとに高周波発生器からの参照信号と比較することによ

って,強度及び位相を測定する。群遅延 τ(ps)は,式(3)によって位相から算出する。

f

π

2

10

3

×

= φ

τ

  (3)

ここに,

φ: 位相(rad)

f: 変調周波数(GHz)

高周波発生器の変調信号の一部を参照信号として,強度及び位相比較器に供給する。参照信号は変調信

号に同期するようにする。高周波発生器の周波数安定性を含む全体の位相精度は,±0.3°以内又は適正な

測定精度を確保できる十分な精度とする。

測定手順 

6.1 

変調位相シフト法 

6.1.1 

測定原理 

群遅延 τ

g

は,式(4)のように,光位相を

Φ

opt

としたとき,その角振動数 ω

opt

に対する微分係数として定義

する。


10

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

( )

( )

( )

0

0

opt

opt

opt

opt

opt

opt

0

g

d

d

π

2

1

d

d

ν

ω

ω

ω

ω

τ

f

f

Φ

Φ

=

=

  (4)

ここに,

ω

opt

角振動数。2πf

opt

に等しい。

MPS 法では,VWS の出力光を,標準的には 100 MHz∼3 GHz の範囲の高周波又はマイクロ波の周波数

f

RF

で,正弦波形で強度変調する。変調した光信号を供試品に入力し,受光装置で検出する。参照信号源に

対する RF 信号の位相(φ

RF1

φ

RF2

,…,φ

RFn

)は,光周波数(f

opt1

f

opt2

,…,f

optn

)に対応する波長(λ

1

λ

2

…,λ

n

)で記録する。これらの測定は,相対的な群遅延,つまり,波長幅における群遅延の変化を決定す

るために用いる。隣接した二つの波長である λ

i

及び λ

j

における RF 位相測定から,式(5)によって,群遅延

の変化 Δτ

g

(λ

i

λ

j

) を算出する。

(

)

( )

( )

RF

RF

RF

g

π

2

,

f

i

j

j

i

λ

ϕ

λ

ϕ

λ

λ

τ

=

Δ

  (5)

ここで,は より大きいこととする。

6.1.2 RF

変調周波数 

RF 変調周波数は,慎重に選定しなければならない。測定における群遅延雑音及び波長分解能はトレード

オフの関係にある。

表 は,要求される波長分解能に対する,推奨する RF 変調周波数の最大値を示して

いる。

波長のサンプリング間隔と変調周波数との関係には,注意が必要である。特に,高い波長分散特性を示

すデバイスに対しては,隣接する波長間の群遅延差が 180°以上の位相シフトにならないように最大変調

周波数を制限し,誤った位相情報を用いた計算によって不正確な結果をもたらさないように,変調周波数

は,式(6)の条件に適合するように設定する。

max

RF

Δ

1

τ

<

f

  (6)

ここに,

Δτ

max

サンプル間隔における最大群遅延差

変調による波長分解能が波長のサンプリング間隔と同等である場合,連続する波長の測定は,合成して

平均化する,すなわち,より高い

f

RF

の値を用いた場合と同等の結果を得ることができる。これは,ある波

長の測定における上側の側波帯からの位相の寄与は,隣接する波長の測定における下側の側波帯からの,

大きさが等しく位相が逆向きの寄与と相殺するからである。

図 は,波長サンプリング間隔が変調周波数と等しい場合の三つの測定波長例を示している。それぞれ

のだ円は,それぞれの波長近傍における波長スペクトルを表している。前述のように,三つの一連の波長

スペクトルを平均化した場合,実効的な変調周波数が

3f

RF

で,実効的な中心波長が

λ

2

λ

1

λ

2

及び

λ

3

の平

均)の場合と同等になる。


11

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

表 1−変調周波数及び バンドの波長分解能 

変調周波数(GHz)

波長分解能(pm)

0.1 1.6 
0.2 3.2 
0.3 4.8 
0.5 8.0 
1.0 16.0 
2.0 32.1 
3.0 48.1

図 4−変調周波数におけるサンプリング 

6.1.3 

測定手順 

図 の測定系を用いて,次の手順で測定を行う。

a)

高周波発生器を使って正弦波電気信号を発生させる。周波数

f

RF

は,標準的には

100 MHz

3 GHz

の範

囲で選定する。正弦波電気信号は強度変調を行うため,かつ,受光装置

D1

及び

D2

の位相検出器を同

期するために使用する。オプションとして,周波数

f

RF

は,

図 に示すとおり,連続したサンプリング

が重なるように,波長サンプリング間隔と関連して選ぶ。

b)

オプションとして,偏光制御器は

0

°で直線偏光になるように調整する。偏光の実際の方向は任意だ

が,通常,偏光制御器で生成する状態を参照する。さらに,

SOP

は,手順 g)

において,これを参照

する。

c)

供試品を測定系に接続せずに,

TJ1

TJ2

との間を基準光パッチコードで接続する。選定した波長サ

ンプリング間隔で

VWS

の波長を掃引しながら,波長に対する

D1

及び

D2

の出力として位相を記録す


12

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

る。光源の位相を

φ

Ref

として,結果は,

λ

i

1

D

f

Re i

ϕ

2

D

f

Re i

ϕ

)のデータ列となり,供試品の信号の位相

を正規化するための“損失のない”リファレンスを得る。

d)

供試品を

TJ1

及び

TJ2

に接続する。選定した波長サンプリング間隔で

VWS

の波長を掃引しながら,

波長,

D1

及び

D2

の出力として位相を記録する。供試品を接続したときの位相を

φ

DUT

として,結果は,

λ

i

1

D

DUT i

ϕ

2

D

DUT i

ϕ

)のデータ列となり,供試品の信号の位相を得る。

e)

複数回の測定の平均化によって位相測定におけるランダム雑音を減らすため,手順 c)∼手順 d)

を繰

り返す。

f)

オプションとして,6.1.2 の規定によって,変調周波数

f

RF

が波長サンプリング間隔と同じ場合は移動

平均を適用することで,より高い周波数で測定する場合と同様の結果を得ることができる。

g)

推奨する拡張測定として,偏光制御器を使って,

45

°及び

90

°の直線偏光の状態,並びに円偏光に対

するポアンカレ球の極上の第

4

の状態で,手順 c)∼手順 f)

を行う。これによって,入力する全ての偏

光状態における群遅延の平均を決めることが可能となる。

6.1.4 

群遅延リップル測定における注意事項 

波長分解能は,供試品の群遅延リップル(

GDR

)の周期に対して適切にするため,慎重に選ばなければ

ならない。波長分解能が大きくなると群遅延雑音は減少するが,平滑化のために群遅延リップルを決定す

る能力が低下する。

6.1.5 

相対的な群遅延の算出 

6.1.3

に規定する手順 c)

及び手順 d)

によって,

“損失のない”リファレンス及び供試品の位相測定が得

られる。波長

λ

i

での相対的な群遅延は,式

(7)

によって算出する。

( )

(

) (

)

12

RF

D1

Ref

D1

DUT

D2

Ref

D2

DUT

g

10

π

2

×

=

f

i

i

i

i

i

ϕ

ϕ

ϕ

ϕ

λ

τ

  (7)

ここに,

φ

位相(

rad

f

RF

変調周波数(

Hz

τ

g

(λ

i

)

群遅延(

ps

MPS

法による測定結果からの

DGD

の算出は,A.2 及び A.3 に記載する。

6.2 

波長掃引干渉法 

6.2.1 

測定原理 

この方法は,光干渉計及びコヒーレントな

VWS

を用いて,供試品で生じる光位相

φ

の波長依存性を測

定する。群遅延の絶対値は,光周波数における位相の微分係数として定義し,式

(8)

を用いて算出する。

ω

ϕ

d

d

=

GD

  (8)

ここに,

φ: 電磁波である光の位相

ω: 光周波数(rad/s)

例えば,真空中を x 方向に伝達する電界強度は,式(9)によって表すことができる。

( )

=

t

x

E

t

x

E

ω

λ

π

2

cos

,

0

(9)

ここで,余弦関数の引数が位相 φ に相当し,電界振幅 E

0

は光出力パワーの平方根に比例する。

この方法は,低コヒーレント光源を用いて光ファイバの波長分散を測定する,JIS C 6827 に規定する方

法 D である“干渉法”とは異なる。方法 D では,干渉計の参照経路の光路長を,供試品につながる経路の


13

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

光路長と整合するように変える。

その方法では,

広帯域光源が十分な群遅延測定の分解能をもたないため,

高い波長測定分解能を必要とする光フィルタのような部品の測定には適さない。

干渉計は,参照経路に対する供試品からの出力光の位相の相対的な変化を,光波長に対して測定する。

光が互いに強め合うように干渉する場合,参照経路からの光パワーに比べて,検出する光パワーは大きく

なる。光が互いに弱め合うような場合,逆に検出する光パワーは小さくなる。光路長が異なる場合,波長

が変化すると光は二つの経路を異なる速度で伝搬するため,波長掃引することによって,検出する光パワ

ーは周期的に変動する。光路長差が大きくなると,検出する光パワーは波長に対して急激に変化するよう

になる。変動周期 Δλ は,式(10)によって算出する。

L

Δ

Δ

2

λ

λ =

  (10)

Δは,二つの経路間の光路長差を表す。光路長が 1 m 異なる場合,波長帯 1 550  nm における変動周期

は 2.4 pm となる。光路長差が 10 m の場合は,変動周期は 0.24 pm となる。測定系を再構築することなし

に,異なるデバイスの測定に柔軟に対応して,0.1 pm 未満の波長分解能をもつ測定系にすることが望まし

い。

波長に対する光パワーの変化,すなわち,干渉波形から,位相の光周波数依存性を求め,群遅延の絶対

値を算出することができる。群遅延は,周波数又は波長の関数となる。

6.2.2 

試験手順 

図 に記載する測定系を用いて,次の手順で測定を行う。

a)

供試品を接続しない,すなわち,TJ1 及び TJ2 には何も接続しない状態で,D1 と D2 とが同じパワー

になるように偏光制御器を調整する。VWS の波長を,測定する波長範囲の中心に設定することを推奨

する。ブランチングデバイス(RBD)のディレクティビティは 50 dB を超えることが望ましい。

b)

供試品を TJ1 及び TJ2 に接続する。RBD2 に 2×2 ブランチングデバイスを用いた場合,TJ2 を供試品

の出力端子に接続する代わりに RBD2 の左側の空き端子に接続すると,供試品の反射スペクトルを測

定することができる。測定の不確かさを小さくし,温度及び光ファイバピッグテールの状態が安定す

るために,接続後に数分間待つのが望ましい。

c) VWS

の波長を掃引しながら,波長に対する D1 及び D2 のパワーを記録する。供試品の長さによって

決まる測定波長間隔は,0.1 pm 以下に設定する。測定結果はデータ列(λ

i

P

1i

P

2i

)となる。ここで,

は波長を掃引して,各受光装置で測定した光パワーである。

d)

オプションとして,TJ1 と TJ2 との間に基準光パッチコードを接続してリファレンスを測定する。こ

れは,供試品からの出力光を正規化する“ゼロ損失”リファレンスとなる。これによって,光損失の

正確な測定ができる。また,この測定結果はデータ列(λ

i

N

1i

N

2i

)となる。ここで,は波長を掃

引して,各受光装置で測定した光パワーである。

e)

手順 c)  及び手順 d)  を繰り返し,複数の掃引の測定結果を平均化することで,ランダムな雑音成分の

影響を低減することができる。ただし,この手順で,干渉による振動的変化を平準化してしまうこと

がないように,

手順 c)  及び手順 d)  の生のデータ列を分析した結果に対して,

平均化を行うのがよい。

f)

推奨するオプションの手順として,偏光制御器を調整して最初の偏光状態に対して直交する第二の偏

光状態を作り,手順 b)∼手順 e)  を行う。これによって,供試品に入力する全ての偏光状態における

平均の群遅延量及び群遅延差を求めることが可能となる。

6.2.3 

群遅延リップル測定における注意事項 

供試品の群遅延リップルの周期に対して適切な波長分解能を選ばなければならない。波長分解能が大き


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C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

くなると,群遅延の雑音を低減することができるが,平滑化によって群遅延リップルが正しく測定できな

くなる。

6.2.4 

群遅延の算出 

6.2.2

に規定する手順 c)  での測定の結果,データ列(λ

i

P

1i

)及び(λ

i

P

2i

)によって与えられる二つの

干渉波形を得る[6.2.2 の手順 f)  の結果を含め,全てで四つの干渉波形を得る。

。これらのデータ列を,

式(11)を用いて,同じ方法で個別に処理する。これらの手順で群遅延のスペクトルを算出できるが,供試

品が DGD 特性をもつ場合,直交する二つの偏光成分で測定した群遅延差による計算結果は異なる可能性

がある。

ω を用いて,干渉波形 P(ω) は,式(11)によって表す。

( ) ( ) ( )

( ) ( )

( )

[

]

ω

ϕ

ω

ω

ω

ω

ω

cos

2

D

R

D

R

P

+

+

=

  (11)

ここに,

ω: 光周波数。2πc/λ に等しい。

R(ω): 参照経路における受光装置での光パワー

D(ω): 供試品からの受光装置に入る光パワー

φ(ω): 二つの経路間の光位相差

これらは全て ω の関数である。位相情報をもつこの式(11)の右辺第 3 項を得るため,P(ω) をハイパスフ

ィルタで処理する。デバイスの群遅延量に関係する干渉波形の周波数を特定するため,フーリエ変換を用

いてハイパスフィルタのカットオフ周波数を算出することができる。この項のヒルベルト変換を用いて,

振幅を式(12-1)に,位相の ω 依存性を式(12-2)に示す。

)

(

)

(

2

ω

ω D

R

   (12-1)

)

(

ω

ϕ

  (12-2)

6.2.2

に規定する手順 e)  に示したとおり,必要であれば繰り返し波長掃引してこれらのデータ列の結果

を平均化する。測定データ点が多い場合は,移動平均を用いて,必要な波長分解能になるまで計算に使用

する測定データを減らすことができる。

群遅延は,式(13)によって算出する。

( ) ( )

i

i

i

i

i

i

GD

ω

ω

ω

ϕ

ω

ϕ

ω

ω

=

+

+

+

+

1

1

1

2

  (13)

二つの受光装置の干渉波形について個別にこの計算を行い,入力光の偏光状態に対して平均化した群遅

延スペクトルを得るよう,二つの受光装置検出器の結果を波長ごとに平均化し,結果を ω 又は λ の関数と

して表す。さらに,6.2.2 に規定する手順 f)  の結果について同様の解析を行って得た群遅延の計算結果と

平均することによって,十分に平均化された群遅延スペクトルを得る。ピッグテール形光ファイバの長さ

をゼロ補正するリファレンス測定を行う場合,得られる群遅延量は絶対群遅延であって,かつ,デバイス

の長さに対応した値を表す。

N(ω) データのヒルベルト変換から振幅

( )

( )

ω

ω

N

D

R

2

を得るため,6.2.2 に規定する手順 d)  で得た正規

化の結果に対して同様の分析を行い,その分析結果から供試品の挿入損失を算出することができる。偏光

状態に対して平均化した供試品の T

ave

は,式(14)によって算出する。

( )

( ) ( )

( ) ( )

=

ω

ω

ω

ω

ω

N

D

R

D

R

T

ave

   (14)

ここで,Σ は,二つの偏光干渉波形,又は 6.2.2 に規定する手順 f)  を実行した場合は四つの偏光干渉波


15

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

形に対して総和をとることを表す。

デバイスの平均光損失は,二つの受光装置で測定した干渉波形に対する平均で求め,dB を単位として,

式(15)で算出する。

( )

( )

[

]

ω

ω

ave

10

log

10

T

IL

=

  (15)

SWI 法による測定結果からの DGD の算出は,A.4 に記載する。

6.3 

偏光位相シフト法 

6.3.1 

変調周波数 

必要な波長分解能,群遅延又は波長分散雑音を考慮して,変調周波数を決める。詳細は,6.3.2 で規定す

る。

波長分解能は,供試品の群遅延リップルの周期に対して適切となるように,慎重に選定しなければなら

ない。大きな波長分解能で測定するとき,群遅延雑音を減少させることができるが,平滑化の影響で群遅

延リップルを正確に測定することができなくなる。

6.3.2 

波長ステップ幅 

波長分散値を求めるためには,波長の差 Δλ で波長微分を行う必要がある。そのため,二つの波長で測

定する。位相比較器で測定できる位相差は,±180°の範囲である。したがって,隣接する波長間で測定し

た群遅延差の最大値 Δτ

max

は,式(16)による。

f

f

2

10

10

360

180

Δ

3

3

max

=

×

±

τ

   (16)

波長増分

Δλ

を,波長ステップ幅と呼ぶ。正確な測定をするため,波長ステップ幅は,式

(17)

によって決

定する。

max

max

Δ

Δ

CD

τ

λ

±

   (17)

ここに,

Δλ

波長ステップ幅(

nm

Δτ

max

供試品の群遅延差の最大値(

ps

f

変調周波数(

GHz

CD

max

測定する波長分散の最大値(

ps/nm

VWS

の最小波長ステップ幅は,供試品の群遅延リップルの周期に応じて適切な値を選ばなければならな

い。

6.3.3 

波長掃引及び波長分散の測定 

VWS

を用いて必要な波長範囲で波長を掃引し,各波長での測定値から群遅延を求める。さらに,測定に

よって求めた各波長における群遅延量を波長に対して微分することで,供試品の波長分散を算出すること

ができる。

この方法は,直交する偏光の組合せ(

0

°及び

90

°の直線偏光)を用いる。

0

°及び

90

°の直線偏光を供

試品に入力し,供試品の出力を

PBS

によって二つの偏光成分に分離する。このあと,規定の波長における,

P

偏光及び

S

偏光の各偏光成分の光強度及び群遅延を測定する。つまり,

0

°の直線偏光に対して,

P

偏光

及び

S

偏光の光強度(

|T

11

|

2

mea

及び

|T

21

|

2

mea

)並びに群遅延[

(dΦ

11

/dω)

mea

及び

(dΦ

21

/dω)

mea

]を測定し,

90

°

の直線偏光に対して,

P

偏光及び

S

偏光の光強度(

|T

12

|

2

mea

及び

|T

22

|

2

mea

)並びに群遅延[

(dΦ

12

/dω)

mea

及び

(dΦ

22

/dω)

mea

]を測定する。

6.3.4 

校正 

供試品の測定を行う前に,長さ

1 m

以下のシングルモード光ファイバを使って測定系を校正する。最初


16

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

に,偏光スプリッタの

P

偏光の偏光方向と一致する

0

°の直線偏光を生成するため,四分の一波長板及び

二分の一波長板を調整する。次に,規定の波長において,

PBS

によって分離した二つの偏光(

P

偏光及び

S

偏光)を交互に出力し,それぞれの光強度及び群遅延を測定する。つまり,

P

偏光及び

S

偏光における

光強度(

|T

11

|

2

cal

及び

|T

21

|

2

cal

)並びに群遅延[

dΦ

11

/dω)

cal

及び

(dΦ

21

/dω)

cal

]を測定する。波長分散は,

6.3.5

に規定した方法で測定した結果を用いて算出する。

6.3.5 

相対的な群遅延及び波長分散の算出 

P

偏光及び

S

偏光の群遅延は,

6.3.3

及び

6.3.4

によって測定した値を用いて,式

(18-1)

∼式

(18-4)

によっ

て算出する。

P

偏光の群遅延:

cal

11

mea

d

d

d

d

d

d

ω

ω

ω

Φ

Φ

Φ

kl

kl

=

  (18-1)

ここに,

kl

11

及び

12

P

偏光の平均群遅延:

2

d

d

d

d

d

d

12

11

ave1

+

=

ω

ω

ω

Φ

Φ

Φ

  (18-2)

S

偏光の群遅延:

cal

22

mea

d

d

d

d

d

d

ω

ω

ω

Φ

Φ

Φ

mn

mn

=

  (18-3)

ここに,

mn

21

及び

22

S

偏光の平均群遅延:

2

d

d

d

d

d

d

22

21

ave2

+

=

ω

ω

ω

Φ

Φ

Φ

  (18-4)

それぞれの波長における群遅延及び波長分散を,式

(19-1)

及び式

(19-2)

を用いて算出する。

偏光状態に依存しない平均群遅延

GD

average

を,式

(19-1)

によって算出する。

( )

2

d

d

d

d

ave2

ave1

+

=

ω

ω

λ

Φ

Φ

GD

   (19-1)

偏光状態に依存しない平均波長分散

CD

average

を,式

(19-2)

によって算出する。

( )

(

)

(

)

[

]

λ

λ

λ

λ

λ

λ

Δ

2

Δ

Δ

×

+

=

GD

GD

CD

   (19-2)

偏光状態に依存しない平均化した群遅延及び波長分散を算出することによって,偏波モード分散が引き

起こす測定誤差を測定結果から除くことができる。

PPS

法による測定結果からの

DGD

の算出は,

A.5

に記載する。

6.4 

各波長における測定範囲(全ての測定方法に対しての共通事項) 

規定波長(

DWDM

デバイスに対しては,規定周波数)における測定範囲は,通常は供試品の仕様によ

って決める。一般的に,規定波長における測定範囲は二つの方法で定義する。一つ目の方法は,規定周波

数を中心に,規定の周波数幅で測定範囲を設定する(

ITU-T G.694.1

参照)

。例えば,多チャネル用の供試


17

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

品においては,

図 5

に示すように,

ITU-T

の規定周波数を中心とした

25 GHz

(±

12.5 GHz

)の範囲で群遅

延を分析し,それぞれのチャネルにおける結果を規定周波数に対してプロットする。

二つ目の方法は,供試品の光損失特性によって決まる測定範囲において,供試品の波長分散特性を分析

する。例えば,供試品が,

図 6

に示した波長依存性損失をもつフィルタの場合,波長分散測定は,波長

λ

1

λ

2

の範囲にて実行する。

λ

1

及び

λ

2

は,損失曲線においてピークから

x dB

低下する波長で決める。

x

は一

般的に,

0.5

5

の範囲の値とする。

図 5

ITU-T

規定周波数を中心とする規定(25 GHz)幅の測定範囲 

25 GHz

範囲


18

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

図 6

光損失曲線の 3 dB 低下の点で規定する測定範囲 

解析 

7.1 

群遅延測定の雑音低減 

7.1.1 

平均化処理 

群遅延測定では,リファレンス光と供試品を通過した光との位相差を複数回にわたって測定し,平均化

してもよい。非決定論的雑音の場合,雑音レベルは平均する測定回数の平方根に従って減少する。平均化

は,波長分解能に影響を与えることはないが,測定時間とはトレードオフの関係となる。

7.1.2 

波長フィルタリング 

測定ノイズを低減するためにフィルタ法を適用してもよい。最も一般的に適用するフィルタは,定義し

た波長範囲内での平均化である。高密度波長分割多重(

DWDM

)用部品で一般的に使用する波長範囲は,

5

10 pm

である。広波長帯域用部品では,波長幅を

1 nm

以上にすることができる。光信号の波長は高周

波で変調することによって幅が広がり,それによって波長領域で平均化した測定値となることを考慮する

必要がある。これらの要因を基に,測定における光強度変調器に印加する周波数及びフィルタリングの帯

域幅を決める。

DWDM

用部品について波長領域で平均化する場合は,波長範囲内の複数の測定点での平均化を行う。

波長分解能を下げることによって,より滑らかな測定曲線を得ることができる。ただし,本来の測定結果

として得るべきデータまで平均化しないように注意しなければならない。

7.2 

位相変化の線形性 

位相に対する応答が高い線形性をもっている場合,遅延はあっても,信号のひずみは起こらない。信号

通過帯域内における線形性のばらつきは,信号ひずみの要因となる。

位相の線形性を,式

(20)

に示す。

( ) ( )

(

)

opt0

opt

g

opt0

opt

π

2

f

f

f

f

+

=

τ

φ

φ

   (20)

ここで,群遅延

τ

g

は定数である。ほとんどの部品では,位相について線形補間を行い,補間直線をもと

の位相から減算する。結果として得られる位相が線形位相からのかい(乖)離値である。


19

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

7.3 

波長分散 

7.3.1 

一般事項 

波長分散は,波長の関数である群遅延の微分係数である。波長分散を,式

(21)

に示す。

( )

( )

λ

λ

τ

λ

d

d

CD

g

=

   (21)

測定結果の処理では,式

(22)

の数値演算によって微分を行う。

( )

( ) ( )

1

1

1

g

1

g

+

+

=

i

i

i

i

i

CD

λ

λ

λ

τ

λ

τ

λ

  (22)

ここに,

i

1

2

...

n

λ

i

1

λ

i

及び λ

i

1

: (λ

i

1

λ

i

)及び(λ

i

λ

i

1

)は,波長サンプリング

間隔

Δ

λ を表す。

測定波長間隔

Δ

λ が小さくなれば,群遅延雑音は大きくなる。計算によって増大した群遅延雑音を最小

化するための多くの方法がある。一般的には,

7.3.2

及び

7.3.3

に規定する二つの方法を推奨する。

7.3.2 

有限差分計算 

群遅延雑音を低減するため,波長分散を算出する前に,波長フィルタリング法(又は平均化)を適用す

る。一般的に,この方法は狭帯域特性をもつ部品に適用する。測定範囲内においてフィルタリング(又は

平均化)するための測定ポイント数は,本来の測定結果として得るべきデータの平均化を避けるとともに

群遅延曲線のひずみを抑えることによって,波長分散の測定結果の雑音成分がどの程度低減できるかの状

態に依存する。

7.3.3 

特性曲線のフィッティング 

最小二乗平均法を用いて,

6.4

に規定する測定波長範囲における群遅延測定データに対し,フィッティン

グを行う。波長分散は,群遅延雑音の影響を低減するために,波長に対してフィッティングした群遅延曲

線を微分することで算出する。この方法は,通常,広帯域特性をもつ部品,すなわち,長尺光ファイバに

適用する。ただし,測定範囲内における群遅延の変化が滑らかな場合,この方法は狭帯域特性をもつ部品

にも適用が可能である。複数チャネルに対応する供試品の一つの例を,

図 7

に示す。波長分散は,それぞ

れのチャネルに対して,次の

a)

c)

に示す方法で算出する。

a)

図 8

に示すように,

ITU-T

の規定周波数を中心とした

25 GHz

(±

12.5 GHz

)の帯域における群遅延デ

ータを,最小二乗平均法を用いて,

6

次の多項式曲線でフィッティングする。

b)  ITU-T

の規定周波数に対してオフセット周波数を与え,生データとフィッティング曲線との差が最小

になるようにする。フィッティング曲線と生データとの群遅延量の差は,±

0.5 ps

とする。

c)

フィッティングした群遅延曲線を波長に対して微分し,波長分散を算出する。計算に用いる波長間隔

6 pm

とする。


20

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

図 7

ITU-T

規定周波数を中心にした 25 GHz の帯域における 

フィッティングした群遅延から算出した波長分散 

図 8

ITU-T

規定周波数を中心にした 25 GHz の帯域における相対群遅延データを 

フィッティングした 次多項式曲線 


21

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

7.4 

位相リップル 

7.4.1 

一般事項 

群遅延の測定データから位相リップルを算出する方法を,

7.4.2

7.4.4

に規定する。これは,

DWDM

分散補償器に対してだけ有効な方法である。

7.4.2 

傾斜フィッティング 

供試品の仕様に規定する帯域幅(別途規定していない限り,光損失の

3 dB

帯域幅を用いる。

)に対して,

最小二乗法を用いて,群遅延の測定結果を直線でフィッティングし,群遅延のフィッティング直線からの

偏差を得る。これらの値は,群遅延リップルを含んでいる。

7.4.3 

群遅延リップルの算出 

7.4.2

に規定する測定結果を用いて,群遅延リップルの最大幅及びその周期を求める。群遅延リップルの

最大幅は,リップルの

2

サイクル以上の範囲で決めるのが望ましい。群遅延リップルの最大幅は,その範

囲内における群遅延とフィッティング直線との差の,最大(正の最大)と最小(負の最大)との差から求

める。群遅延リップルの周期は,最大幅を含む数サイクル以上の範囲における平均から求めるのが望まし

い。また,群遅延リップルの周期は,それぞれのリップルにおける平均線と群遅延リップルの波形との交

点から求める。群遅延リップルの推定例を,

図 9

に示す。これは,群遅延リップルを周波数に対してプロ

ットする場合にだけ用いる。

図 9

群遅延リップルの最大幅及び周期の推定 

7.4.4 

位相リップルの算出 

位相の最大と最小との差分である位相リップル(

Δ

θ)は,群遅延リップルの最大幅及び周期から,式

(23)

によって算出する。

rip

period

Δ

A

f

×

=

θ

  (23)

ここに,

Δ

θ: 位相リップル(

rad

A

rip

群遅延リップルの最大幅(

s

f

period

群遅延リップルの周期(

Hz


22

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

測定例 

8.1 50 

GHz

バンドパス薄膜フィルタ 

50 GHz

バンドパス薄膜フィルタにおける群遅延及び光損失スペクトルの測定例を,

図 10

に示す。

図 10

50 GHz

チャネル間隔 DWDM フィルタにおける群遅延及び光損失スペクトル 

8.2 

平面導波路フィルタ部品 

平面導波路フィルタ部品における群遅延及び波長分散の測定例を,

図 11

及び

図 12

に示す。

図 11

平面導波路フィルタにおける群遅延及び光損失スペクトル 


23

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

図 12

平面導波路フィルタにおける波長分散及び光損失スペクトル 

8.3 

可変分散補償器[ファイバブラッググレーティング(FBG)] 

偏光による変動を平均化する

MPS

法を用いて測定した

FBG

の群遅延と,その直線フィッティングとの

偏差及び位相リップルを,

図 13

及び

図 14

に示す。変調周波数 f

RF

は,

500 MHz

である。

図 13

FBG

における群遅延と直線フィッティングとの偏差 


24

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

図 14

FBG

における位相リップル 

8.4 

ランダム偏光モード結合デバイス 

ランダム偏光モード結合をもつデバイスにおける群遅延の測定例を,

図 15

に示し,複数の偏光状態にお

いて群遅延を平均化処理することの利点を示す。平均化しない場合,群遅延カーブは

DGD

1/2

まで変化

する。

図 15

ランダム偏光モード結合をもつデバイスの群遅延 


25

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

ランダム偏光モード結合をもつデバイスにおける波長分散の測定例を,

図 16

に示す。

図 16

ランダム偏光モード結合をもつデバイスの波長分散 

個別に規定する事項 

必要に応じて,次の事項を製品規格などに規定する。

測定の不確かさ

用いる測定方法

測定波長範囲

波長精度

波長分解能

環境条件(気温,気圧及び湿度)

高周波変調周波数

位相測定の平均化回数

スペクトルの平均化範囲


26

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

附属書 A

(参考)

群遅延差の算出

A.1 

一般事項 

この測定方法では,偏光した光源を使う。多くの光部品は偏光依存性を示すため,

6.1

に規定する偏光に

対して平均化した群遅延スペクトルを得るため,十分に多い入力偏光状態において測定する。この附属書

に記載する手順によって,

DGD

のスペクトルを示す DGD

(

λ

)

を求めるための十分な測定値を得る。この附

属書の目的は,同じ測定装置で群遅延及び

DGD

を同時に測定するための方法を示すことである。

DGD

PMD

に特化した方法は,

JIS C 61300-3-32

及び

IEC 61282-9

に記述する。

A.2 

入力偏光の四つの状態で MPS 法による測定値からの DGD の算出 

この方法では,ミュラー法の入力偏光状態として選択した四つの異なる偏光状態の光を入力して,

6.1.3

に規定する手順

c)

∼手順

f)

を繰り返す必要がある。ミュラー法における四つの偏光状態は,

図 A.1

に示し

たポアンカレ球上で容易に表現することができる。

図 A.1

ポアンカレ球上に示したミュラー法における入力光の偏光状態 


27

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

注記

対応国際規格では,ポアンカレ球上にミュラー行列の基準となる四つの偏光状態を点

A

B

C

及び

D

として示しているが,式

(A.1)

におけるジョーンズベクトルのパラメータも記載している。

このパラメータを,ポアンカレ球の球座標と誤解する可能性があるため,

図 A.1

の四点のパラ

メータの記載を削除した。

互いに直交する偏光状態は,ポアンカレ球上では

180

°離れた位置となる。

図 A.1

に示すように,三つ

の偏光状態は,ポアンカレ球上の大円上にあり,互いに

90

°ずつ離れている。大円上の任意の点

A

で始ま

り,

“北極点”に対して右手の法則で

90

°ずつ加えると,点

B

及び点

C

の位置になる。点

D

の位置は,他

の三点と直交し,右手の法則を使って“上”に位置付けられる。正規化した入力ストークスベクトル s

0

び正規化したジョーンズベクトル j

0

を,式

(A.1)

に示す。ストークスベクトルは,大円が赤道上にあるミュ

ラー法での偏光状態の組合せ例を定義するために用いる。パラメータ θ は,正規化したジョーンズベクト

ル j

0

の傾きを表す。パラメータ μ は,ベクトルの

x

成分と

y

成分との間の位相差である。



=

μ

θ

μ

θ

θ

sin

2

sin

cos

2

sin

2

cos

0

s

(

)

(

)





=

2

/

i

exp

sin

2

/

i

exp

cos

0

μ

θ

μ

θ

j

  (A.1)

ミュラー法での偏光状態の組合せ例を,

表 A.1

に示す。

表 A.1

ミュラー法での偏光状態の組合せ 

位置

θ 

μ 

説明

A 0  0  直線偏光 0°(水平方向) 
B

π/4 0  直線偏光 45°(45°方向)

C

π/2 0  直線偏光 90°(垂直方向)

D

π/4

π/2

円偏光(右回転)

注記  この表の θ 及び μ は,図 A.1 のポアンカレ球で示すミュラー行列の基準となる

四つの偏光状態に対する,ジョーンズベクトルのパラメータを示す。

点 A,B,C 及び D における位相シフト(ラジアン)

φ

A

(

λ

),

φ

B

(

λ

),

φ

C

(

λ

) 及び

φ

D

(

λ

) を,

6.1.3

の方法に従

って,測定する。

二つの偏光状態の位相平均を

φ

RF

(

λ

) として,式(A.2)によって算出する。

( )

( )

( )

2

C

A

RF

λ

φ

λ

φ

λ

φ

+

=

  (A.2)

位相平均を用いて,測定した位相値を,式(A.3)によって補正する。

( )

( )

( )

( )

( )

( )

( )

( )

( )

λ

φ

λ

φ

λ

φ

λ

φ

λ

φ

λ

φ

λ

φ

λ

φ

λ

φ

RF

D

D

RF,

RF

B

B

RF,

RF

A

A

RF,

=

=

=

  (A.3)

位相差

δ

RF

(

λ

) を,式(A.4)によって算出する。

( )

( )

[

]

( )

[

]

( )

[

]

{

}

λ

φ

λ

φ

λ

φ

λ

δ

D

RF,

2

B

RF,

2

A

RF,

2

RF

tan

tan

tan

arctan

2

+

+

=

  (A.4)

DGD を,

δ

RF

(

λ

)(ラジアン)及び変調周波数 f(GHz)を用いて,式(A.5)によって算出する。

( )

( )

f

DGD

π

2

10

RF

3

λ

δ

λ

×

=

  (A.5)


28

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

A.3 

全ての偏光状態を走査する MPS 法による測定結果からの DGD の算出 

この測定は,固定波長間隔において VWS を設定し,

図 1

の偏光制御器によって入力偏光を走査して多

数の偏光状態を作り,相対的な群遅延を測定することで実施する。ps 単位で表示する DGD は,特定の波

長における群遅延の最大と最小との差として,定義する。

必要な精度を得るために,十分に速い速度で,又は十分に長い時間をかけて走査することによって,多

数の偏光状態を作り出すようにする。また,偏光の変化する速度に対して十分に短い時間で個々の測定デ

ータを平均化して,十分な偏光分解能があることも必要である。

最大及び最小の群遅延を用いて DGD を計算する代わりに,これら偏光状態における全ての群遅延デー

タの分布を評価することで,雑音レベルを改善し,正確な DGD を求めることができる。入力偏光状態を

ランダムに走査して群遅延を測定するとき,最大最小差(peak to peak 値)と,分布の標準偏差との間には

単純な関係がある。例えば,ポアンカレ球上で偏光状態を表現することによって分かるように,二つの直

交する偏光状態に沿った偏光ベクトル成分間の違いに対しての偏光状態の密度は一定である。これら二つ

の直交した偏光状態を光部品のもつ二つの主要な偏光状態(PSP)となるように選べば,群遅延の最小値

から最大値までの範囲で,測定した群遅延に対して,偏光状態が一定の密度をもつことになる。したがっ

て,この群遅延の最小値から最大値までの範囲の大きさは,群遅延の分布の標準偏差から,式(A.6)によっ

て算出することができる。

σ

3

2

min

max

=

=

GD

GD

DGD

  (A.6)

ここに,

σ: 群遅延分布の標準偏差

A.4 SWI

法による測定結果からの DGD の算出 

6.2.2

に規定する手順

f)

  に記載する二つの直交する入力偏光状態での測定値を含め,

5.2

で規定する SWI

法は,二つの直交する入出力偏光状態に対する部品の伝達行列要素の振幅及び位相を与える。この行列の

波長依存性は,ジョーンズ行列固有解析(JME)によって,DGD の算出に用いることができる。

伝達行列 T(

ω

) は,次の方法で算出する。最初の入力偏光状態における二つの出力偏光状態に対する振幅

及び位相を用いて,

6.2.4

に規定する結果から,複素行列要素 T

11

及び T

21

を,式(A.7)によって算出する。

ここで,振幅及び位相は ω の関数,

φ

11

及び

φ

21

は偏光状態での位相である。

( )

( )

( )

( )

[

]

( )

( )

( )

( )

[

]

ω

φ

ω

ω

ω

ω

φ

ω

ω

ω

21

21

21

21

11

11

11

11

i

exp

i

exp

N

N

D

D

T

D

D

T

=

=

  (A.7)

同様に,第二の入力偏光状態の結果から,複素行列要素 T

12

及び T

22

を,式(A.8)によって算出する。

( )

( )

( )

( )

{

}

( )

( )

( )

( )

[

]

ω

φ

ω

ω

ω

ω

φ

ω

ω

ω

22

22

22

22

12

12

12

12

i

exp

π

i

exp

N

N

D

D

T

D

D

T

=

+

=

  (A.8)

図 2

の測定系を用いる場合,第一の入力偏光状態に対して第二の入力偏光状態の関係は,2 台の受光装

置における干渉計の参照経路からの位相関係が反転するので,π のオフセットで T

12

の位相が反転すること


29

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

になる。

これらの成分を用いて,行列 T(

ω

) は,式(A.9)となる。

=

22

21

12

11

T

T

T

T

T

  (A.9)

次に,T(

ω

n

1

)T

1

(

ω

n

) に対して,固有値

ρ

1

及び

ρ

2

を算出する。ここで,

ω

n

及び

ω

n

1

は,隣接する測定点

の光周波数である。

ω

n

ω

n

1

の間で平均した DGD 値

Δ

τ

を,式(A.10)によって算出する。

n

n

ω

ω

ρ

ρ

τ

=

Δ

+1

2

1

Arg

  (A.10)

ここで,

Arg()

は,括弧内の複素数の偏角を表す[すなわち,

Arg(

a

e

i

ϕ

)

ϕ

である。

。このようにして,

測定範囲で

DGD

スペクトルを生成することができる。

例として,

図 10

に示した部品における計算結果を,

図 A.2

に示す。

図 A.2

分解能 30 pm で測定した 50 GHz バンドパスフィルタの DGD スペクトル 

群遅延差


30

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

A.5 PPS

法による測定結果からの DGD の算出 

PPS

法は,

5.3

及び

6.3

に規定する。

6.3.3

及び

6.3.4

での測定値を使って,パラメータを,式

(A.11)

及び

(A.12)

によって算出する。

2

21

2

11

2

21

2

11

0

2

21

2

11

2

21

2

11

1

12

21

22

11

1

12

21

22

11

1

f

i

1

2

cos

cos

2

1

d

d

d

d

d

d

d

d

4

1

d

d

d

d

d

d

d

d

4

1

δ

π

2

Δ

Δ

Δ

T

T

T

T

Θ

T

T

T

T

Θ

Φ

Φ

Φ

Φ

Φ

Φ

Φ

Φ

c

Θ

Θ

+

=



+

=

+

=

+

=

×

×

=

=

ω

ω

ω

ω

γ

ω

ω

ω

ω

β

λ

λ

λ

ω

α

  (A.11)

ここに,

λ

i

波長幅

δλ

の両側の波長における最短波長

λ

f

波長幅

δλ

の両側の波長における最長波長

dΦ/dω

群遅延

cal

22

mea

cal

2

22

mea

2

2

cal

11

mea

cal

2

11

mea

2

2

d

d

d

d

d

d

d

d

d

d

d

d

ω

ω

ω

ω

ω

ω

Φ

Φ

Φ

T

T

T

Φ

Φ

Φ

T

T

T

mn

mn

mn

mn

kl

kl

kl

kl

=

=

=

=

  (A.12)

ここに,

kl

11

及び

12

mn

21

及び

22

それぞれの波長の

DGD

値は,

1

α

1

β

1

γ

及び

Θ

0

を用いて,式

(A.13)

によって算出する。

( )

0

1

1

2

1

2

1

2

1

2

cos

2

2

Θ

DGD

γ

β

γ

β

α

λ

+

+

+

=

  (A.13)

これによって,波長に対する

DGD

値を算出する。例を,

図 A.3

及び

図 A.4

に示す。


31

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

図 A.3

ランダム偏光モード結合デバイスにおける DGD の波長特性(例) 

図 A.4

Fibre Bragg Grating

形フィルタにおける DGD の波長特性(例) 

この方法による

DGD

の算出は,ジョーンズ行列固有解析法に類似し,伝達関数行列は,式

(A.14)

のよう

に表す。


32

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

( )

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

Φ

Θ

Θ

Θ

Θ

Φ

T

Φ

T

Φ

T

Φ

T

T

i

exp

i

i

exp

cos

i

i

exp

sin

i

i

exp

sin

i

i

exp

cos

i

exp

i

exp

i

exp

i

exp

22

22

21

21

12

12

11

11

×

+

+

×

+

×

+

×

×

=

×

×

×

×

=

ψ

φ

ψ

φ

ψ

φ

ψ

φ

ω

  (A.14)

ここに,

Θ

偏光角

φ

T

11

T

21

との位相差

ψ

T

11

T

12

との位相差

Φ

偏光無依存位相シフト

出力の偏光ベクトル

E

out

(ω)

は,

T(ω)

を用いて,式

(A.15)

で表す。

( ) ( )

( )

ω

ω

ω

in

out

E

T

E

×

=

  (A.15)

ここに,

E

in

(ω)

光入力信号のフーリエ変換

光搬送波周波数

ω

0

の近傍でテイラー展開して,

E

out

(ω)

を,式

(A.16)

のように表す。

( )

( )

2

2

out

2

out

0

out

out

δ

d

d

2

1

δ

d

d

0

0

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

E

E

E

E

=

=

+

+

=

  (A.16)

ここに,

δω: ωω

0

一次の PMD の演算子 D(ω) は,差動伝達関数と呼び,式(A.17)で表す。

( )

( ) ( )

1

d

d

×

=

ω

ω

ω

ω

T

T

D

  (A.17)

式(A.15)及び式(A.17)から次を得ることができる。

)

(

d

)

(

d

out

out

ω

ω

ω

DE

E

=

これを用いると,式(A.16)は,式(A.18)によって算出することができる。

( )

( )

( )

0

out

2

0

out

2

2

2

out

δ

d

d

2

1

δ

exp

δ

d

d

2

1

δ

2

1

δ

1

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

E

D

D

E

D

D

D

E

×

+

×

+

+

+

=

  (A.18)

ここで,高次 PMD の項は微小であるため無視する。D(ω) は一次の PMD の演算子であり,dD(ω)/dω 

二次の PMD の演算子である。これらは交換可能ではない。

ユニタリー演算子 X で D(ω) を対角化して,式(A.19)のように表す。

( )

(

)

( )

(

)

(

)

( )

0

out

1

0

out

1

1

out

1

δ

i

exp

0

0

δ

i

exp

δ

exp

ω

ω

ω

ω

ω

ω

E

X

Γ

Γ

E

X

X

D

X

E

X

+

×

×

×

=

×

×

=

×

  (A.19)

ここで,−

iΓ

及び−

iΓ

D(ω)

の固有値であり,

Γ

及び

Γ

は,それぞれ群遅延の最大値及び最小値で

ある。つまり,

D(ω)

の固有値である

Γ

及び

Γ

の虚数部の差は,群遅延差と呼ぶ一次の

PMD

である。

(A.14)

の中の四つの独立したパラメータ

Θ

φ

ψ

及び

Φ

は,テイラー展開を用いて,式

(A.20)

のよう

に表す。


33

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

2

2

1

0

2

2

1

0

2

2

1

0

2

2

1

0

δ

2

1

δ

δ

2

1

δ

δ

2

1

δ

δ

2

1

δ

ω

β

ω

β

ω

γ

ω

γ

ψ

ψ

ω

β

ω

β

φ

φ

ω

α

ω

α

+

+

=

+

+

=

+

+

=

+

+

=

Φ

Φ

Θ

Θ

  (A.20)

ここに,

δω: ωω

c

Θ

0

φ

0

ψ

0

及び Φ

0

ωω

c

が 0 のときの Θ

φ

ψ 及び Φ の値

1

α

1

β

1

γ

及び β

1

Θ

φ

ψ 及び Φ のテイラー展開の一次の係数

2

α

2

β

2

γ

及び β

2

Θ

φ

ψ 及び Φ のテイラー展開の二次の係数

一次の PMD 演算子 D(ω) は,式(A.20)を用いて,式(A.21)によって表す。

( )

(

)

(

)

(

)

(

)

+

×

+

+

×

+

+

=

Θ

Θ

Θ

Θ

D

2

cos

2

i

exp

2

sin

i

2

i

exp

2

sin

i

2

cos

i

1

0

0

1

i

1

1

1

1

1

1

1

1

1

γ

β

φ

γ

α

φ

γ

α

γ

β

β

ω

  (A.21)

これよって,D(ω) の固有値は,式(A.22)となる。

Θ

Γ

2

cos

2

i

i

i

1

1

2

1

2

1

2

1

1

γ

β

γ

β

α

β

+

+

+

±

=

±

  (A.22)

ここで,β

1

は,偏光無依存群遅延である。

群遅延差 Δτ は,二つの固有値の虚数部の差によって,式(A.23)によって算出することができる。

Θ

Γ

Γ

2

cos

2

2

1

1

2

1

2

1

2

1

γ

β

γ

β

α

τ

+

+

+

=

=

Δ

+

  (A.23)

波長範囲における PMD 値は,測定波長範囲において平均化した DGD となる。


34

C 61300-3-38

:2015 (IEC 61300-3-38:2012)

参考文献  JIS C 61300-1

  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 1 部:通

注記

  対応国際規格:

IEC 61300-1

,Fibre optic interconnecting devices and passive components

−Basic test and measurement procedures−Part 1: General and guidance(MOD)

JIS C 61300-3-1

  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 3-1

部:外観検査及び機械的検査

注記

  対応国際規格:

IEC 61300-3-1

,Fibre optic interconnecting devices and passive components

−Basic test and measurement procedures−Part 3-1: Examinations and measurements−

Visual examination

JIS C 61300-3-32

  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 3-32

部:光受動部品の偏波モード分散測定

注記

  対応国際規格:

IEC 61300-3-32

,Fibre optic interconnecting devices and passive components

−Basic test and measurement procedures−Part 3-32: Examinations and measurements−

Polarization mode dispersion measurement for passive optical components(MOD)

JIS C 6827

:2005  光ファイバ波長分散試験方法

注記

  対応国際規格:

IEC 60793-1-42

,Optical fibres−Part 1-42: Measurement methods and test

procedures−Chromatic dispersion(MOD)

IEC 61282-9

,Fibre optic communication system design guides−Part 9: Guidance on polarization mode

dispersion measurements and theory

IEC/TR 62343-6-3

,Dynamic modules−Part 6-3: Round robin measurement results for group delay

ripple of tunable dispersion compensators

ITU-T G.694.1

,Spectral grids for WDM applications: DWDM frequency grid

Frederick W. King,Hilbert Transforms: Volume 1 (Encyclopedia of Mathematics and its Applications)