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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

2

3

  用語及び定義  

2

4

  一般事項  

3

5

  試験レベル  

3

6

  試験装置  

4

6.1

  一般事項  

4

6.2

  試験用電源  

4

6.3

  誘導コイル  

5

6.4

  試験用及び補助測定器  

7

7

  試験セットアップ  

7

7.1

  試験セットアップ構成品  

7

7.2

  床置形機器のための RGP  

7

7.3

  EUT  

8

7.4

  試験用電源  

8

7.5

  誘導コイル  

8

8

  試験手順  

8

8.1

  一般事項  

8

8.2

  試験室の基準条件  

8

8.3

  試験の実施  

9

9

  試験結果の評価  

9

10

  試験報告書  

10

附属書 A(規定)誘導コイルの校正方法  

14

附属書 B(規定)誘導コイルの特性  

15

附属書 C(参考)試験レベルの選択  

21

附属書 D(参考)電源周波数磁界強度の情報  

23


C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人電気

学会(IEEJ)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS C 61000-4-8:2003 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS C 61000-4

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS C 61000-4-2

  第 4-2 部:試験及び測定技術−静電気放電イミュニティ試験

JIS C 61000-4-3

  第 4-3 部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ試験

JIS C 61000-4-4

  第 4-4 部:試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント/バーストイミュニ

ティ試験

JIS C 61000-4-5

  第 4-5 部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験

JIS C 61000-4-6

  第 4-6 部:試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対する

イミュニティ

JIS C 61000-4-7

  第 4-7 部:試験及び測定技術−電力供給システム及びこれに接続する機器のための

高調波及び次数間高調波の測定方法及び計装に関する指針

JIS C 61000-4-8

  第 4-8 部:試験及び測定技術−電源周波数磁界イミュニティ試験

JIS C 61000-4-11

  第 4-11 部:試験及び測定技術−電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対する

イミュニティ試験

JIS

C

61000-4-14

  第 4 部:試験及び測定技術−第 14 節:電圧変動イミュニティ試験

JIS C 61000-4-16

  第 4 部:試験及び測定技術−第 16 節:直流から 150 kHz までの伝導コモンモード

妨害に対するイミュニティ試験

JIS

C

61000-4-17

  第 4 部:試験及び測定技術−第 17 節:直流入力電源端子におけるリプルに対する

イミュニティ試験

JIS C 61000-4-20

  第 4-20 部:試験及び測定技術−TEM(横方向電磁界)導波管のエミッション及び

イミュニティ試験

JIS C 61000-4-22

  第 4-22 部:試験及び測定技術−全電波無響室(FAR)における放射エミッション

及びイミュニティ試験

JIS C 61000-4-34

  第 4-34 部:試験及び測定技術−1 相当たりの入力電流が 16 A を超える電気機器の

電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験


日本工業規格

JIS

 C

61000-4-8

:2016

(IEC 61000-4-8

:2009

)

電磁両立性−第 4-8 部:試験及び測定技術−

電源周波数磁界イミュニティ試験

Electromagnetic compatibility (EMC)-Part 4-8: Testing and measurement

techniques-Power frequency magnetic field immunity test

序文 

この規格は,2009 年に第 2 版として発行された IEC 61000-4-8 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,次の区域に設置する機器の動作状態における,50 Hz 及び 60 Hz の電源周波数の磁界(以

下,電源周波数磁界という。

)に対するイミュニティ試験について規定する。

−  居住用及び商業用地域

−  工業用施設及び発電所

−  中圧及び高圧変電所

注記 1  この規格では,系統電圧を次のように分類している。

低圧(LV)

:1 kV 以下の電圧

中圧(MV)

:1 kV を超え,35 kV 以下の電圧

高圧(HV)

:35 kV を超え,230 kV 以下の電圧

超高圧(EHV)

:230 kV を超える電圧

それぞれの区域に設置する機器に対するこの規格の適用の可否については,箇条 に規定するとおり,

磁界の存在によって決定する。

この規格では,施設されたケーブル又はその他の部分における,容量性又は誘導性結合による妨害は,

考慮していない。これらの妨害は,伝導妨害を扱う他の規格で規定している。

この規格の目的は,電源周波数の磁界(連続及び短時間磁界)の影響を受けた場合の,居住用,商業用

及び工業用の電気・電子機器の性能を評価するための,共通性及び再現性がある試験の基本事項を確立す

ることである。

この規格では,次の事項を規定する。

−  試験レベル

−  試験装置

−  試験セットアップ

−  試験手順

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。


2

C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

IEC 61000-4-8:2009

,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-8: Testing and measurement

techniques−Power frequency magnetic field immunity test(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 60050-161

  EMC に関する IEV 用語

注記  対 応 国 際 規 格 : IEC 60050-161 , International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 161:

Electromagnetic compatibility(IDT)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 60050-161 によるほか,次による。

3.1 

総合電流ひずみ率(current distortion factor)

基本波電流の実効値に対する,交流電流の高調波成分の実効値の比。

3.2 

EUT

(equipment under test)

供試機器。

3.3 

誘導コイル(inductive coil)

規定する電流を流す形状及び寸法をもつ導体ループで,その平面及び囲まれた領域中に規定する一定の

磁界を発生するもの。

3.4 

誘導コイル係数(inductive coil factor)

規定する寸法の誘導コイルによって生じる,EUT がない状態でコイル平面の中心で測定する磁界強度と,

対応する電流値との比率。

3.5 

浸せき法(immersion method)

誘導コイルの中心に EUT を置き,EUT に磁界を印加する方法(

図 参照)。

3.6 

近接法(proximity method)

特に感度が高い部分を検出するために EUT の側面に沿って小さな誘導コイルを移動させ,EUT に磁界

を印加する方法(

図 参照)。

3.7 

基準グラウンド面,RGP(reference ground plane)

電位を,電源及び附属機器に対する共通の基準として用いる平らな導電性表面(RGP は,

図 にあるよ

うに,誘導コイルのループ閉路の一部として用いることができる。

JIS C 60050-161 の 161-04-36 修正)


3

C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

3.8 

減結合回路網(decoupling network,back filter)

磁界イミュニティ試験に供されない別の機器との相互の影響を避けるための電気回路。

一般事項 

機器が磁界にさらされた場合,機器及びシステムの確実な動作が影響を受ける可能性がある。

この規格で規定する試験は,特定の場所,及び機器の設置条件によって機器が電源周波数磁界にさらさ

れるとき(例えば,妨害発生源への近接)の,機器のイミュニティを検証することを目的とする。

電源周波数磁界は,導体の電源周波数電流,又はまれに機器に接近する他の装置によって発生する(例

えば,変圧器からの漏れ磁束)

近接導体の影響に関しては,次の事項との違いを明確にしておくことが望ましい。

−  比較的小さい定常磁界を生じる通常動作状態における電流。

−  保護装置が動作するまで(ヒューズで数ミリ秒,保護継電器については数秒)の短時間ではあるが比

較的大きい磁界を生じることがある事故状態における電流。

連続磁界での試験は,公共若しくは工業用低圧配電系統用,又は電気プラント用の全てのタイプの機器

に適用することができる。

事故電流による短時間磁界での試験は,連続状態とは異なる試験レベルが必要である。

最高値は,主に電気プラントの磁気的に露出した場所に設置する機器に適用する。

試験磁界波形は,電源周波数の波形とする。

多くの場合(定常状態における家庭用区域,変電所及び発電所)

,高調波によって生じる磁界は無視して

よい。

試験レベル 

50 Hz 及び 60 Hz の配電系統に適用する,連続磁界及び 1 秒∼3 秒の短時間磁界のそれぞれに対する試験

レベルの推奨範囲を

表 及び表 に示す。

磁界強度は,アンペア毎メートル(A/m)で表す。1 A/m の磁界は,自由空間では 1.26 μT の磁束密度に

相当する。

表 1−連続磁界に対する試験レベル 

レベル

磁界強度

A/m

1

1

2

3

3

10

4

30

5

100

x

a)

特別

a)

  “x”は,他のレベルよりも大きい若しくは小さい,

又は他のレベルの間のいかなる磁界強度も指定で
きる。この磁界強度は,製品仕様の中で指定できる。


4

C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

表 2−短時間磁界に対する試験レベル 

レベル

磁界強度

A/m

1

n.a.

b)

2

n.a.

b)

3

n.a.

b)

4

300

5

1 000

x

a)

特別

a)

  “x”は,他のレベルより大きい若しくは小さい,

又は他のレベルの間のいかなる磁界強度も指定で

きる。この磁界強度は,試験時間を含め,製品仕様

の中で指定できる。

b)

  “n.a.”は,磁界強度を規定しない。

試験レベルの選択に関する情報を

附属書 に示す。

実際の磁界強度に関する情報を

附属書 に示す。

試験装置 

6.1 

一般事項 

試験磁界は,誘導コイルを流れる電流から得られる。EUT を試験磁界にさらす場合は,浸せき法による。

浸せき法の適用例を

図 に示す。

図 に示すように,試験装置は,電流源(試験用電源),誘導コイル及び補助測定器を含む。

6.2 

試験用電源 

6.2.1 

電流源 

一般に,電流源は,電圧調整器(電力系統又は他の電源に接続)

,電流変成器,及び短時間モード用の制

御回路からなる。試験用電源は,連続モード又は短時間モードで動作できなければならない。

電流変成器と誘導コイルとの間の接続は,接続部を流れる電流によって発生した磁界が試験磁界の強度

に影響を及ぼさないように,できる限り短くし,できれば,より合わせておくことが望ましい。

基準としている各種磁界及び各種誘導コイルに対する電流源,又は試験用電源の特性及び性能は,6.2.2

による。

6.2.2 

各種誘導コイルに対する試験用電源の特性及び性能 

各種誘導コイルに対する試験用電源の特性及び性能は,

表 による。


5

C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

表 3−各種誘導コイルに対する試験用電源の仕様 

仕様の項目

標準正方形コイル

1 m×1 m  1 ターン

標準長方形コイル

1 m×2.6 m  1 ターン

標準以外の誘導コイル

連続モード動作の出力電流
範囲

1 A∼120 A

1 A∼160 A

表 に示す磁界強度

短時間モード動作の出力電

流範囲

320 A∼1 200 A

500 A∼1 600 A

表 に示す磁界強度

出力電流又は磁界の波形

正弦波

正弦波

正弦波

出力電流の総合電流ひずみ

8 %以下

8 %以下

8 %以下

連続モード

最大 8 時間

最大 8 時間

最大 8 時間

短時間モード

1 秒∼3 秒

1 秒∼3 秒

1 秒∼3 秒

電流変成器の出力

非接地

非接地

非接地

電源の回路図を

図 に示す。

6.2.3 

試験用電源の特性の検証 

各種試験用電源における結果を比較するために,標準誘導コイルの電流をパラメータとした場合の主要

特性を検証する。

検証する特性は,次による。

−  標準誘導コイルの電流値

−  標準以外の誘導コイル内の磁界強度

−  誘導コイル内の総合電流ひずみ率

標準誘導コイルに対する検証は,精度が±2 %よりもよい電流プローブ及び測定装置で行う。検証時の

セットアップを,

図 に示す。

標準以外の誘導コイルに対する検証は,磁界強度計を用い,±1 dB よりもよい精度で行うことが望まし

い。

検証時の設定値は,

表 による。

表 4−各種誘導コイルに対する検証パラメータ 

表 のレベル

1 m×1 m  標準コイルに

対する電流値

A

1 m×2.6 m  標準コイルに

対する電流値

A

標準以外の誘導コイルに

対する中心の磁界強度

A/m

1

1.15

1.51

1

2

3.45

4.54

3

3

11.5

15.15

10

4

34.48

45.45

30

5

114.95

151.5

100

6.3 

誘導コイル 

6.3.1 

磁界分布 

1 m×1 m 及び 1 m×2.6 m の二つの 1 ターン標準誘導コイルに関する磁界分布は,既に知られており,

附属書 による。したがって,磁界の検証及び校正は不要であり,図 に示す電流測定で十分である。


6

C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

小さい試験電流で試験をするために,複数ターンのような他の誘導コイルを用いてもよい。また,EUT

が二つの標準誘導コイルに適合しない場合は,別の寸法の誘導コイルを用いてもよい。そのような場合,

磁界分布を検証し,±3 dB 以内であることを確認する。

6.3.2 1 

m

×1 m 及び 1 m×2.6 m の標準誘導コイルの特性 

1 ターンの標準誘導コイルのインダクタンスは,1 m×1 m では約 2.5 μH であり,1 m×2.6 m の標準誘導

コイルでは,約 6 μH である。

誘導コイルは,銅,アルミニウム又は導電性非磁性材でできており,試験中に安定した位置決めができ

るような断面及び機械的構成になっていなければならない。最大 100 A/m まで印加する連続試験では,ア

ルミニウムの断面は,1.5 cm

2

であることが望ましい。また,最大 1 000 A/m まで印加する短時間試験では,

アルミニウムの断面は,4 cm

2

であることが望ましい。

標準誘導コイルの許容公差は,導体断面の中心同士を結んだ線において,±1 cm とする。磁界分布に関

する誘導コイルの特性は,

附属書 による。

6.3.3 

卓上形機器及び床置形機器に対する誘導コイルの特性 

卓上形機器及び床置形機器に対する試験の要求事項は,次による。

a) 

卓上形機器のための誘導コイル  小形機器(例えば,コンピュータのモニタ,電力量計,制御用送信

機など)試験用の標準寸法の誘導コイルは,一辺が 1 m の正方形の形状をもつ。この標準正方形コイ

ルの試験領域は,0.6 m×0.6 m×0.5 m(高さ)である。

他の誘導コイルも,3 dB 未満の均一磁界を得るために使用できる。

例えば,3 dB 未満の均一磁界を得るため,又は大形の EUT を試験するために,標準寸法の二つの

誘導コイル(ヘルムホルツコイル)を用いることができる。

誘導コイルは,適切な間隔を保った 2 以上の直列巻線で構成する(

図 7,図 B.4 及び図 B.5 参照)。

間隔が 0.6 m で,均一性が 3 dB の標準寸法の二つの誘導コイルの試験領域は,0.6 m×0.6 m×1 m(高

さ)である(

図 B.4 参照)。

例えば,非均一性が 0.2 dB の誘導コイルは,

図 に示すような寸法及び離隔距離をもつ。

RGP は,誘導コイルの一部として認められず,また,EUT 下の絶縁支持台上に存在してはならない

図 参照)。

b) 

床置形機器のための誘導コイル  床置形機器(例えば,ラックなど)試験用の標準寸法の誘導コイル

は,1 m×2.6 m(高さ)の長方形の形状をもつ。

この標準長方形コイルの試験領域は,0.6 m×0.6 m×2 m(高さ)である。

EUT が 1 m×2.6 m の標準誘導コイルに適さない場合は,製品規格で試験方法を選択することが望ま

しい。つまり,標準的な 1 m×1 m の 1 ターン誘導コイルを用いての近接法(

図 に例を示す。)か,

又は EUT の寸法及び磁界の異なる向きに従った誘導コイルを使用する。

より大きな誘導コイルは,同様の結果を示すが,とても大きな誘導コイルを構築するのは現実的で

ない場合があることに注意する。この場合は,近接法が有効であるが,必ずしも結果を再現できない。

RGP は,図 のように構成する。

注記  大きな寸法の EUT の可能性もあるので,十分な機械的強度をもたせるため,誘導コイルを

“C”又は“T”字形の形状断面で作ってもよい。

6.3.4 

誘導コイル係数の測定 

異なる試験装置から得られた試験結果と比較できるようにするため,誘導コイル係数は,EUT のない自

由空間(A.1 参照)で測定する。


7

C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

1 m×1 m 及び 1 m×2.6 m の二つの 1 ターン標準誘導コイルのための磁界分布が知られており,附属書 B

に示す。したがって,空間の立証及び空間の校正は必要ではなく,

図 に示す電流測定で十分である。

標準以外の誘導コイルについて,次の手順を実行する。

EUT の寸法に対して適切な寸法の誘導コイルを,絶縁支持台を用いて試験室の壁及び全ての磁性材料か

ら 1 m 以上離れた位置に置き,6.2 で規定する試験用電源に接続する。

誘導コイルが作る磁界強度を検証するために,適切な磁界センサを用いる。

磁界センサを EUT を置かずに誘導コイルの中心に置き,磁界の最大値を検出するため,適切なセンサ位

置の微調整を行う。

試験レベルで規定する磁界強度を得るため,誘導コイルの電流を調整する。

測定は,電源周波数で行う。

試験用電源及び誘導コイルを用いて,測定の手順を進める。

上記手順によって,誘導コイル係数を決定及び検証する。

誘導コイル係数によって,誘導コイルの中心で必要な磁界強度を得るために誘導コイルに注入する電流

値が決まる。

磁界強度の校正は,

附属書 による。

6.4 

試験用及び補助測定器 

6.4.1 

試験用測定器 

試験用測定器は,誘導コイルに注入する電流の設定及び測定のための電流計測システムを含む。

注記  他の試験のためのセットアップの一部である,電源,制御線及び信号線の終端ネットワーク,

減結合回路網などは,そのままにしておいてもよい。

電流計測システムとは,校正済みの電流測定器,プローブ又はシャントである。

電流計測システムの精度は,±2 %とする。

6.4.2 

補助測定器 

補助測定器は,EUT の機能的な仕様についての動作及び検証に必要なシミュレータ及びその他の測定器

からなる。

試験セットアップ 

7.1 

試験セットアップ構成品 

試験セットアップは,次の構成品からなる。

− EUT

−  誘導コイル

−  試験用電源

−  床置形機器のための RGP

試験磁界が,試験配置場所の周辺にある試験測定器及び他の感度の高い機器を妨害することがある場合

には,予防措置を講じる。

試験セットアップの例を

図 及び図 に示す。

7.2 

床置形機器のための RGP 

RGP は,試験室内に設置し,床置形機器及び関連の試験機器は,その RGP 上に置き,かつ,それらの

機器の保護接地用端子は,RGP 又は保護接地システムに接続する。

RGP は,最小厚さ 0.25 mm の非磁性金属板(銅又はアルミニウム)とする。他の金属類を用いることも


8

C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

できるが,その場合,最小厚さは,0.65 mm とする。

RGP の最小寸法は,1 m×1 m とする。

最終的な寸法は,床置形機器の寸法による。

RGP は,試験室の保護接地システムに接続する。

7.3 EUT 

EUT は,機能面での要求事項を満たすような配置及び接続とする。床置形機器は,厚さ 0.1 m の絶縁支

持体(例えば,乾木)を挟んで RGP 上に置く(

図 参照)。卓上形機器に対する試験配置を図 に示す。

保護接地用端子があるきょう体は,保護接地用端子を,RGP 又は保護接地システムに接続する。

EUT の電源,入力及び出力回路は,電力供給源並びに制御及び信号源に接続する。 
EUT の製造業者が供給又は推奨するケーブルを用いる。推奨がない場合には,関連信号に適した非遮蔽

ケーブルを用いる。全てのケーブルは,1 m の長さを磁界にさらす。

減結合回路網がある場合は,EUT から 1 m の長さのケーブルで回路に挿入し,RGP に接続する。

通信線(データライン)は,技術仕様又は通信線の適用に関する規格で規定するケーブルで,EUT に接

続する。

7.4 

試験用電源 

試験用電源は,磁界の影響がないようにし,かつ,誘導コイルの近くに配置してはならない。

7.5 

誘導コイル 

6.3.2

に規定する形式の誘導コイルは,EUT を囲むように配置する。EUT は,誘導コイルの 3 dB 試験領

域の内側に配置する。

6.3.3 a)

及び 6.3.3 b)  に従い,各種直交方向での試験に対して,各種の誘導コイルを選択してもよい。

誘導コイルは,6.3.4 に規定する手順と同じ方法で,試験用電源に接続する。

試験のために選択する誘導コイルは,試験計画の中で指定する。

試験手順 

8.1 

一般事項 

試験手順は,次の内容を含まなければならない。

−  試験室の基準条件の確認

− EUT の正常な動作の事前確認

−  試験の実施

−  試験結果の評価

8.2 

試験室の基準条件 

8.2.1 

一般事項 

試験結果に対する環境因子の影響をできるだけ少なくするために,8.2.2 及び 8.2.3 に規定するような気

象及び電磁的基準条件の下で試験を実施する。

8.2.2 

気象条件 

共通規格又は製品規格に規定がない限り,試験室の気象条件は,EUT 及び試験装置の動作に対してそれ

ぞれの製造業者が指定する限度内でなければならない。

EUT 又は試験装置に結露を生じるような高い相対湿度のときは,試験を行ってはならない。

注記  対応国際規格の注記は,IEC の委員会に関する記載のため,この規格では不採用とした。


9

C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

8.2.3 

電磁的条件 

試験室の電磁的条件は,試験結果に影響を及ぼさずに,EUT の正しい動作を保証するようなものでなけ

ればならない。そうでない場合,試験は,遮蔽きょう体内で実施する。

特に,試験室の電源周波数磁界の値は,選択した試験レベルよりも 20 dB 以上低くしなければならない。

8.3 

試験の実施 

人体ばく露に関しての適切な要求事項について,試験所のいかなる人に対しても注意することが望まし

い。人体保護に関する要求事項がない場合,離隔距離は,2 m が望ましい。

試験は,技術仕様に指定するとおりの EUT の性能の確認を含む試験計画に基づいて実施する。

電源,信号及び他の機能的電気量は,各々の定格範囲内で供給する。

実際の動作信号が入手できない場合,それらを模擬してもよい。

EUT の正常な動作の事前確認は,試験磁界を印加する前に実施する。

試験磁界は,7.3 に規定するように,前もって試験配置した EUT に浸せき法によって印加する。

試験レベルは,製品の仕様を超えてはならない。

試験磁界強度及び試験時間は,試験計画で設定した磁界の種類(連続又は短時間磁界)に従い,選択試

験レベルによって決定する。

EUT は,次のとおり試験磁界にさらす。

a) 

卓上形機器  EUT を 6.3.3 a)  に規定した適切な寸法の誘導コイルを用いて,図 に示すように試験磁

界にさらす。

続いて,誘導コイル面を 90°回転させ,EUT を別の向きで試験磁界にさらす。

b) 

床置形機器  EUT は,6.3.3 b)  に規定した適切な寸法の誘導コイルを用いて,試験磁界にさらす。EUT

全体を各直交方向で試験するため,誘導コイルを動かして試験を繰り返す(

図 参照)。

EUT が誘導コイルの 3 dB 試験領域より大きい場合,誘導コイルの短い方の辺の 50 %刻みで誘導コ

イルを異なる位置へ移動して試験を繰り返し,EUT の全体に 3 dB 試験領域を浸せきさせる。

注記  誘導コイルの短い方の辺の 50 %刻みで誘導コイルを移動させるのは,試験磁界の隙間をなく

すためである。

続いて,90°異なる誘導コイル面を用いて,EUT を同じ手順で別の向きの試験磁界にさらす。

試験結果の評価 

試験結果は EUT の機能喪失又は性能低下の観点から,その EUT の製造業者,試験の依頼者又は製品の

製造業者と購入者との間の合意によって,指定する性能レベルと比較して分類する。推奨する分類を次に

示す。

a)

製造業者,依頼者又は購入者が指定する仕様限度内の正常な性能。

b)

妨害がなくなった後に回復する一時的な機能喪失又は性能低下。操作員が介在することなく EUT が正

常な性能に自己復帰する。

c)

操作員が介在する調整が必要な,一時的な機能喪失又は性能低下。

d)

ハードウェア又はソフトウェアの破壊による,修復不可能な機能喪失若しくは性能低下又はデータの

喪失。

製造業者の仕様書には,EUT への影響のうち重要ではないとみなせ,かつ,許容できる影響を指定して

もよい。

この分類は,共通規格,製品規格及び製品群規格の原案作成委員会による性能基準を規定するときの指


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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

針として,又は適切な共通規格,製品規格及び製品群規格が存在しない場合の製造業者と購入者との間の

性能基準の枠組みとして用いてもよい。

10 

試験報告書 

試験報告書は,試験を再現するために必要な全ての情報を含まなければならない。特に次の事項を記録

する。

−  この規格の箇条 で規定する試験計画で指定する項目

− EUT 及び関連機器の識別表示。例えば,商標,製品形式,製造番号。

−  試験装置の識別表示。例えば,商標,製品形式,製造番号。

−  試験を行った特別な環境条件。例えば,遮蔽室の中。

−  試験を行うために必要とする特定の条件。

−  製造業者,依頼者又は購入者が指定した性能レベル

−  共通規格,製品規格又は製品群規格で規定する性能基準

−  妨害の印加中又は印加後に観測した EUT への全ての影響,及びこれらの影響が持続した期間

−  合否の判定に対する根拠(共通規格,製品規格又は製品群規格で規定する,又は製造業者と購入者と

の間で合意された性能基準に基づく。

− EUT の取扱いにおける特定の条件。例えば,適合性を達成するために必要なケーブルの長さ及び形式,

遮蔽又は接地,並びに EUT の動作条件

H

:磁界強度(A/m)

図 1−浸せき法による試験磁界の適用例 


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:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

 Vr

:電圧調整器

 C

:制御回路

 Tc

:電流変成器

図 2−電源周波数磁界に対する試験用電源の回路図の例 

図 3−卓上形機器に対する試験セットアップの例 

図 4−標準誘導コイルの検証 


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:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

 RGP

:基準グラウンド面 C1

:電力供給回路

 A

:保護接地システム C2

:信号回路

 S

:絶縁支持体 L

:通信線

 EUT

:EUT B

:電力供給源へ

 Ic

:誘導コイル D

:信号源,シミュレータへ

 E

:保護接地用端子 G

:試験用電源へ

図 5−床置形機器に対する試験配置の例 

図 6−近接法による磁界に対し影響を受けやすい箇所の調査例 


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a

:コイルの離隔距離(m)

b

:コイルの側辺(m)

I

:電流値(A)

H

:磁界強度(A/m)

H

:1.22×n/b×I

ab/2.5 で,磁界強度の非均質性は±0.2 dB)

n

:各コイルの巻数

図 7−ヘルムホルツコイルの図 


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附属書 A

(規定)

誘導コイルの校正方法

A.1 

磁界の測定 

磁界試験は,自由空間の条件に関連するので EUT を置かずに,かつ,誘導コイル付きで,試験室の壁面

及びいかなる磁性材料からも最低 1 m 離した位置で行う。例外は,床置形機器の試験セットアップのため

の RGP であり,それは,誘導コイルの一部として床に設置する。

磁界の測定は,校正済みセンサ,例えば,ホール素子,又は大きさが試験誘導コイルより少なくとも 1

桁小さい直径の多重巻きループセンサ,及び電源周波数の狭帯域測定器で構成する測定システムで実施し

てもよい。

A.2 

誘導コイルの校正 

校正は,誘導コイルに電源周波数の電流を注入し,標準誘導コイルの場合は電流,及び標準以外の誘導

コイルの場合はセンサを幾何学的中心に置き,磁界を測定することによって実施する。

このセンサの姿勢は,最大値が得られるように適切な方向を選択する。

誘導コイル係数は,注入電流に対する磁界強度の比として各誘導コイルに対して決定する。

交流電流で決定する誘導コイル係数は,誘導コイルの特性因子であるため,電流波形に関連しない。し

たがって,誘導コイル係数は,電源周波数での磁界の評価に適用できる。


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附属書 B

(規定)

誘導コイルの特性

B.1 

全般事項 

この附属書は,イミュニティ試験における磁界の発生に関して適切な様相を検討するものである。

最初の段階で,浸せき法及び近接法を共に検討する。

このような方法の適用限界を理解するために,幾つかの問題を提示する。

B.2

B.4 において,各値の理由を説明する。

B.2 

誘導コイルの要求事項 

誘導コイルの要求事項は,

“EUT の領域内での試験磁界公差は 3 dB”である。この公差は,広い範囲の

領域に対し,均一の磁界を発生させることに実際上,限界があることから,10 dB ステップの強度レベル

によって格付けする試験としては,合理的な技術上の妥協点とみなされている。

この磁界の均一性は,コイル平面に直交する単一方向に限定した要求事項である。異なる方向での磁界

は,誘導コイルを回転することによって継続する試験ステップで得ることができる。

B.3 

誘導コイルの特性 

卓上形機器又は床置形機器の試験に適した異なる寸法の誘導コイルの特性を,次の内容を表す各図に示

す。

−  標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,その平面における特性(

図 B.1 参照)。

−  標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,その平面における 3 dB 領域(

図 B.2 参照)。

−  標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,コイル面の中心に位置してコイル面に直交する面

(コイルの平面に直交した成分)の 3 dB 領域(

図 B.3 参照)。

− 0.6 m 間隔の二つの標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,コイル面の中心に位置してコイ

ル面に直交する面(コイルの平面に直交した成分)の 3 dB 領域(

図 B.4 参照)。

− 0.8 m 間隔の二つの標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,コイル面の中心に位置してコイ

ル面に直交する面(コイルの平面に直交した成分)の 3 dB 領域(

図 B.5 参照)。

−  標準長方形コイル(1 m×2.6 m)で発生する磁界の,その平面における 3 dB 領域(

図 B.6 参照)。

−  標準長方形コイル(1 m×2.6 m)で発生する磁界の,その平面(RGP を誘導コイルの一辺としたもの)

における 3 dB 領域(

図 B.7 参照)。

− RGP をもつ標準長方形コイル(1 m×2.6 m)で発生する磁界の,コイル面の中心に位置してコイル面

に直交する面(コイルの平面に直交した成分)の 3 dB 領域(

図 B.8 参照)。

試験誘導コイルの形状,配置及び寸法を選択するときに,次の諸点を考慮している。

−  誘導コイルの内側及び外側にある 3 dB 領域は,当該誘導コイルの形状及び寸法に関連する。

−  与えられた磁界強度に対して,試験用電源の駆動電流値,電力及びエネルギーは,誘導コイルの寸法

に比例する。


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:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

B.4 

誘導コイルの特徴の要約 

異なる大きさをもつ誘導コイルの磁界分布についてのデータに基づき,かつ,各種クラスの機器に対し

てこの規格で規定する試験方法を採用する観点から,得られた結論を次のように示すことができる。

−  単一の標準正方形コイル,一辺 1 m:試験領域 0.6 m×0.6 m×0.5 m(高さ)

(EUT から誘導コイルま

での最小距離 0.2 m)

−  二つの標準正方形コイル,一辺 1 m,間隔 0.6 m:試験領域 0.6 m×0.6 m×1 m(高さ)

(EUT から誘導

コイルまでの最小距離 0.2 m :誘導コイルの間隔を 0.8 m まで増やすことによって,

試験が可能な EUT

の最大高さは,1.2 m まで拡大する(平均的直交平面の 3 dB 領域を参照)

−  単一の標準長方形コイル,1 m×2.6 m:試験領域 0.6 m×0.6 m×2 m(高さ)

(EUT の水平及び垂直寸

法の各々に対し,EUT から誘導コイルまでの最小距離は,それぞれ 0.2 m 及び 0.3 m)

:誘導コイルを

RGP に接合する場合,面から 0.1 m の距離で十分である。

図 B.1−標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,その平面における特性 


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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

図 B.2−標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,その平面における 3 dB 領域 

図 B.3−標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,コイル面の中心に位置して 

コイル面に直交する面(コイルの平面に直交した成分)の 3 dB 領域 


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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

図 B.40.6 m 間隔の二つの標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,コイル面の中心 

に位置してコイル面に直交する面(コイルの平面に直交した成分)の 3 dB 領域 

図 B.50.8 m 間隔の二つの標準正方形コイル(一辺 1 m)で発生する磁界の,コイル面の中心 

に位置してコイル面に直交する面(コイルの平面に直交した成分)の 3 dB 領域 


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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

図 B.6−標準長方形コイル(1 m×2.6 m)で発生する磁界の,その平面における 3 dB 領域 

図 B.7−標準長方形コイル(1 m×2.6 m)で発生する磁界の,その平面 

RGP を誘導コイルの一辺としたもの)における 3 dB 領域 


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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

図 B.8RGP をもつ標準長方形コイル(1 m×2.6 m)で発生する磁界の, 

コイル面の中心に位置してコイル面に直交する面(コイルの平面に直交した成分)の 3 dB 領域 


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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

附属書 C 
(参考)

試験レベルの選択

試験レベルは,最も現実的な設置及び環境の条件に従って選択しなければならない。これらのレベルに

ついては,箇条 に規定している。

機器を動作させる環境に対する性能レベルを確立するため,イミュニティ試験は,各レベルに関連付け

られる。電源周波数の磁界強度の調査結果を,

附属書 に示す。

試験レベルは,次に従って選択する。

−  電磁環境

−  当該機器に対する妨害源の近接度合い

−  両立性マージン

一般的な現実の施設に基づいて,磁界試験のための試験レベルに関する選択の指針を次に示す。

クラス 1:影響を受けやすい電子ビームを利用する機器が使用できる環境レベル 

CRT モニタ,電子顕微鏡などはこのような装置の典型である。

クラス 2:十分に保護された環境 

この環境は,次の状況を特徴とする。

−  漏れ磁束を発生する可能性のある電源変圧器のような電気機器がない

−  高圧母線の影響を受けない区域

保護接地導体,工業用施設の区域及び高圧変電所から遠く離れた家庭,事務所及び病院の保護区域は,

この環境の典型である。

クラス 3:保護された環境 

この環境は,次の状況を特徴とする。

−  漏れ磁束又は磁界を発生する可能性のある電気機器及びケーブルがある

−  保護接地導体の近傍

−  当該機器から遠く離れた(数百メートル)中圧回路及び高圧母線

商業区域,管理棟,軽工業プラント区域,及び高圧変電所のコンピュータ室は,この環境の典型である。

クラス 4:典型的工業環境 

この環境は,次の状況を特徴とする。

−  母線のような短い電力線

−  漏れ磁束を発生する可能性のある大電力の電気機器の近傍

−  当該機器から相対距離(数十メートル)離れた中圧回路及び高圧母線

−  保護接地導体

重工業プラント,発電所及び高圧変電所の制御室は,この環境の典型である。

クラス 5:厳しい工業環境 

この環境は,次の状況を特徴とする。

−  数十キロアンペアを通電する導線,母線又は中圧線,高圧線

−  保護接地導体


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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

−  中圧及び高圧母線の近傍

−  大電力の電気機器の近傍

重工業プラント,中圧変電所,高圧変電所及び発電所の開閉所の区域は,この環境の典型である。

クラス X:特別環境 

機器の回路,ケーブル,電線など妨害源からの電磁的な分離の大小及び設備の品質によっては,上記の

レベルより更に高い,又は低い環境レベルの使用が必要になる場合がある。

より高レベルな機器の電線が厳しさの低い環境を貫通する場合があることに留意することが望ましい。


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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

附属書 D 
(参考)

電源周波数磁界強度の情報

磁界強度に関するデータを,次に示す。データは,あらゆる状況を網羅するものではないが,異なる場

所及び/又は状況で予期される磁界強度に関する情報を提供できるものである。製品規格原案作成委員会

は,各規定の適用に厳密に関連する試験レベルの選択において,それらを考慮できる。

データは,入手可能な文献及び/又は測定に限定している。

a) 

家庭用機器  25 種類の約 100 台の異なる機器から生じる磁界についての調査結果を表 D.1 に示す。

磁界強度は,機器の表面状態(非常に局部的であるが)及び機器からの距離に関係する。1 m 以上

の距離では,機器からのいずれかの方向で測定するとき,その距離において最大と予期した磁界強度

に対し,10 %∼20 %変化するだけである。家庭用機器を測定した環境における背景磁界の範囲は,

0.05 A/m∼0.1 A/m である。

家庭用低圧電力線の故障では,規定より高い磁界強度となるが,これは,各設備の短絡電流に左右

されるものである。また,この時間は,数百ミリ秒単位にあるが,これは,設置した保護装置の設定

値に左右される。

表 D.1−家庭用機器から生じる最大磁界の値 

25 種類の約 100 台の異なる機器の測定結果) 

装置の表面からの距離

d

=0.3 m

d

=1.5 m

全測定値の 95 %

0.03 A/m∼10 A/m

<0.1 A/m

最高測定値

21 A/m

0.4 A/m

b) 

高圧線  磁界が電線の配置,負荷状況及び事故状態によって左右されることから,磁界分布は,機器

がさらされる可能性がある電磁環境を決定するため,より重要となる。

高圧線によって影響を受ける磁界環境に関する全般的な情報は,

IEC/TR 61000-2-3

に示されている。

実際の磁界測定の定量的な調査結果を,

表 D.2 に示す。

表 D.2400 kV 送電線から生じる 1 kA 当たりの磁界の値 

鉄塔下

鉄塔間の下

水平方向 30 m の離隔距離下

10 A/m

16 A/m

“鉄塔間の下”の値の約 1/3

c) 

高圧変電所区域  220 kV 及び 400 kV 高圧変電所に関する実際の磁界測定における定量的な調査結果

を,

表 D.3 に示す。


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C 61000-4-8

:2016 (IEC 61000-4-8:2009)

表 D.3−高圧変電区域における磁界の値 

変電所

220 kV

400 kV

約 0.5 kA を通電する送電線の

接続点に近い母線の下

14 A/m

9 A/m

継電器室内

状態記録装置から約 0.5 m の距離での測定値:3.3 A/m 
計器用変成器の近くにおける測定値

d

=0.1 m:7.0 A/m

d

=0.3 m:1.1 A/m

機械室内

最大 0.7 A/m

d) 

発電所及び工場プラント  測定は,発電所内の異なる区域で実施したが,そのほとんどは,電力供給

線及び電気機器の種類について,工業プラントとほぼ同じである。

実際の磁界測定の調査結果を,

表 D.4 に示す。

表 D.4−発電所における磁界の値 

磁界源

次の距離における磁界(A/m)

0.3 m

0.5 m

1 m

1.5 m

2.2 kA を通電する中圧母線

a)

14∼85

13.5∼71

8.5∼35

5.7

190 MVA 中圧又は高圧変圧器, 
50 %負荷時

6.4

6 kV 機器室

a)

8∼13

6.5∼9

3.5∼4.3

2∼2.4

6 kV トリプレックス電力ケーブル

2.5

6 MVA ポンプ(全負荷時,0.65 kA)

26

15

7

600 kVA 中圧又は低圧変圧器

14

9.6

4.4

管理棟,マルチポイントレコーダ

10.7

磁界源から遠く離れた制御室

0.9

a)

  これらの範囲には,設備の距離及び地理的な種々の方向に関する値が含まれる。

参考文献   

IEC/TR 61000-2-3

,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 2: Environment−Section 3: Description of the

environment−Radiated and non-network-frequency-related conducted phenomena