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C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  試験装置

1

3.1

  時間領域光検出システム 

2

3.2

  オシロスコープ同期システム

5

3.3

  パルスパターン発生器 

6

3.4

  光パワーメータ

6

3.5

  光減衰器 

6

3.6

  光ファイバコード

6

4

  試験サンプル 

6

5

  手順

6

5.1

  方法 1:基本波形測定 

6

5.2

  方法 2:ヒストグラム機能を用いた消光比測定方法 

7

6

  計算

8

6.1

  方法 1:基礎的な波形測定の定義

8

6.2

  方法 2:ヒストグラム機能を用いた消光比計算方法 

12

6.3

  アイマスクを用いたアイパターン分析 

12

7

  試験結果

14

7.1

  必要な情報 

14

7.2

  有益な情報 

14

7.3

  具体的な情報 

14

附属書 A(参考)オシロスコープ同期システム

16


C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人光産業技術振興協会(OITDA)及

び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS C 61280

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 61280-1-3

  中心波長及びスペクトル幅測定

JIS C 61280-2-1

  受信感度及びオーバロード測定

JIS C 61280-2-2

  光アイパターン,光波形及び消光比測定

JIS C 61280-2-8

  Q 値測定を用いた低ビット誤り率の決定法

JIS C 61280-2-9

  高密度波長分割多重システムの光信号対雑音比測定

JIS C 61280-2-11

  光信号品質評価のための強度ヒストグラム評価を用いた平均化 Q 値測定


   

日本工業規格

JIS

 C

61280-2-2

:2010

(IEC 61280-2-2

:2005

)

光ファイバ通信サブシステム試験方法− 
光アイパターン,光波形及び消光比測定

Fiber optic communication subsystem test procedures-

Optical eye pattern, waveform and extinction ratio measurement

序文 

この規格は,2005 年に第 2 版として発行された IEC 61280-2-2 を基に,技術的内容及び対応国際規格の

構成を変更することなく作成した日本工業規格である。

適用範囲 

この規格は,光アイパターン,光波形のパラメータ[例えば,上昇時間(慣用的には“立ち上がり時間”

ともいう。),下降時間(慣用的には“立ち下がり時間”ともいう。),オーバシュートなど]及び消光

比を測定するための試験手順について規定する。

注記 1  他の方法として,規定の光波形マスクに準拠して光波形を試験する場合もある。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61280-2-2:2005

,Fibre optic communication subsystem test procedures−Part 2-2: Digital

systems−Optical eye pattern, waveform and extinction ratio measurement (IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

ITU-T Recommendation G.957:1999

, Optical interfaces for equipments and systems relating to the

synchronous digital hierarchy 及び ITU-T Amendment 1:2003

試験装置 

図 に示すように,光アイパターン,光波形及び消光比試験装置の主な構成要素は,光/電気変換器,

低域通過フィルタ,オシロスコープ及び光パワーメータによる。


2

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

   

図 1−光アイパターン,光波形及び消光比試験装置構成 

3.1 

時間領域光検出システム

時間領域光検出システムは,光波形の強度を時間の関数として表示する。時間領域光検出システムは,

主として光/電気 (O/E) 変換器,線形位相低域通過フィルタ及びオシロスコープで構成する。時間領域光

検出システムを,

図 に示す。各機器の詳細を,3.1.13.1.5 に示す。

図 2−時間領域光検出システム 

3.1.1 

光/電気 (O/E) 変換器 

光/電気変換器は,通常電気増幅器を接続した高速フォトダイオードを使用する。光/電気変換器は,

光インタフェース規定点と直接的又は間接的に接続できる光コネクタをもつ。

光/電気変換器(光/電気変換器に接続する増幅器を含む。

)は,光波形を忠実に再生できるものでなけ

ればならない。種々の手段があるが,光/電気変換器の一般的なガイドラインを,次に示す。

a)

適用領域を十分カバーできる許容入力波長範囲をもつ。

b)

被測定光送信器への過度の反射を避けるために,十分に低い入力光反射率をもつ。

トリガ

光インタフェース

規定点

光信号

入力

増幅器

(オプション)

同期システムへ

(オプション)

オシロスコープ

同期信号

抵抗形信号

分岐器

(オプション)

オシロ

スコープ

光/電気

変換器

低域通過

フィルタ

トリガ

光パワー

メータ

(クロック)

データ

光ファイバ

コード

光ファイバ

コード

光インタフェース

規定点

時間領域光検出システム

パルスパターン

発生器

光アイソ

レータ

又は

光減衰器

光送信器

光/電気

変換器

低域通過

フィルタ

オシロ

スコープ


3

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

例えば,光送信器が−24 dB の最大反射率を許容すると仮定する。光/電気変換器の入力反射率が

−30 dB のとき,光/電気変換器は光送信器に直接接続することができる。ただし,光/電気変換器

の入力反射率が一般的な値である−14 dB のとき,光アイソレータ又は 5 dB 以上の低反射率の光減衰

器を光送信器と光/電気変換器との間に入れることによって,実効的な反射率を−24 dB 以下に低減

することができる。

注記  実効的な反射率  (−24 dB)=[光/電気変換器の入力反射率(−14 dB)]−[光アイソレータ

又は光減衰器の減衰量 (5 dB)]×2

c)

オシロスコープで十分な振幅表示を得るための受光感度をもつ。

例えば,−15 dBm の平均光パワーで NRZ の光のデータ・ストリームを測定する場合,オシロスコ

ープの目盛が 10 mV/div のとき,50 mV(5 目盛に相当)の振幅表示を得るには,790 V/W の受光感度

が必要となる。

注記  平均光パワー−15 dBm は振幅値に換算すると 0.063 2 mW になり,必要な受光感度は,50

mV/0.063 2 mW=790 V/W となる。

d) 

オシロスコープで正確な測定表示結果を得るための光雑音等価電力をもつ。

例えば,−15 dBm の平均光電力の NRZ 信号列を測定する場合,有効雑音帯域が 470 MHz で,平方

二乗平均雑音がアイパターン振幅の 5  %以下のとき,光雑音等価電力は 145 pW/ Hz 以下でなければ

ならない。

注記  平均光電力−15 dBm は振幅値に換算すると 0.031 6 mW になり,必要な光雑音等価電力は,

0.031 6 mW×2×0.05/ (470 MHz)

1/2

=145 pW/ Hz となる。

e) 

0 Hz まで伸びた低域遮断  (−3 dB)  周波数をもつ。

次の二つの理由によって,直流 (DC) 結合で行う必要がある。

1) DC

結合でなければ,消光比が十分正確に測定できない。

2)

交流 (AC) 結合では,測定信号の低周波スペクトル成分(光/電気変換器の低域遮断周波数より低

い成分)の欠如が,検出された波形に重要なひずみを引き起こす可能性がある。

f) 

光/電気変換器の後段の低域通過フィルタの遮断周波数  (−3 dB)  より高い遮断周波数をもつ。

再現性及び精度のよい周波数特性を実現するために,低域通過フィルタをオシロスコープの前に入

れ,このフィルタだけで試験装置の帯域幅を決定することが望ましい。

g) 

オーバシュート,アンダーシュート及び他の波形ひずみが測定に影響を与えないほど速い過渡応答特

性をもつ。

システムの過渡応答特性は,光/電気変換器ではなく,その後段に接続した低域通過フィルタの特

性で決まることが望ましい。

h) 

光/電気変換器に接続した低域通過フィルタからの反射が,0 Hz から低域通過フィルタの帯域幅より

広い周波数まで十分抑圧できる出力反射減衰量をもつ。

大きな多重反射が存在する場合,時間領域測定は非常に不正確になる可能性がある。受動的で低損

失な低域通過フィルタの多くは阻止周波数帯域で反射があり,入出力終端インピーダンスの周波数特

性に強く依存する応答を示す。光/電気変換器に受動的な低域通過フィルタを接続する場合,15 dB

以上の反射減衰量であることが望ましい。インライン形の電気減衰器を使用することによって,信号

強度は減衰するが,光/電気変換器の出力反射減衰量を改善できる。反射減衰量は 0 Hz までその仕様

を満たさなければならない。さもなければ,波形の直流成分が変化し,消光比測定で誤差を生じるこ

とになる。


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C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

   

3.1.2 

抵抗形信号分岐器(オプション) 

オシロスコープ同期信号を光波形から得る場合は,信号経路の途中から信号を分岐する。オシロスコー

プ同期信号を分岐する抵抗形信号分岐器(パワーデバイダ)を,

図 に示す。

3.1.3 

線形位相低域通過フィルタ 

一般に,光アイパターンを測定する目的の一つは,上昇時間,下降時間,オーバシュートなどの性能を

確認することにある。光波形に必要以上に高い周波帯域を含むと,測定精度に影響を及ぼすことがある。

また,異なる測定系は異なる帯域幅をもつので,測定系が異なると再現性を得ることができない。

再現性及び精度を確実にするために,既知特性の低域通過フィルタをオシロスコープの前で信号路に入

れ,このフィルタだけでシステムの帯域幅を決めることが望ましい。低域通過フィルタの帯域幅は測定内

容によって決める。低域通過フィルタの帯域幅及び伝達関数の特性は,詳細仕様で規定しなければならな

い。

あるタイプの光アイパターン測定は,特定ビットレートの光受信器出力信号を模擬するのに効果的であ

る。NRZ 形式の信号の場合,このタイプの受信器は通常クロック周波数より幾らか狭い帯域幅をもつ。こ

のタイプの測定では,0.75/Tは,秒単位で表すデータ信号のビット間隔)の−3 dB の帯域幅の低域通

過フィルタをしばしば使用する。得られた光アイパターンが仕様を満足するかどうかを確かめるために,

“マスク”パターンと比較する。RZ(ゼロ復帰)形式信号のスペクトラムは,同じビットレートでは NRZ

信号より高い周波数成分をもつため,測定用の低域通過フィルタはクロック周波数を超えた帯域幅を必要

とする可能性がある。

ほかのタイプのアイパターン測定は,光送信装置の上昇時間,下降時間,パルス幅,その他の時間領域

パラメータの測定を含む。このタイプの測定方法では,測定システムの帯域幅は,上記のタイプの帯域幅

よりも広くなければならない。この場合,低域通過フィルタの−3 dB 帯域幅は,上昇時間及び下降時間の

最大値(例えば,ビット間隔の 1/3)が確認できるくらい十分に広くなければならない。一方,重要でない

高周波波形を遮断しなければならない。NRZ 信号のこのタイプの測定では,低域通過フィルタ帯域幅の標

準的な値は,3.0/とする。RZ 信号の標準的な帯域幅の値は,5.0/とする。

アイパターン測定のタイプにかかわらず,低域通過フィルタは,フィルタの−3 dB 帯域幅を超えた周波

数で線形的な位相応答をもたなければならない。

大きく減衰する周波数まで位相応答が線形的

(すなわち,

群遅延が一定)であるならば,フィルタ帯域幅のわずかな変化は波形測定に著しい影響を与えない(

表 1

参照)

0.75/フィルタのための低域通過フィルタ仕様の例を,次に示す(正確なフィルタ仕様は,通常,送信

器性能を定義する規格で規定する。

−  特性インピーダンス:  公称 50 Ω

−  −3 dB 帯域幅: 0.75/T, Hz(RZ 形式に関しては検討中)

−  フィルタ形式:

4 次ベッセル・トムソン形フィルタ(RZ 形式に関しては検討中)


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C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

表 1−周波数応答特性 

ビットレートによる

周波数分割

公称減衰量

dB

減衰量公差

dB

最大群遅延ひずみ

s

0.15 0.1

0.3 −

0.30 0.4

0.3 −

0.45 1.0

0.3 −

0.60 1.9

0.3

0.002T

0.75 3.0

0.3

0.008T

0.90 4.5

0.3

0.025T

1.00 5.7

0.3

0.044T

1.05 6.4

0.39

0.055T

1.20 8.5

0.64

0.100T

1.35 10.9 0.90

0.140T

1.50 13.4 1.15

0.190T

2.00 21.5 2.0

0.300T

3.1.4 

オシロスコープ 

光アイパターンを表示するオシロスコープは,測定システムの帯域幅を制限しないように,低域通過フ

ィルタの帯域幅より広い帯域幅をもたなければならない。オシロスコープのトリガには光アイパターンに

同期するローカルクロック信号又は光波形そのものから得られる同期信号を使用する。

図 及び図 に,アイパターン測定時に一般的に使用するオシロスコープ帯域幅の例を示す。

オシロスコープは,消光比測定のために,垂直チャネルのヒストグラム機能をもたなければならない。

3.1.5 

総合的なシステム応答 

光アイパターン測定は時間領域測定であり,光波形を正確に表さなければならない。オーバシュート,

リンギング又は他の波形ひずみ状態を除去しなければならない。測定システムの個々の構成品の特性を周

波数領域で適切に規定するとともに,最終的な測定システムは時間領域で一定の性能を満たさなければな

らない。

理想的な 4 次ベッセル・トムソン形フィルタでも,約 1  %のオーバシュート及び約 0.35/Bはヘルツ

で表される帯域幅)の上昇時間 (10 %∼90  %)  をもつ。これを考慮して,総合的な測定システムが,理

想的な階段関数信号入力に対する応答として,次の性能をもたなければならない。

−  上昇時間及び下降時間 (10 %∼90  %)  : 0.43/B(最大値)

,0.29/B(最小値)

−  上昇時間及び下降時間 (20 %∼80  %)  : 0.35/B(最大値)

,0.23/B(最小値)

−  オーバシュート及びアンダーシュート: 5

%(最大値)

3.2 

オシロスコープ同期システム 

正確な光アイパターン測定に,安定した同期信号は不可欠である。光送信装置が同期信号を提供するこ

とが理想である。しかし,同期信号が光インタフェース規定点にない場合は,光波形から同期信号を得な

ければならない。

幾つかのオシロスコープは,入力したデータパターンの変化を検出し,機器内部又は外部からトリガを

得てもよい。この方法は便利で簡単であるが,正確な測定には使用しないほうがよい。通常,光波形は“雑

音が多い状態”なので,データパターンの遷移点をトリガとすると,トリガしきい値の微妙な調整によっ

て観測するアイパターンが変化する可能性がある。オシロスコープは,通常,上昇又は下降のエッジ(双

方ではない)のどちらかでトリガを取る。擬似ランダムデータパターン(PRBS)では,4 ビットに 1 回の

トリガとなる。そのため,そのパターンが繰り返されたとしてもデータの 75  %は測定されない。また,


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C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

   

トリガ動作が光波形自体のジッタの観測を困難にする可能性がある。測定する信号がもつジッタをトリガ

信号も同相でもつため,事実上ジッタが観測されないことになる。信頼性が高く再現性のあるトリガを得

るためには,多くのオシロスコープのパルスエッジ検出器の帯域幅は十分ではない可能性がある。

安定した同期信号が利用できないときに,オシロスコープの同期に光波形を使用することよりも信頼で

きる方法は,光信号に“ロックされる”外部の振動子を使用することがある。これは,光受信器でクロッ

クの再生に使用する方法と同様であるが,カスタム回路でなく市販の測定器で実現できる。この方法は,

非常に安定したトリガ信号を供給し,光波形のジッタを直接見ることができる。オシロスコープ同期シス

テムを,

附属書 に示す。正確なジッタ測定を行うために,トリガを得るための応答帯域幅の選択に注意

しなければならない。

3.3 

パルスパターン発生器 

パルスパターン発生器は,光送信器の入力電気インタフェースが規定する信号形式(パルス波形,振幅

など)で,PRBS 及びプログラマブル・ワード・パターンを供給しなければならない。

3.4 

光パワーメータ 

光パワーメータは,少なくとも,0.1 dB の分解能をもち,試験対象機器の動作波長で校正ができなけれ

ばならない。

3.5 

光減衰器 

光減衰器は,減衰ステップが 1 dB 以下でなければならない。また,光/電気変換器の入力レベルを調整

できなければならない。

さらに,光減衰器から光送信器へ反射光が戻らないように注意しなければならない。

3.6 

光ファイバコード 

特に指定がなければ,光ファイバコードは,実際の装置に使用するケーブル設備と等価な物理的及び光

学的特性をもたなければならない。光ファイバコードは 2 m∼5 m の長さで,クラッド光を除去するコーテ

ィングを施した光ファイバとし,適切なコネクタを使用する。シングルモード光ファイバコードは,直径

90 mm の円弧を二つ配置する。装置がマルチモード動作又は未知のケーブル設備を対象とするとき,光フ

ァイバコードは,62.5/125 (µm)  のマルチモード光ファイバコードを使用する。

試験サンプル 

試験サンプルは,特定の光送信器とする。入力及び出力条件は,システムでの使用条件と同等とする。

試験用光送信器は,試験装置構成に組み込む(

図 参照)。

手順 

光アイパターンの測定では,オシロスコープのトリガ用同期信号が利用できる場合とできない場合とが

ある。多くの測定システムは測定する信号から同期信号を得ることができる。同期システムがない試験設

備に同期システムを構築する方法及びそのときの測定上の留意点を,

附属書 に示す。

5.1 

方法 1:基本波形測定 

光アイパターン及び上昇時間,下降時間,オーバシュートなどの光波形のパラメータを測定するための,

基本波形測定の手順を次に示す。

a)

特に規定しない限り,試験用光送信器の推奨動作条件を適用し,周囲又は標準点の温度及び湿度を指

定する。

b)

試験装置に通電及び入力する。試験装置の温度及び性能が安定するまで,十分な時間(試験装置の製


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C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

造業者の指定がない場合は 30 分)をおく。

c) 

試験する光信号のビットレートを決定する。ビットレートに対応した低域通過フィルタを選択する。

図 に示すように試験設備を接続し,電源を供給する。サンプリングオシロスコープを用いる場合,

波形が平均化又は平滑化によって劣化していないか確認する。また,可能ならばサンプリングループ

ゲインを適切に調整する。オシロスコープの水平画面は,0.2毎目盛にセットし(は 3.1.3 で定義し

ている。),オシロスコープの時間軸を 10 目盛に表示する。試験設備に十分な暖機時間を与える。 

d)

推奨動作条件の一部として,すべての入力端子には,公称のビットレートの信号で,実際の動作信号

を代表するスペクトラムの内容をもつパターンを入力する。通常,PRBS を用いる(最長ワード長は,

2

23

−1)

e)

適切な光ファイバコードを使う。必要な場合は,光/電気変換器の入力を試験する光インタフェース

規定点に接続する。

f)

垂直表示範囲のおよそ半分に波形を表示するように,オシロスコープの垂直位置及び感度を調整する。

g)

オシロスコープの同期をとる。波形が安定するように,トリガ・レベルを調節する。

h)

オシロスコープの垂直及び水平調整つまみを調節し,アイパターンを表示する。

i)

測定後の解析のために,表示した波形を写真,画像又は記録媒体で保存する。記録しない場合は,各

パラメータを測定ごとに記録する。

j)

接続を外す,又は光減衰器を使用し,光/電気変換器への光信号の入力を遮断する。無入力状態のオ

シロスコープの出力レベルを決定するために,出力レベルを記録する。これは消光比の計算に必要で

ある。

5.2 

方法 2:ヒストグラム機能を用いた消光比測定方法  

ヒストグラム機能を用いた消光比測定方法の手順を,次に示す。

a)

特に規定しない限り,試験用光送信器の推奨動作条件を適用し,周囲又は標準点の温度及び湿度を指

定する。

b)

試験装置に通電及び入力する。試験装置の温度及び性能が安定するまで,十分な時間(試験装置の製

造業者の指定がない場合は 30 分)をおく。

c)

試験する光信号のビットレートを決定する。ビットレートに対応した低域通過フィルタを選択する。

図 に示すように試験設備を接続し,電源を供給する。サンプリングオシロスコープを用いる場合,

波形が平均化又は平滑化によって劣化していないか確認する。また,可能ならばサンプリングループ

ゲインを適切に調整する。オシロスコープの水平画面は,0.2毎目盛にセットし(は 3.1.3 で定義し

ている。

,オシロスコープの時間軸を 10 目盛に表示する。試験設備に十分な暖機時間を与える。

d)

推奨動作条件の一部として,すべての入力端子には,公称のビットレートの信号で,実際の動作信号

を代表するスペクトラムの内容をもつパターンを入力する。通常,PRBS を用いる(最長ワード長は,

2

23

−1)

e)

光/電気変換器の入力パワーが製造業者が指定するパワーレベルになるように,光減衰器で調整する。

f)

光ファイバコードを光/電気変換器の入力コネクタに接続する。

g)

垂直表示範囲のおよそ半分に波形を表示するように,オシロスコープの垂直位置及び感度を調整する。

この時点では,データとパターンとの同期を取る必要はない。

h)

オシロスコープの同期をとる。波形が安定するように,トリガ・レベルを調節する。

附属書 に示す

同期技術を参照する。

i)

オシロスコープの垂直及び水平調整つまみを調節し,アイパターンを表示する。


8

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

   

j)

測定後の解析のために,表示した波形を写真,画像又は記録媒体で保存する。記録しない場合は,各

パラメータを測定ごとに記録する。

k)

接続を外す,又は光減衰器を使用し,光/電気変換器への光信号の入力を遮断する。

l)

無入力状態のオシロスコープの出力レベル  (b

dark

)  を決定するために,オシロスコープの垂直方向を調

整し,b

dark

を記録する。

m)

光減衰器の設定を 5.2 e)  の状態に戻す。

n)

図 に示すように,垂直方向のレベルをオシロスコープのヒストグラム機能で読み取る。ヒストグラ

ムの時間範囲は,mT とする。特に規定がなければ,は 0.2 で,アイパターンの中心とする。

o)

光出力の論理 1 (b

1

)  レベルに対応する電圧のヒストグラムで示す平均値を読む。

p)

光出力の論理 0 (b

0

)  レベルに対応する電圧のヒストグラムで示す平均値を読む。

計算 

6.1 

方法 1:基礎的な波形測定の定義 

光波形の各パラメータを,

図 に示す。光波形の各パラメータの定義及び計算式を,次に示す。また,

代表的な波形測定の例を

図 及び図 に示し,図 及び図 から読取り及び/又は計算できる代表的なパ

ラメータ並びに測定機器の設定値を,

表 及び表 に示す。

b

dark

オシロスコープに入力がないときの電圧。

b

0

公称論理 0 レベルの光パワーに対応する電圧。

オシロスコープがヒストグラム機能をもつ場合,電圧ヒストグラムを使用してこの値を決定

してもよい。NRZ フォーマットでは,フィルタリングされた光アイパターン(4 次のベッセル・

トムソン形フィルタ,0.75/帯域幅)のビット中央でビット周期の 20  %で測定した論理 0 の

ヒストグラム電圧の平均値を論理 0 レベルとする。標準受信器を積算器として使用する場合,

ビット周期の 20  %の範囲のヒストグラムの平均値からビット当たりのエネルギーを計算でき

る。ヒストグラムのサンプル数は,波形上の雑音による不確実性を無視できるほど十分に多く

なければならない。

RZ フォーマットでは,フィルタリングされた光アイパターン[4 次のベッセル・トムソン形

フィルタ,m/帯域幅(は未定)

]の論理 1 ピークのビット中央でビット周期の 5  %にわた

り測定した論理 0 のヒストグラム電圧の平均値を論理 0 レベルとする。

b

1

公称論理 1 レベルの光パワーに対応する電圧。

オシロスコープがヒストグラム機能をもつ場合,電圧ヒストグラムを使用してこの値を決定

してもよい。NRZ フォーマットでは,フィルタリングされた光アイパターン(4 次のベッセル・

トムソン形フィルタ,0.75/帯域幅)のビット中央でビット周期の 20  %で測定した論理 1 の

ヒストグラム電圧の平均値を論理 1 レベルとする。ヒストグラムのサンプル数は,波形上の雑

音による不確実性を無視できるほど十分に多くなければならない。b

1

は b

0

より大きいと仮定す

ることに注意する。

RZ フォーマットでは,フィルタリングされた光アイパターン[4 次のベッセル・トムソン形

フィルタ,m/帯域幅(は未定)

]の論理 1 ピークのビット中央でビット周期の 5  %にわた

り測定した論理 1 のヒストグラム電圧の平均値を論理 1 レベルとする。使用するビット周期の

パーセンテージは,受信帯域幅に応じて変えてもよい。

(b

1

b

0

):公称の論理 1 レベルと公称の論理 0 レベルとの電圧差。


9

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

これは光変調振幅 (OMA: Optical Modulation Amplitude) と呼ばれることもある。OMA はアイ

パターンではなく,1111100000 のパターンで測定する場合もある。

消光比:論理 1 パルスの光エネルギー(1 ビットの中央部)の公称論理 0 の光エネルギー(1 ビットの中

央部)に対する比。

NRZ 及び RZ 符合の消光比は,フィルタリングしたフルラインレートの光アイパターン(4

次のベッセル・トムソン形フィルタ,m/帯域幅。は,NRZ の場合は 0.75。RZ の場合は今

後定義される予定である。

)の測定及び比率計算によって定義する。

dark

0

dark

1

b

b

b

b

コントラスト比(RZ 信号)

:オン状態の論理 1 の信号振幅のゼロ復帰したオフ状態の論理 1 の信号振幅

に対する比。

dark

off

1

dark

on

1

b

b

b

b

論理 1 のオフ振幅は,先行又は後続の論理 0 を含む論理 1 データで構成する。論理 1 のオフ

振幅の測定での論理 0 信号の影響を減らすように注意しなければならない。

上昇時間:光パルスが,20  %から 80  %へ,又は b

0

+0.2 (b

1

b

0

)  から b

0

+0.8 (b

1

b

0

)  へ上昇するのに

必要な時間。

一般的に,光波形のノイズのため,10  %及び 90  %のレベルを十分な精度で分析することは

難しい。したがって,20  %から 80  %への上昇時間で定義する。10  %から 90  %への値が必要

な場合,それらの値を直接測定するか,又は 20  %から 80  %への測定値に補正係数を乗じて求

める。4 次のベッセル・トムソン形フィルタの応答を仮定した場合,20  %から 80  %への上昇

時間に対する 10  %から 90  %への上昇時間の補正係数は 1.25 とする。上昇時間は,通常,低

域通過ベッセル・トムソン形フィルタを用いずに測定する。フィルタを用いる場合,測定する

上昇時間は実際の信号の上昇時間より遅くなることがある。

下降時間:光パルスが,80  %から 20  %へ,又は b

0

+0.8 (b

1

b

0

)  から b

0

+0.2 (b

1

b

0

)  へ下降するのに

必要な時間。

90  %から 10  %への値が必要な場合は,上昇時間の説明を参照する。

パルス幅:光パルスが最初に b

0

+0.5 (b

1

b

0

)  を横切る上昇端から最初に b

0

+0.5 (b

1

b

0

)  を横切る下降

端までの時間として定義する,論理 1 パルスの 50  %レベル幅。

デューティサイクルひずみ:NRZ 符号だけに適用する,理想パルス幅からのパルス幅の偏差。次のよう

にパーセンテージで表す。

100

w

c

T

P

T

D

=

ここで,

D

c

デューティサイクルひずみ  (%)

データ信号のビット間隔 (s)(3.1.3 参照)


10

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

   

P

w

パルス幅 (s)

ジッタ:光波形の上昇端又は下降端が,b

0

K (b

1

b

0

)  を横切るときの時間変化量。

K

は 0.2∼0.8 の定数とする。理想的には,の値は 0.5 で,その結果ジッタは,50  %レベル

で測定する。しかし,NRZ のアイパターンの上昇端及び下降端はしばしば 50  %レベルで重な

るため,測定が困難となる。ジッタの絶対値はしきい値の選択に比較的影響を受けない。上昇

端のジッタは下降端のジッタと同一ではないことがよくあることに注意する。

NRZ の光アイパターンでは,上昇端及び下降端のヒストグラムが交差する所で,ジッタを測

定できる。これは,論理 0 ビット及び論理 1 ビットの移り変わりの全ジッタと,ジッタによっ

て引き起こされた光アイパターンの閉鎖効果に対し,有効な評価である。光アイパターンがク

ロスする垂直位置に薄いヒストグラムを置くことで測定できる。ヒストグラムの統計,例えば

全幅及び標準偏差は,ジッタの量を計るために使用することができる。

RZ の光アイパターンでは,上昇端及び下降端は交差しない。ジッタ測定は上昇端又は下降

端で,振幅の 50  %のところで行う。総計測定は,上昇端及び下降端の両方にヒストグラムを

使用したジッタ測定を組み合わせることによって行える。ジッタは,水平(時間)方向の光ア

イパターンの閉鎖の評価なので,上昇端ジッタヒストグラムの右半分に下降端ジッタヒストグ

ラムの左半分を加えると,NRZ の交差点でのジッタ測定とおおよそ同等になる。

論理 1 パルスのオーバシュート:NRZ 波形で,0 から 1 への遷移後の b

1

を超える光パワーに対応する電

圧。

RZ 波形では,オーバシュートは 1 から 0 への遷移及び 1 から 1 への遷移の両方に生じ,1 か

ら 0 への遷移又は 1 から 1 への遷移後の b

0

b

dark

より大きい)より低い光パワーに対応する電

圧とする。

論理 1 パルスのオーバシュートは,光源の過渡応答特性によって起きる波形異常による。

論理 0 パルスのオーバシュート:NRZ 波形の 1 から 0 への遷移後の b

0

b

dark

より大きい)より低い光パ

ワーに対応する電圧。

論理 1 パルスのアンダーシュート:NRZ の波形で,0 から 1 への遷移に伴うオーバシュート後に発生す

ることがある,b

1

より低い光パワーに対応する電圧。

論理 0 パルスのアンダーシュート:NRZ 及び RZ の波形で,1 から 0 への遷移に伴うオーバシュート後

に発生することがある,b

0

を超える光パワーに対応する電圧。

リンギング周波数:論理 1 パルスのオーバシュート及びアンダーシュートに関連した固有周波数。リン

ギング周波数は,オーバシュート及びアンダーシュートのピークがリンギング周波数の 1/2 周

期の時間で分離されていると仮定して計算してもよい。


11

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

図 3aNRZ アイパターンパラメータの説明図 

図 3bRZ アイパターンパラメータの説明図 

図 3NRZ 及び RZ アイパターンパラメータの説明図 

ビット間隔  (T)

論理 1 のアンダーシュート

論理 1 のオーバシュート

上昇時間

下降時間

リンギング周波数

の 1/2 周期

パルス幅

論理 0 のオーバシュート

論理 0 のアンダーシュート

ジッタ

公称論理 0 のエネルギー

論理 1 パルスのエネルギー

下降端ジッタ

    上昇端

  ジッタ

下降時間

上昇時間

パルス幅

b

1

80  %

50  %

20  %

b

dark

b

0

b

1

50  %

b

dark

b

0

b

1

b

1

b

dark

b

0

b

dark

b

0

ビット間隔 (T)

50  %

50  %

80  %

20  %

b

1on

b

0

b

1off


12

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

   

6.2 

方法 2:ヒストグラム機能を用いた消光比計算方法 

6.2.1 

NRZ 符号及び RZ 符号の消光比は,次の式で計算できる。

dark

0

dark

1

10

log

10

r

b

b

b

b

E

=

ここで,

E

r: 消光比 (dB)

6.3 

アイマスクを用いたアイパターン分析 

多くの通信規格は,アイマスクによって送信器出力波形の許容形状を定義する。アイマスクは一般にア

イパターンの上,下及び内部に配置する 3 個の多角形で構成する。

図 4

に示すマスクの形状は,一般に個

別の通信規格で定義する。アイパターンへのアイマスクの位置合わせを,次に示す。

アイマスクの形状は,アイパターンの左側及び右側のクロスポイントが,それぞれ時間軸上の 0 及び 1

に対応する一般的な座標系を用いて定義する。振幅軸上の 0 は,アイパターンの論理 0 レベルで定義する。

振幅軸上の 1 は,アイパターンの論理 1 レベルで定義する。通信規格で異なる定義をしない限り 0 及び 1

の振幅レベルは,

6.1

b

0

及び

b

1

による。

アイマスク試験は,一般的にデジタルオシロスコープを用いて行う。結果は,サンプリングしたデータ

の母集団によって決まる。デジタル化した波形は,一定のサンプル数で構成する。アイマスク試験をする

ときには,波形の数よりも,十分なアイパターン評価をするのに必要なサンプル数を考慮することが望ま

しい。

異なるオシロスコープを用いると波形を形成するサンプル数は変化するが,サンプル数を指定すること

によって,同等の結果をもたらす。適切な母集団として必要なサンプル数は,通信規格に規定することが

望ましい。サンプル数を増加することによって,より正確な信号の評価が可能になるが,一方で信号及び

測定機器の雑音及びジッタを含むランダムな要素によって,アイマスク試験に適合しない可能性が増加す

る。一般的なサンプル数は,100 000∼1 000 000 である。

マスクマージンを用いることによって,

アイマスク試験にどのくらいの余裕度があるかを定量化できる。

正のマスクマージンは公称マスクの拡張であり,負のマージンは公称マスクの縮小による。マスクマージ

ンは,通常,一般座標系内で多角形のアイマスクを等比的に拡張したものによる。0  %の拡張は,公称マ

スク形状のことであり,100  %のマスク拡張は,一般的な座標系で,0 及び 1 のレベルまで拡張したマス

クのことである。通信規格は,公称マスクの設計時に,複雑なマスク形状に対する定量的なマージンを付

加することが望ましい。これらのマスクマージンを決める詳細方法は,この規格の適用範囲外とする。


13

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

図 4

0.75/T

の低域通過フィルタを用いたアイパターン測定例 

図 5

3.0/T

の低域通過フィルタを用いたアイパターン測定例 

図 6

中央 20 

領域から収集した垂直方向のヒストグラムデータ付アイパターン 

ヒストグラム計測領域

(ビット周期の 20  %)

b

1

b

dark

b

0


14

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

   

試験結果 

7.1 

必要な情報 

試験報告書には,次の項目を記載しなければならない。

a) 

日付,試験の表題及び試験手順番号

b) 

サンプルの識別情報(端末機器及び送信器の識別情報)

c) 

温度及び湿度の基準点

d) 

試験の結果

7.2 

有益な情報 

試験報告書には,次の項目を記載することが望ましい。

a) 

用いた試験機器の識別情報,測定精度の見積り及び試験機器の最新の校正日

b) 

試験者の名前

7.3 

具体的な情報 

個別の製品規格には,次の項目を記載しなければならない。

a) 

試験手順

b) 

合否の判断基準

c) 

必要があれば,他の要求事項

表 2

図 から読取り及び/又は計算できる代表的なパラメータ並びに測定機器の設定値 

光信号 

光信号のビットレート 622

Mbit/s

ビット間隔  (T) 1.61 ns

符号 NRZ

入力パワーレベル

−10 dBm

波長 1

5

nm

測定機器 

光/電気変換器の変換効率 247

V/W

光/電気変換器の帯域 3

GHz

フィルタのタイプ

4 次ベッセル・トムソン形フィルタ

フィルタの帯域幅

467 MHz (0.75/T)

オシロスコープの帯域幅 20

GHz

同期信号源

送信器ユニットのクロック

表示 

水平軸のスケール

1 目盛  200 ps

垂直軸のスケール

1 目盛  35 μW

表示持続時間 10

s

アイパターンマスク(多角形)

ITU-T G.957 

測定結果 

b

dark

の値

−0.5 μW

b

0

の値 10.1

μW

b

1

の値 197.4

μW

マスク判定

合格

計算結果 

消光比 12.7

dB(又は 18.7 W/W)


15

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

表 3

図 から読取り及び/又は計算できる代表的なパラメータ並びに測定機器の設定値 

光信号 

光信号のビットレート 622

Mbit/s

ビット間隔  (T) 1.61 ns

符号 NRZ

入力パワーレベル

−3 dBm

波長 1

5

nm

測定機器 

光/電気変換器の変換効率 35

V/W

光/電気変換器の帯域 20

GHz

フィルタのタイプ

4 次ベッセル・トムソン形フィルタ

フィルタの帯域幅

1 866 MHz (3.0/T)

オシロスコープの帯域幅 20

GHz

同期信号源

送信器ユニットからのクロック

表示 

水平軸のスケール

1 目盛  250 ps

垂直軸のスケール

1 目盛  200 μW

表示持続時間 10

s

アイパターンマスク(多角形)

ITU-T G.957 

測定及び計算結果 

b

dark

の値

−2.6 μW

b

0

の値 23

μW

b

1

の値 1.16

μW

消光比 16. dB

上昇時間 94

ps

下降時間 172 ps

パルス幅 1.55 ns

デューティサイクルひずみ

約 4  %

ジッタ(クロスポイント) 8.6

ps

論理 1 のパルスのオーバシュート

約 6  %


16

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

   

附属書 A

(参考)

オシロスコープ同期システム

序文 

この附属書は,オシロスコープ同期システムについて記載するものであって,規定の一部ではない。

A.1 

オシロスコープ同期システム 

正確な光アイパターン測定にとって安定した同期信号は不可欠である。この同期信号は,光インタフェ

ース点には存在しないので,光波形自身から信号を抽出しなければならない。光波形から安定した同期信

号を得る方法を,この附属書に記載する。

オシロスコープ同期システムの構成を,

図 A.1

に示す。機器の詳細説明を,

A.2

A.8

に記載する。

 (A)

:可変電気減衰器

 (B)

:同期信号増幅器

 (C)

:20 dB 抵抗形信号抽出器

 (D)

:ダブルバランスミキサ

 (E)

:遅延線

 (F)

:シンセサイザ

 (G)

:電圧計

 R

“高周波数 (RF)”入力

 L

“局部発信器”入力

 I

“中間周波数”出力

図 A.1

オシロスコープ同期システム 

抵抗形信号分岐器から出力

される検出された光波形

可変電気減衰器

オシロスコープ

同期信号

(A)

(G)

抵抗形信号抽出器

ダブルバランスミキサ

抵抗形信号抽出器

パルスエッジ検出器

(C)

(F)

(C)

位相同期信号発生器

(B)

増幅器

(E)

T/2

遅延線

(D)

R I

L

ダブルバランスミキサ

(D)

R

I

L

電圧計

シンセサイザ

FM 入力

HF 出力


17

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

A.2 

可変電気減衰器[図 A.1 の記号(A) 

光/電気変換器からの信号は,供給される光信号のレベルに依存して広い範囲にわたって変化する。オ

シロスコープにとってこのことは問題にならないが,同期システムは正確な動作のためにある程度一定の

入力レベルを必要とする。このシステムにとって,減衰量の最小ステップは 1 dB で十分である。

A.3 

同期信号増幅器[図 A.1 の記号(B) 

図 A.1

に示されるオシロスコープ同期システムは,データ信号を振幅約 1 V まで増幅しなければならな

い。増幅器に必要な利得は,明らかに供給される光のレベル,光/電気変換器の変換効率及び可変減衰器

の設定に依存する。−7 dBm の光信号入力レベル及び 250 V/W の光/電気変換器の変換効率とすると,最

低限 20 dB の利得が必要である。光信号のレベルがわずか−20 dBm(このタイプの測定系にとって,この

値はほぼ最低の値に相当する。

)のとき,約 46 dB の利得が必要である。46 dB の増幅器は,すべてのアプ

リケーションで使用できる。増幅器のオーバロードを防止するために,必要に応じて可変電気減衰器で調

整しなければならない。推奨する仕様を,次に示す。

−  利得 20

dB∼46 dB(上記参照)

−  低域遮断  (−3 dB)  周波数 1/(100

T

) Hz 以下

T

はデータ信号のビット間隔,単位は秒

−  高域遮断  (−3 dB)  周波数 1/

T

 Hz  以上

−  入力反射減衰量

直流 (DC) ∼4/

T

 Hz で 15 dB 以上

入力反射減衰量規格は,DC∼4/

T

まで広がっている。高い周波数での入力反射減衰量規格は,被測定信

号の主経路への波形反射戻りを防止するために必要である。さらに,DC まで反射減衰量規格を拡張して

いるのは,この位置での負荷が,消光比測定の誤差の原因となるオシロスコープでの波形の DC 変動を引

き起こす可能性があるからによる。反射減衰量規格は,増幅器の余分な利得と可変減衰器との組合せによ

って簡単に満たすことができることに注意しなければならない。

A.4 20 

dB

抵抗形信号抽出器[図 A.1 の記号(C)

2

か所] 

抵抗形信号抽出器は,特性インピーダンス 50 Ω の短い伝送線に接続した抵抗形減衰器である。入力パワ

ーの残りの部分へ反射及び減衰の影響をあまり与えずに,主経路を伝達する信号のわずかな一部分が減衰

器を通して外部出力に結合する。

A.5 

ダブルバランスミキサ[図 A.1 の記号(D)

2

か所] 

2 個のダブルバランスミキサが必要である。推奨仕様を,次に示す。

−  高周波数 (RF) 及び局部発信器 (LO) 端子

低域遮断  (−3 dB)  周波数: 1/(100

T

) Hz 以下,

T

A.3

の定義と同じ。

高域遮断  (−3 dB)  周波数: 1/

T

 Hz 以上

−  中間周波数 (IF) 端子

低域遮断周波数: DC

A.6 

遅延線[図 A.1 の記号(E) 

遅延線は,公称遅延量 2 分の 1 ビット間隔 (0.5

T

)  の適切な長さの同軸ケーブルとする。幾つかのビット

レートに対する一般的な同軸ケーブル(RG-58 ケーブル)の長さの例を,次の表に示す。


18

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

   

ビットレート

Mbit/s

ケーブル長  (±20  %)

m

 155.52 
 622.08 
 2

488.32

0.64 
0.16 
0.04

A.7 DC-FM

(周波数変調)機能付きシンセサイザ[図 A.1 の記号(F) 

オシロスコープ同期システムの心臓部はシンセサイザである。シンセサイザは,検出する光波形と同期

するために,DC(AC 結合ではない。

)まで拡張した周波数変調性能をもたなければならない。理想的に

は,シンセサイザはビットレート (1/

T

)  と等しい周波数を発生する。しかし,

図 A.1

の同期方法は奇数次

低調波(1/

NT

N

は奇数)に対応するので,これは必す(須)ではない。これによって,より安価なシン

セサイザの使用が可能となり,オシロスコープに要求するトリガの帯域幅を緩和できる。重要な仕様を,

次に示す。

−  出力周波数: 1/(

NT

) Hz,ここで,

N

=1, 3  又は 5 で,

T

A.3

の定義と同じ。

−  周波数設定分解能: 10

Hz 以下

− DC-FM 変換範囲: 1

kHz/V∼50 kHz/V

−  出力レベル:

+7 dBm

シンセサイザの FM 帯域幅は,クロック抽出システム全体の応答帯域幅を決める主要因となる。この帯

域幅は,ジッタ測定の精度に影響を与える。トリガ信号がジッタをもつ波形から得られるときには,この

ジッタはトリガ信号にも現れることになる。ジッタは,

“理想的な時間位置からの信号の瞬時的な有意偏

差”であることを考慮しなければならない。オシロスコープでの測定では,すべての時間の情報がトリガ

との相対関係となるため,基本的にトリガ信号が理想的な時間を規定する。ジッタのないクロック信号を

オシロスコープのトリガとして使用した場合,波形の時間的な劣化(ジッタ)がはっきり観測できる。し

かし,トリガ信号がデータから取り出された場合,トリガのジッタはデータのジッタと共通になる。その

結果,測定される信号が本来もつジッタを同相効果によって 0 にする可能性がある。

クロック再生過程は“狭いループ帯域幅の”システムから“広いループ帯域幅の”システムまで構成で

きる。このループ帯域幅内の周波数成分をもつジッタは,トリガ信号に伝達する。狭いループ帯域幅のシ

ステムでは,最も低いジッタ周波数成分だけがトリガ信号に伝達されるので,理想的なジッタのない送信

側のシステムクロックに近づく。ループ帯域外の周波数成分のジッタは正確に表示される。ループ帯域幅

が広い場合,より多くのジッタ周波数成分が抽出されたトリガに伝達し,その結果表示される波形のジッ

タを大幅に低減してしまう。

ほとんどの場合は,データ信号のジッタをより完全に表示できるように狭いループ帯域幅を選択する。

しかし,低い周波数のジッタは信号の重大な劣化になると考えられないため,表示される波形から低い周

波数のジッタを除去するために意図的に広いループ帯域幅を選ぶ試験構成もある。

A.8 

電圧計[図 A.1 の記号(G) 

図 A.1

の(D),(F)及び(C)から構成する位相同期信号発生器の適正な動作を確認するため,0.1 mV の分解

能をもった電圧計を使用する。

光アイパターン測定における同期システムの操作の手順を,次に示す。

a) 

同期信号増幅器の出力が,ピークからピークで 0.8 V∼1.2 V になるように,可変電気減衰器を調整す


19

C 61280-2-2

:2010 (IEC 61280-2-2:2005)

る。

b) 

シンセサイザが非ロック状態(つまり,DC-FM が停止状態)のときの電圧計の電圧表示を測定する。

c) 

シンセサイザを外部 DC-FM モードに設定し,FM 変換利得を 50 kHz/V に設定する。

d) 

オシロスコープの表示を観察しながら,位相同期状態となるまでシンセサイザの中心周波数を調整す

る。

e) b)

で測定した電圧±1 mV(直流)となるまで,中心周波数を調整する。

f) 

位相同期状態を維持したまま,

b) 

で測定した電圧から±1 mV(直流)以上電圧が変化するまで,FM

変換利得を減少する。

g) 

位相同期状態を維持したまま,FM 変換利得がそれ以上減少できなくなるまで,

e) 

及び

f)

  を交互に繰

り返す。そして,FM 変換利得をこの値の 10 倍に増加させ,この設定を保持する(この手順は,オシ

ロスコープに表示される高い周波数のジッタの量を減少させることなく,低い周波数でのドリフトは

ループによって追従できるような位相同期ループの帯域幅を提供する。)。

参考文献  JIS C 61281-1

光ファイバ通信サブシステム通則

注記

  対応国際規格:

IEC 61281-1

:1999, Fibre optic communication subsystems−Part 1: Generic

specification(IDT)

IEC 60825-1

:1993,Safety of laser products−Part 1: Equipment classification, requirements and user’s

guide

IEC/TR 61282-1

:2000,Fibre optic communication system design guides−Part 1: Single-mode digital

and analogue systems

ITU-T Recommendation G.691

:2003,Optical interfaces for single channel STM-64 and other SDH

systems with optical amplifiers

TIA-526-4-A

:1997,OFSTP-4 Optical eye pattern measurement procedure

EIA/TIA-559

:1992,Single-mode fiber optic system transmission design