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C 61000-4-6:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS C 61000-4-6:1999 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61000-4-6:2003,Electromagnetic

compatibility(EMC)―Part 4-6:Testing and measurement techniques―Immunity to conducted disturbances, induced

by radio-frequency fields を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS C 61000-4-6 には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)クランプ注入に関する付加情報

附属書 B(参考)印加周波数範囲の選択基準

附属書 C(参考)試験レベルを選択するための指針

附属書 D(参考)結合・減結合回路網に関する情報

附属書 E(参考)試験信号発生器の使用に関する情報

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS C 61000 の規格群には,次に示す部編成がある。

  JIS C 61000-3-2  第 3-2 部:限度値―高調波電流発生限度値(1 相当たりの入力電流が 20A 以下の機器)

JIS C 61000-4-2  第 4 部:試験及び測定技術―第 2 節:静電気放電イミュニティ試験

JIS C 61000-4-3  第 4-3 部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験

JIS C 61000-4-4  第 4 部:試験及び測定技術―第 4 節:電気的ファストトランジェント/バーストイミ

ュニティ試験

JIS C 61000-4-5  第 4 部:試験及び測定技術―第 5 節:サージイミュニティ試験

JIS C 61000-4-6  第 4-6 部:試験及び測定技術:無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイ

ミュニティ

JIS C 61000-4-7  第 4 部:試験及び測定技術―第 7 節:電力供給システム及びこれに接続する機器のた

めの高調波及び次数間高調波測定方法及び計装に関する指針

JIS C 61000-4-8  第 4 部:試験及び測定技術―第 8 節:電源周波数磁界イミュニティ試験

JIS C 61000-4-11  第 4 部:試験及び測定技術―第 11 節:電圧ディップ,短時間停電及び電圧変化に対

するイミュニティ試験

JIS C 61000-4-14  第 4 部:試験及び測定技術―第 14 節:電圧変動イミュニティ試験

JIS C 61000-4-16  第 4 部:試験及び測定技術―第 16 節:直流から 150 kHz までの伝導コモンモード妨

害に対するイミュニティ試験


 
C 61000-4-6:2006

(2)

JIS C 61000-4-17  第 4 部:試験及び測定技術―第 17 節:直流入力電源端子におけるリプルに対するイ

ミュニティ試験

JIS C 61000-6-1  第 6 部:共通規格−第 1 節:住宅,商業及び軽工業環境におけるイミュニティ

JIS C 61000-6-2  第 6 部:共通規格−第 2 節:工業環境におけるイミュニティ


C 61000-4-6:2006

(3) 

目  次

ページ

序文 

1

1.  適用範囲

1

2.  引用規格

2

3.  定義

2

4.  一般事項

3

5.  試験レベル 

3

6.  試験用装置 

4

6.1  試験信号発生器

4

6.2  結合デバイス及び減結合デバイス 

4

6.3  結合デバイス及び減結合デバイスの EUT ポートでのコモンモードインピーダンスの検証

7

6.4  試験信号発生器の設定 

8

7.  卓上形装置及び床置形装置の試験セットアップ 

9

7.1  注入方法及び試験点を選択するための規則

9

7.2  CDN 注入を適用する場合の手順

11

7.3  コモンモードインピーダンス要求条件を満たす場合のクランプ注入のための手順

11

7.4  コモンモードインピーダンス要求条件が満たされない場合のクランプ注入のための手順 

12

7.5  直接注入の手順

12

7.6  単一のユニットからなる EUT

12

7.7  幾つかのユニットからなる EUT 

13

8.  試験手順

13

9.  試験結果の評価

14

10.  試験報告書 

14

附属書 A(規定)クランプ注入に関する付加情報

27

附属書 B(参考)印加周波数範囲の選択基準 

32

附属書 C(参考)試験レベルを選択するための指針

34

附属書 D(参考)結合・減結合回路網に関する情報

35

附属書 E(参考)試験信号発生器の使用に関する情報

40

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

41

 


日本工業規格

JIS

 C

61000-4-6

:2006

電磁両立性―第 4-6 部:試験及び測定技術―

無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対する

イミュニティ

Electromagnetic compatibility(EMC) Part 4-6:Testing and measurement

techniques Immunity to conducted disturbances, induced by

radio-frequency fields

序文  この規格は,2003 年に第 2 版として発行された IEC 61000-4-6,Electromagnetic compatibility (EMC)

―Part 4-6:Testing and measurement techniques―Immunity to conducted disturbances, induced by radio- frequency

fields を元に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日

本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定事項を日本工業規格として追加している。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一

覧表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1.  適用範囲  この規格は,周波数範囲 9 kHz∼80 MHz の意図された無線周波(RF)送信機から到来する

電磁妨害に対する電気・電子装置の伝導性イミュニティ要求事項について規定する。装置に妨害 RF 電磁界

を結合させる伝導ケーブル(例えば,電源線,信号線又はグラウンド線)を一つももたない装置は除外する。

備考  電磁放射によって誘導する伝導妨害信号が関連装置に及ぼす影響を測定する試験方法をこの規

格の中で定めている。これらの伝導妨害のシミュレーション及び測定は,影響の定量的な測定

のためには適切で正確なものとはいえない。影響の定量的分析のために,各種の設備での結果

の適切な再現性を確立することを主要な目的として,この規格を構成している。

この規格の目的は,RF 電磁界によって誘起する伝導妨害に対して,電気・電子装置の機能的イミュニテ

ィを評価するための共通の引用規格を確立することである。JIS C 61000 規格群のこの規格は,定義した現

象に対して,装置又はシステムを評価するための方法を記載している。

備考1.  この規格は,IEC Guide 107 で記載しているように,製品規格を作成する際に使用する基本

EMC 規格である。また,製品規格原案作成委員会は,このイミュニティ試験規格を適用すべ

きかどうかを決定する責任をもつ。そして,もし適用する場合は,適切な試験レベル及び性

能評価基準を決める責任がある。EMC 規格原案作成委員会は,それらの製品に対する特定

のイミュニティ試験値の評価について,製品規格原案作成委員会と協力する用意がある。

2.  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している),

MOD(修正している),NEQ(同等でない)とする。

IEC 61000-4-6:2003 , Electromagnetic compatibility(EMC) ― Part 4-6:Testing and measurement



C 61000-4-6:2006

techniques―Immunity to conducted disturbances, induced by radio-frequency fields(MOD)

2.  引用規格  次に揚げる引用規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構

成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 0364-3  建築電気設備  第 3 部:一般特性の評価

JIS C 60050-161  EMC に関する IEV 用語

備考 IEC 

60050(161):1990 International Electrotechnical Vocabulary(IEV)-Chapter 161:Electromagnetic

compatibility が,この規格と一致している。

3.  定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 60050-161 によるほか,次による。 
3.1 

擬似手 (artificial hand)  平均的な動作条件下での,大地と携帯用電気機器間の人体のインピーダンス

を模擬する電気回路網(JIS C 60161-04-27)。

備考  この構造は,IEC CISPR16-1 に従うことが望ましい。

3.2 

補助装置:AE  (auxiliary equipment)  供試装置(EUT)に,通常動作を行うのに必要な信号を供給する

ために必要な装置,及び EUT の性能を確認するための装置。

3.3 

クランプ注入  (clamp injection)  クランプ“電流”注入デバイスをケーブルに取り付けることによっ

て行う注入。

−  電流クランプ:電流を注入するケーブルを二次巻き線とするトランス

−  電磁クランプ(EM クランプ):容量結合及び誘導結合を組み合わせた注入デバイス

3.4 

コモンモードインピーダンス (common-mode impedance)  あるポートにおけるコモンモード電流で

コモンモード電圧を除した数値。

備考  コモンモードインピーダンスは,そのポートの端子又はシールドと基準面(点)との間に単一の

コモンモード電圧を印加することによって決定できる。その結果生じたコモンモード電流は,

これらの端子又はシールドを流れるすべての電流のベクトル和として測定できる(

図 8a 及び図

8b 参照)。

3.5  結合係数 (coupling factor)  結合(及び減結合)デバイスの EUT ポートで得られる開回路電圧(e.m.f)を,

試験信号発生器の出力で得られる開回路電圧で除して得られる比。

3.6 

結合回路網 (coupling network)  エネルギーをある回路から他の回路へ規定のインピーダンスで伝達

するための電気回路。

備考  結合デバイス及び減結合デバイスは,一つの箱[結合・減結合回路網(CDN)]に統合してもよ

いが,別々の回路網としてもよい。

3.7 

結合・減結合回路網:CDN (coupling/decoupling network)  結合回路網及び減結合回路網の両方の機

能を備え合わせた電気回路。

3.8 

減結合回路網  (decoupling network)  EUT に印加される試験信号が EUT でない他の機器,装置又はシ

ステムに影響を及ぼすのを防ぐための電気回路。

3.9 

試験信号発生器 (test generator)  所要の信号を発生することができる発生器(RF 発振器,変調器,減

衰器,広帯域電力増幅器及びフィルタ)(

図 参照)。

3.10  起電力:e.m.f. (electromotive force)  能動素子を理想電圧源で表現するときの電圧源の端子における

電圧。

3.11  測定結果:U

mr

 (measurement result)  測定装置の電圧の読み。


3

C 61000-4-6:2006

3.12  電圧定在波比:VSWR (voltage standing wave ratio)  線路に沿った電圧の最大振幅と隣接する最小振

幅との比。

4.  一般事項  この規格の対象となる妨害源は,通常,意図された RF 送信機から到来し,設置している

装置に接続するケーブルの全長にわたって作用する電磁界である。妨害を受ける装置は,通常はより大き

なシステムの附属部分であり,それにかかわる波長に比べて寸法が短い。入力及び出力線,例えば,電源

線,通信線,インタフェースケーブルは,これが数波長の長さになり得るので,受動の受信アンテナ回路

網として働く。

ケーブルネットワークでは,感受性のある装置はその装置を“通り抜ける”電流にさら(曝)される。装

置に接続するケーブルシステムは,共振モード(

λ/4,λ/2 の開放形又は折り返しダイポール)にあると仮定

でき,それらは基準グラウンド面に対して 150 Ω のコモンモードインピーダンスをもつ結合デバイス及び

減結合デバイスによって代表される。二つの 150  Ω のコモンモードインピーダンス(一つは RF 信号源で,

もう一つは電流の帰路)接続によって EUT を試験することができる。

この試験方法では,意図した RF 送信機から到来する電磁界を模擬した妨害源に EUT をさら(曝)す。こ

れらの妨害電磁界(E 及び H)は,

図 2a の中で示す試験系によって発生する電圧及び電流による近傍電磁界

で近似できる。

結合デバイス及び減結合デバイスを用いて,一つのケーブルに妨害信号を印加するとき他のケーブルに

は印加しないという方法(

図 2b 参照)は,すべてのケーブルにレベル及び位相の異なった電圧を同時に印加

するという現実の状況を近似しているにすぎない。

結合デバイス及び減結合デバイスの特性は,6.2 に規定する。この特性を満足する任意の結合デバイス及

び減結合デバイスを利用することができる。

附属書 の中の結合及び減結合回路網は,市販の回路の一例

である。

5.  試験レベル  9∼150 kHz までの周波数範囲における,意図された RF 送信機から到来する電磁界によ

る誘導妨害に対する試験は,必要ない。

  1  試験レベル

周波数範囲 150 kHz ∼ 80 MHz

電圧レベル( e.m.f )

レベル

Uo[dB(

µV)] Uo[V]

1 120  1 
2 130  3 
3 140 10

X(

1

)

特別

(

2

)  X はオープン試験レベル。

実効値で示した無変調妨害信号の開放端試験レベル(起電力)は,

表 に示す。試験レベルは結合デバイ

スの EUT ポートで設定する

6.4.1 参照)

装置の試験時には,

この信号は実際の脅威を模擬するために 1 kHz

の正弦波で 80  %振幅変調する。効果的な振幅変調は

図 に示す。試験レベルを選択するための指針は,

附属書 に示す。

備考1.  JIS C 61000-4-3 もこの規格と同様に,放射電磁エネルギーに対する電気及び電子装置のイミ

ュニティを確立するための試験方法を規定している。これは,80 MHz 以上の周波数を対象

とする。製品規格は,これら二つの試験方法での適用領域の境界を 80 MHz 未満又は以上の



C 61000-4-6:2006

周波数に変更してもよい(

附属書 参照)。

2.  製品規格は,代替の変調方式を選択してもよい。

6.  試験用装置   
6.1 

試験信号発生器  試験信号発生器は,規定の場所で所要のレベルの妨害信号を各結合デバイスの入

力ポートに供給するためのすべての装置及び部品を含む。一般的には次に示す項目のもので構成され,こ

れらは個々独立になっていてもよいし,幾つかに統合されていてもよい(3.9 及び

図 参照)。

−  必要な周波数帯をもち,1 kHz 正弦波で変調度 80  %の振幅変調が可能な RF 信号発生器 G1:G1 は手

動制御であり(例えば,周波数,振幅,変調インデックス),また RF シンセサイザの場合には,周波数

に依存したステップの幅及び滞在時間がプログラム可能でなければならない。

−  妨害試験信号源出力レベルを制御するための,適切な周波数特性の減衰器 T1(一般的に 0∼40 dB):T1

は RF 信号発生器に組み込んでもよい。

− EUT のイミュニティ測定中に妨害試験信号を ON/OFF する RF スイッチ S1:RF 信号発生器に組み込

んでもよい。

− RF 信号発生器の出力電力が不十分なとき,その信号を増幅するために必要な広帯域電力増幅器。

−  幾つかの種類の EUT,例えば,RF 受信機では(高次又は副次)高調波による干渉を避けるために必要な

ローパスフィルタ(LPF),及び/又はハイパスフィルタ(HPF):これらが必要な場合には,広帯域電力

増幅器 PA と減衰器 T2 との間に挿入する。

−  十分な電力定格をもつ減衰器 T2(6 dB 以上の固定 Z

0

=50 Ω):T2 は電力増幅器から回路網までの不整合

を減らすために用意するものである。

備考 T2 は,CDN の中に組み込んでもよく,広帯域電力増幅器の出力インピーダンスがすべての負

荷条件の下で規定の範囲内にあるならば取り付けなくてもよい。

試験信号発生器の変調及び無変調のときの特性は,

表 に規定する。

  2  試験信号発生器の特性

出力インピーダンス 50

高調波及びひずみ

すべてのスプリアスのスペクトル線は搬送波レベルより少な
くとも 15 dB 以下でなければならない。

振幅変調

内部,又は外部

変調度 80 %± 5 %

 1

kHz±10  %正弦波

出力レベル

試験レベルを満足するために十分な大きさ

(附属書 も参照)

6.2 

結合デバイス及び減結合デバイス   (EUT ポートにおける規定のコモンモードインピーダンスで,

全周波数範囲にわたり)妨害信号を,EUT に接続する各種のケーブルへ適切に結合するために,結合デバ

イス及び減結合デバイスを利用する。

結合デバイス及び減結合デバイスは,いわゆる CDN として一つの箱に組み込むことができるが,幾つ

かの部分に分けて構成することもできる。結合デバイス及び減結合デバイスの主なパラメータである,EUT

ポートから見たコモンモードインピーダンス Z

ce

は,

表 に規定する。

望 ま し い 結 合 デ バ イ ス 及 び 減 結 合 デ バ イ ス と し て は , 試 験 の 再 現 性 及 び AE の 保 護 の た め に ,

CDN-XX(6.2.1 参照)を使用する。しかし,もしそれらが適切又は利用可能でないなら,他の注入方法を使

うことができる。適切な注入方法を選ぶための規則は,6.2.1 及び 7.1 に示す。


5

C 61000-4-6:2006

  3  結合デバイス及び減結合デバイスの主なパラメータ

周波数帯

パラメータ

0.15  ∼ 26 MHz

26 ∼ 80 MHz

|Z

ce

| 150

Ω±20 Ω

150 Ω        Ω

備考1.  Z

ce

の変数及び EUT ポートと AE ポートとの間の減結合係数は,個別に規定していない。こ

れらの係数は,|Z

ce

|の許容差が,AE ポートと基準グラウンド面との間を短絡又は開放した条

件で満たされるという要求条件に含まれる。

2. AE についてのコモンモードインピーダンス要求事項に適合しない状態でクランプ注入方法

を用いる場合,Z

ce

に対する要求事項を満足しない場合がある。しかし,7.4 の指針に従う場

合は,注入クランプで許容可能な試験結果を得ることができる。

6.2.1 

結合・滅結合回路網(CDN-XX)  これらの回路網は,一つの箱の中に結合回路及び減結合回路を含

み,特定の無遮へいケーブルに適用できる[例えば,CDN-Ml,CDN-M2,CDN-M3,CDN-T2,CDN-T4,

CDN-AF-2(附属書 参照)]。CDN の一般的な概念は,図 5c 及び図 5d に示す。この回路網は,機能的な信

号に過剰に影響を及ぼしてはならない。信号への影響に対する制限を製品規格の中で規定することができ

る。

6.2.1.1  電源線用の CDN-XX  結合・減結合回路網は,すべての電源線に接続するのが望ましい。しかし,

より大きい電力システム(電流 16 A 以上)及び/又は複合電源システム(多相又は各種の並列の供給電圧)に

対しては,その他の注入方法を選択してもよい。

妨害信号は,CDN-Ml(単線),CDN-M2(2 線)及び CDN-M3(3 線),又はこれらと同等の回路網(

附属書 D

参照)を用いて電源線に結合しなければならない。同様の回路網は,三相電源にも規定することができる。

この結合回路は,

図 5c に示す。

CDN の性能は,EUT に流れる電流による磁性体の飽和によって過度に低下してはならない。ネットワ

ークは,可能な限り順方向電流の磁化効果が逆方向電流による効果で確実に相殺できるように構成するの

が望ましい。

現実の据付形装置の中で,電源線を個々に配線している場合,各々に結合・減結合回路網 CDN-Ml を利

用しなければならず,更にすべての入力ポートを別々に扱わなければならない。

EUT が他のグラウンド端子[例えば,RF 用途又は大きい漏えい(洩)電流のため]を備えている場合は,

次に示す条件で基準グラウンド面に接続していなければならない。

− EUT の特性又は仕様が許容する場合は,CDN-Ml を用いる。この場合,電源は,CDN-M3 回路網を通

して供給しなければならない。

− RF 又は他の理由のために,EUT の特性又は仕様で,CDN-Ml 回路網をグラウンド端子と直列に接続

できない場合は,グラウンド端子は基準グラウンド面に直接接続しなければならない。この場合,保

護グラウンド導体による RF での短絡を防ぐために,CDN-M3 回路網を CDN-M2 回路網に替えなけれ

ばならない。装置が既に CDN-Ml 又は CDN-M2 回路網を通して給電している場合は,これらを動作状

態にしておかなければならない。

警告  CDN-XX 回路網の中のコンデンサは,充電部に接続している。この結果,大きい漏えい電流が

発生する可能性がある。安全上,CDN-XX 回路網から基準グラウンド面への接続が必す(須)で

60

45

+



C 61000-4-6:2006

ある(これらの接続は CDN-XX 回路網で構成する場合がある。)。

6.2.1.1.1  日本の電源系に適用する場合  ビル及び住宅の電源系へのグラウンドの配線方法については,

欧米では配電トランスのグラウンド電位と同等のグラウンド(プロテクティブアース:PE)をコンセントま

で配線する方式を用いているが,日本では PE をコンセントに配線していない方式が一般的である(JIS C 

0364-3 参照)。

このため,イミュニティ試験を実施する場合には,PE の接続方法などを日本のグラウンド形態,EUT

グラウンドのとり方に適合するように配慮する必要がある。

また,EUT グラウンドについても次の 3 種類がある。

a)  電源コードのプラグに PE 用の端子がある場合

b)  電源コードには PE 用の端子がないが,きょう体にグラウンド端子(FG)がある場合

c)  電源コードにもきょう体にもグラウンド端子がない場合

これらの場合については,

表 の方法で接続することが望ましい。

  4  PE の接続方法

EUT のグラウンド形態

減結合回路網の PE 端子の電

源回路網への接続

EUT と基準グラウンドの接続

a)

なし

電源コードの PE 線を接続

b)

なし FG がある場合には FG を接続

c)

なし

なし

6.2.1.2  無遮へい平衡線路用の CDN-XX  無遮へいの平衡ケーブルに対する妨害信号の結合及び減結合

のために,CDN-T2,CDN-T4 又は CDN-T8 を結合・減給合回路網として使わなければならない。

これらの一例は,

附属書 の図 D.4,図 D.5 及び図 D.6 に示す。

−  1 対の平衡心線(2 線)をもつケーブルについては CDN-T2

−  2 対の平衡心線(4 線)をもつケーブルについては CDN-T4

−  4 対の平衡心線(8 線)をもつケーブルについては CDN-T8

備考  目的の周波数範囲において適切であり 6.2 の要求条件を満足する場合は,他の CDN-TX 回路網

を用いてもよい。

例えば,

CDN-XX ディファレンシャルモードからコモンモードへの変換損は,

設置されているケーブル又はケーブルが接続されている装置に規定されている変換率より大き

な値であることが望ましい。変換率の規定値がケーブルと装置で異なる場合は,小さいほうの

値を適用する。多対平衡ケーブルに対しては,クランプ注入がより適している。

6.2.1.3  無遮へい不平衡線路用の結合及び減給合  無遮へいの不平衡線路への妨害信号の結合及び減結

合については,

附属書 図 D.3 に示す結合・減給合回路網を使用することができる。

多対不平衡ケーブルに対しては,クランプ注入のほうが適切である。

6.2.2 

クランプ注入デバイス  クランプ注入デバイスを使用する場合,結合及び減結合機能は,個別に分

ける。結合は,クランプ形のデバイスで行い,コモンモードインピーダンス及び減結合機能は,AE で実

現する。このように,AE は,結合デバイス及び減給合デバイスの一部となる(

図 参照)。適切に適用する

ための規定は,7.3 に示す。

EM クランプ又は電流クランプが 7.3 に示す制約条件を満足していない場合は,7.4 に規定する手順に従

わなければならない。誘導電圧は,6.4.1 と同じ方法で設定する。さらに,結果として生じる電流を監視す

るとともに補正しなければならない。この手順においては,より低いコモンモードインピーダンスを用い

てもよい,しかし,コモンモード電流は 150 Ω 源で生じる値で制限を受ける。


7

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6.2.2.1  電流クランプ  この装置は,EUT に接続したケーブルへの誘導結合を実現する。例えば,5:1 の

巻数比で変換したコモンモード直列インピーダンスは,

AE によって実現した 150 Ω に比べて無視できる。

この場合,試験信号発生器の出力インピーダンス(50 Ω)は,2 Ω に変換される。その他の巻き線比を用いて

もよい(

附属書 参照)。

備考1.  電流クランプを使う場合は,電力増幅器(PA)によって発生する高次の高調波が,結合デバイ

スの EUT ポートでの基本信号レベル以上で発生しないような注意を払うことが必要である。

2.  容量結合を最小にするために,クランプの中央を通してケーブルを配置することが一般的に

必要である。

6.2.2.2 EM クランプ  EM クランプは,EUT に接続するケーブルに対して容量性及び誘導性の両方の結

合を実現する。EM クランプの構造及び性能は,

附属書 に記載する。

6.2.3 

直接注入デバイス  妨害信号を試験信号発生器から,100 Ω の抵抗を通してそのシールドケーブル

端のグラウンドの有無にかかわらず,遮へいケーブル又は同軸ケーブルに注入する。AE と注入点との問

に,減結合回路(6.2.4 参照)をできる限り注入点(

図 5b 参照)に近づけて挿入しなければならない。減

結合量を増加し回路網を安定させるため,グラウンド接続は,直接注入デバイスの入力ポートの遮へいか

ら基準グラウンド面へ,注入点から見て AE 側に接続する。

備考  シールドはく(箔)に直接接続するとき,接続に注意することで信頼できる試験結果が得られ

る。

ある種の単純な遮へいケーブル構成においては,100  Ω 抵抗と減結合回路を合わせて一つの

箱に組み込んで CDN を作ってもよい。

6.2.4 

減結合回路網  通常,減結合回路網は,全周波数範囲にわたって高いインピーダンスを作り出すた

めに,幾つかのインダクタで構成する。これは使用するフェライト材料によって決まり,更に 150 kHz に

おいては少なくとも 280 µH のインダクタンスが必要である。リアクタンスは,26 MHz までは 260 Ω 以上

で,かつ 26 MHz 以上では 150  Ω 以上,高いままで維持しなければならない。このインダクタンスは,フ

ェライトのトロイダルコア(

図 5d 参照)に巻線を多く巻くか又はケーブルに多くのフェライトのトロイ

ダルコア(通常クランプオン・チューブとして)を取り付けることによって実現できる。

附属書 に記載するような CDN-XX は,この規格の他の場所で規定しない限り,無負荷状態の RF 入力

ポートをもつ減結合回路網として用いることができる。CDN-XX をこの方法で用いる場合は,この箇条の

必要条件を満たさなければならない。

減結合回路網は,試験には選択しないケーブルでも,EUT 及び/又は AE に接続するすべてのケーブル

に取り付けなければならない。例外に関しては,7.7 参照。

6.3 

結合デバイス及び減結合デバイスの EUT ポートでのコモンモードインピーダンスの検証  結合デ

バイス及び減結合デバイスは,EUT ポートから見たコモンモードインピーダンス|Z

ce

|によって特徴付けて

いる。その正確な値は,試験結果の再現性を保証する。結合デバイス及び減結合デバイスのコモンモード

インピーダンスは,

図 に示すセットアップを用いて検証する。

結合デバイス,減結合デバイス及びインピーダンス基準面(

図 7a)は,基準グラウンド面に置かなけれ

ばならない。基準グラウンド面の寸法は,セットアップした状態で投影した外形よりもすべての辺で 0.2 m

以上大きくしなければならない。

インピーダンス基準面は,

図 7a に例示するように 30 mm と等しいか又はより短い接続で CDN の EUT

ポートと接続しなければならない。インピーダンス基準面にあるコネクタから見たコモンモードインピー

ダンスの大きさを,測定しなければならない。



C 61000-4-6:2006

入力ポートを 50  Ω 負荷で終端し,AE ポートを

図 7b で示すようにコモンモードで順次短絡及び開放条

件としたとき,CDN は

表 のインピーダンス規定を満足しなければならない。この規定は,十分な減衰を

保証するとともに,AE を例えば,開放又は短絡回路として接続しても影響を及ぼさないようにしている。

クランプ注入又は直接注入を用いる場合,EUT に接続した各種の AE の組合せについて,コモンモード

インピーダンスを検証することは非現実的である。通常,7.3 の手順に従うことで十分である。他のすべて

の場合には,7.4 に規定する手順を用いなければならない。

6.3.1 150 

50  Ω 変換アダプタの挿入損失  試験に先がけて試験信号発生器をセットアップする場合

は,試験レベルは 150 Ω 系コモンモードインピーダンス環境の中で確かめなければならない。これは,

7c に例示するように適切なコモンモードポイントを 150 Ω−50 Ω 変換アダプタ経由で 50 Ω 測定デバイス

と接続することによって達成できる。アダプタの構造は

図 7d 及び図 7e に示す。

このアダプタは,投影した外形よりもすべての辺で少なくとも 0.2 m を超える基準グラウンド面の上に

置かなければならない。挿入損失は,

図 7c の原理に従って測定する。この値は,9.5 dB±0.5 dB(50 Ω の

システムで測定した場合に直列に付加したインピーダンスに起因する理論値は 9.5 dB)の範囲でなければ

ならない。必要に応じて,試験セットアップのケーブル減衰量を補正しなければならない。受信器及び信

号発生器の入力及び出力で,適切な VSWR(1.2 以下)をもつ減衰器を推奨する。

6.4 

試験信号発生器の設定  無変調での試験レベルを正しく設定するためには,6.4.1 の手順を適用しな

ければならない。試験信号発生器,結合デバイス,減結合デバイス及び 150 Ω−50 Ω 変換アダプタは,6.1

6.2  及び 6.3.1  の規定に適合するものとする。

警告  試験信号発生器の設定の間,必要以外の(図 参照)結合デバイス及び減結合デバイスの EUT ポ

ート,並びに AE ポートへのすべての接続は,短絡回路状態及び測定装置の破壊を避けるため

に,はずしておかなければならない。

試験信号発生器の出力レベルは,無変調の搬送波で設定しなければならない(6.4.1 参照)。正しい設定に

した後で,変調を行い確認しなければならない。

試験装置の安定性が保証できる限り試験信号発生器の出力レベルは,増幅器出力電力の測定又は RF 信

号発生器出力のいずれかによって決定できる。

適切な出力レベルは,EUT に適用するすべての試験周波数で決定しなければならない。

6.4.1 

結合デバイスの EUT ポートにおける出力レベル設定  試験信号発生器は,結合デバイスの RF 入

力ポートに接続しなければならない。

結合デバイスの EUT ポートは,

150 Ω−50 Ω 変換アダプタを通して,

入力インピーダンス 50  Ω の測定装置にコモンモードで接続しなければならない。CDN の AE ポートは,

コモンモードで 50 Ω 終端した 150 Ω−50 Ω 変換アダプタを負荷として接続しなければならない。すべての

結合デバイス用及び減結合デバイス用のセットアップは,

図 に示す。

備考  直接注入では,AE ポート側で基準グラウンド面にシールドが接続しているので,AE ポートに

150 Ω の負荷は必要ない。

上記のセットアップを用いて,測定装置での読取りが次の値となるように試験信号発生器を調節しなけ

ればならない。

リニア表示において,U

mr 

  U

0

/6 ± 25  %,又は

対数表示において,    U

mr

  U

0

−15.6 dB ± 2 dB

この設定は,各々の結合デバイス及び減結合デバイスについて実行しなければならない。試験信号発生

器の設定における制御パラメータ(ソフトウェア・パラメータ,減衰器設定など)は,試験の間は記録して

用いなければならない。


9

C 61000-4-6:2006

備考1.  U

0

は,

表 の中で規定する試験電圧であり,U

mr

は,3.11  及び

図 で定義する測定電圧であ

る。試験誤差を最小にするために,試験信号発生器の出力レベルを,U

0

によって設定するの

ではなく,150 Ω 負荷の設定値 U

mr

で設定する。

2.  係数 6 (15.6 dB)は,試験レベルを起電力値で規定したことによって生じる。整合負荷レベル

は起電力レベルの半分であり,更に 50 Ω の測定装置によって終端した 150 Ω−50 Ω 変換アダ

プタによって  3:1  に分圧される。

電流クランプのレベル設定を,50 Ω の試験環境で行う場合,(

附属書 A  A.1 参照),50 Ω の負荷に生じ

る電圧 U

mr

は必要な試験レベルより 6 dB 低くなければならない。この場合,測定電圧又は 50  Ω の試験ジ

グの中に生じる電流は,次に等しい。

リニア表示において,U

mr

=(U

0

/ 2 )  ±25  %,又は

対数表示において,    U

mr

U

0

−6 dB±2 dB

7.  卓上形装置及び床置形装置の試験セットアップ  試験する装置は,基準グラウンド面から高さ 0.1 m

の絶縁支持台上に設置する。EUT から出るすべてのケーブルは,基準グラウンド面上の少なくとも 30 mm

を超える高さで保持しなければならない。

パネル,ラック又はキャビネットに取り付けるように設計している装置は,この構成で試験しなければ

ならない。試験のために,試験サンプルを支持する必要があるなら,この支持材料は非金属,非伝導性を

用いなければならない。装置のグラウンドは,製造業者の設置説明書に合わせなければならない。

結合デバイス及び/又は減結合デバイスを取り付けるときは,それらを EUT から 0.1∼0.3 m の距離に配

置しなければならない。この距離は,基準グラウンド面上の EUT 投影面から結合デバイス及び/又は減結

合デバイスまで,水平方向に寸法をはかる(

図 6,図 及び図 10 を参照)。7.17.7 に,より詳細な情報を

提供している。

7.1 

注入方法及び試験点を選択するための規則  結合デバイス及び減結合デバイスに取り付けるケーブ

ルの形式及び数を選択するために,典型的な設置条件における物理的な形状,例えば,ケーブルの適切な

長さを考慮しなければならない。

すべての試験に関して,EUT と AE との間で総ケーブル長(用いるすべての CDN の内部ケーブル長を

含む。

)は,EUT の製造業者が指定した最大長を超えてはならない。


10 
C 61000-4-6:2006

7.1.1 

注入方法  図 に,注入方法を選択するための規則を示す。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  1  注入方法を選択するための規則

ここでは指定していないが,試験のために選択したケーブルを含む EUT は,標準的な適用に沿った方法

で構成,設置,配置及び操作しなければならない。この規格に規定していない CDN-XX であっても,この

規格の要求事項を満たすならば用いてもよい。

EUT から出ている幾つかのケーブルが,10 m を超える長さで極めて近接しているか又は EUT から他の

装置までケーブルトレイ又はコンジットによって敷設する場合は,それらは一つのケーブルとして扱うこ

とが望ましい。

特別な製品群に接続するケーブルについて,ある種類の結合デバイス及び減結合デバイスが,より適切

であると製品規格原案作成委員会が決定するならば,その選択(技術的根拠が正当であれば)を優先する。

注入方法の選択

CDN の

使用は適切か

        次の要求事項を確認

1.  AE インピーダンスは 150  Ω

2.  ケーブルは基準グラウンド面上 30∼50 mm

3.  AE は十分な耐性をもつ

要求事項を 
満足するか

7.4 

EM クランプ又は

電流クランプ注入

7.3 

EM クランプ又は

電流クランプ注入

YES NO

YES NO

7.5 の直接注入

クランプ

注入は適用

できるか

 

NO

YES

7.2 の CDN 注入


11

C 61000-4-6:2006

これらのデバイスは,製品規格に規定していなければならない。

CDN-XX の例は,附属書 に示す。

7.1.2 

試験すべきポート  一つの試験において二つの 150 Ω 回路が必要となる。試験信号を注入する回路

は,試験する様々なポートに移すことができる。CDN をポートからはずしたとき,減結合回路に置き換え

てもよい。

EUT に複数の同一のポート(同じ入力又は出力電子回路,負荷,接続した装置など)がある場合,それら

のすべての異なるタイプのポートを包含し試験を確実に行うために,少なくともそれらの一つのポートを

選択しなければならない。

7.2 CDN 注入を適用する場合の手順  CDN 注入を行う場合は,次の処置が必要となる。

− AE を基準グラウンド面上に配置する場合,基準グラウンド面上 0.1 m の高さにする。

−  一つの CDN は,試験する目的のポートに接続しなければならず,更に,50 Ω 終端した一つの CDN は,

他のポートに接続しなければならない。減結合回路網は,他のすべてのケーブルが接続するポートに

取り付けなければならない。このように,それぞれの末端をただ一つの閉回路として 150 Ω で終端す

る。

−  終端する CDN は,次の優先順に従って選択しなければならない。

a)  グラウンド端子に接続した CDN-M1

b)  注入箇所に最も近い位置(幾何学的に試験ポートから短い距離)に接続した CDN-Sn(n=1,2,3,・・)

c)  電源線に接続した CDN-M2,CDN-M3,CDN-M4,CDN-M5

d)  注入箇所に最も近い位置(幾何学的に試験ポートから短い距離)に接続したその他の CDN

− EUT にポートが一つしかない場合は,そのポートは注入用の減結合回路網に接続する。

−  少なくとも一つの AE を EUT に接続し,更に,一つの CDN を EUT に接続することができる場合は,

AE のポートに接続する CDN の一つは,上述の優先順位に従って 50  Ω で終端しなければならない。

さらに,他の AE 又は AE ポートは減結合回路を接続しなければならない。

7.3 

コモンモードインピーダンス要求条件を満たす場合のクランプ注入のための手順  クランプ注入を

用いる場合,AE の配置は 6.2 で要求するコモンモードインピーダンスにできるだけ近付けるようにしなけ

ればならない。クランプ注入を適用する各 AE は,できる限り機能上の設置条件に近い状態にしなければ

ならない。要求するコモンモードインピーダンスを擬似するために,次の手段をとる必要がある。

−  クランプ注入のときに使う各 AE は,基準グラウンド面上高さ 0.1 m の絶縁支持台上に置かなければ

ならない。

−  減結合回路網は,試験するケーブルを除いた EUT と AE との間の各ケーブルに取り付けなければなら

ない。

−  各 AE に接続するすべてのケーブルのうち,EUT に接続していないケーブルは,減結合回路網を用い

なければならない(6.2.4 及び

図 参照)。

− (EUT と AE 間とのケーブルを除いた)各 AE に接続したこれらの減結合回路網は,AE から 0.3 m 以上

離してはならない。AE と減結合回路網(CDN-XX)との間又は AE と注入クランプとの問のケーブルは,

束ねたり,包み込んだりしてはならない。かつ,基準グラウンド面上高さ 30∼50 mm の位置に保持し

なければならない(

図 6)。

−  試験中のケーブルの片方は EUT で,かつ,その反対側は AE となる。複数の CDN-XX を EUT 及び

AE に接続することができる。しかし,EUT 及び AE 各々の CDN のうち一つだけは,50 Ω で終端しな

ければならない。CDN の終端は,7.2 の優先順に従って選ばなければならない。


12 
C 61000-4-6:2006

−  数個のクランプを用いる場合,注入は一つずつ試験するために選択したそれぞれのケーブルで実施す

る。クランプ注入で試験のために選択したケーブルであるが,実際に実施しないものは 6.2.4 に従って

減結合しなければならない。

その他のすべての場合は,7.4 で示す手順に従うことが望ましい。

7.4 

コモンモードインピーダンス要求条件が満たされない場合のクランプ注入のための手順  クランプ

注入を用いる場合及び AE 側でコモンモードインピーダンスの要求事項を満たすことができない場合は,

AE のコモンモードインピーダンスは,試験している EUT ポートのコモンモードインピーダンスと同等か

それ以下である必要がある。そうでない場合は,(例えば,CDN-M1 又は AE からグラウンドに 150 Ω の抵

抗を使うことによって)この条件を満たし,かつ,共振を避けるために AE ポートで測定しなければならな

い。

この手順に関し,7.3 で規定したこれらの手段と関連する差違だけを示す。

−  クランプ注入のときに用いる各 AE 及び EUT は,

例えば,

EUT を基準グラウンド面に接続していても,

絶縁支持台上に設置していても,機能上の設置条件にできるだけ厳密に合わせなければならない(

属書 A  図 A.6 及び図 A.7 参照)。

−  注入クランプと EUT の間に特別に挿入した低い挿入損失の電流プローブを用いて(6.4.1 によって設

定する。

,誘導電圧から生じる電流を監視しなければならない。この電流が次の式で与えられる公称

回路値 I

max

を超える場合は,測定電流が I

max

の値と等しくなるまで試験信号発生器のレベルを減らさ

なければならない。

150

/

0

max

U

I

=

適用した修正試験電圧レベルは,試験報告書に記録しなければならない。

再現性を保証するために,この試験配置をすべて試験報告書の中に記載しなければならない。

7.5 

直接注入の手順  遮へいケーブルへの直接注入を用いるときは,次の手段をとる必要がある。

− EUT は,基準グラウンド面上の高さ 0.1 m の絶縁支持台の上に置かなければならない。

−  試験するケーブルに対して減結合回路網は,注入点と AE との間で,注入点にできる限り近づけて配

置しなければならない。第二のポートは 150 Ω 終端した CDN の負荷を接続する。この点は 7.2 の優先

順に従って選択しなければならない。EUT に付随した他のすべてのケーブル上には,減結合回路網を

組み込まなければならない(CDN を開放にしておく場合,CDN は減結合回路網とみなす。)。

−  注入点は,基準グラウンド面上の EUT の投影面から 0.1∼0.3 m の間に配置しなければならない。

−  試験信号は,

100 Ω の抵抗を介してケーブルの遮へい部分に直接注入しなければならない(6.2.3 参照)。

備考  シールドはく(箔)に直接接続するとき,接続に注意することで信頼できる試験結果が得られ

る。

7.6 

単一のユニットからなる EUT  EUT は,基準グラウンド面から高さ 0.1 m の絶縁支持台の上に置か

なければならない。卓上形装置については,基準グラウンド面を机の上に置いてもよい(

図 参照)。

試験するすべてのケーブルに,結合デバイス及び減結合デバイスを挿入しなければならない(7.1.2 参照)

結合デバイス及び減結合デバイスは,EUT から 0.1∼0.3 m の距離で基準グラウンド面上に直接接触して置

かなければならない。結合デバイス及び減結合デバイスと EUT との間のケーブルは,可能な限り短くしな

ければならず,かつ,束ねたり,包み込んだりしてはならない。基準グラウンド面の高さは,30∼50 mm

でなければならない。

EUT に他のグラウンド端子がある場合,許容できるならば,これを結合・減結合回路網 CDN-M1 を通


13

C 61000-4-6:2006

して基準グラウンド面に接続しなければならない。6.2.2.1 参照(すなわち,そのときには CDN-M1 の AE

ポートは基準グラウンド面に接続している。

EUT にキーボード又は手持ちの附属品が付いている場合は,擬似手をキーボードの上に置くか又は附属

品を囲んで包み基準グラウンド面と接続しなければならない。

製品規格の仕様に従い,EUT に規定の動作をさせるために必要な,例えば,通信装置,モデム,プリン

タ,センサなど,並びにデータ転送及び機能の評価を確実に行うために必要な AE は,結合デバイス及び

減結合デバイスを通して EUT に接続しなければならない。試験するケーブルの数はできる限り制限しても

よいが,あらゆるタイプの物理的なポートに注入することが望ましい。

7.7 

幾つかのユニットからなる EUT  相互に接続する幾つかのユニットで構成される装置は,次の方法

のうちの一つを使って試験しなければならない。

−  推奨方法:各サブユニットは,それぞれ 1 個の EUT(7.6 参照)とみなし,EUT とみなしたもの以外は

AE として扱い試験しなければならない。結合デバイス及び減結合デバイス(又は CDN-XX)を EUT と

みなすサブユニットのケーブル(7.1 による。)に取り付けなければならない。すべてのサブユニットは

順次試験しなければならない。

−  代替方法:常に 1 m 以下の短いケーブルによって互いに接続し,EUT の一部として試験できる幾つか

のサブユニットは一つの EUT とみなすことができる。これらのケーブルはシステムの内部ケーブルと

みなすので,

この相互接続ケーブル上では伝導性イミュニティ試験を実施してはならない。

図 10 参照。

EUT の一部分であるようなユニットは,すべて基準グラウンド面上の 0.1 m の絶縁支持台の上に,お互

いに接触することなしにできるだけ近くに置かなければならない。これらのユニットの相互接続ケーブル

もまた,絶縁支持台の上に置かなければならない。例えば,電源供給装置及び補助装置(7.1 参照)のケーブ

ルなど,EUT のその他すべてのケーブルには終端していない CDN-XX 又は減結合デバイスを取り付けな

ければならない。

8.  試験手順  EUT は,意図した動作条件及び気象条件の範囲内で試験する。温度及び相対湿度は,試験

報告書に記録する。

試験セットアップからの放射に関しては,地域の障害規制に従わなければならない。放射エネルギーが

許容レベルを超えるならば,シールドルームを使わなければならない。

備考  一般的には,この試験は,あまりよいシールドルームでなくても実行できる。これは,適用し

た妨害レベル及び設備の形状から,特に低い周波数では,高いエネルギー量を放射するような

ものではないといえるからである。

この試験は,試験信号発生器を各々の結合デバイス(CDN,EM クランプ,電流注入プローブ)に順次接

続して実施しなければならない。その時点で試験に用いないほかのすべてのケーブルは(機能的に許容でき

る場合)接続しないか,減結合回路網又は未終端の CDN-XX で分離しなければならない。

ローパスフィルタ(LPF)及び/又はハイパスフィルタ(HPF)(例:しゃ断周波数 100 kHz)は,(高次又は副

次の)高調波から EUT への妨害を避けるために,試験信号発生器の出力側に用いてもよい。ローパスフィ

ルタ(LPF)の帯域阻止特性は,結果に影響を及ぼさないように高調波を抑制するために十分なものでなけれ

ばならない。これらのフィルタは,試験レベルの設定の前に試験信号発生器の出力側に挿入しなければな

らない(6.1 及び 6.4.1 参照)。

設定手順に従って確定した信号レベルを使い,1 kHz の正弦波で 80  %の振幅変調した妨害信号を,必要

に応じて RF 信号レベルを調節したり,結合デバイスを交換するために中断しながら,150 kHz∼80 MHz


14 
C 61000-4-6:2006

の周波数範囲を掃引する。周波数を増加方向に掃引する場合,そのステップ幅は,直前の周波数の 1  %を

超えてはならない。各周波数での振幅変調搬送波の滞在時間は,EUT が作動し,反応するのに必要な時間

以下にしてはならない。ただし,いかなる場合でも 0.5  秒間以下にしてはならない。影響を受けやすい周

波数(例えば,クロック周波数)については,別個に解析しなければならない。

備考 EUT は,周波数掃引の間に発生する過渡現象によって妨害を受けるかもしれないので,このよ

うな妨害を避ける準備をしなければならない。例えば,信号の強さは,周波数を変更する前に

試験レベルより数 dB 小さくすることができる。

試験中は EUT のすべてのモードを動作させ,更に選択した,影響を受けやすいすべての動作モードにつ

いて試験を行う。

特別な動作試験プログラムの使用を推奨する。

試験は,試験計画に従って実行しなければならない。

試験計画の幾つかの条件

確立するために,予備調査試験が必要となることがある。

9.  試験結果の評価  試験結果は,EUT の機能損失又は性能低下の観点から,その機器の製造業者,試験

の依頼者又は製品の製造業者と購入者との間の合意によって指定した性能レベルと比較して分類する。推

奨する分類を,次に示す。

a)  製造業者,試験の依頼者又は購入者によって指定した仕様限度内の正常な性能。

b)  妨害がなくなった後に消滅する一時的な機能損失又は性能低下。操作者が介在することなく EUT が正

常な性能に自己復帰する。

c)  操作者が介在する調整が必要な,一時的な機能損失又は性能低下。

d)  ハードウェア又はソフトウェアの破壊による修復不可能な機能損失若しくは性能低下,又はデータの

損失。

EUT への影響のうち,重要ではないとみなし,したがって許容できる影響を,製造業者の仕様書に指定

してもよい。

この分類は,共通規格,製品規格及び製品群規格の原案作成委員会で性能基準を規定するときの指針と

して,又は適切な共通規格,製品規格及び製品群規格が存在しない場合の製造業者と購入者との間で性能

基準に対する合意を行うための枠組みとして用いてもよい。

10.  試験報告書  試験報告書は,試験を再現するために必要なすべての情報を含む。特に次の事項を記録

する。

− EUT 及び関連装置の識別。例えば,商標,製品形式,製造番号

− EUT の寸法

− EUT の代表的な動作条件

−  試験する EUT が単一か,複数ユニットか

−  長さを含む相互接続ケーブルの形式及び EUT に接続するインターフェースポートの形式

−  適合性を達成するために必要な EUT の動作条件,仕様上のあらゆる条件。例えば,ケーブル長又は形

式,シールド又はグラウンド

−  必要ならば,EUT の回復時間

−  使用した試験設備の形式,EUT,AE,結合デバイス及び減結合デバイスの配置

− EUT の識別。例えば,商標,製品形式,製造番号


15

C 61000-4-6:2006

−  各ケーブルに用いた結合デバイス及び減結合デバイス,並びにその内部ケーブル長

−  各々の注入点及び 50 Ω 終端した減合デバイスの表示

− EUT の動作方法の説明

−  試験を行うために必要な特別な条件

−  試験を適用した周波数範囲

−  周波数の掃引率,滞在時間及び周波数ステップ数

−  適用した試験レベル

−  製造業者と依頼者又は購入者との間で指定した性能レベル

−  適用した性能評価基準

−  妨害の印加中又は印加後に観測した EUT へのすべての影響,及びこれらの影響が持続した期間

−  合否判定の根拠(共通規格,製品規格若しくは製品群規格において規定してある,又は製造業者と購入

者との間で合意した性能基準に基づく。)


16 
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Z

ce

:結合・減結合回路網システムのコモンモードインピーダンス,Z

ce

=150 Ω

備考  100 Ω の抵抗は,結合・減結合回路網に含む。左側の入力(受け側)は,50 Ω 負荷で接続し,かつ,右側

の入力は試験信号発生器の出力インピーダンスに接続する。

U

0

:試験信号発生源の電圧(起電力)

U

com

  :EUT と基準面との間のコモンモード電圧

I

com

:EUT を通るコモンモード電流

J

com

    :EUT の伝導表面における電流密度又は EUT の他の導体における電流

E,H  :電界及び磁界

図 2a  EUT のケーブルのコモンモード電流による EUT 近傍の電磁界を示す図

  2  RF 伝導妨害に対するイミュニティ試験

試験信号発生器


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T

:終端 50 Ω

T2

:50 Ω 系電力減衰器(6 dB)

CDN

:結合・減結合回路網

注入クランプ

:電流クランプ又は EM クランプ

図 2b  RF 伝導妨害に対するイミュニティ試験のための配置図

図 2  RF 伝導妨害に対するイミュニティ試験(続き)

EUT

AE 1

CDN

1

  AE 2

CDN

2

50 Ω

0.1 m 支持

30 mm <

h

< 50 mm

0.1 m <

L

< 0.3 m

L

T

T2

RF 信号発生器

試験信号発生器

基準グラウンド面

EUT

AE 1

CD

N

1

AE 2

注入 
クランプ

50 Ω

0.1 m 支持台

30 mm <

h

< 50 mm

0.1 m <

L

 < 0.3 m

L

T

T2

RF 信号発生器

試験信号発生器

CD

N 2

50 Ω

T

L

2

< 0.3 m

基準グラウンド面


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RF

80  %振幅変調

広帯域

電力増幅器

G1

T1

S1

PA

LPF/HPF T2

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 G1      :RF信号発生器

T1  :可変減衰器

 PA      :広帯域電力増幅器

T2  :固定減衰器(6 dB)

 LPF/HPF:ローパスフィルタ及び/又はハイパスフィルタ S1  :RFスイッチ 

  3  試験信号発生器セットアップ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

                図4a  無変調RF信号                図4b  80  % AM(振幅変調)RF信号

U

pp

= 2.82 V,

U

rms

= 1.00 V

U

pp

= 5.09 V,

U

rms

= 1.12 V

  4  試験レベル 1 に対する結合デバイスの EUT ポートの出力に発生する開回路波形

−2.54

1.4−80  %

−0.28

1.414

1.4+80  %

1.414


19

C 61000-4-6:2006

図 5a  セットアップの説明に用いる記号の一覧

  5  結合及び減結合の原理

50 Ω  同軸線

A

EUT  CDN  AE

  IN

電源,信号又はグラウンドケーブル

50 Ω  同軸負荷

150 Ω-50 Ω 変換アダプタ 
入出力ポート間に 100 Ω の直列抵抗を入れた箱

50 Ω 系信号源

50 Ω 系測定装置, 
例えば選択電圧計

50 Ω 系 10dB 減衰器

EUT ポート,入力ポート及び AE ポート
をもつ結合・減結合回路網(CDN)

T2

50 Ω 系電力減衰器(6 dB)


20 
C 61000-4-6:2006

 
 
 
 
 
 

 
 
 

図 5b  遮へいケーブル直接注入の原理

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 

図 5c  無遮へいケーブル結合の原理

図 5  結合及び減結合の原理(続き)

 
 
 
 
 
 
 

EUT

AE

減結合デバイス

(

L

>280 µH)

0.1 m 支持台

0.1 m <

L

< 0.3

m

CD

N

50 
ΩT

可能な場合

L

2

< 0.3

m

U

0

T

0.1 m 支持台

100 Ω

遮へいケーブル

基準グラウンド面

30 mm <

h

< 50

mm

試験信号発生器

EUT ポート


21

C 61000-4-6:2006

単位  mm

例  一般的には C

dec

  = 47 nF(無遮へいケーブル),L

(150 kHz)

≧280

µH

低周波数インダクタ:フェライトトロイダルコアに 17 回巻,材料:NiZn,

µ

R

=1 200

高周波数インダクタ:2∼4 個のフェライトトロイダルコア(チューブ),材料:NiZn,

µ

R

=700

図 5d  減結合の原理

図 5  結合及び減結合の原理(続き)

AE に接続した CDN,例えば専用グラウンド端子に接続した CDN-M1 及び CDN-M3 は,CDN の入力ポート(図 7a

参照)を 50 Ω で終端しなければならない(7.4 参照)。

  6  クランプ注入法による結合及び減結合の原理

EUT

  

AE

0.1 m 支持台

30 mm <

h

< 50

mm

0.1 m <

L

< 0.3 m

CD

N

50 Ω

T

可能な場合

L

2

 < 0.3 m

CD

N

50 Ω

T

0.1 m 支持台

U

0

T

短い帯状のグラウンド

基準グラウンド面

3

EUT

AE

C

dec


22 
C 61000-4-6:2006

単位  mm

−  基準グラウンド面:結合デバイス,減結合デバイス及び他の部品の投影より少なくとも 0.2 m を超えていなけれ

ばならない。

− AE ポートは基準グラウンド面上の高さ 30 mm

−  インピーダンス基準面(BNC コネクタ付き):0.1 m×0.1 m 
−  両方の面は,銅,真ちゅう又はアルミニウムで作り,かつ,RF 的に良好に接続していなければならない。

図 7a  結合デバイス及び減結合デバイスのインピーダンス特性を確認するためのセットアップの例

インピーダンス基準面

入力ポート

AE ポート

基準点

同軸コネクタ

EUT   
ポート

絶縁材料

基準グラウンド面

金属

結合・減結合

回路網

>200

3

3

>200

Z

ce


23

C 61000-4-6:2006

注(

2

)  インピーダンスは,スイッチ S を開放したとき及び閉じたときの両方に適合しなければならない(6.3 参照)。 

図 7b  結合デバイス及び減結合デバイスの Z

ce

を確認するためのセットアップの原理

挿入損失 = U

mr

(スイッチ位置 2)  −  U

mr

(スイッチ位置 1)

dB             dB(µV)                dB(µV)

図 7c  二つの 150 Ω−50 Ω 変換アダプタの挿入損失を測定するためのセットアップの原理

備考  低インダクタンスの抵抗器:電力値

≧2.5 W 

図 7d  150 Ω−50 Ω 変換アダプタの回路          図 7e  150 Ω−50 Ω 変換アダプタの構造図

  7  結合デバイス及び減結合デバイス及び 150 Ω−50 Ω 変換アダプタの

基本特性を確認するための構成及び部品の詳細

備考  図 7a と同じ(インピーダンス基準面),ただし

100 Ω の低インダクタンスの抵抗器を付加 

インピーダンスネット

ワークアナライザ

又は相当品

インピーダンス基準面

(

2

)

S

50 Ω

150

ポート

50

ポート

金属

N形又は BNC 形
コネクタ


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C 61000-4-6:2006

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  結合デバイス及び減結合デバイスの例:

  −  結合・減結合回路網(CDN-XX)

  −  直接注入回路網(減結合付き)

  −  クランプ注入器(EMクランプ)

注(

3

)  150 Ω 負荷,例えば,50 Ω 負荷で終端した 150 Ω−50 Ω 変換アダプタは,AE ポートで無遮へ

いケーブルにだけ適用しなければならない(遮へいケーブルには,AE 側で基準グラウンド面に

接続した遮へいがある。)。

図 8c  結合デバイス及び減結合デバイスの EUT ポートにおけるレベル設定のためのセットアップ

  8  レベル設定のためのセットアップ(6.4.1 参照)

図 8a  無遮へいケーブルのコモンモードポイントの定義

コモンモードポイント

コモンモードポイント

EUT ポート

EUT ポート

図 8b  遮へいケーブルのコモンモードポイントの定義

150 Ω−50 Ω 
変換アダプタ

基準グラウンド面

コモンモードポイント

結合デバイス及び

減結合デバイス

(

3

)

試験

信号発生器


25

C 61000-4-6:2006

単位  m

EUT は,すべての金属物から少なくとも 0.5 m 離さなければならない。

  9  単一ユニット EUT における試験セットアップの例

CDN-M2

> 0.5

CDN-AF2

CDN-T2

0.1 <

L

< 0.3

> 0.5

基準グラウンド面

T2

RF 信号発生器

試験信号発生器

AE

電源線

AE 又は通信線

EUT

絶縁支持台

h

= 0.1

平衡対

電源線

無遮へい 
不平衡ケーブル


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C 61000-4-6:2006

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

EUT は,すべての金属物から少なくとも 0.5 m 離さなければならない。

注入に用いない CDN のうち一つだけは,50  Ω で終端して,帰路を一つだけにしなければならない。他

のすべての CDN は,減結合回路網として接続しなければならない。

EUT に附属する相互接続ケーブル(1 m 以上)は絶縁支持台の上に置かなければならない。

 10  複数ユニット EUT における試験セットアップの例

平衡対

無遮へい
不平衡

電源線

電 源

擬似手

絶縁支持台

h

=0.1 m

AE 又は 
通信線へ

電源線

AE

試験 
信号発生器

T  :50 Ω 終端器 
T

:50 Ω 系電力減衰器(6 dB)

CDN-T

CDN-M2

CDN-AF2

CDN-M2

>0.5 m

T

T

0.1 m<L<0.3 m

0.1 m<L<0.3 m

T

T2

T2

>0.5 m


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C 61000-4-6:2006

附属書 A(規定)クランプ注入に関する付加情報

A.1  電流注入クランプ  電流クランプで要求する性能は,電流クランプを取り付け,かつ人力ポートを 50 
Ω 負荷で終端して 50 Ω 系で試験するときに,試験ジグの伝送損失が 1 dB を超えてはならない。レベル設

定セットアップの回路は,

図 A.1 に示しており,試験ジグの図面は,図 A.2 に示す。

電流注入クランプに適用する信号レベルは,試験の前に設定する。試験レベル設定手順は,本体の 6.4.1

及び

図 に示す。レベル設定が 150 Ω のインピーダンス環境ではなく 50 Ω の試験ジグで実施する場合は,

次の手順に従わなければならない。

−  注入クランプの入力ポートに接続するケーブルの遮へいは,低インピーダンス接続で試験ジグの基準

面に接続しなければならない。

−  試験ジグは,一方の端を 50  Ω 同軸負荷で終端し,更に他の端を対象とする周波数範囲にわたって

VSWR が 1.2  以下の電力減衰器で終端しなければならない。この電力減衰器は,RF 電圧計又はスペ

クトラムアナライザの 50 Ω 入力に接続しなければならない。

−  信号発生器の出力レベルは,試験ジグの出力コネクタにおける電圧レベルが,要求試験レベル

U

0

-6 dB(本体の 6.4.1 参照)に到達するまで上げなければならない。信号発生器の出力レベルを,ステッ

プ周波数ごとに記録しなければならない。

A.2 EM クランプ  EM クランプの構成及び概念は,図 A.3,図 A.4 及び図 A.5 に示す。

EM クランプは(従来の電流注入クランプと比較すれば)10 MHz を超えて 10 dB 以上の方向性をもってお

り,したがって補助装置のコモンモードポイントと基準グラウンド面間とのインピーダンスは明確な値に

する必要はない。EM クランプの 10 MHz を超える動作は CDN のそれと同様な動作になる。

EM クランプに対するレベル設定は,図 に示すように,150 Ω 系で 6.4.1 によって実施しなければなら

ない。

A.3  試験セットアップ  試験に着手するためには,試験するケーブルにクランプを設置しなければならな

い。このクランプには,レベル設定手順に従ってあらかじめ決定した試験信号発生器の出力レベルを供給

しなければならない。

試験の間,電流注入クランプの入力ポートの遮へい物又は EM クランプのグラウンド棒は,基準グラウ

ンド面へ接続しなければならない(

図 A.6 及び図 A.7 参照)。

試験の間,EM クランプ,電流クランプのいずれでも,観測する電流が,公称回路電流設定値(7.4 参照)

を超えるならば,電流がこの公称回路電流設定値に等しくなるまで,試験信号発生器の出力レベルを減少

しなければならない。減少した試験信号発生器出力値のレベルは,試験報告の中に記録しなければならな

い。


28 
C 61000-4-6:2006


 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


29

C 61000-4-6:2006

単位  mm

EM -クランプ 0.15∼230 MHz

側面図(断面)

下部(平面図)

部品リスト

1

フェライト・リングコア  φ36 mm×φ23 mm×15 mm 
10 個のリング,形式 4C65,NiZn,µ=100 
26 個のリング,形式 3C11,MnZn,µ=4300

2      溝に接着した銅はく(箔)の半シリンダ 
3      下部の導体板 
4      グラウンド棒 
5・6   供試ケーブルを溝に押し付けるための素子

圧縮ばねをもつ絶縁物の部品(表示せず)

7    フェライト管,4C65 
8    同軸ケーブル,50 Ω BNC コネクタ付き 
9    Z1 の開放のためのスイッチ 
10      部品 2 のためのスロット 
11    弾力のあるフェライト固定具(上部の半リング) 
12    下部の絶縁板 
13    Z1,Z2 のための保護板 
EUT  供試装置 
Z1    直列インピーダンス:

C

1:

20-100pF,

L

1:

0.15 µH,

R

1:50 Ω/12 W

Z2    直列インピーダンス:

L

2:

0.8 µH,

R

2:

50 Ω/12W

図 A.3  EM クランプの詳細構造


30 
C 61000-4-6:2006

部品リスト 
1

  フェライト管(クランプ)長さ 0.6 m,φ20 mm,EUT 側 10 リング 4C65 (

µ=100)及び

AE 側 26 リング 3C11 (

µ=4 300)から成る。

2

  銅はく(箔)の半シリンダ

7

  EM-クランプ構造の中に内蔵するフェライト管  (

µ=100)

Z1,Z2  周波数応答及び方向性を最適化するために組み込む。 
G1

  試験信号発生器

 
EM クランプの原理: 
−  フェライト管による磁気結合(第 1 項) 
−  EUT ケーブルと銅はく(箔)との間の密接による電気結合(第 2 項)

図 A.4  EM クランプの概念(電磁気クランプ)

市場で入手可能な EM-クランプの構造の代表的特性:

−  動作周波数範囲:0.15∼230 MHz 
− EM-クランプの結合係数の周波数応答。 
− 10

MHz を超える直接結合と減結合との比率 EUT/AE≧10 dB

図 A.5  EM クランプの結合係数

周波数(MHz)

結合係数(

dB

0

−2.0

−4.0

−6.0

−8.0

10.0

1

2

7


31

C 61000-4-6:2006

 

図 A.6  注入クランプを用いた試験セットアップの原理

 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

T     終端抵抗器 50  Ω

T

2

        電力用アッテネータ(6 dB)

 EUT は,すべての金属障害物から少なくとも 0.5 m 離さなければならない。 
 CDN の試験条件のため,本体の図 2,図 9,及び図 10 を引用する。.

図 A.7  注入クランプを用いた場合のグラウンド面上の試験ユニット配置例(平面図)

EUT

0.1 < L < 0.3 

50 Ω

CDN

監視用

プローブ

注入クランプ

短いグラウンド接続線

基準グラウンド面

0.1

AE

測定装置

試験

信号発生器

50 Ω

CDN

T2

可能な場合

L

2

 < 0.3

0.1

単位  m

AE2

AE1

絶縁材料

測定装置

試験

信号発生器 

基準グラウンド面

電源線

電源線

監視プローブ(必要な場合)

注入クランプ

CDN-M2

CDN-T2

CDN-M2

平衡対線

電源線

非遮へい 
多芯ケーブル

EUT

> 0.5

0.1 <

L

 < 0.3

> 0.5

T

T2

T

単位  m


32 
C 61000-4-6:2006

附属書 B(参考)印加周波数範囲の選択基準

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

規格の要求事項は,150 kHz∼80 MHz までの周波数範囲を規定しているが,適用できる周波数範囲は試

験する装置の正規の設置条件及び動作条件に依存する。例えば,電池で給電する全寸法が 0.4 m 未満の小

形装置で,かつ,いかなる金属ケーブルももたない場合は,80 MHz 以下で試験する必要はない。なぜな

らば,妨害電磁界によって誘導する RF エネルギーはこの装置を誤動作させることは少ないからである。

一般的に,試験測定終了周波数は 80 MHz である。小形装置を考慮する場合(寸法<

λ/4)は,専用の製品

規格で試験終了周波数を,最大 230 MHz まで拡張して定めてもよい。この場合,結合デバイス及び減結合

デバイスは,

表 B.1 で指定した,EUT ポートで測定したコモンモードインピーダンスのパラメータを満た

さなければならない。高い周波数までこの試験方法を用いる場合,結果は装置の寸法,用いる相互接続ケ

ーブルの形式,この規格に規定していない特別な CDN の有効性などに影響を受ける。さらに適切に適用

するための指針をこの専用の製品規格で提供することが望ましい。

表 B.1  試験周波数範囲 80 MHz を超えて拡張するときの

結合デバイス及び減結合デバイスの組合せの主要なパラメータ

周波数帯域

パラメータ

0.15∼26 MHz

26∼80 MHz

80∼230 MHz

|Z

ce

|

150 Ω  ± 20 Ω 150

Ω + 60 Ω – 45 Ω 150

Ω + 60 Ω – 60 Ω

備考1.  Z

ce

の変数及び EUT ポートと AE ポートとの間の減結合係数は個別に規定していない。これらの係数

は,|Z

ce

|の許容差が,AE ポートと基準グラウンド面との間を短絡又は開放した条件で満たされるとい

う要求条件に含まれる。

2. AE についてのコモンモードインピーダンス要求事項に適合しない状態でクランプ注入方法を用いる

場合,Z

ce

に対する要求事項を満足しない場合がある。しかし,本体 7.4 の指針に従う場合は,注入ク

ランプで許容可能な試験結果を得ることができる。 

試験開始周波数は,接続するケーブルを含む装置が,妨害電磁界から大きな RF エネルギーを受けるか

どうかに依存する。

三つの異なるケースが考えられる。

a)  グラウンド線及び他の装置への接続をもたず,電池充電中は使用しない電池駆動の装置(寸法  <  λ/4)

は,この規格に従った試験をする必要はない。充電中に装置が動作する場合,ケース b 又は c を適用

する装置(寸法  ≥ λ/4)については,接続するケーブルの最大長を含む寸法で,試験開始周波数を決定す

る(

図 B.1 参照)。

b)  電源線に接続するが,他の装置又はケーブルに接続していない装置。

電源は,結合デバイス及び減結合デバイスを通して供給し,擬似手を装置の負荷にする。試験開始

周波数は,150 kHz とする。

c)  電源線に接続し,かつ制御ケーブル,I/O ケーブル又は通信ケーブルを通して他の絶縁装置又は非絶

縁装置に接続する装置。

試験開始周波数は,150 kHz とする。


33

C 61000-4-6:2006

長さ L (m)

C

0

= 3×10

8

m/s

L

 

  =

ケーブル長 + 装置寸法

例: 
−  電池駆動のパーソナルコンピュータから電源を供給するキーボード(最大寸法  ≥ λ/4)に接続する,長さ 4 m のカー

ルコードについては,試験開始周波数は 6.67 MHz であることが望ましい。このキーボードは,擬似手で覆うこ

とが望ましい。ちょうど 2 m のケーブルの付いているマウスについては,試験開始周波数は 15 MHz となる,な
ど。

− AC/DC アダプタが利用可能な電卓は,そのアダプタの電力線側で 150 kHz 以上の周波数で試験することが望まし

い。この電卓は擬似手で覆うことが望ましい。

−  グラウンド線に接続できる携帯形の電池電源のマルチメータは,グラウンド線に 150 kHz から上の周波数で試験

することが望ましい。このマルチメータは擬似手で覆うことが望ましい。

−  絶縁したスピーカーボックスに接続し,オーディオレシーバ及びグラウンド線に接続でき,かつ,アンテナ入力

端子も付いている二重絶縁(電源線)のコンパクトディスクプレーヤは,電源線及びオーディオケーブルの両方で
150 kHz から上の周波数で試験することが望ましい。

−  建築物の中に分配している各種の絶縁検知器があり,その最大ケーブル長が 200 m(製造業者の仕様)になる盗難

警報器は,これらのケーブル上で 150 kHz から上の周波数で試験することが望ましい。

図 B.1  ケ―ブル長及び装置寸法に対応する試験開始周波数


34 
C 61000-4-6:2006

附属書 C(参考)試験レベルを選択するための指針

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

試験レベルの選択は,最終的に製品を設置したときに,EUT 及びケーブルがさらされる電磁放射環境に

対応して選択することが望ましい。試験レベルの選択に当たっては,故障の重大さを考慮することが望ま

しい。故障による影響が重大である場合は,より高いレベルを考えることが望ましい。

EUT を限られた場所にだけ設置する場合は,その地域の RF 発生源の観測によって発生する電磁界強度

の計算が可能である。発生源の電力が未知の場合は,当該場所における実際の電界強度の測定値を用いて

もよい

多様な場所での稼動が予定されている装置については,次の指針に従って使用すべき試験レベルを選択

すればよい。

次のクラスは本体の 5.で示したレベルに対応している。これは適切なレベルの選択のための一般的な指

針と考えてよい。

クラス 1:低レベル電磁放射環境。ラジオ送信所及びテレビ送信所が 1 km 以上の距離にある場合の

典型的なレベル及び低電力トランシーバの典型的なレベル。

クラス 2:中程度の電磁放射環境。低電力可搬形トランシーバ(一般には定格 1 W 以下)を使用するが,

装置の近傍での使用を制限する。典型的な商業環境。

クラス 3:厳しい電磁放射環境。可搬形トランシーバ(2 W 以上)を装置の比較的近くで用いるが,1 m

未満の距離には接近しない。大電力放送用送信機が装置に近接。又は工業・科学・医療(ISM)

装置が近くにある。典型的な工業環境。

クラス X:X は任意のレベルであって,専用の装置仕様又は装置固有の規格で取り決めて規定しても

よい。

ここに記した試験レベルは,上記の場所においてめったに超えない典型的な値である。同じ建物内の大

電力送信機又は ISM 装置の近傍など,場所によってはこの値を超える場合がある。このような場合には,

すべての装置をこのレベルに耐えるように規定するよりはむしろ,部屋又は建物を遮へいすること及び装

置への信号線及び電源線にフィルタを付けることを推奨する。


35

C 61000-4-6:2006

附属書 D(参考)結合・減結合回路網に関する情報

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

D.1  結合・減結合回路網(CDN)の基本的特徴  CDN は,次の機能を備えていることが望ましい。

− EUT への妨害信号の結合

− AE のコモンモードインピーダンスによって変化しない,EUT からみた安定なインピーダンス

− AE への干渉を防ぐための,AE への妨害信号の減結合

−  目的の信号に対する透過性

周波数範囲 150 kHz∼80 MHz における CDN の必要なパラメータは本体の 6.2 に示し,その例は D.2 

示す。

D.1D.6 の図において,コモンモードインピーダンス Z

ce

は,試験信号発生器の内部抵抗(50  Ω)及び供

試ケーブルの導線から接続する抵抗(100 Ω)の並列接続の連結で構成する(本体の

図 5c 参照)。適切なイン

ダクタ (|

ωL| > 150 Ω)を用いて,減結合容量,C

2

は Z

ce

に影響しないことが望ましい。

CDN 上の EUT ポートの中心は,基準グラウンド面上 30 mm に位置することが望ましい。CDN と EUT

との間のケーブルは,基準グラウンド面上高さ 30 mm に配線すれば特性インピーダンスが約 150 Ω の伝送

線路と同等になる。

試験信号発生器及び CDN の各線の直流と低周波を分離させるコンデンサ C

1

のインピーダンスは,対象

とする試験周波数範囲において 150 Ω より極めて小さいことが望ましい。

AE は,無遮へいケーブルについてはコモンモードインダクタ 及びコンデンサ C

2

によるか又はコモン

モードインダクタ だけで減結合される。遮へいケーブルについては,遮へいが AE 側で基準グラウンド

面に接続しているために,コンデンサ C

2

は必要ない。

無遮へいケーブルについては,

希望信号が過度に影響しないように C

2

の値を選ぶことが必す(須)である。

例えば,CDN-M1 で,フェライトが飽和するなど,CDN のパラメータが,希望信号によって,過度に影響

を受けることは許容できない。

警告  C

1

及び C

2

は電源線の CDN 中の充電部をつなぐので,

適切な Y-コンデンサを用いるべきである。

漏えい電流が大きいので,CDN はグラウンド端子をもち,すべての試験条件下で基準グラウン

ド面に接続しなければならない。さらに基準グラウンド面は適切に保護グラウンドに接続しな

ければならない。


36 
C 61000-4-6:2006

 
D.2  結合・減結合回路網の例  一つの CDN で,すべての機能上の要求事項を満たすことは不可能なので,

図 D.1∼図 D.6 に幾つかの可能性を示す。 

入力ポート

 

 

EUT ポート

 

 

R

 = 100 Ω

L

≧280 µH (150 kHz)

図 D.1  遮へいケーブルに用いる CDN-S1 回路の簡略図の例(本体の 6.2.1 参照)

 
 

 
 

 
 
 
 
 
 
 

C

1

(typ) = 22 nF

C

2

(typ) = 47 nF

R =

100 Ω

L

≧280

µH(150 kHz)

図 D.2a  無遮へいの(主)電源線に用いる CDN-M1 回路の簡略図の例(本体の 6.2.1.1 参照)

AE ポー

入力ポート

R

EUTポート

AEポート

L

C2

N

R

C

1

L

C

2


37

C 61000-4-6:2006

入力ポート

R

EUTポート

AEポート

L

N

L

C

1

(typ) = 10 nF

C

2

(typ) = 47 nF

R

  = 200 Ω

L

  ≧ 280 µH(150 kHz)

図 D.2b  無遮へいの(主)電源線に用いる CDN-M2 回路の簡略図の例(本体の 6.2.1.1 参照)

 

入力ポート

R

EUTポート

AEポート

L

C2

PE

N
L

C

1

(typ) = 10 nF

C

2

(typ) = 47 nF

R

  = 300 Ω

L

  ≧ 280 µH(150 kHz)

図 D.2c  無遮へいの(主)電源線に用いる CDN-M3 回路の簡略図の例(本体の 6.2.1.1 参照)

図 D.2  無遮へいの(主)電源線に用いる CDN の簡略図の例(本体の 6.2.1.1 参照)

L

C

2

C

1

R

L

C

1

C

2

R


38 
C 61000-4-6:2006

入力ポート

 

EUT ポート

 

C

1

 (typ) = 10 nF

C

2

 (typ) = 47 nF

R

 = 200 Ω

L ≥ 280 µH(150 kHz)

図 D.3  無遮へいの平衡対に用いる CDN-AF2 回路の簡略図の例(本体の 6.2.1.3 参照)

 

入力ポート

 
 
 

EUT ポート

 

C

1

 (typ) = 10 nF

C

2

 (typ) = 47 nF,R = 200 Ω

L

1

 ≥280 µH (150 kHz)

L

2

 = L3 = 6 mH (

C

2

  及び

L

3

  を用いない場合は,

L

1

 ≥30 mH)

図 D.4  無遮へいの平衡対に用いる CDN-T2 回路の簡略図の例(本体の 6.2.1.2 参照)

AE ポート

AE ポート


39

C 61000-4-6:2006

入力ポート

 
 
 
 

 EUT ポート

 
 
 

C

 (typ) = 5.6 nF

R

= 400 Ω

L

1

≫280 µH (150 kHz)

L

2

 = 6 mH

図 D.5  無遮へいの平衡対に用いる CDN-T4 回路の簡略図の例(本体の 6.2.1.2 参照)

 

入力ポート

 
 
 
 
 
 

    EUT ポート

 

 

 

C

 (typ) = 2.2 nF

R

 = 800 Ω

L

≫280 µH (150 kHz)

図 D.6  無遮へいの平衡対に用いる CDN-T8 回路の簡略図の例(本体の 6.2.1.2 参照)

AE ポート

AE ポート

コモンモード
チョーク


40 
C 61000-4-6:2006

附属書 E(参考)試験信号発生器の使用に関する情報

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

電力増幅器 PA(本体の

図 参照)の有効出力電力は,減衰器 T2 (6 dB),振幅変調度(80  %)(本体の図 

照)及び使用した CDN 又はクランプの最小結合係数を考慮に入れて決定する。

表 E.1  10 V の試験レベルを得るために必要な電力増幅器出力電力

注入デバイス

最小結合係数  ±1.5 dB

dB

電力増幅器出力に

おける必要電力

W

CDN 0 7

電流クランプ

−14 176

巻き数比  5:1

EM  クランプ

−6 28

備考  結合係数は本体の 3.5 で定義している。これは出力レベル設定回路を用い

て測定することができる。本体の

図 8c 参照。結合係数は,結合・減結合

回路網を 150  Ω−50  Ω 変換アダプタと直列に用いた場合の出力電圧(U

mr

)

と 2 個の 150 Ω−50 Ω 変換アダプタを直列に用いた場合の出力電圧との比

である。


41

C 61000-4-6:2006

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS C 61000-4-6:200X  電磁両立性―第 4-6 部:試験及び
測定技術―無線周波電磁界  によって誘導する伝導妨害

に対するイミュニティ

IEC 61000-4-6:2003,電磁両立性(EMC)―第 4-6 部:試験及び測
定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対する

イミュニティ

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定 (Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内

容 
  表示箇所:本体及び附属書 
  表示方法:点線の下線及び側線

項目 
番号

内容

(Ⅱ)

国際

規格 
番号

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技
術的差異の理由及び今後の

対策

1.適用範

周波数 9 kHz∼80 
MHz の 伝 導 性 イ
ミュニティ試験

IEC 
61000-
4-6 

1

JIS と同じ IDT

2.引用規

JIS C 60050-161 
 
 
JIS C 0364-3 

 2

 
 
2

EMC に関する
IEV 用語 
 
建築電気設備

IDT 
 
 
MOD/追加

− 
 
 
JIS に日本の電気設
備規格を追加

6.2.1.1.1  日本の電源系に適
用する場合を追加したこと

によって,日本の電気設備
規格を引用した。

3.定義  試験装置,用語,

測定量など。

 3

JIS と同じ IDT

4.一般事

4

JIS と同じ IDT

5.試験レ
ベル

5

JIS と同じ IDT

6.試験用
装置

・試験信号発生器

・結合デバイス及
び減結合デバイス 
・結合デバイス及

び減結合デバイス
の EUT ポートで
のコモンモードイ

ンピーダンスの検
証 
・試験信号発生器

の設定

 6

6.1 
6.2 

− 
− 
− 
6.3 
6.4

   IDT

IDT 
IDT 
MOD/変更
− 
MOD/追加
− 
IDT 
IDT

― 
― 
用語の定義を変更 
 
JIS に日本の電源系
適用を追加

− 

IEC 規格では,様々な種

類の CDN を CDN's として
い る が , 本 体 記 載 の 形
CDN-XX と変更した。 
IEC 規格では電源線用
CDN-XX に関し,我が国で
一般的に使用している PE

端子がない電源系での規定
が な い 。 し た が っ て ,
6.2.1.1.1  日本の電源系に適
用する場合として,記載及
び表 4 を追加した。日本独
自の内容のため,問題なし。

 
 
 
 
 


42 
C 61000-4-6:2006

(Ⅰ)JIS の規定

( Ⅲ ) 国 際 規 格 の
規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差
異の項目ごとの評価及びその内

容 
  表示箇所:本体及び附属書 
  表示方法:点線の下線及び側

項目 
番号

内容

(Ⅱ)

国際

規格 
番号

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との
技術的差異の理由及び

今後の対策

7.卓上形装
置 及 び 床
置 形 装 置

の 試 験 セ
ッ ト ア ッ

・注入方法及び試験点選
択の規則 
・CDN 注入適用の手順

・コモンモードインピー
ダンス要求条件を満たす
場合のクランプ注入手順

など 
・コモンモードインピー
ダンス要求条件が満たさ

れない場合のクランプ注
入手順 
・試験信号発生器の設定

・直接注入手順 
・単一ユニット EUT 
・幾つかのユニット EUT

IEC 
61000
-4-6 

7

JIS と同じ IDT

8.試験手順

8

JIS と同じ IDT

9.試験結果
の評価

9

JIS と同じ IDT

10. 試 験 報
告書

10

JIS と同じ IDT

附 属 書 A
(規定)

クランプ注入に関する付
加情報

JIS と同じ IDT

附 属 書 B

(参考)

印加周波数範囲の選択基

JIS と同じ IDT

附 属 書 C
(参考)

試験レベルを選択するた
めの指針

JIS と同じ IDT

附 属 書 D
(参考)

結合・減結合回路網に関
する情報

   MOD/変更 内 容 を 変 え ず に 図

D2 を図 D.2a,図 D.2b
及び図 D.2c の三つに

場合分けした。

IEC 原規格では,三つの
場合を一つの図に組み
込んで分かりづらいの

で,場合分けした。

附 属 書 E
(参考)

試験信号発生器の仕様に
関する情報

JIS と同じ IDT

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 
 
備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。 
2.

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。