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C 61300-2-14

:2011

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義

2

4

  概要

2

4.1

  目的

2

4.2

  試験方法

3

4.3

  注意点

3

5

  装置

3

5.1

  光源

3

5.2

  光パワーメータ

3

5.3

  恒温槽

4

5.4

  データ収集

4

5.5

  光ブランチングデバイス

4

5.6

  テンポラリジョイント

4

5.7

  安全装置

4

6

  手順

4

6.1

  前処理

4

6.2

  初期試験及び測定

4

6.3

  試験 1

4

6.4

  試験 2

8

6.5

  試験 3

8

6.6

  後処理

9

6.7

  最終試験及び測定

9

7

  試験の厳しさの程度

9

8

  個別規格に規定する事項

9

附属書 A(参考)試験手順の背景

10

附属書 B(参考)軽減基準

12

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

15


C 61300-2-14

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及

び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 61300

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

C

61300-1

  第 1 部:通則

JIS

C

61300-2-12

  第 2-12 部:落下衝撃試験

JIS

C

61300-2-14

  第 2-14 部:光パワー損傷のしきい値試験

JIS

C

61300-2-17

  第 2-17 部:低温試験

JIS

C

61300-2-18

  第 2-18 部:高温試験

JIS

C

61300-2-19

  第 2-19 部:高温高湿試験(定常状態)

JIS

C

61300-2-45

  第 2-45 部:浸水試験

JIS

C

61300-2-48

  第 2-48 部:温湿度サイクル試験

JIS

C

61300-3-3

  第 3-3 部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法

JIS

C

61300-3-6

  第 3-6 部:反射減衰量測定

JIS

C

61300-3-20

  第 3-20 部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定

JIS

C

61300-3-28

  第 3-28 部:過渡損失測定

JIS

C

61300-3-30

  第 3-30 部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置

測定

JIS

C

61300-3-31

  第 3-31 部:光ファイバ光源の結合パワー比測定


   

日本工業規格

JIS

 C

61300-2-14

:2011

光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−

基本試験及び測定手順−

第 2-14 部:光パワー損傷のしきい値試験

Fiber optic interconnecting devices and passive components-

Basic test and measurement procedures-Part 2-14: Tests-

Optical power handling and damage threshold characterization

序文

この規格は,2005 年に第 2 版として発行された IEC 61300-2-14 を基に,技術的内容を変更することなく

作成し,構成については一部変更して作成した日本工業規格である。

なお,変更の一覧表にその説明を付けて

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,光ファイバ接続デバイス及び光受動部品(以下,部品という。

)の光パワー損傷に対する耐

久性の試験手順について規定する。

この規格は,特に次の事項を目的とする。

−  光パワーに起因する劣化又は故障に対する部品の短期及び長期耐久性の測定

−  性能が劣化しない適切な光パワーレベルで部品を使用するために必要なデータの提供

−  不可逆的な劣化を起こしやすい部品の識別

この規格で規定する手順に従って全波長完全評価を実施した場合は,部品の用途が変わっても,再度,

試験する必要はない。

部品をある特定の用途に使用する場合は,特定の光パワー及び波長で光パワー耐久性試験を行う。その

部品の用途を変更する場合は,異なる光パワー及び波長で試験し直す。ただし,任意の用途において,適

合する全ての波長で十分な試験を実施し,最大光パワーレベルを特定した場合は,全ての評価は有効とす

る。

この規格の全波長完全評価は,試験の基本を成し,その結果は,部品の許容光パワーレベルを決定し,

適正使用範囲を規定する。

全波長完全評価を行う上で,時間,費用,入手可能な装置など,試験の実施を制約することがあるため,

部分的に行う試験方法の概略も記載する。

この規格で規定する試験手順は,部品の設計時に規定した条件下での耐久性の評価を目的とする。

注記 1  関連する試験及び測定方法の通則は,JIS C 61300-1 に規定する。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。


2

C 61300-2-14

:2011

IEC 61300-2-14:2005

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and

measurement procedures−Part 2-14: Tests−Optical power handling and damage threshold

characterization(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

注記 3  附属書 に,試験手順の背景を示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 6802

  レーザ製品の安全基準

注記  対応国際規格:IEC 60825-1,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification and

requirements(IDT)

JIS C 61300-1

  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 1 部:通則

注記  対応国際規格:IEC 61300-1,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic

test and measurement procedures−Part 1: General and guidance(IDT)

IEC 61300-3-1

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and measurement

procedures−Part 3-1: Examinations and measurements−Visual examination

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

ドリフト光パワー,P

drift

(drift)

短期試験の間に,部品の挿入損失(以下,IL という。

)に 0.5 dB 以上の変化を生じさせ,かつ,部品か

ら光パワーを取り除いたときに,IL が元に戻る光パワー。

3.2

故障光パワー,P

fail

(failure)

短期試験の間に,部品の IL に恒久的な変化を生じさせる光パワー。

3.3

最大光パワー,P

max

(maximum power)

部品に最大 500 時間入射しても,恒久的な損傷又は IL に 0.5 dB 以上の変化を生じさせない光パワー。

4

概要

4.1

目的

次の性能値を得るために,部品の試験を行う。

a)

ドリフト光パワー(3.1 参照)

b)

故障光パワー(3.2 参照)

故障は,次のように定義する。

−  初期の IL が 2 dB 未満の部品では,IL の変化が 0.5 dB 以上

−  初期の IL が 2 dB 以上 10 dB 未満の部品では,IL の変化が 1 dB 以上


3

C 61300-2-14

:2011

−  初期の IL が 10 dB 以上の部品では,IL の変化が 2 dB 以上

c)

最大光パワー(3.3 参照)

4.2

試験方法

試験方法は全波長完全評価を推奨するが,この方法で試験することが困難な場合は,この規格に規定す

る代替方法で試験を行ってもよい。試験方法を,次に示す。

−  試験 1(全波長完全評価)

:部品の光パワーに対する総合的な耐久性に関して最も多く情報を得るため,

この方法を用いるのがよい。

−  試験 2(特定波長完全評価)

:全波長にわたって評価を行うことが困難な場合は,この方法を用いる。

−  試験 3(用途別の評価)

:時間及び資源の制約がある場合は,この方法を用いる。この方法で試験を行

った後,部品の使用条件が変化したときには,使用条件に適した条件で再試験を行う。

三つの試験方法の短期試験及び長期試験において,複数の供試品を直列に光配線して(数珠つなぎ)

,試

験を同時に行ってもよい。このとき,直列の最終段の供試品は,所要の試験光パワーレベルに達しなけれ

ばならない。これは,初段の供試品に最終段の供試品より高い光パワーを入射することを意味するが,こ

の方法によって試験した場合の光パワーは,最終段の供試品に入射する光パワーとする。

4.3

注意点

部品の光パワー損傷に対する耐久性の試験では,試験を行う者の眼球又は皮膚に障害を与える光パワー

を使用するため,JIS C 6802 に基づいた安全手段を徹底して講じなければならない。特に,供試品の視覚

的な検査を行う場合は,部品に光を入射しないために,光パワーを止めなければならない。

5

装置

試験機器の一般的な構成図を,

図 に示す。図 は 2 端子光部品用の構成図である。マルチポート部品

では,全ての入力及び出力ポートの組合せで試験を行う。

5.1

光源

光源は,供試品の性能を記録するために,十分な時間,光パワー及び波長が安定していなければならな

い。光源は,次の仕様を満足するものを用いる。

−  波長確度:±5 nm

−  出力光パワーの安定性:±0.05 dB

注記 1  光源として,出力波長が調整可能な波長可変光源(TLS)を用いてもよい。試験に必要な光

パワーを得るため,波長可変光源は波長可変レーザ及び光増幅器,又は光ファイバリングレ

ーザで構成してもよい。

注記 2  高密度波長分割多重方式(DWDM)用部品の場合は,波長確度及び波長幅は使用波長帯域に

基づいて選択することが望ましい。

5.2

光パワーメータ

光パワーメータは,測定を行うためのダイナミックレンジが十分あり,かつ,この範囲内で線形でなけ

ればならない。光パワーメータは,測定の間,安定性を保ち,動作波長範囲が供試品の動作波長範囲を包

含しなければならない。光パワーメータとの接続は,コネクタプラグに適応するアダプタを用いる。光パ

ワーメータは,コネクタプラグから入射する光を全て受光しなければならない。光パワーメータは,次の

仕様を満足するものを用いる。

−  直線性:±0.1 dB 以下

−  安定性:0.05 dB 以下


4

C 61300-2-14

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5.3

恒温槽

試験には,試験温度を維持できる恒温槽を用いる。

5.4

データ収集

光パワーメータのデータ記録は,手動又は自動で行う。測定を自動で行う場合,適切なデータ収集装置

を用いる。

5.5

光ブランチングデバイス

使用する光ブランチングデバイスの分岐比は,試験に用いる光パワー及び波長に対して安定しており,

偏光依存性をもたないようにする。光ブランチングデバイスは,その性能が試験中は安定していなければ

ならない。供試品に高パワーを入力し,低パワーを監視に用いるため,光ブランチングデバイスの分岐比

は 1:99 が望ましい。

5.6

テンポラリジョイント

テンポラリジョイントは,試験器具に供試品を取り付けるときに使用する。一般的に,試験の光パワー

及び安定性を考慮して,融着接続によるテンポラリジョイントを使用する。

5.7

安全装置

試験中の危険から守るため,レーザ保護めがね,標示及びその他の安全用品を用意する。 

光コネクタは使用しない。5.6 に規定するように,全ての接続点で融着接続によるテンポラリジョイントを用いる。

図 1−光パワー損傷しきい値試験機器の構成図

6

手順

6.1

前処理

供試品は,標準製品とする。5.6 の規定で試験できないときには,製造業者の指示に従い,供試品を清掃

する。200 倍以上の顕微鏡を使用して,接続する光コネクタ端面に付着物又は汚れがないことを点検する。

注記  付着物又は汚れは,高い光パワー接続用途において故障を引き起こす根本的な原因の一つであ

る。

個別規格で規定がない限り,供試品は,JIS C 61300-1 に規定するとおり,室温で 2 時間放置する。

6.2

初期試験及び測定

個別規格に規定した初期試験及び測定を行う。

6.3

試験 1

試験 1 は,短期試験及び長期試験の二つに分かれる。短期試験は,比較的短時間(3 時間)で故障が発

生する最小光パワーレベルを測定することが目的であり,ステップストレス試験を用いる。長期試験は,


5

C 61300-2-14

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個別規格に規定した時間又は最低 500 時間の間,障害なく部品を稼動できる光パワーレベルを測定するた

めに行う。

短期試験の結果は,長期試験で使用する光パワーレベルを決めるために使用する。

試験 1 は,部品を通常の使用条件で最も悪い条件,すなわち,最大の光パワーを消費する条件で行う。

試験の手順は,次による。

a)

全ての試験は,供試品を 70  ℃以上の環境に置き,温度を維持しながら行う。ただし,個別規格に屋

内環境(カテゴリ C)で試験すると規定する部品は 60  ℃の環境に置き,温度を維持しながら行う。

b)

波長ごとに 3 個の供試品を試験する。波長は,980 nm,1 310 nm,1 430 nm,1 480 nm,1 550 nm 及び

1 610 nm とするのがよい。試験を行った波長は,全て記録する。各波長で,低光パワー(1 mW 未満)

における各部品の IL を測定する。試験する波長は,一つ又は二つであってもよい(一般的には,部品

を設計した波長で試験を行う。

。この試験手順からの変更点は,全て試験報告書に記録する。

c)

短期試験で使用する光パワーレベルの増加幅(ミリワットで表す。

)は,試験する波長での供試品の低

パワーにおける IL に基づき,次のとおりとする。

− IL が 1 dB 未満の場合,200 mW(200 mW から 200 mW ずつ増加させる。

− IL が 1 dB 以上 10 dB 未満の場合,20 mW(20 mW から 20 mW ずつ増加させる。

− IL が 10 dB 以上の場合,5 mW(5 mW から 5 mW ずつ増加させる。

供試品に,3 時間,各光パワーレベルを入射し,その光パワーを維持しながら試験を行う。

注記 1 GFF(Gain Flattening Filter:利得等化フィルタ)のように使用波長帯域で損失変化がある

部品では,使用波長帯域の中で最大損失を発生する波長に近い波長で試験することが望ま

しい。試験する波長は,材料の吸収特性及び/又は材料の温度上昇を考慮して決めること

が望ましい。

注記 2

高い光パワーでステップストレス試験を行うことが可能な場合には,時間を節約するた

め,試験を高い光パワーレベルから始めてもよい(試験を始める光パワーレベルはここで

規定する値を使用するのがよい。

。また,光パワーが高すぎる場合は,より低い光パワー

レベルから始めてもよい。

注記 3

可変光減衰器(VOA)の場合は,減衰量が最大の状態で試験を行うのがよい。

d)

供試品を恒温槽内に置き,試験装置に接続し,恒温槽内の温度を 70  ℃に上げる。ただし,個別規格

にカテゴリ C で試験すると規定する部品は,温度を 60  ℃に設定する。

注記 4

試験は,部品を使用する最悪の条件,すなわち,最大の光パワーを消費する条件で行うの

がよい。

e)

規定した波長で,ステップストレスの初期光パワーレベルの光を供試品に入射した状態で 3 時間放置

し,IL を持続的に監視する。

f) IL

の 0.5 dB 以上の変化(ドリフト)が起きない場合,光パワーレベルを次の段階に上げ,e)を繰り返

す。

g)

光パワーを順次増加し,ドリフト光パワー(P

drift

)又は試験装置の最大光パワーに達するまで,試験

を続ける。ドリフト光パワーに達した場合,光パワーを止めて供試品が初期状態に回復できるかどう

かを確認する。IL の恒久的な変化が 4.1 b)

の規定値を超える場合,その光パワーを故障光パワーとす

る(P

fail

P

drift

h) IL

の恒久的な変化が 4.1 b)

の規定値を超えない場合,P

fail

又は試験装置の最大出力光パワーに達するま

で試験を続ける(P

fail

P

drift


6

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i)

e)

h)

の手順を残りの供試品に対して繰り返す。

j)

他の波長で e)∼i)

の手順を繰り返す。このとき,各波長で新しい三つの部品を使用する。短期試験の

フローチャートを,

図 に示す。

注記 IL を 0.5 dB 変化させ,光パワーを止めると初期状態に回復する最も低い光パワーを,P

drift

という。

図 2−短期試験のフローチャート

k)

短期試験の終了後,長期試験を行う。長期試験の設定及び部品の取付けは,短期試験と同じ[a)

及び

b)

参照]とする。試験は,70  ℃で行う。ただし,個別規格にカテゴリ C で試験すると規定する部品

は 60  ℃で行う。

l)

長期試験は短期試験の結果として得た P

drift

より,少なくとも一段階下の光パワーレベルで行う。長期

試験の光パワーは,この規格で規定する光パワーレベルの一つに設定する。例えば,短期試験の P

drift

が 1 200 mW で起きた場合は,長期試験での光パワーレベルは 1 000 mW が望ましいが,800 mW,

600 mW などでもよい。ただし,あまり低いレベルで試験を行わないほうがよい。

 
 
 
 
 

P

fail

”と記録する

 
 

波長(λ)を選択する

波長(λ)ごとの挿入

損失(IL)を確定する

3 個の供試品を 70  ℃で 3 時間

mW 試験する

(屋内環境条件の部品は 60  ℃)

 
 
 
 

挿入損失(IL)の監視

供試品は

光パワーを止めた後,

回復する

供試品にドリフトが

  生じたか

 
 

長期試験を行う

短期試験が終わったらデ

ータを記録する

 
 
 

次の波長(λ)を選ぶ

全ての波長で

試験したか

光パワーを増加し

3 時間試験する

 
 
 
 

P

drift

”と記録する

最大光パワーで

試験したか

新しいサンプルを

3 個選ぶ

YES

NO

YES

YES

YES

NO

NO

NO


7

C 61300-2-14

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注記 5

部品をあまりにも低い光パワーレベルで試験すると,過小評価となる。つまり,部品の本

来の光パワーレベルは評価した値より高くなる。その結果,部品はその用途で長期作業が

可能であるのにもかかわらず,そのように評価しないリスクをもつ。

m)

短期試験で故障が生じない場合,長期試験は短期試験の最も高い光パワーから始めてもよい。

n) 8

個の新しい供試品を 500 時間,規定した光パワーレベルで試験する。このうち 7 個の供試品は,部

品を設計した使用波長又は波長帯で試験する。

o) 1

個の供試品は,ステップストレス試験で最も悪い結果を得た波長(つまり,最も低い P

drift

の値とな

った波長)で試験を行う。既に試験した波長(つまり,使用波長又は使用波長帯)で最も低い光パワ

ーで故障が生じた場合は,長期試験で供試品を試験しなくてもよい。ステップストレス試験で,二つ

以上の波長で同じ最も低い光パワーで故障が発生する場合は,初期 IL が最も大きい波長で長期試験を

行う。

p) 8

個の供試品のうち一つでも 500 時間の試験中に故障した場合は,新しい 8 個の供試品で一段階低い

光パワーレベルで試験を再び行う。8 個の供試品が全て 500 時間故障なく合格するまで,l)∼o)

の試験

を行う。

q) 500

時間で試験が終了した段階で供試品に故障が生じない場合,部品はその光パワーレベル(P

max

)及

び波長で利用できる。

注記 6

この性能評価は,その部品がこの光パワーレベルで製品寿命まで使用できることは保証し

ない。長期的に使用できるよう,この値に軽減値を加える。

附属書 を参照。

長期試験のフローチャートを,

図 に示す。


8

C 61300-2-14

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図 3−長期試験のフローチャート

6.4

試験 2

この方法では,試験 1 で規定する短期試験及び長期試験を,評価したい波長で試験を行う。供試品は,

試験に合格した波長でだけ使用できる。試験を行っていない波長で使用する場合は,その波長で別途試験

を行う。

6.5

試験 3

特定の用途のために部品の光パワー損傷しきい値特性が必要な場合は,範囲を限って試験を行ってもよ

い。試験 1 で規定する長期試験だけを行う。

附属書 に記載する軽減基準によって定まる光パワーレベルを供試品に入射する。この光パワーレベル

は,部品を使用する環境での最大入力レベルに基づく。この方法においても,8 個の供試品全てが長期試

験を合格しなければならない。

注記 1  試験 1 及び試験 2 は,動作中に供試品に対して入射可能なパワーに軽減した P

max

を求める試

験である。試験 3 は,供試品を適切な方法で使用しているかどうかを求める試験であり,試

験方法の中に軽減基準を含む。

長期試験では,必要な波長を 1 波長,2 波長又は 3 波長選択する

・  最も低いパワーで故障が生じた波長 
・  部品を設計した動作波長及び短期試験で故障が生じた波長

 
 
 
 
 
 
 

全ての波長を

評価したか

 
 
 
 

全てのデータを記録する

部品を評価する波長の

光パワーレベル(P

max

)が

決まる

 
 
 

次の試験波長を選ぶ

 
 
 

試験終了

 
 
 
 

一つでも

供試品に故障が発生し

ているか

88 個の供試品を 70  ℃で

500 時間試験する

(屋内環境条件の部品は 60  ℃)

最初の光パワーを選ぶ

(短期試験故障発生時の 
一段下のレベルとする)

 
 
 
 

最初の波長を選ぶ

 
 
 
 

光パワーを一段下げる

 
 
 
 

新しい供試品を 8 個選ぶ

YES

YES

NO

NO


9

C 61300-2-14

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注記 2  試験 3 で試験した部品を他の用途で使用する場合には,その用途での十分な評価及び必要な

高い光パワーの試験を行うのがよい。場合によっては,初めから全波長完全評価を行った場

合に比べて,必要な供試品の総数が増えたり,時間が余計にかかったりすることもある。こ

のような点について注意する必要がある。

6.6

後処理

個別規格で規定がない限り,供試品を,JIS C 61300-1 に規定するとおり,室温に 2 時間置く。

6.7

最終試験及び測定

試験が終わった段階で備品を全て取り除き,供試品に破損がないことを確認するため,個別規格の規定

に従って最終測定を行う。5.6 の規定で試験できないときには,製造業者の指示に従って,供試品及び供試

品のコネクタなどの光学結合部を清掃する。最終測定の結果は,個別規格を満足しなければならない。

別途規定のない限り,IEC 61300-3-1 で規定する外観検査によって,供試品に次のような劣化がないかど

うかを確認する。

−  部品又は附属品の損傷,緩み又は破損

−  ケーブル外被,シール,ストレインリリーフ又は光ファイバの破損又は損傷

−  部品のずれ,湾曲又は破損

7

試験の厳しさの程度

試験の厳しさの程度は,各波長で供試品に入射する光パワーで決まる。

8

個別規格に規定する事項

次の事項は,必要に応じて個別規格で規定する。

a)

測定方法

b)

試験波長

c)

初期試験項目及び初期測定項目並びに初期性能要求

d)

最終試験項目及び最終測定項目並びに最終性能要求

e)

規定手順からの変更点

f)

追加合否基準

g)

部品のポートの数


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C 61300-2-14

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附属書 A

参考)

試験手順の背景

A.1

はじめに

光通信システム設計の進展によって,高光パワー化が必要となっている。設計上で正確な取組みを行わ

ず,かつ,高光パワー特性を得ていない場合,高光パワーによって故障が生じることは避けられない。初

期不良,長期の劣化,磨耗による破損など,いろいろな形で信頼性に関する故障が出現する。幾つかの起

こる可能性がある故障のメカニズムとして,フォトダークニング及び熱レンズ効果があり,二次的な効果

として,高温照射に関連したミスアライメント,物質変化などがある。この規格に記載する情報及び試験

手順は,ほとんどの故障が熱によるものという考えに基づく。

使用者には,複数の製造業者が供給する製品の耐久性を評価するため,標準的な試験手順が必要であ

る。この規格は,この方法を紹介する。

技術的な確実性とは,故障の発生要因を理解し,管理することによって,現場でそのような故障が起き

ないようにすることである。また,実証したデータは,故障が起きるしきい値光パワーレベル及びストレ

ス性の故障メカニズムによる統計的故障時間を決定することになる。この試験手順の目的は,この実証デ

ータを作る基準を明確にすることである。

A.2

背景

試験方法には,短期試験及び長期試験がある。短期試験は,3 時間の短時間ストレスにさらすときの故

障しきい値光パワーを決める。この結果は,次の用途に使用する。

−  長期試験を実施するときの初期光パワーを決めるために使用する。

−  光パワー損傷に強い衝撃プロセスの特性変化を評価するために使用する。

長期試験では,各波長での基準光パワーレベル(P

max

が該当する。

)を算出する。この値は,用途によっ

て使用する部品の光パワーレベルを適切なレベルに保つために用いる。長期的に安定な性能を確保するた

め,入射光パワーレベルは P

max

より低く定める。P

max

からの軽減分を,軽減値という。

A.3

供試品数及び試験時間

長期試験の供試品数は,60 %の信頼水準を確保するため,8 個以上とする。試験時間に関しては,ある

程度適度な長さで,部品が 25 年以上の寿命を保証できる時間を考慮した。500 時間というのは 60 %の信

頼水準を確保し,他の性能を評価するときには矛盾が生じない時間である。

A.4

光パワーステップレベル

光パワーのステップレベルは,試験が長時間にわたらないように十分に大きく,一方,光パワーの読取

り分解能を満足できるよう十分小さくする。これらを満足するため,IL をステップレベルの指標として用

いるのがよい。IL が高いデバイスは光を吸収しやすく,IL が低い(吸収しにくい)デバイスが合格した低

い光パワーレベルで合格しない可能性がある。一般に,低い IL(1 dB 未満)のデバイスの試験では,比較

的大きい(200 mW)ステップとする。同じように,吸収性の高いデバイス(IL が 10 dB 超)はより高い

温度で作動するため,より小さいステップで試験する。この場合のステップレベルは 5 mW とする。IL が


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この中間,すなわち,1 dB∼10 dB にある場合のステップレベルは,20 mW とする。

光部品の光パワーレベルへの耐久性がある程度保証できる場合,試験時間を短縮するため,故障が起き

るポイントから短期試験を始めることもできる。

A.5

故障基準

最低の故障基準は,IL の 0.5 dB 変化とする。この基準は,ほとんどの性能試験と一致し,部品の特性に

著しい変化を検出するのに十分な値である。

A.6

波長

この試験は,光パワーに対する部品の耐久性を測定することである。ほとんどの部品の光吸収特性は波

長によって変化するため,最も高いリスクをもたらす波長でも測定する。


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:2011

附属書 B

参考)

軽減基準

B.1

はじめに

試験 3,つまり,特定の用途のために部品の特性が必要な場合は,適度な軽減係数を乗じる。軽減係数

によって,試験中に供試品に入射する光パワーの分量を決定する。

B.2

軽減方法

軽減方法の目的は,部品に入射できる光パワーの絶対最大定格を決めることではなく,基準値に比例し

て光パワーを決めることである。この基準値を P

max

とする。P

max

は,部品に恒久的な故障又は性能のドリ

フトを起こすことなく,500 時間入射できる光パワーである。

軽減を決める基準は,光パワーの入射によって生じる破損要因に依存する。軽減基準に割り当てる値は,

特定の技術に起因するリスク並びに部品を設計及び製造するプロセスに見合った量であるとみなす。

基準は二つに分かれる。すなわち,

表 B.1 に示すように,材料に由来するものと,設計及び製造プロセ

スに関するものとである。各基準は,基準の信頼性に比例した重み付けによって点数を付ける。基準の全

体的な点数は 9∼55 とし,それぞれ軽減係数 0.9(×P

max

)から軽減係数 0.1(×P

max

)に対応する。

9∼55 の点数の値によって,軽減係数を 0.9∼0.1 の範囲に割り振る。軽減係数と点数との関係を,図 B.1

に示す。

図 B.1−軽減係数と点数との関係

B.3

実例

使用環境で供試品に入射する光パワーが 200 mW のときの,試験で入射する光パワーを求める。

この例は,試験を通して示すことができる,P

max

と同等の値を求めることが目的である。

<条件>

a)

部品に持続的に 200 mW の光パワーを入射する用途に用いる。

b)

試験 3(特定の用途のために部品の特性が必要な場合)を用いる。

c)

軽減基準に基づき,部品及びその製造方法を評価した結果,点数は 23 である。

この場合は,次の関係となる。

P

max

×DV=200 mW


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ここに,

P

max

試験で入射する光パワー(mW)

DV: 軽減係数

したがって,試験で入射する光パワーは,次の式によって,303 mW となる。

DV

mW

200

max

P

0.66

mW

200

=303 mW

表 B.1−軽減基準

光パワーの入射によって生じる破損要因

重み(1∼20)点数

なし 0

あり,MFD 2 μm 未満 20

あり,MFD 2 μm  以上 5 μm 未満 15

あり,MFD 5 μm  以上 10 μm 未満 10

光路結合用接着剤を部品に使用してい

るか。

あり,MFD 10 μm 以上 5

薄膜なし 0

薄膜あり(スパッタ成膜) 2

光路に薄膜(反射防止膜,フィルタなど)
があるか。

薄膜あり(スパッタ成膜以外) 3

なし 0

部品に溶融光ファイバはあるか。

あり 1

なし 0

光路にお

ける材料

部品は光ファイバを含むか。

あり 1

いる 1

きょう(筐)体又はケースは,熱特性

を理解し,モデル化することによって
熱を安全に放熱するように設計してい
るか。

いない 3

いる 2

製造会社は部品のパワー処理能力を特徴
付けているか。

いない 5

いる 1

光パワー及び温度のための加速係数は数
値化しているか。

いない 5

あり 4

部品は入射する波長の光を吸収する材料
を含んでいるか(例えば,ガーネット,

シャッターなど)

なし 1

放熱器を使用 1

どのようにして吸収によって発生する熱

を放出しているか。

積極的な放出はない 4

いる 3

接着剤で空間部品を取り付けているか。

いない 1

全く汚染をしない厳重な清掃の手順がある 1

全く汚染をしない幾つかの清掃の手順がある

2

清掃方法の規定

清掃の手順はない 3

いる 1

設計・製

造プロセ
ス上の特

光ファイバと接着剤との境界部をもって

いる部品において,光ファイバの先端は
欠陥及び汚れがないように検査している
か。

いない 3

点数

注記  光受動部品の軽減値を決定する基準の点数は,最小が 9 であり,最大が 55 である。 


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C 61300-2-14

:2011

 

参考文献  JIS C 61300-3-3  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測定手順−第 3-3

部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法

注記  対応国際規格:IEC 61300-3-3,Fibre optic interconnecting devices and passive components

−Basic test and measurement procedures−Part 3-3: Examinations and measurements−

Active monitoring of changes in attenuation and return loss(IDT)

IEC 61300-3-5:2004

,Fibre optic interconnecting devices and passive components−Basic test and

measurement procedures−Part 3-5: Examinations and measurements−Wavelength dependence of

attenuation

注記  現在この規格は廃止されており,IEC 61300-3-7,Fibre optic interconnecting devices and

passive components−Basic test and measurement procedures−Part 3-7: Examinations and

measurements − Wavelength dependence of attenuation and return loss of single mode

components に移行している。

IEC 61300-3-35

, Fibre optic interconnecting devices and passive components − Basic test and

measurement procedures−Part 3-35: Examinations and measurements−Fibre optic connector

endface visual and automated inspection


附属書 JA

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS C 61300-2-14:2011

  光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基本試験及び測

定手順−第 2-14 部:光パワー損傷のしきい値試験

IEC 61300-2-14:2005

  Fibre optic interconnecting devices and passive components−

Basic test and measurement procedures−Part 2-14: Tests−Optical power handling and 
damage threshold characterization

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号及
び題名

内容

(II) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

6.1

6.1 及び 6.2

細分箇条番号以外

は,JIS と同じ

変更

IEC

規格の 6.1 及び 6.2 を JIS

では 6.1 とした。ただし,内容
の変更はない。

6  手順

6.2∼6.7

6.3∼6.8

細分箇条番号以外
は,JIS と同じ

変更

IEC

規格の細分箇条は項番が

繰り上がり,内容は JIS と対応
している。

一連の JIS 規格群において細分箇

条の構成を統一するため,変更し
た。今後,IEC に修正提案する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 61300-2-14:2005,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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